JP4820101B2 - 変異バチルス属細菌 - Google Patents

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Description

本発明は、有用なタンパク質又はポリペプチドの生産に用いる宿主微生物、組換え微生物、及びタンパク質又はポリペプチドの生産方法に関する。
微生物による有用物質の工業的生産は、アルコール飲料や味噌、醤油等の食品類をはじめとし、アミノ酸、有機酸、核酸関連物質、抗生物質、糖質、脂質、タンパク質等、その種類は多岐に渡っており、またその用途についても食品、医薬や、洗剤、化粧品等の日用品、或いは各種化成品原料に至るまで幅広い分野に広がっている。
こうした微生物による有用物質の工業生産においては、その生産性の向上が重要な課題の一つであり、その手法として、突然変異等の遺伝学的手法による生産菌の育種が行われてきた。一方、微生物遺伝学、バイオテクノロジーの発展により、特に最近では、遺伝子組換え技術等を用いたより効率的な生産菌の育種が行われるようになっており、遺伝子組換えのための宿主微生物の開発が進められている。遺伝子組換え技術を用いた生産菌育種の方法として、遺伝子の発現を調節する転写因子、特にRNAポリメラーゼのシグマ因子を増強する例が知られており、例えば、シュードモナス・フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)において、栄養増殖期において生育に必須な遺伝子の転写に関与する主要シグマ因子(ハウスキーピングシグマ因子)をコードするrpoD遺伝子のコピー数を増加させることによりpyoluteorinや2,4-diacetylphloroglucinol等の抗生物質の生産量を増加させた報告例(例えば、非特許文献1参照)や、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicus)においてハウスキーピングなsigA遺伝子を過剰発現させることによりL−リジンの発酵生産量を増加させた報告例(例えば、特許文献1参照)などがある。
しかしながら、これらはいずれも栄養増殖期に於いてハウスキーピングシグマ因子遺伝子の発現を増強するものであった。また、枯草菌(Bacillus subtilis)をはじめとするバチルス属細菌においては、シグマ因子を増強することによって有用物質の生産量を増加させるという報告はこれまでにない。
国際公開第2003/054179号パンフレット J. Bacteriol., 177, 5387, (1995)
本発明は、タンパク質又はポリペプチドの生産性向上を可能とする変異バチルス属細菌、また当該変異バチルス属細菌に異種タンパク質又はポリペプチドをコードする遺伝子を導入した組換え微生物、更に、当該組換え微生物を用いるタンパク質又はポリペプチドの製造法を提供することを目的とする。
バチルス属細菌は、RNAポリメラーゼのサブユニットとしてプロモーター配列の認識に関与するシグマ因子を複数有している。異なるプロモーターを認識するシグマ因子が、シグマ因子以外の複数サブユニットから成るRNAポリメラーゼコア複合体に結合することによって異なる遺伝子が転写され、これによって、ゲノム上に数千個存在する遺伝子について、状況に応じた遺伝子の発現制御を行っていると考えられている。例えば、バチルス属細菌のうち、枯草菌については17個のシグマ因子が同定されており、栄養増殖期において生育に必須な遺伝子の転写に関与する主要シグマ因子(ハウスキーピングシグマ因子)であるSigAをはじめ、胞子形成過程を制御するシグマ因子SigH、SigF、SigE、SigG、SigK、べん毛形成や細胞壁溶解を制御するシグマ因子SigD、ある種のアミノ酸や糖の代謝を制御するシグマ因子SigL、環境変化への対応を制御するシグマ因子SigBやECFシグマと呼ばれるシグマ因子等の存在が知られている( Bacillus subtilis and Its Closest Relatives: From Genes to Cells, Edited by A. L. Sonenshein, American Society for Microbiology, pp289, (2002))。
これらの中で、胞子形成過程を制御するシグマ因子は、図1に示す様に胞子形成過程の進行に伴って順次発現・活性化されることが知られている。即ち、枯草菌が栄養飢餓状態に陥ると、まずリン酸リレー系と呼ばれる複数のタンパク質間での多段階リン酸伝達系を経て胞子形成開始制御因子であるSpo0Aのリン酸化が引き起こされる(Cell, 64, 545, (1991))。リン酸化Spo0A(Spo0A〜P)の濃度上昇に伴い、SigHの構造遺伝子(sigH)の発現を抑制しているリプレッサーAbrBの誘導が抑制され、結果的にsigHの転写がSigA依存的に誘導される(J. Bacteriol., 173, 521, (1991))。SigHが活性化された後、非対象隔膜形成により枯草菌の細胞質は母細胞側と娘細胞側に分割され、次いで娘細胞側でSpo0A〜PとSigHが共役してSigFの構造遺伝子(sigF)を含むオペロン(spoIIAAspoIIABsigF)の転写を誘導し(Gene, 101, 113, (1991))、母細胞側ではSpo0A〜PとSigAが共役してSigE前駆体の構造遺伝子(sigE)を含むオペロン(spoIIGAsigE)の転写を誘導する(J. Bacteriol., 169, 3329, (1987))。SigFはアンチ−シグマ因子SpoIIAB及びアンチ−アンチ−シグマ因子SpoIIAA、更にSpoIIAAの脱リン酸化酵素であるSpoIIEにより活性化を制御されており(Genes Cells, 1, 881 (1996))、活性化したSigFはシグナル伝達タンパクであるSpoIIRの構造遺伝子(spoIIR)の転写を誘導する。娘細胞側から分泌されたSpoIIRは母細胞側の非対象隔膜に局在するSigE前駆体活性化プロテアーゼであるSpoIIGAを活性化し、これによってSigEの活性化が起こると考えられている(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 92, 2012, (1995))。
更に娘細胞側ではSigFがSigGの構造遺伝子(sigG)の転写を誘導し、母細胞側ではSigEがSigKの構造遺伝子(sigK)の転写を誘導するが、娘細胞側でのSigGの活性化は母細胞側でのSigEの活性化の後に起こり、母細胞側でSigKの活性化はこの後に起こる(Mol. Microbiol., 31, 1285, (1999))。
栄養増殖期には主としてSigAがRNAポリメラーゼコア複合体と会合して、SigAが認識するプロモーターを有する遺伝子、またはオペロンの転写を誘導しているが、上記の様な機構により、胞子形成期に入って他のシグマ因子が活性化されると、RNAポリメラーゼコア複合体と会合するシグマ因子の置換が起こり、SigAと会合するRNAポリメラーゼの量は相対的に低下することが報告されている(J. Bacteriol., 179, 4969, (1999))。この為、胞子形成期以降、SigAにより認識されるプロモーターからの転写量は相対的に低下するものと考えられる。
斯かる状況の下、本発明者らは、胞子形成期において特異的に認識、発現されるプロモーター配列を、主に栄養増殖期において生育に必須な遺伝子の転写に関与する主要シグマ因子であるSigAの遺伝子に連結させることにより、SigAの遺伝子の発現を栄養増殖期後の胞子形成期において増強することができ、当該シグマ因子とRNAポリメラーゼコア複合体との結合量を増加させ、これによって胞子形成期以降の異種タンパク質又はポリペプチドの生産性の向上が図れることを見出した。
すなわち本発明は、sigA遺伝子又は当該遺伝子に相当する遺伝子の上流に胞子形成期に特異的に認識、転写されるプロモーター配列が連結してなるDNAを、ゲノム上或いはプラスミド上に有する変異バチルス属細菌を提供するものである。
また本発明は、当該変異バチルス属細菌に異種タンパク質又はポリペプチドをコードする遺伝子を導入した組換え微生物、更に、当該組換え微生物を用いるタンパク質又はポリペプチドの製造法を提供するものである。
また本発明は、sigA遺伝子又は当該遺伝子に相当する遺伝子の上流に胞子形成期に特異的に認識、転写されるプロモーター配列が連結してなるDNAを、バチルス属細菌のゲノム上或いはプラスミド上に有するように構築することを特徴とする変異バチルス属細菌の構築方法。
本発明の微生物によれば、該異種タンパク質又はポリペプチドを効率よく生産することができる。
本発明においてアミノ酸配列及び塩基配列の同一性は、Lipman-Pearson法 (Science, 227, 1435, (1985))によって計算される。具体的には、遺伝情報処理ソフトウェアGenetyx-Win(ソフトウェア開発)のホモロジー解析(Search homology)プログラムを用いて、Unit size to compare(ktup)を2として解析を行うことにより算出される。
本発明の変異バチルス属細菌は、sigA遺伝子又は当該遺伝子に相当する遺伝子の上流に胞子形成期に特異的に認識、転写されるプロモーター配列が連結してなるDNAを、そのゲノム上或いはプラスミド上に有するように構築したものである。
斯かる変異バチルス属細菌を構築するための親微生物としては、胞子形成を行うことを特徴とするバチルス属細菌であれば、その由来は限定されず、野生型のものでも変異を施したものでもよい。中でも本発明において用いられるバチルス属細菌の好ましい例は、全ゲノム情報が明らかにされている、枯草菌(Bacillus subtilis)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・ハロドランス(Bacillus halodulans)などが挙げられ、特に、遺伝子工学、ゲノム工学技術が確立されている点、またタンパク質を菌体外に分泌生産させる能力を有する点から枯草菌が好ましい。
枯草菌のsigA遺伝子とは、配列番号1に示されるアミノ酸配列をコードする遺伝子をいい、当該遺伝子に相当する遺伝子とは、配列番号1に示されるアミノ酸配列において70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上の同一性を有するアミノ酸配列をコードする遺伝子を示す。
斯かるsigA遺伝子又は当該遺伝子に相当する遺伝子の上流に、胞子形成期特異的に認識、転写されるプロモーター配列を連結するが、胞子形成期に特異的に認識、転写されるプロモーター配列としては、天然由来のものでも、天然由来を改変したものでも、或いは化学合成したものでも良い。
例えば枯草菌においては、以下(1)〜(6)の何れかの特徴をもつプロモーター配列が挙げられる。
(1)Spo0A〜P濃度の上昇に伴ってAbrBによる転写抑制が解除され、且つSigAにて認識、転写されるプロモーター配列
(2)SigHにて認識、転写されるプロモーター配列
(3)SigFにて認識、転写されるプロモーター配列
(4)SigEにて認識、転写されるプロモーター配列
(5)SigGにて認識、転写されるプロモーター配列
(6)SigKにて認識、転写されるプロモーター配列
一般に、シグマ因子は転写開始点の上流10塩基及び35塩基付近に存在する数塩基の配列を認識して結合するとされており、それぞれ−10領域、−35領域と呼ばれている。両領域の配列、両領域間の距離は、シグマ因子毎にそれぞれ共通な特徴を持つことが知られており、コンセンサス配列と呼ばれている。従って、前記(1)〜(6)のプロモーター配列には、(1')Spo0A〜P濃度の上昇に伴ってAbrBによる転写抑制が解除され、且つSigAのコンセンサス配列を含む配列、(2')SigHのコンセンサス配列を含む配列、(3')SigFのコンセンサス配列を含む配列、(4')SigEのコンセンサス配列を含む配列、(5')SigGのコンセンサス配列を含む配列、(6')SigKのコンセンサス配列を含む配列等が例示できる。
これまでに報告されている枯草菌各シグマ因子のコンセンサス配列を表1に示す。
Figure 0004820101
Bacillus subtilis and Its Closest Relatives: From Genes to Cells, Edited by A. L. Sonenshein, American Society for Microbiology, pp289, (2002))
配列中、RはAまたはG、WはAまたはT、Nは任意の塩基をそれぞれ示す。また大文字は保存性が高く、小文字は保存性が低いことを表す。
また、これまでに報告されているAbrBの認識結合配列は、WaWWtttWCAAaaaaW(WはAまたはTを示す。また大文字は保存性が高く、小文字は保存性が低いことを示す)で表される(J. Bacteriol., 177, 6999, (1995))。
以上の様に、本発明に於ける胞子形成期に特異的に認識、転写されるプロモーター配列とは、前記(1)〜(6)、或いは(1')〜(6')の何れかの特徴を有するものである。
(1)または(1')の何れかの特徴を有するプロモーター配列のうち、天然由来のものとしては、表2に示される枯草菌の遺伝子又はオペロンのプロモーターが挙げられ、(2)または(2')の何れかの特徴を有するプロモーター配列のうち、天然由来のものとしては、表3に示される枯草菌の遺伝子又はオペロンのプロモーターが挙げられ、(3)または(3')の何れかの特徴を有するプロモーター配列のうち、天然由来のものとしては、表4に示される枯草菌の遺伝子又はオペロンのプロモーターが挙げられ、(4)または(4')の何れかの特徴を有するプロモーター配列のうち、天然由来のものとしては、表5に示される枯草菌の遺伝子又はオペロンのプロモーターが挙げられ、(5)または(5')の何れかの特徴を有するプロモーター配列のうち、天然由来のものとしては、表6に示される枯草菌の遺伝子又はオペロンのプロモーターが挙げられ、(6)または(6')の何れかの特徴を有するプロモーター配列のうち、天然由来のものとしては、表7に示される枯草菌の遺伝子又はオペロンのプロモーターが挙げられる。
尚、表中の各遺伝子の名称、番号及び機能等は、Nature, 390, 249-256, (1997) で報告され、JAFAN: Japan Functional Analysis Network for Bacillus subtilis (BSORF DB)でインターネット公開(http://bacillus.genome.ad.jp/、2003年6月17日更新)された枯草菌ゲノムデーターに基づいて記載している。
Figure 0004820101
Bacillus subtilis and other gram-positive bacteria; biochemistry, physiology, and molecular genetics, Edited by A. L. Sonenshein, American Society for Microbiology, pp757, (1993)、J. Bacteriol., 177, 6999, (1995))
表中、オペロンについては、転写単位の先頭の遺伝子名を示した。
Figure 0004820101
Bacillus subtilis and Its Closest Relatives: From Genes to Cells, Edited by A. L. Sonenshein, American Society for Microbiology, pp289, (2002))
表中、オペロンについては、転写単位の先頭の遺伝子名を示した。
Figure 0004820101
Bacillus subtilis and Its Closest Relatives: From Genes to Cells, Edited by A. L. Sonenshein, American Society for Microbiology, pp289, (2002))
表中、オペロンについては、転写単位の先頭の遺伝子名を示した。
Figure 0004820101
Bacillus subtilis and Its Closest Relatives: From Genes to Cells, Edited by A. L. Sonenshein, American Society for Microbiology, pp289, (2002))
表中、オペロンについては、転写単位の先頭の遺伝子名を示した。
Figure 0004820101
Bacillus subtilis and Its Closest Relatives: From Genes to Cells, Edited by A. L. Sonenshein, American Society for Microbiology, pp289, (2002))
表中、オペロンについては、転写単位の先頭の遺伝子名を示した。
Figure 0004820101
Bacillus subtilis and Its Closest Relatives: From Genes to Cells, Edited by A. L. Sonenshein, American Society for Microbiology, pp289, (2002))
表中、オペロンについては、転写単位の先頭の遺伝子名を示した。
以上の様に、本発明に於いて用いられる胞子形成期に特異的に認識、転写されるプロモーター配列としての好適な例としては、前記(1)〜(6)、或いは(1')〜(6')の何れかの特徴をもつプロモーターが挙げられる。一方、枯草菌において、SigEはRNAポリメラーゼに対してSigAより高い親和性を示すとの報告例もあることから(J. Bacteriol., 179, 4969, (1999))、より好適には、SigEが活性化する以前に転写が活性化するプロモーターを利用することが好ましい。より好ましい当該プロモーター配列としては、Spo0A〜P濃度の上昇に伴ってAbrBによる転写抑制が解除され、且つSigAにより認識、転写されるプロモーター配列(前記(1)又は(1')に相当)、又はSigHにより認識、転写されるプロモーター配列(前記(2)又は(2')に相当)が挙げられる。
前記(1)又は(1')の何れかの特徴を有するプロモーター配列のうち、天然由来のものとしては、表1に示した枯草菌の遺伝子又はオペロンのプロモーター配列が挙げられ、中でも特に好適な例としては、枯草菌のsigHのプロモーター配列が挙げられる。枯草菌のsigHのプロモーター配列は、配列番号2に示す塩基配列における塩基番号987〜1027の塩基配列、好ましくは塩基番号987〜1047の塩基配列、より好ましくは塩基番号1〜1047の塩基配列を含む、塩基長5000塩基対以内、好ましくは2000塩基対以内、より好ましくは1047塩基対以内の塩基配列であり、且つ当該遺伝子のプロモーターと同一のプロモーター機能を有するものである。
また前記(2)又は(2')の何れかの特徴を有するプロモーター配列のうち、天然由来のものとしては、表2に示される枯草菌の遺伝子又はオペロンのプロモーターが挙げられ、中でも特に好適な例としては枯草菌のspoIIAAspoIIABsigFオペロン(spoIIAオペロン)のプロモーター配列が挙げられる。枯草菌のspoIIAオペロンのプロモーター配列は、配列番号3に示す塩基配列における塩基番号1081〜1110の塩基配列、好ましくは塩基番号1081〜1118の塩基配列、より好ましくは塩基番号1〜1143の塩基配列を含む、塩基長5000塩基対以内、好ましくは2000塩基対以内、より好ましくは1143塩基対以内の塩基配列であり、且つ当該遺伝子のプロモーターと同一のプロモーター機能を有するものである。
また、本発明で用いられる胞子形成期特異的に認識、発現されるプロモーター配列としては、表1〜表6記載の枯草菌の各遺伝子或いは各オペロンのプロモーター配列に相当する配列も含まれる。例えば、枯草菌のsigH遺伝子のプロモーター配列に相当する配列としては、配列番号2に示す塩基配列における塩基番号987〜1027の塩基配列、好ましくは塩基番号9871047の塩基配列、より好ましくは塩基番号1〜1047の塩基配列に対して、1個又は複数個の塩基が置換、欠失若しくは挿入された塩基配列を含む、塩基長5000塩基対以内、好ましくは2000塩基対以内、より好ましくは1047塩基対以内の塩基配列であり、且つ当該遺伝子のプロモーターと同一のプロモーター機能を有するDNA断片が挙げられる。
また、spoIIAオペロンのプロモーター配列に相当する配列としては、配列番号3で示される塩基配列における塩基番号1081〜1110の塩基配列、好ましくは塩基番号1081〜1118の塩基配列、更に好ましくは塩基番号1〜1143の塩基配列に対して、1個又は複数個の塩基が置換、欠失若しくは挿入された塩基配列を含む、塩基長5000塩基対以内、好ましくは2000塩基対以内、より好ましくは1118塩基対以内の塩基配列であり、且つ当該オペロンのプロモーターと同一のプロモーター機能を有するDNA断片が挙げられる。
更に、本発明で用いられる胞子形成期における転写に特異的に関与するシグマ因子により認識されるプロモーター配列には、表2又は表3記載の枯草菌の遺伝子又は、枯草菌のオペロンを構成する遺伝子のオーソログ(ortholog)遺伝子のプロモーター配列、好適には、バチルス属細菌由来の当該オーソログ遺伝子のプロモーター配列も含まれる。オーソログ遺伝子は、インターネットで公開されるMicrobial Genome Database(MBGD、http://mbgd.genome.ad.jp/) のCreate/view Orthologous gene tableプログラムを利用することによって見出すことができる。枯草菌sigH遺伝子のオーソログ遺伝子の例としては、バチルス・ハロドランスのsigH(BH0115)遺伝子や、バチルス・セレウスのBC0114遺伝子などが挙げられる。また、枯草菌のspoIIAオペロンを構成する各遺伝子のオーソログとしては、バチルス・ハロドランスのsigF(BH1538)遺伝子、spoIIAB(BH1537)遺伝子、又spoIIAA(BH1536)、バチルス・セレウスのBC4072遺伝子、BC4073遺伝子、又BC4074遺伝子などが挙げられる。
斯かる胞子形成期における転写に特異的に関与するシグマ因子により認識されるプロモーター配列は、上記のプロモーター配列を単独で用いる他、複数種を組み合わせて用いることができる。
胞子形成期において特異的に認識、転写されるプロモーター配列が枯草菌のsigA遺伝子又は当該遺伝子に相当する遺伝子の上流に結合してなるDNAは、例えば、元来枯草菌ゲノム上に存在するsigA遺伝子の上流に存在するSigA認識プロモーター配列の上流又は下流に、胞子形成期において特異的に認識、転写されるプロモーター配列を含むDNA断片を挿入することによってゲノム上に構築することができる。尚、胞子形成期において特異的に認識、転写されるプロモーター配列を含むDNA断片を挿入する部位は、sigA遺伝子又は当該遺伝子に相当する遺伝子の上流であればよいが、sigA構造遺伝子の上流側に隣接する2000塩基対以内の領域が好ましく、1000塩基対以内の領域がより好ましく、500塩基対以内の領域が更に好ましく、1〜198塩基対の領域が特に好ましい。但し、胞子形成期において特異的に認識、転写されるプロモーター配列を含むDNA断片が適切なリボソーム結合部位の配列を含まない場合には、該DNA断片をsigA構造遺伝子より15塩基対以上、上流に挿入することが望ましい。
また、胞子形成期に特異的に認識、転写されるプロモーター配列をsigA遺伝子又は当該遺伝子に相当する遺伝子の上流側に連結したDNAはPCRなどの方法によって構築することも可能である。尚、連結部位からsigA構造遺伝子までの間の、元来枯草菌ゲノム上に存在するsigA遺伝子の上流配列に由来する配列は、0〜2000塩基対であることが好ましく、0〜1000塩基対であることがより好ましく、0〜500塩基対であることが更に好ましく、0〜198塩基対であることが特に好ましい。但し、胞子形成期において特異的に認識、転写されるプロモーター配列を含むDNA断片が適切なリボソーム結合部位の配列を含まない場合には、連結部位からsigA構造遺伝子までの間の、元来枯草菌ゲノム上に存在するsigA遺伝子の上流配列に由来する配列は15塩基対以上であることが望ましい。本発明変異バチルス属細菌を構築するためには、このようにして構築したDNAを新たに親バチルス属細菌へ導入すれば良い。
例えば胞子形成期に特異的に認識、転写されるプロモーター配列を含むDNA断片とsigA遺伝子等を含むDNA断片を連結したDNA断片をPCR等の方法により調製し、親バチルス属細菌内で複製可能なプラスミドベクターにクローニングして取り込ませる方法を用いることができる。特に、本発明変異バチルス属細菌を構築するための親バチルス属細菌として枯草菌を用いる場合、複製可能なプラスミドベクターとしてはpUB110(Plasmid, 15, 93, (1986))、pC194(J. Bacteriol., 150, 815, (1982))、pTX14-3(Plasmid, 30, 119, (1993))をはじめとして既に報告のある多数のプラスミドベクターを利用することが可能である。
或いは、胞子形成期において特異的に認識、転写されるプロモーター配列を含むDNA断片がsigA遺伝子等を含むDNA断片の上流に連結したDNA断片を、相同組換え等の方法によってゲノム上に導入することができる。相同組換えを利用してゲノム上にDNA断片を導入する方法については既にいくつかの報告があり(Mol. Gen. Genet., 223, 268 (1990)等)、それらの方法に従うことによって、本発明の変異バチルス属細菌を得ることができる。
以下、より具体的にSOE(splicing by overlap extension)−PCR法(Gene, 77, 51, (1989))により調製された胞子形成期において特異的に認識、転写されるプロモーター配列を含むDNA断片とsigA遺伝子を含むDNA断片が連結したDNA断片を調製し、相同組換えを利用することによりゲノム上に当該DNA断片を導入する方法について説明するが、本発明における当該DNA断片の導入方法は下記に限定されるものではない。
本発明において、まず1回目のPCRにより胞子形成期において特異的に認識、転写される胞子形成期において特異的に認識、転写されるプロモーター配列を含むDNA断片と、ハウスキーピングシグマ因子の構造遺伝子断片、並びに薬剤耐性マーカー遺伝子断片の3断片を調製するが、この際、例えば、当該プロモーター配列を含むDNA断片の下流末端にハウスキーピングシグマ因子の構造遺伝子断片の上流側10〜30塩基対配列、逆に薬剤耐性マーカー遺伝子断片の上流末端にはハウスキーピングシグマ因子の構造遺伝子断片の下流側10〜30塩基対配列が付加される様にデザインしたプライマーを用いる(図2)。
次いで、1回目に調製した3種類のPCR断片を鋳型とし、当該プロモーター配列を含む断片の上流側プライマーと薬剤耐性マーカー遺伝子断片の下流側プライマーを用いて2回目のPCRを行うことによって、当該プロモーター配列を含む断片の下流末端及び薬剤耐性マーカー遺伝子断片の上流末端に付加したsigA遺伝子断片配列において、sigA遺伝子断片とのアニールが生じ、PCR増幅の結果、sigA遺伝子の上流に胞子形成期における転写に特異的に関与するシグマ因子により認識されるプロモーター配列が連結され、且つ薬剤耐性マーカー遺伝子がその下流に連結されたDNA断片を得ることができる(図2)。
胞子形成期に特異的に認識、転写されるプロモーター配列として枯草菌のsigH遺伝子、或いはspoIIAオペロンのプロモーターを、薬剤耐性マーカー遺伝子として、クロラムフェニコール耐性遺伝子を用いる場合、例えば表8に示したプライマーセットを用い、Pyrobest DNAポリメラーゼ(宝酒造)などの一般のPCR用酵素キット等を用いて、成書(PCR Protocols. Current Methods and Applications, Edited by B. A. White, Humana Press, pp251 (1993)、Gene, 77,61, (1989)等)に示される通常の条件によりSOE−PCRを行うことによって、所望のDNA断片を得ることができる。
かくして得られたDNA断片を、例えば枯草菌ゲノム上に導入する場合、枯草菌細胞内にて複製出来ないプラスミドベクター、例えばpMW219(ニッポンジーン)にクローニングし、コンピテント法等によって細胞内に取り込ませると、プラスミド上のハウスキーピングシグマ因子の遺伝子領域と、ゲノム上のsigA遺伝子領域の間で相同組換えが生じ、薬剤耐性マーカーによる選択によって、胞子形成期に特異的に認識、転写されるプロモーター配列が結合したsigA遺伝子を含むDNA断片がプラスミドベクターと共にゲノム上に導入された細胞を分離することができる(図2)。即ち、表3に示したプライマーセットを用いて調製したDNA断片をpMW219にクローニングしたプラスミドを枯草菌細胞内に取り込ませた場合、クロラムフェニコールを含む寒天培地上に生育するコロニーを分離し、sigH遺伝子、或いはspoIIAオペロンのプロモーター領域とsigA遺伝子が連結したDNA断片がゲノム上に導入されていることを、ゲノムを鋳型としたPCR法などによって確認すればよい。
以上は主に親バチルス属細菌として枯草菌を用いる場合について示したが、他のバチルス属細菌についても同様にして本発明の変異バチルス属細菌を得ることができる。
かくして得られたバチルス属細菌を用いることにより、異種タンパク質又はポリペプチドの生産において、異種タンパク質又はポリペプチドをコードする遺伝子の転写、並びにタンパク生産に関わる種々の遺伝子の転写を行うSigAが胞子形成期に発現増強される為、生産性の向上が達成される。
すなわち、SigAによって認識されるプロモーターの下流に目的とするタンパク質又はポリペプチドをコードする遺伝子を結合させた後、これを本発明により得られた変異バチルス属細菌に導入することによって、栄養増殖期のみならず、胞子形成期に於いても目的のタンパク質又はポリペプチドの生産が継続するため、親バチルス属細菌に比べ、著量の目的タンパク質又はポリペプチドを生産する。
目的タンパク質又はポリペプチド遺伝子は特に限定されず、洗剤、食品、繊維、飼料、化学品、医療、診断など各種産業用酵素や、生理活性ペプチドなどが含まれる。また、産業用酵素の機能別には、酸化還元酵素 (Oxidoreductase) 、転移酵素 (Transferase) 、加水分解酵素 (Hydrolase) 、脱離酵素 (Lyase)、異性化酵素 (Isomerase) 、合成酵素 (Ligase/Synthetase) 等が含まれるが、好適にはセルラーゼ、α-アミラーゼ、プロテアーゼ等の加水分解酵素の遺伝子が挙げられる。具体的には、多糖加水分解酵素の分類(Biochem. J., 280, 309 (1991))中でファミリー5に属するセルラーゼが挙げられ、中でも微生物由来、特にバチルス属細菌由来のセルラーゼが挙げられる。より具体的な例として、配列番号4又は6で示されるアミノ酸配列からなるバチルス エスピー(Bacillus sp.)KSM−S237株(FERM BP-7875)又はバチルス エスピー(Bacillus sp.)KSM−64株(FERM BP-2886)由来のアルカリセルラーゼや、当該アミノ酸配列と70%、好ましくは80%、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるセルラーゼが挙げられる。
また、α−アミラーゼの具体例としては、微生物由来のα−アミラーゼが挙げられ、特にバチルス属細菌由来の液化型アミラーゼが好ましい。より具体的な例として、配列番号19で示されるアミノ酸配列からなるバチルス エスピー(Bacillus sp.)KSM−K38株(FERM BP-6946)由来のアルカリアミラーゼや、当該アミノ酸配列と70%、好ましくは80%、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるアミラーゼが挙げられる。尚、アミノ酸配列の同一性はLipman-Pearson法 (Science, 227, 1435, (1985))によって計算される。また、プロテアーゼの具体例としては、微生物由来、特にバチルス属細菌由来のセリンプロテアーゼや金属プロテアーゼ等が挙げられる。より具体的な例として、配列番号21で示されるアミノ酸配列からなるバチルス クラウジ(Bacillus clausii)KSM−K16株(FERM BP-3376)由来のアルカリプロテアーゼや、当該アミノ酸配列と70%、好ましくは80%、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるプロテアーゼが挙げられる。
一方、前述の様に目的タンパク質又はポリペプチド遺伝子は、その上流に枯草菌SigAなどのハウスキーピングシグマ因子によって認識されるプロモーター配列が結合されている必要があり、更に、翻訳、分泌に関わる制御領域、即ち、リボソーム結合部位および開始コドンを含む翻訳開始領域、又、分泌用シグナルペプチド領域が適正な形で結合されていることが望ましい。例えば、特開2000−210081号公報や特開平4−190793号公報等に記載されているバチルス属細菌、すなわちKSM−S237株(FERM BP-7875)、KSM−64株(FERM BP-2886)由来のセルラーゼ遺伝子のハウスキーピングシグマ因子で転写されるプロモーターを含む転写開始制御領域、翻訳開始領域、分泌用シグナルペプチド領域、より具体的には配列番号5で示される塩基配列の塩基番号1〜659の塩基配列、配列番号7で示される塩基配列からなるセルラーゼ遺伝子の塩基番号1〜696の塩基配列、また当該塩基配列に対して70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上の同一性を有する塩基配列からなるDNA断片、あるいは上記いずれかの塩基配列の一部が欠失した塩基配列からなるDNA断片が、目的タンパク質又はポリペプチドの構造遺伝子と適正に結合されていることが望ましい。
上記の目的タンパク質又はポリペプチド遺伝子を含むDNA断片と適当なプラスミドベクターを結合させた組換えプラスミドを、一般的な形質転換法によって本発明の変異バチルス属細菌に取り込ませることによって、目的タンパク質又はポリペプチドの生産性を向上させることができる。また、当該DNA断片に本発明の変異バチルス属細菌ゲノムとの適当な相同領域を結合したDNA断片を用い、本発明の変異バチルス属細菌ゲノムに直接組み込むことによっても目的タンパク質又はポリペプチドの生産性を向上させることができる。
本発明の変異バチルス属細菌を宿主とした目的タンパク質又はポリペプチドの生産は、当該菌株を同化性の炭素源、窒素源、その他の必須成分を含む培地に接種し、通常の微生物培養法にて培養し、培養終了後、タンパク質又はポリペプチドを採取・精製することにより行えばよい。
以上より、胞子形成期におけるsigA遺伝子の転写効率が向上したバチルス属細菌を構築することができ、当該変異バチルス属細菌を組換え生産の宿主細胞として用いれば有用なタンパク質又はポリペプチドを効率的に生産することができる。
以下、実施例を用いて、本発明の変異バチルス属細菌の構築方法と、当該変異バチルス属細菌を宿主として用いたセルラーゼの生産方法について具体的に説明する。
実施例1 胞子形成期に特異的に転写されるプロモーターを有するsigA遺伝子を枯草菌ゲノム上に導入するためのプラスミドの構築
図2に示す方法と同様にして、sigH遺伝子プロモーター或いはspoIIAオペロンプロモーターをsigA構造遺伝子の上流に連結したDNA断片を、1回交差の相同組換えを利用して枯草菌ゲノム上へ導入する為のプラスミドの構築を行った。即ち、枯草菌168株から抽出したゲノムDNAを鋳型とし、表8に示したsigAfとsigArのプライマーセットを用いてsigA遺伝子を含む1.2kb断片(A)をPCRにより調製した。同様に表8に示したsigHUfとsigHUr−sigAのプライマーセットを用いてゲノム上のsigH遺伝子の上流に隣接するsigH遺伝子のプロモーターを含む1.0kb断片(B)を調製した。同様に表8に示したsigFUfとsigFUr−sigAのプライマーセットを用いてゲノム上のspoIIAオペロンの上流に隣接し、sigF遺伝子の転写を司るspoIIAオペロンのプロモーターを含む1.1kb断片(C)を調製した。またプラスミドpC194(J. Bacteriol. 150 (2), 815 (1982))を鋳型とし、表8に示したCmFWとCmr−sigAのプライマーセットを用いてクロラムフェニコール耐性遺伝子を含む0.9kb断片(D)を調製した。次いで、得られた(A)(B)(D)3断片を混合して鋳型とし、表8に示したsigHUfとCmFWのプライマーセットを用いたSOE-PCRを行うことによって、3断片を(B)(A)(D)の順になる様に結合させ、sigH遺伝子のプロモーターがsigA構造遺伝子の上流に連結し、更にその下流にクロラムフェニコール耐性遺伝子が逆向きに結合した3.1kbのDNA断片(E)を得た。同様に(A)(C)(D)3断片を混合して鋳型とし、表8に示したsigFUfとCmFWのプライマーセットを用いたSOE−PCRを行うことによって、3断片を(C)(A)(D)の順になる様に結合させ、spoIIAオペロンプロモーターがsigA構造遺伝子の上流に連結し、更にその下流にクロラムフェニコール耐性遺伝子が逆向きに結合した3.2kbのDNA断片(F)を得た。3.1kbのDNA断片(E)と3.2kbのDNA断片(F)をそれぞれ枯草菌細胞内では複製できない大腸菌用プラスミドベクターpMW219のSmaI制限酵素切断点に挿入し、胞子形成期に特異的に転写されるプロモーターを有するsigA遺伝子を枯草菌ゲノム上に導入するためのプラスミドpMWPHsigA及びpMWPFsigAを構築した。
また上記のプライマーのうち、sigAf及びsigFUr−sigAに代えて、それぞれ表8に示すsigAmf及びsigFUr−sigAmを用いて同様の操作を行うことにより、pMWPFsigAにおけるsigA遺伝子の開始コドン(ATG)が開始コドンとして認識されない(ATA)に置換されたpMWPFsigAmを構築した。
実施例2 胞子形成期に特異的に転写されるプロモーターを有するsigA遺伝子の枯草菌168株ゲノムへの導入 胞子形成期に特異的に転写されるプロモーターを有するsigA遺伝子、又は開始コドン(ATG)が(ATA)に置換されたsigA遺伝子(sigAm)を枯草菌ゲノム上に導入するためのプラスミドpMWPHsigA、pMWPFsigA、及びpMWPFsigAmを用いてコンピテント法によりそれぞれ枯草菌168株の形質転換を行い、クロラムフェニコールを含むLB寒天培地上に生育したコロニーを形質転換体として分離した。得られた形質転換体から抽出したゲノムを鋳型としてPCRを行うことによって、ゲノム上のsigA遺伝子とプラスミド上のsigA遺伝子又はsigAmの間での相同組換えにより、胞子形成期に特異的に転写されるプロモーターを有するsigA又はsigAmが、1.2kb断片(D)と共にゲノム内に挿入されたことを確認し、これらを168PHsigA株、168PFsigA株、及び168PFsigAm株と命名した。
実施例3 枯草菌変異株のアルカリセルラーゼ分泌生産評価
実施例2にて得られた3種類の枯草菌変異株(168PHsigA株、168PFsigA株、及び168PFsigAm株)、及び対照として枯草菌168株に、バチルス エスピー(Bacillus sp.)KSM−S237株(FERM BP-7875)由来のアルカリセルラーゼ(特開2000-210081号公報)をコードするDNA断片(3.1kb)がシャトルベクターpHY300PLK(ヤクルト)のBamHI制限酵素切断点に挿入された組換えプラスミドpHY−S237を、プロトプラスト形質転換法によって導入した。これによって得られた菌株を10mLのLB培地で一夜37℃で振盪培養を行い、更にこの培養液0.05mLを50mLの2×L−マルトース培地(2%トリプトン、1%酵母エキス、1%NaCl、7.5%マルトース、7.5ppm硫酸マンガン4−5水和物、15ppmテトラサイクリン)に接種し、30℃で3日間、振盪培養を行った。培養後、遠心分離によって菌体を除いた培養液上清のアルカリセルラーゼ活性を測定し、培養によって菌体外に分泌生産されたアルカリセルラーゼの量を求めた。この結果、表9に示した様に、宿主として168PHsigA株又は168PFsigA株を用いた場合、対照の168株(野生型)の場合と比較して高いアルカリセルラーゼの分泌生産が認められた。一方、宿主として168PFsigAmを用いた場合のアルカリセルラーゼ分泌量は、対照の168株(野生型)と同等であったことから、168PHsigA株又は168PFsigA株に於ける高生産化が、ゲノム上に新たに付加されたsigH遺伝子或いはspoIIAオペロンのプロモーターを持つsigA遺伝子により、SigAが生産されたことによるものと推定された。
Figure 0004820101
Figure 0004820101
実施例4 枯草菌変異株のアルカリプロテアーゼ分泌生産評価
実施例3にてアルカリセルラーゼ生産性向上が認められた168PHsigA株及び168PFsigA株の他のタンパク質又はポリペプチド生産における有効性を確認する為に、以下の様にバチルス属細菌由来のアルカリプロテアーゼ生産性評価を行った。
バチルス クラウジ(Bacillus clausii)KSM-K16株(FERM BP-3376)より抽出したゲノムDNAを鋳型として、表10に示されるS237pKAPpp-FとKAPter-R(BglII)のプライマーセットを用いてPCRを行い、配列番号21で示されるアミノ酸配列を有するアルカリプロテアーゼ(Appl. Microbiol. Biotechnol., 43, 473, (1995))をコードする1.3kbのDNA断片(G)を増幅した。またバチルス エスピー(Bacillus sp.)KSM-S237株(FERM BP-7875)より抽出したゲノムDNAを鋳型として、表10に示されるS237ppp-F2(BamHI)とS237pKAPpp-Rのプライマーセットを用いてPCRを行い、アルカリセルラーゼ遺伝子(特開2000-210081号公報)のプロモーター領域を含む0.6kbのDNA断片(H)を増幅した。次いで、得られた(G)(H)の2断片を混合して鋳型とし、表10に示されるS237ppp-F2(BamHI)とKAPter-R(BglII)のプライマーセットを用いたSOE-PCRを行うことによって、アルカリセルラーゼ遺伝子のプロモーター領域の下流にアルカリプロテアーゼ遺伝子が連結した1.8 kbのDNA断片(I)を得た。得られた1.8 kbのDNA断片(I)をシャトルベクターpHY300PLK(ヤクルト)のBamHI-BglII制限酵素切断点に挿入し、アルカリプロテアーゼ生産性評価用プラスミドpHYKAP(S237p)を構築した。
構築したプラスミドpHYKAP(S237p)を168PHsigA株、168PFsigA株、及び対照として枯草菌168株にプロトプラスト形質転換法によって導入した。これによって得られた菌株を実施例3と同様の条件にて3日間、振盪培養を行った。培養後、遠心分離によって菌体を除いた培養液上清のアルカリプロテアーゼ活性を測定し、培養によって菌体外に分泌生産されたアルカリプロテアーゼの量を求めた。この結果、表11に示した様に、宿主として168PHsigA株又は168PFsigA株を用いた場合、対照の168株(野生型)の場合と比較して高いアルカリプロテアーゼの分泌生産が認められた。
Figure 0004820101
Figure 0004820101
実施例5 枯草菌変異株のアルカリアミラーゼ分泌生産評価
実施例3及び4にてアルカリセルラーゼ及びアルカリプロテアーゼ生産性向上が認められた168PHsigA株及び168PFsigA株の他のタンパク質又はポリペプチド生産における有効性を更に確認する為に、以下の様にバチルス属細菌由来のアミラーゼ生産性評価を行った。
バチルス エスピー(Bacillus sp.)KSM-K38株(FERM BP-6946)より抽出したゲノムDNAを鋳型として、表10に示されるK38matu-F2(ALAA)とSP64K38-R(XbaI)のプライマーセットを用いてPCRを行い、配列番号19で示されるアミノ酸配列を有するアルカリアミラーゼ(Appl. Environ. Microbiol., 67, 1744, (2001))をコードする1.5kbのDNA断片(J)を増幅した。またバチルス エスピー(Bacillus sp.)KSM-S237株(FERM BP-7875)より抽出したゲノムDNAを鋳型として、表10に示されるS237ppp-F2(BamHI)とS237ppp-R2(ALAA)のプライマーセットを用いてPCRを行い、アルカリセルラーゼ遺伝子(特開2000-210081号公報)のプロモーター領域と分泌シグナル配列をコードする領域を含む0.6kbのDNA断片(K)を増幅した。次いで、得られた(J)(K)の2断片を混合して鋳型とし、表10に示されるS237ppp-F2(BamHI)とSP64K38-R(XbaI)のプライマーセットを用いたSOE-PCRを行うことによって、アルカリセルラーゼ遺伝子のプロモーター領域と分泌シグナル配列をコードする領域の下流にアルカリアミラーゼ遺伝子が連結した2.1kbのDNA断片(L)を得た。得られた2.2kbのDNA断片(L)をシャトルベクターpHY300PLK(ヤクルト)のBamHI-XbaI制限酵素切断点に挿入し、アルカリアミラーゼ生産性評価用プラスミドpHYK38(S237ps)を構築した。
構築したプラスミドpHYK38(S237ps)を168PHsigA株、168PFsigA株、及び対照として枯草菌168株にプロトプラスト形質転換法によって導入した。これによって得られた菌株を実施例3と同様の条件にて5日間、振盪培養を行った。培養後、遠心分離によって菌体を除いた培養液上清のアルカリアミラーゼ活性を測定し、培養によって菌体外に分泌生産されたアミラーゼの量を求めた。この結果、表12に示した様に、宿主として168PHsigA株又は168PFsigA株を用いた場合、対照の168株(野生型)の場合と比較して高いアルカリアミラーゼの分泌生産が認められ、上記変異株が種々のタンパク質又はポリペプチド生産において有効であることが示された。
Figure 0004820101
胞子形成過程における逐次的シグマ因子の活性化を示した模式図である。 本発明sigA遺伝子の構築例を示した概念図である。

Claims (9)

  1. sigA遺伝子、又は当該遺伝子と90%の同一性を有し、SigAと同様のシグマ因子としての活性を有するタンパク質をコードする遺伝子の上流側に隣接する1〜198塩基対の領域に、
    配列番号2に示す塩基配列における塩基番号1〜1047の塩基配列に対して1個又は複数個の塩基が置換、欠失若しくは挿入された塩基配列を含む、塩基長5000塩基対以内の塩基配列であり、且つsigH遺伝子のプロモーターと同一のプロモーター機能を有するDNA断片、及び/又は
    枯草菌のspoIIAオペロンのプロモーター配列若しくは配列番号3で示される塩基配列における塩基番号1〜1143の塩基配列に対して1個又は複数個の塩基が置換、欠失若しくは挿入された塩基配列を含む、塩基長5000塩基対以内の塩基配列であり、且つ当該オペロンのプロモーターと同一のプロモーター機能を有するDNA断片、
    を挿入して連結させたDNAを、ゲノム上或いはプラスミド上に有する変異バチルス属細菌。
  2. バチルス属細菌が、枯草菌である請求項1記載の変異バチルス属細菌。
  3. 請求項1又は2記載の変異バチルス属細菌に、異種のタンパク質又はポリペプチドをコードする遺伝子を導入した組換え微生物。
  4. 請求項記載の組換え微生物を用いるタンパク質又はポリペプチドの製造方法。
  5. タンパク質がセルラーゼ、アミラーゼ又はプロテアーゼである請求項記載の製造方法。
  6. セルラーゼが配列番号4で示されるアミノ酸配列からなるアルカリセルラーゼ、又は当該アミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有し、かつアルカリセルラーゼ活性を有するものである請求項記載の製造方法。
  7. アミラーゼが配列番号19で示されるアミノ酸配列からなるアルカリアミラーゼ、又は当該アミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有し、かつアルカリアミラーゼ活性を有するものである請求項記載の製造方法。
  8. プロテアーゼが配列番号21で示されるアミノ酸配列からなるアルカリプロテアーゼ、又は当該アミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有し、かつアルカリプロテアーゼ活性を有するものである請求項記載の製造方法。
  9. sigA遺伝子、又は当該遺伝子と90%の同一性を有し、SigAと同様のシグマ因子としての活性を有するタンパク質をコードする遺伝子の上流側に隣接する1〜198塩基対の領域に、
    配列番号2に示す塩基配列における塩基番号1〜1047の塩基配列に対して1個又は複数個の塩基が置換、欠失若しくは挿入された塩基配列を含む、塩基長5000塩基対以内の塩基配列であり、且つsigH遺伝子のプロモーターと同一のプロモーター機能を有するDNA断片、及び/又は
    枯草菌のspoIIAオペロンのプロモーター配列若しくは配列番号3で示される塩基配列における塩基番号1〜1143の塩基配列に対して1個又は複数個の塩基が置換、欠失若しくは挿入された塩基配列を含む、塩基長5000塩基対以内の塩基配列であり、且つ当該オペロンのプロモーターと同一のプロモーター機能を有するDNA断片、
    を挿入して連結させたDNAを、バチルス属細菌のゲノム上或いはプラスミド上に有するように構築することを特徴とする変異バチルス属細菌の構築方法。
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