JP4826981B2 - リグノフェノール系吸着媒体を用いた色素の吸着処理方法 - Google Patents

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本発明は、水や有機溶媒に含まれる色素を吸着により効率的に分離回収するためのリグノフェノール吸着媒体を用いた色素の吸着処理方法に係り、さらに詳しくは、環境に優しいリグノフェノールを親水性や疎水性にしたり、さらに三次元化や複合化することにより得られるリグノフェノール系吸着媒体用いた色素の吸着処理方法に関する。
一般に、有機物の吸着媒体としては、シリカやアルミナ等の無機化合物や、活性炭に代表されるような多孔質炭素が使用されている。有機物の除去方法としては、さらに、酸化チタン光触媒による酸化還元複合プロセスの活用や、オゾン、塩素、次亜塩素酸等を用いた酸化漂白等の処理が行われている。
ところで、近年、植物を利用する際に、従来廃棄されていたリグニンから誘導されたリグノフェノールの有効利用に関する研究開発が行われている。特許文献1には、植物由来のリグノセルロースを相分離して、リグノフェノールを抽出する方法が開示されている。リグノフェノールは有機溶媒に溶け、各種材料に塗布した後、乾燥して成形体とすることができる。成形体が不要となった場合には、有機溶媒に溶かして回収することで、再利用が可能となる。
リグノフェノールの応用分野として吸着剤がある。特許文献2には、リグノフェノールをハイドロキシメチル化し高分子化した化合物による金の選択的吸着が開示されている。特許文献3及び4には、鉛イオンの吸着が開示されている。非特許文献1には、本発明者らにより、銀や遷移金属の吸着が報告されている。
非特許文献2には、本発明者らの一人により、リグノフェノール及びその誘導体に対して、牛血清アルブミン(BSA)に代表される酵素タンパク質を、その活性を失うことなく吸着させる技術が報告されている。
特開平02−233701号公報 特開2005−305329号公報 特開2001−202963号公報 特開2001−202987号公報 増山 和晃、松井 未来生、舩岡 正光、「リグノクレゾールの重金属吸着特性」、平成14年度 三重県科学技術振興センター工業研究部研究報告、No.27、pp.98−102、2003年 M. Funaoka,"A New Type of Phenolic Lignin-Based Network Polymer with the Structure-variable Function Composed of 1,1-Diarylpropane Units", Polymer International, Vol.47, pp.277-290, 1998
従来の活性炭は大きな表面積を有する吸着媒体として知られているが、吸着後の再生が難しい。活性炭の場合には、土壌における植物資源が生分解の結果生じるフミン質のような極性有機化合物の吸着量が少ない。また、シリカやアルミナのような吸着剤はマイクロポアを有するため、吸着サイトは豊富に存在していると考えられるが、固体表面の高い親水性と酸性の影響などにより有機物の吸着効率は低いものであった。
オゾンや塩素等による有機物の酸化分解では、副生成物として塩素などが導入された有害物質が生じる可能性があり、複雑な化合物の混合系では適用が困難であった。
一方、リグノフェノールを主体とした吸着技術は、低分子の有機化合物、例えばメチレンブルーのようなイオン性平面色素分子やメチルオレンジのようなアゾ染料の吸着や分解に関する検討は、これまで行われていなかった。
本発明は上記課題に鑑み、リグノフェノール系吸着媒体を用いた色素の吸着処理方法を提供することを目的とする。
発明者等は、鋭意研究を重ねたところ、リグノフェノール単体やその誘導体に熱処理や薬剤による三次元化処理を施したり、リグノフェノールとセルロースやある程度の極性のある高分子や金属化合物との複合化などにより形成される複合体が、水や有機溶媒の溶液中に含まれている色素を効率よく除去できることを見出し、本発明に至った。
リグノフェノールは、好ましくは、リグノセルロースとフェノール類とのフェノール置換体を、濃酸との界面反応で得られる。
フェノール類は、好ましくは、フェノール、p(パラ)−クレゾール、m(メタ)−クレゾール、o(オルト)−クレゾール、アニソール、2,4−ジメトキシフェノール、2,6−ジメトキシフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、プロピルフェノール、i−プロピルフェノール、tert−ブチルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、フロログルシノール、ビスフェノール、バニリン、シリンゴール、グアイアゴール、フェルラ酸、クマル酸の何れか、又は、これらの組み合わせである。
本発明で用いるリグノフェノール系吸着媒体は、アセチル化、アシル化、ハイドロキシメチル化、シリル化、エポキシ化、アルキルカルボキシル化、カーボネート化の何れかにより化学修飾されたリグノフェノール化学修飾物、又は、ハイドロキシメチル化を介して合成されたリグノフェノールの高次フェノール導入体からなり、色素に対する吸着能を有する。
他の構成によるリグノフェノール系吸着媒体は、水酸基が1個以上ある芳香族類で再反応して得られるリグノフェノールを主成分とし、色素に対する吸着能を有する。
他の構成のリグノフェノール系吸着媒体は、リグノフェノール及びその誘導体を、アルカリ中で100℃から200℃の範囲で加熱して得られるリグノフェノールを主成分とし、色素に対する吸着能を有する。
さらに他の構成のリグノフェノール系吸着媒体は、リグノフェノール又はその誘導体と高分子とで構成された複合体からなり、色素に対する吸着能を有することを特徴とする。
上記構成において、高分子は、好ましくは、天然高分子、合成高分子、導電性高分子の何れか又はこれらの高分子の組み合わせからなる。
本発明の別の構成のリグノフェノール系吸着媒体は、リグノフェノール又はその誘導体と金属化合物とで構成された錯体様複合体からなり、色素に対する吸着能を有する。
上記構成において、金属化合物は、好ましくは酸化物又は硫化物でなり、金属化合物の粒径は、好ましくは、5nm〜1000nmの範囲にある。酸化物は、好ましくは、酸化チタン又は磁鉄鉱であり、酸化チタンはフィルム状であってもよい。酸化チタンの結晶は、好ましくはアナタース結晶からなる。
上記何れかに記載のリグノフェノール系吸着媒体を用い、液体中の色素を吸着処理することができる。
本発明のリグノフェノール系吸着媒体によれば、活性炭と異なり色素に対する吸着能が高く、色素を効率よく除去できる。この吸着媒体の原料となるリグノフェノールは、たとえば廃材、間伐材、製材の際に発生する木粉等の豊富な廃棄物を原料としているので、安価である。本発明のリグノフェノール系吸着媒体を使用した後は、アルカリ処理などにより元のリグノフェノールに戻し、再使用が可能であるので、環境にやさしい吸着媒体を得られる。
本発明のリグノフェノール系吸着媒体は、親水性や疎水性、その分子量分布を自由に制御することにより、処理対象の化合物などの用途に応じ、最適な吸着媒体を設計でき、さらに、これまで困難であった有機溶媒中に含まれる色素を吸着分離回収することができる。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明のリグノフェノール系吸着媒体は、何れも植物などを原料とし、この原料から抽出したリグノフェノールを用いており、このリグノフェノール系吸着媒体は、色素に対する優れた吸着能を有している。リグノフェノール系吸着媒体は、リグノフェノールをさらに熱などの物理処理により得たリグノフェノール、リグノフェノールとセルロースとの複合体、リグノフェノールと合成高分子との複合体、リグノフェノールの二次誘導体、リグノフェノールの高次フェノール導入体、リグノフェノールと金属化合物との安定な錯体様複合体を用いる。
本発明のリグノフェノールの原料となるリグノセルロースについて説明する。
リグノセルロース自体は植物の主成分であり、植物としては針葉樹や広葉樹のような木本類、草本類の何れも使用できる。木本類では廃材、間伐材、木粉など、ケナフやバガス、アブラヤシ空房といった草本系農産排廃棄物、草本植物、新聞紙、コーヒーガラ等の産業廃棄物も使用可能である。リグノセルロースは、約70%の糖質と約30%の硬い部位であるリグニンからなる。従来は、有用な糖質のみが抽出され、反応性が高いため抽出が困難なリグニンは廃棄されていた。これらの原料のひとつである木本類を用いた場合の特徴を以下に示す。
針葉樹はフェニルプロパン構造のフェニル部の2位にアリールメチルエーテル(メトキシル基)を有するグアイアシル型がすべてを占める。広葉樹ではグアイアシル型と同時にフェニル部2位、5位に共にメトキシル基があるシリンギル型を50:50で有する。さらに草本では広葉樹型の基本骨格に加え、メトキシル基がないフェニルプロパン骨格を有する。このような基本骨格以外は得られるリグノフェノールの構造はいずれの樹種を用いてもほぼ同様となる。針葉樹リグノフェノールではグアイアシル基のフェニル部の5位から単位間結合が形成されるため比較的分子量が高くなる。針葉樹では重量平均分子量であるMwが10000から20000程度、広葉樹や草本では、Mw=6000から8000程度となる。
この分子量の差と構造の相違はたとえば熱機械分析(TMA)で測定した熱流動点に反映し、針葉樹では170℃程度で流動し始めるのに対し、広葉樹では140℃程度となる。NMRやFT−IRによる構造解析ではほぼ同じ数値を示す。さらに、アルカリ下、分子スイッチを作動させると樹種に関係なく低分子化することから、高分子の基本骨格であるC2−O−アリール構造も同様に存在すると考えることができる。このように分子構造や分子量分布も用途に応じ自由に設計できる。
本発明のリグノフェノール系吸着媒体として、基本となるリグノフェノールは、原料となるリグノセルロースをフェノール類などによりフェノール置換体とし、このフェノール置換体を濃酸との界面反応でフェノール化する相分離系変換システムで抽出することができる(特許文献1参照)。
図1は、リグニンからp−クレゾール型のリグノフェノールに変換する化学反応式を示す図である。図1の反応においては、リグニン1をp(パラ)−クレゾールを用いてフェノール置換体とし、硫酸(H2SO4)と反応させ、p−クレゾール型のリグノフェノール2と水溶性炭水化物(糖類)とに分離している。
上記p−クレゾール以外のフェノール類としては、フェノール、m(メタ)−クレゾール、o(オルト)−クレゾール、アニソール、2,4−ジメトキシフェノール、2,6−ジメトキシフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、プロピルフェノール、i−プロピルフェノール、tert−ブチルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、フロログルシノール、ビスフェノール、バニリン、シリンゴール、グアイアゴール、フェルラ酸、クマル酸の何れか、又は、これらの組み合わせを使用することができる。
本発明に係るリグノフェノールの構造特性を示す。
リグノフェノールは、以下のような構造特性を有する不定形ポリマーである。植物中20〜30%含まれるフェノール系物質でフェニルプロパン骨格(C6C3)を有するリグニンに酸触媒下、過剰のフェノール類(例えばp−クレゾールなど)との界面反応によってフェノール化処理を施すと、主にフェニルプロパン骨格のC1位にフェノールが、水酸基がC1に対しオルト位になるように求核的に導入され、ほぼ定量的にフェノール性リグニン系構造可変ポリマー(リグノフェノール)が得られる(図1の1−1,ビス(アリール)プロパン−2−O−アリールエーテル型構造参照)。
得られたリグノフェノールのフェノール性は、主に導入したフェノールの種類に依存する。同時にC1位に存在したリグニンの三次元構造を形成する単位間結合が切断され、比較的リニア構造を有する高分子化合物に誘導される。リニア型の構造は天然のリグニンの基本骨格であるC2−O−アリールエーテル骨格を有する。このアリールエーテルはフェニルプロパン鎖のフェニル部、4位と結合している。プロパン鎖の末端C3位置には脂肪族性水酸基が存在しており、フェノール性水酸基と共に豊富な水素結合を形成する。
上記フェノール類の内、p−クレゾール、m−クレゾール、o−クレゾール、2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、プロピルフェノールなどのフェノールを選択することにより、リグノフェノール自体を疎水化できる。これら疎水性リグノフェノール、例えばp−クレゾールタイプのリグノフェノールは水中の色素を吸着分離するのに適している。
他方、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、フロログルシノール、ハイドロキノンなどから得られるリグノフェノールは親水性が高い。また、ハイドロキシメチル化リグノフェノール等の誘導体も水素結合が豊富なため親水性となる。これらのリグノフェノール系吸着媒体は、疎水性溶媒中から比較的極性の高い色素を吸着分離するのに適している。
さらに、リグノフェノール系吸着媒体としては高次リグノフェノールを用いることができる。この高次リグノフェノールは、ハイドロキシメチル化されたリグノフェノールに対して、水酸基が少なくとも1個以上ある芳香族類を導入することにより得られる。このような芳香族類としては、フェノール、クレゾール、カテコール、レゾルシノール、カテキン、タンニン、ポリフェノールなどが挙げられる。
例えば、リグノフェノール(p−クレゾールタイプ)をハイドロキシメチル化し、次いでカテコールを反応させると、原料比の収率が向上するだけでなく、p−クレゾールによる二次誘導体への変換性能を保持したまま、親水性リグノフェノール(カテコールタイプ)としての活用が可能となる。リグノフェノールにおいて、一次、二次又は高次フェノール導入体を組み合わせることで、様々な機能を有するリグノフェノール系吸着媒体とすることができる。
本発明のリグノフェノール系吸着媒体は、熱などの物理的処理により得られたリグノフェノール、リグノフェノールとセルロースとの複合体、合成高分子との複合体、リグノフェノール二次誘導体、高次フェノール導入体、リグノフェノール化学修飾物、金属化合物と安定な錯体様複合体を用いてもよく、以下に詳細に説明する。
(リグノフェノール−セルロース複合体)
相分離系変換システムで使用する酸の強度を抑制し、成分中の炭水化物繊維を保持した状態でリグニンのみをリグノフェノールに変換することもできる。条件設定によりヘミセルロースを優先的に抽出することができる。このようにして得られた炭水化物繊維が骨格をなすリグノフェノールとセルロースとからなるリグノフェノール−セルロース複合体は、130℃から180℃で流動開始し、熱圧成型により吸着媒体を形成できる。
(リグノフェノールの物理的処理)
リグノフェノールは一般に熱、圧力、光照射等の物理エネルギーを作用することにより構造の一部を条件に応じて高分子化又は低分子化できる。例えば、リグノフェノールを窒素雰囲気下で単純に加熱し、構造の一部を一旦高分子化し、さらにエネルギーを与えると低分子化すると同時に熱に対して安定な素材に誘導される。このような素材は溶媒への溶解性を失わないことから、耐熱性のあるリグノフェノール吸着媒体とすることができる。
(リグノフェノール複合体−1)
リグノフェノールは、溶液中においてセルロースなどの炭水化物と水素結合に代表される安定な複合体を形成できる。複合体と溶媒の界面は主に芳香族化合物の影響で疎水性になることを見出した。この複合体がセルロースと水素結合ならびに水酸基を介した結合形成されているため疎水性になると考えられる。これらのリグノフェノールとセルロースとの複合体を吸着媒体として用いることによって、疎水性リグノフェノールと同様に水中の色素をさらに短時間で吸着分離することができる。
(リグノフェノール複合体−2)
リグノフェノール又はその誘導体と高分子とで構成された複合体からなるリグノフェノール系吸着媒体も、色素を吸着する。高分子としては、天然高分子、合成高分子、導電性高分子の何れか、又はこれらの高分子の組み合わせとすることができる。リグノフェノール又はその誘導体は、天然高分子としては、一般にセルロースやスターチ、木材、絹、カゼインといった天然高分子と脱着が容易な複合体を形成する。また、ポリエステル、ポリアミド、ナイロンなどの極性のある合成高分子やポリアニリン、ポリチオフェンなどの導電性高分子等とも安定な複合体を形成し構造材や導電材料として利用できる。これら複合体は水系や有機溶媒系などの媒体中で安定に存在することができる。例えば、疎水性であるp−クレゾールタイプのリグノフェノールを複合化したセルロース成型体は、著しい疎水性を示す。このような複合体によれば、これまで例示してきたリグノフェノール類と同等以上の特性を有する吸着媒体として使用することができる。
(リグノフェノール二次誘導体)
フェニルプロパン骨格C1位に対しオルト位に水酸基を有するリグノフェノールはアルカリ条件下において加熱することで分子鎖を求核的に開裂し、分子量を低下させることができる。この分子制御を分子スイッチと呼ぶ。分子スイッチが作動するには、
(1)導入フェノールの水酸基がオルト位、
(2)C2−O−アリール構造を有することであり、
ハイドロキシメチル化(−CH2−OH)やその重合体、アセチル化(OCOCH3)のような可逆な化学修飾を施した誘導体でも発現する。
リグノフェノール分子中にオルト位以外の水酸基を任意で導入することで分子量の制御が可能である。処理温度により分子切断に伴う構造に差が生じる。例えば、140℃ではアリールクマラン型構造、170℃ではスチルベン型構造を形成することができる。同時に、リグノフェノールの分子量はMw=10000程度のものが、Mw=1000〜2000程度にまで減少する。このようにリグノフェノールは、構造と分子量が制御可能である。本発明のリグノフェノール系吸着媒体において、特に主鎖の切断などの循環性に関与する構造変化を伴って生じたリグノフェノールの誘導体を、リグノフェノール二次誘導体と呼ぶ。
(高次フェノール導入体)
リグノフェノールのハイドロキシメチル化物は、クレゾール型フェノール樹脂の原料として用いることができる。ハイドロキシメチル基のメチレン炭素はベンジル位に相当し、相分離系変換システムにおけるフェノール導入箇所に該当する。この性質を利用し、二次あるいはそれ以上の高次フェノール導入が可能である。
(リグノフェノール化学修飾物)
リグノフェノール系吸着媒体としては、リグノフェノールへ化学修飾を施した誘導体であってもよい。化学修飾としては、アシル化(OCOR)、シリル化(−O−SiR3)、エポキシ化(−O−CH2−CH(OH)−CH2−O−R)、アルキルカルボキシル化(R−COOH)、カーボネート化(フェノール−O−CO−O−R)が挙げられる。上記化学式において、Rは、アルキル基である。
(リグノフェノールと金属化合物との錯体様複合体)
リグノフェノール及びその誘導体は、金属化合物と安定な錯体様複合体を形成するので、金属化合物と強固な複合体を形成する。金属化合物としては金属酸化物、金属硫化物などが挙げられる。金属としては遷移金属を用いることができる。酸化チタンや磁鉄鉱などはこれらの中でも特に有用である。酸化チタンは単体として、さらには、後述する酸化チタンナノ多孔質フィルム状物質を用いることができる。
特に、アナタース型の酸化チタン結晶は、リグノフェノール系吸着媒体の強度を向上させるだけでなく、吸着特性をも向上させることができる。生成する錯体様複合化合物の強度の点からは、用いる金属化合物の一次粒子の粒径は小さいほうが好ましいが、nmオーダーより小さいナノ粒子の調整は極めて難しくなる。酸化チタンや後述する酸化チタンナノ多孔質フィルム状物質を用いる場合、一次粒子の粒径は1nmから10μmの範囲にあるナノ粒子であることが望ましい。一次粒子の粒径は1nmより小さいと、ナノ粒子そのものの調整が難しくなり好ましくない。逆に、一次粒子の粒径が10μmを超えると、錯体様複合化合物の強度は低下する傾向にあるので好ましくない。ここで、一次粒子とは、結晶態を有している最小の連続体単位を意味している。
リグノフェノールと酸化チタンとの錯体様複合体は、アナターゼ形の結晶構造を有する酸化チタンを用いる場合には光触媒作用を示す。このため、遮光した状態でないと色素の分離回収ができないが、系内からの有害物質の除去を目的とする場合は光触媒として作用するので分解除去がさらに容易となり極めて有用な吸着媒体となる。
エタノールやアセトンなどの有機溶媒に色素が溶解している系から特定の色素を吸着させることは、一般に困難である。しかしながら、本発明のリグノフェノールと酸化チタンとの錯体様複合体からなるリグノフェノール系吸着媒体を用いると、水系の溶液から色素を吸着する場合よりも吸着速度は低下するものの、有機溶媒に含有した色素の吸着分離や回収除去が可能になる。つまり、リグノフェノールと酸化チタンとの錯体様複合体からなるリグノフェノール系吸着媒体は有機溶媒に溶解しない、所謂不均一系となる。したがって、リグノフェノール単体はエタノールやアセトンなどの一部の有機溶媒に溶解するので(均一系)、リグノフェノールと酸化チタンとの錯体様複合体からなるリグノフェノール系吸着媒体のほうが利用範囲は広い。
リグノフェノールと酸化チタンとの錯体様複合体からなるリグノフェノール系吸着媒体が水系及び有機溶媒に含有した色素を吸着する理由は、下記のように考えられる。錯体様複合体において、リグノフェノール内に高頻度で存在する脂肪族性及びフェノール性水酸基が中心となり、これらが酸化チタンと相互作用し、錯体様複合体の疎水性の高い芳香環が、錯体様複合体の外面方向に配列し、色素がπ−π相互作用により吸着されると推察できる。
リグノフェノール及びその誘導体と金属化合物との錯体様複合体による吸着媒体によれば、例えばエタノールに可溶であったリグノフェノールを不溶化し、有機溶媒中の色素の吸着媒体としてさらに好適な特性を得ることができる。酸化チタンナノ多孔質フィルムも同様に、リグノフェノールと錯体様複合体を形成し有用な吸着媒体となり、酸化チタン単体とのリグノフェノール複合体と比べ、吸着媒体の物理的強度を向上させることができる。さらに、リグノフェノール及びその誘導体と酸化チタンナノ多孔質フィルムとの錯体様複合体による吸着媒体を、充填塔に使用して流通系の色素吸着処理を行う場合、メチレンブルーなどに対する吸着特性を向上させることができる。
本発明のリグノフェノール系吸着媒体は色素に対する吸着能を有し、用途によりそのまま粉末状で用いることも可能である。さらに、この粉末状のリグノフェノール系吸着媒体を、プレス成型や有機物や無機化合物系のバインダー等を混合して成型加工して用いることができる。上記したリグノフェノール単体やその誘導体、リグノフェノール複合体等は用途に応じそれぞれ単独で又は混合して用いることも可能である。
本発明のリグノフェノール系吸着媒体を用いた色素の処理方法について説明する。
処理対象となる系内に、本発明のリグノフェノール系吸着媒体を投入し、このリグノフェノール系吸着媒体に色素を吸着させることができる。特に、高価な色素の回収の場合にはカラム充填方式の処理装置を用いることがより望ましい。
本発明のリグノフェノール系吸着媒体を用いて色素の吸着処理を行った後の回収方法について説明する。
リグノフェノール系吸着媒体に色素を吸着した後で沈殿物を回収し、洗浄して乾燥する。この乾燥した沈殿物中のリグノフェノール系吸着媒体は、有機溶媒又はアルカリ溶液等へ浸漬することによって分離、回収することができる。アルカリ溶液に溶解したリグノフェノールは、酸性化することによって元の状態に回復させることができる。
本発明のリグノフェノール系吸着媒体で吸着できる色素としては、イオン性色素、アゾ染料、シアニン系色素、メロシアニン系色素、ポリエン系色素等が挙げられる。天然色素としては、アントシアニン類、カロテン類等が挙げられる。
本発明のリグノフェノール系吸着媒体の基本的な原料となるリグノフェノールの製造方法について説明する。
相分離系変換システム、すなわちリグノセルロースとフェノール類とを用いてリグノフェノールを製造する方法の一例を示す(特許文献1参照)。
p−クレゾールをアセトンに溶解し、このp−クレゾールアセトン溶液を気乾ヒノキ(Chamaecyparis obtusa)等の木粉に加え、該溶液が木粉に十分に浸透するまで放置する。アセトンを除去し、このp−クレゾールが付着した木粉に硫酸を加え、室温で所定時間激しく攪拌する。水洗にて酸を除去した後で乾燥させ、適量のアセトンを加えて、この抽出液を濃縮する。得られた濃縮アセトン抽出液を、ジエチルエーテルに拌下滴下し、その沈殿物としてリグノフェノールを得ることができる。
上記した酸化チタンフィルムは、例えば、以下のようにして調製することができる。
酸化チタンナノ粒子ペースト(触媒化成株式会社製、PASOL−HPA−15R)10重量部と、酸化チタン(日本アエロジル株式会社製、P25)1重量部と、ポリエチレングリコール(和光純薬工業株式会社製、特級、分子量20000)4重量部とを瑪瑙乳鉢でよく攪拌した。このペーストを、フッ素ドープした酸化スズで被覆された導電性ガラス(FTO)上に厚さ63μmのメンディングテープ(スリーエム株式会社製)で厚み規正し、バーコーティング法でペーストを塗布した。乾燥後450℃のマッフル炉に60分入れて焼結した。得られた酸化チタン膜の厚みは、10μm〜45μmであった。走査電子顕微鏡(SEM)で観察した結果、1μm以下の粒子が確認された。
以下、実施例により本発明の実施の形態をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
ヒノキを原料として用い、実施例1のリグノフェノール系吸着媒体を製造した。
p−クレゾール500gをアセトン17リットルに溶解させ、抽出物を除去した気乾ヒノキ(Chamaecyparis obtusa)木粉1000gに加え数時間放置した。アセトンを除去し、木粉に残留したp−クレゾールのリグニン1ユニット(フェニルプロパン構造C6C3)は、1モルあたり3モル倍であった。このp−クレゾールが付着した木粉に硫酸(72%)5リットルを加え室温下1時間激しく攪拌した。水洗にて酸を除去した後乾燥させ、アセトン7リットルを加えて抽出し、この抽出液を3リットル程度まで濃縮した。このようにして得た濃縮アセトン抽出液(54.2mg/cm3)3リットルを、ジエチルエーテル20リットルに磁気攪拌しながら滴下した。沈殿物として得られたリグノフェノール140gの物性をGPC分析で評価すると、重量平均分子量(Mw)は13436であった。熱機械分析法(TMA)による測定では、熱流動開始点が165.8℃であり、終了点が181.1℃であった。
実施例1で得たリグノフェノール10.0gを1リットルのアセトンに溶解し、このアセトン溶液に酸化チタンナノ粒子(石原産業株式会社製、ST01)を50g混合し、アセトンを留去し、リグノフェノールと酸化チタンナノ粒子との錯体様複合体からなるリグノフェノール系吸着媒体を製造した。
実施例1及び2に対する比較例を説明する。
(比較例1)
酸化チタンナノ粒子(石原産業株式会社製、ST01)を比較例1とした。
次に、実施例1及び2と比較例1の色素の吸着特性について調べた。
15cm3の試験管4本に色素として、メチレンブルー水溶液(30mg/cm3)を各5cm3入れた。各試験管に、実施例1のリグノフェノール系吸着媒体、実施例2のリグノフェノールと酸化チタンフィルムとの複合体からなるリグノフェノール系吸着媒体、比較例1の酸化チタンナノ粒子をそれぞれ50mg入れて、遮光下で室温5分間攪拌し、遠心分離した後の上澄みに残存しているメチレンブルーを紫外線可視光(UV−vis)分析で定量した。なお、メチレンブルー溶液のみを、上記実施例と同じ条件で保持したものを紫外線可視光分析における参照とした。
図2は、実施例1及び2と比較例1によるメチレンブルーの吸収を示す図である。図において、横軸は波長(nm)であり、縦軸は吸収率(任意目盛)である。参照における紫外線可視光の吸収を元に、実施例1及び2と比較例1のメチレンブルー水溶液がリグノフェノール系吸着媒体に吸着される割合、つまり、除去率を算出した結果を表1に示す。
表1に示すように、メチレンブルー水溶液の除去率は、実施例1及び2の場合には99%であり、比較例1の場合が53.1%であった。参照のメチレンブルー水溶液の除去率は、6.5%以下であった。
色素をブリリアントグリーン水溶液(1.0M)とした以外は、実施例3と同様にして、吸着特性について調べた。
表2に示すように、ブリリアントグリーン水溶液の除去率は、実施例1及び2の場合には99%であり、比較例1の場合が65%であった。比較例1をさらに70時間撹拌しても、除去率は50%であった。

色素をクリスタルバイオレット水溶液(0.1M)とした以外は、実施例3と同様にして、吸着特性について調べた。
表3に示すように、クリスタルバイオレット水溶液の除去率は、実施例1及び2の場合には99%であり、比較例1の場合が60%であった。比較例1をさらに70時間撹拌しても、除去率は55%であった。

色素をクリスタルバイオレットのエタノール溶液(0.1M)とした以外は、実施例3と同様にして、吸着特性について調べた。
表4に示すように、実施例1ではリグノフェノール系吸着媒体がエタノールに溶解してクリスタルバイオレットの吸着ができなかった。実施例2及び比較例1のクリスタルバイオレットエタノール溶液の除去率は、それぞれ、30%、5%であった。比較例1をさらに70時間撹拌しても、除去率は7%であった。

色素をメチルオレンジのエタノール溶液(0.1M)とした以外は、実施例3と同様にして、吸着特性について調べた。
表5に示すように、実施例1ではリグノフェノール系吸着媒体がエタノールに溶解してクリスタルバイオレットの吸着ができなかった。実施例2及び比較例1のクリスタルバイオレットエタノール溶液の除去率は、それぞれ、12%、8%であった。比較例1をさらに70時間撹拌しても、除去率は10%であった。

上記実施例1のp−クレゾール型のリグノフェノールからなるリグノフェノール系吸着媒体によれば、水系において色素を除去できることが分かった。
上記実施例2のp−クレゾール型のリグノフェノールと酸化チタンナノ粒子との錯体様複合体からなるリグノフェノール系吸着媒体によれば、水系に加え有機溶媒系において色素を除去できることが分かった。
本発明は、上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれる。例えば、リグノフェノールの原料やその抽出方法は、適宜に設計できることはいうまでもない。
本発明のリグノフェノール系吸着媒体は、たとえば廃材、間伐材、製材の際に発生する木粉等の豊富にある廃棄物を原料とし、その製造も簡単であるので安価である。活性炭と異なり色素の吸着性が高いだけでなく、吸着させた色素の回収が可能である。さらに、使用後はアルカリ処理などにより元のリグノフェノールに戻し再使用することができ、環境にやさしい材料である。親水性、疎水性、分子量分布を自由に制御することにより対象系の状態や吸着分離回収すべき目的化合物などの用途に応じ最適の吸着媒体を設計でき、さらにこれまで困難であった有機溶媒中からの色素の吸着分離回収できることは産業上きわめて有用であり応用範囲は広い。
リグニンからp−クレゾール型のリグノフェノールに変換する化学反応式を示す図である。 実施例1及び2と比較例1によるメチレンブルーの吸収を示す図である。
符号の説明
1:リグニン
2:リグノフェノール

Claims (3)

  1. リグノフェノール又はリグノフェノール誘導体と金属化合物とからなる錯体様複合物、リグノフェノール又はリグノフェノール誘導体と高分子との複合体、リグノフェノール化学修飾物、リグノフェノールの水酸基置換誘導体又はリグノフェノール誘導体の加熱処理物から選ばれるリグノフェノール系吸着媒体を用いて、液体中のメチレンブルー、ブリリアントグリーン、クリスタルバイオレット及びメチルオレンジから選択される色素を吸着することを特徴とする、色素の吸着処理方法。
  2. 前記リグノフェノール系吸着媒体が、リグノフェノールと酸化チタンとの錯体様複合体である、請求項1記載の色素の吸着処理方法。
  3. 前記液体が水溶液又はエタノール溶液である、請求項1に記載の色素の吸着処理方法。
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