JP4817356B2 - 光学顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、光学顕微鏡に関し、特に詳しくは試料に照射するレーザ光と異なる波長の光を検出する光学顕微鏡に関する。
ラマン分光測定は、試料が気体、液体、結晶、無定形固体であることを問わず、温度は高温でも低温でも可能であり、測定において、真空などの特殊な測定雰囲気を必要をしないという利点を持つ。さらに、試料の前処理を特に必要とせず、試料をそのままの状態で測定可能であるなどの長所があり、これらの長所を生かした測定が多くなされている。ラマン分光測定を利用することによって、分子を非染色で観測すること、及び半導体中の不純物を観測することができる
このようなラマン分光測定を行うため、分光器を用いたラマン顕微鏡が開示されている(特許文献1、特許文献2)。このラマン顕微鏡では、試料にレーザ光を集光して照射している。そして、試料からのラマン散乱光を分光器で分光することにより、ラマンスペクトルを測定することができる。さらに、これらのラマン顕微鏡では、試料を移動させて測定することにより、特定の波長におけるラマン散乱光強度の空間分布を測定することができる。また、シリンドリカルレンズにより試料をライン状に照明して、CCDカメラにより検出するラマン顕微鏡も開示されている(非特許文献1)。
特開2002−14043号公報 特開2003−344776号公報 CHARLENE A.DRUMM、他1名「Microscopic Raman Line−Imaging With Principal Component Analysis」 APPLIED SPECTROSCOPY、1995年、49巻、第9号、p.1331−1337
しかしながら、従来のラマン顕微鏡では以下のような問題点があった。例えば、生体のラマン散乱は弱いため、1点あたりのラマンスペクトルの測定時間(積算時間)が長くなる。例えば、1点あたりの積算時間を1秒すると、64×64pixelの画像を取得する場合に1時間以上(4096秒=64×64秒)かかってしまう。さらに積算時間を上げて波長分解能を向上させる場合、解像度を上げるため又はより広い領域を測定するため測定点を増やす場合は、測定時間がより長時間となってしまうという問題点があった。
このような長時間の測定を避けるためには、測定範囲、すなわち観察範囲を狭くする必要がある。また、測定範囲を広くするためには、解像度を下げる必要がある。あるいは、測定するスペクトルの範囲を狭くしたり、特定の波長に対してのみ測定する必要がある。このように従来のラマン顕微鏡では、測定時間が長時間となるため、測定が制限されてしまうという問題点があった。
このように従来のラマン顕微鏡では、測定時間が長時間となってしまい測定が制限されるという問題点があった。
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、測定時間を短縮することができる光学顕微鏡を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様にかかる光学顕微鏡は、レーザ光源(例えば、本発明の実施の形態にかかるレーザ光源11)と、前記レーザ光源からの光ビームをライン状の光ビームに変換する光変換手段(例えば、本発明の実施の形態にかかる第3のレンズシリンドリカル15及び/又はアイリス絞り39)と、前記ライン状に変換された光ビームを走査する走査手段(例えば、本発明の実施の形態にかかるガルバノミラー23)と、前記走査手段により走査された光ビームをライン状に集光して試料に入射させる対物レンズ(例えば、本発明の実施の形態にかかる対物レンズ27)と、前記試料に入射された光ビームのうち、異なる波長となって前記試料から前記対物レンズ側に出射する出射光を前記レーザ光源から前記試料に入射するライン状の光ビームと分岐する第1のビームスプリッタ(例えば、本発明の実施の形態にかかる第1のビームスプリッタ22)と、前記第1のビームスプリッタにより分岐された出射光が入射する入射側に前記ライン状の光ビームに対応する方向に沿って配置された入射スリット(例えば、本発明の実施の形態にかかる入射スリット32)を有し、前記入射スリットを通過した前記出射光を波長に応じて空間的に分散させる分光器(例えば、本発明の実施の形態にかかる分光器33)と、前記分光器で分散させた出射光を検出する2次元アレイ光検出器(例えば、本発明の実施の形態にかかる検出器34)とを備えるものである。これにより、測定時間を短縮することができる。
本発明の第2の態様にかかる光学顕微鏡は、上述の光学顕微鏡において、前記走査手段がガルバノミラーであることを特徴とするものである。これにより、走査速度を向上することができ、さらに試料に照射される光ビームの変動を少なくすることができる。よって、利便性を向上することができる。
本発明の第3の態様にかかる光学顕微鏡は、上述の光学顕微鏡において、前記走査手段が前記光ビームのラインの方向と垂直な方向に光ビームを走査するものである。これにより、測定時間を短縮することができる。
本発明の第4の態様にかかる光学顕微鏡は、上述の光学顕微鏡において、前記光変換手段がシリンドリカルレンズを有していることを特徴とするものである。これにより、レーザ光源からの光を効率よく試料に入射させることができ、測定時間を短縮することができる。
本発明の第5の態様にかかる光学顕微鏡は、上述の光学顕微鏡において、前記シリンドリカルレンズにより前記入射光が集光される位置にスリット状の開口を有するアイリス絞り(例えば、本発明の実施の形態にかかるアイリス絞り39)であって、前記開口の大きさが可変であるアイリス絞りが設けられているものである。これにより、測定時間を短縮することができる。
本発明の第6の態様にかかる光学顕微鏡は、上述の光学顕微鏡において、前記第1のスプリッタと前記2次元アレイ光検出器の間に、前記レーザ光源のレーザ波長の光を遮るフィルタ(例えば、本発明の実施の形態にかかるエッジフィルタ38)が設けられていることを特徴とするものである。これにより、測定時間を短縮することができる。
本発明の第7の態様にかかる光学顕微鏡は、上述の光学顕微鏡において、前記光変換手段により集光される面と試料面とが互いに共役な関係となり、前記試料面と前記入射スリットが互いに共役な関係となっているものである。これにより、分解能を向上することができる。
本発明の第8の態様にかかる光学顕微鏡は、上述の光学顕微鏡において、前記対物レンズと前記試料との相対距離が可変であることを特徴とするものである。これにより、簡易な構成で3次元測定を行うことができる。
本発明の第9の態様にかかる光学顕微鏡は、上述の光学顕微鏡において、前記試料の前記対物レンズと反対側に配置され、照明光を出射する照明光源(例えば、本発明の実施の形態にかかる照明光源41)と、前記照明光源からの照明光をリング状の照明光にするリングスリット(例えば、本発明の実施の形態にかかるリングスリット43)と、前記リング状の照明光を集光して前記試料に入射させるコンデンサーレンズ(例えば、本発明の実施の形態にかかるコンデンサーレンズ44)と、前記コンデンサーレンズにより集光され前記試料を透過した透過光が前記対物レンズを介して入射する第2のビームスプリッタ(例えば、本発明の実施の形態にかかる第2のビームスプリッタ21)であって、前記透過光の光路を前記レーザ光源からの前記入射光の光路と分岐する第2のビームスプリッタと、前記第2のビームスプリッタによって分岐された透過光の前記リングスリットに対応するリング状の領域に位相差を設ける位相板(例えば、本発明の実施の形態にかかる位相板46)と、前記位相板からの透過光を撮像する撮像素子(例えば、本発明の実施の形態にかかるCCDカメラ48)とをさらに備えるものである。これにより、透過光を検出することができるため、利便性を向上することができる。
本発明の第10の態様にかかる光学顕微鏡は、上述の光学顕微鏡において、前記第1のビームスプリッタが前記第2のビームスプリッタの試料側に配置され、前記第1のビームスプリッタを介して前記透過光が前記第2のビームスプリッタに入射していることを特徴とするものである。これにより、試料からの出射光を効率よく検出器に入射されることができるため、測定時間を短縮することができる。
本発明の第11の態様にかかる光学顕微鏡は、上述の光学顕微鏡において、前記撮像素子により、前記試料中の位相が異なる位相物体の分布を観察するものである。これにより、簡易な構成で位相物体を観察することができるため、利便性を向上することができる。
本発明によれば、測定時間を短縮することができる光学顕微鏡を提供することができる。
以下に、本発明を適用可能な実施の形態が説明される。以下の説明は、本発明の実施形態を説明するものであり、本発明が以下の実施形態に限定されるものではない。説明の明確化のため、以下の記載は、適宜、省略及び簡略化がなされている。又、当業者であれば、以下の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能であろう。尚、各図において同一の符号を付されたものは同様の要素を示しており、適宜、説明が省略される。
本発明の実施の形態にかかる光学顕微鏡について図1を用いて説明する。図1は本実施の形態にかかる光学顕微鏡の光学系の構成を模式的に示す図である。1は光学顕微鏡、11はレーザ光源、12はミラー、13は第1のシリンドリカルレンズ、14は第2のシリンドリカルレンズ、15は第3のシリンドリカルレンズ、16はレンズ、21は第2のビームスプリッタ、22は第1のビームスプリッタ、23はガルバノミラー、24はレンズ、25はミラー、26はレンズ、27は対物レンズ、28は試料、31はレンズ、32は入射スリット、33は分光器、34は検出器、35は処理装置、38はエッジフィルタ、39はアイリス絞り、41は照明光源、42はレンズ、43はリングスリット、44はコンデンサーレンズ、45aはレンズ、45bはレンズ、46は位相板、47はレンズ、48は撮像素子である。また、61はレーザ光源11から試料28に入射する入射光、62は入射光61のうち試料28でラマン散乱されて試料28から出射された出射光、71は照明光源41から試料28に入射する照明光、72は照明光源41から入射した照明光71のうち試料28を透過した透過光である。
光学顕微鏡1はレーザ光源11、出射光62を分光する分光器33、分光器33で分光された出射光62を検出する検出器34及びレーザ光源11と分光器33との間の光学系を有するラマン顕微鏡並びに、照明光源41、照明光源41から入射して試料28を透過した透過光72を検出するCCDカメラ48及び照明光源41からCCDカメラ48までの光学系を有する位相差顕微鏡を備えている。位相差顕微鏡とラマン顕微鏡では光学系が重複した部分を有している。本実施の形態かかる光学顕微鏡1では、レーザ光源11又は照明光源41をオフすることにより、ラマン顕微鏡又は位相差顕微鏡のいずれか一方で観察することができる。すなわちラマン顕微鏡及び位相差顕微鏡が排他的に使用される。なお、光源をオフする他、レーザ光源11又は照明光源41からの光を遮るシャッターをそれぞれ設けて、いずれか一方からの光を遮光してもよい。
まず、光学顕微鏡1のうちのラマン顕微鏡の構成について図1を参照して説明する。レーザ光源11は単色のレーザ光を出射する。レーザ光源11には、例えば、スペクトラフィジックス社製Millenniaを用いることができる。このレーザ光源11はレーザ波長532nm、線幅0.24nm、最大出力が10WのNd/YVO4レーザである。レーザ光源11はこのレーザ波長を有するレーザ光を出射する。レーザ光源11からのレーザ光が後述の光学系を伝播して試料28に入射する入射光61となる。
レーザ光源11からの入射光61は図示しないレンズなどにより平行光束となって、ミラー12に入射する。そして、入射光61はミラー12で反射され第1の第1のシリンドリカルレンズ13に入射する。第1のシリンドリカルレンズ13は入射光61を1方向にのみ屈折する。以下、光の伝播方向、すなわち光軸方向をZ方向とし、Z方向に垂直な平面をXY平面として説明する。第1のシリンドリカルレンズ13はY方向の焦点距離が50mmのレンズであり、入射光61をY方向に屈折させる。第1のシリンドリカルレンズ13によってY方向に屈折された入射光61はライン状に集光される。すなわち、入射光61は第1のシリンドリカルレンズ13により一旦、X方向に沿ったライン状の光ビームに変換される。ライン状に集光された入射光61は広がって、第2のシリンドリカルレンズ14に入射する。第2のシリンドリカルレンズ14はY方向の焦点距離が100mmのレンズである。第2のシリンドリカルレンズ14は入射光61をY方向に屈折させ、平行光束に変換する。すなわち、第2のシリンドリカルレンズ14からの入射光61はY方向に伸びたビーム形状をしている。換言すると第1のシリンドリカルレンズ13及び第2のシリンドリカルレンズ14はY方向にビーム径を広げるビームエキスパンダーである。
第2のシリンドリカルレンズ14からの入射光61は第3のシリンドリカルレンズ15に入射する。第3のシリンドリカルレンズ15はX方向の焦点距離が100mmのレンズである。第3のシリンドリカルレンズ15はX方向に入射光61を屈折させる。この第3のシリンドリカルレンズ15によって、入射光61はX方向に集光される。よって、第3のシリンドリカルレンズ15は入射光61をY方向に沿ったライン状の光ビームに変換する。シリンドリカルレンズを用いることにより効率よくライン状の光に変換することができる。第3のシリンドリカルレンズ15はアイリス絞り39の位置で入射光61を結像する。すなわち、第3のシリンドリカルレンズ15はアイリス絞り39の位置で、入射光61がライン状に光ビームとなるよう集光する。換言すると、第3のシリンドリカルレンズ15の後の像面部にアイリス絞り39を配置する。アイリス絞り39はライン状の入射光61の方向に対応するスリット状の開口部を有している。アイリス絞り39は試料28に集光されるライン状の入射光61の大きさを設定する。このアイリス絞り39の開口部の大きさを可変とすることによって、試料28上における入射光61の光ビームのスポットの大きさ、すなわちラマン顕微鏡における照明領域を調整することができる。
第3のシリンドリカルレンズ15によって屈折され、アイリス絞り39を通過してライン状に変換された入射光61はX方向に広がってレンズ16に入射する。レンズ16は例えば、焦点距離160mmのレンズである。レンズ16は、第3のシリンドリカルレンズ15により一旦ライン状に集光された後、広がって入射する入射光61を屈折して、平行光束にする。レンズ16からの入射光61の一部は第2のビームスプリッタ21及び第1のビームスプリッタ22を通過して、ガルバノミラー23に入射する。ガルバノミラー23は入射光61を走査するとともに、レンズ24の方向に反射する。すなわち、ガルバノミラー23はライン状に変換された光ビームを走査する走査手段である。処理装置35から電気信号を入力してガルバノミラー23の角度を変えることにより、入射光61を走査することができる。
ガルバノミラー23で反射された入射光61はレンズ24に入射する。レンズ24は例えば、焦点距離が200mmのレンズであり、入射光61を屈折させる。レンズ24で屈折された入射光61は、ミラー25に入射する。ミラー25に入射した入射光61は反射され、レンズ26に入射する。レンズ26は例えば、焦点距離が200mmのレンズである。レンズ26は入射光61を屈折して、対物レンズ27に入射させる。対物レンズ27は入射光61を集光して試料28に入射させる。対物レンズ27には、例えば、ニコン製アポクロマート NA 1.2 x60を用いることができる。対物レンズ27は第3のシリンドリカルレンズ15によってライン状に変換された入射光61を試料面上においてライン状に集光する。すなわち、アイリス絞り39と試料28とは互いに共役な関係に配置される。
試料28に入射した入射光61の一部はラマン散乱される。試料28に入射した入射光61のうち、ラマン散乱により対物レンズ27側に出射した光を出射光62とする。すなわち、ラマン散乱光のうち、対物レンズ27に入射したものを出射光62とする。ラマン散乱された出射光62は入射光61とは異なる波長となっている。すなわち、ラマンシフトによって出射光62は入射光61の振動数からずれて散乱される。この出射光62のスペクトルがラマンスペクトルとなる。したがって、出射光62のスペクトルを測定することにより、試料28中に含まれる物質の化学構造及び物理的状態を特定することができる。すなわち、ラマンスペクトルには、試料28を構成する物質の振動数の情報が含まれるため、出射光62を分光器33で分光して検出することにより、試料28中の物質を特定することができる。そして、入射光61をXYZ方向にスキャンして試料28の全面又は一部の領域からの出射光62のスペクトルを測定することにより、ラマンスペクトルの3次元測定を行うことができる。測定したラマンスペクトルのうち、特定の波長に注目することにより、特定の物質の3次元空間分布の測定も可能となる。具体的には、試料28を生体細胞とした場合、核酸や脂質の空間分布あるいはスクロースやポリスチレン球の空間分布を測定することができる。
ラマン散乱され、対物レンズ27に入射した出射光62は、入射光61と同じ光路を伝播していく。すなわち、対物レンズ27により屈折され、ミラー25で反射され、レンズ24で屈折され、ガルバノミラー23で反射され、第1のビームスプリッタ22に入射する。第1のビームスプリッタ22は入射した出射光62のうち、一部をレンズ31の方向に反射する。例えば、第1のビームスプリッタ22は反射率が80%で透過率が20%のものを用いている。すなわち、第1のビームスプリッタ22に入射された出射光62のうち、80%の光がレンズ31に入射する。レンズ31と第1のビームスプリッタ22との間にはエッジフィルタ38が配置されている。このエッジフィルタ38により、レーザ波長と同じ波長の散乱光が除去される。すなわち、エッジフィルタ38はレーリー散乱光とラマン散乱光との波長差に基づいてレーリー散乱光を除去する。これにより、ラマン散乱による出射光62からレーザ波長と同じ波長の散乱光が分離される。なお、レーザ波長の光を遮光するエッジフィルタの替わりに、第1のビームスプリッタ22としてダイクロイックミラーを用いてもよい。これにより、効率よくラマン散乱光のみを検出することができる。
エッジフィルタ38を通過した出射光62は、レンズ31に入射する。レンズ31を通過した光は入射側に入射スリット32が有する分光器33に入射する。すなわち、出射光62は入射スリット32を通過して、分光器33で分光される。レンズ31は出射光62を屈折させて、入射スリット32上に結像する。ここで、試料28面上において入射光61はライン状に結像されているため、入射スリット32上において出射光62はライン状に集光される。入射スリット32の方向とライン状の出射光62の方向を一致させる。すなわち、試料28上のライン状の入射光と入射スリット32の開口とは互いに共役な関係となるよう配置される。したがって、ラマン顕微鏡はコンフォーカル光学系として構成される。すなわち、アイリス絞り39と試料28面上とが互いに共役な関係となるように配置され、試料28面上と入射スリット32とが互いに共役な関係となるように配置されている。したがって、アイリス絞り39が設けられたXY平面及び試料28が設けられた面上において、入射光61はY方向に沿ってライン状に集光される。そして、試料28から散乱して出射した出射光62は入射スリット32上でY方向に沿ってライン状に集光される。そして、入射スリット32はY方向に沿った開口部を有しており、この開口部に入射した光のみを検出器34側に透過させる。レーザ光源11から試料28までの照明光学系及び試料28から検出器34まで観察光学系をこのような結像光学系とすることにより、共焦点ラマン顕微鏡とすることができる。これにより、Z方向の分解能の高い測定を行うことができる。
分光器33は回折格子(グレーティング)やプリズムなどの分光素子を備えており、入射スリット32から入射した光をその波長に応じて空間的に分散させる。反射型回折格子を用いた分光器33の場合、さらに入射スリット32からの光を分光素子までに導く球面ミラーと分光素子によって分光された光を検出器34まで導く球面ミラーなどの光学系が設けられている。出射光62は分光器33によって入射スリット32の方向と垂直な方向に分散される。分光器33により分光された出射光62は検出器34に入射する。検出器34は受光素子がマトリクス状に配列されたエリアセンサである。すなわち、検出器34は画素がアレイ状に配置された2次元CCDなどの2次元アレイ光検出器である。
検出器34は、イメージインテンシファイア付き冷却CCDを用いることができる。検出器34は例えば、プリンストン・インスツルメンツ社製1024×256画素の電子冷却CCD(−25℃)を用いることができる。検出器34の画素は、入射スリット32に対応する方向に沿って配置されている。したがって、検出器34の画素の一方の配列方向は入射スリット32の方向と一致し、他方の配列方向は、分光器33の分散方向と一致する。ここで、検出器34の入射スリット32の方向に対応する方向をY方向とし、入射スリット32と垂直な方向、すなわち、分光器33によって出射光62が分散される方向をX方向とする。
検出器34は各画素で受光した出射光62の光強度に応じた検出信号を処理装置35に出力する。処理装置35はパーソナルコンピュータ(PC)などの情報処理装置であり、検出器34からの検出信号をメモリなどに記憶していく。そして、検出結果に所定の処理を行い、モニターに表示する。さらに、処理装置35はガルバノミラー23の走査や、図示しない試料28のステージの駆動を制御している。ここで、検出器34のX方向は出射光62の波長(振動数)に対応している。すなわち、X方向に配列されている画素列において、一端の画素は長波長(低振動数)の出射光62を検出し、他端の画素は短波長(高振動数)の出射光62を検出する。このように、検出器34のX方向における光強度の分布はラマンスペクトルの分布を示すことになる。
一方、ライン状の入射光61を用いているため、検出器34のY方向は、試料28のY方向に対応している。すなわち、Y方向に配列されている画素列において、一端の画素はライン状の入射光61によって照明された領域の一端からの出射光62を検出し、他端の画素はライン状の入射光61によって照明された領域の他端からの出射光62を検出している。換言すれば、検出器34のY方向に配列された画素の位置は、試料28上での位置に対応しており、Y方向の光強度分布は、試料28上における出射光62の空間分布を示すことになる。このように検出器34の受光面におけるX方向の位置はラマンスペクトルの波長に対応し、Y方向の位置は試料28上での位置に対応する。そして、入射光61をガルバノミラー23により走査して、試料28と入射光61との相対位置をX方向にずらしていく。試料28上での照明領域をX方向に走査することにより、ライン状の入射光61の長さ及び走査距離に対応する領域を照明することができる。これにより、ラマンスペクトルの2次元空間分布を測定することができる。さらに、ガルバノミラー23の走査距離が十分でない場合は、試料28を駆動ステージとして照明領域を広くしてもよい。
本実施の形態では、ライン状の入射光61を走査している。これにより、試料28のXY平面における任意のポイントのラマンスペクトルを測定することができる。さらに、点照明を走査する場合やステージを走査する場合に比べて、走査速度を向上することができるため、スペクトルの測定時間を短縮化することができる。すなわち、試料28の広い領域におけるラマンスペクトルの測定を短時間で行うことができる。よって、試料28の観察領域を広くした場合でも、長時間の測定時間が必要とならない。これにより、ラマンスペクトルの波長分解能を向上した場合や、より広い範囲のスペクトルを測定した場合でも、測定時間が長時間とならず、実用的な観察を行なうことができる。例えば、任意の波長(振動数)のラマン散乱光に着目した2次元像の観察や試料28の特定の点におけるラマンスペクトルの測定を高い分解能で行なうことができる。
さらに、本実施の形態では、ラマン顕微鏡をライン状に光を集光するコンフォーカル光学系として構成している。これにより、Z方向の分解能を向上することができるため、ラマンスペクトルの3次元測定が可能になる。すなわち、対物レンズ27の試料28との相対距離を変化させ、試料28上の焦点位置をZ方向に走査することができる。これにより、XYZ方向の走査が可能となり、ラマンスペクトルを3次元空間分布の測定をすることができる。換言すると、立体的な試料28の任意にポイントにおいて、ラマンスペクトルを測定することができる。このような、ラマンスペクトルの3次元空間分布を測定した場合でも、ライン状に照明することにより、測定時間を短縮することができる。よって、実用的な時間で測定を行うことができる。
次に、位相差顕微鏡の構成について説明する。位相差顕微鏡の照明光源41にはランプ光源が用いられている。照明光源41はラマン顕微鏡の対物レンズ27と反対側に配置されている。照明光源41から出射した照明光71はレンズ42で屈折され、リングスリット43に入射する。リングスリット43はリング状の領域に光を透過する透過部が設けられた輪帯である。リングスリット43は照明光源41からの照明光71をリング状の照明光71に変換する。リングスリット43によりリング状に変換された照明光71はコンデンサーレンズ44により集光された試料28に入射する。コンデンサーレンズ44は試料28上でリング状の照明光71が重なるように集光する。
コンデンサーレンズ44で集光された照明光71のうち、試料28を透過した透過光72は、対物レンズ27に入射する。透過光72は出射光62が入射する光学部品と同じ光学部品を伝播していく。すなわち、透過光72は、対物レンズ27で屈折され、レンズ26で屈折され、ミラー25で反射され、レンズ24で屈折され、ガルバノミラー23に入射する。位相差顕微鏡を用いる場合、ガルバノミラー23による走査を行わないで観察を行なう。例えば、ガルバノミラー23はレンズ24の光軸に対して45°傾斜して配置されている。よって、ガルバノミラー23は、透過光を90°の角度で反射させて、第1のビームスプリッタ22の方向に反射する。第1のビームスプリッタ22に入射した透過光の一部は第2のビームスプリッタ21に入射する。上述のように、第1のビームスプリッタ22の透過率は20%であるので、第1のビームスプリッタ22に入射した透過光72のうちの20%が第2のビームスプリッタ21に入射する。第2のビームスプリッタ21に入射した透過光72のうちの一部は反射され、レンズ45aに入射する。そして、透過光72は、レンズ45aで屈折されて、レンズ45bに入射する。レンズ45aで屈折された透過光72はレンズ45aの前側で結像して、レンズ45bに入射する。レンズ45bは、入射した透過光72を屈折させる。レンズ45bにより屈折された透過光72は、位相板46に入射する。
位相板46はリング状の位相膜が設けられている。このリング状の位相膜に入射した光は、その他の領域に入射した光からπ/2の位相差が与えられる。すなわち、リング状の位相膜が設けられた領域に入射した透過光72は、その内側及びその外側に入射した透過光72よりもπ/2だけ位相が遅れる。位相板46を通過した透過光72はレンズ47で屈折されて、CCDカメラ48に入射する。レンズ47はCCDカメラ48の受光面に透過光を結像するよう配置されている。
このように位相差顕微鏡を設けることによって、試料28の屈折率の異なる位相物体の分布を観察することができる。したがって、細胞の状態を維持できる緩衝溶液中に細胞を注入した場合において、緩衝溶液と細胞との間に透過率の差がほとんどない物質であっても屈折率の差によって細胞を観察することができる。すなわち、緩衝溶液に対して細胞が位相物体となる。この、位相物体の分布、すなわち細胞の空間分布を位相差顕微鏡で観察できる。そして、その細胞の密度が高い領域のみラマンスペクトルの3次元空間分布を測定する。すなわち、透明な緩衝溶液中に透明な細胞を注入した場合であっても細胞の空間分布を測定することができる。このように、上記の構成により効率的な測定を行うことができるため、実質的に長時間ラマンスペクトルの測定を行うことができる。よって光学顕微鏡の利便性を向上することができる。
光学顕微鏡1は、位相差顕微鏡とラマン顕微鏡を備える構成をしているため、様々な観察を行なうことができる。光学顕微鏡の応用範囲を広くすることができ、今までに不可能であった観察を行なうことができる。この光学系により、高分解能でラマンスペクトルを測定することができる。また、高い分解能でラマンスペクトルの3次元空間分布を測定した場合であっても、測定時間を短縮することができる。例えば、Hela細胞などの細胞の観察を高分解能で行なうことができる。
次に試料28の近傍の構成について図2〜図4を用いて説明する。図2は試料28の近傍の光学系を模式的に示す図である。図3は試料28上における入射光61のスポットを示す平面図である。図4はリングスリット43の構成を示す平面図である。
まず、ラマン顕微鏡において、試料28に入射するレーザ光源11からの入射光61について説明する。入射光61は対物レンズ27により、試料28に集光される。試料28は透明なステージ29に載置されている。ステージ29はXYZステージとすることが好ましい。ここでは、試料28の対物レンズ27側の表面に集光される様子について図示しているが、Z方向に走査する場合は、対物レンズ27又はステージ29を移動して、対物レンズ27と試料28との間の距離を光軸に沿って変化させればよい。例えば、対物レンズ27とステージ29との距離は処理装置35により変化させることができる。このように、対物レンズ27と試料28との距離を可変とすることにより、ラマンスペクトルの3次元空間分布を測定することができる。なお、ガルバノミラー23の替わりにステージ29でX方向に走査してもよい。このようにステージ29を走査することによっても試料28全面を観察することができる。
この入射光61は試料28上において図に示すよう照射される。シリンドリカルレンズ15によって入射光61はライン状に変換されているため、試料28上において入射光61の光ビームのスポットはライン状となっている。入射光61はシリンドリカルレンズ15によって変換された方向、すなわち、Y方向に沿って、ライン状となっている。ライン状の入射光61のスポットは例えば、Y方向に60μm程度の長さとすることができる。このライン状の入射光61はガルバノミラー23によって例えば、X方向に走査される。すなわち、入射光61がライン状に延びている方向と垂直な方向に走査を行う。これにより、試料28の一定の領域を照明することができる。この入射光61のうち、試料28で散乱されて出射された出射光62が上述のように分光器33で分光され、検出器34で検出される。
次に、位相差顕微鏡における、照明光源41からの照明光71について説明する。照明光71はレンズ42を介してリングスリット43に入射する。リングスリット43は入射した照明光71をリング状の照明光71に変換する。このリングスリット43の形状は図5に示すようになっている。図はリングスリット43の構成を示す平面図である。リングスリット43はリング状の透過部43aが形成された円板により構成されている。透過部43aの外側及び内側には遮光部43bが形成されている。透過部43aに入射した光はリングスリット43を透過し、遮光部43bに入射した光はリングスリット43により遮光される。なお、透過部43aの内側の遮光部43bと外側の遮光部43bとを接続する接続部43cが透過部43aを横切るよう配置される。この接続部43cによって、リング状の透過部43aは3つに分断される。この接続部43cは均等、すなわち、120°毎に設けることがこのましい。接続部43cに入射した光は遮光部43bと同様に遮光される。
このような透過部43aを有する円形の板によって、リングスリット43を構成することができる。なお、上記の説明ではリングスリット43は円形の板により構成したが、これに限るものではない。例えば、リングスリット43を液晶素子などによって構成してもよい。あるいは、透明な板の上に遮光膜を形成して遮光部43bを形成してもよい。
このリングスリット43を透過した内側及び外側に照明光71は広がって、コンデンサーレンズ44に入射する。コンデンサーレンズ44はリングスリット43から広がって入射する照明光71を試料28に屈折させる。この照明光71は透明なステージ29を介して試料28を照明する。これにより、試料28の所定の領域が照明光71により照明される。この照明光71のうち、試料28を透過した透過光72をCCDカメラ48で検出する。このように試料28の前面側及び背面側から照明光源41からの照明光71及びレーザ光源からのレーザ光を入射させる。これにより、簡易な光学系で位相差顕微鏡とラマン顕微鏡とを有する光学顕微鏡1を構成することができる。
つぎに、分光器33の入射スリット32上における出射光62のビームスポットについて図5を用いて説明する。図5は入射スリット32の構成を示す平面図であり、合わせて出射光62についても図示している。入射スリット32はY方向に延びた開口部32aを有している。この、開口部32aを通過した光が分光器33で分光され、検出器34に入射する。入射スリット32の幅、すなわち、入射スリット32の開口部32aのX方向の幅は、例えば、10μmとすることができる。入射スリット32にはライン状のビームスポットを有する出射光62が入射される。すなわち、入射光61はシリンドリカルレンズ15及びアイリス絞り39によってライン状に変換された後、試料28に入射されているので、入射スリット32上においてもY方向に沿ったライン状のスポットを形成する。
試料上のライン状の入射光61と分光器33の入射スリット32とが結像関係にあることで、ラマン顕微鏡はスリット共焦点光学系となっている。すなわち、アイリス絞り39と試料28上におけるライン状の入射光61が互いに共役な位置関係となっており、入射スリット32の開口部32aと試料28上におけるライン状の入射光61が互いに共役な位置関係となっている。これにより、入射光61が集光している面以外で出射された出射光62を入射スリット32により除去することができる。例えば、図2に示したように試料28の対物レンズ側の表面に集光されている場合、その他の面からのラマン散乱光等は入射スリット32の開口部32aの外側に入射して、除去される。すなわち、試料28の内部からの出射光62は図5に示すように入射スリット32の開口部32aの外側に入射する。したがって、所定の面以外からの出射光62は入射スリット32によって遮光され、検出に寄与しない。このように、コンフォーカル光学系とすることにより、Z方向の分解能を向上することができる。なお、試料面と検出器34での受光面での像の倍率は、例えば、50倍とすることができる。この場合、60μmの長さのライン状の照明が、検出器34の受光面では約3mmとなる。
このように入射スリット32を通過した出射光62は分光器33で分光され、検出器34に入射する。分光器33はスリット状の出射光62をその波長(振動数)に応じて、X方向に分散させる。すなわち、分光器33は、スリット状の出射光62をその方向と垂直な方向に分散させる。分光器33で分散されたスリット状に出射光62を2次元アレイの検出器34で検出する。これにより、ラマンスペクトルの空間分布を測定することができる。
具体的には、検出器34の画素がXY方向に配列されているとすると。X方向は出射光の波長を示し、Y方向は出射光62の試料28上での位置を示す。すなわち、X方向に同じ位置にある画素において受光される出射光62は同じ波長である。試料面上の同じ位置から出射された出射光であっても、その波長が異なる場合、X方向において異なる画素で受光される。一方、Y方向の同じ位置にある画素において受光される出射光62は、試料28上においてY方向の同じ位置から出射されている。同じ波長の出射光62は、試料面上でのY方向の位置に応じて、受光面上でのY方向において異なる画素で受光される。換言すると、検出器34の受光面上のX―Y平面における光の強度分布は、出射光62のω―Y平面での強度分布を示す。なお、ωは出射光62の角振動数である。このようにライン状に照明することにより、測定時間を短縮することができる。具体的には1/(1ライン分の画素数)だけ、測定時間を短縮することができる。さらに、広範な観察範囲の測定を行った場合でも、解像度を下げることなく測定を行うことができる。また、レーザ光をライン状として照明しているため、従来のラマン顕微鏡と比べて、単位面積当たりのレーザ強度を低減することができる。すなわち、点光源であるレーザ光源からのレーザ光を空間的に分散させて線照明としているため、単位面積当たりのレーザ強度を低減することができる。したがって、点照明の場合と同じ照射量を照射しようとした場合でも、単位時間、単位面積当たりのレーザ照射量を低減することができる。これにより、レーザ光による試料の損傷を防ぐことができる。特にレーザ光に対して損傷しやすい生体を試料とする場合に有効である。
ここで、入射光61を走査したときに検出器34で検出される出射光62について図6を用いて説明する。図6は、本発明にかかる光学顕微鏡1において2次元測定されるラマンスペクトルを示すイメージ図である。図6(a)は試料面上において走査される入射光61を模式的に示す図である。図6(b)は図6(a)に示すように入射光61を走査したときに検出器の受光面を概念的に示す図である。
図6(a)に示すように、試料28上において、Y方向に沿ったライン状の入射光61はX方向に走査される。ここで、試料28上においてライン状の入射光61a、入射光61b、入射光61c、入射光61dの順で走査したものとして説明する。このとき、入射光61a、入射光61b、入射光61c及び入射光61dのそれぞれの位置からの出射光について、検出器34によりラマンスペクトルの測定が行われたものとする。ここで、入射光61aからの出射光62が検出器に入射したときの受光面を受光面65aとする。すなわち、入射光61aの位置からのラマン散乱光である出射光62は受光面65aに入射する。同様に、入射光61b、入射光61b及び入射光61cからの出射光62が検出器に入射したときの受光面をそれぞれ受光面65b、受光面65c及び受光面65dとする。この受光面65a〜65dのそれぞれにおける光強度分布がY方向におけるラマンスペクトルの分布を表している。したがって、図6(b)に示すように、この受光面65a〜65dまでの測定結果をX方向に並べることで、XY平面におけるラマンスペクトルの分布を測定することができる。さらに、Z方向に走査することで、XYZ−ωの4次元の測定を行うことができる。4次元測定を行うことにより、様々なスペクトル解析を行なうことができる。
次に、位相差顕微鏡の構成について図7及び図8を用いて説明する。図7は位相差顕微鏡の光学系の構成を示す図である。図8は位相板の構成を示す平面図である。なお、図7において、ステージ29とレンズ26からレンズ45bまでの光学系とは省略して図示している。また、図7ではリングスリット43の光透過部の一方のみから通過する照明光71及びその照明光71による0次の回折光74と+1次の回折光73のみを代表して図示している。照明光源41からの照明光71はレンズ42により屈折されてリングスリット43に入射する。リングスリット43は例えば、図4に示した形状のものを用いることができる。リングスリット43に入射した照明光71は透過部43aのみ通過することができるためリング状に変換される。リング状の照明光71はコンデンサーレンズ44により集光されて、試料28を照明する。リング状の照明光71は試料28上で光軸上の点を中心として重なるように集光されている。ここで、リング状の照明光71は光軸上の点を含む領域を照明するようコンデンサーレンズ44により集光されている。試料28に入射した照明光71のうち試料28を透過した透過光72は0次の回折光(直接光)74と1次の回折光73とを含んでいる。すなわち、試料28における屈折率の差、すなわち位相に差があると、回折を生じる。位相差量が小さいとき、0次の回折光74と1次の回折光73は1/4波長(π/2)ずれている。
0次の回折光74を照明光71の入射方向と同じ方向で試料28を透過する。一方、1次の回折光73は照明光71の入射方向から所定の角度(回折角)だけ傾いて試料28を照射する。なお、ここでは、説明の簡略化のため試料28やステージにおける屈折を省略して説明している。0次の回折光74と1次の回折光73とを含む透過光72は対物レンズ27に入射する。そして、対物レンズ27により屈折され、図1で示した光学系を伝播する。このとき、0次の回折光74と1次の回折光73とは異なる経路で伝播して、位相板46に入射する。位相板46には図8に示すようリング状の位相膜46aが設けられている。すなわち、位相板46は、透明な円板とその上に設けられたリング状の位相膜46aから構成される。0次の回折光74は位相板46の位相膜46aが設けられた領域に入射する。一方、1次の回折光73は位相板46の位相膜46aが設けられていない領域に入射する。すなわち、一次の回折光73はリング状の位相膜46aより内側の領域に入射する。なお、図7では+1次の回折光73しか図示していないため、1次の回折光73は位相膜46aの内側のみを通過しているが、−1次の回折光は位相膜46aより外側を通過する。
位相膜46aは入射した光の位相を1/4波長遅らせて出射する。すなわち、位相膜46aが設けられた領域に入射した0次の回折光74は位相膜46a設けられていない領域に入射した1次の回折光73に比べて、1/4波長遅れて出射する。リングスリット43と位相板46とは互いに共役な関係となっている。よって、リングスリット43の透過部43aと位相膜46aとは試料28を介して互いに共役な形状をしている。したがって、0次の回折光74のみ位相膜46aが設けられた領域に入射して、1次の回折光73は位相膜46aが設けられていない領域に入射する。このように、位相板46はリングスリット43の透過部43aに対応する領域に位相差を設ける。
この、1次の回折光73と0次の回折光74とがレンズ47により集光されてCCDカメラ48の受光面に入射する。1次の回折光73と0次の回折光74とは、CCDカメラ48の受光面において、同じ領域に入射する。すなわち、レンズ47は1次の回折光73と0次の回折光74がCCDカメラ48の受光面において、レンズ47の光軸上の点を中心として重なるよう透過光72を集光する。
位相膜46aによって、0次の回折光74と1次の回折光73とは1/4波長ずれているため、干渉により位相物体が明るくなる。これにより、位相物体のXY平面における分布を測定することができる。
なお、1次の回折光73の強度が0次の回折光74に比べて弱い場合、位相膜46aが設けられている領域の透過率を低くしてもよい。具体的には、吸収膜を位相膜46aが設けられている領域に設ける。これにより、コントラストを高くすることができる。また、上述の説明では、0次の回折光74が入射する領域の位相をπ/2遅らせたが、π/2進ませてもよい。例えば、リング状の領域だけ位相板46の厚さを薄くすることにより、位相を進ませることができる。なお、位相差顕微鏡の構成は上述の構成に限られるものではない。
ここで、出射光62の光路を入射光61の光路から分岐する第1のブームスプリッタ22を第2のビームスプリッタ21よりも試料28側に配置している。すなわち、第2のビームスプリッタ21により分岐される透過光72は、第1のビームスプリッタ22を介して第2のビームスプリッタ21に入射する。第1のビームスプリッタ22と第3のシリンドリカルレンズ15の間に、第2のビームスプリッタ22が配置される。このような配置にすることにより、ラマン顕微鏡と位相差顕微鏡とを備える光学顕微鏡において、ラマン散乱光の強度を低下させることなく観察することができる。すなわち、入射光61は第2のビームスプリッタ22を通過するが、出射光62は第2のビームスプリッタ21を通過することがない。これによって、第2のビームスプリッタ21による光の損失がなくなり、ラマン散乱光の強度低下を抑制することができる。したがって、測定時間が長くなるのを防ぐことができる。
なお、上述の説明では、ラマン顕微鏡を備えた光学顕微鏡1について説明したが、本発明はこれに限られるものでない。入射光61のレーザ波長と異なる波長で試料から出射する出射光62を検出する顕微鏡であればよい。例えば、励起光によって励起される蛍光を検出する顕微鏡や、赤外吸収を検出する顕微鏡であってもよい。これらの顕微鏡でも、短時間で、スペクトルの空間分布の測定を行うことができる。
上記の説明では、第1のビームスプリッタ22を反射した出射光62と第2のビームスプリッタ21を反射した透過光72を検出したが、光学系の配置を変えてビームスプリッタを透過した光を検出するようにしてもよい。
上記のように、入射光61の光ビームを走査することによって、走査速度を速くすることができる。これにより、測定時間を短縮化することができる。なお、上記の説明では、走査手段をガルバノミラー23として説明したが、これに限るものでもよい。例えば、音響光学偏光器(AOD)を用いて入射光61を走査してもよい。また、レーザ光源11からのレーザ光をライン状に変換する光変換手段はシリンドリカルレンズ、ライン状の開口を有するアイリス絞り及びパウエルレンズを単独で、あるいは組み合わせて構成することができる。
本発明にかかる光学顕微鏡の構成を示す図である。 本発明にかかる光学顕微鏡において、試料近傍の構成を模式的に示す図である。 本発明にかかる光学顕微鏡において、レーザ光源から試料に入射する入射光を説明するための図である。 本発明にかかる光学顕微鏡において用いられるリングスリットの構成を示す平面図である。 本発明にかかる光学顕微鏡において用いられるスリットに入射する出射光を説明するための図である。 本発明にかかる光学顕微鏡において2次元測定されるラマンスペクトルを示すイメージ図である。 本発明にかかる光学顕微鏡の一部である位相差顕微鏡の光学系の一例を示す図である。 本発明にかかる光学顕微鏡において用いられる位相板の構成を示す平面図である。
符号の説明
11 レーザ光源、12 ミラー、13 第1のシリンドリカルレンズ、
14 第2の第3のシリンドリカルレンズ15 第3のシリンドリカルレンズ、
16 レンズ、21 第2のビームスプリッタ、22 第1のビームスプリッタ、
23 ガルバノミラー、24 レンズ、25 ミラー、26 レンズ、
27 対物レンズ、28 試料、31 レンズ、32 スリット、33 分光器、
34 検出器、35 処理装置、38 エッジフィルタ、39 アイリス絞り、
41 照明光源、42 レンズ、43 リングスリット、43a 透過部、
44 コンデンサーレンズ、45 レンズ、
46 位相板、46a 位相差膜、47 レンズ、48 CCDカメラ、
61 入射光、62 出射光、71 照明光、73 0次の回折光、74 1次の回折光

Claims (11)

  1. レーザ光源と、
    前記レーザ光源からの光ビームをライン状の光ビームに変換する光変換手段と、
    前記ライン状に変換された光ビームを走査する走査手段と、
    前記走査手段により走査された光ビームをライン状に集光して試料に入射させる対物レンズと、
    波長差に基づいて光を分岐する第1のビームスプリッタであって、前記試料に入射された光ビームのうち、異なる波長となって前記試料から前記対物レンズ側に出射する出射光を前記レーザ光源から前記試料に入射するライン状の光ビームと分岐する第1のビームスプリッタと、
    前記第1のビームスプリッタにより分岐された出射光が入射する入射側に前記ライン状の光ビームに対応する方向に沿って配置された入射スリットを有し、前記入射スリットを通過した前記出射光を波長に応じて空間的に分散させる分光器と、
    前記分光器で分散させた出射光を検出する2次元アレイ光検出器と、
    前記試料の前記対物レンズと反対側に配置され、照明光を出射する照明光源と、
    前記照明光源からの照明光をリング状の照明光にするリングスリットと、
    前記リング状の照明光を集光して前記試料に入射させるコンデンサーレンズと、
    前記コンデンサーレンズにより集光され前記試料を透過した透過光が前記対物レンズ及び第1のビームスプリッタを介して入射する第2のビームスプリッタであって、前記透過光の光路を前記レーザ光源からの前記入射光の光路と分岐する第2のビームスプリッタと、
    前記第2のビームスプリッタによって分岐された透過光の前記リングスリットに対応するリング状の領域に位相差を設ける位相板と、
    前記位相板からの透過光を撮像する撮像素子と、を備える光学顕微鏡。
  2. 前記走査手段がガルバノミラーであることを特徴とする請求項1に記載の光学顕微鏡。
  3. 前記走査手段が前記光ビームのラインの方向と垂直な方向に光ビームを走査する請求項1又は2に記載の光学顕微鏡。
  4. 前記光変換手段がシリンドリカルレンズであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光学顕微鏡。
  5. 前記シリンドリカルレンズにより前記入射光が集光される位置にスリット状の開口を有するアイリス絞りであって、前記開口の大きさが可変であるアイリス絞りが設けられている請求項4に記載の光学顕微鏡。
  6. 前記第1のビームスプリッタと前記2次元アレイ光検出器の間に、前記レーザ光源のレーザ波長の光を遮るフィルタが設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光学顕微鏡。
  7. 前記光変換手段により集光される面と試料面とが互いに共役な関係となり、前記試料面と前記入射スリットが互いに共役な関係となっている請求項1乃至6のいずれかに記載の光学顕微鏡。
  8. 前記対物レンズと前記試料との相対距離が可変であることを特徴とする請求項7に記載の光学顕微鏡。
  9. 前記撮像素子により、前記試料中の位相が異なる位相物体の分布を観察する請求項1乃至8のいずれかに記載の光学顕微鏡。
  10. 前記レーザ光源からのレーザ光と、前記照明光源からの照明光とが排他的に使用され、
    前記照明光源からの照明光が使用される際に、前記走査手段による走査が停止していることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の光学顕微鏡。
  11. 前記第1のビームスプリッタがダイクロイックミラーであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の光学顕微鏡。
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