JP4805593B2 - 液状モールディング用硬化性組成物 - Google Patents
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Description
また、アクリルゴムに代表されるゴムを成形する場合は、未加硫ゴムに、充填材、加硫剤等の配合剤を混練した後に加硫成形することにより得られるが、この場合、上記問題点以外に、混練り時にロールに付着したり、シーティング時に平滑になりにくかったり、あるいは成形時に非流動性である等の加工性の悪さと加硫速度の遅さ、あるいは長時間のポストキュアが必要である等の硬化性の悪さにも問題がある。
しかし、このような硬化性組成物やその硬化物は、作業性や成形性に問題があった。また、金型離型性が十分ではないことがあり、成形体等を作成した後の脱型時等に硬化物が破損して、いわゆるゴム裂けが発生したり、場合によっては金型からゴムが剥がれなくなることもあった。
(1)(A)一般式(1):
−OC(O)C(Ra)=CH2 (1)
(式中、Raは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わす)
で表わされる基を1分子あたり2個以上有し、かつ、そのうち分子末端に前記一般式(1)で表わされる基を1個以上有するビニル系重合体
(B)開始剤
を含有してなる液状モールディング用硬化性組成物。
(2)前記(A)成分、(B)成分に加え、さらに(C)金属石鹸を含有してなる(1)記載の液状モールディング用硬化性組成物。
(3)(A)成分の主鎖を構成するビニル系モノマーが、(メタ)アクリル系モノマーである(1)〜(2)いずれかに記載の液状モールディング用硬化性組成物。
(4)(A)成分の主鎖を構成するビニル系モノマーが、アクリル酸エステル系モノマーである(1)〜(3)のいずれかに記載の液状モールディング用硬化性組成物。
(5)(A)成分の主鎖を構成するビニル系モノマーが、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル及び2−メトキシエチルアクリレートから選ばれる少なくとも1つを含むものである(1)〜(4)のいずれかに記載の液状モールディング用硬化性組成物。
(7)(A)成分の一般式(1)におけるRaが、水素原子又はメチル基である(6)記載の液状モールディング用硬化性組成物。
(8)前記(A)成分が、
末端にハロゲン基を有するビニル系重合体に、
一般式(2):
M+−OC(O)C(Ra)=CH2 (2)
(式中、Raは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わす、M+はアルカリ金属イオン又は4級アンモニウムイオンを表わす)
で示される化合物を反応させること
により製造される(1)〜(7)のいずれかに記載の液状モールディング用硬化性組成物。
(9)末端にハロゲン基を有するビニル系重合体が、一般式(3):
−CR1R2X (3)
(式中、R1、R2はビニル系モノマーのエチレン性不飽和基に結合した基、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす)
で示される基を有する(8)記載の液状モールディング用硬化性組成物。
末端に水酸基を有するビニル系重合体に、
一般式(4):
X1C(O)C(Ra)=CH2 (4)
(式中、Raは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わす、X1は塩素原子、臭素原子又は水酸基を表わす)
で示される化合物を反応させること
により製造される(1)〜(7)のいずれかに記載の液状モールディング用硬化性組成物。
(11)前記(A)成分が、
(1)末端に水酸基を有するビニル系重合体に、ジイソシアネート化合物を反応させ、
(2)残存イソシアネート基と、一般式(5):
HO−R’− OC(O)C(Ra)=CH2 (5)
(式中、Raは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わす、R’は炭素数2〜20の2価の有機基を表わす)
で示される化合物と反応させること
により製造される(1)〜(7)のいずれかに記載の液状モールディング用硬化性組成物。
(13)リビングラジカル重合が原子移動ラジカル重合である(12)記載の液状モールディング用硬化性組成物。
(14)原子移動ラジカル重合の触媒である遷移金属錯体が、銅、ニッケル、ルテニウム又は鉄の錯体より選ばれるものである(13)記載の液状モールディング用硬化性組成物。
(15)遷移金属錯体が銅の錯体である(14)記載の液状モールディング用硬化性組成物。
(17)前記(A)成分の数平均分子量が3000以上である(1)〜(16)のいずれかに記載の液状モールディング用硬化性組成物。
(18)前記(A)成分のビニル系重合体が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量と数平均分子量の比の値が1.8未満である(1)〜(17)のいずれかに記載の液状モールディング用硬化性組成物。
(19)前記(B)成分が熱重合開始剤である(1)〜(18)のいずれかに記載の液状モールディング用硬化性組成物。
(20)前記(B)成分がレドックス系開始剤である(1)〜(18)のいずれかに記載の液状モールディング用硬化性組成物。
(22)(C)成分がステアリン酸金属塩類である(1)〜(21)のいずれかに記載の液状モールディング用硬化性組成物。
(23)(C)成分が、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸亜鉛から選ばれる少なくとも1種である(22)記載の液状モールディング用硬化性組成物。
(24)さらに、(D)補強性シリカを含有してなる(1)〜(23)のいずれかに記載の液状モールディング用硬化性組成物。
(25)(1)〜(24)のいずれかに記載の液状モールディング用硬化性組成物を、液状モールディング成形により硬化させてなる成形体。
本発明の液状モールディング用硬化性組成物は、下記(A)成分及び(B)成分を含有してなる組成物である。
(A)一般式(1):
−OC(O)C(Ra)=CH2 (1)
(式中、Raは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わす)
で表わされる基を1分子あたり2個以上有し、かつ、そのうち分子末端に前記一般式(1)で表わされる基を1個以上有するビニル系重合体
(B)開始剤。
(A)成分は、一般式(1):
−OC(O)C(Ra)=CH2 (1)
(式中、Raは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わす)
で表わされる基を1分子あたり2個以上有し、かつ、そのうち分子末端に前記一般式(1)で表わされる基を1個以上有するビニル系重合体である。
なお、(A)成分を製造する際、実際には副反応が起こることがあるため、製造されたビニル系重合体の混合物中の上記(メタ)アクリロイル系基の個数の平均値が2未満になることがある。本発明においては、実際に製造されるビニル系重合体の混合物中の(メタ)アクリロイル系基の個数の平均値が1.1以上である場合は、この混合物を(A)成分という。つまり、(A)成分としては、上記(メタ)アクリロイル系基を1分子あたり2個以上かつ分子末端に1個以上有するビニル系重合体を含有する、ビニル系重合体の混合物を含むものである。
また、架橋させるという観点から、上記(メタ)アクリロイル系基の個数の平均値は、1分子あたり1.5個以上が好ましい。
さらに、該(メタ)アクリロイル系基の1個以上は分子末端に存在するものであるが、他の(メタ)アクリロイル系基の位置は特に限定されない。架橋点間距離を長くできる点から、もう一方の分子末端側近くにある形態が好ましく、もう一方の分子末端にある形態が特に好ましい。
前記炭素数1〜20の炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、ニトリル基等が挙げられ、これらは水酸基等の置換基を有していてもよい。
前記炭素数1〜20のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。
炭素数6〜20のアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
炭素数7〜20のアラルキル基としては、例えばベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。
Raの好ましい具体例としては、例えば−H、−CH3、−CH2CH3、−(CH2)nCH3(nは2〜19の整数を表わす)、−C6H5、−CH2OH、−CN等が挙げられ、好ましくは−H、−CH3である。
なお、本発明におけるGPC測定の際には、通常は、クロロホルム又はテトラヒドロフランを移動相とし、ポリスチレンゲルカラムを使用し、分子量の値はポリスチレン換算値で求めている。
(A)成分の製法については特に限定はない。
ビニル系重合体は、一般にアニオン重合あるいはラジカル重合によって製造されるが、モノマーの汎用性あるいは制御の容易さからラジカル重合が好ましい。ラジカル重合の中でも、リビングラジカル重合あるいは連鎖移動剤を用いたラジカル重合によって製造されるのが好ましく、特に前者が好ましい。
したがって、「リビングラジカル重合法」では、分子量分布が狭く、粘度が低い重合体を得ることができる上に、特定の官能基を有するモノマーを重合体のほぼ任意の位置に導入することができるため、前記特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法としてはより好ましいものである。
連鎖移動剤(テロマー)を用いたラジカル重合としては、特に限定はないが、本発明に適した末端構造を有するビニル系重合体を得る方法としては、次の2つの方法が例示される。
特開平4−132706号公報に示されているようなハロゲン化炭化水素を連鎖移動剤として用いてハロゲン末端の重合体を得る方法と、特開昭61−271306号公報、特許2594402号公報、特開昭54−47782号公報に示されているような水酸基含有メルカプタンあるいは水酸基含有ポリスルフィド等を連鎖移動剤として用いて水酸基末端の重合体を得る方法である。
そのうち、まず、ニトロキシド化合物等のラジカル捕捉剤(キャッピング剤)を用いる方法について説明する。
この重合法では、一般に安定なニトロキシフリーラジカル(=N−O・)をラジカルキャッピング剤として用いる。このような化合物には特に限定はないが、2,2,6,6−置換−1−ピペリジニルオキシラジカルや2,2,5,5−置換−1−ピロリジニルオキシラジカル等、環状ヒドロキシアミンからのニトロキシフリーラジカルが好ましい。置換基としてはメチル基やエチル基等の炭素数4以下のアルキル基が適当である。
前記ニトロキシフリーラジカルの代わりに、ガルビノキシル(galvinoxyl)フリーラジカル等の安定なフリーラジカルを用いても構わない。
両者の併用割合は特に限定はないが、ラジカルキャッピング剤1モルに対し、ラジカル開始剤0.1〜10モルが適切である。
前記パーオキシドには特に限定はないが、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド等のジアルキルパーオキシド類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネート類、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のアルキルパーエステル類等が挙げられる。特にベンゾイルパーオキシドが好ましい。
さらに、パーオキシドの代わりにアゾビスイソブチロニトリルのようなラジカル発生性アゾ化合物等のラジカル発生剤も使用し得る。
この原子移動ラジカル重合法では、有機ハロゲン化物、特に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物(例えば、α位にハロゲンを有するカルボニル化合物や、ベンジル位にハロゲンを有する化合物)、あるいはハロゲン化スルホニル化合物等が開始剤として用いられる。
C6H5−CH2X、C6H5−C(H)(X)CH3、C6H5−C(X)(CH3)2
(式中、C6H5はフェニル基、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子)、
R3−C(H)(X)−CO2R4、R3−C(CH3)(X)−CO2R4、R3−C(H)(X)−C(O)R4、R3−C(CH3)(X)−C(O)R4
(式中、R3、R4は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子)、
R3−C6H4−SO2X
(式中、R3は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子)
等が挙げられる。
前記官能基としては、アルケニル基、架橋性シリル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基等が挙げられる。
R6R7C(X)−R8−R9−C(R5)=CH2 (6)
(式中、R5は水素原子又はメチル基、R6、R7は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基又は他端において相互に連結したもの、R8は−C(O)O−(エステル基)、−C(O)−(ケト基)又はo−,m−,p−フェニレン基、R9は直接結合又は1個以上のエーテル結合を含有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子)
で示されるものが例示される。
R9の1個以上のエーテル結合を含有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基としては、例えば1個以上のエーテル結合を含有していてもよい炭素数1〜20のアルキレン基等が挙げられる。
XCH2C(O)O(CH2)nCH=CH2、
H3CC(H)(X)C(O)O(CH2)nCH=CH2、
(H3C)2C(X)C(O)O(CH2)nCH=CH2、
CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2)nCH=CH2、
XCH2C(O)O(CH2)nO(CH2)mCH=CH2、
H3CC(H)(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)mCH=CH2、
(H3C)2C(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)mCH=CH2、
CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)mCH=CH2、
o,m,p−XCH2−C6H4−(CH2)n−CH=CH2、
o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH2)n−CH=CH2、
o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−(CH2)n−CH=CH2、
(以上の式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子、nは0〜20の整数)、
o,m,p−XCH2−C6H4−(CH2)n−O−(CH2)m−CH=CH2、
o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH2)n−O−(CH2)m−CH=CH2、
o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−(CH2)n−O−(CH2)mCH=CH2
(以上の式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)、
o,m,p−XCH2−C6H4−O−(CH2)n−CH=CH2、
o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)n−CH=CH2、
o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)n−CH=CH2
(以上の式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子、nは0〜20の整数)
o,m,p−XCH2−C6H4−O−(CH2)n−O−(CH2)m−CH=CH2、
o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)n−O−(CH2)m−CH=CH2、
o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)n−O−(CH2)m−CH=CH2
(以上の式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
等が挙げられる。
H2C=C(R5)−R9−C(R6)(X)−R10−R7 (7)
(式中、R5、R6、R7、R9、Xは前記に同じ、R10は、直接結合、−C(O)O−(エステル基)、−C(O)−(ケト基)又はo−,m−,p−フェニレン基を表わす)
で示される化合物が挙げられる。
CH2=CHCH2X、CH2=C(CH3)CH2X、
CH2=CHC(H)(X)CH3、CH2=C(CH3)C(H)(X)CH3、
CH2=CHC(X)(CH3)2、CH2=CHC(H)(X)C2H5、
CH2=CHC(H)(X)CH(CH3)2、
CH2=CHC(H)(X)C6H5、CH2=CHC(H)(X)CH2C6H5、
CH2=CHCH2C(H)(X)−CO2R、
CH2=CH(CH2)2C(H)(X)−CO2R、
CH2=CH(CH2)3C(H)(X)−CO2R、
CH2=CH(CH2)8C(H)(X)−CO2R、
CH2=CHCH2C(H)(X)−C6H5、
CH2=CH(CH2)2C(H)(X)−C6H5、
CH2=CH(CH2)3C(H)(X)−C6H5
(以上の式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基)
等をあげることができる。
o−,m−,p−CH2=CH−(CH2)n−C6H4−SO2X、
o−,m−,p−CH2=CH−(CH2)n−O−C6H4−SO2X
(以上の式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子、nは0〜20の整数)
等をあげることができる。
R6R7C(X)−R8−R9−C(H)(R5)CH2−[Si(R11)2−b(Y)bO]m−Si(R12)3−a(Y)a (8)
(式中、R5、R6、R7、R8、R9、Xは前記に同じ、R11、R12は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、又は(R’)3SiO−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R11又はR12が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい、Yは水酸基又は加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい、aは0、1、2又は3、bは0、1又は2、mは0〜19の整数、ただし、a+mb≧1を満足する)
に示すものが例示される。
XCH2C(O)O(CH2)nSi(OCH3)3、
CH3C(H)(X)C(O)O(CH2)nSi(OCH3)3、
(CH3)2C(X)C(O)O(CH2)nSi(OCH3)3、
XCH2C(O)O(CH2)nSi(CH3)(OCH3)2、
CH3C(H)(X)C(O)O(CH2)nSi(CH3)(OCH3)2、
(CH3)2C(X)C(O)O(CH2)nSi(CH3)(OCH3)2、
(以上の式中、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、nは0〜20の整数)、
XCH2C(O)O(CH2)nO(CH2)mSi(OCH3)3、
H3CC(H)(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)mSi(OCH3)3、
(H3C)2C(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)mSi(OCH3)3、
CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)mSi(OCH3)3、
XCH2C(O)O(CH2)nO(CH2)mSi(CH3)(OCH3)2、
H3CC(H)(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)m−Si(CH3)(OCH3)2、
(H3C)2C(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)m−Si(CH3)(OCH3)2、
CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)m−Si(CH3)(OCH3)2
(以上の式中、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)、
o,m,p−XCH2−C6H4−(CH2)2Si(OCH3)3、
o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH2)2Si(OCH3)3、
o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−(CH2)2Si(OCH3)3、
o,m,p−XCH2−C6H4−(CH2)3Si(OCH3)3、
o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH2)3Si(OCH3)3、
o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−(CH2)3Si(OCH3)3、
o,m,p−XCH2−C6H4−(CH2)2−O−(CH2)3Si(OCH3)3、
o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH2)2−O−(CH2)3Si(OCH3)3、
o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−(CH2)2−O−(CH2)3Si(OCH3)3、
o,m,p−XCH2−C6H4−O−(CH2)3Si(OCH3)3、
o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)3Si(OCH3)3、
o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)3−Si(OCH3)3、
o,m,p−XCH2−C6H4−O−(CH2)2−O−(CH2)3−Si(OCH3)3、
o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)2−O−(CH2)3Si(OCH3)3、
o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)2−O−(CH2)3Si(OCH3)3
(以上の式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子)
等が挙げられる。
(R12)3−a(Y)aSi−[OSi(R11)2−b(Y)b]m−CH2−C(H)(R5)−R9−C(R6)(X)−R10−R7 (9)
(式中、R5、R6、R7、R9、R10、R11、R12、a、b、X、Yは前記に同じ、mは0〜19の整数)
で示されるものが例示される。
(CH3O)3SiCH2CH2C(H)(X)C6H5、
(CH3O)2(CH3)SiCH2CH2C(H)(X)C6H5、
(CH3O)3Si(CH2)2C(H)(X)−CO2R、
(CH3O)2(CH3)Si(CH2)2C(H)(X)−CO2R、
(CH3O)3Si(CH2)3C(H)(X)−CO2R、
(CH3O)2(CH3)Si(CH2)3C(H)(X)−CO2R、
(CH3O)3Si(CH2)4C(H)(X)−CO2R、
(CH3O)2(CH3)Si(CH2)4C(H)(X)−CO2R、
(CH3O)3Si(CH2)9C(H)(X)−CO2R、
(CH3O)2(CH3)Si(CH2)9C(H)(X)−CO2R、
(CH3O)3Si(CH2)3C(H)(X)−C6H5、
(CH3O)2(CH3)Si(CH2)3C(H)(X)−C6H5、
(CH3O)3Si(CH2)4C(H)(X)−C6H5、
(CH3O)2(CH3)Si(CH2)4C(H)(X)−C6H5、
(以上の式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基)
等が挙げられる。
HO−(CH2)n−OC(O)C(H)(R)(X)
(式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子、Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数)
H2N−(CH2)n−OC(O)C(H)(R)(X)
(式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子、Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数)
この重合において用いられるビニル系モノマーには特に制約はなく、既に例示したものをすべて好適に用いることができる。
銅化合物を用いる場合、触媒活性を高めるために2,2’−ビピリジル、その誘導体、1,10−フェナントロリン、その誘導体、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチルトリス(2−アミノエチル)アミン等のポリアミン等の配位子を添加することができる。
ルテニウム化合物を触媒として用いる場合、活性化剤としてアルミニウムアルコキシド類を添加することができる。
さらに、2価の鉄のビストリフェニルホスフィン錯体(FeCl2(PPh3)2)、2価のニッケルのビストリフェニルホスフィン錯体(NiCl2(PPh3)2)、2価のニッケルのビストリブチルホスフィン錯体(NiBr2(PBu3)2)も、触媒として好適である。
溶剤の種類としては、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶剤等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく2種以上を混合して用いてもよい。
また、重合は、室温〜200℃、好ましくは50〜150℃の範囲で行なうことができる。
(A)成分の製造方法には特に限定はないが、例えば前述の方法により反応性官能基を有するビニル系重合体を製造し、反応性官能基を(メタ)アクリロイル系基を有する置換基に変換することにより製造することができる。
以下に、反応性官能基を有するビニル系重合体の末端を一般式(1)で表わされる基に変換する方法について説明する。
(導入方法1)末端にハロゲン基(ハロゲン原子)を有するビニル系重合体と、一般式(2):
M+−OC(O)C(Ra)=CH2 (2)
(式中、Raは水素原子又は炭素数1〜20の有機基、M+はアルカリ金属イオン又は4級アンモニウムイオンを表わす)
で示される化合物との反応による方法。
末端にハロゲン基を有するビニル系重合体としては、一般式(3):
−CR1R2X (3)
(式中、R1、R2は、ビニル系モノマーのエチレン性不飽和基に結合した基、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす)
で示される末端基を有するものが好ましい。
X1C(O)C(Ra)=CH2 (4)
(式中、Raは水素原子又は炭素数1〜20の有機基、X1は塩素原子、臭素原子又は水酸基を表わす)
で示される化合物との反応による方法。
(導入方法3)末端に水酸基を有するビニル系重合体に、ジイソシアネート化合物を反応させ、残存イソシアネート基と一般式(5):
HO−R’−OC(O)C(Ra)=CH2 (5)
(式中、Raは水素原子又は炭素数1〜20の有機基、R’は炭素数2〜20の2価の有機基を表わす)
で示される化合物との反応による方法。
[導入方法1]
導入方法1は、末端にハロゲン基を有するビニル系重合体と、一般式(2)で示される化合物との反応による方法である。
末端にハロゲン基を有するビニル系重合体には特に限定はないが、一般式(3)に示される末端基を有するものが好ましい。
一般式(3)中のR1、R2におけるビニル系モノマーのエチレン性不飽和基に結合した基としては、水素原子、メチル基、カルボニル基、カルボキシレート基、トルイル基、フルオロ基、クロロ基、トリアルコキシシリル基、フェニルスルホン酸基、カルボン酸イミド基、シアノ基等が挙げられる。
末端にハロゲン基を有するビニル系重合体、特に一般式(3)で表わされる末端基を有するビニル系重合体は、前述の有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーを重合する方法、あるいはハロゲン化合物を連鎖移動剤としてビニル系モノマーを重合する方法により製造されるが、好ましくは前者である。
一般式(2)中のRaにおける炭素数1〜20の有機基としては、前述と同様のものが例示され、その具体例としても前述と同様のものが例示される。
一般式(2)中のM+は、オキシアニオンの対カチオンであり、その種類としては、アルカリ金属イオン、4級アンモニウムイオン等が挙げられる。
4級アンモニウムイオンとしては、例えばテトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラベンジルアンモニウムイオン、トリメチルドデシルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、ジメチルピペリジニウムイオン等が挙げられる。
これらのうち、好ましいものとしてはアルカリ金属イオンが、より好ましいものとしてはナトリウムイオン、カリウムイオンが挙げられる。
前記反応を実施する溶剤には特に限定はないが、求核置換反応であるため極性溶媒が好ましく、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、アセトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、アセトニトリル等が好ましく用いられる。
反応温度には特に限定はないが、好ましくは0〜150℃、より好ましくは10〜100℃である。
導入方法2は、末端に水酸基を有するビニル系重合体と、一般式(4)で示される化合物との反応による方法である。
一般式(4)で表わされる化合物には特に限定はない。
一般式(4)中のRaにおける炭素数1〜20の有機基としては、前述と同様のものが例示され、その具体例としても前述と同様のものが例示される。
(a)リビングラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、一般式(10):
H2C=C(R13)−R14−R15−OH (10)
(式中、R13は水素原子又は炭素数1〜20の有機基、R14は−C(O)O−(エステル基)又はo−,m−もしくはp−フェニレン基、R15は直接結合又は1個以上のエーテル結合を含有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基を表わす)
で示される一分子中に重合性のアルケニル基及び水酸基を併せもつ化合物等を第2のモノマーとして反応させる方法。
なお、一分子中に重合性のアルケニル基及び水酸基を併せもつ化合物を反応させる時期に制限はないが、特にゴム的な性質を期待する場合には、重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして反応させるのが好ましい。
前記化合物には特に限定はないが、例えば一般式(11):
H2C=C(R13)−R16−OH (11)
(式中、R13は前記と同じ、R16は1個以上のエーテル結合を有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基を表わす)
で示される化合物等が挙げられる。
前記R16の具体例は、R9の具体例と同じである。
M+C−(R17)(R18)−R16−OH (12)
(式中、R16及びM+は前記と同じ、R17、R18はともにカルバニオンC−を安定化する電子吸引基又は一方が前記電子吸引基で、他方が水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基を表わす)
で示される水酸基を有する安定化カルバニオンを反応させてハロゲン原子を置換する方法。
HO−R16−O−M+ (13)
(式中、R16及びM+は前記と同じ)
で示される水酸基含有化合物等や、一般式(14):
HO−R16−C(O)O−M+ (14)
(式中、R16及びM+は上記と同じ)
で示される水酸基含有化合物等を反応させて、前記ハロゲン原子を水酸基含有置換基に置換する方法。
また、(c)〜(f)のような炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体のハロゲン原子を変換することにより水酸基を導入する場合、制御がより容易である点から(f)の方法がさらに好ましい。
前記反応を実施する溶剤には特に限定はないが、求核置換反応であるため極性溶剤が好ましく、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、アセトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、アセトニトリル等が好ましく用いられる。
反応温度は特に限定はないが、好ましくは0〜150℃、より好ましくは10〜100℃である。
導入方法3は、末端に水酸基を有するビニル系重合体に、ジイソシアネート化合物を反応させ、残存イソシアネート基と一般式(5):
HO−R’−OC(O)C(Ra)=CH2 (5)
(式中、Raは水素原子又は炭素数1〜20の有機基、R’は炭素数2〜20の2価の有機基を表わす)
で示される化合物との反応による方法である。
一般式(5)中のR’の炭素数2〜20の2価の有機基としては、例えば炭素数2〜20のアルキレン基(エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等)、炭素数6〜20のアリーレン基、炭素数7〜20のアラルキレン基等が挙げられる。
一般式(5)で示される化合物には特に限定はないが、特に好ましい化合物としては、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。
前記末端に水酸基を有するビニル系重合体は、前記のとおりである。
一般式(5)で示される化合物の使用量は、残存イソシアネート基に対して、好ましくは1〜10当量、より好ましくは1〜5当量である。
また、反応溶剤には特に限定はないが、非プロトン性溶剤等が好ましい。
反応温度には特に限定はないが、好ましくは0〜250℃、より好ましくは20〜200℃である。
(B)成分の開始剤としては、特に限定はないが、光重合開始剤、熱重合開始剤、レドックス系開始剤等が挙げられる。
なお、光重合開始剤、熱重合開始剤、レドックス系開始剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として使用してもよいが、混合物として使用する場合には、各種開始剤の使用量は、後述のそれぞれの範囲内にあることが好ましい。
光ラジカル開始剤としては、例えば、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、キサントール、フルオレイン、ベンズアルデヒド、アンスラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−メチルアセトフェノン、3−ペンチルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4−メトキシアセトフェノン、3−ブロモアセトフェノン、4−アリルアセトフェノン、p−ジアセチルベンゼン、3−メトキシベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−クロロ−4’−ベンジルベンゾフェノン、3−クロロキサントーン、3,9−ジクロロキサントーン、3−クロロ−8−ノニルキサントーン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、ベンジルメトキシケタール、2−クロロチオキサントーン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ジベンゾイル等が挙げられる。
これらのうち、α−ヒドロキシケトン化合物(例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン等)、フェニルケトン誘導体(例えば、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、3−メチルアセトフェノン、4−メチルアセトフェノン、3−ペンチルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4−メトキシアセトフェノン、3−ブロモアセトフェノン、4−アリルアセトフェノン、3−メトキシベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−クロロ−4’−ベンジルベンゾフェノン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン等)が好ましい。
近赤外光吸収性陽イオン染料としては、650〜1500nmの領域の光エネルギーで励起する、例えば特開平3−111402号公報、特開平5−194619号公報等に開示されている近赤外光吸収性陽イオン染料−ボレート陰イオン錯体等を用いるのが好ましく、ホウ素系増感剤を併用することがさらに好ましい。
他の化合物との組み合わせとしては、具体的には、ジエタノールメチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンとの組み合わせ、さらにこれにジフェニルヨードニウムクロリド等のヨードニウム塩を組み合わせたもの、メチレンブルー等の色素及びアミンと組み合わせたもの等が挙げられる。
(B)成分として熱重合開始剤を使用する場合、熱重合開始剤は触媒的に有効な量で存在し、その添加量は特に限定されないが、本発明の(A)成分及び他に添加可能な後述のモノマー及び/又はオリゴマー混合物の合計量を100重量部とした場合に、好ましくは約0.01〜5重量部、より好ましくは約0.025〜2重量部である。
適切なレドックス系開始剤としては、限定されるわけではないが、上記過硫酸塩開始剤と還元剤(メタ亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等)の組み合わせ;有機過酸化物と第3級アミンの組み合わせ、例えば過酸化ベンゾイルとジメチルアニリンの組み合わせ、クメンハイドロパーオキサイドとアニリン類の組み合わせ;有機過酸化物と遷移金属の組み合わせ、例えばクメンヒドロパーオキシドとコバルトナフテートの組み合わせ等が挙げられる。
好ましいレドックス系開始剤としては、有機過酸化物と第3級アミンの組み合わせ、有機過酸化物と遷移金属の組み合わせであり、より好ましくは、クメンハイドロパーオキサイドとアニリン類の組み合わせ、クメンハイドロパーオキサイドとコバルトナフテートの組み合わせである。
(B)成分としてレドックス系開始剤を使用する場合、レドックス系開始剤は触媒的に有効な量で存在し、その添加量は特に限定されないが、本発明の(A)成分及び他に添加可能な後述のモノマー及び/又はオリゴマー混合物の合計量を100重量部とした場合に、好ましくは約0.01〜5重量部、より好ましくは約0.025〜2重量部である。
本発明の液状モールディング用硬化性組成物は、必要に応じて、さらに(C)成分の金属石鹸を含有してもよい。
(C)成分の金属石鹸としては、特に制限はなく、任意のものが使用できる。金属石鹸とは、一般に長鎖脂肪酸と金属イオンが結合したものであり、脂肪酸に基づく無極性又は低極性の部分と、金属との結合部分に基づく極性の部分を、一分子中に合わせて持っているものであれば使用できる。
炭素数1〜18の飽和脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ラウリン酸、2−エチルヘキサン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、ヘプタデカン酸吉草酸、カプロン酸、カプリン酸アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラトリアコンタン酸、モンタン酸等が挙げられる。
炭素数3〜18の不飽和脂肪酸としては、例えば、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸等が挙げられる。
炭素数2〜36の脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、2,2,4−トリメチルアジピン酸、1,12−ドデカン二酸等が挙げられる。
これらの金属石鹸の中では、入手性、安全性の点から、ステアリン酸金属塩類が好ましく、特に経済性の点から、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛からなる群から選択される1つ以上のものがより好ましい。
本発明の液状モールディング用硬化性組成物は、硬化物の強度向上等の観点から、必要に応じて、さらに(D)成分の補強性シリカを含有してもよい。
(D)成分の補強性シリカとしては、ヒュームドシリカ、沈降法シリカ等が挙げられる。これらの中でも粒子径が50μm以下であり、比表面積が80m2/g以上のものが補強性の効果から好ましい。なお、比表面積の測定法は後述のとおりである。
補強性シリカのより具体的な例としては、特に限定はないが、フュームドシリカの1つである日本アエロジル(株)のアエロジルや、沈降法シリカの1つである日本シリカ工業(株)のNipsil等が挙げられる。
補強性シリカの添加量には特に制限はないが、(A)成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜100重量部、より好ましくは0.5〜80重量部、さらに好ましくは1〜50重量部である。配合量が0.1重量部未満の場合、補強性の改善効果が充分でないことがあり、100重量部をこえると、該硬化性組成物の作業性が低下したりすることがある。
本発明の液状モールディング用硬化性組成物は、上述のように(A)成分及び(B)成分を含有してなる組成物である。また、必要に応じて、(C),(D)成分を含有させることができる。
さらに、表面硬化性の向上、タフネスの付与、粘度低減による作業性の向上等を目的として、重合性のモノマー及び/又はオリゴマー等を併用することもできる。
さらに、本発明の液状モールディング用硬化性組成物(以下、単に硬化性組成物ともいう)には、必要に応じて、物性を調節するために各種添加剤等を配合してもよい。
前記重合性のモノマー及び/又はオリゴマーとしては、ラジカル重合性の基を有する、モノマー及び/又はオリゴマー、あるいは、アニオン重合性の基を有する、モノマー及び/又はオリゴマーが、硬化性の点から好ましい。
ビニルエステル系モノマーとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。
アクリルアミド系モノマーとしては、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等が挙げられる。
共役ジエン系モノマーとしては、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。
ビニルケトン系モノマーとしては、メチルビニルケトン等が挙げられる。
ハロゲン化ビニル・ハロゲン化ビニリデン系モノマーとしては、塩化ビニル、臭化ビニル、ヨウ化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニリデン等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物には、前記補強性シリカの他に、各種充填材を必要に応じて用いてもよい。
該充填材には特に限定はないが、木粉、パルプ、木綿チップ、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、クルミ殻粉、もみ殻粉、グラファイト、ケイソウ土、白土、ドロマイト、無水ケイ酸、含水ケイ酸、カーボンブラック等の補強性充填材;重質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、べんがら、アルミニウム微粉末、フリント粉末、酸化亜鉛、活性亜鉛華、亜鉛末、炭酸亜鉛及びシラスバルーン等の充填材;石綿、ガラス繊維及びガラスフィラメント、炭素繊維、ケブラー繊維、ポリエチレンファイバー等の繊維状充填材等が挙げられる。これら充填材のうちでは、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク等が好ましい。また、低強度で伸びが大である硬化物を得たい場合には、主に酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、酸化第二鉄、酸化亜鉛及びシラスバルーン等から選ばれる充填材を添加することができる。
界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルや長鎖アルコール硫酸エステル等のナトリウム塩、カリウム塩等の硫酸エステル型陰イオン界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、パラフィンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、アルキルスルホコハク酸等のナトリウム塩、カリウム塩等のスルホン酸型陰イオン界面活性剤等が挙げられる。
一方、重質炭酸カルシウムは配合物の低粘度化や増量、コストダウン等を目的として添加することがあるが、この重質炭酸カルシウムを用いる場合には、必要に応じて下記のようなものを使用することができる。
本発明の硬化性組成物は、好ましくは(メタ)アクリル系重合体を主成分とするものであるため、接着性付与樹脂を添加する必要は必ずしもないが、必要に応じて、各種のものを使用することができる。具体例をあげるならば、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、シクロペンタジエン−フェノール樹脂、キシレン樹脂、クマロン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジンエステル樹脂等である。
接着性付与樹脂の使用量は、硬化物の機械物性、耐熱性、耐油性と接着性のバランスの観点から、(A)成分100部に対して、0.1〜100部が好ましい。
本発明の硬化性組成物には、物性を調製するために老化防止剤を配合してもよい。
アクリル系重合体は、本来、耐熱性、耐候性、耐久性に優れた重合体であるので、老化防止剤は必ずしも必要ではないが、従来公知の酸化防止剤、光安定剤を適宜用いることができる。また、老化防止剤は、重合時の重合制御にも用いることができ、物性制御を行なうことができる。
酸化防止剤としては、例えば、MARK PEP−36、MARK AO−23(以上、いずれも旭電化(株)製)等のチオエーテル系;Irgafos38、Irgafos168、IrgafosP−EPQ(以上、いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)等のリン系酸化防止剤;ヒンダードフェノール系化合物等が挙げられる。なかでも、以下に示したようなヒンダードフェノール系化合物が好ましい。
モノアクリレートフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(商品名スミライザーGM)、2,4−ジ−t−アミル−6−[1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニルアクリレート(商品名スミライザーGS)等が例示される。
具体的なニトロキシフリーラジカル化合物としては、限定はされないが、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル(TEMPO)、2,2,6,6−テトラエチル−1−ピペリジニルオキシラジカル、2,2,6,6−テトラメチル−4−オキソ−1−ピペリジニルオキシラジカル、2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシラジカル、1,1,3,3−テトラメチル−2−イソインドリニルオキシラジカル、N,N−ジ−t−ブチルアミンオキシラジカル等が挙げられる。
ニトロキシフリーラジカルの代わりに、ガルビノキシル(galvinoxyl)フリーラジカル等の安定なフリーラジカルを用いても構わない。
上記モノアクリレートフェノール系酸化防止剤は、酸化防止剤としてだけではなく、重合を制御することができ、硬化物の伸びを改善することもできる。硬化物の物性制御を容易に行なえることから、上述と同じものが例示される。当該モノアクリレートフェノール系酸化防止剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の硬化性組成物には、可塑剤を配合してもよい。
可塑剤としては、物性の調整、性状の調節等の目的により、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等の非芳香族二塩基酸エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート等のポリアルキレングリコールのエステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;塩化パラフィン類;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニル等の炭化水素系油等が挙げられる。これらを単独で又は2種以上混合して使用することができるが、必ずしも必要とするものではない。なお、これら可塑剤は、重合体製造時に配合することも可能である。
可塑剤の使用量は、伸び付与、作業性、硬化物からのブリード防止の観点から、(A)成分100部に対して、5〜800部が好ましい。
本発明の硬化性組成物には、塗工時の作業性、硬化前後の乾燥性等の観点から、有機溶剤を添加してもよい。
有機溶剤としては、通常、沸点が50〜180℃のものが、塗工時の作業性、硬化前後の乾燥性に優れることから好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;ジオキサン等の環状エーテル系溶剤等が挙げられる。これらの溶剤は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
溶剤の使用量は、硬化物の仕上がり、作業性、乾燥のバランスの観点から、(A)成分100部に対して、1〜900部が好ましい。
本発明の硬化性組成物には、各種支持体(プラスチックフィルム等)に対する接着性を向上させるために各種接着性改良剤を添加してもよい。
接着性改良剤としては、例示するならば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン類;ジメチルジイソプロペノキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン等のアルキルイソプロペノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等の官能基を有するアルコキシシラン類;シリコーンワニス類;ポリシロキサン類等が挙げられる。
接着性改良剤の使用量は、硬化物の機械物性(伸びと強度)と接着性のバランスの観点から、(A)成分100部に対して、0.1〜20部が好ましい。
本発明の液状モールディング用硬化性組成物は、全ての配合成分を予め配合密封した1液型として調製でき、また、開始剤だけを抜いたA液と、開始剤を充填材、可塑剤、溶剤等と混合したB液を成形直前に混合する2液型としても調製できる。
本発明において、硬化性組成物を流動させる際には、30℃以上100℃未満の温度で行うのが好ましいが、40℃以上80℃未満の温度で流動させることがより好ましい。
また、本発明においては、硬化性組成物を30℃以上100℃未満の温度で流動させるとともに、さらに30℃以上で流動させながら硬化反応を行うことができる。すなわち、本発明の硬化性組成物を、射出成形(RIM、LIM等)用樹脂として用いることも可能である。
本発明の硬化物は、上記液状モールディング用硬化性組成物を硬化させて得られるものである。
当該硬化性組成物を硬化させる方法としては、特に限定されない。
(B)成分として光重合開始剤を用いる場合、活性エネルギー線源により光又は電子線を照射して、硬化させることができる。
活性エネルギー線源としては特に限定はないが、用いる光重合開始剤の性質に応じて、例えば高圧水銀灯、低圧水銀灯、電子線照射装置、ハロゲンランプ、発光ダイオード、半導体レーザー、メタルハライド等が挙げられる。
(B)成分として光重合開始剤を用いる場合、その硬化温度は、0℃〜150℃が好ましく、5℃〜120℃がより好ましい。
(B)成分としてレドックス系開始剤を用いる場合、その硬化温度は、−50℃〜250℃が好ましく、0℃〜180℃がより好ましい。
本発明の硬化性組成物を成形体として用いる場合の成形方法としては、特に限定されず、一般に使用されている各種の成形方法を用いることができる。例えば、注型成形、圧縮成形、トランフファー成形、射出成形、押し出し成形、回転成形、中空成形、熱成形等が挙げられる。特に自動化、連続化が可能で、生産性に優れるという観点から、液状モールディング成形、射出成形によるものが好ましい。
本発明の液状モールディング用硬化性組成物は、限定はされないが、太陽電池裏面封止材等の電気・電子部品材料、電線・ケーブル用絶縁被覆材等の電気絶縁材料、コーティング材、発泡体、電気電子用ポッティング材、フィルム、ガスケット、注型材料、人工大理石、各種成形材料、及び、網入りガラスや合わせガラス端面(切断部)の防錆・防水用封止材等の様々な用途に利用可能である。
また、下記実施例中、「数平均分子量」及び「分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。ただし、GPCカラムとしてポリスチレン架橋ゲルを充填したもの(shodex GPC K−804;昭和電工(株)製)、GPC溶媒としてクロロホルムを用いた。
下記実施例中、「平均末端(メタ)アクリロイル基数」は、「重合体1分子当たりに導入された(メタ)アクリロイル基数」であり、1H−NMR分析及びGPCにより求められた数平均分子量より算出した。
なお、下記実施例中の「部」は「重量部」を表す。
臭化第一銅を触媒、ペンタメチルジエチレントリアミンを配位子、ジエチル−2,5−ジブロモアジペートを開始剤として、アクリル酸n−ブチル/アクリル酸エチル/2−メトキシエチルアクリレートをモル数で25/46/29の比率で重合し、数平均分子量16500、分子量分布1.13の末端臭素基ポリ(アクリル酸n−ブチル/アクリル酸エチル/2−メトキシエチルアクリレート)を得た。
この重合体400gをN,N−ジメチルアセトアミド(400mL)に溶解させ、アクリル酸カリウム10.7gを加え、窒素雰囲気下、70℃で6時間加熱攪拌し、アクリロイル基両末端ポリ(アクリル酸n−ブチル/アクリル酸エチル/2−メトキシエチルアクリレート)(以下、重合体〔1〕という)の混合物を得た。この混合液中のN,N−ジメチルアセトアミドを減圧留去したのち、残渣にトルエンを加えて、不溶分を濾過により除去した。濾液のトルエンを減圧留去して、重合体〔1〕を精製した。
精製後のアクリロイル基両末端重合体〔1〕の数平均分子量は16900、分子量分布は1.14、平均末端アクリロイル基数は1.8(すなわち、末端へのアクリロイル基の導入率は90%)であった。
臭化第一銅を触媒、ペンタメチルジエチレントリアミンを配位子、2−ブロモブチル酸エチルを開始剤として、アクリル酸n−ブチル/アクリル酸エチル/2−メトキシエチルアクリレートをモル数で25/46/29の比率で重合し、数平均分子量3700、分子量分布1.14の片末端臭素基ポリ(アクリル酸n−ブチル/アクリル酸エチル/2−メトキシエチルアクリレート)を得た。
この重合体1050gをN,N−ジメチルアセトアミド(1050g)に溶解させ、アクリル酸カリウム56.2gを加え、窒素雰囲気下、70℃で4時間加熱攪拌し、アクリロイル基片末端ポリ(アクリル酸n−ブチル/アクリル酸エチル/2−メトキシエチルアクリレート)(以下、重合体〔2〕という)の混合物を得た。この混合液中のN,N−ジメチルアセトアミドを減圧留去したのち、残渣にトルエンを加えて、不溶分を濾過により除去した。濾液のトルエンを減圧留去して、重合体〔2〕を精製した。
精製後のアクリロイル基片末端重合体〔2〕の数平均分子量は3800、分子量分布は1.15、平均末端アクリロイル基数は1.0(すなわち、末端へのアクリロイル基の導入率はほぼ100%)であった。
製造例1で得られた重合体〔1〕100部に、ナイパーBW(ベンゾイルパーオキサイド、日本油脂製)1部、Irganox1010(ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チバスペシャリティケミカルズ製)1.0部を加え、充分に混合して硬化性組成物を得た。
次いで、得られた硬化性組成物を、180℃×15分間でプレスし、180℃×22時間で2次加硫を行って、約2mm厚のシート状の硬化物を得た。
製造例1で得られた重合体〔1〕100部に、イソボロニルアクリレート20部、ナイパーBW(ベンゾイルパーオキサイド、日本油脂製)1部、Irganox1010(チバスペシャリティケミカルズ製)1.0部を加え、充分に混合して硬化性組成物を得た。
次いで、得られた硬化性組成物を、180℃×15分間でプレスし、180℃×22時間で2次加硫を行って、約2mm厚のシート状の硬化物を得た。
製造例1で得られた重合体〔1〕100部、製造例2で得られた重合体〔2〕20部に、2,2−ジエトキシアセトフェノン0.24部、Irganox1010(チバスペシャリティケミカルズ製)1.2部を加え、充分に混合して硬化性組成物を得た。
次いで、得られた硬化性組成物を、メタルハライドランプ(80W/cm,照射距離15cm,ベルトスピード1.0m/分)に3回通して光照射を行ない、約2mm厚のシート状の硬化物を得た。
2液タイプ液状射出成形用液状シリコーンゴムとしてBY−LSR3485/50(GE Toshiba Silicone社製)を、175℃×10分間でプレスし、200℃×4時間で2次加硫して、約2mm厚のシート状の硬化物を得た。
上記実施例及び比較例で得られた硬化性組成物の粘度を、E型粘度計(VISCONIC ED型、東京計器(株)製)で3°28φコーンを使用して、温度23℃で測定した。
<硬度>
上記実施例及び比較例で得られたシート状硬化物を用い、DuroA硬度計を使用し、23℃×55%R.H.で、硬度(DuroA)を測定した。
<耐油性>
上記実施例及び比較例で得られたシート状硬化物を、IRM903オイルに150℃×70時間浸漬し、浸漬後の重量増分(%)を測定した。
上記実施例及び比較例で得られたシート状硬化物から、2号(1/3)形ダンベル試験片を打ち抜き、島津製オートグラフを用い、JIS K 7113に準拠して引っ張り試験を行った(測定条件:23℃×55%R.H.、引っ張り速度200mm/min)。なお、表1において、M100とは、100%モジュラス(100%伸張時の強度)を示す。
<圧縮永久歪>
上記実施例及び比較例で得られたシート状硬化物を用い、JIS K 6262に準拠し、150℃×70時間、25%圧縮した後、歪(%)を23℃×55%R.H.の雰囲気下で測定した。
Claims (18)
- (A)一般式(1):
−OC(O)C(Ra)=CH2 (1)
(式中、Raは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わす)
で表わされる基を1分子あたり2個以上有し、かつ、そのうち分子末端に前記一般式(1)で表わされる基を1個以上有するビニル重合体
(B)開始剤
及び(メタ)アクリロイル基を有するモノマー及び/又はオリゴマーを含有してなり、かつ、(A)成分の主鎖を構成するビニルモノマーが(メタ)アクリルモノマーであり、(B)成分が熱重合開始剤、レドックス開始剤及び光重合開始剤から選ばれる少なくとも1種である液状モールディング用硬化性組成物。 - (A)成分の主鎖を構成するビニルモノマーが、アクリル酸エステルモノマーである請求項1記載の液状モールディング用硬化性組成物。
- (A)成分の主鎖を構成するビニルモノマーが、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル及び2−メトキシエチルアクリレートから選ばれる少なくとも1つを含むものである請求項1又は2に記載の液状モールディング用硬化性組成物。
- (A)成分の一般式(1)におけるRaが、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基である請求項1〜3のいずれかに記載の液状モールディング用硬化性組成物。
- (A)成分の一般式(1)におけるRaが、水素原子又はメチル基である請求項4記載の液状モールディング用硬化性組成物。
- 前記(A)成分が、
末端にハロゲン基を有するビニル重合体に、
一般式(2):
M+−OC(O)C(Ra)=CH2 (2)
(式中、Raは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わす、M+はアルカリ金属イオン又は4級アンモニウムイオンを表わす)
で示される化合物を反応させること
により製造される請求項1〜5のいずれかに記載の液状モールディング用硬化性組成物。 - 末端にハロゲン基を有するビニル重合体が、一般式(3):
−CR1R2X (3)
(式中、R1、R2はビニルモノマーのエチレン性不飽和基に結合した基、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わす)
で示される基を有する請求項6記載の液状モールディング用硬化性組成物。 - 前記(A)成分が、
末端に水酸基を有するビニル重合体に、
一般式(4):
X1C(O)C(Ra)=CH2 (4)
(式中、Raは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わす、X1は塩素原子、臭素原子又は水酸基を表わす)
で示される化合物を反応させること
により製造される請求項1〜5のいずれかに記載の液状モールディング用硬化性組成物。 - 前記(A)成分が、
(1)末端に水酸基を有するビニル重合体に、ジイソシアネート化合物を反応させ、
(2)残存イソシアネート基と、一般式(5):
HO−R’− OC(O)C(Ra)=CH2 (5)
(式中、Raは水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表わす、R’は炭素数2〜20の2価の有機基を表わす)
で示される化合物と反応させること
により製造される請求項1〜5のいずれかに記載の液状モールディング用硬化性組成物。 - 前記(A)成分の主鎖が、ビニルモノマーのリビングラジカル重合により製造されてなる請求項1〜9のいずれかに記載の液状モールディング用硬化性組成物。
- リビングラジカル重合が原子移動ラジカル重合である請求項10記載の液状モールディング用硬化性組成物。
- 前記(A)成分の主鎖が、連鎖移動剤を用いたビニルモノマーの重合により製造されてなる請求項1〜9のいずれかに記載の液状モールディング用硬化性組成物。
- 前記(A)成分の数平均分子量が3000以上である請求項1〜12のいずれかに記載の液状モールディング用硬化性組成物。
- 前記(A)成分のビニル重合体が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量と数平均分子量の比の値が1.8未満である請求項1〜13のいずれかに記載の液状モールディング用硬化性組成物。
- 前記(B)成分が熱重合開始剤である請求項1〜14のいずれかに記載の液状モールディング用硬化性組成物。
- 前記(B)成分がレドックス開始剤である請求項1〜14のいずれかに記載の液状モールディング用硬化性組成物。
- 前記(B)成分が光重合開始剤である請求項1〜14のいずれかに記載の液状モールディング用硬化性組成物。
- 請求項1〜17のいずれかに記載の液状モールディング用硬化性組成物を、液状モールディング成形により硬化させてなる成形体。
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