JP4811624B2 - 流体コネクタおよび流体コネクタ装置 - Google Patents

流体コネクタおよび流体コネクタ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、他方のコネクタと接離自在とされ、他方のコネクタとの間で流体の授受を行う流体コネクタに関する。また、本発明は、接離自在とされた一対の流体コネクタの間で流体の授受を行う流体コネクタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気エネルギーを生成する発電装置として、燃料電池が注目されている。燃料電池は、水素と酸素とが反応して水が生成される際に発生するエネルギーを電気エネルギーとして取り出す装置である。燃料電池は、電気エネルギーを取り出す際に有害な副次生成物が発生しないことから、地球環境に優しいクリーンな発電装置であり、今後ますます用途が広がるものとして期待されている。
【0003】
ところで、燃料電池の燃料である水素は、例えば、液体又は気体の状態で貯蔵する貯蔵タンクや、水素吸蔵合金を備える水素カートリッジなどを備える水素貯蔵装置から燃料電池に供給される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、燃料電池の普及に伴って、水素の流通や取引が一般化した場合、水素の供給をスムーズに行うためには、水素の供給側と受取側との間で双方の状態や仕様に関しての情報交換を行うことが求められる。
【0005】
具体的には例えば、水素貯蔵装置が燃料電池や水素を補充する水素補充装置に対して着脱自在に用いられる場合を想定すると、この水素貯蔵装置に対して水素を補充したり、この水素貯蔵装置に貯蔵された水素を燃料電池に供給したりする場合に、例えば、水素吸蔵合金の種別、内部温度、水素圧力、或いは水素残量などの情報を、水素の受取や供給を行うに先立って交換することが求められる。
【0006】
このような要求に対応するためには、水素貯蔵装置に通信機能や情報の記憶機能などを持たせて、この水素貯蔵装置と各種の装置との間で各種信号の送受信を行うことが考えられる。
【0007】
しかしながら、従来から用いられている配管の継ぎ手(コネクタ)は、内部を搬送される液体や気体のシール性(密封性)が最優先されており、電気信号等を伝達する信号線の接続については考慮されていない。したがって、液体や気体などの流体の流路と信号線との双方を装置間で接続する場合には、これら流路と信号線とを別々のコネクタで接続する必要がある。このため、接続ミスが発生しやすいことや、接続操作が煩雑であることなどの点で問題があった。
【0008】
また、例えば特開平10−139401号公報において図示されているように、流体の流路と信号線とが一体に構成されたコネクタも提案されてはいるものの、この場合にもコネクタの接続面に流体の流路と信号線の接続部とがそれぞれ別々に必要であり、接続不良が発生しやすいなどといった問題があった。
【0009】
そこで本発明は、上述した従来の実情に鑑みてなされたものであり、流体の流路を確実に接続するとともに、コネクタ間で信号の送受信を行うことが可能な流体コネクタ及び流体コネクタ装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述した目的を達成するために鋭意検討した結果、流体コネクタの接続部にそれぞれ電磁コイルを配設し、この電磁コイルで生じる電磁力を用いて流体コネクタ同士を吸着させるとともに、これら電磁コイル間で生じる電磁誘導により、信号を伝送することが可能であるという知見を得るに至った。
【0011】
すなわち、本発明の請求項1に係る流体コネクタは、対をなす他方のコネクタと接離自在とされ、前記他方のコネクタとの間で流体の授受を行う流体コネクタであって内部に流体の流路を有する中空状のコネクタ本体と、前記コネクタ本体の前記流路の周囲に配設された電磁コイルとを備え、前記電磁コイルへの印加電圧によって生ずる電磁力により前記他方の流体コネクタに吸着し互いの流路を接続すると共に、前記電磁コイルに変動成分を含む電圧が印加され、前記他方の流体コネクタ側の電磁コイルとの間で生ずる電磁誘導により前記他方の流体コネクタ側への信号を伝達する
【0012】
以上のように構成された本発明の請求項1に係る流体コネクタは、電磁コイルが備えられていることから、この電磁コイルに電圧が印加されることによって、他方のコネクタに対して吸着させたり、他方のコネクタとの間で信号を伝達させることができる。
【0014】
また、本発明の請求項に係る流体コネクタは、電磁力によって他方のコネクタに吸着することから、双方を近づけるだけで自ずとコネクタ同士が接合し、簡便且つ確実に流体の流路を接続することができる。また、例えば永久磁石による磁力によって接合する場合と異なり、電磁コイルを備えていることによって、印加する電圧に応じて吸着力を制御することができる。これにより、例えば、接合時には大きな電圧を印加してコネクタ同士を確実に吸着させるとともに、接合後には接合時よりも小さな電圧、すなわち接合状態を維持するに十分な電圧を印加して、消費電力を抑制することもできる。
【0016】
また、本発明の請求項に係る流体コネクタは、電磁コイルに生じる電磁誘導によって信号を伝達することができることから、例えば端子同士を直接接触させる必要がないため、端子の劣化による抵抗値の変化や接続不良などといった問題とは無縁である。したがって、確実に信号を伝達することができる。
【0017】
また、本発明の請求項に係る流体コネクタは、請求項1の構成に加えて、上記電磁コイルと上記他方のコネクタとの間で電磁誘導により伝達される信号と、電気信号とは異なる他の形態の信号とを変換する信号変換部をさらに備えることを特徴とするものである。
【0018】
以上のように構成された本発明の請求項に係る流体コネクタは、コネクタ同士の接続部で、電磁コイルに印加する電圧や、電磁誘導により電磁コイルに生じた誘導起電力といった電気信号として伝達し、この接続部の前後では他の電気信号以外の形態で信号伝達を行うことができる。したがって、例えば、外部に設けられた信号処理回路からコネクタ同士の接続部まで信号を伝達したり、この接続部から信号処理回路まで信号を伝達するに際して、信号線を引き回す必要がない。
【0019】
なお、電気信号以外の他の信号形態としては、本発明の請求項で挙げるように、音波信号、電波信号、又は光信号とすることが望ましい。これにより、信号線を不要とすることができる。
【0020】
また、本発明の請求項に係る流体コネクタは、請求項1の構成に加えて、上記他方のコネクタとの接続状態を固定するロック機構をさらに備えることを特徴とするものである。
【0021】
以上のように構成された本発明の請求項に係る流体コネクタは、ロック機構によって、コネクタ同士の接続状態をさらに確実なものとすることができる。
【0022】
また、本発明の請求項に係る流体コネクタ装置は、互いに接離自在一対の流体コネクタの間で流体の授受を行う流体コネクタ装置であって前記流体コネクタはそれぞれ、内部に流体の流路を有する中空状のコネクタ本体と、記コネクタ本体の前記流路の周囲に配設された電磁コイルとを備え、記電磁コイルのうちの少なくとも一方に対して、伝送する信号に応じて変動する電圧を印加し、記電磁コイルに生じる電磁誘導によって前記流体コネクタ同士を吸着させる電圧印加手段と、記電磁コイルのうちの他方の電磁コイルで生じた誘導起電力に基づいて、元の信号に復調する信号復調手段とを備える。
【0023】
以上のように構成された本発明の請求項に係る流体コネクタ装置は、電磁コイルに電圧を印加することにより生じる電磁力によって、流体コネクタ同士を吸着させ、確実に接合することができる。また、電磁コイルに印加する電圧を変動させることによって、電磁誘導を利用して一方の電磁コイルから他方の電磁コイルに対して信号を伝達することができる。
【0024】
また、本発明の請求項に係る流体コネクタ装置は、請求項の構成に加えて、上記電磁コイルにおいて信号が正常に伝送され、上記一対の流体コネクタ同士が確実に接続されたことを確認した後に、上記流路に流体を供給する流体供給制御手段をさらに備えることを特徴とするものである。
【0025】
以上のように構成された本発明の請求項に係る流体コネクタ装置は、流体コネクタ同士が確実に接続されたことを確認した後で流体の供給を開始することができることから、接続部での流体の漏れを防止することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、本発明を適用した一構成例として、図1に示すような第1の流体コネクタ10と第2の流体コネクタ30とについて説明する。
【0027】
なお、図1は、第1の流体コネクタ10と第2の流体コネクタ30とが接続された状態を示す断面図である。また、以下の説明においては、第1の流体コネクタ10側から第2の流体コネクタ0側に対して、ガス状(気体状)の水素を供給する場合を想定する。すなわち、第1の流体コネクタ10が水素の供給側であり、第2の流体コネクタ30が水素の受け側である。
【0028】
ただし、本発明は特に水素を搬送する場合への適用に限定されるものではなく、例えば酸素、メタン、或いは水などといった液体状又は気体状の流体を搬送する場合に広く適用することができる。また、流体が搬送される方向についても特に限定されるものではなく、例えば双方向に搬送されるとしてもよい。
【0029】
ここで、まず第1の流体コネクタ10について説明する。第1の流体コネクタ10は、図1に示すように、例えば金属材料によって形成されたコネクタ本体11を備える。コネクタ本体11は、例えば水素貯蔵装置や燃料電池などの装置本体100に対して取り付けられる。
【0030】
コネクタ本体11の内部には、図1中においてA−A線で示す流体コネクタ同士の接続面と他方の端面との間で貫通された流路12が形成されている。すなわち、コネクタ本体11は中空状に形成され、内部空間が流路12として構成されている。そして、この流路12内を水素が搬送される。
【0031】
また、流路12内には、機械式の弁機構50が配設されている。弁機構50は、図1に示すように、流路12に沿ってコネクタ本体11の軸方向に移動自在とされた弁51と、この弁51の移動をコネクタ同士の接続面側で規制するストッパー部材52と、弁51をコネクタ同士の接続面方向に付勢するコイルバネ53と、弁51の端部に取り付けられ、弁51がストッパー部材52に衝合した状態で、コネクタ本体11の内周面と密着するOリング54とにより構成されている。
【0032】
弁機構50は、通常の状態で、弁51がコイルバネ53によってストッパー部材52の方向に付勢され、Oリング54がコネクタ本体11の内周面に密着した状態とされる。これにより、通常の状態では、流路12が閉蓋された状態とされる。
【0033】
また、弁機構50は、第1の流体コネクタ10と第2の流体コネクタ30とが接続された状態で、第2の流体コネクタ30側の部材によって、弁51がコイルバネ53による付勢力に反して移動される。これにより、Oリング54がコネクタ本体11の内周面から離れ、流路12を接続面で開放する。
【0034】
第1の流体コネクタ10は、上述のような弁機構50を備えていることによって、第2の流体コネクタ30と接続されていない状態で誤って水素が搬送されてきた場合であっても、この水素が漏れてしまうことを防止することができる。
【0035】
また、第1の流体コネクタ10は、コネクタ同士の接続面に位置して、流路12の開放部よりも外側に、Oリング13が配設されている。Oリング13は、第1の流体コネクタ10と第2の流体コネクタ30とが接続された際に、接続面で水素が漏れることを防止する機能を有している。
【0036】
また、第1の流体コネクタ10は、コネクタ同士の接続面で外方に臨む位置に、非磁性部材14が配設されており、この非磁性部材14よりもコネクタ本体11の内方側に電磁コイル15が備えられている。
【0037】
電磁コイル15には、図示を省略する信号線が接続されており、この信号線を介して電圧が印加される。信号線は、コネクタ本体11の内部を通って、コネクタ本体11の外周面に引き出されている。なお、信号線を引き出す部位は、特に限定されるものではなく、例えば、コネクタ本体11においてコネクタ同士との接続面とは反対側の端面から引き出されていてもよいし、流路12の内部に引き出されていてもよい。
【0038】
電磁コイル15は、信号線を介して電圧が印加されることにより、電磁力を発生させ、この電磁力によってコネクタ同士を吸着させる機能を有している。すなわち、電磁コイル15に電圧が印加されたときに生じる磁束が、金属材料によって形成されたコネクタ本体11を通って第2の流体コネクタ30側に伝わる。このときに生じる電磁力によって、コネクタ同士に吸着力が発生することとなる。
【0039】
したがって、非磁性部材14と電磁コイル15とは、コネクタ本体11におけるコネクタ同士の接続面に配設されていれば、特に配設する数や形状に限定されるものではないが、流路12の開放部の周囲にリング状に配設されていることが望ましい。これにより、電磁コイル15から発生した磁束が効率よく第2の流体コネクタ30側に伝わることとなり、吸着力を向上させるとともに、電磁コイル15で消費される電力を低減することができる。
【0040】
つぎに、第2の流体コネクタ30について説明する。この第2の流体コネクタ30は、第1の流体コネクタ10と略々同等の構成とされていることから、以下では、第1の流体コネクタ10と同一又は同等の部位についての説明を省略し、図中においても同じ符号で示すこととする。
【0041】
図1においては、第2の流体コネクタ30が、例えば水素貯蔵装置や燃料電池などの装置本体100に対して取り付けられた上で、コネクタ同士の接続面とは反対側の端部に水素の配管200が接続される場合について示している。
【0042】
この場合には図1中に示すように、配管200が接続される部位で、コネクタ本体11の内周面、及びコネクタ同士の接続面とは反対側の端面に、それぞれOリング31及びOリング32を配設することが望ましい。これにより、配管200の接続部で、水素の漏れが生じてしまうことを防止することができる。
【0043】
なお、第2の流体コネクタ30にも、第1の流体コネクタ30に対応した位置に、この第1の流体コネクタ10と同様の構成とされた非磁性部材14と電磁コイル15とが配設されている。
【0044】
ここで、以上のように構成された第1の流体コネクタ10及び第2の流体コネクタ30を接続して水素の供給を行う場合について説明する。この場合には、第1の流体コネクタ10に備えられた電磁コイル15と、第2の流体コネクタ30に備えられた電磁コイル15とに対して、それぞれ、図2に示すような第1の回路60と、第2の回路70とが接続される。
【0045】
第1の回路60は、水素供給側のシステムにおける全体動作を制御する制御部61と、制御部61から出力された信号を高周波信号に変調する変調器62と、第1の流体コネクタ10電磁コイル15を駆動する駆動回路63とを有している。
【0046】
制御部61は、水素の供給を開閉制御したり、供給する水素の圧力や供給量を制御するなどの機能を有している。また、制御部61は、水素を受け取る側のシステムに伝達する信号を生成して変調器62に出力する。
【0047】
変調器62は、駆動回路63から出力されて電磁コイル15に印加される電圧信号に対して、制御部61から出力される信号に応じて変調する高周波信号を重畳する。
【0048】
駆動回路63は、制御部61から入力される信号に応じて、電磁コイル15で必要とされる必要最小限の電圧をデューティ制御する機能を有している。
【0049】
この駆動回路63における回路構成の一例を、図3に示す。図3に示す例においては、接点Sに一定の電圧が印加されており、接点Sに制御部61からの信号電圧が印加される。そして、接点Sに印加された信号電圧の電圧値に応じて、電磁コイル15に印加される電圧が変化するように構成されている。
【0050】
一方、第2の回路70は、第2の流体コネクタ30の電磁コイル15に生じた電圧変動から高周波信号を抽出し、元の信号に復調して出力する復調器71と、この復調器71から出力される信号に基づいて、水素を受ける側のシステム全体の動作を制御する制御部72とを有している。
【0051】
ここで、水素の供給側となる第1の流体コネクタ10側から水素の受取側となる第2の流体コネクタ30側に水素を供給するに際しては、第1の回路60と第2の回路70とを備えるシステム全体として、以下のように動作する。
【0052】
まず、第1の回路60の制御部61が駆動回路63を制御することにより、第1の流体コネクタ10の電磁コイル15に所定の電圧を印加する。これにより、第1の流体コネクタ10と第2の流体コネクタ30とが、電磁コイル15に生じる電磁力によって吸着し、双方が接合する。
【0053】
一方、第1の回路60の変調器62は、駆動回路63から電磁コイル15に印加される電圧に対して、高周波信号を重畳することにより、電圧信号に変動成分を付与する。これにより、第1の流体コネクタ10の電磁コイル15に印加される電圧信号は、例えば図4(a)に示すような波形となる。
【0054】
そして、第1の流体コネクタ10の電磁コイル15に印加された電圧の直流成分に相当する分の電磁力が、第2の流体コネクタ30の電磁コイル15との間で吸着力として作用する。また、第1の流体コネクタ10の電磁コイル15に印加された電圧の変動成分は、第2の流体コネクタ30の電磁コイル15に対して電磁誘導による誘導起電力を生じせしめ、変調器62から出力された信号が第2の流体コネクタ30の電磁コイル15に伝達されることとなる。
【0055】
第2の流体コネクタ30の電磁コイル15に伝達された信号は、第2の回路70の復調器71に入力され、この復調器71によってノイズ除去や復調処理が行われて、図4(b)に示すような波形を有する信号として制御部72に入力される。
【0056】
これにより、第1の回路60側(第1の流体コネクタ10側)から第2の回路70側(第2の流体コネクタ30側)へ信号が伝達される。なお、これら第1の回路60と第2の回路70との間の信号送受信方式は、特に限定されるものではなく、例えばシリアル通信やCAN等の各種送受新方式を採用することができる。
【0057】
また、以上のようにして信号が正常に伝達され、第1の流体コネクタ10と第2の流体コネクタ30とが確実に接合されたことが確認されると、第1の回路60の駆動回路63は、電磁コイル15に対して印加する電圧を、コネクタ同士の接合時よりも小さくする。このように電圧のデューティー制御を行うことによって、コネクタ同士の接合時には、大きな電圧を印加することによりコネクタ同士を確実に吸着させることができるとともに、コネクタ同士の接合が完了した後は、接合状態を維持するに十分な程度に小さな電圧を印加することによって、消費電力を低減することができる。
【0058】
そして、第1の流体コネクタ10と第2の流体コネクタ30とが接合され確実に接合されたことが確認されると、第1の回路60の制御部61は、水素の供給を開始する。これによって、第1の流体コネクタ10側から第2の流体コネクタ30側に対して水素が搬送される。
【0059】
なお、以上の説明においては、変調器62によって高周波の信号が付与されるとしたが、信号を伝達する目的で電磁コイル15に印加する電圧の変動成分は、その周波数や出力を特に限定されるものではない。ただし、低い周波数で電圧が変動するとコネクタ同士の吸着力に影響することから、吸着力に影響しない程度に十分に高い周波数で電圧を変動させることが望ましい。
【0060】
また、以上の説明においては、第1の流体コネクタ10側から第2の流体コネクタ30側に一方的に信号及び水素が送出されるとしたが、信号の送出方向と水素の送出方向とは同一でなくてもよい。具体的には例えば、第1の流体コネクタ10側から第2の流体コネクタ30側に信号が送出され、第2の流体コネクタ30側から第1の流体コネクタ10側に水素が送出されるとしてもよい。逆に、第2の流体コネクタ30側から第1の流体コネクタ10側に信号が送出され、第1の流体コネクタ10側から第2の流体コネクタ30側に水素が送出されるとしてもよい。
【0061】
また、第1の回路60に備えられた変調器62、及び第2の回路70に備えられた復調器71を、それぞれ、第1の流体コネクタ10側と第2の流体コネクタ30側とに配設することによって、信号を双方向に送受する構成とすることもできる。
【0062】
また、上述においては、第1の流体コネクタ10と第2の流体コネクタ30とが電磁コイル15により発生する電磁力によって吸着・接合されるとして説明したが、これらのコネクタのうちの少なくとも一方に接続状態を固定するロック機構を配設することによって、コネクタ同士が接合されるように構成してもよい。
【0063】
以下では、コネクタにロック機構を配設した場合の一例について、図5を参照しながら説明する。なお、図5は、上述した第2の流体コネクタ30側にロック機構80を配設した場合を図示している。本例においては、ロック機構80が配設された他は、上述の説明と同一又は同等な部位についての説明を省略し、図中において同一の符号を付すこととする。
【0064】
この第2の流体コネクタ30には、ロック機構80として、コネクタ本体11の周面に配設され、流路12の径方向に移動自在とされたロックプレート81と、このロックプレート81をコネクタ本体11から外向きに付勢するスプリング82と、ロックプレート81を係止するロックピン83とが配設されている。ロックピン83は、スプリング84によって、第1の流体コネクタ10との接合面方向に付勢されているが、ロックプレート81によって接合面方向への移動を規制されている。
【0065】
以上のように構成されたロック機構80を備える第2の流体コネクタ30と、第1の流体コネクタ10とを接合する場合には、例えば、手動による結合力を補助する程度の吸着力が生じる程度の電圧を電磁コイル15に印加する。そして、双方のコネクタ同士が接合面で接合すると、スプリング84による付勢力に抗して、ロックピン83が第1の流体コネクタ10の接続面により図中左方向に押される。これにより、ロックピン83によって係止されていたロックプレート81が、その係止状態から開放されて移動自在となり、スプリング82による付勢力によって図中の上方に移動する。これにより、ロックプレート81の端部が、第1の流体コネクタ10に形成されたロック溝85に挿入される。
【0066】
このようにして、第2の流体コネクタ30に配設されたロックプレート81の端部が第1の流体コネクタ10に形成されたロック溝85に挿入されることによって、第1の流体コネクタ10と第2の流体コネクタ30とがロックされ、接合状態が固定される。
【0067】
また、第1の流体コネクタ10と第2の流体コネクタ30とを抜脱する際には、ロックプレート81をスプリング82の付勢力に抗して図中下方向に押し込むことによって、このロックプレート81の端部がロック溝85から移動し、抜脱自在な状態となる。ここで、第1の流体コネクタ10と第2の流体コネクタ30とを離間させることにより、ロックピン83が図中右方向に移動し、ロックプレート81の端部を係止する。
【0068】
このように、ロック機構80によってコネクタ同士の接合状態を固定する構成とすることによって、電磁コイル15に印加する電圧を最小限とすることができる。すなわち、コネクタ同士が接合された後は、これらのコネクタ同士がロック機構80によって固定されることから、電磁コイル15の電磁力によって吸着させる必要がない。したがって、コネクタ同士が接合した後は、信号の伝達に必要な電圧だけを電磁コイル15に印加すれば十分である。
【0069】
また、上述の説明においては、電磁コイル15同士の電磁誘導によって伝達された信号が、第2の流体コネクタ30側の電磁コイル15から信号線によって電気信号の形で復調器71まで伝達されるとしたが、信号線によって電気信号を伝達する構成に限定されるものではない。
【0070】
具体的には例えば、図6に示すように、第2の流体コネクタ30側に、電磁誘導によって伝達された電気信号に対して各種の処理を施す信号処理部90と、この信号処理部90によって処理された信号に基づいて、電気信号以外の形態の信号を生成して出力する信号出力部91とを配設するとしてもよい。
【0071】
信号処理部90は、電磁誘導によって電磁コイル15に生じた電気信号が信号線92を介して入力されるとともに、この電気信号に基づいて信号出力部91を駆動制御する。信号出力部91は、信号処理部90によって駆動されることにより、電磁コイル15によって伝達された電気信号に応じて、例えば、音波、電磁波(電波)、或いは光などの形で出力する。信号出力部91から出力される信号は、例えば、水素そのものを媒体として、配管200の中を通って第2の回路70の復調器71まで伝送される。
【0072】
第2の流体コネクタ30は、信号処理部90及び信号出力部91を備えることによって、電磁コイル15から復調器71までの間で無線通信を行うことができることから、この間での信号線を不要とすることができる。
【0073】
なお、第1の流体コネクタ30側にも同様にして、信号処理部90及び信号出力部91を配設することにより、変調器62から電磁コイル15までの間でも信号線を不要とすることができる。
【発明の効果】
本発明に係る流体コネクタは、電磁コイルが備えられていることから、この電磁コイルに電圧が印加されることによって、他方のコネクタに対して吸着させたり、他方のコネクタとの間で信号を伝達させることができる。
【0074】
また、本発明に係る流体コネクタ装置は、電磁コイルに電圧を印加することにより生じる電磁力によって、流体コネクタ同士を吸着させ、確実に接合することができる。また、電磁コイルに印加する電圧を変動させることによって、電磁誘導を利用して一方の電磁コイルから他方の電磁コイルに対して信号を伝達することができる。
【0075】
したがって、本発明によれば、流体の流路を確実に接続するとともに、コネクタ間で信号の送受信を行うことが可能な流体コネクタ及び流体コネクタ装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一構成例として示す流体コネクタの図であり、一対の流体コネクタが接合された状態における概略断面図である。
【図2】同流体コネクタに備えられる電磁コイルに接続される回路を説明するための模式図である。
【図3】同回路に備えられる駆動回路の一例を示す概略図である。
【図4】同回路によって一対の流体コネクタ間で伝送される信号を示す図であり、(a)は第1の流体コネクタの電磁コイルに印加される電圧の波形を示す概略図であり、図(b)は第2の流体コネクタ側に伝達されて元の信号に復調された信号波形を示す概略図である。
【図5】本発明を適用した別の構成例として示す流体コネクタの図であり、一対の流体コネクタが接合された状態における概略断面図である。
【図6】本発明を適用したさらに別の構成例として示す流体コネクタの図であり、一対の流体コネクタが接合された状態における概略断面図である。
【符号の説明】
10 第1の流体コネクタ、11 コネクタ本体、12 流路、14 非磁性部材、15 電磁コイル、30 第2の流体コネクタ、50 弁機構、80 ロック機構

Claims (7)

  1. 対をなす他方のコネクタと接離自在とされ、前記他方のコネクタとの間で流体の授受を行う流体コネクタであって
    内部に流体の流路を有する中空状のコネクタ本体と、
    前記コネクタ本体の前記流路の周囲に配設された電磁コイルとを備え
    前記電磁コイルへの印加電圧によって生ずる電磁力により前記他方の流体コネクタに吸着し互いの流路を接続すると共に、前記電磁コイルに変動成分を含む電圧が印加され、前記他方の流体コネクタ側の電磁コイルとの間で生ずる電磁誘導により前記他方の流体コネクタ側への信号を伝達する、
    流体コネクタ。
  2. 前記コネクタ本体は、磁性材料により形成されると共に前記他方の流体コネクタとの接触面の前記電磁コイルの前面の位置に非磁性部材を有する、請求項1記載の流体コネクタ。
  3. 記電磁コイルと記他方のコネクタとの間で電磁誘導により伝達される信号と、電気信号とは異なる他の形態の信号とを変換する信号変換部をさらに備える請求項1記載の流体コネクタ。
  4. 記信号変換部は、電気信号と、音波信号、電波信号、又は光信号との間で信号変換を行う請求項記載の流体コネクタ。
  5. 記他方のコネクタとの接続状態を固定するロック機構をさらに備える請求項1記載の流体コネクタ。
  6. 互いに接離自在一対の流体コネクタの間で流体の授受を行う流体コネクタ装置であって
    前記流体コネクタはそれぞれ、内部に流体の流路を有する中空状のコネクタ本体と、記コネクタ本体の前記流路の周囲に配設された電磁コイルとを備え、
    記電磁コイルのうちの少なくとも一方に対して、伝送する信号に応じて変動する電圧を印加し、記電磁コイルに生じる電磁誘導によって前記流体コネクタ同士を吸着させる電圧印加手段と、
    記電磁コイルのうちの他方の電磁コイルで生じた誘導起電力に基づいて、元の信号に復調する信号復調手段とを備えた、流体コネクタ装置。
  7. 記電磁コイルにおいて信号が正常に伝送され、記一対の流体コネクタ同士が確実に接続されたことを確認した後に、記流路に流体を供給する流体供給制御手段をさらに備える請求項記載の流体コネクタ装置。
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