次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
利用者(ユーザ)に対して、利用したいシチュエーションでもないのに質問されるというストレスを生じさせる原因の1つとしては、利用者の意図を意識した問答になっていないからである。すなわち、ナビ情報によるロケーション(位置)情報だけでは、利用者の意図を掴むことができない。例えば、ガソリンスタンドに立ち寄る場合、停車やエンジンストップだけの情報では、給油口の前に着たのか、洗車機の前に着いたのか、それとも灯油を購入しようとしたのかがわからない。それは、利用者がガソリンスタンドに立ち寄るシチュエーションが判断に活かされていないからである。
そこで、本実施例にかかるサービス提供システムでは、移動体を利用するユーザと、移動体あるいはユーザのおかれている状況とが検出され特定される。また、サービス提供システムでは、必要とされているサービスが検出され特定され、特定されたユーザ毎に、特定されたシーンと特定されたサービスが紐付けされ格納される。また、サービス提供システムでは、特定されたユーザおよび特定されたシーンに応じて、提供すべきサービスが読み出され提供される。
このように、移動体を利用するユーザと、移動体あるいはユーザのおかれている状況とを検出し特定することにより、特定されたユーザおよびシーンに応じて提供すべきサービスを提供することができる。
また、本実施例にかかるサービス提供システムでは、複数のシーン(各種状況)におけるユーザの行動を学習し、該行動に基づいて提供するサービスを判断し、ユーザ毎に、状況と提供するサービスとを関連付けて記憶し、特定されたユーザの状況に基づいて、サービスを提供する。
このように、ユーザへ提供するサービスを、学習した行動に基づいて決定することにより、より的確なタイミングでサービスの提供を行うことができる。すなわち、ユーザに対して、快適なサービスを提供することができる。
本発明の実施例にかかるサービス提供システムについて、図1を参照して説明する。
本実施例にかかるサービス提供システム100は、位置特定手段としての位置特定装置110と、シーン特定装置120と、ユーザ特定手段としてのユーザ特定装置130と、サービス提供手段としてのサービス提供装置140と、記憶手段としての記憶装置150と、情報伝達手段としての情報伝達装置160と、時刻装置170と、行動学習手段としての行動学習装置180とを備える。位置特定装置110と、シーン特定装置120と、ユーザ特定装置130と、サービス提供装置140と、記憶装置150と、情報伝達装置160と、時刻装置170と、行動学習装置180とは、情報ネットワーク400を介して、互いに接続される。この情報ネットワーク400は有線であってもよいし、無線であってもよい。
位置特定装置110は、利用するユーザの所在位置、例えば、自サービス提供システム100の位置やサービスの提供を行う位置を特定し、該特定された所在位置を情報化する。例えば、位置特定装置110は、GPSにより検出された位置情報を使用する。また、位置特定装置110は、他のサービス提供装置に備えられた情報伝達装置160を介して、他のサービス提供装置の位置情報を取得し、該他のサービスシステムとの相対的な位置を位置情報として活用するようにしてもよい。
また、サービス提供システム100が自動車、列車、船、飛行機などの移動体に搭載され、ユーザが該移動体に乗車した場合、位置特定装置110は、該ユーザが持つ携帯電話などに代表されるユーザが持ち運び可能な移動体装置に搭載された位置特定装置の機能を休止させるようにしてもよい。この場合、位置特定装置110は、移動体装置の位置情報を、情報伝達装置160を介して通知する。このようにすることにより、移動体装置は、通知された位置情報を活用することができる。
また、サービス提供システム100が自動車、列車、船、飛行機などの移動体に搭載された場合、該移動体のシートにセンサ、例えば着座センサまたは接触型のセンサを備えるようにし、位置特定装置110は、該センサによる検出結果に基づいて、着座したシートの位置を、位置情報として特定するようにしてもよい。また、センサを近距離型のセンサにより構成するようにしてもよい。
また、位置特定装置110を門柱、改札などの有料ゲート、出入国ゲート、チケット売り場、扉など、施設の境界を示す部位に情報伝達装置160とともに設置し、位置特定装置110は、その施設の境界を示す部位の位置を位置情報として特定するようにしてもよい。
また、複数の位置特定装置110により検出された位置情報を、センタ装置としてのサーバなどのネットワーク拠点に集約し、その位置情報を位置特定情報として、互いに活用するようにしてもよい。
ユーザ特定装置130は、センサ132と、信号処理装置134とを備える。
センサ132は、移動体を利用するユーザを検出し特定する。例えば、センサ132は、キー釦により構成され、ユーザにより入力されたキー釦の数字、絵、色により個人を特定する。また、センサ132は、テンキー釦により構成され、該テンキー釦により入力される複数桁のコードで個人を特定するようにしてもよい。また、センサ132は、IDタグにより構成され、該IDタグにより個人を特定するようにしてもよい。また、センサ132は、指紋、手首の静脈、網膜パターン、顔などの生態情報で個人を特定する手段により構成され、該生態情報により個人を特定するようにしてもよい。
また、センサ132を、上述した手段のうち少なくとも2つを組み合わせて構成し、ユーザを特定する情報を作り出すようにしてもよい。このようにすることにより、ユーザを特定する精度を向上させることができる。
信号処理装置134は、センサ132において認識されたユーザの特徴に基づいてユーザを特定する。例えば、信号処理装置134は、記憶装置156のユーザ判定DB154に記憶された情報に基づいてユーザを特定する。また、信号処理装置134は、認識されたユーザに関する特徴を情報化し、後述する記憶装置150に記憶する。
また、ユーザ特定装置130を、センサ132と信号処理装置134とに分離して構成するようにしてもよい。このようにすることにより、センサ132を移動体内、信号処理装置134を移動体の外に構成することができる。
シーン特定装置120は、センサ122と、行動判定手段としての信号処理装置124と、シーン特定部126と、サービス特定手段としてのサービス判断部128とを備える。
センサ122は、ユーザの体験している状況などを示す情報を収集する。
信号処理装置124は、ユーザ特定装置130において特定されたユーザに関する情報、位置特定装置110において特定された位置情報、および時刻装置170において計測された実時間、季節情報などを示す情報などを信号処理し、後述する行動学習装置180に送信する。また、信号処理装置124は、行動学習装置180から行動学習の結果を示す情報を受信し、該行動学習の結果を示す情報を記憶装置150の行動DB156に記憶する。
また、信号処理装置124は、受信した行動学習の結果に基づいて、該行動学習の結果が以前に行われた行動であるか否かを判定し、以前に行われた行動であると判定した場合に、該行動学習の結果を示す情報を、記憶装置150のシーンシナリオDB152に記憶するようにしてもよい。
シーン特定部126は、移動体あるいはユーザのおかれている状況を検出し特定する。例えば、シーン特定部126は、ユーザ特定装置130において特定されたユーザのシーン(状況)を特定する。例えば、シーン特定部126は、駅、店舗、会社などユーザが立ち寄る場所の地点の座標およびその地点名称などのシーン推定情報を使用して場所を特定する。この場合、シーン特定部126は、特定された場所と、立ち寄った時間、例えば季節、日にち、時刻、曜日を示す情報とを紐付けする。また、この場合、シーン特定部126は、上述した情報を時間軸で紐付けするようにしてもよい。
ここで、サービス提供システム100が自動車などの個人・複数人が乗車する移動体に搭載された場合におけるシーン特定部126の機能について説明する。
シーン特定部126は、特定された場所、道路、交差点、SA、IC、道路番号などを示す情報などのシーン推定情報を用いて道路の走行状態をシーンとして特定する。この場合、シーン特定部126は、特定されたシーンを移動速度や停止時間を含めた時間軸で紐付けするようにしてもよい。
また、例えば着座センサ、室内監視カメラ、温度センサ、IDタグなどによりセンサ122を構成し、シーン特定部126は、該センサ122により検出された乗車人員の数と乗車位置に基づいてシーンを特定するようにしてもよい。
また、例えば室外カメラ、クリアランスソナー、雨滴センサ、日照センサ、レーダーセンサなどによりセンサ122を構成し、シーン特定部126は、該センサ122により検出された対向車の位置、先行車の位置、雨、太陽の位置に基づいて、シーンを特定するようにしてもよい。
また、シーン特定部126は、橋桁、高架道路下、トンネル、2段橋の上下、ループ橋などの車両走行場所を特定するようにしてもよい。
また、シーン特定部126は、ステアリングの陀角、ワイパー操作状況、灯火操作状況、空調操作状況、シフトポジション、車速、加速度、ブレーキ、燃費、回生状況などの車両情報を、シーンとして特定するようにしてもよい。このようにすることにより、シーンを特定する精度を向上させることができる。
また、シーン特定部126は、上述した各情報のうち少なくとも2つを組み合わせた情報をシーンとして特定するようにしてもよい。
また、ここで、サービス提供システム100が携帯電話などに代表されるユーザの体に密着させることが可能な移動体装置に搭載された場合におけるシーン特定部126の機能について説明する。
移動体装置に加わる振動や加速度をセンサ122において検出し、該検出結果に基づいて、シーン特定部126は、利用するユーザが停止状態なのか、移動状態なのかを判断する。
また、生体センサなどによりセンサ122を構成し、シーン特定部126は、該生体センサによりユーザの体調などを判断することによりシーンを特定するようにしてもよい。この場合、生体センサを、ヘッドフォンに代表される体に密着して情報を提供するデバイスに組み込むようにしてもよい。また、生体センサを、ハンドストラップ、ネックストラップに代表される体に密着して移動体デバイスの落下防止などを補助する器具を構成するデバイスに組み込むようにしてもよい。
また、列車、船、飛行機などの公共交通機関に情報伝達装置160が備えられている場合、シーン特定部126は、該情報伝達装置160からの信号を、無線、光、磁力、電気的接触などによる通信手段により受信し、公共交通機関内に入ったことをシーンとして特定するようにしてもよい。
また、自動車などの個人・複数人が乗車する移動体に他のサービス提供システム100が備えられている場合、シーン特定部126は、他のサービス提供システム100の情報伝達装置160からの信号を無線、光、磁力、電気的接触などによる通信手段で受信することにより、移動体内に入ったことをシーンとして特定するようにしてもよい。
この場合、シーン特定部126は、ユーザが持ち運び可能な移動体装置に搭載されたサービス提供システム100が自動車などに複数台存在するシーンを特定する。また、この場合、シーン特定部126は、情報伝達装置160を介して、個々のサービス提供システム100に搭載されたシーン特定装置126をシーンセンサとして活用するようにしてもよい。例えば、シーン特定部126は、各シーン特定装置126により特定されたシーンを活用してシーンを特定する。
サービス判断部128は、必要とされているサービスを検出し特定する。例えば、サービス判断部128は、記憶装置150内にあるシーンシナリオDB152に記憶されたシーンシナリオに基づいて、提供するサービスを判断し、該提供するサービスをシーンシナリオと関連付けてシーンシナリオDB152に記憶する。また、サービス判断部128は、記憶装置150内にあるシーンシナリオDB152に準備された提供するサービスに関連付けて記憶されたシーンの内容と、シーン特定部126において特定されたユーザの体験している状況(シーン)とを比較する。
また、サービス判断部128は、サービスすべき状況(シーン)になっている場合に、サービス提供装置140に対して必要なサービスを再現する、すなわちサービスを提供することを命令し、ユーザがそのシーンにおいて最も適したサービスを受けられるように制御する。例えば、サービス判断部128は、シーンシナリオDB152に記憶されたシーンの内容と、シーン特定部126において特定されたユーザの体験している状況(シーン)とが一致する場合に、サービス提供装置140に対して必要なサービスを再現することを命令する。また、サービス判断部128は、行動DB156に記憶された学習した行動パターンから、提供するサービスを最適化する。
また、シーン特定装置120を、センサ122と、信号処理装置124、シーン特定部126およびサービス判断部128とに分離して構成するようにしてもよい。このように構成することにより、センサ122を移動体内、信号処理装置124、シーン特定部126およびサービス判断部128を移動体の外に構成することができる。
サービス提供装置140は、ユーザ特定装置130で特定されたユーザおよびシーン特定装置120で特定されたシーンに応じて、記憶装置150から提供すべきサービスを読み出して提供する。サービス提供装置140は、スピーカ142と、モニタ144と、駆動装置146とを備える。ここで、スピーカ142には、ヘッドフォン、イヤフォンを備えるようにしてもよい。また、サービス提供装置140は、カメラ装置を備えるようにしてもよい。また、サービス提供装置140は、スピーカ142、モニタ144、駆動装置146およびカメラ装置のうち少なくとも2つを組み合わせて構成するようにしてもよい。
記憶装置150は、ユーザ特定装置130で特定されたユーザ毎にシーン特定部126で特定されたシーンとサービス判断部128で特定されたサービスを紐付けして格納する。記憶装置150は、シーンシナリオデータベース(シーンシナリオDB)152と、ユーザ判定データベース(ユーザ判定DB)154と、行動データベース(行動DB)156とを備える。
シーンシナリオDB152は、シーン毎にサービスすべき内容に対応するシナリオを記憶する。すなわち、シーンシナリオDB152は、シーン(状況)と、該シーンに対応するサービスとを関連付けて記憶する。
ユーザ判定DB154は、ユーザ特定装置130において特定されたユーザの特徴を示す情報を記憶する。
行動DB156は、サービス提供システム100の行動の軌跡を記憶する。例えば、サービス提供システム100が移動体に備えられた場合、行動DB154は、該移動体の行動(移動)軌跡を記憶する。
行動学習装置180は、ユーザ特定装置130で特定されたユーザの行動を学習する。行動学習装置180は、特定されたユーザ毎に行動を学習し、特定されたユーザに、学習された行動を振り分けて記憶する。また、行動学習装置180は特定された利用ユーザに紐付けた行動パターンを示す情報をシーン特定装置120に入力する。このようにすることにより、特定された利用ユーザに紐付けた行動パターンに基づいて、サービスを提供することができる。
また、行動学習装置180は、特定されたシーンと、行動を学習する際に使用するパラメータ、例えば時刻、場所などを示す情報とを紐付けして学習を行うようにしてもよい。この場合、シーン特定部126は、行動学習装置180に、特定されたシーンを示す情報を入力する。例えば、行動学習装置180は、特定されたシーンと、平日、休日、早朝、夕方などの時刻情報とを紐付けして学習を行う。この場合、行動学習装置180は、利用ユーザの行動する時間とその時間に行う行動と関連付け、習慣データとしてパラメータ化するようにしてもよい。この場合、サービス判断部128は、該習慣データに基づいて、提供するサービスを最適化する。
また、行動学習装置180は、他のサービス提供装置により行動学習された情報をトレースし、自装置の行動学習のために利用するようにしてもよい。例えば、行動学習装置180は、他のサービス提供装置が行動学習を行った時点と同様の時点に来た場合、該時点における他のサービス提供装置の行動学習情報をトレースし、自装置の学習のために利用する。
また、対話型の問答形式により、ユーザの意図を導き出すようにした場合、該対話型の問答をシーンシナリオDB152に備える。この場合、行動学習装置180は、ユーザ行動DB156に記憶された行動の学習内容にしたがって、シーンシナリオDB152から問答内容を選択し、ユーザの状況(シーン)に応じた選択方法を導き出す。すなわち、行動学習装置180は、ユーザの状況に応じた問答における回答の規則性を導き出すことにより、ユーザの意図を導き出す。この場合、行動学習装置180は、問答の結果を次回の問答のシナリオとして学習するようにしてもよい。
情報伝達装置160は、接続された1または複数のシステム、例えば1または複数の他のサービス提供装置300と、お互いの情報を連携するように動作する。例えば、情報伝達装置160は、他の目的で利用される他のサービス提供装置300と情報を交互に交換する。その結果、サービス提供システム100は、他のサービス提供装置300に記憶された情報を利用することができる。このようにすることにより、個々のユーザにそれぞれ最適なサービスを受けられるようにすることができる。
例えば、1または複数の他のサービス提供装置300のうち少なくとも1つの他のサービス提供装置は、ユーザが中に入って利用する移動体、例えば自動車、船、飛行機、列車などに備えられるようにしてもよい。この場合、該移動体に備えられた他のサービス提供システム以外の他のサービス提供システムは、例えば、ユーザが携帯して持ち運びができるシステムと情報を交換し、連携して各サービスを提供する。このようにすることにより、移動体の中にいるユーザは、最適なサービスを受けることができる。
また、例えば、1または複数の他のサービス提供装置300のうち少なくとも1つの他のサービス提供装置は、ユーザが中に入って利用する施設、例えば劇場、病院、美術館、動物園などに備えられるようにしてもよい。この場合、該施設に備えられた他のサービス提供システム以外の他のサービス提供システムは、例えば、ユーザが携帯して持ち運びができるシステムと情報を交換することにより、連携して各サービスと連動する。このようにすることにより、施設の中にいるユーザは、最適なサービスを受けることができる。
また、例えば、1または複数の他のサービス提供装置300のうち少なくとも1つの他のサービス提供装置は、ユーザが中に入って利用する施設、例えば劇場、病院、美術館、動物園などに備えられ、ユーザが中に入って利用する施設に備えられた他のサービス提供装置以外の他のサービス提供装置は、ユーザが中に入って利用する移動体、例えば自動車、船、飛行機、列車などに備えられるようにしてもよい。この場合、他のサービス提供システムは、例えば、ユーザが携帯して持ち運びができるシステムと情報を交換することにより、連携して各サービスと連動する。このようにすることにより、施設の中にいるユーザは、最適なサービスを受けることができる。
時刻装置170は、時刻、日にち、曜日など時刻に関連する情報を監視する。
次に、上述したサービス提供システム100の使用例について説明する。
本実施例においては、上述したサービス提供システム100が移動体、例えば乗り物、携帯装置に備えられる場合について説明する。
具体的には、本実施例にかかるサービス提供システム100が自動車に搭載される場合について説明する。
例えば、図2に示すように、ユーザA、Bは、免許書を保持した自家用車のオーナであり、キーを用いて自家用車を使用する。平日(ウィークデー)はユーザAが主に使用し、祝休日はユーザBが主に使用する。
自家用車に搭載されたサービス提供システム100は、時刻装置170において、利用時間(カレンダーを含む)を常時監視している。
平日の早朝、ユーザAは、会社へ出勤するために、ほぼ同一の時間に自家用車を利用している。シーン特定装置120は、エンジンの始動をセンサ122において検出し、該検出結果を信号処理装置124へ入力する。
ユーザ特定装置130は、ユーザAとユーザBの体格差による、シートポジション、ドライビングポジションの違いからユーザを特定する。具体的には、シートポジション、ハンドル位置をセンサ132において検出し、該検出結果を信号処理装置134へ入力する。信号処理装置134は、記憶装置150のユーザ判定DB154に記憶された体格情報を、情報ネットワーク400を介して取得し、検出結果と取得した体格情報に基づいて、ユーザA、Bを特定する。
本実施例においては、体格差による自家用車のシートポジション、ハンドル位置の違いに基づいて、二人のオーナを判断する方法について説明する。しかし、ユーザの体格がほぼ同等だった場合は、個人の差を見出せない状態となる。このため、個人を特定するためのSW、顔認証カメラ、IDタグなどを利用して、個人を特定するようにしてもよい。また、ナビゲーションなどのグラフィックスディスプレイなどを使いてIDコードを入力させたり、所持している携帯電話などを利用したりすることにより、個人を特定するようにしてもよい。
なお、サービス提供システムの使用方法、使用するユーザの範囲とセキュリティの観点でこれらの手段を組み合わせるようにしてもよい。このようにすることにより、ユーザを特定する精度を向上させることができる。
自動車が起動し、ユーザの特定が終了した後、シーンの検出が行われる。シーン特定装置120は、センサ122において運転席以外の着席状況を検出し、該検出結果を信号処理装置124およびシーン特定部126に入力する。
シーン特定部126は、着席状況から、車内がユーザ単独で利用されているか、複数人数により利用されているかを把握し、シーンの分別を行う。このようにすることにより、自動車の内部がプライバシーのとれた空間として利用されているか、狭い空間で複数人数により共同利用されているかを把握することができる。自動車内部がプライバシーのとれた空間として利用されているか、狭い空間で複数人数により共同利用されているかで、運転席のユーザの使い方が変わるため、行動学習装置180で行われる学習を切り替えることができる。
また、センサ122は車速を検出し、該検出結果を信号処理装置124およびシーン特定部126に入力する。信号処理装置124は、車速の検出結果の信号処理を行い、行動学習装置180に入力する。
シーン特定部126は、時刻装置170から実時間を示す情報を、情報ネットワーク400を介して取得する。また、シーン特定部126は、ユーザ特定装置130から登録ユーザを示す情報を、情報ネットワーク400を介して取得する。また、シーン特定部126は、実時間を示す情報と、登録ユーザを示す情報と、着席状況を示す情報と、車速を示す情報とに基づいて、自動車の使用方法を判断する。
例えば、シーン特定部126は、時刻装置170から、実時間を示す情報として、平日・通勤時間を示す情報を取得し、上述した着席状況から運転席以外に着席している人はなく、ドライバのみであると判断した場合、起動から出発までのシーンを特定するために、該シーンを特定する。
行動学習装置180は、入力された情報に基づいて、利用ユーザの行動する時間とその時間に行う行動とを関連付け、習慣データとしてパラメータ化し、該習慣データを信号処理装置124に送信する。
信号処理装置124は、記憶装置150の行動DB156に、習慣データを記録する。
次に、本実施例にかかるサービス提供装置の動作について、図3を参照して説明する。
ここでは、ユーザ判定が行われ、シーンを特定する動作について説明する。
停止状態(ステップS302)から、自動車の起動が行われ、ユーザ認証待ち状態となる(ステップS304)。
ユーザ特定装置130は、センサ132からの情報を検出し、該検出結果を信号処理装置134に入力する。信号処理装置134は、ユーザ判定DB154からユーザ判定データを読み出す(ステップS306)。
次に、信号処理装置134は、ユーザ判定データに基づいて、センサ132により検出されたユーザが登録ユーザであるか否かを判断する(ステップS308)。
センサ132により検出されたユーザが登録ユーザである場合(ステップS308:YES)、ユーザDB154からユーザ情報を読み出す(ステップS310)。その結果、シーン検出状態となる(ステップS312)。このシーン検出状態において、センサ122がユーザ離脱情報を検出した場合、ステップS304に戻る。
一方、センサ132により検出されたユーザが登録ユーザでない場合(ステップS308:NO)、信号処理装置134は、センサ132により検出されたユーザが使用対象者であるか否かを判断する(ステップS314)。
センサ132により検出されたユーザが使用対象者であると判断した場合(ステップS314:YES)、信号処理装置134は、ユーザ判定DB154にユーザ情報の登録を行う(ステップS316)。その結果、シーン検出状態となる(ステップS312)。
一方、センサ132により検出されたユーザが使用対象者でないと判断した場合(ステップS314:NO)、ステップS304に戻る。
ここで、ステップS314におけるセンサ132により検出されたユーザが使用対象者であるか否かを判断する処理を省略して、ユーザ判定DB154ユーザ情報の登録を行うようにしてもよい。センサ132により検出されたユーザが使用対象者であるか否かを判断する処理を行うことにより、セキュリティを強化することができる。
シーン検出状態において、シーン特定装置120は、センサ122において車速、陀角を検出した場合、ユーザが自動車の運転を開始したことを検出し、該検出結果をデータ化して信号処理装置124に入力する。
一方、位置特定装置110は、自動車の位置を検出し、該位置情報から、自動車の行動をとらえる。例えば、位置特定装置110は、GPSナビゲーション装置を備え、道路番号、交差点名称、施設情報などを特定する。位置特定装置110は、自動車の位置情報を示す情報をシーン特定装置120に入力する。
シーン特定部126は、車速、陀角、自動車の位置情報などに基づいて、ユーザの体験している状況(シーン)を特定し、特定されたシーンの推定情報をサービス判定部128に入力する。
次に、サービス判定部128は、記憶部150のシーンシナリオDB152に記憶されたシーンシナリオを読み出す(ステップS318)。
次に、サービス判定部128は、特定されたシーンが、シーンシナリオに記憶されたシーンに該当するか否か、すなわち特定されたシーンが対象のシーンであるか否かを判断する(ステップS320)。
特定されたシーンが対象のシーンである場合(ステップS320:YES)、シーンシナリオ実行状態となる(ステップS322)。サービス判定部128は、サービス提供装置140に対して必要なサービスを再現することを命令し、ユーザがそのシーンにおいて最も適したサービスを受けられるように制御する。
一方、特定されたシーンが対象のシーンでない場合(ステップS320:NO)、ステップS312に戻る。
また、シーンシナリオ実行状態において、センサ122がユーザ離脱情報を検出した場合、ステップS304に戻る。
また、シーン検出状態において、センサ122がユーザの操作、例えばハンドル操作、アクセル操作、ブレーキ操作、シフト操作、オーディオ操作、エアコン操作などを検出した場合、信号処理装置124は、行動学習装置180に対して、操作内容、時間などを学習するように命令する(ステップS324)。例えば、行動学習装置180は、道路に関する情報、例えば道路番号、方向や、交差点に関する情報、例えば停止時間、通過時間、進行方向、例えば直進、右左折などを学習する。行動学習装置180は、学習した内容を示す情報を信号処理装置124に入力する。
次に、信号処理装置124は、行動学習装置180において学習された操作内容、時間などを受信し、記憶装置150に記憶された行動DB156を更新する(ステップS326)。
次に、信号処理装置124は、学習された操作内容、時間が習慣データであるか否かを判断する(ステップS328)。
学習された操作内容、時間が習慣データである場合(ステップS328:YES)、シーン特定部126は、学習された操作内容、時間をシーンシナリオDB152に書き込み(ステップS326)、ステップS312に戻る。
一方、学習された操作内容、時間が習慣データでない場合(ステップS324:NO)、ステップS312に戻る。
次に、自動車が走り出した時間から、サービス提供システム100をどのような目的で使うかを決定する動作について、図4を参照して説明する。ここで、自動車が走り出した時間には曜日も含まれる。
センサ122は時間の設定を行うか否かを判断する(ステップS402)。例えば、運転席のユーザが所定の操作を行うことを検出することにより、時間の設定を行うか否かを判断する。
時間の設定を行わない場合(ステップS402:NO)、ナビゲーションシステムにおける目的地の設定を確認し、ナビゲーションシステムに記憶されている目的地およびルートを利用する(ステップS404)。その後、シーン待ち状態となる(ステップS406)。ここで、時間の設定を行わない場合としては、連休中のレジャーなどがある。この場合、ナビゲーションシステムなどで目的地へ移動する。特徴としては、途中、知っている土地ではナビゲーションシステムにより設定された経路からの離脱がある点、高速道路などの有料道路から途中で降りることはほとんどない点がある。
一方、時間の設定を行う場合(ステップS402:YES)、シーン特定部126は、月曜日〜金曜日であるか否かを判断する(ステップS408)。例えば、シーン特定部126は、時刻装置170から曜日を示す情報を取得し、該曜日を示す情報に基づいて、月曜日〜金曜日であるか否かを判断する。これは、土曜日および日曜日が休日であるユーザを例にあげているためであり、ユーザによって、他の曜日が休日である場合には適宜判断を行う。
月曜日から金曜日でない場合(ステップS408:NO)、シーン特定部126は、休日モードに決定する(ステップS410)。ここで、休日モードに対応するシーンとしては、近場の目的、例えば買い物、食事、ガソリンスタンド、洗車などのための移動がある。
次に、サービス判断部128は、時刻装置170から現在の時刻を示す情報、センサ122から乗車人数の情報を取得し、該取得した情報に基づいて、目的地を仮想し、過去の履歴から移動候補を読み出し、また移動方向から仮想目的地を設定し、仮想走行ルートを設定する(ステップS412)。その後、シーン待ち状態となる(ステップS406)。
一方、月曜日から金曜日である場合(ステップS408:YES)、シーン特定部126は、平日モードに決定する(ステップS414)。
次に、サービス判断部128は、時刻装置170から現在の時刻を示す情報を収集し、収集された時刻を示す情報が通勤・通学時間帯でない場合、ステップS412における処理を行う。ここで、平日モードで通勤・通学時間帯でない場合のシーンとしては、近場の目的、例えば買い物、食事、ガソリンスタンド、洗車などのための移動がある。
一方、収集された時刻を示す情報が通勤・通学時間帯である場合、サービス判断部128は平日における学習情報を読み出す(ステップS416)。例えば、サービス判断部128は、シーンシナリオDB152から平日におけるシナリオを読み出す。例えば、サービス判断部128は、シーンシナリオDB152に記憶されたシナリオのうち平日におけるシナリオを読み出す。
ここで、平日で通勤時間に設定される場合のシーンとしては、通勤・通学による目的地、例えば会社、学校、自宅への移動、出張による目的地、例えば駅、空港、港などへの移動、お出迎えによる通過目的地への移動がある。
次に、サービス判断部128は、読み出した平日における学習情報に基づいて、仮想目的地および仮想走行ルートを設定する(ステップS418)。その後、シーン待ち状態となる(ステップS406)。
シーン待ち状態において、手動による目的地の設定およびルートの変更操作のうち、少なくとも一方が行われた場合、ステップS404に戻る。
また、シーン待ち状態において、シーン特定部126は、入力されたシーン特定情報に基づいてシーンの特定を行う。サービス判断部128は、記憶部150のシーンシナリオDB152に記憶されたシーンシナリオを読み出す(ステップS420)。
次に、サービス判断部128は、特定されたシーンが、シーンシナリオDB152に記憶されたシーンシナリオに該当するか否か、すなわち特定されたシーンが対象のシーンであるか否かを判断する(ステップS422)。
特定されたシーンが対象のシーンである場合(ステップS422:YES)、シーンシナリオ実行状態となる(ステップS424)。サービス判定部128は、サービス提供装置140に対して必要なサービスを再現することを命令し、ユーザがそのシーンにおいて最も適したサービスを受けられるように制御する。
一方、特定されたシーンが対象のシーンでない場合(ステップS422:NO)、ステップS406に戻る。
また、シーンシナリオ実行状態において、センサ122がユーザ離脱情報を検出した場合、ステップS406に戻る。
また、シーン待ち状態において、センサ122がステップS418において設定された仮想ルートから離脱したことを検出した場合、信号処理装置124は、その要因分析を行う(ステップS426)。この場合、センサ122は、進行方向、渋滞情報、乗員人数を示す情報を検出する。
次に、シーン特定部126は、センサ122において検出された情報に基づいて、シーンの特定を行う。サービス判断部128は、特定されたシーンに基づいて、目的地の次候補の選出および次走行ルートの選出を行い(ステップS428)、ステップS406に戻る。
次に、自動車が走り出した時間から、サービス提供システム100をどのような目的で使うかを決定する動作の具体例について、図5A、図5Bおよび図5Cを参照して説明する。
図5A、図5Bおよび図5Cは、行動DB156に格納された情報の概略を示す概略図である。図5A、図5Bおよび図5Cは、自宅から自動車で進む経路を示す。
図5Aにおいて、(1)〜(10)は交差点、実線は道路、破線は線路を示す。
ここでは、起動シーンの一例として、平日、朝、乗車人員1名、自宅と判断された場合について、説明する。この場合、自宅を起点とする行動習慣を示す習慣データが行動DB156から読出される。
例えば、自宅から、交差点(1)を通過し、左に折れて交差点(3)に向かった場合、この時点で、サービス判断部128は、行動習慣を示す習慣データにおける目的地を会社と駅に絞りこむ。例えば、サービス判断部128は、会社の場合にはその目的が通勤、駅の場合にはその目的が出張であると推定する。
次に、交差点(3)を右折し、交差点(6)に向かった時点で、サービス判断部128は、絞り込まれた行動習慣における習慣データの目的地、すなわち会社と駅のウエイトを上げる。
次に、交差点(6)で直進した場合、この時点で、サービス判断部128は、会社を最終候補として目的地とする。また、この時点で、会社までの残る経路も習慣データにより分かっているため、サービス判断部128は、行動DB156から会社までの経路情報部分を読出し、経路として確定する。
このようにすることにより、今までのナビゲーション装置だけではできなかった目的地の設定と経路計算とを自動で行うことができる。また、利用ユーザの行動する時間とその時間に行う行動とが関連付けられ、習慣データとしてパラメータ化されているため、普段から走行している道路を案内できる。
ここで、行動習慣を示す習慣データにしたがって通勤経路を走行する場合、交差点を通過する時間からその移動時間を把握することができる。この移動時間を読み出すことにより、普段の走行状態と比較でき、交通量の変化などを知ることができる。ここで、ユーザが、交通渋滞の状況で、会社までの経路を頻繁に切換えるタイプのドライバだった場合、行動DB156に記憶された経路候補にリンクして記憶された時間を知ることができるため、該時間に基づいて、経路を変更するか否かを判断することができる。
次に、起動シーンの一例として、休日、乗車人員2名、自宅と判断された場合について、図5Bを参照して説明する。この場合、自宅を起点とする行動習慣を示す習慣データが行動DB156から読出される。読み出される情報は、図5Aを参照して説明した行動DB156に格納された情報の概略と同様である。
例えば、自宅から、交差点(2)を通過し、左に折れて交差点(5)に向かった場合、この時点で、サービス判断部128は、行動習慣を示す習慣データに基づいて、目的地を知人宅、目的を訪問に設定する。また、この時点で、知人宅までの残る経路も習慣データにより分かっているため、サービス判断部128は、行動DB156から知人宅までの経路情報部分を読出し、経路として確定する。
また、例えば、自宅から、交差点(1)を通過し、右に折れて交差点(4)に向かった場合、この時点で、サービス判断部128は、行動習慣を示す習慣データに基づいて、目的地をC店、D店、目的を買い物に設定する。また、この時点で、C店、D店までの残る経路も習慣データにより分かっているため、サービス判断部128は、行動DB156からC店、D店までの経路情報部分を読出し、経路として確定する。その結果、交差点(7)および(10)が案内される。
また、例えば、自宅から、交差点(1)を通過し、左に折れて交差点(3)に向かった場合、この時点で、サービス判断部128は、行動習慣を示す習慣データに基づいて、目的地をA店、B店、目的を買い物と、食事に絞り込む。
次に、交差点(3)を右折し、交差点(6)に向かった時点で、サービス判断部128は、絞り込まれた行動習慣における習慣データの目的地、すなわちA店、B店、目的を買い物と、食事のウエイトを上げる。
次に、交差点(6)で直進した場合、この時点で、食事を最終候補として目的地とする。また、この時点で、食事までの残る経路も習慣データにより分かっているため、サービス判断部128は、行動DB156から食事までの経路情報部分を読出し、経路として確定する。
一方、交差点(6)で停車した場合、この時点で、目的地をA点、B点、目的を買い物に設定する。また、この時点で、A店、B店までの残る経路も習慣データにより分かっているため、サービス判断部128は、行動DB156からA店、B店までの経路情報部分を読出し、経路として確定する。
次に、起動シーンの一例として、平日、乗車人員1名、自宅と判断された場合について、図5Cを参照して説明する。この場合、自宅を起点とする行動習慣を示す習慣データが行動DB156から読出される。読み出される情報は、図5Aを参照して説明した行動DB156に格納された情報の概略と同様である。
例えば、自宅から、交差点(2)を通過し、左に折れて交差点(5)に向かった場合、この時点で、サービス判断部128は、行動習慣を示す習慣データに基づいて、目的地をお出迎え、例えば駅に設定する。例えば、サービス判断部128は、お出迎えの場合にはその目的が通勤であると推定する。また、この時点で、お出迎えまでの残る経路も習慣データにより分かっているため、サービス判断部128は、行動DB156からお出迎えまでの経路情報部分を読出し、経路として確定する。
また、例えば、自宅から、交差点(1)を通過し、右に折れて交差点(4)に向かった場合、この時点で、サービス判断部128は、行動習慣を示す習慣データに基づいて、目的地をIC、目的を出張に設定する。また、この時点で、ICまでの残る経路も習慣データにより分かっているため、サービス判断部128は、行動DB156からICまでの経路情報部分を読出し、経路として確定する。その結果、交差点(7)および(10)が案内される。
また、例えば、自宅から、交差点(1)を通過し、左に折れて交差点(3)に向かった場合、この時点で、サービス判断部128は、行動習慣を示す習慣データに基づいて、目的地を会社と、駅に絞り込む。例えば、サービス判断部128は、会社の場合にはその目的が通勤、駅の場合にはその目的が出張であると推定する。
次に、交差点(3)を右折し、交差点(6)に向かった時点で、サービス判断部128は、絞り込まれた行動習慣における習慣データの目的地、すなわち会社と、駅のウエイトを上げる。
次に、交差点(6)で直進した場合、この時点で、会社を最終候補として目的地とする。また、この時点で、会社までの残る経路も習慣データにより分かっているため、サービス判断部128は、行動DB156から会社までの経路情報部分を読出し、経路として確定する。
一方、交差点(6)で停車した場合、この時点で、駅を最終候補として目的地とする。
本実施例にかかるサービス提供システムは、上述した位置特定装置110、シーン特定装置120、ユーザ特定装置130、サービス提供装置140、記憶装置150、情報伝達装置160、時刻装置170および行動学習装置180を全て備える必要はなく必要に応じて適宜変更可能である。
また、本実施例にかかるサービス提供システム100は、情報伝達装置160を備えているため、センタ装置200や同等の機能を持った他のサービス提供装置300と情報を交換することが可能である。
ここでは、一例として、サービス提供システム100がセンタ装置200に情報を振り分ける機能を備える場合について説明する。
例えば、習慣データに基づいて走行している場合に、前方を同様に習慣データに基づいて走行している他のサービス提供システムを備える自動車(移動体)が存在していた場合、その自動車の行動情報を、センタ装置200を経由して共用する。このようにすることにより、経路候補にリンクして記憶された時間により、該時間がいつもと変わりないかを知ることができ、該時間に基づいてユーザに対し経路変更を行うか否かをアドバイスすることができる。
従来のナビゲーションシステムでは、VICS情報に基づいて、勝手に経路を変えられるため、普段習慣として使用していない経路に案内される場合があった。本実施例にかかるサービス提供システム100を用いることにより、普段習慣として利用している道路を対象とできる。
例えば、本実施例にかかるサービス提供システムでは、経路の変更が行われる場合、その変更が行われる交差点の手前で進路状況が判断される。この場合、シーン特定部126は、行動DB156に記憶された行動の軌跡に基づいて、予め学習された行動方向の迂回路に限定して、該迂回路にリンクする時間の予測を行う。このようにすることにより、ユーザに対して使い勝手のよいナビゲーション装置を提供することが可能となる。
また、本実施例にかかるサービス提供システムでは、自動車の操作に基づいて、シーンが特定される。このため、例えば、会社帰りにガソリンスタンドに立ち寄る習慣を持ったユーザの場合、例えばガソリンスタンドに立ち寄るために曲がる交差点を通過した時点で、目的地がガソリンスタンドに設定される。この場合、例えば、会社を起点とし、目的を帰宅とした場合の行動DB156を参照し、会社を起点として、図5Bおよび図5Cを参照して説明したツリーにより実現できる。
具体的に説明する。
ナビゲーションシステムにおいて検出される地点情報から、ガソリンスタンド付近であることが検出される。次に、ハンドル操作などを示す情報がシーン特定装置120のセンサ122で取得される。
次に、センサ122は、ガソリンスタンドの給油機地点での車速“0”とPKBまたはシフトのPレンジのうち少なくとも1つを検出し、シーン推定情報として、シーン特定部126に入力する。シーン特定部126は、シーン推定情報に基づいて、シーンを特定する。
サービス判断部129は、行動DB156に記憶された行動の軌跡と照らし合わせることにより、ユーザに給油する意思があると判断する。サービス判断部128は、サービス提供装置140に対して必要なサービスを再現することを命令し、ユーザがそのシーンにおいて最も適したサービスを受けられるように制御する。例えば、この場合、夜間でライトを全灯していることが検出されている場合、サービス判断部128は、自動で消灯するように命令する。
また、シーン特定部126において、ガソリンスタンドがセルフタイプで、必ず室外に出て行く必要があると判断された場合、センサ122においてドア開と着座無し、ドア閉の一定の操作を検出した場合に、サービス判断部128は、給油口を自動で開けるように命令するようにしてもよい。
また、この場合、サービス判断部128は、給油口を閉めて、エンジンを始動させた場合、TRIPを“0”にリセットし、燃費情報から、運転状況を提供するように命令するようにしてもよい。
また、本実施例にかかるサービス提供システムにおいて、シーン推定範囲を広げることにより、以下のサービスも可能となる。
例えば、図2を参照して説明したユーザAとユーザBでは、オーディオの趣味が異なるため、1人で単独で乗るときには、お互いのコンテンツをあまり聞きたくない。このような場合、行動学習装置180は、HDDオーディオ装置やインターネットラジオなどで選局する場合の行動を学習する。この行動学習の結果を示す情報は、行動DB156に記憶される。このように選局されるジャンルを個々に行動として学習するようにすることにより、それぞれの聞かないジャンルをスキップして再生したり、聞かないジャンルを項目から外したりすることができ、快適なオーディオ空間を提供することができる。
また、センサ122により、着座状況も把握することができるため、お互いが同乗しているときには、同等の時間間隔でお互いが趣味とするコンテンツを交互に再生させることも可能となる。この場合に、ユーザの操作で再生されたジャンルの音楽を切換える操作が頻繁に発生した場合には、同乗者との関係を学習し、再生ジャンルの選択を見直す学習を行うようにしてもよい。
また、リアルタイムで放送されるラジオ放送やTV放送を、その放送される時間帯で聞き分けるようにした場合、該当する時間帯になった場合にその放送CHを優先的に再生させるようにしてもよい。
上述したように、本実施例にかかるサービス提供システム100では、利用者の生活の習慣に着目して、場所(移動するルートを含む)、時間(季節、平日、休日)、利用者の行動を把握することにより、画一的な移動体装置に対して、個人の生活に適したサービスを提供することが可能となる。
また、自動車の各アクチュエータと連動して動作するようにすることにより、制御を要するシーンにおいて、的確に車両を制御することができる。このようにすることにより、利用者の利便性を向上させることができる。
次に、本実施例にかかるサービス提供システム100の他の構成例について説明する。
上述した実施例においては、位置特定装置110と、シーン特定装置120と、ユーザ特定装置130と、サービス提供装置140と、記憶装置150と、情報伝達装置160とを、情報ネットワーク400を介して接続し、同一の移動体装置内に備える場合について説明した。
ここでは、センタ装置200経由で情報を共有するように構成した場合について説明する。
例えば、図6に示すように位置特定装置110、シーン特定装置120と、ユーザ特定装置130と、サービス提供装置140と、情報伝達装置160とを情報ネットワーク400を介して接続しサービス提供システム100を構成する。また、情報伝達装置160と、記憶装置150とを情報ネットワーク400を介して接続しセンタ装置200を構成する。この場合、サービス提供システム100は同一の移動体内に備えられ、センタ装置200は移動体の外部に備えられる。この場合、情報伝達装置160を介して、情報のやり取りが行われる。
また、例えば、図7に示すように位置特定装置110、シーン特定装置120のセンサ122と、ユーザ特定装置130のセンサ132と、サービス提供装置140と、情報伝達装置160とを情報ネットワーク400を介して接続しサービス提供システム100を構成するようにしてもよい。この場合、情報伝達装置160と、シーン特定装置120の信号処理装置124、シーン特定部126およびサービス判断部128と、ユーザ特定装置130の信号処理装置134とを情報ネットワーク400を介して接続しセンタ装置200を構成するようにしてもよい。この場合、サービス提供システム100は移動体に、センタ装置200は移動体の外部に配置される。
このように構成した場合のサービス提供システムの使用例について説明する。
毎日同じ時間に通勤(通学)を行っていた場合、目的地は、普段駐車している所に自動で設定される。
ユーザは、経験上、おなじみの道路を走行する。しかし、通常走行している道路に渋滞が発生した場合、本実施例にかかるサービス提供システム100は、渋滞が発生していることをセンタ装置200に向けて発信を行う。
この場合、ユーザが、渋滞先の道路以外に、普段、迂回でよく使う道路があった場合には、その道路の情報は経路候補として、該経路候補にリンクして記憶される時間とともにセンタ装置200を構成する記憶装置150に蓄積されている。
ここで、従来のプローブカーなどでは、複数の車両が走ることにより、道路の渋滞予測を行うことができる。しかし、本実施例にかかるサービス提供システムを使用することにより、同一の時間帯で先行して走る同じ目的の車両を検出することで、先の渋滞が無いことを確認することができる。このようにすることにより、最適なルートを案内することが可能となる。
上述した実施例においては、サービス提供システム100が、自動車、例えば個人所有の自動車に単独で備えられた場合について説明した。しかし、本実施例にかかるサービス提供システムを鉄道、公共バス、船舶、飛行機、公共の場所に備え、また、個人が持つ携帯型の移動装置に備えることにより、さらに、効果を発揮することが可能である。
例えば、図8に示すように、カメラ機能付き携帯電話で工場敷地に入った場合、工場敷地内ではカメラ機能を使えないようにし、工場の敷地を出るとカメラ機能が使えるようにする。このようにすることにより、警備室ヘカメラ付きの携帯を預ける必要が無くなる。したがって、従業員は、カメラ付きの携帯を持つことが可能になる。さらに、機密の高い会議室に入った場合、携帯電話そのものの機密をキャンセル可能となる。
また、例えば、図9に示すように、近接通信機能を備える携帯電話で改札を通過した場合に、乗車プラットフォームの番号と乗車口を案内できようにする。また、列車の席に座ると、その位置に間違いないかを通知できるようにする。
このようにすることにより、列車のプラットフォームの間違いを減少させることができる。また、列車に乗った時点で、列車が正しいか否かがわかる。また、座った席が自分の予約席か否かがわかる。また、車掌は、検札の手間がなくなる。さらに、予約無しの場合、空き状況がわかり、その時点で予約できるようにできる。
また、例えば、図10に示すように、飛行機の搭乗ゲートを通過した場合、携帯電話の無線機の機能を無効とし、カメラ機能のみに機能を限定できる。また、搭乗したあと、飛行機の飛行準備が完了したら、電源OFF指令を出すことで一斉に携帯などの電源をOFFにでき、飛行前の携帯OFFを確実に行うことができる。
また、飛行が安定した場合には、カメラONのみを許可すれば、携帯のカメラ機能を利用することができる。着陸前も同様である。このようにすることにより、携帯電源の落とし忘れをなくすことができ、確実に携帯電話の電源をOFFさせることができる。したがって、飛行機の安全な運行に寄与できる。
また、例えば、図11に示すように、有名人が携帯電話に備えられたカメラで勝手に撮影されることにより肖像権を侵害されるおそれがある場合、有名人が保有する携帯電話から相手の携帯電話に向けて、写真の利用制限を示す情報を出力する。このようにすることにより、記録された映像をネットのホームページに掲載できなくすることができる。また、勝手に写真を撮られても、利用制限がかけられるため、著作権保護に寄与できる。
次に、本発明の第2の実施例にかかるサービス提供装置について、図12を参照して説明する。本実施例にかかるサービス提供システム100は、図1を参照して説明した位置特定装置110と、シーン特定装置120と、ユーザ特定装置130と、記憶装置150とを備える。また、本実施例にサービス提供システム100は、燃料判定装置190と、車両情報入力装置195とを備える。
位置特定装置110と、シーン特定装置120と、ユーザ特定装置130と、記憶装置150と、燃料判定装置190と、車両情報入力装置195とは、情報ネットワーク400を介して接続される。この情報ネットワーク400は有線であってもよいし、無線であってもよい。
燃料判定装置190は、ユーザ特定装置130において特定されたユーザが給油を行う燃料量であるか否かを判定する。また、燃料判定装置190は、位置特定装置110において特定された位置に基づいて、該位置がある特定の給油所である場合に、ユーザが給油の意思があると判定する。
車両情報入力装置195は、車両に関する情報例えば残燃料量を示す情報が入力される。
次に、本実施例にかかるサービス提供システム100の動作について、図13を参照して説明する。ここでは、ユーザの給油に関する行動を推定する場合について説明する。
ユーザ特定装置130は、ドライバの判定を行う(ステップS1302)。
次に、燃料判定装置190は、車両情報入力装置195を介して入力された燃料残量が、規定値以下であるか否かを判定する(ステップS1304)。ここで、規定値とは、いつも給油を行っている量であり、ユーザ毎に行動DB156に記憶されている。
燃料残量が規定値以下でない場合(ステップS1304:NO)、ステップS1304に戻る。
一方、燃料残量が規定値以下である場合(ステップS1304:YES)、位置特定装置110は、地図情報を確認し、現在位置が所定のガソリンスタンドであるか否かを判定する。
所定のガソリンスタンドである場合(ステップS1306:YES)、シーン特定装置120のセンサ122は、車速を判定することにより停車したか否かを判定する(ステップS1308)。
停車していない場合(ステップS1308:NO)、ステップS1308に戻る。
一方、停車した場合(ステップS1308:YES)、シーン特定部126は、給油にきたことを自動的に特定する(ステップS1310)。
また、ステップS1306において、所定のガソリンスタンドでない場合(ステップS1306:NO)、シーン特定部126は、ユーザの入力があるか否かを判定する(ステップS1312)。
ユーザの入力がない場合(ステップS1312:NO)、ステップS1312に戻る。
一方、ユーザの入力がある場合(ステップS1312:YES)、シーン特定部126は、給油に来たことを特定する(ステップS1314)。
次に、ガソリンスタンドにおいて、ユーザの行動を推定し、ユーザが行う操作を自動で行う処理について、図14を参照して説明する。
サービス判断部128は、給油の意思があるか否かを判定する(ステップS1402)。
給油の意思があると判定されない場合(ステップS1402:NO)、ステップS1402に戻る。
一方、給油の意思があると判定された場合(ステップS1402:YES)、サービス判断部128は、窓を開けるように命令する。その結果、自動で窓が開けられる(ステップS1404)。また、サービス判断部128は、音楽の音量を下げるように命令する。その結果、自動で音楽の音量を下げられる(ステップS1406)。また、サービス判断部128は、フューエルリッドを開けるように命令する。その結果、自動でフューエルリッドが開けられる(ステップS1408)。
次に、センサ122は、給油が完了したか否かを判断する(ステップS1410)。
給油が完了しない場合(ステップS1410:NO)、ステップS1410に戻る。
一方、給油が完了した場合(ステップS1410:YES)、ODOトリップをリセットする(ステップS1412)。
次に、サービス判断部128は、所定の車速となった場合に窓を閉めるように命令する。その結果、自動で窓が閉じられる(ステップS1414)。