JP4825814B2 - 腹足類害虫用毒餌組成物および腹足類害虫用駆除具 - Google Patents

腹足類害虫用毒餌組成物および腹足類害虫用駆除具 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、ナメクジ、ウスカワマイマイ、カタツムリ、ミヤイリ貝等の腹足類害虫を誘引、駆除することができる腹足類害虫用毒餌組成物およびこれを用いた腹足類害虫用駆除具に関する。
例えばナメクジ等の腹足類害虫は、野菜や花卉等を食害する害虫であり、その外観からも不快害虫として、駆除の対象とされている。
腹足類害虫の駆除方法としては、従来、米糠やふすま等を基剤とし、該基剤に駆除薬剤を含ませた毒餌剤を顆粒状に成形した顆粒状製剤を駆除領域内に散布する方法が一般的であった。しかし、ナメクジ等の腹足類害虫の活動域である畑、庭、植木鉢等は、降雨や潅水に曝される機会が多い。そのため、従来の顆粒状薬剤を散布する方法では、顆粒状薬剤が吸水して形状を維持することができず、薬剤成分が流出して駆除効果が低減されるという問題があった。
そこで、降雨や潅水による形状の崩壊や薬剤成分の流出を防止するべく、土壌へ差し込むための差込部または前記土壌を入れた容器に固定するための固定手段を有する支持体と、前記支持体の表面に固着された、ワックスまたは水性塗料を基剤とした腹足類害虫用毒餌剤とを備えた腹足類害虫用駆除具(特許文献1参照)が提案されている。
特開2005−95133号公報
しかしながら、特許文献1に記載の駆除具に使用される毒餌剤にはナメクジ等を誘引するための誘引剤が含有されている。そのため、上記駆除具の製造、保管時、またナメクジ等の生息場所は湿気が多いことから設置後に、毒餌剤の一部にカビが繁殖するという問題が見られる。
一般に、カビの繁殖を防止する方法としては、いわゆる防カビ剤を配合することが考えられる。ところが、防カビ剤として知られている化合物の中には、ナメクジ等の腹足類害虫に対して忌避作用を有するものがあり、配合された誘引剤の誘引効果を阻害することが想定される。そのため、特許文献1記載の駆除具等では、腹足類害虫を誘引し、毒餌剤を舐めさせることによって駆除するものであることから、誘引効果が阻害されると、駆除効果を発現しえないことになる。したがって、誘引効果を阻害することなくカビの発生を抑制しうる手段が要望されている。
他方、特許文献1の駆除具においては基剤としてワックスまたは水性塗料を用いることができるが、製造時の粘性(取り扱いやすさ)や人体および環境に対する安全性の観点からは、水性塗料が好ましいと考えられる。ところが、水性塗料を基剤とする場合、ある種の防カビ剤を加えると粘土状に固化する傾向が見られ、製造適性(塗布性)が悪くなるため、例えば特許文献1記載のように支持体の表面に毒餌剤を固着させるといった形態に製剤化する際には問題が生じる。
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、腹足類害虫に対して充分な誘引効果を発現し、良好な製造適性(塗布性)を備えながら、カビの発生を抑制し、長期間にわたって効率よく腹足類害虫を駆除することができる、水性塗料を基剤とした腹足類害虫用毒餌組成物と、これを用いた腹足類害虫用駆除具を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、水性塗料を基剤とし、腹足類害虫を誘引するための誘引剤と腹足類害虫用駆除薬剤とを含有する組成物に対して、ε−ポリリジンを混合することで、前記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の構成からなる。
(1)水性塗料を基剤とし、該基剤に、腹足類害虫を誘引するための誘引剤、腹足類害虫用駆除薬剤およびε−ポリリジンが混合されてなる、ことを特徴とする腹足類害虫用毒餌組成物。
(2)前記水性塗料は、アクリル・シリコン樹脂エマルジョンからなる、(1)記載の腹足類害虫用毒餌組成物。
(3)支持体に固着させて腹足類害虫の駆除に用いられる、(1)または(2)記載の腹足類害虫用毒餌組成物。
(4)支持体に(1)〜(3)のいずれかに記載の腹足類害虫用毒餌組成物が固着されている、ことを特徴とする腹足類害虫用駆除具。
(5)前記支持体は、土壌へ差し込むための差込部または土壌を入れた容器に固定するための固定部を有する、(4)記載の腹足類害虫用駆除具。
(6)前記支持体は、固着された腹足類害虫用毒餌組成物と土壌とを所定の距離だけ離間させて設置するための間隔形成手段を備えている、(4)または(5)記載の腹足類害虫用駆除具。
本発明によれば、腹足類害虫に対して充分な誘引効果を発現し、良好な製造適性(塗布性)を備えながら、カビの発生を抑制し、長期間にわたって効率よく腹足類害虫を駆除することができる、水性塗料を基剤とした腹足類害虫用毒餌組成物を提供することができる。また、本発明にかかる腹足類害虫用毒餌組成物は、良好な製造適性(塗布性)を備えるものであるので、支持体の表面にこれを固着させることにより、容易に腹足類害虫用駆除具を製造することができる。さらに、本発明にかかる腹足類害虫用毒餌組成物は、水性塗料を基剤としたものであるので、耐水性が高く、そのため、これを支持体に固着させた腹足類害虫用駆除具は、降雨や潅水等によって濡れても製剤の形状が崩壊したり、薬剤成分が流出することがなく、長期間にわたって安定して駆除効果を維持することができるとともに、土壌を汚染することもない。しかも、水性塗料を基剤とすることで、製造時の粘性(取り扱いやすさ)を良好に保つことができ、人体および環境に対する安全性も高いという利点が得られる。
本発明の腹足類害虫用毒餌組成物(以下、「組成物」と称することもある)は、水性塗料を基剤とする。
前記水性塗料としては、アクリル樹脂エマルジョンペイントを用いることができ、例えば、アクリル・シリコン樹脂エマルジョンペイント、アクリル・ウレタン共重合樹脂エマルジョンペイント、アクリル樹脂水性ニス、スチレンマレイン酸樹脂エマルジョンペイント等が挙げられる。これらの中でも特に、アクリル・シリコン樹脂エマルジョンからなるアクリル・シリコン樹脂エマルジョンペイントであることが好ましい。なお、水性塗料は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
基剤としての水性塗料の配合量は、適宜設定すればよいが、通常、組成物中、20〜90質量%であることが好ましい。
本発明の組成物は、前記基剤に、腹足類害虫を誘引するための誘引剤、腹足類害虫用駆除薬剤およびε−ポリリジンが混合されてなる。
前記誘引剤としては、腹足類害虫を誘引しうるものであれば、特に制限されないが、例えば、ビール酵母、蛹粉、酒かす、オキアミパウダー、卵黄、キャベツパウダー、キャロットパウダー、チキンエキスパウダー、シーズニングオイル、ストロベリーパウダー、ピーチパウダー、マッシュルームエキス、魚粉、牛(豚)肉粉等が挙げられる。誘引剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
誘引剤の配合量は、適宜設定すればよいが、通常、組成物中、10〜50質量%であることが好ましい。
前記腹足類害虫駆除薬剤としては、特に制限されないが、例えば、メタアルデヒド、塩化トリフェノール錫、酢酸トリフェノール錫、マクロテトラノイド、リン酸鉄、2−メチル−2−メチルチオ−6−ニトロフェノール、イソシアヌール酸トリアリルエステル、デヒドロ酢酸ナトリウム、硫酸銅5水和物、硫酸アルミニウム、ジクロラル尿素(1,3−ビス(2,2,2−トリクロル−1−ヒドロキシエチル)尿素)、メキサカルベート(4−ジメチルアミノ−3,5−キシリル−N−メチルカーバメート)、メチオカーブ(3,5−ジメチル−4−(メチルチオ)フェニルメチルカーバメート)、ニクロサミド(5−クロル−N−(2−クロル−4−ニトロフェニル)−2−ヒドロキシベンズアミド)、TBS(N−14−ブロムフェニル)−2−ヒドロキシ−3,5−ジブロムベンズアミド−N−トリフェニルメチルアミン)、トリフェンモルフ(N−トリチルモルフォリン)、イソピンピネリン(2,6−ジブロム−4−(4−ニトロフェニルアゾ)フェノール)等が挙げられる。腹足類害虫駆除薬剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
腹足類害虫駆除薬剤の配合量は、適宜設定すればよいが、通常、組成物中、1〜10質量%であることが好ましい。
前記ε−ポリリジンとしては、食品保存料として市販されているε−ポリリジン製剤を用いることができる。
ε−ポリリジンの配合量は、適宜設定すればよいが、通常、組成物中、0.1〜1質量%であることが好ましい。
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに必要に応じて、上記以外の成分を配合することができる。例えば、フェニル−β−ナフリルアミン、α−ナフリルアミン、N,N−ジ−第三ブチル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−第三ブチル−p−クレゾール(BHT)、2,6−第三ブチル−フェノール、2,4−ジ−メチル−6−第三ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等の酸化防止剤;黄色2号、黄色4号、赤色2号、赤色3号、赤色102号、青色1号、青色2号、緑色201号、緑色202号等の色素;フェニルサリチレート、モノグリコリコールサリチレート、p−第三ブチルフェニルサリチレート、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(チヌピン)等の光安定剤;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カラギーナン、キサンタンガム、デンプン類等の粘度調整剤;安息香酸デナトリウム、トウガラシ粉末等の誤食防止剤;リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等のPH調整剤;水、エタノール、トウモロコシ油、ゴマ油等の植物油等の溶剤;香料;などを配合することができる。また、必要に応じて、本発明の腹足類害虫用毒餌組成物に寄ってくるアリ等の害虫を忌避、駆除するために、例えば、ピレスロイド系殺虫剤、カーバメイト系殺虫剤、ネオニコチノイド系殺虫剤等の殺虫剤や忌避剤等を、本発明の効果を損なわない範囲で配合してもよい。
本発明の組成物は、粘度が5000〜100000mPa・sであることが好ましく、より好ましくは、アクリル・シリコン樹脂を基剤とする場合には、7000〜10000mPa・sであるのがよい。本発明の組成物の粘度が前記範囲よりも低すぎると、後述する腹足類害虫用駆除具を製造するべく支持体の表面に塗布した際に垂れ落ちが生じやすくなったり、塗布後の乾燥時間が長くなったりするおそれがある。一方、本発明の組成物の粘度が前記範囲よりも高すぎると、固化はしなくても塗布性が低下する傾向があり、また塗布して乾燥した後に固着した組成物にひび割れが発生するおそれがある。
本発明の組成物は、支持体の表面に固着させて腹足類害虫の駆除に用いられることが好ましい。つまり、後述する腹足類害虫用駆除具のような形態に製剤化する場合に、より優れた駆除効果を発揮するのである。
本発明の腹足類害虫用駆除具(以下「駆除具」と称することもある)は、土壌へ差し込むための差込部または土壌を入れた容器に固定するための固定部を有する支持体の表面に、上述した本発明の組成物が固着されているものである。以下、土壌へ差し込むための差込部を有する支持体を用いた駆除具を第1実施形態とし、土壌を入れた容器に固定するための固定部を有する支持体を用いた駆除具を第2実施形態として、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態である腹足類害虫用駆除具の正面図であり、図2は、図1におけるII−II矢視縦断面図である。
図1および図2に示されるように、腹足類害虫用駆除具1は、支持体2と、固着した本発明の組成物(以下「固着組成物」と称することもある)3とを備えている。
支持体2は、固着組成物3を保持するためのものであって、例えば、木、竹、紙、合成樹脂、金属、セラミック、ガラス等のいずれか、またはそれらの組合せから形成される。支持体2の形状は、例えば、直径4mm〜10mm、長さ50mm〜150mmの棒状、あるいは幅5mm〜20mm、厚み3mm〜10mm、長さ50mm〜150mmの平板棒状等である。支持体2の一端は、先細り状に形成された差込部2aであり、この差込部2aを例えば畑の土、庭の土、植木鉢の土等の土壌4に差し込むことにより、任意の場所に腹足類害虫用駆除具1を設置できるようになっている。このような差込部2aを持つ支持体2を備えた腹足類害虫用駆除具1は、例えば垂直に差し込んで設置できるので、狭い設置場所や作物、園芸物等の近傍にも容易に設置することが可能である。また、駆除効果をさらに向上させるために、複数本の腹足類害虫用駆除具1を密に隣接させて設置することもできる。
固着組成物3は、ナメクジ等の腹足類害虫5を誘引し、駆除するためのものであって、支持体2の差込部2aから離間した支持体2の他端側全体(すなわち、他端側の外周面および端面)に、本発明の組成物を塗布し乾燥することにより固着させたものである。固着組成物3は、換言すれば、支持体2の他端側全体を覆うように設けられている。支持体2に固着される固着組成物3の量は、例えば、0.5〜4g/支持体、好ましくは1.5g/支持体程度であり、固着組成物3の厚みは、約0.1〜10mmであるのがよい。
次に、本発明の腹足類害虫用駆除具の第2実施形態を説明する。図3は、本発明の第2実施形態である腹足類害虫用駆除具の縦断面図である。
図3に示されるように、第2実施形態の腹足類害虫用駆除具20は、支持体22の形状のみが第1実施形態の腹足類害虫用駆除具1と異なり、その他の部分は同様であるので、同一部分には同一符号または相当符号を付して説明を簡略化または省略する。
支持体22は、固着組成物3を保持するためのものであって、例えば、木、竹、紙、合成樹脂、金属、セラミック、ガラス等のいずれか、またはそれらの組合せから形成される。支持体22は、略逆U字形に形成した固定部22aと、固定部22aから上方に延設された直線部22bとが一体的に形成されてなる。固定部22aは、逆U字形の開口幅が拡縮自在となっており、植木鉢23の周縁部23a等を狭持して固定するようになっている。直線部22bには、本発明の組成物を塗布し乾燥することにより固着組成物3が固着されている。この固着組成物3の成分も、第1実施形態の固着組成物3と同様である。
このように土壌4を入れた容器(鉢)23に固定するための固定部22aを持つ支持体22を備えた腹足類害虫用駆除具20は、鉢23の周縁部23a、庭等に配置された柵(不図示)、ナメクジ等の腹足類害虫5の駆除対象とされた木の枝(不図示)等を固定部22aで狭持して、任意の場所に容易に設置することができる。また、腹足類害虫用駆除具20は、適宜の固定対象物を固定部22aで狭持して設置されるので、腹足類害虫用駆除具20が効率よく作用するように、固着組成物3を土壌4に対して任意の姿勢、例えば、土壌4に垂直方向、水平方向、或いは任意の角度で傾斜させて設置することができる。
本発明の駆除具においては、前記支持体は、固着された腹足類害虫用毒餌組成物(固着組成物)と土壌とを所定の距離だけ離間させて設置するための間隔形成手段を備えていることが好ましい。これにより、腹足類害虫用毒餌剤を土壌から離間させて設置することができ、表面に水が溜まった土壌への設置が可能となり、腹足類害虫用毒餌剤が土壌から直接吸湿するのを防止するとともに、薬剤成分による土壌の汚染も防止できる。この間隔形成手段を備えた駆除具を第3実施形態として、図面を用いて説明する。
図4は、本発明の第3実施形態である腹足類害虫用駆除具の縦断面図である。
図4に示されるように、この実施形態の腹足類害虫用駆除具30は、支持体32の形状のみが第1実施形態の腹足類害虫用駆除具1と異なり、その他の部分は同様であるので、同一部分には同一符号または相当符号を付して説明を簡略化または省略する。
支持体32は、固着組成物3を保持するためのものであって、例えば木、竹、紙、合成樹脂、金属、セラミック、ガラス等のいずれか、またはそれらの組合せから形成された棒状部材である。支持体32の一端は先細り状に形成された差込部32aであり、差込部32aと固着組成物3との間には、固着組成物3の下端から所定の距離X(例えば、10mm〜30mm)だけ離間して、間隔形成手段の一例である突起32bが設けられている。また、固着組成物3の成分は、第1実施形態の固着組成物と同様である。
このように間隔形成手段として突起32bを設けた腹足類害虫用駆除具30は、突起32bが土壌4に接触するまで差込部32aを土壌4に突き刺して設置される。これによって、腹足類害虫用駆除具30は、腹足類害虫用駆除具30を起立させた状態で維持するのに必要な十分な長さで土壌4に突き刺される。また、土壌4と固着組成物3との間に所定の距離Xが確保され、固着組成物3が土壌4に直接接触することがないので、固着組成物3が土壌4から吸湿したり、薬剤成分によって土壌4を汚染することを防止できる。また、突起32bはツバ形状等を有しているので、突起32bの下面と土壌4の表面との大きな面接触により、腹足類害虫用駆除具30の起立性も良い。
なお、間隔形成手段としては、図4に示される突起32bに限定されるものではなく、例えば、支持体32に圧入等の手段によって固定されるリング状部材、印刷や彫込み等により支持体32に記された目印、凹部等も間隔形成手段とすることができる。
さらに、本発明の駆除具においては、前記支持体は、把持部を備えていることが好ましい。これにより、使用者は、駆除具を任意の場所に設置あるいは移動する際に、把持部を指で把持しながら差込部を土壌に突き刺したり固定部を容器等に固定したりできるので、支持体に固着された腹足類害虫用毒餌組成物(固着組成物)に直接触れる必要がなく、安全性が向上する。このような把持部を備えた駆除具を第4実施形態として、図面を用いて説明する。
図5は、本発明の第4実施形態である腹足類害虫用駆除具の縦断面図である。
図5に示されるように、この実施形態の腹足類害虫用駆除具40は、支持体42の形状のみが第1実施形態の腹足類害虫用駆除具1と異なり、その他の部分は同様であるので、同一部分には同一符号または相当符号を付して説明を簡略化または省略する。
支持体42は、固着組成物3を保持するためのものであって、例えば木、竹、紙、合成樹脂、金属、セラミック、ガラス等のいずれか、またはそれらの組合せから形成された部材である。支持体42の一端は、先細り状に形成された差込部42aであり、支持体42の他端は、上面が平らに形成された任意の形状(例えば、円形、矩形など)の把持部42bである。差込部42aと把持部42bとの間の外周面に固着された固着組成物3の成分は、第1実施形態の固着組成物と同様である。
このように把持部42bを設けた腹足類害虫用駆除具40は、差込部42aを土壌に突き刺して設置してもよいし、把持部42bを下にして倒立させた状態で設置場所に置くようにしてもよい。例えばコンクリートの上に設置する場合のように土壌がなく差込部42aを突き刺すことができない時には、後者の倒立させる方法で設置すればよい。なお、後者の方法で設置する場合には、差込部42aは特に必要ない。
なお、把持部の形状は、図5に示す形状に限定されるものではなく、例えば、支持体42の周囲にリング状に形成されていてもよい。また、上述した倒立させる設置方法を採用しない場合には、把持部の上面は平らになっていなくてもよい。
上述した各実施形態の腹足類害虫用駆除具1、20、30、40は、固着組成物3に含まれる誘引剤の作用により広い範囲からナメクジ等の腹足類害虫5を誘引し、腹足類害虫駆除薬剤を舐めさせることにより腹足類害虫5を駆除する。
本発明の駆除具は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形や改良等が可能である。例えば上記特許文献1に開示された各種実施形態や変形例のような形態を採用することができることは言うまでもない。
以下、実施例において本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
水性塗料としてアクリル・シリコン樹脂エマルジョン(アクリルシリコン樹脂塗料)と、誘引剤としてビール酵母と、腹足類害虫用駆除薬剤としてメタアルデヒドと、ε−ポリリジンと、その他の成分として表1に示す成分とを、それぞれ表1に示す配合処方で混合して、腹足類害虫用毒餌組成物を調製した。
得られた組成物は、粘土状に固化することもなく、良好な塗布性を備えたものであった。
Figure 0004825814
(比較例1)
実施例1で用いたε−ポリリジンに変えて、パラベンを配合した組成物を調製した。具体的には、表2に示す成分をそれぞれ表2に示す配合処方で混合した。
得られた組成物は、粘土状に固化することもなく、良好な塗布性を備えたものであった。
Figure 0004825814
(比較例2)
実施例1で用いたε−ポリリジンに変えて、イソプロピルメチルフェノールを配合した組成物を調製した。具体的には、表3に示す成分をそれぞれ表3に示す配合処方で混合した。
得られた組成物は、粘土状に固化することもなく、良好な塗布性を備えたものであった。
Figure 0004825814
(比較例3)
実施例1で用いたε−ポリリジンに変えて、塩化ベンザルコニウム50%水溶液を配合した組成物を調製した。具体的には、表4に示す成分をそれぞれ表4に示す配合処方で混合した。
得られた組成物は、粘土状に固化することもなく、良好な塗布性を備えたものであった。
Figure 0004825814
(比較例4)
実施例1で用いたε−ポリリジンに変えて、塩化セチルピリジニウムを配合した組成物を調製した。具体的には、表5に示す成分をそれぞれ表5に示す配合処方で混合した。
得られた組成物は、直ちに粘土状に固化してしまい、塗布困難なものであった。
Figure 0004825814
(参考例)
比較例4における配合処方のうち、塩化セチルピリジニウムのみを配合しない組成物を調製した。具体的には、表5に示す成分のうち塩化セチルピリジニウムを除く各成分をそれぞれ表5に示す配合処方で混合した(合計は99.52質量%となる)。
得られた組成物は、粘土状に固化することはなかった。このことから、比較例4の組成物が固化した原因は塩化セチルピリジニウムであると推測される。
(比較例5)
実施例1で用いたε−ポリリジンに変えて、ソルビン酸カリウムを配合した組成物を調製した。具体的には、表6に示す成分をそれぞれ表6に示す配合処方で混合した。
得られた組成物は、直ちに粘土状に固化してしまい、塗布困難なものであった。
Figure 0004825814
以上の実施例および比較例のうち、粘土状に固化することなく製造適性(塗布性)に問題がなかった実施例1および比較例1〜3で得た組成物について、カビ(アオカビ(Penicillium)、黒コウジカビ(A. niger))および細菌(大腸菌(E. coli)、緑膿菌(P. aeruginosa))に対する繁殖防止効果を以下の方法で調べた。結果を表7〜表9に示す。なお、表7〜表9の中で、「−」は未測定を意味する。
カビおよび細菌に対する繁殖防止効果は、供試サンプル(組成物)50gにカビまたは細菌の菌液100μLを添加した検体を、25℃(カビの場合)または37℃(細菌の場合)の恒温槽で1週間静置保存した後、培養して菌数を測定することにより評価した。詳しくは、恒温槽で1週間保存する前(初期)と保存後(1週間後)の検体を採取し、これをマイクロピペット・エッペンドルフを用いて生理食塩水で1×10倍および1×10倍に希釈し、得られた各濃度の希釈液100μLを寒天培地(カビの場合にはGPLP寒天を使用、細菌の場合にはSCDLP寒天を使用)に摂取して、好気的条件下、25℃(カビの場合)または37℃(細菌の場合)の恒温槽に所定日数(カビの場合には2〜3日、細菌の場合には1日)静置することにより培養した後、コロニー数をカウントした。なお、各培養は2回ずつ行った。
そして、1週間後のコロニー数が10未満であり、かつ初期のコロニー数よりも減少している場合を「○」と評価し、それ以外の場合を「×」と評価した。
他方、コントロールとして、上記検体に変えて滅菌生理食塩水50mLにカビまたは細菌の菌液100μLを添加した検体を用いたこと以外は、上記と同様の操作を行った。
なお、カビ(アオカビ、黒コウジカビ)の菌液としては、PDA寒天培地にて好気的条件下25℃で3〜4日静置することにより培養した後、胞子をかきとり、0.1%Tween80添加滅菌生理食塩水に懸濁させて滅菌ガーゼでろ過したものを用い、細菌(大腸菌、緑膿菌)の菌液としては、SCD液体培地にて好気的条件下37℃で1日静置することにより培養したものを用いた。
Figure 0004825814
Figure 0004825814
Figure 0004825814
表7〜表9から、実施例1で用いたε−ポリリジンおよび比較例1で用いたパラベンのみがカビに対して充分な繁殖防止効果を奏することがわかる。つまり、実施例1および比較例1以外の組成物のように、細菌に対して繁殖防止効果を有するものであっても、必ずしもカビに対して充分な効果を奏するとは限らない、ことが明らかである。
次に、カビに対して充分な繁殖防止効果を有する実施例1および比較例1で得た組成物について、図1に示す駆除具を作製し、ナメクジに対する誘引効果を以下の方法で調べた。結果を表10に示す。
なお、駆除具は、木製の棒状支持体の上半分に組成物1gを塗布し、室温で2時間乾燥させることにより、作製した。
ナメクジに対する誘引効果は、野外において、チャコウラナメクジの活動が見られる場所3箇所に、各々駆除具を5本ずつ近接して並置し、1晩放置後の死亡個体数(誘引数)を計測することにより評価した。
Figure 0004825814
表10から、比較例1の組成物では、誘引剤の誘引効果が阻害され、誘引効果ひいては駆除効果が全く認められないのに対して、本発明の組成物を用いた駆除具によれば、周囲にいるナメクジを誘引し、効率よく駆除できることがわかった。
本発明の第1実施形態の腹足類害虫用駆除具を示す正面図である。 図1におけるII−II矢視縦断面図である。 本発明の第2実施形態である腹足類害虫用駆除具の縦断面図である。 本発明の第3実施形態である腹足類害虫用駆除具の縦断面図である。 本発明の第4実施形態である腹足類害虫用駆除具の縦断面図である。
符号の説明
1、20、30、40: 腹足類害虫用駆除具
2、22、32、42: 支持体
2a、32a、42a: 差込部
22a:固定部
32b: 突起(間隔形成手段)
42b:把持部
3: 固着組成物(本発明の腹足類害虫用毒餌組成物)
4: 土壌
5: ナメクジ(腹足類害虫)

Claims (6)

  1. 水性塗料を基剤とし、該基剤に、腹足類害虫を誘引するための誘引剤、腹足類害虫用駆除薬剤およびε−ポリリジンが混合されてなる、ことを特徴とする腹足類害虫用毒餌組成物。
  2. 前記水性塗料は、アクリル・シリコン樹脂エマルジョンからなる、請求項1記載の腹足類害虫用毒餌組成物。
  3. 支持体に固着させて腹足類害虫の駆除に用いられる、請求項1または2記載の腹足類害虫用毒餌組成物。
  4. 支持体に請求項1〜3のいずれかに記載の腹足類害虫用毒餌組成物が固着されている、ことを特徴とする腹足類害虫用駆除具。
  5. 前記支持体は、土壌へ差し込むための差込部または土壌を入れた容器に固定するための固定部を有する、請求項4記載の腹足類害虫用駆除具。
  6. 前記支持体は、固着された腹足類害虫用毒餌組成物と土壌とを所定の距離だけ離間させて設置するための間隔形成手段を備えている、請求項4または5記載の腹足類害虫用駆除具。
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