JP4819007B2 - 容器詰非茶飲料 - Google Patents

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Description

本発明は、非重合体カテキン類を高濃度に含有した容器詰非茶飲料に関する。
カテキン類の効果としてはコレステロール上昇抑制作用やアミラーゼ活性阻害作用などが報告されている(例えば、特許文献1、2参照)。カテキン類のこのような生理効果を発現させるためには、より簡便に大量のカテキン類を摂取するために、飲料にカテキン類を高濃度含有する技術が望まれている。この方法の一つとして、緑茶抽出物の濃縮物(例えば、特許文献3〜5参照)などを利用して、カテキン類を飲料に溶解状態で添加する方法がある。
特開昭60-156614号公報 特開平3-133928号公報 特開2002-142677号公報 特開平8-298930号公報 特開平8-109178号公報
しかしながら、カテキン類を含有する容器詰飲料を長期間保存した場合、飲料の外観が変化しやすく、長期に亘って色相を安定に保持することが困難であった。そこでプラスチック製容器の中でも特に酸素透過性を抑えた容器に充填することを試行したところ、このようなプラスチック製容器に充填する場合においては、通常のプラスチック製容器に充填する場合に比べて色相を安定に保持することができると予測されたが、意外なことに、緑茶抽出物の精製物のカテキン組成、特に緑茶抽出物の固形分中に占める非重合体カテキン類の濃度によって、色調変化がより際立ってしまう傾向が見られることが判明した。
したがって、本発明の目的は、配合する緑茶抽出物の精製物をより精密に制御することで、酸素透過性の低いプラスチック製容器を使用しても長期間保存時の色相変化の少ないカテキン含有容器詰非茶飲料を提供することにある。
本発明者らは、上記問題点の解決策について種々検討したところ、酸素透過性が0.001mL/day・bottle・atm以下のプラスチック製容器に充填する場合においては、特定組成の緑茶抽出物の精製物を配合することにより、長期間保存した場合にも色相変化を高水準で防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(A)非重合体カテキン濃度が固形分として60質量%以上、かつ
(B)非重合体カテキン類中のガレート体率が10〜47質量%
である緑茶抽出物の精製物を少なくとも含有する飲料を、酸素透過性0.001mL/day・bottle・atm以下のプラスチック製容器に充填してなり、
(C)飲料中の非重合体カテキン類の含有量が0.072〜1.0質量%、
(D)飲料中の没食子酸濃度が1〜15mg/100mL
である容器詰非茶飲料を提供するものである。
本発明によれば、高濃度でカテキンを含有し、長期間保存しても色相変化の少ない容器詰非茶飲料、特にアイソトニック飲料、スポーツ飲料、果汁入り飲料、野菜入り飲料等の非茶系飲料として有用な飲料が得られる。
本発明の容器詰非茶飲料は、非重合体カテキン濃度が60質量%以上であり、かつ非重合体カテキン類中のガレート体率が10〜47質量%である緑茶抽出物の精製物を配合したものである。ガレート体率の上限は47質量%であるが、46質量%が好ましく、他方ガレート体率の下限は10質量%であるが、20質量%が好ましい。これにより、色相変化を有効に防止でき、しかも非重合性カテキン類による生理効果をより確実に発現することができる。
本発明において、非重合体カテキン類とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類及びエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類をあわせての総称を指す。
また、ガレート体率とは、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートからなる総称ガレート体の全非重合体カテキン類に対する割合(質量%)をいう。
ガレート体率は、緑茶抽出物をタンナーゼ処理することで低下させることができる。タンナーゼによる処理は、緑茶抽出物中の非重合体カテキン類に対してタンナーゼを0.5〜10質量%の範囲になるように添加することが好ましい。タンナーゼ処理の温度は、酵素活性が得られる15〜40℃が好ましく、更に好ましくは20〜30℃である。タンナーゼ処理時のpH(25℃)は、酵素活性が得られる4〜6がよく、更に好ましくは4.5〜6であり、特に好ましくは5〜6である。
緑茶抽出物の精製物としては、原料として緑茶抽出物の濃縮物を使用することができる。緑茶抽出物の濃縮物としては、緑茶抽出物の濃縮物の水溶液、あるいは当該緑茶抽出物の濃縮物に緑茶抽出液を配合したものが挙げられる。ここでいう緑茶抽出物の濃縮物とは、緑茶葉から熱水又は水溶性有機溶媒により抽出した溶液から水分を一部除去したもの、精製して非重合体カテキン類濃度を高めたものであり、形態としては、固体、水溶液、スラリー状など種々のものが挙げられる。また、緑茶抽出液とは濃縮や精製操作を行わない抽出液をいう。
緑茶抽出物の精製物としては、市販の三井農林(株)「ポリフェノン」、伊藤園(株)「テアフラン」、太陽化学(株)「サンフェノン」などから選択できる。非重合体カテキン類濃度が上記範囲にあれば、これらを精製したものを用いてもよい。精製の方法としては、例えば、緑茶抽出物の濃縮物を水、又は水とエタノール等の有機溶媒との混合物に懸濁して生じた沈殿を除去し、次いで溶媒を留去する方法が挙げられる。また、茶葉から熱水又はエタノール等の水溶性有機溶媒により抽出した抽出物を濃縮したものを更に精製したもの、あるいは抽出物を直接精製したものを用いてもよい。
本発明の容器詰非茶飲料は、(a)非重合体カテキン類を0.072〜1.0質量%含有するが、好ましくは0.06〜1.0質量%、より好ましくは0.08〜0.8質量%、更に好ましくは0.09〜0.6質量%、特に好ましくは0.1〜0.4質量%である。非重合体カテキン類の含有量が上記範囲にあると、多量の非重合カテキン類を容易に取り易く、容器詰非茶飲料製造工程における風味変化が少ない点からも好ましい。
本発明の容器詰非茶飲料においては、(b)エピ体カテキン類と、(a)非重合体カテキン類との質量比[(b)/(a)]が0.7〜1.0であることが好ましく、より好ましくは0.72〜1.0、より一層好ましくは0.74〜1.0、更に好ましくは0.76〜1.0、特に好ましくは0.76〜0.99、最も好ましくは0.77〜0.98である。エピ体カテキン類としては、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等が例示される。上記範囲であると、飲料調製工程における風味変化が少ない点から好ましいことに加え、自然界の茶葉に含まれているカテキン類の組成ときわめて類似するため、天然に存在しているカテキン類を多く摂取しやすい形態となり好ましい。
本発明の容器詰非茶飲料中の没食子酸の含有量は、苦味、渋味及び酸味のバランスの点から、1〜15mg/100mLであるが、好ましくは1〜12mg/100mL、より好ましくは2〜10mg/100mL、更に好ましくは3〜9mg/100mL、特に好ましくは3〜8mg/100mLである。
非重合体カテキン及び没食子酸の含有量は、緑茶抽出物の濃縮、精製、タンナーゼ処理、低温でのカテキン類の再結晶化、没食子酸の添加など、更にはこれらを組み合わせることで調整可能である。
本発明の容器詰非茶飲料には、味を改善する目的で、甘味料を含有させてもよい。甘味料としては、人工甘味料、炭水化物系甘味料、グリセロール類が挙げられ、中でも人工甘味料が好ましい。これらの甘味料の含有量は、本発明の容器詰非茶飲料中の0.005〜10質量%が好ましく、更に好ましくは0.01〜8質量%、特に好ましくは0.1〜5質量%である。0.005質量%未満であると、甘みがほとんどなく、酸味と塩味とのバランスを取り難くなる。一方、10質量%を超えると、飲料中の固形物量が増すために、飲料がとろみを帯びてしまい、日常生活での飲用はもちろんのこと、特にスポーツ等の水分を欲する場面で飲む止渇飲料として好ましくない場合がある。
人工甘味料としては、例えば、アスパルテーム、サッカリン、シクラメート、アセスルフェーム−K、L−アスパルチル−L−フェニルアラニン低級アルキルエステル甘味料、L−アスパルチル−D−アラニンアミド、L−アスパルチル−D−セリンアミド、L−アスパルチル−ヒドロキシメチルアルカンアミド甘味料、L−アスパルチル−1−ヒドロキシエチルアルカンアミド甘味料、スクラロース、ソーマチン等の高甘度甘味料、エリスリトール、キシリトール、トレハロース等の糖アルコール、グリチルリチン、合成アルコキシ芳香族化合物等が挙げられる。ステビオシド及び他の天然源の甘味料も使用できる。
炭水化物系甘味料としては、例えば、可溶性炭水化物が挙げられる。可溶性炭水化物には、甘味料とエネルギー源としての役割がある。甘味料として炭水化物を選択する場合の基準は、十分な胃排出及び腸吸収速度を考慮することが重要である。炭水化物はグルコース及びフルクトースの混合物であってもよく、また消化管で加水分解するか又はグルコース及びフルクトースを形成する炭水化物であってもよい。本明細書で用いられる"炭水化物"という用語は、単糖、オリゴ糖、複合多糖又はそれらの混合物を含む。
単糖としてはブドウ糖や果糖が特に好ましい。
オリゴ糖としては、ブドウ糖、果糖などこれら2種の単糖を体内で生成する炭水化物(すなわち、スクロース(ショ糖)、マルトデキストリン、コーンシロップ、高フルクトースコーンシロップ)が挙げられる。このオリゴ糖中でショ糖が好ましい。
複合多糖として好ましい例は、マルトデキストリンである。それらはコーンスターチの加水分解により得られるスプレードライ多糖である。
本発明の容器詰非茶飲料における全炭水化物の含有量は甘味料と同じであるが、炭水化物の総量には、甘味料として使用されるものに加えて、フルーツジュース又は茶抽出物中に天然で存在するもの、添加された炭水化物も含む。炭水化物誘導体、グリセロール類を除く多価アルコール等を供給して、それが容易に吸収されて体全体に分布されるようにエネルギーを供給する目的で用いてよい。
本発明の容器詰非茶飲料には、ナトリウムイオン及びカリウムイオンを含有させてもよい。これにより、長期間の飲料保存時においても、爽快感が希薄にならず、特に飲用時において見られる酸味感の後引きがなく、口中におけるスッキリ感に優れるようになる。また、日常生活での飲用はもちろんのこと、特にスポーツなどの場面で、ゴクゴク飲む飲料として適している。
本発明の容器詰非茶飲料には、ナトリウムイオンを0.0001〜0.2質量%及びカリウムイオンを0.0001〜0.1質量%含有するのが好ましい。この範囲にあると、種々の状況下で飲用しても味的に十分で、効果的なミネラル補給ができ、塩類自体の味が強くなく、長期間にわたって飲用する上でも好ましい。
ナトリウムイオンとしては、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、酒石酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム等及びそれらの混合物のような容易に入手し得るナトリウム塩、植物や果物抽出物又は茶の成分由来のものも含まれる。ナトリウムイオン濃度は、血漿中ナトリウムイオン濃度よりも低いことが好ましい。本発明の容器詰非茶飲料中のナトリウムイオンの含有量は、上記のとおり、好ましくは0.0001〜0.2質量%であるが、より好ましくは0.0005〜0.2質量%、より一層好ましくは0.001〜0.15質量%、更に好ましくは0.002〜0.15質量%、特に好ましくは0.003〜0.1質量%、最も好ましくは0.0035〜0.09質量%である。
カリウムイオンとしては、塩化カリウム、炭酸カリウム、硫酸カリウム、酢酸カリウム、炭酸水素カリウム、クエン酸カリウム、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム、酒石酸カリウム、ソルビン酸カリウム等又はそれらの混合物のようなカリウム塩、植物や果物抽出物又は茶の成分由来のものも含まれる。本発明容器詰非茶飲料中のカリウムイオンは、上記のとおり、好ましくは0.0001〜0.1質量%であるが、より好ましくは0.0005〜0.1質量%、より一層好ましくは0.001〜0.08質量%、更に好ましくは0.002〜0.08質量%、特に好ましくは0.003〜0.08質量%、最も好ましくは0.0035〜0.07質量%である。
ナトリウムイオン及びカリウムイオンに加えて、本発明の容器詰非茶飲料には塩化物イオンを含有させてもよい。塩化物イオンの含有量は、好ましくは0.0001〜0.3質量%、より好ましくは0.0002〜0.3質量%、特に好ましくは0.0005〜0.3質量%である。塩化物イオン成分は、塩化ナトリウム又は塩化カリウムのような塩の形で配合できる。さらに、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄のような他の微量イオンを含んでもよい。これらのイオンも塩として含有してもよい。
本発明の容器詰非茶飲料に存在するイオンの総量には、加えられたイオン添加量と共に、飲料中に天然で存在する量を含む。例えば、塩化ナトリウムが加えられると、その量のナトリウムイオン及びその量の塩化物イオンも、それに応じて各イオンの総量に含まれることになる。
本発明の容器詰非茶飲料には、更に嗜好性を上げる目的で植物及び果物から選ばれる1種以上の風味剤を含有してもよい。風味剤としては、一般に香料又はフレーバー、果汁又はフルーツジュースと呼ばれているものが挙げられる。更に、天然又は合成の風味剤を使用できる。
香料又はフレーバーとしては、フルーツフレーバー、植物フレーバー、茶フレーバー又はそれらの混合物を使用できる。特に、フルーツフレーバーと、茶フレーバー、好ましくは緑茶又は紅茶フレーバーとの組合せが好ましい味を有している。
特に好ましい香料は、オレンジフレーバー、レモンフレーバー、ライムフレーバー及びグレープフルーツフレーバーを含めたシトラスフレーバーである。他のフルーツフレーバーとしては、リンゴフレーバー、ブドウフレーバー、ラズベリーフレーバー、クランベリーフレーバー、チェリーフレーバー、パイナップルフレーバー等が使用できる。さらに、天然フレーバーとしては、ジャスミン、カミツレ、バラ、ペパーミント、サンザシ、キク、ヒシ、サトウキビ、レイシ、タケノコ等が挙げられる。これらのフレーバーは、フルーツフレーバー及び香油のような天然物でも、合成物でもよい。香料には、様々なフレーバーのブレンド、例えば、レモン及びライムフレーバー、シトラスフレーバーと選択されたスパイス(典型的コーラソフトドリンクフレーバー)等を含めることができる。親油性の濃縮物又は抽出物の香料としては、合成香味エステル類、アルコール類、アルデヒド類、テルペン類、セスキテルペン類等を含有できる。
風味剤として香料又はフレーバーを使用する場合は、本発明の容器詰非茶飲料中に0.0001〜5質量%、好ましくは0.0001〜3質量%、より好ましくは0.0001〜1質量%、より一層好ましくは0.001〜1質量%、更に好ましくは0.001〜0.5質量%、特に好ましくは0.001〜0.2質量%、最も好ましくは0.003〜0.18質量%含有するのが好ましい。
香料又はフレーバーはエマルジョン小滴を形成し、その後飲料に分散してもよい。すなわち、乳化香料としてもよい。典型的には、乳化香料は濃縮物又は抽出物として、あるいは合成香味エステル、アルコール、アルデヒド、テルペン、セスキテルペン等の形で容易に入手できる。このような乳化香料は、本発明の容器詰非茶飲料中に好ましくは0.0001〜5質量%、より好ましくは0.001〜3質量%を含有される。代表例として、太陽化学社製「スーパーエマルションフレーバーシリーズ」グレープフルーツ106JX、レモン106JX、オレンジ106JXなどがある。
果汁としては、リンゴ、ナシ、レモン、ライム、マンダリン、グレープフルーツ、クランベリー、オレンジ、ストロベリー、ブドウ、キゥイ、モモ、パイナップル、パッションフルーツ、マンゴ、ウメ、グァバ、ラズベリー、チェリー等の果汁が好ましい。特にグレープフルーツ、オレンジ、レモン、ライム、マンダリン、マンゴ、パッションフルーツ及びグァバのジュース又はそれらの混合物が好ましい。
風味剤として果汁又はフルーツジュースを使用する場合には、本発明の容器詰非茶飲料中に0.001〜15質量%、特に0.002〜10質量%含有させるのが好ましい。
本発明の容器詰非茶飲料に苦渋味抑制剤を含有すると、更に飲用しやすくなるため好ましい。苦渋味抑制剤としては、サイクロデキストリンが好ましい。サイクロデキストリンとしては、α−、β−、γ−サイクロデキストリン及び分岐α−、β−、γ−サイクロデキストリンが使用できる。
本発明の容器詰非茶飲料には、更にビタミンを含有させることができる。好ましいビタミンとしては、ビタミンA、ビタミンC及びビタミンEが挙げられる。ビタミンD及びビタミンBのような他のビタミンも用いることができる。また、ミネラルも用いることができる。ミネラルとしては、カルシウム、クロム、銅、フッ素、ヨウ素、鉄、マグネシウム、マンガン、リン、セレン、ケイ素、モリブデン及び亜鉛等が挙げられ、特にマグネシウム、リン及び鉄が好ましい。
本発明の容器詰非茶飲料は、以上の成分の他にも、各種エステル類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、ガム、油、アミノ酸、野菜エキス類、花蜜エキス類、pH調整剤、品質安定剤、二酸化炭素等の成分を単独で又は2種以上を併用して含有してもよい。
本発明の容器詰非茶飲料の25℃におけるpHは2〜4であることが好ましく、より好ましくは2.8〜4、より一層好ましくは3〜4、更に好ましくは3.1〜4、特に好ましくは3.2〜4である。pHが上記範囲内であると、酸味・低刺激のバランスがよく、嗜好性に優れるので、日常生活での飲用はもちろんのこと、スポーツ時・後の水分補給場面での止渇飲料として飲用しやすくなる。また、長期保存時において、苦味・渋みの発生といった風味の変化が抑えやすくなるとともに、非重合体カテキン類の安定性に優れるという利点もある。
容器詰非茶飲料としては、例えば、ソフトドリンクである炭酸飲料、果実エキス入り飲料、野菜エキス入りジュースやニアウォーター、スポーツドリンク、アイソトニック飲料、ダイエット飲料等非茶系飲料が挙げられ、中でも非茶系飲料が好ましい。スポーツドリンクとは、身体運動後に汗として失われる水分、ミネラルを速やかに補給できる飲料であると一般的に規定される。
本発明の容器詰非茶飲料は、上記した飲料を酸素透過性0.001mL/day・bottle・atm以下のプラスチック製容器に充填したものである。これにより、色相変化をより確実に防止することができる。
プラスチック製容器の形態としては、容器表面又は内面に炭素蒸着膜を有するもの、多層構造を有するものが挙げられる。炭素蒸着膜を有するものとしては、例えば、容器内面にDLC膜(Diamond Like Carbon)等を蒸着させたものが挙げられ、また多層構造を有するものとしては、ポリオレフィン系酸素吸収剤、ナイロン等をブレンドしたPET層と、通常のPET層を積層したもの等が挙げられる。なお、プラスチック製容器の材質としては、PETが特に好ましい。
また、本発明の容器詰非茶飲料のヘッドスペースは、色相変化防止の観点から、窒素置換するのが特に好ましい。
本発明の容器詰非茶飲料は、例えば、金属缶のように飲料を容器に充填した後、加熱殺菌できる場合にあっては食品衛生法に定められた殺菌条件で製造されるが、PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器等で飲料を高温短時間殺菌後、一定の温度まで冷却して殺菌後の飲料を容器に充填する等の方法が採用される。また、無菌下で、飲料を充填した容器に別の成分を含有させて充填してもよい。さらに、中性下で飲料を加熱殺菌後、無菌下でpHを酸性に戻す等の操作も可能である。
(非重合体カテキン類の測定)
フィルター(0.8μm)で濾し、次いで蒸留水で希釈した容器詰めされた飲料を、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム L-カラムTM ODS(4.6mm×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着した、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL-10AVP)を用いて、カラム温度35℃でグラジエント法により行った。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液とし、B液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液として、流速1mL/分、試料注入量20μL、UV検出器波長280nmの条件で行った。なお、グラディエント条件は以下の通りである。
時間(分) A液濃度(体積%) B液濃度(体積%)
0 97% 3%
5 97% 3%
37 80% 20%
43 80% 20%
43.5 0% 100%
48.5 0% 100%
49 97% 3%
60 97% 3%
(没食子酸の測定)
没食子酸含有組成物を蒸留水で希釈し、フィルター(0.8μm)でろ過後、島津製作所社製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム L−カラムTM ODS(4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃で、A液及びB液を用いたグラジエント法によって行った。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有の蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有のアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
(ナトリウムイオン量の測定)
原子吸光光度法(塩酸抽出)
試料5gを10%塩酸(定溶時に1%塩酸溶液になるように)に入れ、その後イオン交換水で定溶し吸光度測定を行った。
波長:589.6nm
フレーム:アセチレン−空気
(酸素透過性の測定)
図2に示す概略図のとおり、測定サンプルであるプラスチック製容器1の下部を穿孔し、酸素量を測定する装置(OX-TRAN2/21、MOCON社)のセンサー部分2を装着して、接合部をエポキシ樹脂3で塞いで固定し、23℃、酸素濃度21%の雰囲気下で酸素量を測定した。
参考例1〜2
表1に記載の処方で容器詰酸性飲料を製造した。殺菌はUHT殺菌装置を用い、98℃、30秒の条件で殺菌後、プラスチックPETボトル(*4酸素透過性0.039ml/day・bottle・atm)に充填した。
(色調安定性評価)
参考例1〜2で調製した容器詰酸性飲料について、分光光度計(形式Color Meter ZE-2000、日本電色工業(株)製)を使用し、分光感度:XYZ方式で行った。サンプルとして、調製直後(0日)の容器詰酸性飲料、55℃の温度条件で調製後3日及び6日保存したときの容器詰酸性飲料を用い、膜濾過後1cm石英セルに入れてb*値を測定した。3日及び6日保存後のb*値を、調製直後(0日)のb*値を0としたときの増加量(Δb*値)として表1に示す。
Figure 0004819007
緑茶抽出物の精製物(α)
カテキン含量が30質量%の緑茶抽出物にタンナーゼ処理(タンナーゼ濃度2質量%;反応温度20℃)を行い、スプレードライ法により噴霧乾燥させた。得られたパウダーをエタノールと水の混合溶媒(水:エタノール=15:85)でカテキンを抽出した後に混合液に対して8質量部の活性炭を添加して精製を行って、緑茶抽出物の精製物(α)を得た。得られた緑茶抽出物の精製物(α)のガレート体率は44質量%であった。固形分中の非重合体カテキン類濃度は71質量%であった。固形分は23.2%であった。固形分中の没食子酸濃度は3.1質量%であった。
緑茶抽出物の精製物(β)
カテキン含量が30質量%の緑茶抽出物にタンナーゼ処理を行わず、スプレードライ法により噴霧乾燥させた。得られたパウダーをエタノールと水の混合溶媒(水:エタノール=15:85)でカテキンを抽出した後に混合液に対して8質量部の活性炭を添加して精製を行って、緑茶抽出物の精製物(β)を得た。緑茶抽出物の精製物(β)のガレート体率は54質量%であった。固形分中の非重合体カテキン類濃度は71質量%であった。固形分は23.2%であった。固形分中の没食子酸濃度は0.33%であった。
表1から理解できるように、ガレート体率を47質量%以下に調整した緑茶抽出物の精製物を含有する飲料では色調安定性が改善されることがわかった。
実施例1〜2、比較例1〜3
表2に記載の処方で容器詰非茶飲料を製造した。なお、実施例2においては、ヘッドスペースを窒素置換した。
Figure 0004819007
*1:緑茶抽出物の精製物A
固形分あたりの非重合体カテキン濃度60質量%、ガレート体率46質量%、緑茶抽出物の精製物A中の非重合体カテキン類15質量%;
製造法:カテキン類含量が30質量%の緑茶抽出物をスプレードライ法により噴霧乾燥させた。得られたパウダーをエタノールと水の混合溶媒(水:エタノール=15:85)でカテキン類を抽出した後に混合液に対して8質量部の活性炭を添加して精製を行なって、緑茶抽出物の精製物Aを得た。没食子酸濃度は0.59質量%であった。
*2:緑茶抽出物の精製物B
固形分あたりの非重合体カテキン濃度40質量%、ガレート体率46質量%、緑茶抽出物の精製物B中のカテキン類15質量%;
製造法:カテキン類含量が30質量%の緑茶抽出物をスプレードライ法により噴霧乾燥させた。得られたパウダーをエタノールと水の混合溶媒(水:エタノール=60:40)でカテキン類を抽出した後に混合液に対して11質量部の活性炭を添加して精製を行なって、緑茶抽出物の精製物Bを得た。没食子酸濃度は0.35質量%であった。
*3:PETとバリア層とを順次積層した5層構造を有するものであって、バリア層がオキシブロック[SIRIUS101(ポリオレフィン系酸素吸収剤とMXD6ナイロンとのブレンド)]で構成されるもの
*4:PETのみからなるもの
(色相測定)
各実施例及び比較例で調製した容器詰非茶飲料について、分光光度計(形式Color Meter ZE-2000、日本電色工業(株)製)を使用し、分光感度:XYZ方式で行った。サンプルとして、調製直後の容器詰非茶飲料(初期)、55℃の温度条件で調製後5日、7日及び14日保存したときの容器詰非茶飲料を用い、膜濾過後1cm石英セルに入れてb*値を測定した。その結果を表3に示す。
Figure 0004819007
容器詰非茶飲料の色相変化の抑制効果の指標として、同一濃度のカテキンを配合した容器詰非茶飲料間における色相改善率を下記式(1)により算出した。その結果を表4及び図1に示す。
色相改善率(%)=(単層PETのb*値−多層PETのb*値)/初期のb*値×100 (1)
Figure 0004819007
実施例2から、ヘッドスペースを窒素置換することで、長期間保存しても色相の変化が少なく色相安定性が更に向上することが判明した。
また、表2〜4及び図1から、60質量%以上の高濃度に非重合体カテキン類を含有する飲料を、酸素透過性が0.001mL/day・bottle・atm以下の多層容器に充填した容器詰非茶飲料は、色相の変化が少なく長期間安定であった。これに対し、60質量%未満の非重合体カテキン類を含有する飲料を酸素透過性が0.001mL/day・bottle・atm以下の多層容器に充填しても、色相変化が大きく色相安定性が不十分となることが判明した。
実施例3、比較例4
実施例1の容器詰非茶飲料において、飲料中の没食子酸の含有量が15mg/100mLになるように試薬の没食子酸を添加したものを実施例3とした。また実施例1の容器詰非茶飲料において、飲料中の没食子酸の含有量が20mg/100mLになるように試薬の没食子酸を添加したものを比較例4とした。そして、この二つの飲用試験(n=5)を実施した結果、飲料中の没食子酸濃度15mg/100mLまでは許容できるものの、20mg/100mLで異味が出ることが判った。
保存日数と色相改善率との関係を示す図である。 容器の酸素透過量の測定方法を説明する図である。
符号の説明
1:プラスチック製容器
2:酸素量測定装置のセンサー部分
3:エポキシ樹脂接合部

Claims (4)

  1. (A)非重合体カテキン濃度が固形分として60質量%以上、かつ
    (B)非重合体カテキン類中のガレート体率が10〜47質量%
    であるタンナーゼ処理をした緑茶抽出物の精製物を少なくとも含有する飲料を、酸素透過性0.001mL/day・bottle・atm以下のプラスチック製容器に充填してなり、
    (C)飲料中の非重合体カテキン類の含有量が0.072〜1.0質量%、
    (D)飲料中の没食子酸濃度が1〜15mg/100mL
    である容器詰非茶飲料。
  2. 更に、甘味料0.005〜10質量%を含有する、請求項1記載の容器詰非茶飲料。
  3. 25℃におけるpHが2〜4である、請求項1又は2記載の容器詰非茶飲料。
  4. 飲料中における(b)エピ体カテキン類と、(a)非重合体カテキン類との質量比[(b)/(a)]が0.7〜1.0である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の容器詰非茶飲料。
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