JP4826350B2 - 液体噴射ヘッド - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット式記録ヘッド等の液体噴射ヘッドに係り、特に、ノズル開口を有したノズル形成基板の液滴吐出側の表面の一部を覆うように取り付けられるヘッドカバーを備えた液体噴射ヘッドに関する。
圧力室内の液体に圧力変動を生じさせることでノズル開口から液滴として吐出させる液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられるインクジェット式記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップ(生物化学素子)の製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等がある。
このような液体噴射ヘッドには種々の形式があるが、例えば、インクジェット式記録装置(以下、単にプリンタという)におけるインクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドという)は、複数のノズル開口を列設してなるノズル列を有する金属製のノズルプレート(ノズル形成基板の一種)を一方の面に接合し、共通インク室から圧力室を経てノズル開口に至る一連の液体流路が形成された流路ユニットと、圧力室の容積を変動可能な圧力発生素子を有するアクチュエータユニットと、内部にアクチュエータユニットを収容し、先端側にノズルプレート(流路ユニット)が固定される樹脂製のヘッドケースとを備えたものがある。
この記録ヘッドにおけるノズルプレートは、ノズルプレートのノズル開口を露出可能な開口窓部が開設された金属製のヘッドカバーによって被われた状態でヘッドケースに固定されるようになっている。このヘッドカバーは、ノズルプレート等の流路ユニット構成部材を保護し、外部からの衝撃で各部が剥離することを防止する機能を果たすものである。また、このヘッドカバーとノズルプレートとを密着させることにより、これらの間に記録紙等の記録媒体が入り込むのを防止すると共に、ヘッドカバーを介してノズルプレートを接地電位に調整する液体噴射ヘッドもある(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−74676号公報
ところで、この種のプリンタ等で使用される記録ヘッドでは、近年、画質向上・高速化等の要求に応えるため、記録ヘッドのノズル開口(ノズルプレートの表面)と記録媒体との距離(プラテンギャップ:PG)を縮めて印字の精度や安定性の向上を図る傾向がある。また、PGは、記録紙等の記録媒体の反りや浮きとの関係で、ある程度の距離を確保しなければならず、容易に縮めることができない。このプラテンギャップを縮める一つの方法として、ノズルプレートの表面の縁を被覆しているヘッドカバーの板厚を薄くすることで、記録ヘッドの先端部に位置するヘッドカバーと記録媒体との距離は一定のまま、ノズルプレートの液滴吐出側の表面を記録媒体により近づける方法が考えられる。しかしながら、ただ単に、ヘッドカバーの板厚を薄くしたのでは、ヘッドカバーの剛性の低下により、ヘッドカバーとノズルプレートとに隙間(浮き)が生じてしまい、紙ジャム、及び、変形等の不具合が発生したり、ヘッドカバーの浮きによる段差によってノズルプレートの表面を摺接するワイピング部材が損傷する不具合が発生する虞がある。また、ヘッドカバーに浮きが生じることで、ノズルプレートとヘッドケースとの密着性が確保できなくなる。このため、ノズルプレートをヘッドカバーを介して接地電位に調整することができなくなるので、記録紙等から発生した静電気に起因して、駆動IC等の電子部品の静電破壊等の不具合が発生する虞がある。さらに、ヘッドカバーの剛性が低下することで、ヘッドカバーをビス等の止着部材によってヘッドケース等に固定する場合に、止着部材からの締め付けトルクよって、ヘッドカバーの取付部(フランジ部)が止着部材の締め付け回転方向に変形することにより、ヘッドカバーが全体的に著しく変形してしまい、使用できなくなることがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ヘッドカバーの剛性の低下に起因する不具合の発生を防止しつつ、ノズル開口と記録媒体との距離を縮めて高画質化・高速化に適応することが可能な液体噴射ヘッドを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の液体噴射ヘッドは、ノズル開口を有するノズル形成基板と、
該ノズル形成基板が固定されるヘッドケースと、
前記ノズル形成基板の外側から当該ノズル形成基板の縁を被覆してノズル開口を露出する状態でヘッドケースに取り付けられる金属板製のヘッドカバーと、を備え、
前記ヘッドカバーは、ヘッドケースへの取付状態でノズル形成基板の液滴吐出側の表面の一部に重畳するフレーム部と、該フレーム部の外周縁からヘッドケースの側面側に延出した側壁部と、該側壁部から先端を側方に向けて延出したフランジ部を有すると共に、フレーム部の外周縁近傍で、隣接する側壁部同士を連結し、
前記側壁部は、フレーム部側端部とフランジ部側端部との間に変曲部を設定し、該変曲部からフレーム部側の壁面を、ヘッドケースの側面に沿って延在する先方壁面とし、変曲部からフランジ部側の壁面を、フランジ部取付前の状態では変曲部側からフランジ部側に進むにしたがってヘッドケースの側面からの離間距離が次第に増大する方向に傾斜した傾斜壁面とし、
前記フランジ部は、ヘッドケースの取付面に取り付けるための止着孔を開設し、
前記ヘッドケースの側面には、ヘッドカバーの傾斜壁面に対向する位置に支点突部を突設し、
フランジ部の止着孔内に挿通した止着部材により該フランジ部の先端側を取付面に押圧してヘッドカバーをヘッドケースに取り付ける際に、変曲部とフランジ部の基端との間の傾斜壁面に前記支点突部が当接するようにしたことを特徴とする。
この構成によれば、側壁部は、フレーム部側端部とフランジ部側端部との間に変曲部を設定し、該変曲部からフレーム部側の壁面を、ヘッドケースの側面に沿って延在する先方壁面とし、変曲部からフランジ部側の壁面を、フランジ部取付前の状態では変曲部側からフランジ部側に進むにしたがってヘッドケースの側面からの離間距離が次第に増大する方向に傾斜した傾斜壁面とし、フランジ部は、ヘッドケースの取付面に取り付けるための止着孔を開設し、ヘッドケースの側面には、ヘッドカバーの傾斜壁面に対向する位置に支点突部を突設し、フランジ部の止着孔内に挿通した止着部材により該フランジ部の先端側を取付面に押圧してヘッドカバーをヘッドケースに取り付ける際に、変曲部とフランジ部の基端との間の傾斜壁面に支点突部が当接するようにしたので、ヘッドカバーをヘッドケースに取り付けると、フランジ部の基端が変曲部を中心として弧を描くようにヘッドケースの側面に近づく方向に移動して支点突部が傾斜壁面に当接することになり、梃子の原理からして、ヘッドカバーの壁面部におけるフランジ部側端部がヘッドケースの側面に近づく方向に力がかかった場合の力点、支点突部との当接部が支点、変曲部が作用点となり、変曲部をヘッドケースの側面から離れる外側方向に移動させることができる。これにより、先方壁面の変曲部側がヘッドケースの側面から離れる外側方向に移動するので、それに伴いフレーム部の内縁側が先方壁面のフレーム部側端部を中心としてノズル形成基板の表面側に向けて回転するように移動する。この結果、フレーム部の内縁をノズル形成基板の表面に弾性を持って押圧した状態で密着させることができる。したがって、板厚が薄く剛性の低いヘッドカバーを用いても、ヘッドカバーとノズル形成基板との隙間に記録媒体等が入り込み、ヘッドカバーを変形させる不具合等を防止することができる。また、フレーム部とノズル形成基板との段差も低減できるため、ワイピングの際に、段差の引っ掛かりよるワイピング部材の損傷を防止することができる。さらに、ヘッドカバーとノズル形成基板との密着性を向上させることができるので、ノズル形成基板を接地電位に調整できるだけでなく、ヘッドカバー取り付け状態で十分な剛性を確保することができ、外部からの衝撃から液体噴射ヘッドを保護することができる。
また、板厚が薄く剛性の低いヘッドカバーのフランジ部を止着ビス等の止着部材を用いて取り付ける場合に、止着部材の締め付けトルクによってフランジ部が締め付け回転方向に変形し、フランジ部の基端の一部がヘッドケースの側面側に近づく方向により押し付けられるようになったとしても、上述したように傾斜壁面に当接した支点突部が支点となり梃子の原理が働くことで作用点となる変曲部が外側に向けて移動する。これにより、フレーム部を弾性を持ってより押圧した状態でヘッドカバーを取り付けることができる。
加えて、本発明における液体噴射ヘッドは、板厚の薄いヘッドカバーを用いることができるため、ノズル形成基板の液滴吐出側の表面と記録媒体との距離を縮めて設定することができる。これにより、この液体噴射ヘッドを用いると、記録の精度や安定性の向上が図れるので、高画質化や高速化に適応することができる。
さらに、ヘッドカバーが、フレーム部の外周縁近傍で、隣接する側壁部同士が連結されているので、フレーム部の一の隅角部近傍で面方向がそれぞれ異なった3面が連結され、フレーム部と側壁部の先方側面との境界近傍の剛性を飛躍的に高めることができる。したがって、フレーム部の外周縁と側壁部の先方側面との境界の先方壁面の何れか一方に作用する入力があっても、フレーム部と先方壁面との角度(なす角)を維持することが可能となる。
上記成において、ヘッドカバーは、側壁部におけるフレーム部の外周縁から変曲部までの距離を、フレーム部における内縁から外周縁までの距離の2倍以上に設定することが望ましい。
この構成によれば、ヘッドカバーが、側壁部におけるフレーム部の外周縁から変曲部までの距離を、フレーム部における内縁から外周縁までの距離の2倍以上に設定したので、ヘッドカバーを取り付ける際に、変曲部に作用するヘッドケースの側面から離れる方向の力よりも大きな力で、フレーム部の内縁を押圧することが可能となる。
上記各構成において、側壁部の先方壁面とフレーム部との角度を鋭角に設定することが望ましい。
上記構成によれば、側壁部の先方壁面とフレーム部との角度を鋭角に設定したので、ヘッドカバーを取り付ける際に、フレーム部の内縁側をより一層強い力で押圧することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下の説明は、本発明の液体噴射ヘッドとして、インクジェット式記録装置(液体噴射装置の一種。以下、単にプリンタという)に搭載されるインクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという)を例に挙げて行う。
まず、プリンタの概略構成について、図1を参照して説明する。プリンタ1は、記録紙等の記録媒体2の表面へインク滴(液滴の一種)を吐出して画像等の記録を行う液体噴射装置の一種である。このプリンタ1は、インク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッド3(本発明の液体噴射ヘッドの一種。以下、記録ヘッドという。)、この記録ヘッド3が取り付けられるキャリッジ4、キャリッジ4を主走査方向に移動させるキャリッジ移動機構5、記録媒体2を副走査方向に移送するプラテンローラ6等を備えている。ここで、上記のインクは、インクカートリッジ7に貯留されており、このインクカートリッジ7は、記録ヘッド3に対して着脱可能に装着される。
上記のキャリッジ移動機構5は、駆動プーリと遊転プーリとの間に張設されたタイミングベルト8を備え、駆動プーリにはDCモータ等のパルスモータ9の出力軸が接続されている。したがって、パルスモータ9が作動すると、キャリッジ4は、プリンタ1に架設されたガイドロッド10に案内されて、主走査方向(記録媒体2の幅方向)に往復移動する。
プリンタ1の非記録領域であるホームポジションには、例えばキャリッジ4に搭載された記録ヘッド3の先端のノズル形成面(後述するノズルプレート14のインク滴吐出側の表面)を払拭(ワイピング)するワイピング機構11が配設されている。このワイピング機構11は、ゴムやエラストマー等の弾性部材により構成されたワイパーブレード12(ワイピング部材の一種)を有しており、このワイパーブレード12をその先端部が記録ヘッド3の移動方向と交差する方向に向けて装着することにより、記録ヘッド3の通過に伴ってワイパーブレード12の先端部がノズルプレート14の表面を摺接し、これによりノズルプレート14の表面が払拭されるように構成されている。
このワイピング機構11に隣接して、上記ホームポジション若しくはその近傍に、キャッピング機構15が配設されている。キャッピング機構15は、記録ヘッド3のノズルプレート14の表面に当接し得るトレイ状のキャップ部材16を有し、このキャップ部材16内の空間が封止空部として機能し、この封止空部内に記録ヘッド3のノズル開口18を臨ませた状態でキャップ部材16がノズルプレート14の表面に密着するように構成されている。また、このキャッピング機構15には、ポンプユニット20が接続されており、このポンプユニット20の作動によって封止空部内を負圧化することができる。そして、ノズルプレート14の表面への密着状態でポンプユニット20を作動し、封止空部(密閉空間)内を負圧化すると、ノズル開口18から記録ヘッド3内のインクや気泡が吸引されてキャップ部材16の封止空部内に排出されるようになっている。
図2は、記録ヘッドの構成を説明する分解斜視図、図3は、記録ヘッドの構成を説明する要部断面図である。
本実施形態における記録ヘッド3は、複数のインク導入針22を立設する導入針ユニット23、複数の圧電振動子24を備えたアクチュエータユニット25、当該アクチュエータユニット25を駆動するための配線基板26、共通インク室27からインク供給口28及び圧力室29を通ってノズル開口18に至る一連のインク流路を形成する流路ユニット31、及び、ヘッドケース32を備えて概略構成されている。また、この記録ヘッド3において、ヘッドケース32の先端側には、流路ユニット31の側部を保護すると共に、この流路ユニット31の一方の面(底面)に接合されたノズルプレート14を接地電位に調整するための金属製のヘッドカバー33が取り付けられる。
上記の導入針ユニット23は、例えばエポキシ樹脂などの合成樹脂によって成型されており、その上面にはフィルタ34を介在させた状態でインク導入針22がそれぞれ取り付けられている。そして、各インク導入針22にはインクカートリッジ7やサブタンク等が装着されるようになっている。この導入針ユニット23の内部には、インク導入針22側からヘッドケース32側に向けて集束した集束流路(図示せず)が各インク導入針22に対応して複数形成されている。この集束流路の上流端は、インク導入針22の針流路と液密状態で連通する一方、集束流路の下流端は、エラストマー等の弾性部材からなるパッキンシート35を介在させた状態でヘッドケース32の内部に形成されたケース流路(図示せず)と液密状態で連通する。
上記の配線基板26は、プリンタ1側からの駆動信号を受け、この駆動信号をTCP(テープ・キャリア・パッケージ)等のフレキシブルケーブル36(図3参照)を通じてアクチュエータユニット25の圧電振動子24へ供給するための配線パターンが形成された制御基板である。この配線基板26は、図2に示すように、プリンタ1側との接続のためのコネクタ37や電子部品38等を実装している。コネクタ37にはFFC(フレキシブルフラットケーブル)等の配線部材が接続され、このFFCを介してプリンタ1側から駆動信号を受けるようになっている。この配線基板26は、電子部品実装面を導入針ユニット23側に向けた状態で、ヘッドケース32の基板取付面39に配置される。
配線基板26に電気的に接続されるアクチュエータユニット25は、図3に示すように、圧力発生手段としての圧電振動子24と、この圧電振動子24が接合される固定板40と、圧電振動子24に配線基板26からの駆動信号を供給するためのフレキシブルケーブル36等から構成される。各圧電振動子24は、自由端部が固定板40の先端面よりも外側に突出した所謂片持ち梁の状態で固定板40上に取り付けられている。各圧電振動子24を支持する固定板40は、例えば厚さ1mm程度のステンレス鋼によって構成されている。そして、このアクチュエータユニット25は、ヘッドケース32に収容されている。なお、このような圧力発生手段としては、上記圧電振動子以外にも、静電アクチュエータ、磁歪素子、発熱素子等を用いることができる。
上記のヘッドケース32は、中空箱体状のケーシングであり、その内部には各アクチュエータユニット25を個別に収容する収容室43が形成されている。このヘッドケース32は、熱硬化性樹脂の一種であるエポキシ樹脂によって成型されており、基板取付面39とは反対となる先端側の流路取付面44に流路ユニット31が固定される。
流路ユニット31は、ノズルプレート14を流路形成基板45の一方の面側に配置すると共に、振動板46を他方の面側に配置し、ノズルプレート14と振動板46とで流路形成基板45を挟み、接着剤等で一体化することで作製されている。なお、この流路ユニット31において、上記の振動板46は、圧力室29や共通インク室27の天井面を封止する封止材の一部を構成している。
流路ユニット31の一方の面側の底部に配置されるノズルプレート14は、ドット形成密度に対応したピッチ(例えば180dpi)で複数のノズル開口18を、副走査方向に列状に開設した金属製の薄い板材である。本実施形態のノズルプレート14は、ステンレス鋼の板材によって作製され、ノズル開口18の列(ノズル列)が、複数並べて設けられている。そして、1つのノズル列は、例えば180個のノズル開口18によって構成される。
ノズルプレート14と振動板46の間に配置される流路形成基板45は、例えば、結晶性基材の一種であるシリコンウェハーを異方性エッチング処理することによって作製され、複数の圧力室29と、各圧力室29に導入されるインクを貯留する共通インク室27と、各圧力室29と共通インク室27とを連通するインク供給口28とを形成する。
上記の振動板46は、図3に示すように、ステンレス鋼等の金属基材からなる支持板37上にPPS樹脂等の弾性フィルム48をラミネート加工した二重構造の複合板材である。この振動板46において圧力室29に対応する部分には、圧電振動子24の自由端部の先端を接合するための島部49が形成されている。この島部49の周囲は、エッチングによって支持板47を環状に除去して弾性フィルム48のみとなっている。そして、この部分がダイヤフラム部として機能する。即ち、この振動板46は、圧電振動子24の作動に応じて島部49の周囲の弾性フィルム48が弾性変形するように構成されている。また、振動板46は、流路形成基板45の開口部の一方の開口面を封止し、コンプライアンス部51としても機能する。このコンプライアンス部51に相当する部分については、ダイヤフラム部と同様にエッチングにより支持板47を除去して弾性フィルム48だけにしている。
したがって、このように構成された記録ヘッド3において、駆動信号が配線基板26からフレキシブルケーブル36を経て圧電振動子24に入力されると、圧電振動子24の自由端部が素子長手方向に伸縮する。この自由端部の伸縮により、島部49が圧力室29側に押されたり、その反対方向に引っ張られたりして、圧力室29の容積が変動する。この容積変動によって、圧力室29ないに貯留されているインクの圧力が変動するので、このインクの圧力を制御することで、ノズル開口18からインク滴を吐出させることができる。
次に、ヘッドカバー33とヘッドケース32、及びこれらの取り付けについて説明する。図4は、ヘッドカバーの取付前の状態の記録ヘッドの斜視図、図5は、ヘッドカバーをヘッドケースに取り付けた状態の記録ヘッドの平面図、図6は、図5のA方向から見た部分拡大図であり、(a)は、フランジ部取付前の状態を示す図、(b)は、フランジ部の取付途中の状態を示す図、(c)は、フランジ部をヘッドケースの取付面に取り付けた状態を示す図、図7は、従来のヘッドカバーを備えた記録ヘッドのPGと本実施形態のヘッドカバーを備えた記録ヘッドのPGとの関係を示す図である。
本実施形態におけるヘッドカバー33は、ノズルプレート14と同様に、例えば、ステンレス鋼等の導電性を有する金属板で作製されており、ノズルプレート14の表面の縁を被覆してノズル開口18を露出した状態でヘッドケース32に取り付けられる。
このヘッドカバー33は、図4〜6に示すように、ヘッドケース32への取付状態で、中央部分に開口窓部53が開設されてノズルプレート14の表面に被せる額縁状のフレーム部54と、このフレーム部54の外周縁からヘッドケース32の側面32aに沿って延出した側壁部55とにより概略構成されている。そして、ノズル列18´の列設方向(図5中の左右方向)の両側と列方向の一方(図5中の下方側)とに位置する側壁部55には、先端56aを側方に向けて耳片状のフランジ部56を延出しており、このフランジ部56には、ヘッドケース32の取付面57に取り付けるための止着ビス58(止着部材の一種)を挿通する止着孔59が開設されている。また、側壁部55は、ガイドロッド10を介してプリンタ1側に通じるアースライン(図示せず)に接続されるようになっている。これにより、ヘッドカバー33が接地電位に調整されるように構成されている。
ヘッドカバー33の開口窓部53は、上記ノズル開口18(ノズル列18´)を露出するように開口した窓枠状の形状をしており、その寸法(内寸)は、ノズルプレート14よりも小さめに設定されている。したがって、ヘッドカバー33をヘッドケース32に取り付けると、図5に示すように、このヘッドカバー33のフレーム部54がノズルプレート14のインク滴吐出側の表面の一部に重畳する状態で、開口窓部53からノズル開口18を露出するようになっている。このように、ヘッドユニット26とノズルプレート14を外側から包囲するように、ヘッドケース32の先端側にヘッドカバー33を取り付けると、記録ヘッド3をキャッピングやワイピング等による外部からの衝撃から保護するだけでなく、ノズルプレート14の表面、若しくは側面とヘッドカバー33とが当接(導通)し、これにより、ヘッドカバー33を介してノズルプレート14を接地電位に調整することができる。
ところで、本実施形態における記録ヘッド3は、図7に示すように、ノズルプレート14の表面の縁を被覆しているヘッドカバー33を、従来の板厚T(同図(a)参照)よりも薄い板厚tにすることで、ヘッドカバー33のフレーム部54の表面(記録ヘッド3の先端)と記録媒体2の距離G2(=従来の距離G1)は一定のままで、ノズルプレート14のノズル開口18の形成された表面と記録媒体2との距離、即ち、PGを縮めている(同図(b)参照)。
しかしながら、ただ単に、ヘッドカバー33の板厚を薄くしたのでは、ヘッドカバー33の剛性の低下により、ヘッドカバー33が浮き上がってヘッドカバー33(フレーム部54)とノズルプレート14との間に隙間が生じてしまい、紙ジャムやヘッドカバー33の変形等の不具合が発生したり、また、ヘッドカバー33とノズルプレート14との段差が生じることにより、ワイピングの際にワイパーブレード12が損傷する不具合が発生する虞がある。また、板厚の薄いヘッドカバー33は、剛性の低下により、ノズルプレート14やヘッドケース32等との密着性が低下することで、ノズルプレート14を接地電位に調整できなくなるだけでなく、全体として十分な剛性を確保することができなくなり、記録ヘッド3を外部の衝撃から保護する機能を果さなくなる虞もある。さらに、板厚の薄いヘッドカバー33のフランジ部56を止着ビス58を用いて固定する場合は、止着ビス58の止着の際に発生する締め付けトルクにより、フランジ部56が止着ビス58を軸として締め付けの回転方向(時計回り)に回転して変形してしまう。具体的には、図5に示すように、止着ビス58を右回りに締め付けるので、特にフランジ部56の基端56bにおける幅方向の一方の端部側周辺、即ち、フランジ部56の止着孔59側(例えば、図5のB方向)から見て基端56bにおける左側の端部周辺がヘッドケース32の側面32a側に向けてより強く押し付けられる(図中の白抜き矢印参照)。これにより、ヘッドカバー33の側壁部55のフランジ部56側がヘッドケース32の側面32aに押し付けられるため、この側壁部55のフレーム部54側がヘッドケース32の側面32aから離れる方向に浮き上がり、フレーム部54も浮き上がってしまう。この様に、止着ビス58を締め付けることによりヘッドカバー33が著しく変形してしまい、使用できなくなってしまうことがあった。
そこで、本発明の記録ヘッド3において、ヘッドカバー33の側壁部55は、図6(a)に示すように、フレーム部側端部とフランジ部側端部との間に「く」字状に屈曲した変曲部61を設定し、この変曲部61からフレーム部54側の壁面を、ヘッドケース32の側面32aに沿って延在する先方壁面62とし、変曲部61からフランジ部56側の壁面を、フランジ部56取付前の状態では変曲部61側からフランジ部56側に進むにしたがってヘッドケース32の側面32aからの離間距離が次第に増大する方向に傾斜した傾斜壁面63としている。そして、ヘッドカバー33のフランジ部56は、ヘッドケース32の取付面57に取り付けるための止着ビス58を挿通する止着孔59を開設すると共に、フランジ部56取付前の状態では側壁部55側の基端56bから先端56a側に進むにしたがって取付面57からの離間距離が次第に増大する方向に傾斜させた面で構成されている。また、ヘッドケース32の側面32aには、ヘッドカバー33の傾斜壁面63に対向する位置に先の尖った支点突部67を突設している。したがって、この記録ヘッド3は、図6(c)に示すように、フランジ部56の止着孔59内に挿通した止着ビス58によりフランジ部56の先端56a側を取付面57に押圧してヘッドカバー33をヘッドケース32に取り付ける際に、変曲部61とフランジ部56の基端56bとの間の傾斜壁面63に支点突部67が当接することになる。以下、詳しく説明する。
本実施形態のヘッドカバー33は、図6(a)に示すように、側壁部55におけるフレーム部側端部とフランジ部側端部との間の壁面を「く」の字状に谷折りした折り目部を変曲部61として設定している。この変曲部61からフレーム部54側にヘッドケース32の側面32aに沿って該側面32aを覆うように延在する壁面を、先方壁面56としている。一方、この変曲部61からフランジ部56側の壁面を、フランジ部56取付前の状態では変曲部61側からフランジ部56側に進むにしたがってヘッドケース32の側面32aからの離間距離が次第に増大する方向に傾斜させた傾斜壁面63としている。即ち、このヘッドカバー33をヘッドケース32に載置した取付前の状態では、傾斜壁面63が変曲部61側から取付面57に向けてスカート状に外側に開いて傾斜しており、ヘッドケース32の側面32aの支点突部67と傾斜壁面63との間に、クリアランス(例えば、0.25mm以上)を設けて設定している。また、この傾斜壁面63から先端56aを側方に向けて延出したフランジ部56は、フランジ部56取付前の状態では側壁部55側の基端56bから先端56a側に進むにしたがって取付面57からの離間距離が次第に増大する方向に傾斜させた面で構成している。即ち、フランジ部56は、先端56aを記録ヘッド3の先端(ノズルプレート14)側に向けて跳ね上るように傾斜させて構成している。なお、このフランジ部56は、ヘッドケース32の取付面57(水平面)に対して、例えば、α=13〜25°の角度で傾斜するように設定している。
このヘッドカバー33が取り付けられるヘッドケース32側面32aには、図4〜6に示すように、ヘッドカバー33を取り付けた状態でヘッドカバー33の変曲部61からフランジ部56側の壁面となる傾斜壁面63に対向した位置に、先の尖った支点突部67を複数設けている。本実施形態では、ノズル列18´の列設方向(図5中の左右方向)の両側に位置するヘッドケース32の各側面32a,32aには、側壁部55の幅方向の両側に対応した位置に、支点突部67をそれぞれ2箇所ずつ突設している。そして、ノズル列18´の列方向の一方(図5中の下方側)に位置するヘッドケース32の側面32a、具体的には、止着孔59側(図5のA方向)から見て壁面幅方向の左端部側の傾斜壁面63に対向する位置に、支点突部67を1箇所突設している。なお、本実施形態における支点突部67の突き出し量(突高)は、例えば、約1.1〜2.1mmに設定している。
このような構成のヘッドカバー33とヘッドケース32とを取り付けるには、図6(a)、(b)に示すように、ヘッドカバー33をヘッドケース32に覆い被せるように載置し、フランジ部56の止着孔59内に挿通した止着ビス58を取付面57のビス孔57´(図4参照)に締め込んでゆく。この止着ビス58を締め込んでゆくと、フランジ部56の基端56bが変曲部61を中心軸として弧を描くようにヘッドケース32の側面32aに次第に近づく方向に移動して(図6(b)中の軌道K参照)、途中から傾斜壁面63がヘッドケース32の側面32aの支点突部67に当接する。
そして、止着ビス58をさらに締め込むことによりフランジ部56の先端56a側を取付面57に押圧すると、同図(c)に示すように、壁面部55におけるフランジ部側端部(フランジ部の基端56b)が側面32aに近づく方向に力を加える力点P、支点突部67の先端との当接部が支点Q、変曲部61が作用点Rとなり、この3点に梃子の原理が働くため、変曲部61がフランジ部側端部の移動方向とは反対方向、即ち、ヘッドケース32の側面32aから離れる外側方向に弾性を持って移動する(図中の白抜き矢印参照)。換言すると、フランジ部56を押圧した状態で取り付けることで、支点突部67を支点とした梃子の原理を働かせることができ、これにより、先方壁面62に弾性を持たせた状態でフレーム部54側から変曲部61側に進むにしたがってヘッドケース32の側面32aからの離間距離が次第に増大する隙間を強制的に生じさせている。したがって、先方壁面62の変曲部61側がヘッドケース32の側面32aから離れる外側方向に移動することになり、それに伴いフレーム部54の先端側(内縁側)が先方壁面62のフレーム部側端部(フレーム部54と先方壁面62との境界となる折り目部)を中心としてノズルプレート14の表面側に向けて回転する力が作用し、この力によりノズルプレート14の表面を圧接する(図中の白抜き矢印参照)。この結果、フレーム部54の内縁をノズルプレート14の表面に弾性を持って押圧した状態、即ち、ヘッドカバー33のフレーム部54をノズルプレート14の表面に弾性を持って密着させた状態で、ヘッドカバー33をヘッドケース32に取り付けることができる。また、本実施形態では、ヘッドカバー33のフレーム部54とノズルプレート14との最大隙間が約40μm以下となる密着状態で、ヘッドカバー33をヘッドケース32に取り付けることができる。
即ち、この様に構成された記録ヘッド3によれば、ヘッドカバー33のフレーム部54をノズルプレート14の表面に押圧した状態でヘッドカバー33をヘッドケース32に取り付けることができるので、板厚が薄く剛性の低いヘッドカバー33であっても、ヘッドカバー33の浮き上がりを防止し、フレーム部54の内縁側とノズルプレート14とを弾性を持って密着させて隙間をなくすことができる。これにより、ヘッドカバー33とノズルプレート14との隙間に、例えば、紙等の記録媒体2が入り込み、ヘッドカバー33を変形させる等の不具合を防止できる。そして、フレーム部54とノズルプレート14の段差を低減できるため、ワイピングの際に、段差の引っ掛かりによるワイパーブレード12の損傷を防止することができるだけでなく、ノズルプレート14の表面の拭き取り性の向上も図ることができる。したがって、ノズルプレート14の表面に、ワイピングの際の拭き残しによるインク付着を防止することができ、インク付着による吐出不具合を可及的に防止することができる。また、ヘッドカバー33を弾性により押圧した状態で密着させて取り付けることができるので、板厚が薄く剛性の低いヘッドカバー33であっても、取付の状態での十分な剛性が確保でき、キャッピングやワイピング等の外部からの衝撃から記録ヘッド3を保護することができる。また、ノズルプレート14とヘッドカバー33との密着性を向上させることができるので、ノズルプレートを接地電位に調整でき、これにより、記録紙等の記録媒体2から発生した静電気に起因する電子部品の静電破壊等の不具合を確実に防止することができる。
さらに、板厚が薄く剛性の低いヘッドカバー33のフランジ部56を止着ビス58等を用いて取り付ける場合に、止着ビス58を螺合する締め付けトルクによってフランジ部56が締め付け回転方向に変形し、フランジ部56の基端56bの一部がヘッドケース32の側面32a側に近づく方向により押し付けられるようになったとしても、上述したように傾斜壁面63に当接した支点突部67が支点となり梃子の原理が働くことで作用点となる変曲部61が外側に向けて移動するので、これにより、フレーム部54をより押圧した状態でヘッドカバー33を取り付けることができる。したがって、剛性の低いヘッドカバー33のフランジ部56をボルト、ナット、止着ビス58等のような螺合して止着する止着部材を用いて取り付ける場合でも、止着部材の締め付けトルクに起因するヘッドカバー33の変形による浮きを抑えることができ、フレーム部54をノズルプレート14の表面により密着させることができる。このように、本実施形態の記録ヘッド3は、特殊な治具や接着剤等を用いることなく、容易にノズルプレート14にヘッドカバー33を密着させて取り付けることができるので、作業工数の増大を抑えて、コストダウンに寄与する。
次に、本実施形態のヘッドカバー33の細部の特徴について詳しく説明する。ヘッドカバー33は、材料に例えば、従来品の1/2の厚さの板材、すなわち、板厚約0.1mmのステンレス等の金属基板が用いられ、絞り加工によって作製されている。したがって、この板厚の薄いヘッドカバー33を備えた記録ヘッド3においては、上述したように、ノズルプレート14の表面と記録媒体2との距離、即ち、PGをヘッドカバー33の板厚を薄くした分(本実施形態では約0.1mm)だけ縮めて設定することができる(図7参照)。したがって、記録の精度や安定性の向上が図れ、高画質化や高速化に適応することができる。
そして、このヘッドカバー33は、絞り加工を用いているので、図4に示すように、フレーム部54の外周縁近傍で、隣接する側壁部55同士の間を連結する連結部68を形成している。この連結部68は、フレーム部54の外周縁近傍におけるフレーム部54と隣接する側壁部55同士、即ち、フレーム部54の一の隅角部近傍で面方向がそれぞれ異なった3面を連結することができるので、フレーム部54と側壁部55の先方側面62との境界近傍の剛性を飛躍的に高めることができる。したがって、フレーム部54側、若しくは側壁部55(先方壁面62)の何れか一方に作用する入力があっても、フレーム部54と先方壁面62との角度(なす角)を維持することが可能となる。これにより、フランジ部56の取り付けの際に、先方壁面62の変曲部61側にヘッドケース32の側面32aから離れる外側方向に力が作用し、先方壁面62のフレーム部側端部を中心としてフレーム部54の内縁側がノズルプレート14の表面側に向けて回転するように押圧する状態になっても、フレーム部54と先方壁面62との角度が大きく開くことを抑制することができる。この結果、変曲部61からの力を逃がすことなくフレーム部54に伝えることができ、弾性を持ってフレーム部54の内縁側をノズルプレート14の表面により押圧することができる。そして、このフレーム部54と側壁部55の先方壁面62との角度(なす角)を鋭角に設定すると、ヘッドカバー33を取り付ける際に、フレーム部54の内縁側をより一層強い力で押圧することが可能となる。
また、本実施形態のヘッドカバー33は、図6(a)に示すように、側壁部55におけるフレーム部54の外周縁から変曲部61までの距離m、即ち、先方壁面62の高さ方向の寸法を、フレーム部54における内縁から外周縁までの距離lの2倍以上に設定することが望ましい。本実施形態では、例えば、l:m=1:2に設定している。したがって、lとmとの比率をこの様に設定すると、ヘッドカバー33を取り付ける際に、変曲部61に作用するヘッドケース32の側面から離れる方向の力よりも大きな力で、フレーム部54の内縁をノズルプレート14の表面に押圧することが可能となる。
なお、本実施形態では、ヘッドケース32の側面32aのヘッドカバー33の傾斜壁面63に対向する位置に、先の尖った支点突部67を1箇所または2箇所に点在させた例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、支持突部67を側面32aに対向する傾斜壁面33の幅方向全体に亘って連続した突条として形成してもよい。また、支持突部67の先端形状においても、先の尖ったものに限らず、曲面、球面、平面でもよい。要は、ヘッドカバー33のフランジ部56を取り付ける際に、支持突部67が変曲部61からフランジ部56の基端56bの間の傾斜壁面63に当接し、基端56bが側面32aに近づく方向にかかった力に対し、支点として機能して変曲部61側を側面32aから離れる方向に力を作用させる事ができるものであれば、どのようなものでもよく、位置や形状を適宜設定することができる。
また、本実施形態では、止着ビス58を用いてヘッドケース32の取付面57にフランジ部56を押圧した状態で取り付ける例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、止着ビス58に換えて、ボルトやナット等を用いてもよいし、取付面57に立設した樹脂製のピンをフランジ部56の止着孔57に挿通し、このピンの先端部を加熱しながら押し潰してかしめることにより、フランジ部56を取り付けることも可能である。要するに、フランジ部56の先端56a側を押圧して取り付けることができるものであれば、どのようなものでもよい。
また、本発明は、ノズル形成基板の吐出側の表面の一部を覆うように取り付けられるヘッドカバーを備えているものであれば、例示したプリンタには限らず、例えば、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップ(生物化学素子)の製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等、他の液体噴射ヘッドにも適用することができる。
プリンタの構成を説明する斜視図である。 記録ヘッドの構成を斜め上方から見た分解斜視図である。 記録ヘッドの要部断面図である。 ヘッドカバーの取付前の状態の記録ヘッドの斜視図である。 ヘッドカバーをヘッドケースに取り付けた状態の記録ヘッドの平面図である。 (a)〜(c)はヘッドカバーをヘッドケースに取り付ける手順を順次説明する図である。 (a)は、従来のヘッドカバーを取り付けた記録ヘッドのノズルプレートと記録媒体との距離の関係を説明する図、(b)は、本実施形態のヘッドカバーを取り付けた記録ヘッドのノズルプレートと記録媒体との距離の関係を説明する図である。
符号の説明
1…プリンタ,2…記録媒体,3…記録ヘッド,4…キャリッジ,5…キャリッジ移動機構,6…プラテンローラ,7…インクカートリッジ,8…タイミングベルト,9…パルスモータ,10…ガイドロッド,11…ワイピング機構,12…ワイパーブレード,14…ノズルプレート,15…キャッピング機構,16…キャップ部材,18…ノズル開口,18´…ノズル列,20…ポンプユニット,22…インク導入針,23…導入針ユニット,24…圧電振動子,25…アクチュエータユニット,26…配線基板,27…共通インク室,28…インク供給口,29…圧力室,31…流路ユニット,32…ヘッドケース,32a…側面,33…ヘッドカバー,34…フィルタ,35…パッキンシート,36…フレキシブルケーブル,37…コネクタ,38…電子部品,39…基板取付面,40…固定板,43…収容室,44…流路取付面,45…流路形成基板,46…振動板,47…支持板,48…弾性フィルム,49…島部,51…コンプライアンス部,53…開口窓部,54…フレーム部,55…側壁部,56…フランジ部,56a…先端,56b…基端,57…取付面,58…止着ビス,59…止着孔,61…変曲部,62…先方壁面,63…傾斜壁面,67…支点突起,68…連結部

Claims (3)

  1. ノズル開口を有するノズル形成基板と、
    該ノズル形成基板が固定されるヘッドケースと、
    前記ノズル形成基板の外側から当該ノズル形成基板の縁を被覆してノズル開口を露出する状態でヘッドケースに取り付けられる金属板製のヘッドカバーと、を備え、
    前記ヘッドカバーは、ヘッドケースへの取付状態でノズル形成基板の液滴吐出側の表面の一部に重畳するフレーム部と、該フレーム部の外周縁からヘッドケースの側面側に延出した側壁部と、該側壁部から先端を側方に向けて延出したフランジ部を有すると共に、フレーム部の外周縁近傍で、隣接する側壁部同士を連結し、
    前記側壁部は、フレーム部側端部とフランジ部側端部との間に変曲部を設定し、該変曲部からフレーム部側の壁面を、ヘッドケースの側面に沿って延在する先方壁面とし、変曲部からフランジ部側の壁面を、フランジ部取付前の状態では変曲部側からフランジ部側に進むにしたがってヘッドケースの側面からの離間距離が次第に増大する方向に傾斜した傾斜壁面とし、
    前記フランジ部は、ヘッドケースの取付面に取り付けるための止着孔を開設し、
    前記ヘッドケースの側面には、ヘッドカバーの傾斜壁面に対向する位置に支点突部を突設し、
    フランジ部の止着孔内に挿通した止着部材により該フランジ部の先端側を取付面に押圧してヘッドカバーをヘッドケースに取り付ける際に、変曲部とフランジ部の基端との間の傾斜壁面に前記支点突部が当接するようにしたことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記ヘッドカバーは、側壁部におけるフレーム部の外周縁から変曲部までの距離を、フレーム部における内縁から外周縁までの距離の2倍以上に設定したことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記側壁部の先方壁面とフレーム部との角度を鋭角に設定したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体噴射ヘッド。
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