JP4821192B2 - 計算機ホログラム光学素子 - Google Patents

計算機ホログラム光学素子 Download PDF

Info

Publication number
JP4821192B2
JP4821192B2 JP2005198163A JP2005198163A JP4821192B2 JP 4821192 B2 JP4821192 B2 JP 4821192B2 JP 2005198163 A JP2005198163 A JP 2005198163A JP 2005198163 A JP2005198163 A JP 2005198163A JP 4821192 B2 JP4821192 B2 JP 4821192B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
image conversion
conversion layer
optical element
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005198163A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007017643A (ja
Inventor
壮周 渡部
満 北村
浩司 衞藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2005198163A priority Critical patent/JP4821192B2/ja
Priority to DE102006030839.5A priority patent/DE102006030839B4/de
Priority to US11/481,263 priority patent/US20070008597A1/en
Publication of JP2007017643A publication Critical patent/JP2007017643A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4821192B2 publication Critical patent/JP4821192B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03HHOLOGRAPHIC PROCESSES OR APPARATUS
    • G03H1/00Holographic processes or apparatus using light, infrared or ultraviolet waves for obtaining holograms or for obtaining an image from them; Details peculiar thereto
    • G03H1/02Details of features involved during the holographic process; Replication of holograms without interference recording
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03HHOLOGRAPHIC PROCESSES OR APPARATUS
    • G03H1/00Holographic processes or apparatus using light, infrared or ultraviolet waves for obtaining holograms or for obtaining an image from them; Details peculiar thereto
    • G03H1/02Details of features involved during the holographic process; Replication of holograms without interference recording
    • G03H1/0252Laminate comprising a hologram layer
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03HHOLOGRAPHIC PROCESSES OR APPARATUS
    • G03H1/00Holographic processes or apparatus using light, infrared or ultraviolet waves for obtaining holograms or for obtaining an image from them; Details peculiar thereto
    • G03H1/02Details of features involved during the holographic process; Replication of holograms without interference recording
    • G03H1/024Hologram nature or properties
    • G03H1/0244Surface relief holograms
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03HHOLOGRAPHIC PROCESSES OR APPARATUS
    • G03H1/00Holographic processes or apparatus using light, infrared or ultraviolet waves for obtaining holograms or for obtaining an image from them; Details peculiar thereto
    • G03H1/04Processes or apparatus for producing holograms
    • G03H1/0486Improving or monitoring the quality of the record, e.g. by compensating distortions, aberrations
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03HHOLOGRAPHIC PROCESSES OR APPARATUS
    • G03H1/00Holographic processes or apparatus using light, infrared or ultraviolet waves for obtaining holograms or for obtaining an image from them; Details peculiar thereto
    • G03H1/04Processes or apparatus for producing holograms
    • G03H1/08Synthesising holograms, i.e. holograms synthesized from objects or objects from holograms
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03HHOLOGRAPHIC PROCESSES OR APPARATUS
    • G03H1/00Holographic processes or apparatus using light, infrared or ultraviolet waves for obtaining holograms or for obtaining an image from them; Details peculiar thereto
    • G03H1/22Processes or apparatus for obtaining an optical image from holograms
    • G03H1/2202Reconstruction geometries or arrangements
    • G03H2001/2223Particular relationship between light source, hologram and observer
    • G03H2001/2234Transmission reconstruction
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03HHOLOGRAPHIC PROCESSES OR APPARATUS
    • G03H2250/00Laminate comprising a hologram layer
    • G03H2250/36Conform enhancement layer
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03HHOLOGRAPHIC PROCESSES OR APPARATUS
    • G03H2250/00Laminate comprising a hologram layer
    • G03H2250/37Enclosing the photosensitive material
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03HHOLOGRAPHIC PROCESSES OR APPARATUS
    • G03H2250/00Laminate comprising a hologram layer
    • G03H2250/39Protective layer

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Holo Graphy (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)

Description

本発明は、フーリエ変換レンズとしての機能を有する計算機ホログラム光学素子に関するものであり、より詳しくは表面に汚れが付着したとしてもイメージ変換機能の低下が少ない計算機ホログラム光学素子に関するものである。
ホログラムは、波長の等しい二つの光(物体光と参照光)を干渉させて物体光の波面を干渉縞として感光材料に記録したものである。このホログラムに元の参照光と同一条件の光を当てると干渉縞による回折現象が生じ、元の物体光と同一の波面が再生できる。ホログラムは、レーザー光またはコヒーレンス性の優れた光の干渉によって生じる干渉縞の記録形態により、いくつかの種類(表面レリーフ型ホログラム、体積型ホログラム等)に分類される。
ホログラムは、その同一意匠の複製が困難である特性を利用してセキュリティ用途等に多く使用されており、なかでもホログラム形成層表面に微細な凹凸形状が付されることにより干渉縞が記録される表面レリーフ型ホログラムが一般に使用されている。従来、このようなホログラムとしては反射型のものが主流であったが、近年では透過型のホログラムも開発されており、なかでも計算機ホログラムとしての機能を有する透過型のホログラムが着目されている。
上記透過型の計算機ホログラムは、点光源から光を照射することにより、入射した光が所定のイメージへ変換されるという特異な性質を有することから、従来の反射型のホログラムでは不可能であった用途展開が検討されている。例えば特許文献1にはメガネフレームにレンズの替わりに二枚の透過型ホログラムを取り付け、このようなメガネをかけて点光源を見つめることで所定の映像を見ることができるという、ホログラム観察具としての用途が開示されている。
また、特許文献2には、透過型の計算機ホログラムを「うちわ」にはめ込み、絵柄以外にも楽しむ面白さのある新規な「うちわ」が開示されている。このように、透過型の計算機ホログラムは、従来の反射型のホログラムにはない新規な用途展開が可能であり、上記の例以外にも、工業的用途や、セキュリティ用途等の種々の用途展開が検討されている。
このような透過型の計算機ホログラムは、通常、透明基材上に、微細な凹凸形状を有するイメージ変換層が形成された構成を有するものである。上記イメージ変換層としては例えば、フーリエ変換レンズとしての機能を有するものが知られている。このようなフーリエ交換レンズとしての機能を有するイメージ変換層としては位相型のエンボスタイプのものと、振幅型のフイルムタイプのものが量産可能なものとして知られている。
ここで、上記透過型の計算機ホログラムは、上記イメージ変換層と、空気との屈折率の差を利用して、点光源から入射した光を所望の光像へ変換するものであるが、上記イメージ変換層の表面に、油、水等が付着すると、上記屈折率の差が変化してしまうため、得られる光像が乱れるという問題点があった。
特に上記位相型のエンボスタイプの透過型の計算機ホログラムは、表面に微細な凹凸形状が形成されており、この凹凸形状は空気界面に露出していることから、油、水等がイメージ変換層の表面に付着すると凹凸部位が埋まってしまい、光像が得られなくなってしまうという問題があった。このような問題から、透過型の計算機ホログラムにおいては、実用性の高いものを得ることが困難であった。
特開2004−126535号公報 特開2004−77548号公報
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、表面に油、水等の汚れが付着したとしても、イメージ変換機能の低下が少ない計算機ホログラム光学素子を提供することを主目的とするものである。
上記課題を達成するために本発明は、基材、および、上記基材上に形成され、フーリエ変換レンズとしての機能を有するイメージ変換層からなる透過型フーリエ変換ホログラムと、上記透過型フーリエ変換ホログラムのイメージ変換層上に形成され、上記イメージ変換層と一定の屈折率差を有する回折機能層と、上記回折機能層上に形成された保護層と、を有すること特徴とする、計算機ホログラム光学素子を提供する。
本発明によれば、上記保護層を有することにより、上記透過型フーリエ変換ホログラムのイメージ変換層の表面に形成された微細凹凸形状に水、油等が付着したり、また、イメージ変換層の上記微細凹凸形状が変形したりすることを防止できるため、イメージ変換機能を長期間保持でき、汎用性に優れた計算機ホログラム光学素子を提供することができる。また、上記回折機能層を有することにより、上記保護層上に汚れ等が付着した場合においても、その汚れをふき取ることによって結像性に優れた計算機ホログラム光学素子を得ることができる。
上記発明においては、上記回折機能層が空気からなることが好ましい。上記回折機能層が空気からなることにより、上記イメージ変換層と回折機能層との屈折率差を大きくすることができるため、本発明の計算機ホログラム光学素子により得られる光像を明るく、高次回折光のないものにできるという利点を有するからである。また、イメージ変換層の表面に形成する微細凹凸形状の深さを浅くできることから、原版製作工程や、複製の工程が容易になるため、本発明の計算機ホログラム光学素子の製造方法を簡略化することができるからである。さらには、回折機能層の屈折率が経時で変化することもないという利点を有するからである。
また、上記発明においては、上記回折機能層および上記保護層が同一の樹脂からなり、かつ、一体として形成されていても良い。上記回折機能層および上記保護層が同一の樹脂から一体として形成されていることにより、より剛性に優れた計算機ホログラム光学素子を得ることができるからである。
また、上記発明においては、上記回折機能層と上記イメージ変換層との屈折率差が、0.75×(λ/D)×(N−1)/N〜1.25×(λ/D)×(N−1)/Nの範囲内であることが好ましい。上記回折機能層と上記イメージ変換層との屈折率差が上記の範囲内であることにより、例えば、上記回折機能層を空気から構成した場合に、明るい光像を再生できるからである。また、不要な回折像を減らすことができる等の利点が得られる場合があるからである。
ここで、前記λは、基準波長、前記Dは、イメージ変換層の表面に形成された微細凹凸形状の最大深さ、また、前記Nは、イメージ変換層の表面に形成された微細凹凸形状の段数を表す。
また、上記発明においては上記保護層に印刷が施されていてもよい。上記保護層に印刷が施されていることにより、意匠性に富む計算機ホログラム光学素子を得ることができるため、本発明の計算機ホログラム光学素子を、玩具等の用途に適したものにできるからである。
さらに上記発明における計算機ホログラム光学素子は、反射防止層を有することが好ましい。反射防止層を有することにより、例えば、入射光の多重反射に起因するイメージの乱れ等を防止できるからである。
本発明は、表面に汚れが付着したとしても、イメージ変換機能の低下が少ない計算機ホログラム光学素子を得ることができるといった効果を奏する。
以下、本発明の計算機ホログラム光学素子について詳細に説明する。
本発明の計算機ホログラム光学素子は、基材、および、上記基材上に形成され、フーリエ変換レンズとしての機能を有するイメージ変換層とからなる透過型フーリエ変換ホログラムと、
上記透過型フーリエ変換ホログラムのイメージ変換層上に形成され、上記イメージ変換層と一定の屈折率差を有する回折機能層と、上記回折機能層上に形成された保護層と、を有すること特徴とするものである。
次に、本発明の計算機ホログラム光学素子について図を参照しながら説明する。図1は本発明の計算機ホログラム光学素子の一例を示す概略断面図である。図1に示すように本発明の計算機ホログラム光学素子10は、基材1と、基材1上に形成されたイメージ変換層2とからなる透過型フーリエ変換ホログラム20と、上記イメージ変換層2上に形成された、回折機能層3と、上記回折機能層3上に形成された保護層4とを有するものである。また、図1に示すように、本発明の計算機ホログラム光学素子10における上記回折機能層3は、任意のスペーサー5により厚みが調整されていてもよく、さらに上記スペーサー5は、イメージ変換層2と保護層4とを接着する機能を有していても良い。
本発明の計算機ホログラム光学素子10において、上記イメージ変換層2は、フーリエ変換レンズとしての機能を有するものであり、イメージ変換層2の所定の位置に所望の位相分布を付与できるよう、表面に微細な凹凸形状が形成されている。この微細凹凸形状により、任意の点光源から入射する光が所定の角度に回折され所定の光像が形成される。また、上記回折機能層3は、上記イメージ変換層2と一定の屈折率差を有するものであり、上記保護層4は、上記イメージ変換層2の表面に形成された微細な凹凸形状に汚れ等が付着することを防止する機能を有するものである。
本発明における上記回折機能層は、上記イメージ変換層と所定の屈折率差を示す回折機能を有するものである。上記イメージ変換層において点光源から入射した光が回折される角度は、上記イメージ変換層と上記回折機能層との屈折率差に依存するため、上記イメージ変換層に汚れ等が付着すると汚れ付着前とは屈折率差が異なり、入射光が回折する条件が変化してしまう。これにより、上記イメージ変換層により形成されるイメージが乱れるという現象が生じる。
しかしながら、本発明によれば、上記回折機能層上に保護層が形成されているため、上記イメージ変換層が汚染される等によって前記イメージ変換層と前記回折機能層との屈折率差が変化することを効果的に防止できる。さらに、本発明においては上記イメージ変換層上に上記回折機能層を有することから、例えば、上記保護層上に汚れが付着したとしても、回折機能層とイメージ変換層との屈折率差が変化することがない。したがって、本発明によれば表面に汚れが付着したとしても、イメージ変換機能の低下が少ない計算機ホログラム光学素子を得ることができる。
図2は本発明の計算機ホログラム光学素子の他の例を示す概略断面図である。図2に示すように本発明の計算機ホログラム光学素子11は、回折機能層と保護層とが同一の樹脂により、一体に形成された複合層22となっていてもよい。
このような複合層により、回折機能層と保護層とが一体に形成されていたとしても、イメージ変換層と、回折機能層との屈折率差を維持し、かつ、イメージ変換層に汚れ等が付着することを防止できるため、本発明の目的を達成できる。
本発明の計算機ホログラム光学素子は、基材とイメージ変換層とからなる透過型フーリエ変換ホログラムと、回折機能層と、保護層とを有するものである。以下、このような本発明の計算機ホログラム光学素子の各構成について詳細に説明する。
1.回折機能層
まず、本発明における回折機能層について説明する。本発明における回折機能層は、上記イメージ変換層と一定の屈折率差を持つことにより回折機能を有するものである。本発明の計算機ホログラム光学素子は、回折機能層がこのような回折機能を有することにより、点光源から入射した光を所定の光像へ変換する機能を発現するものである。
本発明において、回折機能層とイメージ変換層との屈折率差は任意に決定されるものではなく、回折機能層の構成材料、イメージ変換層の構成材料、および、イメージ変換層の表面に形成する微細な凹凸の形状等より、イメージ変換層で点光源から入射する光を所定の光像に変換できる範囲内に決定される。換言すると、上記回折機能層とイメージ変換層との屈折率差は、イメージ変換層で所定の点光源から入射する光を所望のイメージに変換できる範囲内であれば特に限定されない。
本発明においては、上記回折機能層とイメージ変換層との屈折率差として、0.75×(λ/D)×(N−1)/N〜1.25×(λ/D)×(N−1)/Nの範囲内が好ましく、特に0.9×(λ/D)×(N−1)/N〜1.1×(λ/D)×(N−1)/Nの範囲内が好ましく、なかでも0.95×(λ/D)×(N−1)/N〜1.05×(λ/D)×(N−1)/Nの範囲内が好ましい。
ここで、上記λは基準波長であり、上記Dは、イメージ変換層の表面に形成された微細凹凸形状の最大深さを表すものであり、上記Nは、イメージ変換層の表面に形成された微細凹凸形状の段数を表すものである。
上記基準波長とは、上記イメージ変換層により得られる光像の観察に用いる点光源の代表的な波長であり、例えば白色光源の場合の上記基準波長としては550nmを例示することができる。上記Nは、例えば図1および図2に示す計算機ホログラム光学素子を例に挙げると、微細凹凸形状の段数が5段であるため、N=5となる。また、鋸歯状断面など表面が平滑な場合はN=∞となる。
なかでも本発明においては、上記屈折率差が0.3〜1.0の範囲内が好ましく、なかでも0.4〜0.8の範囲内が好ましい。上記回折機能層とイメージ変換層との屈折率差が上記範囲内であることにより、例えば、上記回折機能層を空気から構成した場合に、明るい光像を再生できるからである。また、不要な回折像を減らすことができる等の利点が得られる場合があるからである。ここで、上記点光源としては、レーザー等の単色光であっても良く、また、白色光であっても良い。
本発明における回折機能層の構成材料としては、後述するイメージ変換層と所望の屈折率差を示すことができる屈折率を有するものであれば特に限定されるものではなく、液体、気体、固体のいずれの形態の材料であっても採用することができる。なかでも本発明においては、気体状または固体状の材料を用いることが好ましい。
上記気体状の材料としては、後述するイメージ変換層と所望の屈折率差を示すことができる屈折率を有するものであれば特に限定されない。なかでも本発明においては、上記気体状の材料として空気を用いることが好ましい。回折機能層を空気からなるものとすることにより、上記イメージ変換層と回折機能層との屈折率差を大きくすることができるため、本発明の計算機ホログラム光学素子により得られる光像を明るく、高次回折光のないものにできるという利点を有するからである。また、イメージ変換層の表面に形成する微細凹凸形状の深さを浅くできることから、原版製作工程や、複製の工程が容易になるため、本発明の計算機ホログラム光学素子の製造方法を簡略化することができるからである。さらには、回折機能層の屈折率が経時で変化することもないという利点を有するからである。
上記固体状の材料としても後述するイメージ変換層と所望の屈折率差を示すことができる屈折率を有するものであれば特に限定されず、イメージ変換層を構成する材料や、イメージ変換層の表面に形成する微細凹凸の形状に応じて、イメージ変換層の屈折率との差を所定の値にできる範囲内で任意に決定することができる。
上記固体状の材料が示す屈折率としては、本発明の計算機ホログラム光学素子の用途等に応じて適宜決定すれば良く、特に限定されるもではない。また、上記屈折率の基準となる波長も特に限定されず、400nm〜750nmの範囲から適宜選択すれば良い。なかでも本発明においては、波長633nmにおける屈折率が1.3〜2.0の範囲内が好ましく、特に1.33〜1.8の範囲内が好ましい。上記固体状の材料の屈折率を上記範囲内にすることにより、例えば、回折機能層の構成材料の選択幅が拡がる等の利点を得られる場合があるからである。ここで、上記屈折率は分光エリプソメーターにより測定することができる。
上記固体状の材料としては、上記屈折率等を備え、かつ、光の透過性に優れるものであれば特に限定されない。このような固体状の材料としては、通常、可視光領域における透過率が80%以上であるものが好ましく、90%以上であるものがより好ましい。透過率が低いと、本発明の計算機ホログラム光学素子により得られる光像が乱れ、暗くなってしまう可能性があるからである。ここで、上記固体状の材料の透過率は、JIS K7361−1(プラスチックー透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
また、上記固体状の材料としてはヘイズが低いものほど好ましく、具体的にはヘイズ値が0.01%〜5%の範囲内であるものが好ましく、特に0.01%〜3%の範囲内であるものが好ましく、なかでも0.01%〜1.5%の範囲内であるものが好ましい。ここで、上記ヘイズ値は、JIS K7105に準拠して測定した値を用いるものとする。
本発明においては上記固体状の材料として、プラスチック樹脂を用いることが好ましい。プラスチック樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および活性放射線硬化性樹脂を例示することができるが、本発明においてはこれらのいずれの樹脂であっても好適に用いることができる。
本発明に用いられる上記熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂等のオレフィン系樹脂、フッ素含有樹脂、シリコン含有樹脂等を挙げることができる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリ(メタ)アクリル酸エステルまたはその部分加水分解物、ポリ酢酸ビニルまたはその加水分解物、ポリビニルアルコールまたはその部分アセタール化物、トリアセチルセルロース、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、シリコーンゴム、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリアリレート、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール又はその誘導体、ポリ−N−ビニルピロリドン又はその誘導体、スチレンと無水マレイン酸の共重合体またはその半エステル、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル等の共重合可能なモノマー群の少なくとも1つを重合成分とする共重合体等、を挙げることができる。本発明においてはこれら熱可塑性樹脂を1種類のみ用いてもよく、また、2種類以上の混合物として用いても良い。
このような熱硬化性樹脂としては、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、オキセタン樹脂等が挙げられる。
上記活性放射線硬化性樹脂についても、上記屈折率等を備える材料であれば特に限定されるものではない。このような活性放射線硬化性樹脂としては、光照射により硬化する光硬化型樹脂、電子線照射により硬化する電子線硬化型樹脂等を挙げることができるが、本発明においては、光硬化型樹脂を用いることが好ましい。光硬化型樹脂は広く他分野においても利用されており、すでに確立された技術であることから、本発明への応用が可能であるからである。
また、上記光硬化型樹脂としては、紫外光線や可視光線により硬化する光硬化型樹脂を挙げることができるが、なかでも波長が150〜500nm、好ましくは250〜450nm、さらに好ましくは300〜400nmの光を照射することにより、硬化する紫外線硬化型樹脂が好ましい。紫外線硬化型樹脂を用いることにより、光照射装置の容易性等の観点で有用だからである。
本発明に用いられる上記紫外線硬化型樹脂の具体例としては、(不)飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂等を(メタ)アクリル酸等の酸含有モノマー、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有モノマーで変性したもの、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリルモノマーとヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート等の多官能イソシアネートモノマーで変性した数平均分子量300〜5000の変性ポリエステル樹脂、変性エポキシ樹脂、変性ウレタン樹脂、変性アクリル樹脂等の1種以上の混合物等を挙げることができる。また、必要に応じて、これにエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートのモノマー類、フッ素含有モノマー、シリコン含有モノマー、硫黄含有モノマー、および、フルオレン骨格を有するモノマー等を配合することもできる。
本発明における回折機能層を上記固体状の材料から構成する場合、上記回折機能層には、上記固体状の材料以外に他の化合物が含まれていても良い。このような他の化合物としては特に限定されず、本発明の計算機ホログラム光学素子の用途等に応じて任意に選択して用いればよい。本発明に用いられる上記他の化合物の例としては、紫外線吸収剤、着色剤等の添加剤を挙げることができる。
上記紫外線吸収剤としては、本発明における回折機能層に所望の紫外線吸収性を付与できる化合物であれば特に限定されるものではない。本発明に用いられる紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2-イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2-[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]-4-メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤;オクタベンゾン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系紫外線吸収剤;2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖および側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール等の液状紫外線吸収剤;2−ヒドロキシ−4−(メタクリロイルオキシエトキシベンゾフェノン/メタクリル酸メチル共重合体等の高分子型紫外線吸収剤;その他、アニオン系水溶性高分子紫外線吸収剤、カチオン系水溶性高分子紫外線吸収剤、ノニオン系水溶性高分子紫外線吸収剤等を挙げることができる。
上記着色剤としては、本発明における回折機能層に所望の波長の光吸収性を付与できる化合物であれば特に限定されるものではない。本発明に用いられる着色剤としては、例えば、アゾ系顔料、結合アゾ系顔料、イソインドリノン系顔料、クナクリドン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、アンスラキノン系顔料、ジオキサジン系顔料等の顔料や、1,1クロム錯体系染料、1,2クロム錯体系染料、1,2コバルト錯体系染料、アンスラキノン系染料、フタロシアニン系染料、メチン系染料、ラクトン系染料、チオインディゴ系染料等の染料を挙げることができる。
また、本発明における回折機能層には、上記添加剤以外に、回折機能層の屈折率を調整することを目的として微粒子を添加しても良い。上記回折機能層に添加する微粒子の屈折率は、回折機能層に求める屈折率により適宜決定すればよいが、通常、上記回折機能層を形成する固体状材料の屈折率よりも高いものが好ましい。このような微粒子を用いることにより、上記回折機能層を高屈折率化することができるからである。なかでも本発明においては、上記微粒子の400〜750nmの波長を有する光における屈折率が1.50以上の微粒子が好ましく、特に屈折率が1.70以上、さらには1.90以上の微粒子が好ましい。
ここで、400〜750nmの波長を有する光における屈折率が1.50以上であるとは、上記範囲の波長を有する光における平均屈折率が1.50以上であることを意味し、上記範囲の波長を有する全ての光における屈折率が1.50以上であることを要しない。また、平均屈折率は、上記範囲の波長を有する各光に対する屈折率の測定値の総和を、測定点の数で割った値である。
このような高い屈折率を有する微粒子としては、例えば、無機酸化物微粒子等の無機微粒子や有機微粒子等を例示することができ、中でも、透明性が高く光透過性を有することから無機酸化物微粒子が好ましい。無機酸化物は、無色であるか又はほとんど着色していないので、屈折率が高いものは高屈折率を付与するための成分として適している。光透過性で屈折率の高い無機酸化物としては、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、インジウム/スズ酸化物(ITO)、アンチモン/スズ酸化物(ATO)等が挙げられる。酸化チタンとしては、特に屈折率の高いルチル型が好ましい。
回折機能層の透明性を低下させないためには、上記微粒子の一次粒子径は、10〜350nm程度が好ましく、特に10〜100nm程度が好ましい。一次粒子径が上記範囲よりも大きいと回折機能層の透明性を損なうおそれがあり、また、一次粒子径が上記範囲よりも小さいと凝集しやすく、回折機能層中に均一に分散させることが困難となる場合があるからである。ここで微粒子の一次粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)等により目視計測してもよいし、動的光散乱法や静的光散乱法等を利用する粒度分布計等により機械計測してもよい。また、微粒子の一次粒子径が上記範囲内であれば、その粒子形状が球状であっても針状であっても、その他どのような形状であってもよい。
本発明において、回折機能層が上記固体状の材料から構成される場合、本発明における回折機能層は、後述する保護層と同一の樹脂からなり、かつ、一体に形成されていても良い。上記回折機能層および後述する保護層が同一の樹脂から一体として形成されていることにより、より剛性に優れた計算機ホログラム光学素子を得ることができるからである。
本発明における回折機能層は、後述するイメージ変換層と一定の屈折率差を示す回折機能を有するものである。回折機能層がこのような回折機能を示すには、上記イメージ変換層上に回折機能層が存在すればよく、その厚みとしては特に限定されるものではない。上記イメージ変換層上に、回折機能層が存在することにより一定の屈折率差を示すことができるからである。ただし、本発明の計算機ホログラム光学素子の製造適性等を考慮すると、上記回折機能層の厚みとしては0.5μm〜50μmの範囲内が好ましく、特に1μm〜25μmの範囲内が好ましい。
2.保護層
次に、本発明における保護層について説明する。本発明における保護層は、後述するイメージ変換層の表面に水、油等が付着することによって、本発明の計算機ホログラム光学素子により得られる光像が乱れることを防止する機能を有するものである。以下、このような保護層について詳細に説明する。
本発明における保護層は、後述するイメージ変換層によって屈折される光を透過させるため、光の透過率に優れたものであることが好ましい。なかでも本発明における保護層は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。透過率が低いと、本発明の計算機ホログラム光学素子により得られる光像が乱れてしまう可能性があるからである。ここで、上記保護層の透過率は、JIS K7361−1(プラスチックー透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
また、本発明における保護層は、ヘイズが低いものほど好ましく、具体的にはヘイズ値が0.01%〜5%の範囲内であるものが好ましく、特に0.01%〜3%の範囲内であるものが好ましく、なかでも0.01%〜1.5%の範囲内であるものが好ましい。ここで、上記ヘイズ値は、JIS K7105に準拠して測定した値を用いるものとする。
さらに、上記保護層は、表面が平滑性に優れたものであることが好ましい。保護層の表面が粗いと、点光源から入射する光が、保護層により散乱されてしまい、本発明のホログラム付透明カードにより得られる光像が乱れてしまう場合があるからである。
本発明における保護層を構成する材料としては、上記特性を備えるものであれば特に限定されない。このような材料としては、ガラス等の可撓性のないリジッド材でも、可撓性を有するフレキシブル材を用いることもできるが、本発明においてはフレキシブル材を用いることが好ましい。フレキシブル材を用いることにより、例えば、本発明の計算機ホログラム光学素子の製造工程をロールトゥロールプロセスとすることができ、本発明の計算機ホログラム光学素子を生産性に優れたものにできるからである。
上記フレキシブル材としては、上記「1.回折機能層」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明における保護層には本発明の目的を損なわない範囲で他の化合物が含まれていても良い。上記添加剤としては特に限定されるものではなく、本発明の計算機ホログラム光学素子の用途等に応じて適宜選択すればよい。このような他の化合物としては、上記「1.回折機能層」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明における保護層の厚みは、上記保護層が、外的要因に起因する変形により、後述するイメージ変換層の表面に形成された微細凹凸形状を破損しない程度の剛性を有する範囲内であれば特に限定されない。このような厚みとしては、保護層の構成材料の種類に応じて適宜決定すればよいが、通常0.5μm〜10mmの範囲内が好ましく、特に1μm〜5mmの範囲内が好ましい。
また、上述したように本発明の保護層は、上記回折機能層が固体状の材料から構成される場合は、上記回折機能層の材料と同一の樹脂から一体に構成されていてもよい。このように本発明における保護層が上記回折機能層と同一の樹脂から一体に構成されることにより、本発明の計算機ホログラム光学素子を、剛性に優れたものにできるからである。
さらに、本発明における保護層は、表面に印刷が施されていても良い。特に本発明の計算機ホログラム光学素子を高い意匠性が求められるホログラム観察具等の玩具用途に用いる場合には、保護層表面に印刷が施されていることが好ましい。
本発明において上記保護層に印刷を施す際の印刷方式としては、上記保護層に所望の意匠性を付与できる方式であれば特に限定されず、例えば、平版印刷、凹版印刷、凸版印刷、孔版印刷の基本印刷法、および、それらの応用印刷法が適用できる。応用印刷法としては、フレキソ印刷、樹脂凸版印刷、グラビアオフセット印刷、タコ印刷などや、インクジェット印刷、転写箔を用いる転写印刷、熱溶融または昇華型インキリボンを用いる転写印刷、静電印刷などが適用できる。また、技法では、インキを紫外線で硬化する紫外線(UV)硬化印刷、インキを高温で硬化する焼き付け印刷、湿し水を用いない水なしオフセット印刷、などを用いることができる。
また、保護層に付与する印刷情報は特に限定されるものではなく、例えば、文字、記号、マーク、イラスト、キャラクターや、会社名、商品名、セールスポイント、取扱い説明などを挙げることができる。
3.透過型フーリエ変換ホログラム
次に、本発明に用いられる透過型フーリエ変換ホログラムについて説明する。本発明に用いられる透過型フーリエ変換ホログラムは、フーリエ変換レンズとしての機能を有するイメージ変換層と、上記イメージ変換層を支持する基材とからなるものである。以下、このような透過型フーリエ変換ホログラムについて詳細に説明する。
(1)イメージ変換層
まず、本発明における透過型フーリエ変換ホログラムを構成するイメージ変換層について説明する。上記イメージ変換層は、表面に付与された微細凹凸形状によりフーリエ変換レンズとしての機能を有するものであり、このような機能により、任意の点光源から入射する光が所定の角度に回折され所定のイメージが形成されるものである。以下、このようなイメージ変換層について詳細に説明する。
まず、上記イメージ変換層が有するフーリエ変換レンズ機能について説明する。図3は本発明におけるイメージ変換層が有するフーリエ変換レンズ機能を説明する概略図である。図3において、図3(A)は、目視を説明する概略図であり、図3(B)は、本発明におけるイメージ変換層のフーリエ変換レンズ機能を説明する概略図である。図3(A)に示すように、目視では、所望の画像31をレンズ32を介して、人間の目33で観察すると観察像34が観察される。
一方、図3(B)では、点光源35をイメージ変換層2を透して、人間の目33で目視すると、イメージ変換層2の表面に形成された凹凸形状に応じた光学画像36が観察される。例えば、イメージ変換層2へ、図3(B)のようにハート画像を再生するような凹凸形状を設けておけば、イメージ変換層2を通して点光源35を目視することにより、ハートの光像36が視認される。このように本発明におけるイメージ変換層が有するフーリエ変換レンズ機能は、点光源から入射した光を所望の光像へ変換する機能をいうものである。また、本発明においては上記フーリエレンズ機能を、イメージ変換機能と称する場合もある。
本発明におけるイメージ変換層が、フーリエ変換レンズとしての機能を発現できる点光源の波長は特に限定されるものではなく、所望の波長を対象とすることができる。また、点光源の波長としては、一波長の単色光に限られず、多波長を含む光であっても良く、さらには白色光であってもよい。
上記イメージ変換層を構成する材料としては、上述したフーリエ変換レンズ機能を発現するための微細な凹凸形状を形成でき、かつ、所定の屈折率を示すものであれば特に限定されない。イメージ変換層を構成する材料が示す屈折率としては、本発明の計算機ホログラム光学素子の用途等に応じて適宜決定すれば良く、特に限定されるもではない。また、上記屈折率の基準となる波長も特に限定されず、400nm〜750nmの範囲から適宜選択すれば良い。なかでも本発明においては、波長633nmにおける屈折率が1.3〜2.0の範囲内であることが好ましく、特に1.33〜1.8の範囲内であることが好ましい。ここで、上記屈折率は分光エリプソメーターにより測定することができる。
上記イメージ変換層を構成する材料は、従来からレリーフ型ホログラム形成層の材料として使用されている熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、電離放射線硬化樹脂等の各種樹脂材料がいずれも使用可能であり、特に限定されない。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル変性ウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。また、上記熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル酸エステル樹脂、アクリルアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。
これらの樹脂は単独重合体であっても2種以上の構成成分からなる共重合体であっても良い。また、これらの樹脂は単独であるいは2種以上を組合せて使用することができる。これらの樹脂には、各種イソシアネート化合物、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛等の金属石鹸、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の有機過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルスルフィド等の熱あるいは紫外線硬化剤を適宜選択、配合することもできる。
上記電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、エポキシ変性アクリレート樹脂、ウレタン変性アクリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル等が挙げられる。これらのなかでは特にウレタン変性アクリレート樹脂が好ましく、特に下記式で表されるウレタン変性アクリル系樹脂が好ましい。
Figure 0004821192
(式中、5個のR1は夫々互いに独立して水素原子またはメチル基を表し、R2はC1〜C16の炭化水素基を表わし、X及びYは直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表わす。(a+b+c+d)を100とした場合に、aは20〜90,bは0〜50,cは10〜80,dは0〜20の整数である。)
上記式で表されるウレタン変性アクリル系樹脂は、例えば、好ましい1例として、メタクリル酸メチル20〜90モルとメタクリル酸0〜50モルと2−ヒドロキシエチルメタクリレート10〜80モルとを共重合して得られるアクリル共重合体であって、該共重合体中に存在している水酸基にメタクリロイルオキシエチルイソシアネート(2−イソシアネートエチルメタクリレート)を反応させて得られる樹脂である。したがって、上記メタクリロイルオキシエチルイソシアネートが共重合体中に存在している全ての水酸基に反応している必要はなく、共重合体中の2−ヒドロキシエチルメタクリレート単位の水酸基の少なくとも10モル%以上、好ましくは50モル%以上がメタクリロイルオキシエチルイソシアネートと反応していればよい。上記の2−ヒドロキシエチルメタクリレートに代えて又は併用して、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルァミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート等の水酸基を有するモノマーも使用することができる。
上記式で表されるウレタン変性アクリル系樹脂は、上記共重合体を溶解可能な溶剤、例えば、トルエン、ケトン、セロソルブアセテート、ジメチルスルフォキサイド等の溶媒に溶解させ、この溶液を撹拌しながら、メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを滴下及び反応させることにより、イソシアネート基がアクリル系樹脂の水酸基と反応してウレタン結合を生じ、該ウレタン結合を介して樹脂中にメタクリロイル基を導入することができる。この際使用するメタクリロイルオキシエチルイソシアネートの使用量は、アクリル系樹脂の水酸基とイソシアネート基との比率で水酸基1モル当たりイソシアネート基0.1〜5モル、好ましくは0.5〜3モルの範囲になる量である。なお、上記樹脂中の水酸基よりも当量以上のメタクリロイルオキシエチルイソシアネートを使用する場合には、該メタクリロイルオキシエチルイソシアネートは樹脂中のカルボキシル基とも反応して−CONH−CH2CH2−の連結を生じることもあり得る。
以上の例は、上記式において、全てのR1及びR2がメチル基であり、X及びYがエチレン基である場合であるが、本発明は、これらに限定されず、5個のR1は夫々独立して水素原子又はメチル基であってもよく、更にR2 の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−又はiso−プロピル基、n−、iso−又はtert−ブチル基、置換又は未置換のフェニル基、置換又は未置換のベンジル基等が挙げられ、X及びYの具体例としては、エチレン基、プロピレン基、ジエチレン基、ジプロピレン基等が挙げられる。このようにして得られるウレタン変性アクリル系樹脂は全体の分子量としては、GPCで測定した標準ポリスチレン換算重量平均分子量で1万〜20万、更に2〜4万であることがより好ましい。
上記のような電離放射線硬化型樹脂を硬化させる際には、架橋構造、粘度の調整等を目的として、上記のモノマーとともに下記のような単官能又は多官能のモノマー、オリゴマー等を併用することができる。
上記単官能モノマーとしては、例えば、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート等のモノ(メタ)アクリレート等が、2官能以上のモノマーとしては、骨格構造で分類するとポリオール(メタ)アクリレート(例えば、エポキシ変性ポリオール(メタ)アクリレート、ラクトン変性ポリオール(メタ)アクリレート等の)、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、その他ポリブタジエン系、イソシアヌール酸系、ヒダントイン系、メラミン系、リン酸系、イミド系、ホスファゼン系等の骨格を有するポリ(メタ)アクリレート等が挙げられ、紫外線、電子線硬化性である種々のモノマー、オリゴマー、ポリマーが利用できる。
更に詳しく述べると、2官能のモノマー、オリゴマーとしては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等が例示され、また、3官能のモノマー、オリゴマー、ポリマーとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、脂肪族トリ(メタ)アクリレート等が例示され、また、4官能のモノマー、オリゴマーとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、脂肪族テトラ(メタ)アクリレート等が例示され、また、5官能以上のモノマー、オリゴマーとしては、例えば、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が例示され、また、ポリエステル骨格、ウレタン骨格、ホスファゼン骨格を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。官能基数は特に限定されるものではないが、官能基数が3より小さいと耐熱性が低下する傾向があり、また、20を超える場合には柔軟性が低下する傾向があるため、特に官能基数が3〜20のものが好ましい。
上記のような単官能又は多官能のモノマー、オリゴマーの使用量としては、イメージ変換層の製造方法等に応じて、任意に決定すればよいが、通常、電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して、0重量部〜50重量部の範囲内が好ましく、特に0.5重量部〜20重量部の範囲内が好ましい。
さらに本発明におけるイメージ変換層には、必要に応じて、光重合開始剤、重合禁止剤、劣化防止剤、可塑剤、滑剤、染料や顔料などの着色剤、増量やブロッキング防止などの体質顔料や樹脂などの充填剤、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤、チクソトロピー性付与剤等の添加剤を、適宜加えても良い。
(2)基材
次に、本発明に用いられる透過型フーリエ変換ホログラムを構成する基材について説明する。本発明に用いられる基材は、上記イメージ変換層を支持し、かつ、イメージ変換層において形成された光像を透過する機能を有するものである。
本発明に用いられる基材は、上記イメージ変換層を支持できる自己支持性を有し、かつ、イメージ変換層において形成された光像を透過できる光透過性を有するものであれば特に限定されない。なかでも本発明における基材は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。透過率が低いと、本発明の計算機ホログラム光学素子により得られる光像が乱れてしまう可能性があるからである。ここで、上記基材の透過率は、JIS K7361−1(プラスチックー透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
また、本発明における基材は、ヘイズが低いものほど好ましく、具体的にはヘイズ値が0.01%〜5%の範囲内であるものが好ましく、特に0.01%〜3%の範囲内であるものが好ましく、なかでも0.01%〜1.5%の範囲内であるものが好ましい。ここで、上記ヘイズ値は、JIS K7105に準拠して測定した値を用いるものとする。
本発明に用いられる基材を構成する材料は、上記特性を備えるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、プラスチック樹脂フイルムやガラス板を用いることができる。本発明においては、上記基材としてプラスチック樹脂フイルムを用いることが好ましい。プラスチック樹脂フイルムは軽量であり、かつ、ガラスのように破損する危険性が少ないからである。
上記プラスチック樹脂フイルムを構成する樹脂としては、上記イメージ変換層を支持できる剛性を備えるものであれば特に限定されるものではない。このようなプラスチック樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、セロハン、アセテート、ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリアミドイミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン等を挙げることができる。なかでも本発明においては、複屈折性の観点からポリカーボネートを用いることが最も好ましい。
本発明に用いられる基材の厚みは、本発明の計算機ホログラム光学素子の用途等に応じて、上記イメージ変換層を支持できるだけの剛性を有する範囲内であれば特に限定されない。具体的な基材の厚みは、基材を構成する材料に応じて任意に決定される。なかでも本発明においては、上記基材の厚みとしては、5μm〜200μmの範囲内が好ましく、特に10μm〜50μmの範囲内が好ましい。
さらに、本発明における基材は、表面に印刷が施されていても良い。特に本発明の計算機ホログラム光学素子を高い意匠性が求められるホログラム観察具等の玩具用途に用いる場合には、基材表面に印刷が施されていることが好ましい。このような印刷を施す際の印刷方式および印刷情報については、上記「2.保護層」の項において記載した内容と同様であるためここでの説明は省略する。
4.計算機ホログラム光学素子
本発明の計算機ホログラム光学素子には上記以外の他の構成を有していていも良い。このような他の構成としては反射防止層を挙げることができる。反射防止層を有することにより、例えば、入射光の多重反射に起因するイメージの乱れ等を防止できるため、本発明の計算機ホログラム光学素子は反射防止層を有することが好ましい。
本発明の計算機ホログラム光学素子が上記他の構成として反射防止層を有する場合、上記反射防止層が形成される位置は、本発明の計算機ホログラム光学素子の空気界面であれば特に限定されない。また、上記反射防止層は、1層のみならず2層以上を形成しても良い。
本発明の計算機ホログラム光学素子が上記反射防止層を有する場合の態様について図を参照しながら説明する。図4(A)は、本発明の計算機ホログラム光学素子に上記反射防止層が形成された態様の一例を示す概略断面図である。また、図4(B)は、空気からなる回折機能層を有する計算機ホログラム光学素子において、上記反射防止層が形成された態様の一例を示す概略断面図である。
図4(A)に示すように、本発明の計算機ホログラム光学素子12に上記反射防止層6が形成される態様としては、保護層4および基材1の表面に形成される態様を例示することができる。また、図4(B)に示すように回折機能層3が空気からなる場合の反射防止層6の態様としては、保護層4および基材1の表面以外に、回折機能層3と保護層4との界面、および、回折機能層3とイメージ変換層2との界面に形成された態様を例示することができる。
本発明において反射防止層が形成される態様としては、図4(A)に示すように最表層のみに形成される態様と、図4(B)に示すように最表層と内層とに形成される態様を挙げることができるが、本発明においてはいずれの態様でも好適に用いることができる。例えば、図4(A)に示すような最表層のみに形成される態様は、本発明のホログラム観察具を、高品質な光像を必要としないホログラム観察具等の玩具用途に用いる場合に好適であり、図4(B)に示すような最表層と内層とに形成される態様は、本発明のホログラム観察具を、高精度な光像が必要とされるレーザー加工用のビームシェイパー等、本発明のホログラム観察具を工業的用途に用いる場合に好適である。
上記反射防止層の構成材料としては、例えば、フッ素含有材料、シリコン含有材料や、これらの材料からなる微粒子を含んだ樹脂を用いることができ、より具体的には特開2003−183592号公報に記載された材料等を用いることができる。また、反射防止層を上記保護層上に形成する場合においては、上記保護層よりも屈折率の低い材料を好適に用いることができる。
また、上記反射防止層の厚みは、反射防止層を構成する材料の種類に応じて入射光の反射を所望の程度まで抑制できる範囲内であれば特に限定されないが、通常、0.01μm〜2μmの範囲内が好ましく、特に0.05μm〜1μmの範囲内が好ましい。
本発明の計算機ホログラム光学素子の用途としては、本発明の計算機ホログラム光学素子が有するフーリエ変換レンズとしての機能を利用できるものであれば特に限定されない。例えば、ホログラム観察具等の玩具用途や、レーザーパターニング用のビームシェイパーとしての用途、その他、光分岐素子、距離計測用光源等としての用途を挙げることができる。
5.計算機ホログラム光学素子の製造方法
次に、本発明の計算機ホログラム光学素子の製造方法について説明する。本発明の計算機ホログラム光学素子の製造方法は、上記構成を有する計算機ホログラム光学素子を製造できる方法であれば特に限定されず、一般的に公知の方法を組み合わせて製造することができる。以下、本発明の計算機ホログラム光学素子の製造方法の一例として、基材上に、イメージ変換層を形成することにより、透過型フーリエ変換ホログラムを形成した後、上記イメージ変換層上に、回折機能層と、保護層とを順に積層する方法について説明する。
まず、基材上にイメージ変換層を形成することにより、透過型フーリエ変換ホログラムを形成する方法について説明する。基材上にイメージ変換層を形成する方法としては、基材上に、表面に所定の凹凸形状を有するイメージ変換層を形成できる方法であれば特に限定されるものではないが、通常、イメージ変換層に付与する凹凸形状の原版を作製し、上記原版を用いてイメージ変換層に、凹凸形状を転写する方法により形成される。
上記原版の作製方法としては特に限定されるものではなく一般的な方法を用いることができる。このような方法としては、例えば、本発明の計算機ホログラム光学素子により得られる光像を決定した後に、当該光像のデータを作成し、フーリエ変換面の位置などから、フーリエ変換データを計算し、当該フーリエ変換データを電子線描画用の矩形データへ変換する。そして、当該矩形データを、半導体回路マスクなどを描画する電子線描画装置で、ガラス板へ塗布されたレジスト面へ微細凹凸形状を描画する方法により作成することができる。
上記のような方法により作製した原版を用いて、イメージ変換層に凹凸形状を転写する方法としては、公知の2P法、射出成形法、ゾルゲル法、ハードエンボス、ソフトエンボス、セミドライエンボス、各種ナノインプリント法などが適用できる。なかでも本発明においては、2P法を用いることが好ましい。2P法によれば基材上にイメージ変換層を形成するのと同時に、イメージ変換層の表面に微細凹凸形状を形成することが出来るからである。
次に、上記2P法(PhotoPolymerization法)により、イメージ変換層に微細凹凸形状を転写する方法について説明する。2P法による微細凹凸形状の転写方法は、原版にイメージ変換層形成用組成物を滴下し、上記イメージ変換層形成用組成物上に基材を乗せ、活性放射線を照射して硬化させた後、剥離することよりイメージ変換層に上記微細凹凸形状を転写する方法である。このような2P法は、一般に、基材上に凹凸レリーフを形成する有効な方法として知られ、公知の光学部品などの複製でも使用されている。
上記2P法により微細凹凸形状を転写する方法について図を参照しながら説明する。図5は、2P法を説明する概略図である。図5に例示するように2P法では、凹凸状が形成された原版41を用意する(図5(a))。次に、イメージ変換層形成用組成物2’を滴下し(図5(b))、その上へ基材1を積置し、押圧する(図5(c))。
次に、原版41または基材1から紫外線等の活性放射線を照射して、イメージ変換層形成用組成物2’を硬化させる(図5(d))。
次に、硬化させて基材1と接着したイメージ変換層形成用組成物を基材1と共に原版41側から剥離する(図5(e))。このような方法により基材1上に凹凸形状を有するイメージ変換層2が形成された透過型フーリエ変換ホログラム20を形成することができる。
なお、上記イメージ変換層形成用組成物に用いられる材料、および、上記基材については上記「3.透過型フーリエ変換ホログラム」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
次に、上記方法により作製した透過型フーリエ変換ホログラムのイメージ変換層上に回折機能層と、保護層とを順に積層する方法について説明する。上記イメージ変換層上に回折機能層と、保護層とを順に積層する方法は、回折機能層を構成する材料の形態により異なる。
上記回折機能層を、空気等の気体から構成する場合は、例えば、上記透過型フーリエ変換ホログラムのイメージ変換層上に保護層を形成することにより、空気からなる回折機能層と、保護層とを積層することができる。このような方法について図6を参照しながら説明する。図6に示すように、回折機能層を空気から構成する場合は、イメージ変換層2上に所定の厚みを有するスペーサー5を設け(図6(a)、(b))、上記スペーサー5上に保護層4を貼合することにより、回折機能層3と、保護層4とを同時に形成することができる(図6(c))。また、スペーサー5を保護層4上に形成したものを回折機能層3に貼合しても良い。この場合、上記スペーサー5は、イメージ変換層2と、保護層4とを接着する接着剤としての機能を兼ねても良い。
上記図6に示すような空気からなる回折機能層の形成方法は、例えば、高精細な光像を得ることが求められるレーザー加工用のビームシェイパー用途の計算機ホログラム光学素子を作成する場合に好適である。
一方、ホログラム観察具等の玩具用途の計算機ホログラム光学素子を作成する場合において、上記回折機能層を空気から構成する場合は、図6に示すようなスペーサーを用いる必要はなく、上記イメージ変換層と回折機能層との間に空気層が形成されるように、任意の接着剤で上記イメージ変換層と回折機能層とを接着すれば良い。
上記回折機能層を固体状の材料から形成する場合は、上記透過型フーリエ変換ホログラムのイメージ変換層上に、回折機能層形成用組成物を用いて回折機能層を形成した後、当該回折機能層上に保護層を積層することにより、本発明の計算機ホログラム光学素子を形成することができる。このような方法について図7を参照しながら説明する。図7に示すように、回折機能層を固体状の材料から形成する場合は、イメージ変換層2上に、回折機能層形成用組成物を塗布することにより、回折機能層3を形成した後(図7(a)、(b))、上記回折機能層3上に、保護層4を形成することにより(図7(c))、本発明の計算機ホログラム光学素子を形成することができる。
また、上記回折機能層を形成した後、上記保護層を形成しないことにより、上記回折機能層と上記保護層とが同一樹脂により一体に形成された態様の計算機ホログラム光学素子を形成することができる。
ここで、上記回折機能層形成用組成物に用いる材料は、上記「1.回折機能層」の項において記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。また、イメージ変換層上に、上記回折機能層形成用組成物を塗布する方式としては、特に限定されず、一般的な方法を用いることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
1.実施例1(回折機能層が空気からなる計算機ホログラム光学素子)
(1)透過型フーリエ変換ホログラムの作製
合成石英の基盤に表面低反射クロム薄膜を積層したフォトマスクブランク板のクロム薄膜上にドライエッチング用レジストをスピンナーにより回転塗布することによりレジスト層を形成した。ドライエッチング用レジストとしては日本ゼオン(株)製ZEP7000を使用し、レジスト層の厚みは400nmとした。このようにして形成したレジスト層に対し、電子線描画装置(MEBES4500:ETEC社製)を用い、事前に計算機で作成したパターンを露光した。露光によりレジスト樹脂が硬化した易溶化部分と未露光部分とが区画形成した後、現像液を噴霧するスプレー現像等によって、溶剤現像して易溶化部分を除去しレジストパターンを形成した。
上記方法により形成したレジストパターンを利用して、ドライエッチングによりレジストで被覆されていない部分のクロム薄膜をエッチング除去し、除去した部分において、下層の石英基板を露出させた。次いで露出した石英基板をエッチングし、エッチングの進行により生じた凹部とクロム薄膜およびレジスト薄膜とが下から順に被覆している石英基板の元の部分からなる凸部とを形成した。さらにレジスト薄膜を溶解除去し、石英基板がエッチングされて生じた凹部と頂部にクロム薄膜が積層した部分からなる凸部とを有する石英基板を得た。
上記作製した凹凸型の原版にイメージ変換層形成用組成物(UV硬化性アクリレート樹脂:屈折率1.52 測定波長633nm)を滴下した。その上へポリカーボネート基板を積置し、押圧した。次に活性放射線を照射して(フュージョン製Hバルブ使用、照射量500mJ)、イメージ変換層形成用組成物を硬化させたあと剥離させ、原版の凹凸型を反転させた凹凸イメージを持つ透過型フーリエ変換ホログラムを作製した。
(2)保護層および回折機能層の作製
アクリル板(製品名:パラグラス 厚み2μm:クラレ社製)にスペーサー兼接着剤として(塗工液CAT−1300S:帝国インキ社製)をパターン状にスクリーン印刷し印刷面に離型紙を張り合わせ保護層形成部材として準備をした。なお、スペーサー兼接着剤は凹凸形状を作成していないイメージ変換層上に設けられるようパターン印刷のパターンを施した。なお、上記スペーサー兼接着剤の厚みは2μmとした。
上記作製した保護層形成部材の離型紙を剥がし、上記作製したイメージ変換層が形成された透明基材の凹凸面側に押圧し貼り合わせた。貼り合わせたものを所定の大きさ(5cm×5cm)に抜き加工を行い、保護層と一体となった計算機ホログラム光学素子を作製した。
2.実施例2(保護層および回折機能層が一体に形成された計算機ホログラム光学素子)
実施例1で作製した透過型フーリエ変換ホログラムのイメージ変換層上に下記回折機能層形成用組成物を、乾燥およびUV硬化後の膜厚が5μmとなるように塗工した。乾燥により溶剤を除去し(60℃ 1分間)、UV照射(フュージョン製Hバルブ使用、照射量500mJ)により硬化させ屈折率が1.83(測定波長633nm)である、回折機能層を形成した。なお、本実施例2おいては、イメージ変換層の屈折率(1.52)および、回折機能層の屈折率(1.83)をもとに、計算式に従ってD=1.531μm、N=4の微細凹凸形状を有するイメージ変換層を作製し、埋め込み型の計算機ホログラム光学素子を作製した。
<回折機能層形成用組成物の組成>
・酸化チタン(TTO51(C):商品名、石原産業社製) : 10重量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PET30:商品名、日本化薬社製) : 4重量部
・アニオン性極性基含有分散剤(ディスパービック163:商品名、ビックケミー・ジャパン社製) : 2重量部
・光重合開始剤(イルガキュアー184:商品名、日本チバガイギー社製) : 0.2重量部
・メチルイソブチルケトン : 16.2重量部
本発明の計算機ホログラム光学素子の一例を示す概略断面図である。 本発明の計算機ホログラム光学素子の他の例を示す概略断面図である。 フーリエ変換レンズ機能を説明する概略図である。 本発明の計算機ホログラム光学素子の他の例を示す概略断面図である。 透過型フーリエ変換ホログラムの製造方法の一例を示す概略図である。 本発明の計算機ホログラム光学素子の製造方法の一例を示す概略図である。 本発明の計算機ホログラム光学素子の製造方法の他の例を示す概略図である。
符号の説明
1 … 基材
2 … イメージ変換層
3 … 回折機能層
4 … 保護層
5 … スペーサー
6 … 反射防止層
10、11、12、13 … 計算機ホログラム光学素子
20 … 透過型フーリエ変換ホログラム
22 … 複合層
31 … 画像
32 … レンズ
33 … 目
34 … 観察像
35 … 点光源
36 … 光学画像
41 … 原版

Claims (2)

  1. 基材、および、前記基材上に形成され、フーリエ変換レンズとしての機能を有するイメージ変換層からなる透過型フーリエ変換ホログラムと、
    前記透過型フーリエ変換ホログラムのイメージ変換層上に配置され、前記イメージ変換層と一定の屈折率差を有する回折機能層と、
    前記回折機能層上に形成された保護層と、を有する計算機ホログラム光学素子であって、
    前記回折機能層と前記イメージ変換層との屈折率差が、0.75×(λ/D)×(N−1)/N〜1.25×(λ/D)×(N−1)/Nの範囲内であり、
    前記回折機能層が空気からなり、
    前記保護層および前記基材の表面、かつ、前記回折機能層と前記保護層との界面、および、前記回折機能層と前記イメージ変換層との界面に反射防止層が形成されていることを特徴とする、計算機ホログラム光学素子。
    (ここで、前記λは、基準波長、前記Dは、イメージ変換層の表面に形成された微細凹凸形状の最大深さ(前記基材の表面からの距離が一番大きい凸部の上面から、前記基材の表面からの距離が一番小さい凹部の底面までの距離)、また、前記Nは、イメージ変換層の表面に形成された微細凹凸形状の段数(水平面の数)であり、2以上の整数を表す。)
  2. 前記保護層に印刷が施されていることを特徴とする、請求項1に記載の計算機ホログラム光学素子。
JP2005198163A 2005-07-06 2005-07-06 計算機ホログラム光学素子 Expired - Fee Related JP4821192B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005198163A JP4821192B2 (ja) 2005-07-06 2005-07-06 計算機ホログラム光学素子
DE102006030839.5A DE102006030839B4 (de) 2005-07-06 2006-07-04 Optisches Element mit computergeneriertem Hologramm
US11/481,263 US20070008597A1 (en) 2005-07-06 2006-07-05 Computer generated hologram optical element

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005198163A JP4821192B2 (ja) 2005-07-06 2005-07-06 計算機ホログラム光学素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007017643A JP2007017643A (ja) 2007-01-25
JP4821192B2 true JP4821192B2 (ja) 2011-11-24

Family

ID=37618075

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005198163A Expired - Fee Related JP4821192B2 (ja) 2005-07-06 2005-07-06 計算機ホログラム光学素子

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20070008597A1 (ja)
JP (1) JP4821192B2 (ja)
DE (1) DE102006030839B4 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4984938B2 (ja) 2007-02-07 2012-07-25 大日本印刷株式会社 光学素子およびその製造方法
CN101925474B (zh) * 2008-12-19 2013-04-03 松下电器产业株式会社 外装零部件及其制造方法、以及电子设备
US9081951B2 (en) 2011-09-29 2015-07-14 Oracle International Corporation Mobile application, identity interface
DE112013005574B4 (de) 2012-11-21 2018-10-31 Mitsubishi Electric Corporation Bilderzeugungsvorrichtung
WO2016199323A1 (ja) 2015-06-09 2016-12-15 三菱電機株式会社 画像生成装置、画像生成方法、及びパターン光生成装置
JP2017072694A (ja) * 2015-10-06 2017-04-13 大日本印刷株式会社 ホログラム構造体
JP6973550B2 (ja) * 2015-10-06 2021-12-01 大日本印刷株式会社 ホログラム構造体
EP3825744B1 (en) 2016-06-13 2024-01-31 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Light guide film, structure for counterfeit prevention, and counterfeit-proof article
CN113211949B (zh) * 2020-02-06 2022-08-26 京东方科技集团股份有限公司 图案转印设备及方法
CN117480414A (zh) * 2022-05-27 2024-01-30 京东方科技集团股份有限公司 光栅结构及其制备方法、显示装置

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0679193B2 (ja) * 1985-05-28 1994-10-05 大日本印刷株式会社 透明型ホログラム形成体
EP0201323B1 (en) * 1985-05-07 1994-08-17 Dai Nippon Insatsu Kabushiki Kaisha Article incorporating a transparent hologramm
JPH02181777A (ja) * 1989-01-09 1990-07-16 Ricoh Co Ltd 複製ホログラム
US5064258A (en) * 1988-12-09 1991-11-12 Ricoh Company, Ltd. Information reading device
JPH05224579A (ja) * 1991-11-08 1993-09-03 Shoei Insatsu Kk 正当性認識方法およびそれに使用するシールおよび認識装置
US5856048A (en) * 1992-07-27 1999-01-05 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Information-recorded media and methods for reading the information
US5546198A (en) * 1994-09-30 1996-08-13 Van Der Gracht; Joseph Generation of selective visual effects
US5995285A (en) * 1996-07-09 1999-11-30 Canon Kabushiki Kaisha Multilevel optical diffraction device with antireflection film and exposure apparatus
JP2000314803A (ja) * 1999-04-30 2000-11-14 Canon Inc 光学素子
KR100657536B1 (ko) * 1999-06-17 2006-12-14 후지 샤신 필름 가부시기가이샤 광학 필터
EP1160635A3 (en) * 2000-05-30 2010-03-31 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Computer-generated hologram and its fabrication process, reflector using a computer-generated hologram, and reflective liquid crystal display
JP2002040219A (ja) * 2000-07-19 2002-02-06 Dainippon Printing Co Ltd 計算機ホログラム、計算機ホログラムを用いた反射板、並びに計算機ホログラムを用いた反射型液晶表示装置
US6825959B2 (en) * 2002-08-02 2004-11-30 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Holographic viewing device, and computer-generated hologram for the same
JP4360526B2 (ja) * 2002-08-02 2009-11-11 大日本印刷株式会社 ホログラム観察具とそのための計算機ホログラム
JP3966303B2 (ja) * 2003-04-24 2007-08-29 コニカミノルタオプト株式会社 回折光学素子及びそれを用いた光ピックアップ装置
JP2005077658A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Tdk Corp ホログラフィック記録媒体及びホログラフィック記録再生方法

Also Published As

Publication number Publication date
DE102006030839B4 (de) 2017-09-14
JP2007017643A (ja) 2007-01-25
US20070008597A1 (en) 2007-01-11
DE102006030839A1 (de) 2007-02-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4821192B2 (ja) 計算機ホログラム光学素子
JP4753152B2 (ja) ホログラム付透明カード、および、ホログラム付透明カード認識装置
US9759840B2 (en) Optical element and method for manufacturing optical element
US9618657B2 (en) Optical element, display device, and input device
JP5596367B2 (ja) パターン製造方法
CN102681043B (zh) 光学元件及其制造方法、显示装置、信息输入装置、相片
US8941904B2 (en) Hologram sheet and hologram observation sheet using same, and blinding device
KR20140020274A (ko) 인쇄물 및 인화물
WO2017026521A1 (ja) ホログラム構造体
JPH08201795A (ja) ブラックマトリクス基板およびそれを用いたマイクロレンズアレイシートの製造方法
JP2012208526A (ja) 光学素子、および表示装置
JP2015060113A (ja) ホログラム積層体
JP6686322B2 (ja) ホログラム構造体
JP2004045586A (ja) 遮光層を有するマイクロレンズアレイシート
JPH09166701A (ja) マイクロレンズアレイシートおよびその製造方法
WO2018159611A1 (ja) 光学表示体および光学表示装置
JP2020126163A (ja) 画像表示用導光板
JPH0949906A (ja) ブラックマトリクス基板、それを用いたマイクロレンズアレイシート、およびその製造方法
JPWO2018212350A1 (ja) 光回折フィルム及びウェアラブルディスプレイ装置
JP2006178140A (ja) 光学フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080404

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100809

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100817

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101018

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110315

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110516

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110809

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110822

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4821192

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140916

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees