JP4805418B1 - 細胞の識別装置及び識別方法 - Google Patents

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Abstract

細胞表面の抗体・抗原反応を利用することなく、循環癌細胞を識別する細胞の識別装置及び識別方法を提供する。
細胞の識別装置10は、サンプル流11Sを流すためのキャピラリ15と、照射光Lを照射する照射部20と、透過光L1を受光し透過光信号SG1として出力する受光部30と、受光部30から出力された透過光信号SG1を入力して細胞Sによる透過光信号SG1の変動を測定する測定部40と、測定部40によって測定された細胞Sによる透過光信号SG1の変動における極点の値に基づいて、細胞Sが末梢血細胞であるか否かを識別する識別部50と、識別部50の識別結果に基づいて細胞Sを所定の容器に分取する分取部60と、キャピラリ15にサンプル流11Sを供給するための供給部70と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、細胞の識別装置及び識別方法に関する。特に、流路内を流れる液体に分散させた循環癌細胞を透過光信号の変動に基づいて識別する細胞の識別装置及び識別方法に関する。
サンプル(被検微小物)を分散させた液体が毛細管内を流れるようにして、光源からの光がこの液体流に照射されることで、液体流中のサンプルの光情報(蛍光情報)を測定することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、近年、癌を早期発見するための方法として、末梢血中に転移した癌細胞、即ち循環癌細胞を検出する方法が注目されている。例えば、細胞表面の抗体・抗原反応を利用して、微細な鉄ビーズで標識した乳癌の癌細胞を磁気的に分離し、更にわずかに混入した白血球をAPC(活性化プロテインC)で標識して取り除くことにより、末梢血中に存在する乳癌の癌細胞だけを識別する方法が提案されている。
特許第2973387号公報
しかしながら、上述した細胞表面の抗体・抗原反応を利用して、循環癌細胞を検出する方法では、乳癌、胃癌等、癌の種類に対応した抗体の開発が必要であり、現状、乳癌に対応した抗体は開発されているが、その他の癌に対応した抗体は開発されておらず、癌の種類に対応した抗体の開発をしなければならないという問題があった。
そこで、本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたもので、細胞表面の抗体・抗原反応を利用することなく、循環癌細胞を識別する細胞の識別装置及び識別方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題に対して鋭意検討した結果、末梢血中の細胞を分散させた液体に対して光を照射して検出した、該細胞による透過光信号の変動の極点の値に基づいて、循環癌細胞を識別できることを見出し、本発明を完成した。
ここで、透過光とは、細胞を分散させた液体を通過した光と、細胞を通過した光や、細胞により反射・散乱・そして回折した光等、受光部で受光した光を透過光と呼び、透過光信号とは透過光を電気的信号に変換したものである。透過光を受光する任意領域では、光を常に受光しているが、細胞測定時に光受光パワー(透過光信号)に変動が起こる。その変動のピーク、幅、面積等を透過光情報と呼ぶ。
即ち、本発明の第1の態様に係る細胞の識別装置は、末梢血中の異なる細胞や細胞種を識別する細胞の識別装置であって、末梢血中の前記細胞を分散させた液体に一定パワーのシングルモード光を照射光として照射する照射部と、前記照射光に対する前記細胞の相対位置が等速に変化する状態の前記液体に対して、前記照射部から照射された前記照射光による前記液体の透過光を受光して透過光信号として出力する、前記照射部と正対する位置に設けられた受光部と、前記受光部から出力された前記透過光信号を入力し、前記細胞による前記透過光信号の変動を測定する測定部と、前記測定部によって測定された前記細胞による前記透過光信号の変動における極点の値に基づいて、末梢血中の前記細胞を識別する識別部と、を備え、前記識別部が、前記細胞のない状態の前記液体による前記透過光信号を基準値としたとき、前記細胞による前記透過光信号の変動における極大点の値と前記基準値とを比較し、前記極大点の値が前記基準値以上のときに、当該細胞が末梢血細胞以外の細胞であると識別することを特徴とする。
ここで、末梢血細胞とは、末梢血の中に存在する細胞である白血球、赤血球及び血小板のことであり、末梢血中の細胞とは、末梢血細胞である白血球、赤血球及び血小板と、末梢血細胞以外の細胞(白血球、赤血球及び血小板以外の細胞)のことである。また、白血球はリンパ球、単球、顆粒球に分けられる。また、異なる細胞種とは、細胞種類の違う細胞のことであり、異なる細胞とは、同じ細胞種であっても細胞周期等の細胞状態の異なる場合は別の細胞である識別した細胞のことである。
尚、透過光信号の変動において、極大点の値が基準値以上のときに、細胞が末梢血細胞以外の細胞であると識別すると記載しているが、測定開始時および測定終了時は透過光信号が基準値となっているため、これは含まない。この場合、極大点の値が基準値より大きいときに、細胞が末梢血細胞以外の細胞であると識別することによって、測定開始時および測定終了時の基準値が識別されないようにしても良い。
本発明の第の態様に係る細胞の識別装置は、上記の本発明の第1の態様に係る細胞の識別装置において、前記識別部によって末梢血細胞以外の細胞であると識別された前記細胞が、循環癌細胞であることを特徴とする。
尚、循環癌細胞とは、末梢血中に転移した癌細胞のことである。
本発明の第の態様に係る細胞の識別装置は、上記の本発明の第1または第2の態様に係る細胞の識別装置において、前記細胞が、細胞表面抗体・抗原反応、細胞内の蛍光蛋白発現を含む蛍光処理が施された細胞であることを特徴とする。
本発明の第の態様に係る細胞の識別装置は、上記の本発明の第1乃至第のいずれか1つの態様に係る細胞の識別装置において、前記測定部は、更に、前記透過光信号の変動から透過光情報を測定し、前記識別部は、更に、前記測定部によって測定された前記透過光情報に基づいて、末梢血中の前記細胞を識別することを特徴とする。
本発明の第の態様に係る細胞の識別装置は、上記の本発明の第1乃至第のいずれか1つの態様に係る細胞の識別装置において、前記照射部から照射された前記照射光による前記細胞の散乱光及び/または蛍光を受光して散乱・蛍光信号として出力する、前記照射部と正対する位置以外の位置に設けられた第2の受光部を、更に備え、前記測定部は、更に、前記第2の受光部から出力された前記散乱・蛍光信号を入力して、前記細胞による前記散乱・蛍光信号の変動を測定し、前記識別部は、更に、前記測定部によって測定された前記散乱・蛍光信号の変動に基づいて、末梢血中の前記細胞を識別することを特徴とする。
本発明の第の態様に係る細胞の識別装置は、上記の本発明の第1乃至第のいずれか1つの態様に係る細胞の識別装置において、前記測定部は、更に、前記散乱・蛍光信号の変動から散乱・蛍光情報を測定し、前記識別部は、更に、前記測定部によって測定された前記透過・蛍光情報に基づいて、末梢血中の前記細胞を識別することを特徴とする。
本発明の第の態様に係る細胞の識別装置は、上記の本発明の第1乃至第のいずれか1つの態様に係る細胞の識別装置において、前記照射光が、非集光のシングルモード光であることを特徴とする。
本発明の第の態様に係る細胞の識別装置は、上記の本発明の第1乃至第のいずれか1つの態様に係る細胞の識別装置において、前記識別部によって識別された末梢血中の前記細胞を、所定の容器に分取する分取部を、更に備えていることを特徴とする。
本発明の第1の態様に係る細胞の識別方法は、末梢血の細胞を分散させた液体に一定パワーのシングルモード光を照射光として照射する照射部と、前記照射部と正対する位置に設けられた、透過光を受光して透過光信号として測定部に出力する受光部と、を用いた、末梢血中の細胞を識別する細胞の識別方法であって、(a)前記照射光に対する前記細胞の相対位置が等速に変化する状態の前記液体に対して、前記照射部から前記照射光を照射する工程と、(b)前記受光部により前記照射光による前記液体の透過光を受光して透過光信号として前記測定部に出力する工程と、(c)前記工程(b)によって出力された前記透過光信号を前記測定部で入力し、当該測定部において前記細胞による前記透過光信号の変動を測定する工程と、(d)前記工程(c)によって測定された前記細胞による前記透過光信号の変動における極点の値に基づいて、当末梢血中の前記細胞を識別する工程と、を備え、前記工程(d)は、前記細胞のない状態の前記液体による前記透過光信号を基準値としたとき、前記細胞による前記透過光信号の変動における極大点の値と前記基準値とを比較し、前記極大点の値が前記基準値以上のときに、当該細胞が末梢血細胞以外の細胞であると識別することを特徴とする。
本発明の第の態様に係る細胞の識別方法は、上記の本発明の第1の態様に係る細胞の識別方法において、前記工程(d)によって末梢血細胞以外の細胞であると識別された前記細胞が、循環癌細胞であることを特徴とする。
本発明の第の態様に係る細胞の識別方法は、上記の本発明の第1または第2の態様に係る細胞の識別方法において、前記細胞が、細胞表面抗体・抗原反応、細胞内の蛍光蛋白発現を含む蛍光処理が施された細胞であることを特徴とする。
本発明の第の態様に係る細胞の識別方法は、上記の本発明の第1乃至第のいずれか1つの態様に係る細胞の識別方法において、前記工程(c)は、更に、前記透過光信号の変動から透過光情報を測定し、前記工程(d)は、更に、前記工程(c)によって測定された前記透過光情報に基づいて、末梢血中の前記細胞を識別することを特徴とする。
本発明の第の態様に係る細胞の識別方法は、上記の本発明の第1乃至第のいずれか1つの態様に係る細胞の識別方法において、前記照射部から照射された前記照射光による前記細胞の散乱光及び/または蛍光を受光して散乱・蛍光信号として前記測定部に出力する、前記照射部と正対する位置以外の位置に設けられた第2の受光部を更に用いて、前記工程(b)は、更に、前記第2の受光部により前記照射光による前記細胞の散乱光及び/または蛍光を受光して前記散乱・蛍光信号として前記測定部に出力し、前記工程(c)は、更に、前記工程(b)によって出力された前記散乱・蛍光信号を前記測定部で入力し、当該測定部において前記細胞による前記散乱・蛍光信号の変動を測定し、前記工程(d)は、前記工程(c)によって測定された前記散乱・蛍光信号の変動に基づいて、末梢血中の前記細胞を識別することを特徴とする。
本発明の第の態様に係る細胞の識別方法は、上記の本発明の第1乃至第のいずれか1つの態様に係る細胞の識別方法において、前記工程(c)は、更に、前記散乱・蛍光信号の変動から散乱・蛍光情報を測定し、前記工程(d)は、更に、前記工程(c)によって測定された前記散乱・蛍光情報に基づいて、末梢血中の前記細胞を識別することを特徴とする。
本発明の第の態様に係る細胞の識別方法は、上記の本発明の第1乃至第のいずれか1つの態様に係る細胞の識別方法において、前記照射光が、非集光のシングルモード光であることを特徴とする。
本発明の第の態様に係る細胞の識別方法は、上記の本発明の第1乃至第のいずれか1つの態様に係る細胞の識別方法において、(e)前記工程(d)によって識別された末梢血中の前記細胞を、所定の容器に分取する工程を、更に備えていることを特徴とする。



本発明の細胞の識別装置及び識別方法によれば、細胞表面の抗体・抗原反応を利用することなく、末梢血中に転移した癌細胞、即ち循環癌細胞を識別することかできる。
本発明の一実施形態に係る細胞の識別装置10の概略側面図である。 図1のK−K線における断面図である。 本発明の一実施形態に係る細胞の識別装置10の測定部40によって測定された末梢血中の細胞に対する透過光信号SG1の変動波形の特徴を示した図である。 本発明の一実施形態に係る細胞の識別装置10の測定部40によって測定された、循環癌細胞に対する透過光信号SG1の変動結果の一例を示した図である。 本発明の一実施形態に係る細胞の識別装置10を使用した細胞の識別処理手順を説明するためのフローチャート図である。 本発明の一実施形態に係る別の細胞の識別装置10aの概略側面図である。 図6のK−K線における断面図である。 本発明の一実施形態に係る別の細胞の識別装置10aを使用した細胞の識別処理手順を説明するためのフローチャート図である。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る細胞の識別装置10の概略側面図であり、図2は、図1のK−K線における断面図である。
図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態に係る細胞の識別装置10は、サンプル流11Sを流すためのキャピラリ15と、一定パワーのシングルモード光を照射光Lとして照射する照射部20と、透過光L1を受光し透過光信号SG1として出力する受光部30と、受光部30から出力された透過光信号SG1を入力して細胞Sによる透過光信号SG1の変動を測定する測定部40と、細胞Sによる透過光信号SG1の変動に基づいて該細胞Sが末梢血細胞であるか否かを識別する識別部50と、識別部50の識別結果に基づいて細胞Sを所定の容器に分取する分取部60と、キャピラリ15にサンプル流11Sを供給するための供給部70と、を備えている。
供給部70は、末梢血の中から取り出した細胞を分散させた液体11に対して赤血球と血小板とを取り除く処理(以下、前処理と呼ぶ)を実行する。そして、前処理によって残った赤血球及び血小板以外の末梢血中の細胞を細胞Sとする。供給部70は、細胞Sを分散させた液体11を、サンプル流11Sとしてシース流19とともにZ方向(図1においては上側から下側の方向)に流し、チューブ14を介してキャピラリ15に供給する。また、供給部70は、サンプル流11Sとシース流19の圧力を調整して、キャピラリ15内の液体11に分散している細胞Sの速度や流量を調整する。
尚、上述した液体11に分散している細胞Sは、末梢血の中から取り出したままの細胞であるが、末梢血の中から取り出した細胞に、核染色、細胞表面の抗体・抗原反応、細胞内の蛍光蛋白発現等を含む蛍光処理を施した細胞であっても良い。
また、前処理の手順は、例えば、まず、溶血剤と固定剤(ホルムアルデヒド)の両方が含まれるヒト専用の溶血剤(FACS Lysing Solution)をMilliQ(純水)で10倍希釈し、15mlの試験管に6.5〜7mlに入れる。次に、1mlの全血検体(安定化した人赤血球及び白血球の浮遊液で、典型的な正常なヒト全血が持つ溶血、散乱光、抗原発現及び抗体染色性を有している)を試験管に加え、ピペットで穏やかに混和し、室温に15〜30分間保管する。その後、1000rpmで5分間遠心分離し、上澄み液を吸引し、5mlのリン酸緩衝食塩液(PBS)を加えて再懸濁する。この遠心分離と再懸濁を3回繰り返したサンプルを室温で2時間、更に、4℃で24時間保管する。最後に、サンプルを40μmメッシュのフィルタを通して前処理を終了する。
照射部20は、キャピラリ15内の液体11に対して、一定パワーのシングルモード光を照射光Lとして照射する。例えば、照射部20は、図1及び図2に示すように、レーザ光源21と照射用の光ファイバ22とにより構成されている。レーザ光源21としては、例えば、レーザダイオードのようなものでる。尚、キャピラリ15内の液体11に対して照射光Lを照射するとき、照射部20からの照射光Lに対する細胞Sの相対位置が等速に変化するように、供給部70はサンプル流11Sとシース流19の圧力を調整する。ここで、照射光Lは、非集光のシングルモード光であることが好ましい。尚、シングルモード光は、ガウス分布の強度パターンをもっている。
受光部30は、キャピラリ15を介して照射部20と正対する位置に設けられており、照射光Lによる液体11の透過光L1を受光して、透過光信号SG1として測定部40に出力する。例えば、受光部30は、図1及び図2に示すように、受光用の光ファイバ31と受光素子32とによって構成されている。尚、受光素子32としては、例えば、光電子増倍管、フォトディテクタのようなものがある。ここで、照射部20の第1光軸D1と受光部30の第2光軸D2とは、一致していることが好ましい。
尚、キャピラリ15内の液体11に対して照射光Lを照射するとき、照射光Lに対する細胞Sの相対位置が等速に変化するように、供給部70はサンプル流11Sとシース流19の圧力を調整する。これにより、受光部30は、照射光Lに対する細胞Sの相対位置が等速に変化する状態の液体11の透過光L1を受光して、透過光信号SG1として測定部40に出力する。
測定部40は、受光部30から出力された透過光信号SG1を入力して、細胞Sによる透過光信号SG1の変動を測定し、その測定結果を識別部50へ出力する。ここで、細胞Sによる透過光信号SG1の変動は、細胞Sを構成している物質(例えば、細胞核等)の種類、形状、大きさ、個数等の違いによる、照射光Lが細胞Sを透過したときの光の回折現象、光の干渉現象、光の吸収現象、光の散乱現象等に起因する。
識別部50は、測定部40から入力した細胞Sによる透過光信号SG1の変動における極点の値に基づいて、細胞Sを識別する。即ち、細胞Sが末梢血細胞(即ち、白血球)であるか、末梢血細胞以外の細胞であるかを識別する。ここでは、細胞Sの識別を、透過光信号SG1の変動における極点の値のみで行っているが、極点の値と極点の個数とを組み合わせて細胞Sの識別を行っても良い。尚、識別処理の詳細は後述する。
分取部60は、識別部50によって識別された識別結果に基づいて、末梢血細胞を分取するときは、末梢血細胞である細胞Sを、末梢血細胞以外の細胞を分取するときは、末梢血細胞以外の細胞である細胞Sを、所定の容器(図示せず)に分取する。
次に、本発明の一実施形態に係る細胞の識別装置10の識別部50で実行される細胞Sの識別処理の詳細を、図3及び図4、並びに表1を参照して説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係る細胞の識別装置10の測定部40によって測定された末梢血中の細胞に対する透過光信号SG1の変動波形の特徴を示した図である。
図3に示すように、末梢血中の細胞に対する透過光信号SG1の変動波形は、図3(a)に示すような極小点を1つ有する第1波形パターン、図3(b)に示すような極小点を2つ有し、極大点の値が基準値A以下である第2波形パターン、図3(c)に示すような極小点を3つ以上有し、極大点の値が基準値A以下である第3波形パターン、及び、図3(d)に示すような極大点の値が基準値Aより大きい場合である第4波形パターンの4つの波形パターンに分類することができる。ここで、細胞Sの無い状態の液体11による透過光信号SG1の値を基準値Aとする。尚、細胞Sによる透過光信号SG1の測定終了時近傍に起こるオーバーシュートによる変動は、細胞Sによる透過光信号SG1の変動の極大点から除外する。
また、極点の値のみに着目すると、第4波形パターンのみが、極点の値が基準値Aより大きい値を有しており、第1波形パターン、第2波形パターン及び第3波形パターンは、極点の値がすべて基準値A以下である。
次に、末梢血中の白血球に対する透過光信号SG1の変動波形を、本発明の一実施形態に係る細胞の識別装置10の測定部40によって測定した結果を表1に示す。表1は、リンパ球、単球、顆粒球が混在した白血球とリンパ球のみの白血球とに対する上記の4つの波形パターンの測定割合(%)を示したものである。
Figure 0004805418
表1に示すように、リンパ球、単球、顆粒球が混在した白血球に対する透過光信号SG1の変動波形の場合も、リンパ球のみの白血球に対する透過光信号SG1の変動波形の場合もともに、第1波形パターンの割合が一番多く、次に第2波形パターン、次に第3波形パターンの順に割合が少なくなり、第4波形パターンは測定されなかった。即ち、白血球に対する透過光信号SG1の変動波形において、極点の値がすべて基準値A以下であった。
また、癌細胞に対する透過光信号SG1の変動波形を、本発明の一実施形態に係る細胞の識別装置10の測定部40によって測定すると、例えば、HeLa細胞(子宮頸癌)の場合では第4波形パターンが52.4%測定され、ヒト膵癌細胞では36.7%測定された。即ち、癌細胞に対する透過光信号SG1の変動波形において、基準値Aより大きい値をもつ極点があった。末梢血中の細胞を測定した際に、第4波形パターンが検出された場合、検出された2〜3倍の循環癌細胞が末梢血中に存在することが推測される。
図4は、本発明の一実施形態に係る細胞の識別装置10の測定部40によって測定された、循環癌細胞に対する透過光信号SG1の変動結果の一例を示した図である。
以上の結果から、末梢血中の細胞Sに対する透過光信号SG1の変動波形を、本発明の一実施形態に係る細胞の識別装置10の測定部40によって測定したとき、波形パターンが第1波形パターン、第2波形パターン及び第3波形パターンの中のいずれかの波形パターンである場合は、細胞Sが白血球であること、即ち、末梢血細胞であることが分かる。また、波形パターンが第4波形パターンの場合は、末梢血細胞以外の細胞であること、即ち、細胞Sが循環癌細胞であることが分かる。
従って、本発明の一実施形態に係る細胞の識別装置10の識別部50は、上述した4つの波形パターンを特徴付ける透過光信号SG1の変動における極点の値に基づいて、細胞Sが末梢血細胞であるか、また、細胞Sが末梢血細胞以外の細胞であるかを識別する。具体的には、図3及び図4に示したように、細胞Sの無い状態の液体11による透過光信号SG1の値を基準値Aとして、細胞Sによる透過光信号SG1の変動における極大点の値と基準値Aとを比較し、極大点の値が基準値A以下であるとき細胞Sは末梢血細胞(白血球)であると識別し、極大点の値が基準値Aより大きいとき細胞Sは末梢血細胞以外の細胞(循環癌細胞)であると識別する。
また、上述した測定部40は、細胞Sによる透過光信号SG1の変動を測定しているだけであるが、透過光信号SG1の変動から、透過光信号SG1の変動のピーク、幅、面積等である透過光情報を更に測定するようにしても良い。そして、そのとき、上述した識別部50は、測定部40によって測定された透過光情報も識別条件のパラメータとして追加して用いて、細胞Sを識別するようにしても良い。
以上のことから、本発明の一実施形態に係る細胞の識別装置10は、細胞表面の抗体・抗原反応を利用することなく、末梢血中の細胞Sが末梢血細胞であるか末梢血細胞以外の細胞であるかを識別することができる。即ち、細胞Sが、末梢血細胞であるか循環癌細胞であるかを識別することができる。
次に、本発明の一実施形態に係る細胞の識別装置10を使用した細胞の識別処理手順を、図5を参照して簡単に説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係る細胞の識別装置10を使用した細胞の識別処理手順を説明するためのフローチャート図である。
図5に示すように、まず、照射部20からの照射光Lに対する細胞Sの相対位置が等速に変化するように調整され液体11をサンプル流11Sとして、供給部70からキャピラリ15に供給する(ステップ1:S101)。尚、細胞Sは前処理が施された末梢血の中から取り出した細胞である。
次に、キャピラリ15内の液体11に対して照射部20から照射光Lを照射する(ステップ2:S102)。次に、受光部30によって、照射光Lによる液体11の透過光L1を受光して、透過光信号SG1として測定部40に出力する(ステップ3:S103)。次に、受光部30から出力された透過光信号SG1を測定部40で入力し、細胞Sによる透過光信号SG1の変動を測定部40において測定する(ステップ4:S104)。
次に、測定部40によって測定された細胞Sによる透過光信号SG1の変動における極点の値に基づいて、細胞Sを識別する(ステップ5:S105)。即ち、細胞Sが末梢血細胞(即ち、白血球)であるか、末梢血細胞以外の細胞であるかを識別部50において識別する。具体的には、細胞Sの無い状態の液体11による透過光信号SG1の値を基準値Aとして、細胞Sによる透過光信号SG1の変動における極大点の値と基準値Aとを比較し、極大点の値が基準値A以下であるとき細胞Sは末梢血細胞(白血球)であると識別し、極大点の値が基準値Aより大きいとき細胞Sは末梢血細胞以外の細胞(癌細胞)であると識別する。ここでは、細胞Sの識別を、透過光信号SG1の変動における極点の値のみで行っているが、極点の値と極点の個数とを組み合わせて細胞Sの識別を行っても良い。
最後に、識別部50によって識別された識別結果に基づいて、末梢血細胞を分取するときは、末梢血細胞である細胞Sを、末梢血細胞以外の細胞を分取するときは、末梢血細胞以外の細胞である細胞Sを、所定の容器(図示せず)に分取して(ステップ6:S106)、本発明の一実施形態に係る細胞の識別装置10を使用した細胞の識別処理手順を終了する。
尚、上述したステップ4:S104では、細胞Sによる透過光信号SG1の変動を測定しているだけであるが、透過光信号SG1の変動から、透過光信号SG1の変動のピーク、幅、面積等である透過光情報を更に測定するようにしても良い。そして、そのとき、上述したステップ5:S105では、ステップ4:S104によって測定された透過光情報も識別条件のパラメータとして追加して用いて、細胞Sを識別するようにしても良い。
次に、本発明の一実施形態に係る別の細胞の識別装置について、図6及び図7を参照して説明する。
図6は、本発明の一実施形態に係る別の細胞の識別装置10aの概略側面図であり、図7は、図6のK−K線における断面図である。
図6及び図7に示す本発明の一実施形態に係る別の細胞の識別装置10aと、図1及び図2に示した本発明の一実施形態に係る細胞の識別装置10との相違点、照射光Lによる細胞Sの側方散乱光L2を受光して、散乱・蛍光信号SG2として測定部40に出力する第2受光部80を備えている点である。
例えば、第2受光部80は、図6及び図7に示すように、受光用の光ファイバ81と受光素子82によって構成されている。尚、受光素子82としては、例えば、光電子増倍管、フォトディテクタのようなものがある。ここで、第2受光部80の第3光軸D3は、照射部20の第1光軸D1及び受光部30の第2光軸D2に対して、略90度の角度をもっており、照射部20の第1光軸D1及び受光部30の第2光軸D2と同一平面上において、第2受光部80がある壁面の略中心に配置されている。ここでは、第2受光部80は、側方散乱光L2を受光して、散乱・蛍光信号SG2として測定部40に出力するようにしているが、細胞Sの蛍光を受光し、蛍光信号として測定部40に出力しても良い。
また、細胞の識別装置10aの測定部40は、受光部30より送られた透過光信号SG1から、細胞Sによる透過光信号SG1の変動を測定し、識別部50へ送る。また、第2受光部80より送られた散乱・蛍光信号SG2から、細胞Sによる散乱・蛍光信号SG2を測定し、識別部50へ送る。
細胞の識別装置10aの識別部50は、測定部40から送られた細胞Sによる透過光信号SG1の変動における極点の値及び細胞Sによる散乱・蛍光信号SG2の変動に基づいて、細胞Sを識別する。即ち、細胞Sが末梢血細胞(即ち、白血球)であるか、末梢血細胞以外の細胞であるかを識別する。ここで、細胞Sの識別を、透過光信号SG1の変動における極点の値及び細胞Sによる散乱・蛍光信号SG2の変動に基づいて行っているが、極点の値と極点の個数、並びに、細胞Sによる散乱・蛍光信号SG2の変動に基づいて、細胞Sの識別を行っても良い。
また、上述した測定部40は、細胞Sによる透過光信号SG1の変動と散乱・蛍光信号SG2とを測定しているだけであるが、透過光信号SG1の変動から、透過光信号SG1の変動のピーク、幅、面積等である透過光情報を更に測定し、散乱・蛍光信号SG2の変動から、散乱・蛍光信号SG2の変動のピーク、幅、面積等である散乱・蛍光情報を更に測定しようにしても良い。そして、そのとき、上述した識別部50は、測定部40によって測定された透過光情報や散乱・蛍光情報も識別条件のパラメータとして追加して用いて、細胞Sを識別するようにしても良い。
以上のことから、本発明の一実施形態に係る別の細胞の識別装置10aは、細胞表面の抗体・抗原反応を利用することなく、末梢血中の細胞Sが末梢血細胞であるか末梢血細胞以外の細胞であるかを識別することができる。また、細胞Sによる散乱・蛍光信号SG2の変動が追加されたことから、本発明の一実施形態に係る細胞の識別装置10よりも詳細に、細胞Sが末梢血細胞であるか末梢血細胞以外の細胞であるかを識別することができる。
次に、本発明の一実施形態に係る別の細胞の識別装置10aを使用した細胞の識別処理手順を、図8を参照して簡単に説明する。
図8は、本発明の一実施形態に係る別の細胞の識別装置10aを使用した細胞の識別処理手順を説明するためのフローチャート図である。
図8に示すように、まず、照射部20からの照射光Lに対する細胞Sの相対位置が等速に変化するように調整され液体11をサンプル流11Sとして、供給部70からキャピラリ15に供給する(ステップ1:S201)。尚、細胞Sは前処理が施された末梢血の中から取り出した細胞である。
次に、キャピラリ15内の液体11に対して照射部20から照射光Lを照射する(ステップ2:S202)。次に、受光部30によって、照射光Lによる液体11の透過光L1を受光して、透過光信号SG1として測定部40に出力するとともに、第2受光部80によって、照射光Lによる細胞Sの側方散乱光L2を受光して、散乱・蛍光信号SG2として測定部40に出力する(ステップ3:S203)。ここでは、第2受光部80は、側方散乱光L2を受光して、散乱・蛍光信号SG2として測定部40に出力するようにしているが、細胞Sの蛍光を受光し、蛍光信号として測定部40に出力しても良い。
次に、受光部30から出力された透過光信号SG1を測定部40で入力して、細胞Sによる透過光信号SG1の変動を測定部40において測定するとともに、第2受光部80から出力された散乱・蛍光信号SG2を測定部40で入力して、細胞Sによる散乱・蛍光信号SG2の変動を測定部40において測定する(ステップ4:S204)。
次に、測定部40によって測定された細胞Sによる透過光信号SG1の変動における極点の値及び細胞Sによる散乱・蛍光信号SG2の変動に基づいて、細胞Sを識別する(ステップ5:S205)。即ち、細胞Sが末梢血細胞(即ち、白血球)であるか、末梢血細胞以外の細胞であるかを識別部50aにおいて識別する。ここで、細胞Sの識別を、透過光信号SG1の変動における極点の値及び細胞Sによる散乱・蛍光信号SG2の変動に基づいて行っているが、極点の値と極点の個数、並びに、細胞Sによる散乱・蛍光信号SG2の変動に基づいて、細胞Sの識別を行っても良い。
最後に、識別部50によって識別された識別結果に基づいて、末梢血細胞を分取するときは、末梢血細胞である細胞Sを、末梢血細胞以外の細胞を分取するときは、末梢血細胞以外の細胞である細胞Sを、所定の容器(図示せず)に分取して(ステップ6:S206)、発明の一実施形態に係る別の細胞の識別装置10aを使用した細胞の識別処理手順を終了する。
また、上述したステップ4:S204は、細胞Sによる透過光信号SG1の変動と散乱・蛍光信号SG2とを測定しているだけであるが、透過光信号SG1の変動から、透過光信号SG1の変動のピーク、幅、面積等である透過光情報を更に測定し、散乱・蛍光信号SG2の変動から、散乱・蛍光信号SG2の変動のピーク、幅、面積等である散乱・蛍光情報を更に測定しようにしても良い。そして、そのとき、上述したステップ5:S205は、ステップ4:S204によって測定された透過光情報や散乱・蛍光情報も識別条件のパラメータとして追加して用いて、細胞Sを識別する細胞Sを識別するようにしても良い。
10、10a:細胞の識別装置
11:液体
11S:サンプル流
15:キャピラリ
19:シース流
20:照射部
30:受光部
40:測定部
50:識別部
60:分取部
70:供給部
80:第2受光部
S:細胞
L:照射光
SG1:透過光信号
SG2:散乱・蛍光信号

Claims (16)

  1. 末梢血中の異なる細胞や細胞種を識別する細胞の識別装置であって、
    末梢血中の前記細胞を分散させた液体に照射光を照射する照射部と、
    前記照射光に対する前記細胞の相対位置が等速に変化する状態の前記液体に対して、前記照射部から照射された前記照射光による前記液体の透過光を受光して透過光信号として出力する、前記照射部と正対する位置に設けられた受光部と、
    前記受光部から出力された前記透過光信号を入力し、前記細胞による前記透過光信号の変動を測定する測定部と、
    前記測定部によって測定された前記細胞による前記透過光信号の変動における極点の値に基づいて、末梢血中の前記細胞を識別する識別部と、
    を備え
    前記識別部は、前記細胞のない状態の前記液体による前記透過光信号を基準値としたとき、前記細胞による前記透過光信号の変動における極大点の値と前記基準値とを比較し、前記極大点の値が前記基準値以上のときに、当該細胞が末梢血細胞以外の細胞であると識別することを特徴とする細胞の識別装置。
  2. 前記識別部によって末梢血細胞以外の細胞であると識別された前記細胞は、循環癌細胞であることを特徴とする請求項1に記載の細胞の識別装置。
  3. 記細胞は、細胞表面抗体・抗原反応、細胞内の蛍光蛋白発現を含む蛍光処理が施された細胞であることを特徴とする請求項1または2に記載の細胞の識別装置。
  4. 前記測定部は、更に、前記透過光信号の変動から透過光情報を測定し、
    前記識別部は、更に、前記測定部によって測定された前記透過光情報に基づいて、末梢血中の前記細胞を識別することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の細胞の識別装置。
  5. 前記照射部から照射された前記照射光による前記細胞の散乱光及び/または蛍光を受光して散乱・蛍光信号として出力する、前記照射部と正対する位置以外の位置に設けられた第2の受光部を、更に備え、
    前記測定部は、更に、前記第2の受光部から出力された前記散乱・蛍光信号を入力して、前記細胞による前記散乱・蛍光信号の変動を測定し、
    前記識別部は、更に、前記測定部によって測定された前記散乱・蛍光信号の変動に基づいて、末梢血中の前記細胞を識別することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の細胞の識別装置。
  6. 記測定部は、更に、前記散乱・蛍光信号の変動から散乱・蛍光情報を測定し、
    前記識別部は、更に、前記測定部によって測定された前記透過・蛍光情報に基づいて、末梢血中の前記細胞を識別することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の細胞の識別装置。
  7. 前記照射光は、非集光のシングルモード光であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の細胞の識別装置。
  8. 前記識別部によって識別された末梢血中の前記細胞を、所定の容器に分取する分取部を、更に備えていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の細胞の識別装置。
  9. 末梢血中の細胞を分散させた液体に照射光を照射する照射部と、前記照射部と正対する位置に設けられた、透過光を受光して透過光信号として測定部に出力する受光部と、を用いた、末梢血中の細胞を識別する細胞の識別方法であって、
    (a)前記照射光に対する前記細胞の相対位置が等速に変化する状態の前記液体に対して、前記照射部から前記照射光を照射する工程と、
    (b)前記受光部により前記照射光による前記液体の透過光を受光して透過光信号として前記測定部に出力する工程と、
    (c)前記工程(b)によって出力された前記透過光信号を前記測定部で入力し、当該測定部において前記細胞による前記透過光信号の変動を測定する工程と、
    (d)前記工程(c)によって測定された前記細胞による前記透過光信号の変動における極点の値に基づいて、末梢血中の前記細胞を識別する工程と、
    を備え、
    前記工程(d)は、前記細胞のない状態の前記液体による前記透過光信号を基準値としたとき、前記細胞による前記透過光信号の変動における極大点の値と前記基準値とを比較し、前記極大点の値が前記基準値以上のときに、当該細胞が末梢血細胞以外の細胞であると識別することを特徴とする細胞の識別方法
  10. 前記工程(d)によって末梢血細胞以外の細胞であると識別された前記細胞は、循環癌細胞であることを特徴とする請求項9に記載の細胞の識別方法。
  11. 前記細胞は、細胞表面抗体・抗原反応、細胞内の蛍光蛋白発現を含む蛍光処理が施された細胞であることを特徴とする請求項9または10に記載の細胞の識別方法。
  12. 前記工程(は、更に、前記透過光信号の変動から透過光情報を測定し、
    前記工程(d)は、更に、前記工程(c)によって測定された前記透過光情報に基づいて、末梢血中の前記細胞を識別することを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載の細胞の識別方法。
  13. 前記照射部から照射された前記照射光による前記細胞の散乱光及び/または蛍光を受光して散乱・蛍光信号として前記測定部に出力する、前記照射部と正対する位置以外の位置に設けられた第2の受光部を、更に用いて、
    前記工程(b)は、更に、前記第2の受光部により前記照射光による前記細胞の散乱光及び/または蛍光を受光して前記散乱・蛍光信号として前記測定部に出力し、
    前記工程(c)は、更に、前記工程(b)によって出力された前記散乱・蛍光信号を前記測定部で入力し、当該測定部において前記細胞による前記散乱・蛍光信号の変動を測定し、
    前記工程(d)は、更に、前記工程(c)によって測定された前記散乱・蛍光信号の変動に基づいて、末梢血中の前記細胞を識別することを特徴とする請求項乃至12のいずれか1項に記載の細胞の識別方法。
  14. 前記工程(c)は、更に、前記散乱・蛍光信号の変動から散乱・蛍光情報を測定し、
    前記工程(d)は、更に、前記工程(c)によって測定された前記散乱・蛍光情報に基づいて、末梢血中の前記細胞を識別することを特徴とする請求項乃至13のいずれか1項に記載の細胞の識別方法。
  15. 前記照射光は、非集光のシングルモード光であることを特徴とする請求項乃至14のいずれか1項に記載の細胞の識別方法。
  16. (e)前記工程(d)によって識別された末梢血中の前記細胞を、所定の容器に分取する工程を、更に備えていることを特徴とする請求項乃至15のいずれか1項に記載の細胞の識別方法。
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