JP4811631B2 - U字溝 - Google Patents
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スト面で不利である。さらに、上記従来のU字溝は、架け渡し材の補強材受容部として、U字溝の長手方向に延びる補強用の金属製の補助部材を併用する必要があるもの(特開平11−1956号公報)であるか、または補強材としての金属を一体成形してU字溝の両側壁上部に直接埋込む形式のもの(特開2000−129768号公報)である。これは、金属製の補強材を長手方向と幅方向にはしご状に配置することが剛性の著しい向上を図る上で効果的であると考えられるためである。しかしながら、架け渡し材の配置のために、U字溝に補助部材を装着しなければならないことは、U字溝の敷設の作業性をより悪くする。また、一体成形にてU字溝に補強材を埋込む形式のものはU字溝の製造に当たって工程数が多くコスト高になる。また、金属は腐食するので、金属製の架け渡し材は腐食による強度の減少および外観の悪化が生じるおそれがある。また、L字形のアングル型鋼材は、鋭利な部分が突出した状態で取り付けられるため、作業者を負傷させたり、作業者の衣服が引掛かり破れるおそれもある。従って、本発明の課題は、取り付けのために補助部材や固定具を必要とせずに簡単に取付けられ、しかも、簡単な形状で製造費も安価な架け渡し材を、横架、固定することによって、十分な強度と高い剛性を確保し得る、架け渡し材を備えた合成樹脂製のU字溝を提供することにある。また、金属製架け渡し材を使用した場合と比較してそれに劣らない強度が得られ、しかも腐食による悪影響がなくかつ、作業者が負傷しがちな鋭利な部分が突出した形状をもたない部材からなり、設置作業を安全にかつ容易迅速に行い得るU字溝を提供することにある。
最も好ましくは、本発明は、
断面U字形状の壁を形成するU字溝本体であって、該本体の壁底部から左右の壁側部の上部へと延びる凹条部位および凸条部位を交互に、U字溝の長手方向に連続形成することにより、波形に成形されたU字溝本体と、該本体の左右の壁側部の間に横架、固定される架け渡し材と、前記左右の壁側部の上部においてそれぞれ形成された、該架け渡し材の端部を嵌め止めることができる架け渡し材受け部とを備えてなる、U字溝であって、
前記架け渡し材は、角アングル材からなり、一方、
前記架け渡し材受け部は、該角アングル材の端部断面の形を取り囲むような略L字形の形状を成し、前記架け渡し材の端部を受け収めることができる受け凹部であり、さらに、
平板、または平坦な上面を有しかつ側面の両端部が切り欠かれた角アングル材からなる他の架け渡し材を備えるとともに、
前記U字溝本体は、前記左右の壁側部の上端が各々外方に延びて形成された、平坦な面部をそれぞれU字溝の長手方向に連続して形成することにより、該他の架け渡し材の端部を支持することができる他の架け渡し材受け面を左右それぞれ有してなり、そして、
前記凸条部位の上方に位置する該他の架け渡し材受け面上で、硬質合成樹脂または繊維強化樹脂からなるリベットを用いて、前記他の架け渡し材は鋲着されることを特徴とする、硬質合成樹脂または繊維強化樹脂からなるU字溝に関する。
明のU字溝本体は、その左右の壁側部の上部において凹条部位が内方に反った構造に成形されていれば、該壁側部上部においては外方から内方に絞り込まれた形状になるので、従来の単に凹凸条を底面から側面にかけてのみ配した合成樹脂製のU字溝に比べて壁側部の上部の剛性を高めることができる。さらに、本発明のU字溝本体は左右の壁側部に外方に突出するリブ部を設けることによって、より一層高い剛性が達成でき、また、このリブ部によって構成される壁側部から外側に突出した部分は、U字溝埋設の際に土砂が堆積しその荷重が負荷されるためU字溝をより効果的に固定し、U字溝の浮き上がりを防止する。しかしなお、本発明のU字溝の両壁側上部の架け渡し材受け面上に長手方向に沿って硬質合成樹脂または繊維強化樹脂製の補強材を装着することもできる。この装着によって、U字溝にさらにより高い剛性を与えることも可能である。従って、本発明により、作業効率と安全性が高く、軽量であるが剛性が高いU字溝が提供できる。
けられるものである。この態様においても、架け渡し材の形状は極めて簡単で製造に多くの工程を必要としない。この架け渡し材受け部は好ましくはU字溝の凹条部位に設けられ、架け渡し材が、U字溝本体側の突部に嵌合されたとき、その両端部が隣り合う凸条部位と密接する構造に設計されていれば、U字溝本体への架け渡し材の固定がより確実となり、剛性がさらに高められる。上記L字形の角アングル材並びに、管材、筒材または両端部に差込み孔を形成する軸材は極めて簡単に取り付けることが可能であるにも係らず、それらがもつ材料力学的特性により十分に高い剛性をもつので、U字溝本体の左右の壁側部上部付近に加わる種々の方向からの土圧荷重に対して十分な剛性を与える。しかもこの架け渡し材の形状は極めて簡単な形状であるため製造に多くの工程を必要としない。
本発明のU字溝1において、架け渡し材として略L字形の角アングル材7Aを使用する場合を図1〜3に示す。図1は本実施例のU字溝1の形状を説明する図であり、図2は本実施例のU字溝1の平面図であり、図3は、図2に対応する側面図である。U字溝1は、例えば幅180mm、240mm、300mm、400mm、500mm、600mm、700mm、800mm、900mm、1000mmの寸法規格を有する各種製品よりなり、いずれも直壁タイプである。図1ないし図3から明らかなように、ポリエチレン樹脂からなるU字溝本体2は、左右の壁側部4、4が各々、壁底部3から垂直に立ちあがった形状をなし、壁底部3から左右の壁側部4、4の上部へと延びるところの凹条部位5・・および凸条部位6・・を交互にU字溝1の長手方向に連続形成することにより、波形に成形されている。本実施例のように壁底部3から垂直に立ち上がった形状の他、U字溝本体2は上部に向けてやや外開きに立ち上がった形状をとってもよい。また本発明における断
面のU字形状とは、流体通路を形成する凹部空間を形成するもの一般を含み、本来のU字形の他、断面コの字形、あるいは上面が開放された断面半円状のものを含むものとする。また、本実施例ではU字溝本体及び、その他の部材の硬質合成樹脂としてポリエチレン樹脂を使用したが、他に、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド等が使用でき、また、不飽和ポリエステル等に、ガラス繊維、炭素繊維、有機繊維(ケブラー等)などを含有させた繊維強化樹脂(FRP、FRTP)等が利用できる。さらに、本発明のU字溝本体2はブロー成形、回転成形等により成形できる。図4は、図2中のA−A線で切断したU字溝本体2の凸条部位6・・の断面図を示すが、この図から明らかなように、本実施例のU字溝1の構造は、凸条部位6・・についてはそのまま左右の壁側部4、4の上端まで延び、その上端から外方に延びて平坦な面8、8を形成する。しかし、図2中のB−B線で切断したU字溝本体2の凹条部位5の断面図である図5から明らかであるように、凹条部位5・・は左右の壁側部4、4の上部において、そのまま上端まで延びるのではなく、内方に反った形状5a・・をとりながら左右の壁側部4、4の上端まで延び、上端から外方に延びて前記平坦な面8、8に繋がっている。この結果、U字溝本体2の両壁側部4、4の上部は全体として、外方から内方へ絞り込まれたような形状の構造をとる。この構造によって、U字溝1の敷設時、U字溝本体2の弱い部分である左右の壁側部4、4の上部付近に加わる種々の荷重方向からの土圧に対しより一層の剛性を与えるものである。
実施例では架け渡し材7AがU字溝本体2と同じ樹脂である例を述べたが、U字溝本体2と異なる硬質合成樹脂または繊維強化樹脂を使用してもよい。このようにして、U字溝の成形によって形成される架け渡し材受け凹部9・・に上記架け渡し材である角アングル7Aを横架し、嵌め止めることによって、本発明のU字溝1はU字溝本体2の両壁側部4、4にかかる土圧に対し高い剛性を得ることができ、U字溝本体2の変形が防止できる。
接続部2bを被うように嵌合される。また、接続方法は、接続部の水漏れを最小にするため、水の流れ方向がU字溝本体2の内嵌接続部2bから他のU字溝本体2の外嵌接続部2aに向かう方向となるように接続することが好ましい。
本実施例は、図17および図18に示すように、U字溝1において、架け渡し材として図20に示す管材7Cを使用する場合を第二の態様として示す。図17は本実施例のU字溝1の形状を説明する図であり、図18は本実施例のU字溝1の平面図であり、図19は、図18に対応する側面図である。この第二の態様においてもまた、実施例1と同様にU字溝本体2は壁底部3から左右の壁側部4,4の上部に延びる凹条部位5・・および凸条部位6・・を交互に、U字溝1の長手方向に連続形成することにより波形に成形されており、また凹条部位5・・は左右の壁側部4、4の上部において、内方に反った形状5a・・をとる。しかし図17、図21及び図22からも明らかなように本実施例では内方に反った形状5a・・の一部は、U字溝1の長手方向に対して一定の間隔で、架け渡し材である管材7Cが嵌合し得る突部11a・・を左右の壁側部4、4上部で対になるように形成し、かつ前記各突部11a・・の下側に嵌合された管材7Cを支持するための架け渡し材支持部11b・・を形成している。すなわち管材7Cのための架け渡し材受け部11・・はこれら突部11a・・と架け渡し材支持部11b・・により構成されるものである。本実施例では、図20に示すようなU字溝本体2と同じ材質からなる中空の角形の管材7Cを使用するが、架け渡し材は他の形状の管材、筒材または両端部に差込み孔を形成する軸材等の形状であってよく、使用する架け渡し材の形状に合せて突部11a・・および架け渡し材支持部11b・・の形状が設計される。本実施例の架け渡し材7CもまたU字溝本体2と異なる硬質合成樹脂または繊維強化樹脂を使用することもできる。図17、図21及び図22に示すように、架け渡し材である図20の樹脂製の管材7Cは、その両端部をU字溝壁側部4、4の両側を押し開くようにしてU字溝本体壁側部4、4の凹条部位5、5に形成された突部11a、11aに嵌合させ、支持部11b、11bに接するように両壁側部の間に横架させ固定する。さらに、本実施例では、図17及び図21に示すように、U字溝本体2において前記管材7Cは、突部11aに嵌合されたとき、その両端部が隣り合う凸条部位6・・と密接する構造に設計されているので、U字溝本体2への管材7Cは三方から支持されることとなり固定はより確実となる。架け渡し材としてこの管材7Cは、実施例1の角アングル材と同様に単なる嵌め込み作業により取り付けられるので、ネジやボルト・ナットならびにリベット等の固定具を必要とせずより迅速に進めることがで
きる。なお、本実施例の場合にも図18に示すように、実施例1と同様リベット10で鋲着することにより取付ける第二の架け渡し材7Bを併用することも可能である。また、図17ないし19にも示すように本実施例2においても実施例1と同様にU字溝本体2の左右の壁側部4、4にリブ部15を設けており、さらにまた、補強材20を左右の壁側部上部の平坦な架け渡し材受け面8、8に取り付けることも、壁底部3に浮上防止材30を取付けることもできる。このようにして、U字溝の成形によって形成される架け渡し材受け部11に上記架け渡し材である管材7Cを横架することによって、本発明のU字溝1はU字溝本体2の両壁側部4、4にかかる土圧に対し高い剛性を得ることができ、U字溝本体2の変形が防止できる。
5a 内方に反った形状 6 凸条部位 7A 角アングル材 7B 角アングル材 7C 管材 8 架け渡し材受け面 9 受け凹部 10 リベット
11a 突部 11b 支持部 15 リブ部 20 補強材
Claims (1)
- 断面U字形状の壁を形成するU字溝本体であって、該本体の壁底部から左右の壁側部の上部へと延びる凹条部位および凸条部位を交互に、U字溝の長手方向に連続形成することにより、波形に成形されたU字溝本体と、該本体の左右の壁側部の間に横架、固定される架け渡し材と、前記左右の壁側部の上部においてそれぞれ形成された、該架け渡し材の端部を嵌め止めることができる架け渡し材受け部とを備えてなる、U字溝であって、
前記架け渡し材は、角アングル材からなり、一方、
前記架け渡し材受け部は、該角アングル材の端部断面の形を取り囲むような略L字形の形状を成し、前記架け渡し材の端部を受け収めることができる受け凹部であり、さらに、
平板、または平坦な上面を有しかつ側面の両端部が切り欠かれた角アングル材からなる他の架け渡し材を備えるとともに、
前記U字溝本体は、前記左右の壁側部の上端が各々外方に延びて形成された、平坦な面部をそれぞれU字溝の長手方向に連続して形成することにより、該他の架け渡し材の端部を支持することができる他の架け渡し材受け面を左右それぞれ有してなり、そして、
前記凸条部位の上方に位置する該他の架け渡し材受け面上で、硬質合成樹脂または繊維強化樹脂からなるリベットを用いて、前記他の架け渡し材は鋲着されることを特徴とする、硬質合成樹脂または繊維強化樹脂からなるU字溝。
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