JP4823658B2 - 車両のスライドドア構造 - Google Patents

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Description

本発明は、側面衝突によりスライドドアが室内へ変形する際のロアアームの持ち上がりを抑制する車両のスライドドア構造に関する。
一般に、ワンボックスタイプの車両では、車体後部側の乗降口を開閉するドアとしてスライドドアを採用するものが多い。この種のスライドドアは、前端上下部と後端中央部とがアッパアーム、ロアアーム、センタアームに各々設けられたガイドローラを介して、車体の側縁上部、側縁下部及び車体後方の側面中央に配設された各ガイドレール(アッパレール、ロアレール、センタレール)に案内されてスライド自在にされている。
この場合、特許文献1(特開平8−312246号公報)、特許文献2(特開平10−203169号公報)、特許文献3(特開平11−324471号公報)などに開示されているように、ロアレールは、乗降口の上部に沿って車体前後方向へ延出しており、その先端側に車幅方向内側へ湾曲する湾曲部を有している。
全閉状態のスライドドアは、アッパレール及びロアレールに形成されている湾曲部にガイドされて車体幅方向内側へ引き込まれ、車体側面と略同一面となった状態でロックされる。ロアレールは、車体下部に設けた閉断面形状のサイドシル内に配設されており、このサイドシルの外側面には、スライドドアの前端下部から車幅方向へ内側に延出されているロアアームを内部へ受け入れるためのアーム挿入口が開口されている。
特開平8−312246号公報 特開平10−203169号公報 特開平11−324471号公報
ところで、センタピラー(「Bピラー」とも云う)を廃止した、いわゆるセンタピラーレス(Bピラーレス)車両では、フロントドアとスライドドアとは車体に対してそれぞれ独立してロックさせるようにした構造が多く採用されている。
又、側面衝突時に、フロントドアとスライドドアとの合せ部が開いてしまうことを防止するために、両ドアの合せ部を、高さ方向中央付近で他のロック機構を介して連結するものも知られている。
車体が側面衝突を受けたときの衝撃荷重は、中央付近のロック部位から各ドアを介して高さ方向のロック部位へ伝達され、この上下ロック部位を介して車体側へ分散される。
そのため、側面衝突を受けると中央のロック部位に応力が集中しやすく、従って、スライドドアは高さ方向の中央付近が室内側へ変形する。スライドドアの高さ方向中央部付近が室内側へ変形すると、スライドドア下部は、上方へ引っ張られ、スライドドアの下部に設けられたロアアームは、その基部が上方へ持ち上げられる。
上述した各特許文献に開示されていように、スライドドアの前端下部に連結されているロアアームは、サイドシルの側面に開口するアーム挿入口を経てサイドシル内に挿入されているため、ロアアームの基部が持ち上げられると、ロアアームの中途がアーム挿入口の上端縁に押し付けられ、更に、ロアアームの先端部に設けたガイドローラがサイドシル内に設けた転動面に強く押し付けられる。
その結果、このガイドローラを支点とするモーメントにより、アーム挿入口に無理な力が掛かり破断し易くなる。このアーム挿入口が破断されると、スライドドアの下部が大きく移動してしまうため、衝撃吸収のために想定した適正な衝突変形モードでスライドドアを変形させることができず、衝撃荷重を効率よく吸収することができなくなる。
特に、センタピラーレス車両では、スライドドアが車体に設けられている各ガイドレールに対して移動自在に支持されている状態でロックされているに過ぎず、スライドドアが車体に対して直接連結されていないため、スライドドアから(サイドシルを介して)車体側へ衝撃荷重を効率よく分散させることが難しい。
そのため、従来は、スライドドアを補強し、強度を高めることで対応している。しかし、スライドドアを補強すると、その分部品点数が増加し、構造が複雑化するばかりでなく、製造工数が嵩むため、製品コストが高くなり、更には、重量増加により燃費悪化を招いてしまう問題がある。
本発明は、上記事情に鑑み、側面衝突によりスライドドアが変形してロアアームが基部側から持ち上げられても、サイドシルに開口されているアーム挿入口に無理な力が掛からず破断を抑制し、スライドドアを安定した変形モードで変形させることで、スライドドアにより衝撃荷重を効率よく吸収させることができるばかりでなく、スライドドアの剛性を高めることなく、従来のスライドドアを用いて、このスライドドアから車体側へ効率よく衝撃荷重を分散させることができ、更にスライドドアの重量が抑制されて燃費悪化を回避することのできる車両のスライドドア構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明は、スライドドアと、上記スライドドアの下部から車体の車幅方向内側へ延出されると共に先端部に少なくとも上記スライドドアの移動に従って転動するガイドローラを有するロアアームと、上記ロアアームを受入れるアーム挿入口を上記車体の車幅方向側面に有する閉断面形状のサイドシルと、上記サイドシルの断面内に設けられて上記ガイドローラの移動方向を規制するロアレールと有する車両のスライドドア構造において、上記スライドドアが全閉位置にあるときの上記ロアアームより下側で上記ガイドローラと上記アーム挿入口の間の上記サイドシル内に立設された係合部材と、上記係合部材の上部に設けられたストッパと、上記ロアアームに形成されて上記スライドドアが全閉位置にあるときの上記係合部材に係合すると共に上記ストッパにて上方への移動が規制される被係合部と、上記スライドドアが全閉位置にあるときの上記ロアアームの上側で、上記ガイドローラと上記アーム挿入口との間の上記サイドシルに設けられて、上記ロアアーム方向へ突出する突出部とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、側面衝突によりスライドドアが変形し、ロアアームが基部側から持ち上げられても、サイドシルに開口されているアーム挿入口に無理な力が掛からず破断を有効に防止することができる。更に、スライドドアを安定した変形モードで変形させることができるので、衝撃荷重を効率よく吸収させることができる。
又、スライドドアの剛性を高める必要がないので、従来のスライドドアを用いて、このスライドドアから車体側へ衝撃荷重を効率よく分散させることができる。その結果、スライドドアの重量増が抑制され燃費悪化を回避することができる。
以下、図面に基づいて本発明の一形態を説明する。図1〜図9に本発明の第1形態を示す。図1にスライドドアを採用するワンボックスカーの概略斜視図、図2に車体の助手席側要部概略側面図を示す。尚、図面中において示されている前後、左右は車体の方向を示している。
図1に示すように、車両の一例であるワンボックスカー1は、車体1aの両側前部に、その前端を車体1aにヒンジを介して回動自在に軸支されている揺動式のフロントドア6が設けられ、車体1aの両側後部にスライド式のリヤドア(以下「スライドドア」と称する)7が各々設けられている。
又、車体1aは、センタピラー(「Bピラー」とも云う)が廃止された、いわゆるピラーレス構造であり、両ドア6,7が閉じられた状態では、各ドア6,7の合せ部P(図2参照)付近の上部と下部とが車体1aにそれぞれロック機構(図示せず)を介してロックされる。
図2に示すように、フロントドア6とスライドドア7とが共に開放されると、車体1aの側部に、フロントドア6により開閉される前開口部1bと、その後方でスライドドア7により開閉される後開口部1cとが連続されて広い間口が確保される。
車体1aの側部に、前開口部1bと後開口部1cとが連続されて広い間口が形成されることで、後部座席の乗降は勿論のこと、前部座席への乗降も容易となる。尚、本形態では、車体1aの助手席側の構造について説明しているが、運転席側の構造は助手席側の構造と実質的に対称な構造を有しているため説明を省略する。又、この場合、運転席側はセンターピラーが配設されている従来の構造であっても良い。
ここで、スライドドア7の支持構造について簡単に説明する。スライドドア7は、その前端上下部にアッパアーム、ロアアームが設けられており、この各アームの先端にガイドローラが軸支されている。このガイドローラが、車体1aの上部と下部とに各々に設けられて車体前後方向へ延出されているアッパレール、ロアレールとに各々支持されている。更に、スライドドア7の内面の高さ方向のほぼ中央部にセンタレールが車体前後方向へ延出されて設けられており、このセンタレールが、車体1aの側部に設けられているセンタアームに支持されている。スライドドア7は、3本の各レールにガイドされて、車体1a側面に対し、前後方向へ移動自在にされている。尚、スライドドア7のアッパ側、及びセンタ側の支持構造については周知の構造が採用されているため、本形態ではロア側の支持構造について詳述する。
図3に示すように、スライドドア7の内面7aの前端側下部に、ロアアーム8の基部が固設されている。このロアアーム8は、スライドドア7の内面7aから車体1a方向へL字状に曲げ形成された第1アームブラケット9と、この第1アームブラケット9の先端部の底面に接合された第2アームブラケット10とを有している。図4に示すように、第2アームブラケット10は、第1アームブラケット9に固設されている基部側から車体1aの斜め前方へ延出されており、その先端にガイドローラ11のローラブラケット11aが、支持軸13を介して水平方向へ揺動自在に支持されている。このローラブラケット11aには、一対の水平ローラ14a,14bと一対の垂直ローラ15a,15bとが各々軸支されている。各水平ローラ14a,14bは同一径を有しており、一方、各垂直ローラ15a,15bは、基部側の垂直ローラ15aの径が先端側の垂直ローラ15bの径よりも大きく形成されている。
又、図2に示すように、車体1aの開口部1b,1cの下部にサイドシル21が形成されている。図3に示すように、サイドシル21は、車体1aの外側面に配設されるシルアウタ23と、車幅方向内側に配設されるシルインナ24とを有し、この両者の上下フランジ部23a,23b,24a,24bを、いわゆるモナカ合せに接合して閉断面形状に形成されている。
又、シルアウタ23の車体1aの車幅方向側面に、車体1aの前後方向に延在されて、ロアアーム8をサイドシル21内へ受け入れるアーム挿入口25が開口されている。更に、閉断面形状に形成されたサイドシル21の断面内に、シルブラケット26が配設されている。このシルブラケット26は、断面略コの字状に形成されており、その開口面がアーム挿入口25側に指向されている。このシルブラケット26はアーム挿入口25に沿って車体1aの前後方向へ延在され、その上側開口端に形成されたフランジ部26aが、上側フランジ部23a,24a間に介装されて共接合されている。又、下側開口端に形成されたフランジ部26bがシルアウタ23のアーム挿入口25の下方内面に溶接等の手段により固設されている。更に、シルブラケット26の底面に連結プレート28の一端が接合され、又、この連結プレート28の他端が、下側フランジ部23b,24b間に介装されて共接合されている。
又、シルブラケット26の前端側に車幅方向内側へ膨出する引き込み部26cが形成されている。シルブラケット26のアーム挿入口25側から見て深部の上面にロアレール12が固設されている。このロアレール12には水平ガイド溝部12aと垂直ガイド段部12bとが、シルブラケット26の深部壁面に沿って平行に形成されている。従って、このロアレール12の先端側も、シルブラケット26の深部壁面に沿って車幅方向内側に湾曲されている。
ロアアーム8は、アーム挿入口25側から、シルブラケット26内に挿通され、先端に軸支されているガイドローラ11の水平ローラ14a,14bがロアレール12の水平ガイド溝部12aに転動自在に支持されてスライドドア7の車幅方向への移動が規制される。又、先端側の垂直ローラ15bが垂直ガイド段部12bに当接されてスライドドア7の上方向への移動が規制され、一方、基部側の垂直ローラ15aがシルブラケット26の底面に形成されている被転動面26dに当接されて、スライドドア7の下方への移動が規制される。従って、スライドドア7は両垂直ローラ15a,15bにて、高さ方向への移動、及び傾きが規制された状態でスライドされる。
図5にはスライドドア7が全閉状体にあるときのロアアーム8とシルブラケット26との位置関係が示されており、又、図7にはスライドドア7の閉じ終わり直前の状態が示されている。
ロアアーム8に設けた第1アームブラケット9の閉じ側への移動方向の先端に、被係合部としてのフック9aが凹状に切り欠き形成されている。一方、シルブラケット26の、スライドドア7が全閉状態にあるときのフック9aの停止位置に、係合部材としてのキャッチャピン27が立設されている。
このキャッチャピン27は、フック9aに係合される軸部27aを有し、この軸部27aの下端にフランジ27bが形成され、更に、その下部にねじ部27cが形成されている。又、軸部27aの上端に、ストッパ27dがフランジ状に形成されている。
キャッチャピン27は、ねじ部27cがシルブラケット26の底面に挿通され、このねじ部27cに対し、シルブラケット26の背面から螺着されたナット29により締結固定されて立設されている。又、軸部27aに、第1アームブラケット9に形成されたフック9aが係合される。図7に示すように、フック9aの幅Wは、キャッチャピン27の軸部27aの直径よりも大きく、且つストッパ27dの直径よりも小さいサイズで形成されている。従って、例えばスライドドア7の上部が、図3の時計回り方向へ傾斜し、ロアアーム8の基部が持ち上げられた場合、フック9aはストッパ27dに掛止されるので、第1アームブラケット9がキャッチャピン27から抜け外れることはない。
又、第1アームブラケット9上に第1リンフォース31が溶接等の手段により接合されている。図6に示すように、この第1リンフォース31は、第1アームブラケット9に沿った形状に形成されて、図5の左右、すなわち車体1aの前後方向へ延出され、その両端に舌片部31a,31bがクランク状に曲げ形成されている。尚、この両舌片部31a,31bはキャッチャピン27に形成されているストッパ27dよりもやや高い位置に設定されている。
一方、図3に示すように、シルアウタ23の内面上部に第2リンフォース32が溶接等の手段により接合されている。この第2リンフォース32は断面ハット形に形成されていると共に、図8に示すように、アーム挿入口25に沿って車体1aの前後方向へ延出されている。この第2リンフォース32は、その突出部32aがキャッチャピン27及び第1リンフォース31上に対設されると共に、この突出部32aから曲げ形成されている一方のフランジ部32bが、シルアウタ23の上側フランジ部23a側に接合されている。又、他方のフランジ部32cは、アーム挿入口25の側縁に延出されて、溶接等の手段により接合されている。更に、このフランジ部32cの先端部32dがシルアウタ23の外面に沿って曲げ形成されている。
図8に示すように、このフランジ部32cの中途から先端部32dにかけては、アーム挿入口25に沿って比較的幅広く形成されており、この幅広のフランジ部32cがシルアウタ23の内面に接合されている。尚、フランジ部32cの車体1aの前方へ延出する幅方向端部32eは、アーム挿入口25の端部25aよりも前方へオーバハングされている。
次に、このような構成による本形態の作用について説明する。フロントドア6を閉じると、このフロントドア6の開放端側の上下部がロック機構(図示せず)を介して車体1aにロックされる。又、スライドドア7を閉じると、このスライドドア7の上下部がロック機構(図示せず)を介して車体にロックされると共に、両ドア6,7の合せ部の高さ方向中央付近が他のロック機構(図示せず)を介して互いに連結される。
スライドドア7の内面7aの前端下部に固設されているロアアーム8は、サイドシル21に開口されているアーム挿入口25から内部に固設されているシルブラケット26内に挿通されており、ロアアーム8の先端側の第2アームブラケット10の先端部に軸支されているガイドローラ11に設けた水平ローラ14a,14bが、サイドシル21内に固設されているロアレール12の水平ガイド溝部12aに転動自在に支持されている。又、ガイドローラ11に設けられている垂直ローラ15a,15bが、シルブラケット26の底面に形成されている被転動面26dとロアレール12に形成されている垂直ガイド段部12bとの間に転動自在に支持されている。
従って、スライドドア7を閉じる方向へ移動させると、ガイドローラ11に設けられている水平ローラ14a,14bがロアレール12の水平ガイド溝部12aに沿って転動し、その際、垂直ローラ15a,15bが、シルブラケット26の底面に形成されている被転動面26dとロアレール12に形成されている垂直ガイド段部12bとの間で位置規制されながら転動するので、スライドドア7は、車幅方向への移動と、高さ方向への移動及び傾きが規制された状態で閉じ方向へ移動される。
そして、図7に示すように、スライドドア7が閉じ終わり付近に達したとき、水平ローラ14a,14bがロアレール12の水平ガイド溝部12aに沿って、シルブラケット26の引き込み部26c側へ引き込まれると共に、ロアアーム8の移動方向先端側に形成されているフック9aが、シルブラケット26に立設されているキャッチャピン27の軸部27aの方向へ移動する。
そして、図5に示すように、スライドドア7が全閉状態になると、ロアアーム8の第1アームブラケット9に形成されているフック9aがキャッチャピン27に係合される。このフック9aの幅W(図4参照)は、キャッチャピン27に形成されているストッパ27dの直径よりも小さく形成されているため、このフック9aがキャッチャピン27から上方へ抜けることはない。
更に、図8に示すように、スライドドア7が全閉状態では、ロアアーム8の基部側に固設されている第1リンフォース31、及びキャッチャピン27上に、シルブラケット26の上面に固設されている第2リンフォース32の突出部32aが対設される。
両ドア6,7が全閉状態にあるとき、車体1aが側面衝突を受けると、そのときの衝撃荷重は両ドア6,7の中央部付近を連結するロック部位から上下方向へ伝達されて車体1a側へ分散される。その際、スライドドア7は高さ方向中央部付近が室内へ変形するため、スライドドア7の高さ方向の中央から下側は車室内方向へ傾斜する。
すると、図9に示すように、スライドドア7の下部側に上方への引張応力Fが発生し、この引張応力Fによりスライドドア7の下部に固設されているロアアーム8が、図の時計回り方向へ傾斜する。ロアアーム8が傾斜すると、その先端に軸支されているガイドローラ11の垂直ローラ15a,15bがシルブラケット26の引き込み部26c(図5参照)の奥側に形成されている被転動面26dに押し付けられ、又、第1アームブラケット9に形成されているフック9aが上昇されて、キャッチャピン27の上端に形成されているストッパ27dに係合して上方への移動が規制される。
キャッチャピン27はシルブラケット26の底面に固設されているため、ストッパ27dがフック9aにより上方へ押し上げられると、シルブラケット26の底面が屈曲されて変形する。すると、シルブラケット26の底面が、シルブラケット26の上面方向へ傾斜するが、この上面には第2リンフォース32の突出部32aが対設されており、この突出部32aに、第1アームブラケット9に固設されている第1リンフォース31の舌片部31bが押し当てられる。
その結果、ロアアーム8は、キャッチャピン27と第2リンフォース32とにより上方への持ち上がりが抑制されて、ロアアーム8自体の変形が抑制される。更に、ロアアーム8が第2リンフォース32に当接されるので、アーム挿入口25の開口上縁部に直接接触することが無く、このアーム挿入口25の破断を抑制することができる。
同時に、スライドドア7に発生する上方への引張応力Fが、第2リンフォース32の突出部32aを介してシルブラケット26の上面を押し上げる応力F1と、キャッチャピン27を介してシルブラケット26の底面を持ち上げる応力F2と、垂直ローラ15a,15bによって被転動面26dを下方向へ押圧する応力F3とに分散され、この分散された各応力F1〜F3によって、スライドドア7に発生する上方への引張応力Fがシルブラケット26側へ効率よく伝達される。
更に、図8に示すように、断面ハット形に形成されている第2リンフォース32のアーム挿入口25の方向へ延出するフランジ部32cが比較的幅広く形成され、しかも先端部32dが曲げ形成されているため断面係数が高くなっている。従って、アーム挿入口25の上端が第2リンフォース32により補剛されるので、応力F1により広げられようとしても、それに充分に抗することができる。更に、このフランジ部32cの車体1aの前方へ延出する幅方向端部32eが、アーム挿入口25の端部25aよりも前方へオーバハングされているため、この端部25aに応力F1による応力が集中しても、端部25aが破断することはない。
その結果、側面衝突によってスライドドア7に発生した衝撃荷重のうち、スライドドア7の下方へ伝達された荷重はサイドシル21から車体1a側へ効率良く伝達させることができる。更に、スライドドア7を安定した変形モードで変形させることが可能となり、スライドドア7の変形により衝撃荷重を効率よく吸収させることができる。
又、スライドドア7に発生する引張応力Fを、ロアアーム8を介してサイドシル21側へ分散させるようにしたので、スライドドア7自体は剛性を高める必要が無く、既存のものをそのまま採用することができるため経済的である。更に、スライドドア7の剛性を高める必要がないので重量増とならず、その分、燃費悪化を回避することができる。
又、図10、図11に本発明の第2形態を示す。上述した第1形態では、ロアアーム8に第1リンフォース31を固設し、この第1リンフォース31をシルブラケット26の上面に固設した第2リンフォース32に当接させることで、スライドドア7に作用する引張応力Fの一部をシルブラケット26側へ伝達させるようにしたが、本形態では、第1リンフォース31を廃止し、第2リンフォース32の突出部32aを、第1アームブラケット9の基部とフック9aとの間に臨ませるようにしたものである。
すなわち、図10に示すように、第1アームブラケット9のフック9a、及び、このフック9aに係合するキャッチャピン27を、第1アームブラケット9の先端方向(車幅方向内側)へ移動させ、キャッチャピン27とアーム挿入口25との間にスペースを確保する。そして、シルブラケット26の上面に固設されている第2リンフォース32の突出部32aを、キャッチャピン27とアーム挿入口25との間のスペースに臨ませる。
その結果、図11に示すように、側面衝突による変形でスライドドア7の下部側に上方への引張応力Fが発生し、ロアアーム8が時計回り方向へ傾斜すると、垂直ローラ15a,15bとキャッチャピン27とを介してシルブラケット26に応力F2,F2が第1形態と同様に発生する。
シルブラケット26の底部がキャッチャピン27により引っ張り上げられると、ロアアーム8の基部が上昇し、第1アームブラケット9の上面が、シルブラケット26の上面に固設されている第2リンフォース32の突出部32aに押し付けられ、この第2リンフォース32を介してシルブラケット26を上方へ押し上げる応力F3が発生する。
従って、本形態においても、スライドドア7に発生する引張応力Fを、ロアアーム8からサイドシル21側へ効率よく伝達させることができるので、第1形態と同様の効果を得ることができる。
更に、本形態では、第1リンフォース31を廃止したので、部品点数が削減され、製造が容易となり、製品コストの低減を図ることができる。
第1形態によるスライドドアを採用するワンボックスカーの概略斜視図 同、車体の助手席側要部概略側面図 同、図5のIII-III断面図 同、ロアアームの平面図 同、図2のV-V断面相当の平面図 同、図5のVI-VI断面図 同、図5の状態別の平面図 同、図6のVIII−VIII断面図 同、図8の状態別の断面図 第2形態による図3相当の断面図 同、図9相当断面図
符号の説明
1a…車体、
7…スライドドア、
7a…内面、
8…ロアアーム、
9a…フック、
11…ガイドローラ、
12…ロアレール、
21…サイドシル、
25…アーム挿入口、
26…シルブラケット、
26d…被転動面、
27…キャッチャピン、
27d…ストッパ、
31…第1リンフォース、
31a,31b…舌片部、
32…第2リンフォース、
32a…突出部、
32b,32c…フランジ部、
F…引張応力、
F1〜F3…応力
W…幅

Claims (4)

  1. スライドドアと、上記スライドドアの下部から車体の車幅方向内側へ延出されると共に先端部に少なくとも上記スライドドアの移動に従って転動するガイドローラを有するロアアームと、上記ロアアームを受入れるアーム挿入口を上記車体の車幅方向側面に有する閉断面形状のサイドシルと、上記サイドシルの断面内に設けられて上記ガイドローラの移動方向を規制するロアレールと有する車両のスライドドア構造において、
    上記スライドドアが全閉位置にあるときの上記ロアアームより下側で上記ガイドローラと上記アーム挿入口の間の上記サイドシル内に立設された係合部材と、
    上記係合部材の上部に設けられたストッパと、
    上記ロアアームに形成されて上記スライドドアが全閉位置にあるときの上記係合部材に係合すると共に上記ストッパにて上方への移動が規制される被係合部と、
    上記スライドドアが全閉位置にあるときの上記ロアアームの上側で、上記ガイドローラと上記アーム挿入口との間の上記サイドシルに設けられて、上記ロアアーム方向へ突出する突出部と
    を備えたことを特徴とする車両のスライドドア構造。
  2. 上記突出部は断面ハット形に形成されており、両側のフランジ部が車体前後方向に沿った状態で上記サイドシルの上面に接合されていると共に、一方のフランジ部が上記サイドシルの側縁に延出されている
    ことを特徴とする請求項記載の車両のスライドドア構造。
  3. 上記被係合部が上記ロアアームの上記スライドドア側に形成されている
    ことを特徴とする請求項1或いは2に記載の車両のスライドドア構造。
  4. 上記突出部が上記被係合部よりも更に上記スライドドア側に配設されていることを特徴とする請求項記載の車両のスライドドア構造。
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