JP4821912B2 - 光ホモダイン受信機の同期回路及び光ホモダイン受信機 - Google Patents

光ホモダイン受信機の同期回路及び光ホモダイン受信機 Download PDF

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本発明は光ホモダイン受信機の同期回路及び光ホモダイン受信機に関し、例えば、2値位相変調方式(BPSK方式)に従って変調された変調光(光変調信号)を受信するものに適用し得るものである。
昨今の光通信の大容量化に伴い、従来の強度変調方式に比較してS/N比が良好な位相変調方式(NRZ−BPSK方式など)が盛んに研究されている。これらは、従来の強度変調方式のような光を直接強度変調するものとは異なり、光のコヒーレンス性に着目して、位相に送るべき情報を重畳して送信するものである。
コヒーレント通信方式による受信方法には、主に、へテロダイン検波、ホモダイン検波などの方法が提案されている。ホモダイン検波方式は、入力された受信信号(被変調信号)の搬送波に対して周波数、位相共に厳密に一致した局部発振光(以下、「局部発振」を「局発」と呼ぶ)を受信端で生成し、受信信号の搬送波と局発光との干渉作用により復調に必要な受信信号の位相状態を取り出す方式である。この方式は、入力された受信信号光と局発光の位相同期を用いて実現可能となる。ヘテロダイン方式は、周波数が若干異なる局発光と搬送波との干渉により生成されたビート信号を検出することにより、復調に必要な受信信号の位相状態を取り出す方式であるが、ホモダイン方式に比較すると3dB程度劣化する(非特許文献1参照)。
これまで、上記2方式のうち、ホモダイン方式に基づく光コヒーレント通信方式も多数報告されているおり、受信信号及び受信端側に配置された局発光源の周波数同期及び位相同期に対して光位相同期ループ技術が用いられてきた(例えば、非特許文献2参照)。
このような光位相同期ループを用いて、例えば、変調度100%のBPSK変調信号を復調する場合、BPSK変調信号自体に搬送波のスペクトル成分が含まれていないため、何らかの手段を用いて局発光と搬送波の位相差を抽出するための工夫が必要である。このような局発光と搬送波の位相差の抽出を可能にする手法として、無線通信の分野では古くから逓倍法やコスタスループが用いられてきた。
例えば、BPSK変調方式では、搬送波に対し、位相がπだけずれるように2値に応じて位相変調を施すため、搬送波を単純に逓倍する逓倍法を適用した場合(ここでは2逓倍とする)、変調信号における搬送波の2値の開始位相0若しくはπが2倍されて、2値のそれぞれのタイムスロットの位相差は2πとなる。よって、三角関数の周期性により、2逓倍後の信号における2値の位相は同形になり、結果的に、搬送波の2逓倍の周波数を持つ安定な信号が、逓倍法の手続きで抽出可能となる。
コスタスループの場合、搬送波と局発光の位相差の2倍を抽出することが可能である。コスタスループの手法を光通信に応用した場合の回路構成として、非特許文献3の図1に示す構成を挙げることができる。この手法の場合、I軸からcos(θ+d)、Q軸からsin(θ+d)が出力される。ここで、θは位相差を表し、dはデータ列を表し、信号周期毎に0或いはπをとるものとする。これらを乗算することにより、この信号変化はキャンセルされ、sin2θ(=sin(2θ+2d)、2dは0又は2π)が出力されるため、これを位相同期ループの制御信号とすることができる。
大越考敬、菊池和朗共著、「コヒーレン光通信工学」、p158、オーム社、1989年発行 Stefano Camadel et al.,"10 GBIT/S 2−PSK TRANSMISSION AND HOMODYNE COHERENT DETECTION USING COMMERCIAL OPTICAL COMPONENTS,"ECOC2003,Vol.3,We.P.122,pp.800−801 Y.Chiou and L.Wang,"Effect of optical amplifier noise on laser linewidth requirements in long haul optical fiber communication systems with Costas PLL receivers,"Journal of Lightwave Technology,Vol.14,No.10,pp.2126−2134(1996)
しかしながら、搬送波周波数が光通信に比較して極めて低い帯域を用いる無線通信ではこれらの手法は有効であるが、数百THzの搬送波周波数を用いる光通信では、これらの手法をそのまま用いることは困難である。
逓倍法の場合、数百THzの搬送波に情報が重畳されたBPSK変調信号を文字通り逓倍する必要があるが、これらの処理を、現存の電気デバイスを用いて行うことは回路を構成する素子の物性限界上困難である。また、非線形光学効果により高調波を発生させることは可能であるが、波長領域と変換効率の点などで研究すべき項目が多々ある点、また、絶対位相に直接情報を重畳するBPSK変調方式では非線形効果など位相変調効果により光信号を加工する手法を用いると、受信信号光自体の位相情報が変化してしまう可能性がある点などにより、実際に用いることは困難である。
コスタスループの場合は、回路の構成上ボトルネックとなるのは、I軸信号及びQ軸信号を乗算する乗算器である。π/2位相のずれたI軸及びQ軸の出力を厳密に乗算する必要がある。この乗算結果が位相差となるためである。現在、周波数の低い帯域を精度良く乗算可能な乗算器や、数十GHzの比較的高周波領域を乗算する乗算器は存在する。
無線通信の場合、比較的低周波領域での乗算器が用いられる。乗算器の機能上、DC信号(直流信号)を乗算可能な乗算器は基本的には存在せず、DC信号に近い範囲の位相誤差は無視されることになる。この無視された部分は、実際の位相誤差との差分となり位相差は揺らぐ。特に、無線通信の場合、発振器の安定度が極めて良いため、このような揺らぎが顕在化することはなく安定な復調を実現することが可能である。
しかしながら、光通信の場合、信号の光源として用いるレーザは、市販品の最も安定したものでさえアラン分散で数十MHzの周波数揺らぎが存在しており、位相誤差の揺らぎは無線通信とは比較にならないほど大きく、乗算器に求められる仕様としては、可能な限りDC成分に近い低周波まできちんと乗算できることが望ましい。また、光通信では、数十GBpsの高速信号を使用するため、この乗算器に求められる入力帯域の上限もそれに応じて高くなる必要がある。例えば、40GbpsのBPSK変調信号の場合、これは、前述のcos(θ+d)、sin(θ+d)が40GHzのクロックに基づき変動する信号成分dを含んでいるためである。この上限帯域が低い場合、I軸及びQ軸からの出力は乗算器中で高周波領域がカットされるため、信号自体が平滑化されてしまい、乗算された結果がこの平滑化された信号同士の乗算結果となり、忠実に位相誤差を反映したものとはならず、安定動作を維持することは困難となる。
以上から、光通信でコスタスループを用いる場合には、限りなく直流成分に近い範囲の周波数から信号のクロックとほぼ同一の数十GHzまでの超広帯域の信号を精度良く乗算可能な乗算器が必要になる。しかしながら、現状の電気デバイス技術により、このような乗算器を構成することは、困難である。従来の光通信の研究でも、古くからコスタスループを用いた研究例があるが、数十bps以上の高ビットレートのBPSK変調信号に対して安定的に動作する光PLL(位相同期ループ)の報告例は皆無に等しい。よって、何らかの手段で電気デバイスに負担をかけず、又は、乗算器を介さないループ構成を用いる必要がある。
本発明は、以上の点に鑑みなされたものであり、搬送波周波数が非常に高い(例えば、数百THz)場合であっても、精度が良い局発光を生成できて、復調精度を高めることができる光ホモダイン受信機の同期回路及び光ホモダイン受信機を提供しようとしたものである。
かかる課題を解決するため、第1の本発明は、入力された光BPSK変調信号に局部発振光を同期させる光ホモダイン受信機の同期回路において、(1)入力された光BPSK変調信号と局部発振光とを干渉させて、位相が所定量だけ異なる第1及び第2の干渉信号を得る干渉信号形成手段と、(2)上記第1の干渉信号をそのまま第1の変調信号として、若しくは、上記第1及び第2の干渉信号の合成信号を第1の変調信号として、第1の光強度変調信号を得る第1の強度変調光形成手段と、(3)上記第2の干渉信号をそのまま第2の変調信号として、若しくは、上記第1及び第2の干渉信号の合成信号を第2の変調信号として、第2の光強度変調信号を得る第2の強度変調光形成手段と、(4)上記第1及び第2の光強度変調信号をそれぞれ光電変換して2乗検波した後、差分をとって位相誤差信号を得る位相誤差取得手段と、(5)得られた位相誤差信号に応じて、生成する上記局部発振光の位相若しくは周波数を変更する局部発振光生成手段とを有することを特徴とする。
第2の本発明の光ホモダイン受信機は、入力された光BPSK変調信号に局部発振光を同期させる同期回路として、第1の本発明の同期回路を適用したことを特徴とする。
本発明の光ホモダイン受信機の同期回路及び光ホモダイン受信機によれば、搬送波周波数が非常に高い場合であっても、精度が良い局発光を生成できて、復調精度を高めることができるようになる。
第1の実施形態に係る光ホモダイン受信機の要部構成を示すブロック図である。 第1の実施形態における光VCOの内部構成例を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る光ホモダイン受信機の要部構成を示すブロック図である。
(A)第1の実施形態
以下、本発明による光ホモダイン受信機の同期回路及び光ホモダイン受信機の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。第1の実施形態に係る光ホモダイン受信機は、光BPSK変調信号を受信、復調するものである。
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態に係る光ホモダイン受信機の要部構成を示すブロック図である。第1の実施形態の光ホモダイン受信機100には、受信された復調対象の光BPSK変調信号(以下、被復調BPSK信号と呼ぶ)が入力され、それを復調して送信側が送信しようとした情報を得るものであるが、図1には、主として、被復調BPSK信号の搬送波成分に局発光の位相を合わせる同期構成を示している。
図1において、第1の実施形態の光ホモダイン受信機100は、偏波面コントローラ101、90°ハイブリッドカプラ102、バランスドフォトディテクタ103、104、112、減算器105、加算器106、変調器駆動回路107、111、CW光源(連続光光源)108、強度変調器109、110、ループフィルタ113及び光VCO(光電圧制御発振器)114を有する。
偏波面コントローラ101は、受信された被復調BPSK信号の偏波面を、光VCO114が内在する局発光源から出力された局発光の偏波面に一致させるためのものである。
90°ハイブリッドカプラ102、第1及び第2のバランスドフォトディテクタ103及び104は、非特許文献3の図1に記載のものと同様なものである。
90°ハイブリッドカプラ102は、図示は省略するが、内部に、第1及び第2のビームコンバイナと、90°移相器とを備え、第1のビームコンバイナが被復調BPSK信号と局発光とを合波して、それらの和の成分と差の成分とを得ると共に、第2のビームコンバイナが被復調BPSK信号と局発光をπ/2(=90°)だけ移相した光信号とを合波して、それらの和の成分と差の成分とを得るものである。
第1のバランスドフォトディテクタ103は、内部に2つのフォトディテクタを備え、第1のビームコンバイナからの和成分及び差成分をそれぞれ、光電変換した後(2乗検波した後)、和成分の光電変換信号から、差成分の光電変換信号を減算した信号を、I軸の信号成分として出力するものである。
第2のバランスドフォトディテクタ104は、内部に2つのフォトディテクタを備え、第2のビームコンバイナからの和成分及び差成分をそれぞれ、光電変換した後(2乗検波した後)、差成分の光電変換信号から、和成分の光電変換信号を減算した信号を、Q軸の信号成分として出力するものである。
減算器105は、第1のバランスドフォトディテクタ103からの出力信号から、第2のバランスドフォトディテクタ104からの出力信号を減算するものである。一方、加算器106は、第1及び第2のバランスドフォトディテクタ103及び104からの出力信号を加算するものである。
CW光源108は、所定波長の連続光を生成し、第1及び第2の強度変調器109及び110に入射させるものである。CW光源108が生成する連続光は、強度変調器109、110への搬送波として機能するものであるので、強度変調器109、110に入力される変調信号より、十分に周波数が高いものである。CW光源108が生成する連続光は、受信された被復調BPSK信号や、局発光と非同期なものである(同期化は実行されていない)。
第1の強度変調器109は、CW光源108からの連続光の強度を、第1の変調器駆動回路107からの変調信号の振幅に応じて変調するものである。第2の強度変調器110は、CW光源108からの連続光の強度を、第2の変調器駆動回路111からの変調信号の振幅に応じて変調するものである。第1及び第2の強度変調器109及び110として、例えば、マッハツェンダー型強度変調器などを用いることができる。
第1の変調器駆動回路107は、加算器106からの出力信号のバイアスを変更した後、第1の強度変調器109を駆動するものである。第2の変調器駆動回路111は、減算器105からの出力信号のバイアスを変更した後、第2の強度変調器110を駆動するものである。バイアスの変更は、強度変調器109、110でCW光源108からの連続光を強度変調するために適するようにするためである。具体的には、強度変調が精度良く線形的に行われるように最適化している。例えば、マッハツェンダー型強度変調器を適用している場合には、上述のように変調器のバイアス点を最適化することで、強度変調が精度良く線形的に行われるようになる。
第3のバランスドフォトディテクタ112は、第1及び第2の強度変調器109及び110からの出力光(強度変調光)をそれぞれ自乗検波した後、その差を取るものである。第3のバランスドフォトディテクタ112からの出力信号が、位相同期ループにおいてフィードバックのための位相誤差信号となる。
ループフィルタ113は、低域通過特性を有するフィルタであって、第3のバランスドフォトディテクタ112からの位相誤差信号を平滑化するものである。ループフィルタ113の低域通過特性は、位相同期ループの追従速度を規定するものとなっている。
光VCO114は、ループフィルタ113から出力された位相誤差信号に応じて、位相が制御された局発光を形成して出力するものである。
図2は、光VCO114の内部構成例を示すブロック図である。光VCOの構成例は、非特許文献2に記載されているが、図2に示すものは、適用している光変調器が非特許文献2に記載されているものと異なっている。
図2において、光VCO114は、電気的VCO150、CW光源(連続光光源)151及び位相変調器152を有する。電気的VCO150は、ループフィルタ113から出力された位相誤差信号(電圧信号)に応じて、自己での発振周波数を変更するものである。CW光源151は、被復調BPSK信号の搬送波周波数を有する連続光を生成して、位相変調器152に入射するものである。位相変調器152は、CW光源151からの連続光を、電気的VCO150からの発振信号に応じて位相変調し、位相誤差が反映された局発光を形成するものである。
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態に係る光ホモダイン受信機100における復調動作及び同期動作を説明する。
受信された被復調BPSK信号は、偏波面コントローラ101を介して、偏波面が、局発光の偏波面に一致された後、90°ハイブリッドカプラ102に入力される。90°ハイブリッドカプラ102内において、第1のビームコンバイナによって被復調BPSK信号と局発光とが合波されて、それらの和の成分と差の成分とが得られると共に、第2のビームコンバイナによって被復調BPSK信号と局発光をπ/2(=90°)だけ移相した光信号とが合波されて、それらの和の成分と差の成分とが得られる。第1のバランスドフォトディテクタ103において、第1のビームコンバイナからの和成分及び差成分がそれぞれ光電変換された後(2乗検波された後)、和成分の光電変換信号から、差成分の光電変換信号が減算されて、I軸信号成分が得られる。第2のバランスドフォトディテクタ104において、第2のビームコンバイナからの和成分及び差成分がそれぞれ、光電変換された後(2乗検波された後)、差成分の光電変換信号から、和成分の光電変換信号が減算されて、Q軸信号成分が得られる。
受信された被復調BPSK信号及び局発光はそれぞれ、(1)式及び(2)式のように表すことができる。ここで、ωは搬送波周波数を表し、φ(t)及びξ(t)はそれぞれの位相を表し、d(t)は被復調BPSK信号におけるデータ(「0」、「1」)に対応した位相(「0」、「π」)を表している。また、u(t)、uLO(t)はそれぞれ被復調BPSK信号、局発光の包絡線情報とする。さらに、以降の記述では、φ(t)及びξ(t)の差を表す(3)式で示すθ(t)を用いることにする。
=u(t)exp{ωt+d(t)+φ(t)} …(1)
LO=uLO(t)exp{ωt+ξ(t)} …(2)
θ(t)=φ(t)−ξ(t) …(3)
NRZ−PSKの場合、u(t)は一定値なり、RZ‐PSKの場合はパルス状の関数となる。uLO(t)に関しては、一定値、パルス状のどちらでの場合でも可能である。後者は、パルス光源を局発光光源にする場合である。受信信号がRZ‐PSKであり、パルス光源を局発光の光源に用いる場合には、受信信号のパルスのタイミングと局発光(参照信号)のパルスのタイミングを厳密に合わせる必要がある。このため、受信信号から電気的に抽出したパルスのタイミング、つまり被復調BPSK信号のクロックを用いて局発光の光源をパルス変調する必要がある。但し、この部分は、第1の実施形態において本質的でないため、図中には示していない(後述する第2の実施形態でも同様とする)。
第1及び第2のバランスドフォトディテクタ103及び104からの出力をそれぞれ、P、Pとすると、それぞれ(4)式、(5)式に示す比例式が成り立つ。
∝u(t)LO(t)cos{d(t)+θ(t)} …(4)
∝u(t)LO(t)sin{d(t)+θ(t)} …(5)
これらの信号P及びPは減算器105で減算されると共に、加算器106で加算され、それぞれ、第2の変調器駆動回路111、第1の変調器駆動回路107へ入力される。CW光源108からの連続光は、第1の強度変調器109において、第1の変調器駆動回路107からの変調信号によって強度変調されて第3のバランスドフォトディテクタ112に入力されると共に、第2の強度変調器110において、第2の変調器駆動回路111からの変調信号によって強度変調されて第3のバランスドフォトディテクタ112に入力される。2つの強度変調光は、第3のバランスドフォトディテクタ112で2乗検波された後、差がとられる。第3のバランスドフォトディテクタ112から出力される電気信号は(6)式に示す比例式が成り立つ。
(P+P−(P−P∝u(t)LO(t)sin{2θ(t)}
…(6)
すなわち、ループフィルタ113へ入力される信号はsin(2θ(t))の位相誤差情報を持っている。RZ−PSKの場合にはuLO(t)、u(t)の包絡線はビットレートと同一のパスル列となるため、ローパスフィルタの一種であるループフィルタ113で除去される。この際、直流成分に近い成分を持つsin{2θ(t)}が平滑化された分のみがループフィルタ113を導通する。この位相誤差情報が通常のコスタスループ型PLL(非特許文献3参照)と同様に光VCO114にフィードバックされ、sin{2θ(t)}が0になるように制御される。
位相同期が確立されている場合には、θ(t)は0若しくはπの整数倍となる。この場合、(4)式が成立する復調信号Pは、データ対応位相d(t)の値0あるいはπに対応して(7)式に示す関係式が成立し、つまりOOK信号となる。この信号は、強度変調信号と1対1に対応がつくため、復調されていることが分かる。
PI∝u(t)LO(t)cos{d(t)}
=±u(t)LO(t) …(7)
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、I軸信号及びQ軸信号の加算信号及び減算信号によって連続光をそれぞれ強度変調し、得られた2つの光強度変調信号を2乗検波した後、差をとって位相誤差信号を形成するようにしたので、電気的な乗算器を用いることなく、位相誤差信号を得ることができる。
その結果、電気的乗算器では応じられない非常に高周波数(例えば、数百THz)の搬送波周波数が適用された変調信号であっても、精度が良く同期した局発光を生成でき、復調精度を高めることができる。
(B)第2の実施形態
次に、本発明による光ホモダイン受信機の同期回路及び光ホモダイン受信機の第2の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。第2の実施形態に係る光ホモダイン受信機も、光BPSK変調信号を受信、復調するものである。
図3は、第2の実施形態に係る光ホモダイン受信機の要部構成を示すブロック図であり、上述した第1の実施形態に係る図1との同一、対応部分には同一符号を付して示している。
図3において、第2の実施形態の光ホモダイン受信機200は、偏波面コントローラ101、90°ハイブリッドカプラ102、バランスドフォトディテクタ103、104、112、加算器106、変調器駆動回路107、111、CW光源(連続光光源)108、強度変調器109、110、ループフィルタ113及び光VCO(光電圧制御発振器)114を有する。各構成要素の機能は、第1の実施形態の対応要素と同様なものである。
第2の実施形態の光ホモダイン受信機200は、第1のバランスドフォトディテクタ103から出力された信号を第1の変調器駆動回路107へ入力していること、第2のバランスドフォトディテクタ104から出力された信号を第2の変調器駆動回路111へ入力していること、第2のバランスドフォトディテクタ104の2つの入力端子への2入力信号が第1の実施形態と逆になっていること(反転Q軸信号)、加算器106の出力信号を復調信号としていることなどが、第1の実施形態の光ホモダイン受信機100と異なっている。
第2の実施形態の場合、第2のバランスドフォトディテクタ104の出力信号Pについて、(8)式に示す比例式が成立する。なお、各記号の定義は、第1の実施形態と同様である。
∝−u(t)LO(t)sin{d(t)+θ(t)} …(8)
第2の実施形態の場合、第1及び第2のバランスドフォトディテクタ103及び104からの出力信号PI、PQがそれぞれ、第1の変調器駆動回路107、第2の変調器駆動回路111に与えられ、CW光源108からの連続光の強度変調に利用されるので、第3のバランスドフォトディテクタ112からの出力信号について、(9)式に示す比例式が成立する。(9)式は(10)式のように変形でき、(12)式の置換えを適用することにより、(10)式は(11)式のように変形できる。
−P ∝u(t)LO(t)cos{2θ(t)} …(9)
=u(t)LO(t)sin[2{θ(t)+π/4}] …(10)
=u(t)LO(t)sin[2{ε(t)}] …(11)
ε(t)=θ(t)+π/4 …(12)
すなわち、ループフィルタ113へ入力される信号はsin[2{ε(t)}]の位相誤差情報を持っており、この位相誤差情報がループフィルタ113を介して平滑化されて通常のコスタスループ型PLL(非特許文献3参照)と同様に光VCO114にフィードバックされるので、sin[2{ε(t)}]が0になるように位相同期が制御される。
第2の実施形態の場合、第1のバランスドフォトディテクタ103から出力された信号Pと第2のバランスドフォトディテクタ104から出力された信号Pとを加算器106が加算し、この出力信号を復調信号とするようにしている。従って、復調信号について(13)式に示す比例式が成立する。(13)式は(14)式のように変形でき、(14)式は(12)式を適用することにより(15)式のように変形できる。位相同期時には、ε(t)が0になるように制御されているので、(15)式は(16)式のように変形でき、(16)は、データ対応位相d(t)の値0あるいはπに対応して(17)式に変形でき、つまり、加算器106からの出力信号はOOK信号となる。この信号は、強度変調信号と1対1に対応がつくため、復調されていることが分かる。
Figure 0004821912
第2の実施形態によれば、I軸信号及び反転Q軸信号によって連続光をそれぞれ強度変調し、得られた2つの光強度変調信号を2乗検波した後、差をとって位相誤差信号を形成するようにしたので、電気的な乗算器を用いることなく、位相誤差信号を得ることができる。
その結果、電気的乗算器では応じられない非常に高周波数(例えば、数百THz)の搬送波周波数が適用された変調信号であっても、精度良く同期した局発光を生成でき、復調精度を高めることができる。
(C)他の実施形態
本発明は上記第1及び第2の実施形態のものに限定されるものではない。要は、入力された光BPSK変調信号と局部発振光とを干渉させて、位相が所定量だけ異なる第1及び第2の干渉信号を得、これら干渉信号をそのまま適用した、又は、これら干渉信号を操作して得た第1及び第2の変調信号に基づいて、第1及び第2の光強度変調信号を得、第1及び第2の光強度変調信号をそれぞれ2乗検波した後に差をとった信号が、入力された光BPSK変調信号と局部発振光との位相誤差を表すものになっていれば良く、干渉信号の形成方法や変調信号の形成方法などは、1及び第2の実施形態のものに限定されるものではない。
従来、電気的な乗算器によって、ある位相差を持った信号を乗算することにより、位相差を抽出している。この部分を、以下のように行うことにより、電気信号を直接乗算することを避けることが可能となる。フィードバック信号を変調信号として、連続光を強度変調する。この強度変調信号を光電変換器で2乗検波することにより、電気信号同士の乗算をすることなく2乗成分、すなわち位相差を電気信号として抽出することが可能となる。つまるところ、ループ回路の一部分を光信号による処理に置き換えることにより、電気的に乗算器を用いる必要がなくなる。これが、本発明の究極的な技術思想である。
第1の実施形態では、復調信号の取り出しにI軸信号を利用するものを示したが、Q軸信号から復調信号を取り出すようにしても良い。
また、上記各実施形態では、受信された被復調BPSK信号の偏波面を調整するものを示したが、受信された被復調BPSK信号の偏波面を操作せず、局発光の偏波面を操作して両偏波面を合致させるようにしても良く、さらには、受信された被復調BPSK信号及び局発光の偏波面を操作して両偏波面を合致させるようにしても良い。
上記各実施形態は、非常に高周波数(例えば、数百THz)の搬送波周波数が適用されたBPSK変調信号の復調を意図したものであったが、それより低い搬送波周波数のBPSK変調信号の復調に本発明を適用することができる。
上記各実施形態においては、強度変調器109、110がCW光源108からの連続光の強度を変調して光強度変調信号を得るものを示したが、他の方法によって、光強度変調信号を得るようにしても良い。例えば、半導体レーザは、ポンピングのための駆動電流を高周波信号やパルス信号で変調することにより発振光強度を直接に変調できるものであり、この半導体レーザの特徴を利用して、光強度変調信号を得るようにしても良い。この場合にも、強度変調が精度良く線形的に行われるように最適化していることが好ましい。
また、上記各実施形態の任意の信号経路上に、光学的や電気的な増幅器を介在させるようにしても良い。
100、200…光ホモダイン受信機、101…偏波面コントローラ、102…90°ハイブリッドカプラ、103、104、112…バランスドフォトディテクタ、105…減算器、106…加算器、107、111…変調器駆動回路、108…CW光源(連続光光源)、109、110…強度変調器、113…ループフィルタ、114…光VCO(光電圧制御発振器)。

Claims (6)

  1. 入力された光BPSK変調信号に局部発振光を同期させる光ホモダイン受信機の同期回路において、
    入力された光BPSK変調信号と局部発振光とを干渉させて、位相が所定量だけ異なる第1及び第2の干渉信号を得る干渉信号形成手段と、
    上記第1の干渉信号をそのまま第1の変調信号として、若しくは、上記第1及び第2の干渉信号の合成信号を第1の変調信号として、第1の光強度変調信号を得る第1の強度変調光形成手段と、
    上記第2の干渉信号をそのまま第2の変調信号として、若しくは、上記第1及び第2の干渉信号の合成信号を第2の変調信号として、第2の光強度変調信号を得る第2の強度変調光形成手段と、
    上記第1及び第2の光強度変調信号をそれぞれ光電変換して2乗検波した後、差分をとって位相誤差信号を得る位相誤差取得手段と、
    得られた位相誤差信号に応じて、生成する上記局部発振光の位相若しくは周波数を変更する局部発振光生成手段と
    を有することを特徴とする光ホモダイン受信機の同期回路。
  2. 上記干渉信号形成手段は、上記光BPSK変調信号及び上記局部発振光が入力される90°ハイブリッドカプラと、上記90°ハイブリッドカプラの出力信号から、I軸信号及びQ軸信号を形成する直交成分信号形成部とを有し、
    上記第1の強度変調光形成手段は、上記I軸信号及びQ軸信号を加算した信号を第1の変調信号として第1の光強度変調信号を得、
    上記第2の強度変調光形成手段は、上記I軸信号から上記Q軸信号を減算した信号を第2の変調信号として第2の光強度変調信号を得る
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ホモダイン受信機の同期回路。
  3. 上記I軸信号を入力された光BPSK変調信号の復調信号として出力することを特徴とする請求項2に記載の光ホモダイン受信機の同期回路。
  4. 上記干渉信号形成手段は、上記光BPSK変調信号及び上記局部発振光が入力される90°ハイブリッドカプラと、上記90°ハイブリッドカプラの出力信号から、I軸信号及び反転Q軸信号を形成する直交成分信号形成部とを有し、
    上記第1の強度変調光形成手段は、上記I軸信号を第1の変調信号として第1の光強度変調信号を得、
    上記第2の強度変調光形成手段は、上記反転Q軸信号を第2の変調信号として第2の光強度変調信号を得る
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ホモダイン受信機の同期回路。
  5. 上記I軸信号及び上記反転Q軸信号を加算した信号を、入力された光BPSK変調信号の復調信号として出力することを特徴とする請求項4に記載の光ホモダイン受信機の同期回路。
  6. 入力された光BPSK変調信号に局部発振光を同期させる同期回路として、請求項1〜5のいずれかに記載の同期回路を適用したことを特徴とする光ホモダイン受信機。
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