JP4804371B2 - センサのバイアス誤差推定装置 - Google Patents
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Description
もしセンサの距離測定や角度測定の調整がずれている場合、バイアス性の誤差(観測時間に無関係な一定値の誤差)が測距、測角時に表れる。複数のセンサを連接し、それぞれのセンサで目標を観測した場合、このようなバイアス誤差が生じると、同一目標であっても異なる位置に目標が存在するように見えることになる。そのため、複数のセンサを持つ目標位置計測装置では各センサのバイアス誤差を正しく推定、補正することが必須である。
δy:Y軸周りの回転角
δz:Z軸周りの回転角
以下、この発明の実施の形態1によるセンサのバイアス誤差推定装置について説明する。図1はセンサのバイアス誤差推定装置における構成図である。
図1において、第1のセンサ1および第2のセンサ2は、測距性能がよい目標位置を観測するレーダ装置のようなもので、互いに離れて設置されている。第1の観測器3は第1のセンサ1からの信号を受けて目標位置を3次元の観測値(距離、方位角、迎角)で出力する。第2の観測器4も第1の観測器3と同様に、第2のセンサ2からの信号を受けて目標位置を3次元の観測値で出力する。1軸バイアス誤差補正器5は、それぞれの観測器3、4の出力を入力して、センサを中心としたオイラー角で定義した3軸のうち1軸の回転角について想定値分を補正する。1軸バイアス誤差補正器群6は、1軸バイアス誤差補正器5を複数有し、想定値を複数パターン想定して、1軸の回転角についてそれぞれの想定値で複数並列処理するものである。2軸バイアス誤差推定器7は、1軸バイアス誤差補正器5で補正された1軸の回転角の補正値を用いて、3軸のうち残りの2軸の回転角を推定するものである。2軸バイアス誤差推定器群8は、2軸バイアス誤差推定器7を複数有し、2軸バイアス誤差推定器7を複数並列処理するものである。推定値評価器9は、2軸バイアス誤差推定器群8で推定した2軸の回転角と1軸バイアス誤差補正器5で予め補正した残りの1軸の回転角を1つの組合せとして、2軸バイアス誤差推定器7の個数の中から最適な回転角の組合せを選び出し、センサ1、2による3次元の観測値からバイアス誤差を推定するものである。
なお以下の説明では、X、Y、Z軸の回転角のうち、Z軸の回転角のみ予め補正し、X、Y軸の回転角を推定するものとするが、この発明は推定する2軸の選び方をX、Y軸に限定したものではない。
、Z軸の補正値は未知であるため、無数の候補がありえるが、ランダム性の角度観測誤差の標準偏差をα度とすると、補正値は、例えば、0度、+α度、−α度を候補とすることができる。これは、ランダム性の角度観測誤差以下のバイアス誤差は推定しづらいこと、センサ単体での調整時にある程度バイアス誤差を低減できるという考えに基づく。この候補の数だけ1軸バイアス誤差補正器5を用意し、それぞれの候補値分、Z軸の回転角を補正する。補正方法は式(8)で表される。
Z軸の回転角をδzで補正(X11,Y11,Z1)
Z軸の回転角を0で補正(X12,Y12,Z1)
Z軸の回転角を−δzで補正(X13,Y13,Z1)
また、第2のセンサ2側で補正された観測値は次の3通りである。
Z軸の回転角をδzで補正(X21,Y21,Z2)
Z軸の回転角を0で補正(X22,Y22,Z2)
Z軸の回転角を−δzで補正(X23,Y23,Z2)
上記した第1のセンサ1側及び第2のセンサ2側の観測値から、1つずつ選択した観測値を用いて組合せれば9通りとなり、これらから2軸(X軸、Y軸)のバイアス誤差を推定する。
実施の形態2は、上記した実施の形態1の構成に、各センサの観測器3、4で出力した観測値を保存する観測値データベース10を追加した上で、推定値評価器の内部を詳細にしたものである。図2はこの発明の実施の形態2におけるセンサのバイアス誤差推定装置の構成図、図3はバイアス誤差推定装置に設けられる推定値評価器の詳細構成図である。
δy:バイアス誤差推定値のうちY軸の回転角
δz:バイアス誤差推定値のうちZ軸の回転角
実施の形態3は、上記した実施の形態2の構成のうち、推定値評価器の内部を変更したものである。推定値評価器の詳細構成図を図5に示す。
ながらバイアス誤差を推定する場合は重力に従った楕円運動のモデルである。これにより、逆積分処理器15では目標が上記のような運動をしていることを前提とするため、追尾処理器12で求めた各時間における目標の位置、速度の平滑値と、逆積分処理器15で求めた各時間における目標の位置、速度の推定値が大きく異なる場合は、用いたバイアス誤差推定値が真のバイアス誤差と大きく異なるとみなすことができる。
実施の形態4は、上記した実施の形態2の構成のうち、推定値評価器の内部を変更したものである。推定値評価器の詳細構成図を図6に示す。
比較器20では、例えば、各観測値と各予測値の二次形式のRMSや平均を算出し、最小となった観測値に対して用いたバイアス誤差推定値を最適値とする。
実施の形態5は、上記した実施の形態2の構成のうち、推定値評価器の内部を変更したものである。推定値評価器の詳細構成図を図7に示す。
実施の形態6は、上記した実施の形態2の構成のうち、推定値評価器の内部を変更したものである。推定値評価器の詳細構成図を図8に示す。
真の位置から、これらの相関の強さを表す二次形式を求めるものである。二次形式比較器27は二次形式算出器26で求めた各候補の二次形式から最適な候補を選択するものである。推定値評価器28は、3軸バイアス誤差補正器11と追尾処理器12と目標位置DB22と二次形式算出器26と二次形式比較器27を構成品としたものである。
実施の形態7は、上記した実施の形態6、7の構成のうち、目標の真の位置を保存する目標位置DB22を作成する方法を示したものである。その構成図を図9に示す。
3:第1の観測器 4:第2の観測器
5:1軸バイアス誤差補正器 6:1軸バイアス誤差補正器群
7:2軸バイアス誤差推定器 8:2軸バイアス誤差推定器群
9:推定値評価器 10:観測値DB
11:3軸バイアス誤差補正器 12:追尾処理器
13:二次形式比較器 14:推定値評価器
15:逆積分処理器 16:距離差算出器
17:距離差比較器 18:推定値評価器
19:二次形式算出器 20:二次形式比較器
21:推定値評価器 22:目標位置DB
23:二次形式算出器 24:二次形式比較器
25:推定値評価器 26:二次形式算出器
27:二次形式比較器 28:推定値評価器
29:第3のセンサ 30:第3の観測器
31:センサ位置設定器 32:位置標定器
Claims (6)
- 互いに離れて設けられた複数のセンサからの出力により目標位置を計測する装置における上記各々のセンサのバイアス誤差を推定する装置において、
上記センサを中心としたオイラー角で与えられた3軸のバイアス誤差のうち、1軸の回転角について、想定値分を補正する1軸バイアス誤差補正器を複数有し、取り得る範囲で複数パターン想定し、上記複数パターン分、上記1軸バイアス誤差補正器を複数並列処理する1軸バイアス誤差補正器群と、
上記1軸バイアス誤差補正器で補正された1軸の回転角の補正値を用いて、3軸のうち残りの2軸の回転角を推定する2軸バイアス誤差推定器を複数有し、上記複数パターン分、上記2軸バイアス誤差推定器を複数並列処理する2軸バイアス誤差推定器群と、
上記2軸バイアス誤差推定器群で推定した2軸の回転角と上記1軸バイアス誤差補正器で予め補正した残りの1軸の回転角を1つの組合せとして、上記2軸バイアス誤差推定器の個数の中から所定の回転角の組み合わせを選び出し、上記センサによる3次元の観測値からバイアス誤差を推定する推定値評価器と、
上記各センサの観測器の出力であるすべての3次元の観測値を保存する観測値データベースとを備え、
上記推定値評価器は、上記観測値データベースに保存した各センサの観測値を、上記2軸バイアス誤差推定器群で推定した2軸の回転角と上記1軸バイアス誤差補正器で予め補正した残りの1軸の回転角との3軸の回転角により補正する3軸バイアス誤差補正器と、この3軸バイアス誤差補正器で補正した観測値を用いて追尾処理する追尾処理器と、この追尾処理器で算出した、観測値と予測値との相関の強さを表す二次形式をもとに、最小となった観測値に対して用いたバイアス誤差推定値を最適値として求める二次形式比較器とで構成されたことを特徴とするセンサのバイアス誤差推定装置。 - 互いに離れて設けられた複数のセンサからの出力により目標位置を計測する装置における上記各々のセンサのバイアス誤差を推定する装置において、
上記センサを中心としたオイラー角で与えられた3軸のバイアス誤差のうち、1軸の回転角について、想定値分を補正する1軸バイアス誤差補正器を複数有し、取り得る範囲で複数パターン想定し、上記複数パターン分、上記1軸バイアス誤差補正器を複数並列処理する1軸バイアス誤差補正器群と、
上記1軸バイアス誤差補正器で補正された1軸の回転角の補正値を用いて、3軸のうち残りの2軸の回転角を推定する2軸バイアス誤差推定器を複数有し、上記複数パターン分、上記2軸バイアス誤差推定器を複数並列処理する2軸バイアス誤差推定器群と、
上記2軸バイアス誤差推定器群で推定した2軸の回転角と上記1軸バイアス誤差補正器で予め補正した残りの1軸の回転角を1つの組合せとして、上記2軸バイアス誤差推定器の個数の中から所定の回転角の組み合わせを選び出し、上記センサによる3次元の観測値からバイアス誤差を推定する推定値評価器と、
上記各センサの観測器の出力であるすべての3次元の観測値を保存する観測値データベースとを備え、
上記推定値評価器は、上記観測値データベースに保存した各センサの観測値を、上記2軸バイアス誤差推定器群で推定した2軸の回転角と上記1軸バイアス誤差補正器で予め補正した残りの1軸の回転角との3軸の回転角により補正する3軸バイアス誤差補正器と、この3軸バイアス誤差補正器で補正した観測値を用いて追尾処理する追尾処理器と、この追尾処理器で処理した結果を用いて時間をさかのぼって目標の位置を推定する逆積分処理器と、上記追尾処理器で求めた目標の位置と、上記逆積分処理器で求めた目標の位置との距離差を求める距離差算出器と、この距離差算出器で求めた各候補の距離差をもとに、最小となった観測値に対して用いたバイアス誤差推定値を最適値として求める距離差比較器とで構成されたことを特徴とするセンサのバイアス誤差推定装置。 - 互いに離れて設けられた複数のセンサからの出力により目標位置を計測する装置における上記各々のセンサのバイアス誤差を推定する装置において、
上記センサを中心としたオイラー角で与えられた3軸のバイアス誤差のうち、1軸の回転角について、想定値分を補正する1軸バイアス誤差補正器を複数有し、取り得る範囲で複数パターン想定し、上記複数パターン分、上記1軸バイアス誤差補正器を複数並列処理する1軸バイアス誤差補正器群と、
上記1軸バイアス誤差補正器で補正された1軸の回転角の補正値を用いて、3軸のうち残りの2軸の回転角を推定する2軸バイアス誤差推定器を複数有し、上記複数パターン分、上記2軸バイアス誤差推定器を複数並列処理する2軸バイアス誤差推定器群と、
上記2軸バイアス誤差推定器群で推定した2軸の回転角と上記1軸バイアス誤差補正器で予め補正した残りの1軸の回転角を1つの組合せとして、上記2軸バイアス誤差推定器の個数の中から所定の回転角の組み合わせを選び出し、上記センサによる3次元の観測値からバイアス誤差を推定する推定値評価器と、
上記各センサの観測器の出力であるすべての3次元の観測値を保存する観測値データベースとを備え、
上記推定値評価器は、観測値データベースに保存した各センサの観測値を、上記2軸バイアス誤差推定器群で推定した2軸の回転角と上記1軸バイアス誤差補正器で予め補正した残りの1軸の回転角との3軸の回転角により補正する3軸バイアス誤差補正器と、この3軸バイアス誤差補正器で補正した観測値を用いて追尾処理する追尾処理器と、この追尾処理器で追尾処理した結果を用いて時間をさかのぼって目標の位置、速度を推定する逆積分処理器と、上記追尾処理器で求めた目標の位置、速度の平滑値、平滑誤差共分散行列と、上記逆積分処理器で求めた目標の位置、速度の推定値、予測誤差共分散行列から、これらの相関の強さを表す二次形式を求める二次形式算出器と、この二次形式算出器で求めた各候補の二次形式をもとに、最小となった観測値に対して用いたバイアス誤差推定値を最適値として求める二次形式比較器とで構成されたことを特徴とするセンサのバイアス誤差推定装置。 - 互いに離れて設けられた複数のセンサからの出力により目標位置を計測する装置における上記各々のセンサのバイアス誤差を推定する装置において、
上記センサを中心としたオイラー角で与えられた3軸のバイアス誤差のうち、1軸の回転角について、想定値分を補正する1軸バイアス誤差補正器を複数有し、取り得る範囲で
複数パターン想定し、上記複数パターン分、上記1軸バイアス誤差補正器を複数並列処理する1軸バイアス誤差補正器群と、
上記1軸バイアス誤差補正器で補正された1軸の回転角の補正値を用いて、3軸のうち残りの2軸の回転角を推定する2軸バイアス誤差推定器を複数有し、上記複数パターン分、上記2軸バイアス誤差推定器を複数並列処理する2軸バイアス誤差推定器群と、
上記2軸バイアス誤差推定器群で推定した2軸の回転角と上記1軸バイアス誤差補正器で予め補正した残りの1軸の回転角を1つの組合せとして、上記2軸バイアス誤差推定器の個数の中から所定の回転角の組み合わせを選び出し、上記センサによる3次元の観測値からバイアス誤差を推定する推定値評価器と、
上記各センサの観測器の出力であるすべての3次元の観測値を保存する観測値データベースとを備え、
上記推定値評価器は、観測値データベースに保存した各センサの観測値を、上記2軸バイアス誤差推定器群で推定した2軸の回転角と上記1軸バイアス誤差補正器で予め補正した残りの1軸の回転角との3軸の回転角により補正する3軸バイアス誤差補正器と、外部からの情報で得られた目標の真の位置を保存した目標位置データベースと、上記3軸バイアス誤差補正器で補正した観測値と上記目標位置データベースからの目標の真の位置との相関の強さを表す二次形式を求める二次形式算出器と、この二次形式算出器で求めた各候補の二次形式をもとに、最小となった観測値に対して用いたバイアス誤差推定値を最適値として求める二次形式比較器とで構成されたことを特徴とするセンサのバイアス誤差推定装置。 - 互いに離れて設けられた複数のセンサからの出力により目標位置を計測する装置における上記各々のセンサのバイアス誤差を推定する装置において、
上記センサを中心としたオイラー角で与えられた3軸のバイアス誤差のうち、1軸の回転角について、想定値分を補正する1軸バイアス誤差補正器を複数有し、取り得る範囲で複数パターン想定し、上記複数パターン分、上記1軸バイアス誤差補正器を複数並列処理する1軸バイアス誤差補正器群と、
上記1軸バイアス誤差補正器で補正された1軸の回転角の補正値を用いて、3軸のうち残りの2軸の回転角を推定する2軸バイアス誤差推定器を複数有し、上記複数パターン分、上記2軸バイアス誤差推定器を複数並列処理する2軸バイアス誤差推定器群と、
上記2軸バイアス誤差推定器群で推定した2軸の回転角と上記1軸バイアス誤差補正器で予め補正した残りの1軸の回転角を1つの組合せとして、上記2軸バイアス誤差推定器の個数の中から所定の回転角の組み合わせを選び出し、上記センサによる3次元の観測値からバイアス誤差を推定する推定値評価器と、
上記各センサの観測器の出力であるすべての3次元の観測値を保存する観測値データベースとを備え、
上記推定値評価器は、観測値データベースに保存した各センサの観測値を、上記2軸バイアス誤差推定器群で推定した2軸の回転角と上記1軸バイアス誤差補正器で予め補正した残りの1軸の回転角との3軸の回転角により補正する3軸バイアス誤差補正器と、この3軸バイアス誤差補正器で補正した観測値を用いて追尾処理する追尾処理器と、外部からの情報で得られた目標の真の位置を保存した目標位置データベースと、上記追尾処理器で求めた目標の位置の平滑値、平滑誤差共分散行列と上記目標位置データベースからの目標の真の位置から、これらの相関の強さを表す二次形式を求める二次形式算出器と、この二次形式算出器で求めた各候補の二次形式をもとに、最小となった観測値に対して用いたバイアス誤差推定値を最適値として求める二次形式比較器とで構成されたことを特徴とするセンサのバイアス誤差推定装置。 - 請求項4または請求項5に記載のセンサのバイアス誤差推定装置において、
上記目標位置データベースは、各センサの位置を設定するセンサ位置設定器と、3つのセンサの位置から観測値までの3つの測距値と上記センサ位置設定器からの位置とに基づ
き三角測量により目標の真の位置を求める位置標定器とで作成された目標位置を保存したことを特徴とするセンサのバイアス誤差推定装置。
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