JP4808320B2 - 鋼管杭と定着鉄筋との位置調整可能な結合構造 - Google Patents

鋼管杭と定着鉄筋との位置調整可能な結合構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、環状の鋼製ブラケットを備えた鋼管杭と定着鉄筋との位置調整可能な機械的な結合構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
地中へ打込んで埋設する鋼管杭において、杭頭部と基礎(梁)との接合のための鋼管杭と定着鉄筋の結合構造としては、図11,図12に示す構造が知られている。
【0003】
この従来例では、鋼管杭1を地中へ打込み、地中から上方に突出している杭頭部の外周側面および内周側面に、複数の定着鉄筋20の下端部が直接当てがわれ、現場での溶接で固着されている。また、この杭頭部と定着鉄筋20はコンクリート基礎(フーチング)19中に埋設される。
【0004】
前記の結合構造において、鋼管杭1の杭頭部の径が1200φの場合、この杭頭部の外周にD38の定着鉄筋を40本を超える多数本を直接溶接することで所定の強度を達成している。このように多数本の定着鉄筋20を必要とするのは、地震時にその水平力により鋼管杭1に曲げモーメントと軸力が作用するとき、鋼管杭1に引張力と圧縮力が働き、鋼管杭1に直接溶接される前記定着鉄筋20にも、引張力と圧縮力が作用するので、これをバランスさせるため、その圧縮力用の定着鉄筋20のほかに引張力用の定着鉄筋20が必要なためである。
【0005】
また、前記の結合構造において、図11,図12に示すように、杭頭部の外周に溶接される定着鉄筋20は、間隔をおいて円形に配置されているので、多数の定着鉄筋20の内のあるものは、コンクリート基礎(地中梁またはフーチング)19内に格子状またはメッシュ状に編まれて配筋される基礎鉄筋21の網目(メッシュ状基準線交点)からずれて、その鉄筋21と干渉する(ぶつかる)ため、配筋作業に手間取り作業が円滑にいかないという問題がある。
【0006】
このように鋼管杭1に定着鉄筋20を直接溶接により固定する場合は、多数本の定着鉄筋20を鋼管杭1に固定して、地震時等にコンクリート基礎22に作用する上向き力を、定着鉄筋20を介して鋼管杭1に伝達するようにしており、この場合に、鋼管杭1に直接固定した場合の抵抗モーメントは、鋼管杭1中心からの半径距離と、定着鉄筋20の抵抗力との積(モーメント)になるため、設計上は、できるだけ鋼管杭1から半径方向外側に離れた位置に設置するのが有利となる。この点で、前記の場合は、剛性が比較的低く、また鋼管杭1と定着鉄筋20の一体性が確保されない場合が多い。
【0007】
このように、鋼管杭1の半径方向外側に離れた位置に定着鉄筋20を設置した形態として、特開平3−54736号公報に記載の鉄筋接続具付の鋼管杭が知られている。
【0008】
前記特開平3−54736号公報の場合は、図13(a),(b)に示すように、鋼管杭1の外周面に周方向にほぼ等角度間隔を置いて、垂直板状の鋼製ブラケット23を溶接により固定し、かつ鋼製ブラケット23の先端部に、雌ねじ付カプラーからなる鉄筋接続具24を溶接により固定して、鉄筋接続具24付の鋼管杭1に構成し、この鉄筋接続具付の鋼管杭1を地中に打設し、その鉄筋接続具24における雌ねじ部25に、定着鉄筋20の下端部雄ねじ部20aを直接ねじ接合した構造のものが知られている。
【0009】
しかしこの構造形式の場合は、各鋼製ブラケット23の先端部に雌ねじ付カプラーからなる鉄筋接続具24を溶接により予め固定している形態であるので、多数の鋼製ブラケット23を密に溶接により鋼管杭1に取り付けることが煩雑な溶接作業になると共に、鋼製ブラケット23を密に鋼管杭1に取り付けることは困難である。また定着鉄筋20の取り付け位置が、位置固定形式であり、鉄筋コンクリート製フーチングまたは鉄筋コンクリート製地中梁におけるメッシュ状に配筋される基礎鉄筋21の配筋作業においては、図12に示す多数本の前後方向の主鉄筋21aおよび左右方向の主鉄筋21bが配筋されるため、密に鋼製ブラケット23を取り付けた場合では、定着鉄筋20と、縦鉄筋21aまたは横鉄筋21bとが干渉した場合に、これを現場作業上で回避する適当な手段がないため、いずれかの鉄筋を曲げ配置せざるを得ないという問題があり、配筋作業が円滑にできず、煩雑になる恐れがある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前述のとおりであって、従来の鋼管の杭頭部構造には、次の欠点があった。
▲1▼定着鉄筋を杭頭部外周部に直接溶接する構造では、定着鉄筋の配置が密になり、その溶接作業及び検査に手間がかかる。
▲2▼従来の杭頭部の剛性は一体性が確保されていないことが多いので、杭頭固定して計算した値よりも、実際の地震時などの杭頭の変形が大きく破壊する場合もある。
▲3▼さらに、鋼管杭1に鋼製ブラケットに位置固定方式で、定着鉄筋が固定される形式は、現場作業上の自由度が低く、鋼製ブラケットを密に配置した場合は、各定着鉄筋が基礎鉄筋と干渉した場合に、鉄筋の曲げ配置以外の簡易な処理手段がなく、鉄筋の組立に手間取り、作業が円滑に行かない。
▲4▼前述のように、▲1▼〜▲3▼の要因により、鋼管杭と定着鉄筋との結合構造鋼管杭の構築施工に手間取り、施工コストが嵩むという問題があった。
本発明は、前記の欠点を解決した鋼管杭と定着鉄筋との位置調整可能な機械的な結合構造を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明に係る鋼管杭と定着鉄筋との位置調整可能な結合構造は、次のように構成する。
第1の発明は、鋼管杭の上部にブラケットを介して定着鉄筋の下部が固定される鋼管杭と定着鉄筋との結合構造において、鋼管杭1の杭頭部外周面2に、周方向に間隔を置くと共に、かつ周方向に長い縦孔からなる多数の長孔3を有する環状の鋼製ブラケット4が溶接により固定され、前記ブラケット4の長孔3に周方向に位置調整可能に挿通されると共に前記鋼製ブラケットの下側に配置されるボルト頭部を備えた又は雌ねじ部材を装着した固定用雄ねじ部材と、前記定着鉄筋6の下部に圧着固定された継ぎ手スリーブの雌ねじ部との螺合により、定着鉄筋6の下部が前記鋼製ブラケット4の周方向に位置調整可能に固定されていることを特徴とする。
【0012】
第2の発明は、請求項1に記載の鋼管杭と定着鉄筋との位置調整可能な結合構造において、定着鉄筋6の下部に、雌ねじ部7を有する継ぎ手スリ−ブ8が固定され、前記継ぎ手スリ−ブ8に、中間部に回動工具係合部10を有する中継雄ねじ部材11の上部雄ねじ部が螺合連結され、前記中継雄ねじ部材11における下部雄ねじ部が前記鋼製ブラケット4の長孔3に挿通され、かつ前記鋼製ブラケット4の下側に配置される雌ねじ部材9に螺合緊締されて、前記定着鉄筋6は鋼製ブラケット4に固定されていることを特徴とする。
【0013】
第3の発明は、請求項1に記載の鋼管杭と定着鉄筋との位置調整可能な結合構造において、定着鉄筋6の下部に、雌ねじ部7を有する継ぎ手スリ−ブ8が固定され、前記継ぎ手スリ−ブ8に螺合連結されると共に、前記鋼製ブラケット4の長孔3に挿通され、かつ前記鋼製ブラケット4の下側に配置される回動工具係合部10を有する雄ねじ部材12により、前記定着鉄筋6はブラケット4に固定されていることを特徴とする。
【0014】
本発明によると、杭頭部径より大きな環状の鋼製ブラケットを鋼管杭1の杭頭部外周に溶接することにより、従来より少ない数の定着鉄筋で、従来と同等以上の地震時耐力を付与でき、しかも定着鉄筋の取り付け位置を、環状の鋼製ブラケットの周方向に位置調整自在に構成されているので、杭頭と基礎との接合部を簡略化でき、現場での作業性を高めることができる。
【0015】
また本発明において、杭頭部より立ち上がる定着鉄筋を、メッシュ状に配筋される基礎鉄筋との干渉を避ける配置に設けることにより、基礎鉄筋との干渉を避ける手間が省けるので、作業性が向上する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図を参照して説明する。
図1〜図5、図8および図9は、本発明の第1実施形態を示したものであって、鋼管杭1の上部外周面に、予め工場等において、環状の鋼製ブラケット4の内周側が溶接Wにより固定され、その鋼製ブラケット4には、鋼管杭1の中心軸線と同一中心点を有する円形の軌跡上に中心を有する縦孔からなる多数の長孔3が鋼製ブラケット4の周方向に間隔をおいて多数設けられている。前記各長孔3に、下部雄ねじ軸部が遊嵌状態で挿通される中継用としての固定用雄ねじ部材5が、鋼製環状ブラケット4の上側に間隔をおいて多数装着されている。前記長孔3は、環状の鋼製ブラケット4の周方向に長く設定されている。
【0017】
前記長孔3の周方向の長さは、地中梁またはフーチング等における主筋となる基礎鉄筋21との干渉する場合でも、その基礎鉄筋21を避ける目的であるため、ほぼ基礎鉄筋21の直径程度、位置調整できれば十分である。前記長孔3の半径方向の幅Lは、後記の中継用としての固定用雄ねじ部材5の直径よりも大きく設定され、図示例は、D38の鉄筋の場合を示し、L=45mmと、固定用雄ねじ部材5の軸部直径より7mmほど大きく設定されている。したがって、固定用雄ねじ部材5を平面的に、鋼管杭1の周方向[図5(b)におけるA方向]および半径方向[図5(b)におけるB方向]に移動させることにより、自動的に前後方向および左右方向を含めて位置調整することになり、これにねじ接合される定着鉄筋6の位置調整を自動的に行なって、フーチングまたは地中梁19における基礎鉄筋(前後方向または左右方向に配置される主筋)21との干渉を回避することができる。
【0018】
前記鋼製環状の鋼製ブラケット4の上面には、周方向に隣り合う長孔3の間において、周方向に等角度間隔をおいて多数の鋼製補強用縦リブ13が放射状に配置されて、その補強用縦リブ13の下部が、前記鋼製ブラケット4の上面に溶接wにより固定されていると共に、前記補強用縦リブ13の一側部が、鋼管杭1の外周面に溶接wにより固定されている。
【0019】
このように、定着鉄筋固定用の鋼製ブラケット4を固定したブラケット付きの鋼管杭1が、予め工場において製作され、現場に搬送して基礎地盤27に打設される。図1はこの状態で打設された鋼管杭1に、定着鉄筋6を固定した状態を示したものである。
【0020】
前記定着鉄筋6は、異形鋼棒からなる鉄筋本体6aの下部に、下部外面に回動工具係合部16を有すると共に、内側に継ぎ手となる鋼製筒状雌ねじ部7を備えた継ぎ手付きスリーブ8の上部側が所定長さ嵌合された状態で、圧着固定されて、雌ねじ継ぎ手付きの定着鉄筋6とされている。なお、前記鉄筋本体6aの上端部は円弧状に湾曲されて、かぎ部が形成されている。
【0021】
前記定着鉄筋6の下部に、上部に右雄ねじ軸部14を有すると共に、下部に左雄ねじ軸部15を有し、かつ中間部に回動工具係合部10を有する中継雄ねじ部材11からなる固定用雄ねじ部材5における前記右雄ねじ軸部14が、定着鉄筋6における雌ねじ部7に螺合連結されるとともに、中継となる前記固定用雄ねじ部材5における下部左雄ねじ軸部15が、前記鋼製ブラケット4における長孔3内に遊嵌状態で挿通されるとともに、前記長孔3の下側に配置された座金17に挿通されると共に、雌ねじ部材9に螺合連結され、かつ手動または電動式トルクレンチにより所定の設定トルクで緊締された状態で、前記定着鉄筋6は鋼製ブラケット4に定着されている。
【0022】
前記の定着鉄筋6を鋼製ブラケット4に定着するにあたり、中継用である固定用雄ねじ部材5は、長孔3内において、周方向に位置調整をした状態で取り付けることができるので、図8および図9に示すように、鉄筋コンクリート製フーチングまたは地中梁19における基礎鉄筋(下部側の縦主筋または横主筋)21を配置した後の状態で、定着鉄筋6および固定用雄ねじ部材5並びに雌ねじ部材9を配置して、所定のトルクで、定着鉄筋6を鋼製ブラケット4に定着させることができる。なお、定着鉄筋6と雌ねじ部材9を固定用雄ねじ部材5に螺合させ、回転しないように保持した状態で、固定用雄ねじ部材5における回動工具係合部10を回動させると、定着鉄筋6と雌ねじ部材9を鋼製ブラケット4に接近する方向に引き寄せて、鋼製ブラケット4に緊締させることができる。また図中、符号26は、鋼管杭1内に充填されるコンクリートである。
【0023】
また鋼製ブラケット付き鋼管杭1を地盤に打設後、フーチングまたは地中梁19における基礎鉄筋(下側の縦主筋または横主筋)21を配筋しながら、順次定着鉄筋6を配設することもでき、あるいは定着鉄筋6を前記実施形態において使用の部品により、仮固定した状態で、基礎鉄筋(下側の縦主筋または横主筋)21を配筋しながら、定着鉄筋6の位置調整を行い、その後、所定のトルク(例えばD38の場合は、570N・m)で定着鉄筋6を固定するようにしてもよい。このように定着鉄筋6の本締めする時期は、施工方法により、適宜決めることができる。
【0024】
前記の長孔3の周方向の長さHとしては、中継用で固定用雄ねじ部材5の直径の2倍弱程度、鋼管杭1の周方向に移動可能であれば、フーチングまたは地中梁19における下部主筋(縦主筋または横主筋)等の基礎鉄筋21に干渉する場合でも、容易に鋼管杭1の周方向に移動させて、これらの基礎鉄筋21に干渉しないように定着鉄筋6を回避しながら、鋼製ブラケット4に所定のトルクで定着することができる。
【0025】
図4は前記第1実施形態の他の例を示す平面図を示すものであって、定着鉄筋6の直径Dを、D38mmとしたものを、鋼製ブラケット4の周方向に36本、間隔をおいて配置した場合が示されている。このように、定着鉄筋6の取り付け本数を少なくしても、従来と同等以上の鋼管杭1と定着鉄筋6およびフーチングまたは地中梁19の結合部の剛性を確保することができる。なお、定着鉄筋6の固定構造は、前記実施形態1と同じである。このように本発明の場合は、図4に示すように、定着鉄筋6の本数を比較的少なく配置しても、従来と同等以上の鋼管杭1と定着鉄筋6およびフーチングまたは地中梁19の結合部の剛性を確保することができ、また図1から図4に示すように、鋼製ブラケット4を適宜選定することにより、定着鉄筋6を密に配置する構成とすることもでき、現場溶接による溶接接合と異なり、機械的なねじ接合であるので、現場施工の自由度および施工効率を高めることができる。
【0026】
図6および図7は、前記第1実施形態の中継用としての中継用雄ねじ部材11と、鋼製ブラケット4の下側に配置される雌ねじ部材9に代えて、1本の雄ねじ部材12からなる固定用雄ねじ部材5に置き換えた本発明の第2実施形態を示すものであって、この実施形態の場合は、鋼製ブラケット4の下側から六角ボルトからなる雄ねじ部材12の軸部が挿通され、その雄ねじ部材12が、定着鉄筋6における継ぎ手スリーブ8の雌ねじ部7に螺合緊締されて、定着鉄筋6が鋼製ブラケット4に前記と同様に所定のトルクで緊締固定され、定着鉄筋6と鋼製ブラケット4との間と、鋼製ブラケット4と雄ねじ部材12との間に、座金17が配置されているが、その他の構成は、前記第1実施形態の場合と同様であるので、同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0027】
この実施形態の場合には、前記実施形態の固定用雄ねじ部材5と、ブラケット下側の雌ねじ部材9を、一つの雄ねじ部材12により固定できる点で、部品点数および、構造が簡素化されており、施工性を高めることができ、施工コストを低減させることができる。
【0028】
なお、前記鋼管杭1が、その下端部に回転翼を有する回転杭の場合は、鋼製環状のブラケット4を鋼管杭1の杭頭部に工場で取付、加工でき、現場で鋼管杭1を回転させながら地中に埋設できる。また定着鉄筋6の定着にあたり、杭頭部周辺の地盤を少し掘削して定着すると、その定着作業が円滑に行える。
【0029】
第1,2実施形態の鋼管杭と定着鉄筋の結合構造において、鋼管杭1の径が1200φに対し、鋼製ブラケットは30mm厚で、かつ外径が1500φに設定されている。従って、前記の外径差により鋼製ブラケット4は、鋼管杭1の外周より150mm幅で外方に突出しており、定着鉄筋6は、この突出した鋼製ブラケット4の上面に定着されている。また、長孔3の中心は、鋼管外径から外側に100mm離れた位置に設定され、直径45mmで円周方向70mmの長円形に形成されている。
【0030】
また、本発明の鋼管杭と定着鉄筋との位置調整自在な結合構造によると、例えば、1200φの鋼管杭1において、杭頭部から外方に突出した鋼製ブラケット4の上面にSD39の定着鉄筋6を、図示のように、36本または45本配設することが可能であり、また定着鉄筋6の軸部直径の大きいものを使用することもできる。
【0031】
本発明を実施する場合、前記鋼製ブラケット4としては、図示を省略するが、分割型の半円弧状鋼製ブラケットを複数相互に溶接により固定して、環状の鋼製ブラケット4を構成するようにしてもよい。この場合に、2分割等の複数分割の鋼製ブラケットを工場において、相互に溶接により固定したものを使用したり、あるいは、複数分割の円弧状ブラケットにより、環状の鋼製ブラケット4を構成するようにしてもよい。
【0032】
また本発明の場合は、定着鉄筋6が、鋼管杭1における半径方向外側に配置されているため、定着鉄筋6の本数を低減しても、従来と同様な抵抗力を作用させることができる。また、従来よりも定着鉄筋6の軸径を大きなものを使用すると、位置調整が可能な高剛性の鋼管杭1と定着鉄筋6の結合構造とすることができる。
【0033】
本発明を実施する場合、前記鋼製ブラケット4の下側に配置される雌ねじ部材9としては、袋ナットまたは座付きのナットを使用するようにしてもよい。
【0034】
【発明の効果】
本発明に係る鋼管杭と定着鉄筋の位置調整自在な結合構造によると、鋼管杭に固定の環状の鋼製ブラケトから立ち上がる定着鉄筋は、主にブラケット周方向に雄ねじ部材を移動させることにより、平面的に前後方向または左右方向あるいは周方向に雄ねじ部材を移動させることになり、これにより、定着鉄筋も同様に位置調整自在に取り付けられることになるので、定着鉄筋を容易に周方向に移動させて、メッシュ状に配筋される基礎鉄筋、基礎梁鉄筋、床鉄筋等の基礎鉄筋との干渉を容易に避けられるよう位置調整可能に配置できるので、従来のこれら各種の基礎鉄筋との干渉を容易に避けることができ、そのため現場作業性が著しく向上し、これらが相俟って奏される本発明のトータル効果として、鋼管杭と定着鉄筋ならびに基礎鉄筋の構築の施工を迅速かつ容易に行うことができ、施工コストを低減できる。
【0035】
また本発明に係る鋼管杭と定着鉄筋との機械的な結合構造によると、杭頭定着鉄筋を減らしてもなお従来と同じ耐力を保持できるので、基礎配筋が配筋しやすくなる。また現場での取合い(接合)を少なくできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る鋼管杭頭部の側断面図である。
【図2】(A)は図1のA部分の拡大図、(B)は(A)の断面図である。
【図3】図1に示す杭頭部の平面図である。
【図4】第1実施形態の他の例を示す一部横断平面図である。
【図5】図3または図4に示す杭頭部、特に図3のBの部分拡大図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る鋼管杭頭部の側断面図である。
【図7】(a)は図6のC部分の部分拡大図、(b)は(a)の断面図である。
【図8】本発明の杭頭部と地中梁等の基礎鉄筋との配置状態(取り合い状態)を示す平面説明図である。
【図9】図8に示す杭頭部と地中梁等の基礎鉄筋との配置状態(取り合い状態)を示す側断面説明図である。
【図10】本発明で使用する鋼管杭を示す平面図である。
【図11】従来の多数の定着鉄筋を鋼管杭に直接定着した第1例を示す縦断側面図である。
【図12】図11の平面図であり、多数本の定着鉄筋とメッシュ状に配筋される基礎鉄筋との取り合い状態を示す平面図である。
【図13】(a)は従来の鋼管杭頭部構造を示す平面図、(b)はその縦断正面図である。
【符号の説明】
1 鋼管杭
2 杭頭部外周面
3 長円形縦孔
4 環状の鋼製ブラケット
5 固定用雄ねじ部材
6 定着鉄筋
6a 鉄筋本体
7 雌ねじ部
8 継ぎ手付きスリーブ
9 雌ねじ部材(下側)
10 回動工具係合部
11 中継雄ねじ部材
12 雄ねじ部材
13 補強用縦リブ
14 右雄ねじ軸部
15 左雄ねじ軸部
16 回動工具係合部
17 座金
19 地中梁またはフーチング
20 定着鉄筋
20a 雄ねじ部
21 基礎鉄筋
22 コンクリート基礎
23 鋼製ブラケット
24 鉄筋接続具
25 雌ねじ部
26 充填コンクリート
27 基礎地盤
W 溶接
L 長孔の半径方向の幅

Claims (3)

  1. 鋼管杭の上部にブラケットを介して定着鉄筋の下部が固定される鋼管杭と定着鉄筋との結合構造において、鋼管杭の杭頭部外周面に、周方向に間隔を置くと共に、かつ周方向に長い縦孔からなる多数の長孔を有する環状の鋼製ブラケットが溶接により固定され、前記鋼製ブラケットの長孔に周方向に位置調整可能に挿通されると共に前記鋼製ブラケットの下側に配置されるボルト頭部を備えた又は雌ねじ部材を装着した固定用雄ねじ部材と、前記定着鉄筋の下部に圧着固定された継ぎ手スリーブの雌ねじ部との螺合により、定着鉄筋の下部が前記鋼製ブラケットの周方向に位置調整可能に固定されていることを特徴とする鋼管杭と定着鉄筋との位置調整可能な結合構造。
  2. 定着鉄筋の下部に、雌ねじ部を有する継ぎ手スリーブが固定され、前記継ぎ手スリ−ブに、中間部に回動工具係合部を有する中継雄ねじ部材の上部雄ねじ部が螺合連結され、前記中継雄ねじ部材における下部雄ねじ部が前記鋼製ブラケットの長孔に挿通されると共に、前記鋼製ブラケットの下側に配置される雌ねじ部材に螺合緊締されて、前記定着鉄筋は鋼製ブラケットに固定されていることを特徴とする請求項1に記載の鋼管杭と定着鉄筋との位置調整可能な結合構造。
  3. 定着鉄筋の下部に、雌ねじ部を有する継ぎ手スリ−ブが固定され、前記継ぎ手スリ−ブに螺合されると共に、前記鋼製ブラケットの長孔に挿通され、かつ前記鋼製ブラケットの下側に配置される回動工具係合部を有する雄ねじ部材により、前記定着鉄筋は前記鋼製ブラケットに固定されていることを特徴とする請求項1に記載の鋼管杭と定着鉄筋との位置調整可能な結合構造。
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