JP4807554B2 - 流路付開閉弁 - Google Patents

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Description

本発明は、化学工場、または半導体製造分野、液晶製造分野、食品分野などの各種産業に使用される弁に関するものであり、さらに詳しくは、弁本体に螺合されるブッシュの緩みを防止でき、急激な流体圧力がかかってもブッシュが飛び出るのを防ぐことのできる流路付開閉弁に関するものである。
従来の流路付開閉弁、特にダイヤフラムを有する流路付開閉弁は、流入口と流出口が連通する弁室の上部に弁体を有するダイヤフラムが設けられ、弁室底部の弁座に弁体が圧接離間することで弁の開閉が行われるものであり、ダイヤフラムを弁室の上部に固定する方法としては、弁本体と押え部材とでダイヤフラムを挟持固定される構成のものが一般的であった。このときダイヤフラムの挟持固定方法は、弁本体と押え部材とでダイヤフラムを挟持して押え部材を弁本体に螺合することで固定する方法や、弁本体とプラグとでダイヤフラムと押え部材とを挟持してプラグを弁本体に螺合することで固定する方法が用いられていた。
また、上記従来の流路付開閉弁は、バイパス流路の開閉に用いられるダイヤフラムを有するニードル弁としても用いられており、例えば、図7に示すようなバイパス流路付開閉弁がある(特許文献1参照。)。その構成は、主流路の弁口201の流入側と流出側とを連通するバイパス流路をボディ202に開設し、バイパス流路にニードル弁203を介設したバイパス流路開閉弁において、ニードル弁203のニードル204とその周囲に鍔状に突設したダイヤフラム205とをフッ素系樹脂により一体に形成し、ダイヤフラム205の外周縁をボディ202に螺着したねじ体でボディ202に形成した環状段部206に押し付けて前記ニードル204の周りを封止し、ボディ202の側面にねじ孔207が形成された突出部208が突設され、ダイヤフラム205外周縁のフランジ209を突出部208内の環状段部206に当接させると共に、その背面側に押え部材210を押し当て、プラグ211を突出部208のねじ孔207に螺合してプラグ211の先端で押え部材210を押圧するものであり、ダイヤフラム205と押え部材210をボディ202とプラグ211とで挟持固定するものである。その効果は、ニードル204の周りに一体に形成されたダイヤフラム205により画成された収容孔内の空間部には摺動部分がないため摺動部分の摩擦によって磨耗粉が生じて流体中に混入することがなく、また、ニードル204およびダイヤフラム205がフッ素系の合成樹脂からなり耐腐食性に優れるため使用流体との接触により腐蝕してその腐蝕物が流体中に混入することもなく、流体が磨耗粉や腐蝕物の混入により汚損されるのを防止できることである。
実公平2−40365号公報
しかしながら、前記ニードル弁203におけるダイヤフラム205は、押え部材210を挟んでボディ202とプラグ211を螺合することのみで固定されているため、例えば、ニードル弁203の開閉を行うねじ棒212に異物などが咬み込んでハンドルの回転操作が重くなった場合、トルクが大きくなりハンドルを回転させるとねじ棒212の回転に伴ってプラグ211も回転してしまい、プラグ211が緩むことでダイヤフラム205のフランジ209と環状段部206との間からの流体の漏れやダイヤフラム205の変形が起こる恐れがある。また、プラグ211が外れて押え部材210がダイヤフラム205を保持できなくなり流体が流出する恐れがある。また、開閉動作を繰り返したり、振動や長期使用によるクリープなどによるねじ固定の緩みから、プラグ211が緩んでしまうという問題がある。また、想定以上の高圧条件下で使用されて内部に急激な圧力が加わったとき、ねじが内部圧力に耐え切れずに破損して流体と共にプラグ211が飛び出る恐れがある。
プラグ211の緩みを防止する方法としては、螺合以外にもボルト固定、接着、溶着または溶接などの方法が考えられる。しかし、強度を維持したままボルト締めできる構成にするためには部品を大きくしなければならず、コンパクト化の妨げになる。また、接着する方法においては、そもそもボディ202とプラグ211がポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと記す)などの接着不可能な材質であったり、異材質であるために接着できないという場合がある。さらに、溶着や溶接の場合、異材質であるため溶着や溶接が不可能であったり、熱処理を施すために変形を起こしやすいという問題がある。また、接着、溶着または溶接の場合、弁の分解ができなくなるという不都合も生じる。したがって、上記いずれの方法を用いてもプラグ211の緩みを防止する方法として適していない。
本発明は、以上のような従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、弁本体(ボディ202)に螺合されるブッシュ(プラグ211)の緩みを確実に防止することができ、万一、急激な流体圧力がかかった場合もブッシュ(プラグ211)が飛び出るのを防止することができる流路付開閉弁を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の流路付開閉弁の構成を図に基づいて説明すると、弁室8の底面に弁座9が形成され、弁座9に設けられた連通口10に連通する第一流路11と弁室8に連通する第二流路12を有する弁本体1と、弁座9に圧接離間することにより弁の開閉を行う弁体2と、内周面に雌ねじ部22が形成された貫通孔21を有するブッシュ3と、ブッシュ3の雌ねじ部22と螺合されると共に、下端部に弁体2が接続されたステム4とを有する流路付開閉弁において、前記ブッシュ3の前記雌ねじ部22が右回転方向に設けられており、弁本体1の上部に環状突起部14が設けられ、環状突起部14の内周面にはブッシュ3が螺合される右回転方向のねじを有する雌ねじ部15が、環状突起部14の外周面には雌ねじ部15と逆方向のねじを有する雄ねじ部16がそれぞれ設けられており、該雄ねじ部16にステム4が当接することなく貫通可能にされ、キャップナット6の上部に設けられた内鍔部33の下面がブッシュ3の上面と当接することを第一の特徴とする。
また、弁室8の底面に弁座9が形成され、弁座9の中心に設けられた連通口10に連通する第一流路11と弁室8に連通する第二流路12を有する弁本体1と、弁座9に圧接離間することにより弁の開閉を行う弁体2と、内周面に雌ねじ部22が形成された貫通孔21を中央に有するブッシュ3と、ブッシュ3の雌ねじ部22と螺合すると共に、下端部に弁体2が接続されたステム4とを有する流路付開閉弁において、弁本体1の上部に環状突起部14が設けられ、環状突起部14の内周面にはブッシュ3が螺合される雌ねじ部15が、環状突起部14の外周面には該雌ねじ部15のピッチの6分の1から6分の5の大きさのピッチで設けられた雄ねじ部16がそれぞれ設けられており、該雄ねじ部16にステム4が貫通可能にされたキャップナット6が螺合されることを第二の特徴とする。
また、前記弁体2の径方向にダイヤフラム17が延設され、ダイヤフラム17の外周縁に設けられた環状係止部18が、弁本体1の環状突起部14内周に設けられた環状凹部13に嵌合された状態で弁本体1とブッシュ3下部とで挟持固定されることを第三の特徴とする。
さらに、主弁室55と副弁室61及び、該主弁室55に連通する入口流路58と出口流路59とを有し、これらの流路軸に略直交または略平行した位置に設けられた流路付開閉弁において、前記副弁室61の底面に弁座62が形成され、弁座62の中心に設けられた連通口63が入口流路58に連通する第一流路64と、副弁室61が出口流路59または主弁室55に連通する第二流路65とを有する弁本体52と、弁座62に圧接離間することにより弁の開閉を行う副弁体71と、内周面に右回転方向のねじを有する雌ねじ部78が形成された貫通孔77を有するブッシュ75と、ブッシュ75の雌ねじ部78と螺合されると共に、雄ねじ部84を外周面に有し下端部に副弁体71が接続されたステム81とを有し、弁本体52の上部に環状突起部67が設けられ、環状突起部67の内周面にはブッシュ75が螺合される右回転方向のねじを有する雌ねじ部68が、環状突起部67の外周面には雌ねじ部68と逆方向のねじを有する雄ねじ部69がそれぞれ異なるピッチで設けられており、該雄ねじ部69にステム81が当接することなく貫通可能にされ、キャップナット91の上部に設けられた内鍔部92の下面がブッシュ75の上面と当接することを第四の特徴とする。

本発明の流路付開閉弁は、弁本体1の環状突起部14の内周面にブッシュ3が螺合される雌ねじ部15が、環状突起部14の外周面に該雌ねじ部15と逆方向のねじを有する雄ねじ部16がそれぞれ設けられており、該雄ねじ部16にキャップナット6が螺合されている。これにより、ブッシュ3が緩もうとしてもキャップナット6が押えることで緩みを防止でき、さらにブッシュ3の回転に伴ってキャップナット6が共回りして回転しようとしても、逆方向のねじであるためブッシュ3が緩む方向へ回転してもキャップナット6は締め付ける方向へ回転するので、キャップナット6がブッシュ3の緩みを確実に防止し弁本体1から外れないようにすることができる。また、キャップナット6が逆方向のねじで取り付けられていれば、使用者が誤って部品を外してしまうことも防止することができ、分解することによる部品の精度の低下や、例えば環状突起部14とキャップナット6との間にキャップナット6の過締め防止と緩み防止のためのバネを組み付けた構成である場合などにおいてバネが飛び出ることを防ぐことができるので好適である。
本発明の流路付開閉弁は、弁本体36の環状突起部43の内周面にブッシュ37が螺合される雌ねじ部44が、環状突起部43の外周面には雌ねじ部44と互いに異なるピッチで設けられた雄ねじ部45がそれぞれ設けられており、上部に内鍔部47を有するキャップナット38が雄ねじ部45に螺合されている。これにより、ブッシュ37が緩もうとしてもキャップナット38が押えることで緩みを防止でき、さらにブッシュ37の回転に伴ってキャップナット38が共回りして回転しようとしても、例えば、雄ねじ部45のピッチが雌ねじ部44より小さく設定されていれば、回転時の軸方向の移動量の違いからブッシュ37の移動量ほどキャップナット38が移動しないことにより、キャップナット38とブッシュ37が互いに締め付られるため、ブッシュ37の回転を防止することができる。尚、雌ねじ部44と雄ねじ部45が互いに異なるピッチで設けられている場合は、ねじは同一方向のねじでも良く、逆方向のねじでも良い。
本発明において、ピッチとは、ねじの軸線を含む断面において、隣り合うねじ山の相対応する2点間を軸線に平行に測った距離のことである。
また、本発明における雄ねじ部45のピッチは、雌ねじ部44のピッチの6分の1〜6分の5の範囲にあることが好ましく、6分の1.5(4分の1)〜6分の4.5(4分の3)の範囲であることがより好ましい。ピッチを小さくすることに対して、ねじ部の強度の低下によるねじ山のつぶれを防止し、螺合強度の低下が生じることを防止するために雄ねじ部45のピッチは雌ねじ部44のピッチの6分の1以上にする必要がある。また、ブッシュ37が回転しようとするときにキャップナット38が共回りにより回転しようとするときに、ブッシュ37とキャップナット38の軸方向の移動量の違いにより互いに締め付けることで回転を防止させるために雄ねじ部45のピッチは雌ねじ部44のピッチの6分の5以下である必要がある。
また、本発明の流路付開閉弁は、弁体2の径方向にダイヤフラム17が延設され、ダイヤフラム17の外周縁に設けられた環状係止部18が、弁本体1の環状突起部14内周に設けられた環状凹部13に嵌合された状態で弁本体1とブッシュ3下部とで挟持固定された構成であることが望ましい。これはダイヤフラム17が流体の圧力を受け、ブッシュ3が弁本体1と螺合してダイヤフラム17を挟持固定することで、万一、想定以上の高圧条件下で使用されて弁の弁室8内に急激な圧力が加わったとしても、内部圧力はダイヤフラム17を介してブッシュ3に伝わるが、本発明の構成により内部圧力に対してはブッシュ3のねじ固定による保持に加えて、キャップナット6のねじ固定による保持が行われることで、ブッシュ3とキャップナット6の両方による内部圧力に対する保持力を得ることができ、急激な圧力がかかってもブッシュ3が飛び出すことを防ぐことができるため好適である。
また、本発明の流路付開閉弁は、主弁室55と、主弁室55に連通する入口流路58と出口流路59とを有する弁本体52の流路軸に略直交または略平行した位置に設けられても良く、この場合バイパス弁70として使用される。このときバイパス弁70は、副弁室61の底面に弁座62が形成され、弁座62の中心に設けられた連通口63が入口流路58に連通する第一流路64と、副弁室61が出口流路59または主弁室55に連通する第二流路65とを有する構成である。ここでバイパス弁70の位置は、弁本体52の流路軸に略直交した位置に設けても良く、弁本体52の流路軸に略平行した位置に設けても良い。またバイパス弁70の第二流路65は、副弁室61と出口流路59とを連通した構成であっても良く、副弁室61と主弁室55とを連通した構成であっても良い。バイパス弁70として使用される場合、バイパス弁70の構成部品は小型にする必要があり、各ねじ部も小型に形成されるため、ねじ固定による強度があまり高くなく、ねじの緩みが発生し易いが、本発明のように、キャップナット91がブッシュ75とは逆方向のねじで取り付けられているため、繰り返し開閉や振動によってブッシュ75が緩もうとしてもキャップナット91が押えることで緩みを防止でき、さらにブッシュ75の回転に伴ってキャップナット91が共回りして回転しようとしても、キャップナット91は締め付ける方向へ回転するため、キャップナット91がブッシュ75の緩みを確実に防止し、弁本体52から外れないようにすることができる。また、ブッシュ75とキャップナット91の両方による内部圧力に対する保持力を得ることができるため、急激な圧力がかかってもブッシュ75が飛すことを防ぐことができるため好適である。
本発明における流路付開閉弁の種類としてはダイヤフラム弁、ストップ弁、ニードル弁など、特に限定されるものではないが、ダイヤフラム弁であることが好ましい。また、本発明の流路付開閉弁をバイパス弁70として用いる場合、バイパス流路を有する弁本体52の構成は主弁室55と、主弁室55に連通する入口流路58、出口流路59を有していれば特に限定されるものではなく、弁の駆動も手動式、空気式、電動式、磁気式などいずれの構成でも良い。
本発明の流路付開閉弁の各部品の材質は特に限定されず、ポリプロピレン(以下、PPと記す。)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、フッ素樹脂などが挙げられるが、特に弁本体1や弁体2などの接液部に関してはPTFE、ポリビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、PCTFEなどのフッ素樹脂製であれば、腐食に強くて繰り返し疲労特性が良いため好適である。
本発明は以上のような構造をしており、以下の優れた効果が得られる。
(1)弁本体の環状突起部の内周面に雌ねじ部が、環状突起部の外周面に雌ねじ部と逆方向のねじを有する雄ねじ部がそれぞれ設けられていることにより、ブッシュが緩もうとしてもキャップナットが押えることで緩みを防止でき、さらにブッシュの回転に伴ってキャップナットが共回りしようとしたり、ブッシュが緩む方向へ回転してもキャップナットは締め付ける方向へ回転するため、キャップナットがブッシュの緩みを確実に防止し弁本体から外れないようにすることができる。
(2)弁本体の環状突起部の内周面に雌ねじ部が、環状突起部の外周面に該雌ねじ部と互いに異なるピッチで設けられた雄ねじ部がそれぞれ設けられていることにより、ブッシュが緩もうとしてもキャップナットが押えることで緩みを防止でき、さらにブッシュの回転に伴ってキャップナットが共回りしようとしても、回転時の軸方向の移動量の違いからキャップナットとブッシュが互いに締め付られるため、ブッシュの回転を防止することができる。
(3)ブッシュに加わる内部圧力に対して、ブッシュのねじ固定による保持に加えて、キャップナットのねじ固定による保持が行われることで、ブッシュとキャップナットの両方による内部圧力に対する保持力を得ることができ、急激な圧力がかかってもブッシュが飛び出すことを防ぐことができる。
(4)本発明の流路付開閉弁をバイパス弁として使用することで、繰り返し開閉や振動によってブッシュが緩もうとしてもキャップナットが押えることで、緩みを防止でき、また、ブッシュの回転に伴ってキャップナットが共回りして回転しようとしても、キャップナットは締め付けられる方向へ回転するため、キャップナットがブッシュの緩みを確実に防止し弁本体から外れないようにすることができ、さらにブッシュとキャップナットの両方による内部圧力に対する保持力を得ることができるため、急激な圧力がかかってもブッシュが飛び出すことなく使用することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面に示す実施形態を参照して説明するが、本発明が本実施形態に限定されないことは言うまでもない。図1は本発明に係る流路付開閉弁の第一の実施例を示す縦断面図である。図2は本発明に係る流路付開閉弁の第二の実施例を示す要部拡大縦断面図である。図3は本発明に係る流路付開閉弁の第三の実施例を示す縦断面図である。図4は図3の要部拡大縦断面図である。図5は図3を右側面から見た縦断面図である。図6は図3のダイヤフラム弁が閉状態でバイパス弁が開状態を示す縦断面図である。
以下、本発明の第一の実施例を図1に基づいて説明する。
1はPTFE製の弁本体である。弁本体1の上部には、上方へ突出する環状突起部14、環状突起部14の内周面には雌ねじ部15が設けられ、外周面にはこの雌ねじ部15と逆方向のねじを有する雄ねじ部16が設けられている。環状突起部14内周には後記弁体2の環状係止部18が嵌合する環状凹部13を有する。また環状突起部14の上面には、環状凹部13内周壁と後記弁体2のダイヤフラム17と共に形成される略すり鉢形状の弁室8が設けられている。弁室8の底部には連通口10が設けられ、連通口10に連通する第一流路11と弁室8に連通する第二流路12とが設けられている。また連通口10の開口部は弁室8の底部中央に設けられ、開口部の周縁部が弁座9となっている。
2はPTFE製の弁体である。弁体2の上部には断面T字状突部19が設けられており、後記ステム4の切り欠き部26に回動自在に嵌合されている。すなわち弁体2はステム4の回動による上下動に伴って、上下に移動可能であり弁本体1の弁座9に圧接離間され、第一流路11から第二流路12へと流れる流体の閉止あるいは開放が行なわれる。また、弁体2の外周には径方向に延設されたダイヤフラム17が設けられている。さらにダイヤフラム17の外周縁には環状係止部18が設けられ、弁本体1の環状凹部13に嵌合された状態で、弁本体1と後記ブッシュ3下部とで挟持固定されている。
3はPP製のブッシュであり、外周面に雄ねじ部20を有しており前記弁本体1の環状突起部14の内周面に設けられた雌ねじ部15と螺合されている。ブッシュ3の中央には貫通孔21が設けられており、貫通孔21の内周面には雌ネジ部22が設けられ、ブッシュ3の下部には前記弁体2の環状係止部18を前記弁本体1へと押圧する環状突部23が形成され、下部内周には凹部24が形成されている。
4はPP製のステムであり、下部には鍔部25が設けられ、鍔部25内部には前記弁体2のT字状突部19が回動自在に嵌合する切り欠き部26が設けられている。ステム4中央部外周面にはブッシュ3内周面に設けられた雌ネジ部22と螺合する雄ねじ部27が設けられ、上部には凸部28が設けられ、上部内周面には雌ねじ部29が設けられている。
5はPP製のハンドルであり、中央には貫通孔31が設けられ、下部内周には前記ステム4の凸部28と嵌合する凹部30が形成され、ボルト32が貫通孔31を通じてステム4上部の雌ねじ部29と螺合してハンドル5を挟持することでステム4と回動不能に固定されている。
6はPP製のキャップナットであり、上部に内鍔部33が設けられ、内鍔部33の下面は前記ブッシュ3の上面と当接するように設けられている。キャップナット6の下部内周面には前記弁本体1の環状突起部14に設けられた雄ねじ部16と螺合する雌ねじ部34が設けられている。
7はPP製のロックナットであり、内周面に雌ねじ部35が設けられ、ステム4の雄ねじ部27と螺合され、前記ハンドル5と前記キャップナット6の間に配置されている。
次に、本実施例の開閉作動について説明する。
まず、弁を閉止する場合にはハンドル5を右回りに回転させる。ハンドル5と回動不能に固定されたステム4は外周面に設けられた雄ねじ部27の作用により、ハンドル5と共に右回転しながら下降する。このとき弁体2は環状係止部18が弁本体1とブッシュ3との間で挟持固定されており中央上部はステム4下部に回動自在に保持されているため、ステム4が回転しても弁体2やダイヤフラム17は回転することなく下降することができ、弁体2が弁本体1の弁座9に圧接されて連通口10を閉止して弁が閉状態となる。
次に弁を開放する場合にはハンドル5を左に回転させる。閉止時とは逆の作用によりステム4も共に左回転して弁体2が上昇し、弁体2と弁座9が離間して弁が開状態となる。さらにステム4下部の鍔部25上面がブッシュ3下部内周の凹部24底面と接触するまで上昇したところでステム4の回転上昇が抑制され、弁開度の上限となる。
また、所望の弁開度に保持した状態で固定したい場合には、ロックナット7を回転させ下面をキャップナット6上面に圧接固定することでステム4の回転を抑制し、弁開度の固定が行なわれる。弁開度の変更を行なう場合には、一旦ロックナット7を緩め、弁開度を再調整した後に再度ロックナット7を回転して固定することで所望の弁開度が保持される。
次に、本実施例におけるブッシュの緩み防止の作用について説明する。
弁の開放、閉止を行なう際にステム4外周面の雄ねじ部27に異物の咬み込みなどが起こり、ハンドル5の回転操作が重くなった場合、ステム4の回転トルクが大きくなる。大きなトルクでハンドル5を回転してステム4を回転させると、ステム4の回転に伴いブッシュ3も共回りして回転しようとするが、キャップナット6の内鍔部33がブッシュ3の上部を押さえるように設けられており、ブッシュ3が回転して弁本体1から軸方向に移動して外れようとすると、ブッシュ3の上面がキャップナット6の内鍔部33の下面に当接し、ブッシュ3の移動が抑制されて回転ができなくなることでブッシュ3の緩みが防止される。また、ブッシュ3の回転に伴ってキャップナット6が共回りして回転しようとする場合でも、キャップナット6はブッシュ3と逆方向のねじが形成されていて、ブッシュ3が緩む方向へ回転したとしてもキャップナット6は締め付ける方向へ回転するためキャップナット6が外れることがなく、キャップナット6がブッシュ3の緩みを確実に防止し弁本体1から外れないようにすることができる。尚、回転トルクが高い場合に限らず、弁の繰り返し開閉によってブッシュ3の緩みが発生するような場合においても同様にブッシュ3の緩みを防止できる。
また、万一、想定以上の高圧条件下で使用されて弁室8内に急激な圧力が加わったとき、内部圧力はダイヤフラム17を介してブッシュ3に伝わるが、キャップナット6の内鍔部33の下面がブッシュ3の上面と当接するように設けられており、キャップナット6とブッシュ3はそれぞれ弁本体1と螺合している構成により、内部圧力に対してはブッシュ3のねじ固定による保持に加えて、キャップナット6のねじ固定による保持が行われることで、ブッシュ3とキャップナット6の両方による内部圧力に対する保持力を得ることができ、急激な圧力がかかってもブッシュ3が飛び出すことを防ぐことができる。
また、流体の流れなどによる振動や、長期使用によるクリープなどによってねじの緩みが発生し、ブッシュ3が緩む方向に回ろうとしてもキャップナット6は逆に締め付ける方向に回ろうとするため、ブッシュ3の緩みを防止することができる。
以下、本発明に係る流路付開閉弁の第二の実施例を図2に基づいて説明する。
36はPTFE製の弁本体である。弁本体36の上部には、上方へ突出する環状突起部43を有し、環状突起部43の内周面には雌ねじ部44が設けられ、外周面にはこの雌ねじ部44のピッチの3分の2のピッチのねじを有する雄ねじ部45が設けられている。環状突起部43内周には弁体40の環状係止部41が嵌合する環状凹部42を有する。また上面には、環状凹部42内周壁と弁体40のダイヤフラムと共に形成される略すり鉢形状の弁室39が設けられている。
37はPP製のブッシュであり、外周面に雄ねじ部46を有しており前記弁本体36の環状突起部43の内周面に設けられた雌ねじ部44と螺合されている。
38はキャップナットであり、上部に内鍔部47が設けられ、内鍔部47は前記ブッシュ37の上部と当接するように設けられている。キャップナット38の下部内周面には前記弁本体36の環状突起部43に設けられた雄ねじ部45と螺合する雌ねじ部48が設けられている。第二の実施例のその他の構成は、第一の実施例と同様なので説明を省略する。
本発明の第二の実施例である弁の作動については第一の実施例と同様なので説明を省略する。次に、第二の実施例によるブッシュの緩み防止の作用について説明する。
弁の開放、閉止を行なう際にステム49外周面の雄ねじ部50に異物の咬み込みなどが起こり、ハンドル51の回転操作が重くなった場合、ステム49の回転トルクが大きくなる。大きなトルクでハンドル51を回転してステム49を回転させると、ステム49の回転に伴いブッシュ37も共回りして回転しようとするが、キャップナット38の内鍔部47がブッシュ37の上部を押さえるように設けられており、ブッシュ37が回転して弁本体36から軸方向に移動して外れようとすると、ブッシュ37の上面がキャップナット38の内鍔部47の下面に当接し、ブッシュ37の移動が抑制されて回転ができなくなることでブッシュ37の緩みが防止される。また、ブッシュ37の回転に伴ってキャップナット38が共回りして回転しようとする場合でも、キャップナット38の雌ねじ部48が螺合している環状突起部43の雄ねじ部45のピッチは、ブッシュ37が螺合している環状突起部43の雌ねじ部44のピッチの3分の2になるように形成されていて、例えば、ブッシュ37が1回転して軸線方向へ1.5mm移動するときにはキャップナット38は1mmしか移動せず、この移動量の違いから、ブッシュ37の上面がキャップナット38の内鍔部47の下面を押圧してキャップナット38とブッシュ37とが互いに締め付けられるようになり、ブッシュ37の移動が抑制されて回転ができなくなることでブッシュ37の緩みが防止される。尚、回転トルクが高い場合に限らず、弁の繰り返し開閉によってブッシュ37の緩みが発生するような場合においても同様にブッシュ37の緩みを防止できる。
尚、万一、想定以上の高圧条件下で使用されて弁室39内に急激な圧力が加わったときや、流体の流れなどによる振動や、長期使用によるクリープなどに対する作用については実施例1と同様であるので説明を省略する。
以下、本発明の流路付開閉弁をバイパス弁として用いた場合の実施例を図3乃至図6に基づいて説明する。
52はPTFE製の弁本体である。弁本体52の上部には、後記シリンダ本体102の下部と接合される環状突部53と、環状突部53内周に環状溝54を有する。また上面には、環状溝54内周壁と後記ダイヤフラム部97と共に形成される主弁室55が設けられている。主弁室55の底部には連通口56、57が設けられ、連通口56は入口流路58に連通し、連通口57は出口流路59に連通している。また、連通口56の開口部は主弁室55の底部中央に設けられ、開口部の周縁部が弁座部60となっている。また、弁本体52の入口流路58と略直交した位置にはバイパス弁70として機能する副弁室61が弁本体52側面に開口して設けられている。副弁室61の底面は弁座62が形成され、弁座62の中央には連通口63が設けられており、連通口63が入口流路58に連通する第一流路64と、副弁室61が主弁室55に連通する第二流路65が設けられている。副弁室61の外縁には後記副弁体71の環状係止部73が嵌合する環状凹部66と、環状凹部66の外周には副弁室61の軸線に沿って突出する環状突起部67が設けられている。環状突起部67の内周面には雌ねじ部68が設けられ、外周面には雌ねじ部68と逆方向のねじを有する雄ねじ部69が設けられている。
70は第一流路64から副弁室61を通過して第二流路65に流れるバイパス流路の開閉を行うバイパス弁である。バイパス弁70は弁本体52と、副弁体71、ブッシュ75、ステム81、ハンドル87、キャップナット91およびロックナット94から形成されている。バイパス弁70の構成を以下に説明する。
71はPTFE製の副弁体である。副弁体71の弁体部分とは反対側の端部には断面T字状突部74が設けられており、後記ステム81の切り欠き部83に回動自在に嵌合されている。すなわち副弁体71はステム81の回動による上下動(図3、図4、図6では副弁室61の軸線に沿った左右の動き)に伴って、上下(図3、図4、図6では左右)に移動可能であり弁本体52の弁座62に圧接離間され、第一流路64から第二流路65へと流れる流体の閉止あるいは開放が行なわれる。また、副弁体71の外周には径方向に延設されたダイヤフラム72が設けられている。さらにダイヤフラム72の外周縁には環状係止部73が設けられ、弁本体52の環状凹部66に嵌合された状態で、弁本体52と後記ブッシュ75下部とで挟持固定されている。
75はPP製のブッシュであり、外周面に雄ねじ部76を有しており、前記弁本体52の環状突起部67の内周面に設けられた雌ねじ部68と螺合されている。ブッシュ75の中央には貫通孔77が設けられており、貫通孔77の上部内周面には雌ねじ部78が設けられ、ブッシュ75の下部には前記副弁体71を前記弁本体52とで挟持固定する環状突部79が形成され、副弁室61側の端部内周には凹部80が形成されている。
81はPP製のステムであり、ステム81の副弁室61側の端部には鍔部82が設けられ、鍔部82内部には前記副弁体71のT字状突部74が回動自在に嵌合される切り欠き部83が設けられている。ステム81中央部外周面にはブッシュ75内周面に設けられた雌ねじ部78と螺合する雄ねじ部84が設けられている。ステム81のもう一方の端部には凸部85が設けられ、内周面には雌ねじ部86が設けられている。
87はPP製のハンドルであり、一端部には前記ステム81の凸部85と嵌合する凹部88が形成され、中央には貫通孔89が設けられ、ボルト90が貫通孔89を通じてステム81の雌ねじ部86と螺合してハンドル87を挟持することでステム81と回動不能に固定されている。
91はPP製のキャップナットであり、一端部に内鍔部92が設けられ、内鍔部92は前記ブッシュ75と当接するように設けられている。キャップナット91のもう一方の端部内周面には前記弁本体52の環状突起部67に設けられた雄ねじ部69と螺合する雌ねじ部93が設けられている。
94はPP製のロックナットであり、内周面に雌ねじ部95が設けられ、ステム81の雄ねじ部84と螺合され、前記ハンドル87と前記キャップナット91の間に位置している。
96は主弁室55に連通する入口流路58と出口流路59の開閉を行うダイヤフラム弁である。ダイヤフラム弁96は弁本体52と、ダイヤフラム部97、シリンダ本体102、ピストン108および隔膜押さえ113から形成されている。ダイヤフラム弁の構成を以下に説明する。
97は主弁室55の上部に位置するPTFE製のダイヤフラム部である。ダイヤフラム部97の中央上部は後記隔膜押さえ113の挿嵌部114に受容され、且つ下面は弁座部60に圧接離間される主弁体98が形成されている。主弁体98の上部には雌ネジ部99が設けられており、後記ピストン108の軸部112下端部の雄ネジ部111に螺着されている。すなわち主弁体98はピストン108の上下動に伴って、上下に移動可能であり弁本体52の弁座部60に圧接離間され、入口流路58から出口流路59への流路の閉止あるいは開放が行なわれる。また、主弁体98の外周には径方向へ延設された隔膜部100が設けられている。さらに隔膜部100外周縁には断面矩形状の環状嵌合部101が設けられ、弁本体52の環状溝54に嵌合された状態で弁本体52と後記隔膜押さえ113の下面とで挟持固定されている。
102はPP製のシリンダ本体であり、ボルト・ナット(図示せず)で前記弁本体52の上部に固定されている。シリンダ本体102の内部には階段状に上部空間103、下部空間104が形成され、さらに下部には後記隔膜押さえ113の嵌合部105が設けられていて、シリンダ本体102の側面には、上部空間103に連通する第一作動流体供給口106と下部空間104に連通する第二作動流体供給口107が形成されている。尚、シリンダ本体102の上部空間103には後記ピストン108を下方向に付勢するバネを設けてもよく、この場合、逆作動弁として用いることができる。
108はPP製のピストンであり、上方には、上部外周面にOリングを保持するための環状の溝部109を有する鍔部110が設けられており、シリンダ本体102の下部空間104の内周面を上下に摺動自在に配置されている。下方には、Oリングが嵌着され、下端部にダイヤフラム部97の雌ネジ部99に螺着される雄ネジ部111が形成される軸部112が、後記隔膜押さえ113の貫通孔115を貫通した状態で、鍔部110中央から垂下して一体的に設けられている。
113はPP製の隔膜押さえであり、その下方には挿嵌部114が形成されている。挿嵌部114にはダイヤフラム部97の上部が受容される。挿嵌部114上面中央にはピストン108の軸部112が嵌挿される貫通孔115が形成され、隔膜押さえ113下面には挿嵌部114に向かって縮径するテーパ部116が設けられている。隔膜押さえ113の外周にはOリング117が配置されている。下部外周面には環状突起部118が形成され、シリンダ本体102の嵌合部105に挿嵌されている。
次に、本実施例をバイパス弁として用いた場合の作用について説明する。
まずダイヤフラム弁96の作動を説明する。バイパス弁70が閉状態であり、ダイヤフラム弁96が閉状態において、ダイヤフラム弁96の主弁体98は弁座部60に圧接され流路を閉止している。この状態から第二作動流体供給口107に作動流体であるエアを注入すると、ピストン108と隔膜押さえ113の間に形成される下部空間104へエアが注入され、エアの圧力でピストン108が押し上げられるため、ピストン108と接続されている主弁体98も弁座部60から離間し、上方へ引き上げられてダイヤフラム弁96は開状態(図3、図5の状態)となり、流体は入口流路58から流入して、連通口56、主弁室55、連通口57を通過して出口流路59から流出される。ダイヤフラム弁96が開状態(図3、図5の状態)において、この状態から第一作動流体供給口106に作動流体であるエアを注入すると、ピストン108上部とシリンダ本体102内周面で形成される上部空間103へエアが注入され、エアの圧力でピストン108が押し下げられるため、ピストン108と接続されている主弁体98も下方へ押し下げられ弁座部60に圧接されることでダイヤフラム弁は閉状態となる。
次にバイパス弁70の作動を説明する。バイパス弁70を開放する場合にはハンドル87を左回りに回転させる。ハンドル87と回動不能に固定されたステム81は外周面に設けられた雄ねじ部84の作用により、ハンドル87と同時に左回転しながら上昇(ハンドル方向へ移動)する。このとき副弁体71は環状係止部73が弁本体52とブッシュ75との間で挟持固定されており、ステム81の端部に回動自在に保持されているため、ステム81が回転しても副弁体71やダイヤフラム72は回転することがなく上昇することができ、副弁体71が弁本体52の副弁室61の弁座62から離間されて連通口63を開放してバイパス弁70が開状態となる(図6の状態)。ダイヤフラム弁96の主弁体98で閉止されていた入口流路58から流入した流体は、第一流路64を通って副弁室61に流入し、副弁室61から第二流路65を通って主弁室55に流入し、主弁室55から出口流路59を通って流出される。このとき、バイパス弁70はダイヤフラム弁96より小さく形成され、その弁開度は微少な調整が可能であるため、入口流路58から流入する流体は、バイパス弁70により微少な流量に調整されて出口流路59から流出される。
また、所望の弁開度に保持した状態で固定する際には、ロックナット94を回転させ下面をキャップナット91上面に圧接固定することでステム81の回転を抑制し、弁開度の固定が行なわれる。弁開度の変更を行なう場合には、一旦ロックナット94を緩め、弁開度を再調整した後に再度ロックナット94を回転して固定することで弁開度が保持される。これにより、微少に調整された流体流量を保持することができる。
バイパス弁70を閉止する場合にはハンドル87を右に回転させる。開放時とは逆の作用によりステム81も共に右回転して副弁体71が下降し、副弁体71が弁座62に圧接して弁が閉状態となる。
以上の構成により、ダイヤフラム弁96で微小流量に調整する必要がある場合、バイパス弁70を用いることで容易に微少流量を調整し、これを保持することができる。これにより、ダイヤフラム弁96を閉止してバイパス弁70の弁開度を調整して流体のスローリークを行うことができ、その量も手動で容易に変更することができる。このバイパス弁70は、化学薬液ラインや純水ラインに好適に用いられ、スローリークを行い常時流体を流した状態で使用することにより、バクテリア等の繁殖を防止することができる。
次に、本実施例におけるブッシュの緩み防止の作用について説明する。
バイパス弁70は微小な流量を調節するため、その構成部品はダイヤフラム弁96より小型にする必要がある。したがって、バイパス弁70の各部品のねじ部は小型に形成される。ねじ部が小さくなると、ねじ部の強度が下がり潰れや変形が起こりやすくなる。そして、弁の開放、閉止を行なう際にステム81外周面の雄ねじ部84が変形して、ハンドル87の回転操作が固くなった場合、ステム81の回転トルクが大きくなる。大きなトルクでハンドル87を回転してステム81を回転させると、ステム81の回転に伴いブッシュ75も共回りして回転しようとするが、キャップナット91の内鍔部92がブッシュ75の上部を押さえるように設けられており、ブッシュ75が回転して弁本体52から軸方向に移動して外れようとすると、ブッシュ75の上面がキャップナット91の内鍔部92の下面に当接し、ブッシュ75の移動が抑制されて回転ができなくなることでブッシュ75の緩みが防止される。また、ブッシュ75の回転に伴ってキャップナット91が共回りして回転しようとする場合でも、キャップナット91はブッシュ75と逆方向のねじが形成されていて、ブッシュ75が緩む方向へ回転したとしてもキャップナット91は締め付ける方向へ回転するためキャップナット91が外れることがなく、キャップナット91がブッシュ75の緩みを確実に防止し弁本体52から外れないようにすることができる。尚、回転トルクが高い場合に限らず、弁の繰り返し開閉によってブッシュ75の緩みが発生するような場合においても同様にブッシュ75の緩みを防止できる。
また、万一、想定以上の高圧条件下で使用されてバイパス弁70の副弁室61内に急激な圧力が加わった場合、内部圧力はダイヤフラム72を介してブッシュ75に伝わる。各部品のねじ部が小さいということは、ねじ部の強度が低くなり圧力に耐え切れずに破損する可能性が高くなるが、キャップナット91の内鍔部33の下面がブッシュ3の上面と当接するように設けられており、キャップナット91とブッシュ75はそれぞれ弁本体52と螺合している構成により、内部圧力に対してはブッシュ75のねじ固定による保持に加えて、キャップナット91のねじ固定による保持が行われることで、ブッシュ75とキャップナット91の両方による内部圧力に対する保持力を得ることができ、急激な圧力がかかってもブッシュ75が飛び出すことを防ぐことができる。
また、流体の流れなどによる振動や、長期使用によるクリープなどによってねじの緩みが発生するような場合においても、ブッシュ75が緩む方向に回ろうとしてもキャップナット91は逆に締め付ける方向に回ろうとするため、ブッシュ75の緩みを防止することができる。
本発明に係る流路付開閉弁の第一の実施例を示す縦断面図である。 本発明に係る流路付開閉弁の第二の実施例を示す要部拡大縦断面図である。 本発明に係る流路付開閉弁の第三の実施例を示す縦断面図である。 図3の要部拡大縦断面図である。 図3を右側面から見た縦断面図である。 図3のダイヤフラム弁が閉状態でバイパス弁が開状態を示す縦断面図である。 従来のバイパス流路付開閉弁を示す縦断面図である。
符号の説明
1…弁本体
2…弁体
3…ブッシュ
4…ステム
5…ハンドル
6…キャップナット
7…ロックナット
8…弁室
9…弁座
10…連通口
11…第一流路
12…第二流路
14…環状突起部
15…雌ねじ部
16…雄ねじ部
17…ダイヤフラム
18…環状係止部
20…雄ねじ部
22…雌ねじ部
27…雄ねじ部
33…内鍔部
34…雌ねじ部
36…弁本体
37…ブッシュ
38…キャップナット
39…弁室
40…弁体
43…環状突起部
44…雌ねじ部
45…雄ねじ部
49…ステム
51…ハンドル
52…弁本体
55…主弁室
56…連通口
57…連通口
58…入口流路
59…出口流路
60…弁座部
61…副弁室
62…弁座
63…連通口
64…第一流路
65…第二流路
67…環状突起部
68…雌ねじ部
69…雄ねじ部
70…バイパス弁
71…副弁体
72…ダイヤフラム
75…ブッシュ
78…雌ねじ部
81…ステム
84…雄ねじ部
87…ハンドル
91…キャップナット
92…内鍔部
93…雌ねじ部
94…ロックナット
97…ダイヤフラム部
98…主弁体
102…シリンダ本体
108…ピストン
113…隔膜押え

Claims (4)

  1. 弁室の底面に弁座が形成され、該弁座に設けられた連通口に連通する第一流路と弁室に連通する第二流路を有する弁本体と、前記弁座に圧接離間することにより弁の開閉を行う弁体と、内周面に雌ねじ部が形成された貫通孔を有するブッシュと、該ブッシュの該雌ねじ部に螺合されると共に、下端部に前記弁体が接続されたステムとを有する流路付開閉弁において、前記ブッシュの前記雌ねじ部が右回転方向に設けられており、前記弁本体の上部に環状突起部が設けられ、該環状突起部の内周面には前記ブッシュが螺合される右回転方向のねじを有する雌ねじ部が、該環状突起部の外周面には該雌ねじ部と逆方向のねじを有する雄ねじ部がそれぞれ異なるピッチで設けられており、該雄ねじ部に前記ステムが当接することなく貫通可能にされたキャップナットが螺合され、キャップナットの上部に設けられた内鍔部の下面がブッシュの上面と当接することを特徴とする流路付開閉弁。
  2. 弁室の底面に弁座が形成され、該弁座に設けられた連通口に連通する第一流路と弁室に連通する第二流路を有する弁本体と、前記弁座に圧接離間することにより弁の開閉を行う弁体と、内周面に雌ねじ部が形成された貫通孔を有するブッシュと、該ブッシュの雌ねじ部に螺合されると共に、下端部に前記弁体が接続されたステムとを有する流路付開閉弁において、前記弁本体の上部に環状突起部が設けられ、該環状突起部の内周面には前記ブッシュが螺合される雌ねじ部が、該環状突起部の外周面には雌ねじ部のピッチの6分の1から6分の5の大きさのピッチで設けられた雄ねじ部がそれぞれ設けられており、該雄ねじ部に前記ステムが貫通可能にされたキャップナットが螺合されることを特徴とする流路付開閉弁。
  3. 前記弁体の径方向にダイヤフラムが延設され、該ダイヤフラムの外周縁に設けられた環状係止部が、前記弁本体の環状突起部内周に設けられた環状凹部に嵌合された状態で該弁本体と前記ブッシュ下部とで挟持固定されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流路付開閉弁。
  4. 主弁室と副弁室及び、該主弁室に連通する入口流路と出口流路とを有し、これらの流路軸に略直交または略平行した位置に設けられた流路付開閉弁において、前記副弁室の底面に弁座が形成され、該弁座に設けられた連通口が前記入口流路に連通する第一流路と、前記副弁室が前記出口流路または前記主弁室に連通する第二流路とを有する弁本体と、前記弁座に圧接離間することにより弁の開閉を行う副弁体と、内周面に右回転方向のねじを有する雌ねじ部が形成された貫通孔を有するブッシュと、該ブッシュの雌ねじ部に螺合されると共に、下端部に該弁体が接続されたステムとを有し、該弁本体の上部に環状突起部が設けられ、該環状突起部の内周面には前記ブッシュが螺合される右回転方向のねじを有する雌ねじ部が、該環状突起部の外周面には雌ねじ部と逆方向のねじを有する雄ねじ部がそれぞれ異なるピッチで設けられており、該雄ねじ部に前記ステムが当接することなく貫通可能にされ、キャップナットの上部に設けられた内鍔部の下面がブッシュの上面と当接することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の流路付開閉弁。
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