JP4803494B2 - 均一な外層によって取り囲まれた酸性で多孔性の芯を含む粒状形態の触媒 - Google Patents

均一な外層によって取り囲まれた酸性で多孔性の芯を含む粒状形態の触媒 Download PDF

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Description

本発明は、各々に少なくとも一つの均一な外層によって取り囲まれた酸性多孔性固体を主成分とした芯を含む粒状形態を呈する触媒の分野に関するものである。
特許文献1(国際特許出願WO97/33684号)は、種々の基材の表面にゼオライトを主成分とした薄層を調製する一方法を記載している。
特許文献2(国際特許出願WO99/28031号)は、第一のゼオライトの結晶および第二のゼオライトの結晶の不連続層を含む触媒を記載している。
それらの先行技術の触媒には、いくつかの短所がある。とくに、外層の不均一性のために、最適の拡散選択性を得ることができない。
外層の不均一性とは、芯を取り囲む該層の不連続性または厚みの変動をいう。拡散選択性とは、ある試薬類または生成物類が他のものに比して優先的に通過することをいう。それは、通過がより速やかなほど、また化学種の分離がより効率的なほど、より満足すべきものとなる。該分離は、該層による被覆が完全なほどより効率的となり、該通過は、層厚みが薄く、それゆえ均一であるほど、より速やかとなる。
さらに、それらの現行の方法は、一般に、多孔性固体を主成分とする、大きさが0.4mm以下の芯を一様な層で被覆するのには適さない。それら先行技術の調製法は、サイズが比較的大きく、ミリメートルオーダーで、曲率が小さく、ナノ結晶の薄層による均一な被覆が容易な多孔性基材に応用される。
国際特許出願WO97/33684号パンフレット 国際特許出願WO99/28031号パンフレット
本発明の課題は、各々に少なくとも一つの均一な外層によって取り囲まれた酸性の多孔性固体を主成分とする小サイズの芯を含む粒状形態を呈する触媒およびその製造方法を提供することである。
各々に少なくとも一つの均一な外層によって取り囲まれた酸性の多孔性固体を主成分とする芯を含む粒状形態を呈する触媒ならびに各々の粒が小サイズの、すなわち0.4mm以下のサイズの芯により形成されている該触媒粒の製造を可能ならしめ、該芯を少なくとも一つの一様な厚みを有する外層によって被覆することを可能ならしめる方法が見出された。
該外層の厚みの均一性は、ある基準を用いて評価することができる。この均一性の基準Cは、外層の極大厚みEimaxとこの同じ層の極小厚みEiminとの差のこれら2つの厚みEimaxとEiminとの平均に対する比の触媒粒標本の数Nにわたっての平均に等しいと定義される。
この均一性基準の評価は、当業者に既知のいずれの手段によっても実施でき、たとえば、電子顕微鏡法による特徴付けに由来する写真撮影または画像解析から出発して実施できる。
本発明に従った触媒調製方法は下記を包含する:
a)粒の各々の芯(この芯は多孔性固体によって構成される)を形成するための結晶または結晶集塊を調製する工程、
b)該芯に少なくとも部分的酸性を付与するために各粒の芯を修飾する工程、
c)各粒の芯の表面に一様に分配された核(該核は外層用に用いる材料を主成分とするナノ結晶から構成されている)を付着させる工程、および
d)各粒の芯の表面で該核を成長させる工程。
本発明の一目的は、各粒が少なくとも一つの均一な外層によって被覆された酸性の多孔性固体を主成分とする芯によって形成された粒状形態を呈する触媒を対象とし、該芯は0.1ミクロン〜0.4ミリメートルの間の大きさをもち、該外層は均一性基準Cが0.30未満という一様な厚みをもつ。ここに、該均一性基準Cは、外層の極大厚みEimaxとこの同じ層の極小厚みEiminとの差のこれら2つの厚みEimaxとEiminとの平均に対する比の触媒粒標本の数Nにわたっての平均に等しいとして定義される。
均一性基準Cの基礎となる平均値は、通常、有意な数の触媒粒標本から求める。触媒粒標本の数Nは、好ましくは100以上である。
本発明の触媒は、たとえば次式で表わすことのできる均一性基準をもつ外層を有する:
Figure 0004803494
ここに、
Eiminは粒iを取り囲む外層の極小厚みを表わし、Eimaxは同じ外層の極大厚みを表わし、Nは、この均一性の統計学的特徴付けを行なうために用いた粒標本の数に相当する。
該均一性基準の評価は、当業者に既知のいずれの手段によっても実施でき、たとえば、電子顕微鏡法による特徴付けに由来する写真撮影または画像分析から出発して実施できる。
該均一性基準を走査電子顕微鏡法によって測定する場合、触媒粒を、エポンまたはアラルダイトタイプの合成樹脂中に分散させる。樹脂を重合させたのち、触媒粒を含有するブロックを型から取り出すと、直径約5mmの円柱が形成される。それらを、ガラス製カッターを用いて、ウルトラミクロトーム(LKB8800ウルトロトームIII)によって切断した。樹脂の端を削って、台形の小面(<0.5mm)を得る。対象となる帯域を検出後、ダイアモンドカッターによって、約80nmの極薄切片を作成した。つぎに、それらの切片を、走査電子顕微鏡での観察のための支持台に載せた。それらの切片の観察のためには、それら切片を真空(アルゴン雰囲気)蒸着によって金めっきすることが必要である。採用した装置は、倍率10〜50000倍のフィリップスXL−30顕微鏡である。
前節で紹介した基準Cを用いるとき、本発明の触媒は、均一性基準が0.3未満、好ましくは0.2未満、さらに好ましくは0.1未満の均一な外層を有する。
本発明の触媒粒の芯の表面の少なくとも95%、好ましくは少なくとも97%、より好ましくは少なくとも99%、さらには100%が少なくとも一つの外層によって被覆されていることが好ましい。この被覆は、各粒に改善された拡散選択性を付与する。
本発明によれば、芯の化学的組成は、外層のそれと同じであっても、異なっていてもよい。芯の化学的組成が外層のそれと異なっている方が好ましい。芯の結晶学的構造に関しては、それは外層のそれとは無関係であってよく、すなわち、同一であっても、異なっていてよい。
本発明の触媒の各粒は、いくつかの外層をもつことができる。本発明に従えば、これらの層の少なくとも一つが一様であって、上に示した基準に適合した均一性をもつ。この層が、粒の芯またはそれに担持されたより内側の層の表面の少なくとも95%、好ましくは少なくとも97%、より好ましくは少なくとも99%、さらには100%を被覆しているのが有利である。
本発明の触媒の各粒が、粒の芯の表面の少なくとも95%を被覆している単一の均一な外層を有していることが好ましい。
本発明の触媒の粒の芯は、0.1nm〜50nmの細孔径をもついずれの多孔性構造であってもよい。
本発明の触媒粒の芯の大きさは、0.1ミクロン〜0.4mmの間にある。本発明の触媒粒の芯の大きさは、0.2〜100ミクロンであることが好ましく、0.5〜20ミクロンの間であることがより好ましい。
本発明の触媒粒の各々の芯は、結晶化したミクロ細孔性固体であっても、構造をもったメソ細孔性固体であってもよい。各粒の芯は、単一の結晶を含んでいてもよく、あるいは集塊を形成するような複数の結晶を含んでいてもよい。結晶化ミクロ細孔性固体の場合、該固体のミクロ細孔の直径は、0.1〜2nmの間にあることができる。構造化されたメソ細孔性固体の場合、該固体のメソ細孔の直径は、2〜50nmの間にあることができる。
結晶化ミクロ細孔性固体は、アルミノリン酸塩類、メタロアルミノリン酸塩類、ケイ酸塩類、メタロケイ酸塩類、とりわけゼオライト類の図解(Atlas of zeolite framework types,Ch.Baerlocher,W.M.Meier,D.H.Olson,エルセヴィア社、改定第5版、2001年)に記載されているゼオライト類、たとえば、FAU構造タイプに属するゼオライト類(ゼオライトX、ゼオライトY)、BEA構造タイプのもの(ベータゼオライト)、MFI構造タイプのもの(ゼオライトZSM−5)、EUO構造タイプのもの(ゼオライトEU−1、ゼオライトZSM−50、ゼオライトTPZ−3)、NES構造タイプのもの(ゼオライトNU−87)、TON構造タイプのもの(ゼオライトZSM−22、シータ−1ゼオライト、ゼオライトNU−10)、MTT構造タイプのもの(ゼオライトZSM−23)、FER構造タイプのもの(フェリエライトゼオライト)、MWW構造タイプのもの(ゼオライトMCM−22)、MEL構造タイプのもの(ゼオライトZSM−11)、MFS構造タイプのもの(ゼオライトZSM−57)、MOR構造タイプのもの(モルデナイトゼオライト)、MTW構造タイプのもの(ゼオライトZSM−12)、OFF構造タイプのもの(オフレタイトゼオライト)、MAZ構造タイプのもの(マザイトゼオライト)、EMT構造タイプのもの(ゼオライトEMC−2)あるいはゼオライト類NU−86、NU−88、IM−5、EU−2、ZBM−30、ZSM−48、IM−12からなる群から選ぶことができる。
構造化されたメソ細孔性固体は、好ましくは、MCM−41、MCM−48およびSBA−15からなる群から選ぶことができる。
本発明に従えば、触媒粒の芯は酸性である。芯の酸性は、当業者に既知のいずれの手段によっても、たとえば赤外分析または熱重量分析によって測定されるピリジンまたはルチジンの吸着によって、測定できる。
本発明の触媒の各粒の外層は、結晶化ミクロ細孔性固体であることが好ましい。該外層の結晶化ミクロ細孔性固体は、好ましくは0.1〜2nmの間、より好ましくは0.1〜1.5nmの間、さらに好ましくは0.1〜1nmの間の直径をもつ細孔を有する。
該外層は、アルミノリン酸塩類、メタロアルミノリン酸塩類、ケイ酸塩類、メタロケイ酸塩類、とりわけゼオライト類の図解(Atlas of zeolite framework types,Ch.Baerlocher,W.M.Meier,D.H.Olson,エルセヴィア、改定第5版、2001年)に記載されているゼオライト類、たとえば、FAU構造タイプに属するゼオライト類(ゼオライトX、ゼオライトY)、BEA構造タイプのもの(ベータゼオライト)、MFI構造タイプのもの(ゼオライトZSM−5、シリカライト−1ゼオライト)、EUO構造タイプのもの(ゼオライトEU−1、ゼオライトZSM−50、ゼオライトTPZ−3)、NES構造タイプのもの(ゼオライトNU−87)、TON構造タイプのもの(ゼオライトZSM−22、シータ−1ゼオライト、ゼオライトNU−10)、MTT構造タイプのもの(ゼオライトZSM−23)、FER構造タイプのもの(フェリエライトゼオライト)、MWW構造タイプのもの(ゼオライトMCM−22)、MEL構造タイプのもの(ゼオライトZSM−11、シリカライト−2ゼオライト)、MFS構造タイプのもの(ゼオライトZSM−57)、MOR構造タイプのもの(モルデナイトゼオライト)、MTW構造タイプのもの(ゼオライトZSM−12)、OFF構造タイプのもの(オフレタイトゼオライト)、MAZ構造タイプのもの(マザイトゼオライト)、EMT構造タイプのもの(ゼオライトEMC−2)、LTA構造タイプのもの(ゼオライトA)あるいはゼオライト類NU−86、NU−88、IM−5、EU−2、ZBM−30、ZSM−48、IM−12からなる群から選ぶことができる。
前記の芯および外層はゼオライト類であることが好ましい。芯のゼオライトは、構造タイプ、結晶構造の化学的組成および/または補完陽イオンの本質からみて、外層のゼオライトと異なる;芯のゼオライトが、結晶構造の化学的組成の上で、外層のゼオライトと異なっていることがきわめて好ましい。
芯−外層の全体を形成するためのゼオライトの組合せは、ゼオライト類の図解(Atlas of zeolite framework types,Ch.Baerlocher,W.M.Meier,D.H.Olson,エルセヴィア、改定第5版、2001年)に記載されているすべてのゼオライト類から選ぶことができる。
触媒粒の全体についての外層の平均厚みは、触媒の機能に応じて、また所定の触媒については、意図する反応および実験条件、とりわけ温度、圧力および/または流体循環速度に応じて、変化させうる。粒の全体についての外層の平均厚みは次式によって定義される:
Figure 0004803494
粒全体についての外層の平均厚みは0.01〜100ミクロンの間であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10ミクロンの間である。
粒の芯が、また外層の均一性のゆえに粒自身が、あらゆる形態を、好ましくは球形、円柱形または楕円体の形態を、より好ましくは球形形態を呈することができる。
各粒は、該粒の外層の均一性のゆえに、通常は、芯と同じ形態を呈する。
触媒の各粒の芯は、該粒の全体積の少なくとも10%、最大で99%に相当していることが有利である。この粒の芯の半径は、該粒の全半径の少なくとも40%、より有利には少なくとも60%、さらに有利には少なくとも70%に相当することができる。
本発明の触媒は、1種または2種以上の元素、とりわけ金属またはそれらの陽イオン類、あるいはこれらの元素の化合物類、とりわけ金属類の酸化物類を含有することができる。本発明の触媒は、元素Cu、Ag、Ga、Mg、Ca、Sr、Zn、Cd、B、Al、Sn、Pb、V、P、Sb、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Pt、Pd、ReおよびRhからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を含有することができる。
本発明の触媒は、Ni、Co、Pt、Pd、ReおよびRhなどの水素化/脱水素成分を1種以上含有することができる。
本発明の触媒は、通常、陽イオン形態にあり、たとえば水素化された形態またはアンモニウム形態にある。
本発明の触媒は、それぞれの粒をまとめて、場合により特別な形態、たとえば錠剤、押出品、球体または粉末の形態に維持することを可能ならしめる結合剤を含有することもできる。該結合剤は、たとえば触媒単位重量当りの活性を制御するための、不活性希釈剤の機能を有することもできる。かくして、該結合剤は、Cu、Ag、Ga、Mg、Ca、Sr、Zn、Cd、B、Al、Sn、Pb、V、P、Sb、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Pt、Pd、ReおよびRhからなる群から選ばれた元素から導かれた1種以上の陽イオン類または酸化物類を含有することができる。
本発明の他の一目的は、本発明の触媒、すなわち粒の形態を呈し、各粒が酸性の多孔性固体により構成された芯により形成されており、該芯が均一な外層によって被覆されている触媒、を調製するための方法を対象とする。該方法は、下記工程を包含する:
a)粒の各々の芯(この芯は多孔性固体によって構成される)を形成するための結晶または結晶集塊を調製する工程、
b)該芯に少なくとも部分的酸性を付与するために各粒の芯を修飾する工程、
c)各粒の芯の表面に一様に分配された核(該核は外層用に用いる材料を主成分とするナノ結晶から構成されている)を付着させる工程、および
d)各粒の芯の表面で該核を成長させる工程。
本発明の方法の諸工程を提示した順序は、これらの工程を実施する順序に必ずしも対応しているわけではない。たとえば、工程b)を、粒を調製する工程a)のあとの該粒の芯に対して直接実施してもよく、あるいはこれに代えて、本方法の工程d)のあとで、芯およびその外層を包含する複合体に対して実施してもよい。
工程a)において、本発明の触媒粒の各々の芯は、当業者に既知のいずれの手段によっても調製できる。それらの粒の各々の芯を形成するための結晶および結晶の集塊は、工程a)に相応する単一の合成工程で調製する。
本発明の工程b)では、各粒の芯の修飾を行なって、該芯に少なくとも部分的酸性を付与する。この修飾は、当業者に既知のいずれの手段によっても実施できる。
たとえば、アルカリ金属イオンを含有するゼオライトを主成分とする芯の場合、修飾工程b)は、通常、これらのアルカリ金属を少なくとも部分的に除去できるものでなければならない。
工程b)の修飾は、芯に少なくとも部分的酸性を付与する。この酸性は、完全なもの、すなわち、芯の交換部位のすべてがプロトンと結合するものであってもよい。
この修飾工程b)は、酸、とりわけ塩酸などの無機酸および/または塩化アンモニウムなどのアンモニウム塩の溶液とのイオン交換によって得られたアンモニウム化合物との少なくとも一回のイオン交換によって実施できる。このイオン交換は、イオン交換用溶液の中へ、一回または繰返して、濃厚に懸濁させることによって行なうことができる。通常、芯のゼオライトは、イオン交換に先立って焼成して、吸着されているすべての有機化合物を除去し、イオン交換が容易になるようにする。イオン交換は、当業者に既知のいずれの手段およびいずれの操作条件を用いても実施できる。
本発明方法の工程c)の実施に先立ち、必要に応じて、芯を種々の処理に付すことができる。ゼオライトまたはメソ細孔材料を主成分とする芯の場合、当業者に既知の通常の熱によるおよび/または化学的修飾、とりわけゼオライトを求める陽イオン形態にするためのイオン交換操作を想定できる。
それらの表面処理は、必要に応じて、本発明方法の工程c)およびd)の実施にとって有害な元素を抽出して、芯および/または外層の成長が始まるべきナノ結晶からなるアンカーの反応性を助長するために行なうことができる。
本発明方法の工程c)では、各粒の芯の表面に一様に分配された核を付着させる。該核は、外層に使用する材料を主成分としたナノ結晶から構成される。
それらのナノ結晶は、40〜500nm、好ましくは50〜400nm、より好ましくは60〜200nmの間の大きさをもちうる。
この付着は、当業者に既知のいずれの手段によっても実施できる。たとえば、化学的結合剤あるいはグラフト剤を用いて、この付着を実施できる。
あるいは、この付着を、表面電荷反転剤、たとえばV.Valtchevらが記載しているカチオン性重合体(「21世紀の黎明におけるゼオライトおよびメソ細孔材料(Zeolites and Mesoporous Materials at the Dawn of the 21st Century)」、第13回国際ゼオライト会議、フランス、モンペリエ市、2001年7月8−13日、界面科学・触媒研究(Studies in Surface Science and Catalysis)第135巻298頁)を用いて実施できる。
この付着は、たとえば、芯のゼオライトを、層のゼオライトの核と、これら両ゼオライトのいずれかの表面の電荷を反転させ、静電結合を確実なものにする重合体を吸着させたのち、撹拌下の水性媒質中で混合することにより実施できる。この吸着は、両ゼオライトの一方を、たとえばカチオン性重合体とともに用いて、撹拌下の水性媒質中、7を超えるpHで実施することができる。
核を構成するナノ結晶は、通常は、コロイドゼオライトを合成する方法、たとえば、論文「小粒子技術(small particles technology)」、J.E.Otterstedt,D.A.Brandreth、プレナムプレス、1998年に記載されているもののごときいわゆる「澄明溶液」法によって、合成できる。
本発明の工程d)では、各粒の芯に付着した核を成長させる。通常はゼオライトである外層の成長は、1回または数回の操作で、たとえば、その表面に核が沈積している芯を、水熱反応条件下に、撹拌下の水性媒質中に浸漬させることにより、実施できる。
各粒の芯の表面に均一に分配された核の成長による外層の形成は、結果として、芯と該層との間の不連続性を伴う。この不連続性は、触媒粒の各々について、いずれの芯/外層接合点でも見られる。この不連続性は重要である。すなわち、本発明の触媒の全体的な構造は、それが各粒について識別される芯と外層を有するという点で、均一ではない。芯と層との間のこの不連続性は、電子顕微鏡(走査型、透過型)によって観察できる。芯と層との間の接合は、本発明の触媒の各粒について、芯の存在および該芯を包む外層の存在を明瞭に識別することを可能にする。
本発明方法の工程b)の間の行なわれる修飾操作に加えて、該方法は、触媒を形成する各粒に、また所望により結合剤に、補助的活性相を導入するための補足工程を包含することができる。これらの補助工程は、本発明方法のいずれの段階で実施してもよい。それらは、粒の芯、粒の外層、粒全体、すなわち芯および外層、あるいは結合剤を対象とすることができる。
一般に、触媒の芯および/または外層の結晶の陽イオン(単数または複数種)をあらゆる金属陽イオン、とりわけ元素の周期律表の第IA、IB、IIA、IIB、IIIA、IIIB族(希土類を含む)および第VIII族(貴金属を含む)のそれらによって置換することができる。また、このまたはこれらの陽イオンをスズ、鉛およびビスマスによって置換することもできる。この交換は、通常、当業者には既知の方法により、適当な陽イオンの塩を含有する溶液を用いて行なう。該交換は、外層堆積前の芯について選択的に、あるいは芯および外層について同時に行なうことができる。
本発明の方法は、1種または2種以上の元素、とりわけ金属またはそれらの陽イオン、あるいはこれらの元素の化合物、とりわけ金属酸化物を沈積させる工程を包含できる。本発明の触媒は、元素Cu、Ag、Ga、Mg、Ca、Sr、Zn、Cd、B、Al、Sn、Pb、V、P、Sb、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Pt、Pd、ReおよびRhからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を含有することができる。
この沈積は、芯についておよび/または該芯を取り囲む外層について行なうことができる。こ(れら)の元素を沈積させる工程は、イオン交換により、あるいは該元素、陽イオンまたは化合物の、または該陽イオンまたは化合物の適当な前駆体の含浸により、実施できる。かかるイオン交換またはかかる含浸は、たとえば合成した粗製の、焼成したまたはしていない形態、水素化された形態および/またはアンモニウム形態および/または他のあらゆる交換された形態の、芯のゼオライトまたは外層に対して、実施できる。
イオン交換の大部分の場合に、金属の部分的交換のみを行ない、残余の部位は他の陽イオン、とりわけ水素またはアンモニウム陽イオンによって占められるようにすることが好ましい。イオン交換によって2種またはより多種の金属陽イオンを導入することが望ましい場合もある。
芯および/または該芯を包んでいる層のゼオライトに金属化合物を含浸させる場合には、該金属化合物は、最終触媒の重量に対して20重量%未満、好ましくは10重量%未満、より好ましくは5重量%未満の含有量となるように添加できる。
該含浸および交換は、当業者に既知のいずれの手段によっても実施できる。
本発明の方法は、活性化処理を包含しうる。これらの処理には、たとえば、金属または他の還元された形態を生じさせるための水素含有雰囲気中での還元が含まれる。これらの処理は、触媒調製の任意の段階で実施できる。場合により、のちに、触媒使用時に、反応帯域の内部でこれらの処理を実施してもよい。
本発明の方法は、それぞれの粒を全体として保持することを可能にする結合剤を用いて成形する工程を包含しうる。この成形は、触媒粒と結合剤との混合、続いてのたとえば押出し、造粒、噴霧乾燥あるいは該混合物の滴状凝結を包含しうる。必要に応じて、該結合剤を前もって活性化合物と混合しておいてもよく、触媒単位重量当りの活性を調整するための不活性希釈剤の機能を有することができる。
該結合剤は、シリカ、種々の形態のアルミナ、ベントナイト、モンモリロナイト、セピオライト、アタパルジャイト、フラー土などのクレー類、シリカ−アルミナ、シリカ−ジルコニア、シリカ−トリア、シリカ−酸化ベリリウム、シリカ−二酸化チタンなどの合成多孔性材料などの、触媒担体として普通に使用されるいずれの物質であってもよい。本発明の範囲内で、これらの結合剤の組合せを想定することができる。
当業者に既知の粒と結合剤を混合するのに適合したいずれの方法をも使用することができ、とりわけ、押出し成形体、錠剤、造粒体、球体または粉末の形態の触媒の成形に適した諸方法を使用できる。
金属化合物、たとえば水素化/脱水素用化合物あるいは触媒活性をもつ他の金属と結合剤を含有する触媒の場合、該金属化合物は、粒において、結合剤との混合物においておよび/または粒−結合剤組成物において、交換または含浸させることができる。金属化合物の少なくとも一部を結合剤中で含浸または交換させる場合には、これらの化合物のこの部分または全体は、Cu、Ag、Ga、Mg、Ca、Sr、Zn、Cd、B、Al、Sn、Pb、V、P、Sb、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Pt、Pd、ReおよびRhからなる群から選ばれた元素から誘導された1種または2種以上の陽イオンまたは誘導体であってよい。
触媒粒における外層形成ののち、熱および化学修飾操作を行なって、たとえば構造化剤または有機結合剤を、あるいは有機担体材料を使用した場合にはそれを、除去し、当該ゼオライト類を求めるそれらの陽イオン形態とすることができる。
該触媒は、当業者に既知のあらゆる技術によって、とりわけ造粒、押出し、噴霧乾燥または結合剤との滴状凝結によって、成形することができる。この成形には、乾燥工程および焼成工程を後続させることが有利である。成形されたこれらの固体は、触媒プロセスにおいて使用するのに先立ち、熱処理および化学処理に付すこともできる。
ゼオライトYからなる芯の表面のベータゼオライト層によって構成された粒を含有する触媒の合成
芯は、ゼオライトY(FAU構造タイプ)で、それに所望の酸性を付与する修飾処理に付したもの(ゼオライトUSY)である。それは、Zeolyst社から入手できるもので((登録商標)CBV780)、45というSi/Al比によって規定され、4〜6μmの集塊の形状を呈し、0.4〜0.6μmの結晶を有する。
外層はベータゼオライトである。層形成は、核の調製、それらの核のゼオライトUSYからなる芯への付着、核の成長を包含する。
Si/Al比が約17のベータゼオライトからなる核の調製は、つぎのように行なう:アルミニウムジイソプロポキシド(アルドリッチ社)0.41gを、20%TEAOH溶液(フルカ社、水酸化テトラエチルアンモニウムの20質量%水溶液)6.50g中で加水分解し、20%TEAOH溶液20.00gに溶解させた新しく凍結乾燥したコロイドシリカ(アクゾノーベル社、Bindzil 30/220)6.10gを含有する第二の溶液を調製する。つぎに、両溶液を混合して、澄明な溶液を得る。この溶液の最終組成はつぎの通りである:
9TEAOH:0.25Al:25SiO:295H
この反応混合物を密封性ポリプロピレン製フラスコに導入し、恒温処理する。核の合成は80℃で15日間行なう。合成が終わると、核を洗い、分散させ、順次の遠心分離によって回収し、7に近いpHになるようにする。ベータゼオライト核のコロイド懸濁液のpHをつぎに0.1%アンモニア水の添加によって9.5に調整する。結果として、平均サイズが100nmの核を構成するナノ結晶のコロイド懸濁液が生じる。
ゼオライトUSY結晶の集塊の電荷の反転によって付着が確保される。カチオン性重合体(アルドリッチ社から市販されている塩化ポリ(ジアリルジメチルアンモニウム)の0.5質量%水溶液を調製する。この溶液のpHを、0.1%アンモニア溶液の添加によって9.5とする。
該ゼオライトUSYと該カチオン性重合体溶液とを、質量比(カチオン性重合体溶液)/(結晶)=133で1時間接触させる。デカンテーションによって結晶を回収する。0.1質量%アンモニア水溶液での洗浄を続けて、過剰のカチオン性重合体を除去する。
上記カチオン性重合体によって処理したゼオライトUSYをベータゼオライトからなる核のコロイド懸濁液と、質量比(コロイド懸濁液)/(結晶)=33で、1時間接触させる。ゼオライトUSYの結晶集塊の表面に付着したベータゼオライト核からなる固体をデカンテーションによって回収する。過剰のベータゼオライト核は、0.1質量%アンモニア水溶液での洗浄を続けて除去する。
カチオン性重合体を除去し、ゼオライトUSYからなる芯とベータゼオライト核との間に安定な結合を形成させるために、ゼオライトUSYからなる芯の表面に付着したベータゼオライト核からなる固体を、下記からなる熱処理(空気下)に付す:
− 外界温度から200℃まで10分間かけての昇温、
− 1時間の保持、
− 200℃から550℃への4時間かけての昇温、
− 550℃で4時間の保持。
− 外界温度への復帰は、炉の慣性によって行なう。
ゼオライトUSY結晶集塊の表面に付着したベータゼオライト核からなる固体を、質量が結晶の質量の100倍となる量の上で規定した合成溶液中に浸漬することによって核の成長が始まり、100℃で7日間続ける。ゼオライトUSY結晶の集塊の表面に付着したベータゼオライト層からなる固体複合体をデカンテーションによって回収し、蒸留水で洗う。この複合体を、つぎに、濾過し、100℃で12時間乾燥し、上記熱処理条件下で焼成する。
形成された層の平均厚みは500nmであり、均一性基準は0.1である。
ゼオライトUSYの集塊の表面に付着したベータゼオライト層からなる複合体を、サゾール社から供給されているSB3型アルミナゲルと混練する。つぎに、混練したペーストを直径1.4mmの成形型を通して押出す。かくして得られた押出し成形物を、空気下に500℃で2時間焼成する。ベータ/USY複合体の重量含量は50重量%である。
ベータゼオライトからなる芯の表面のシリカライト−1ゼオライト層により構成された粒を含有する触媒の合成
芯は、以下の方法に従って調製したベータゼオライト(BEA構造タイプ)である。金属アルミニウムを20%TEAOH溶液(水酸化テトラエチルアンモニウムの20質量%水溶液)に外界温度で溶解させ、ついで遠心分離して、残留不純物を除去する。つぎに、TEOS(テトラエトキシシラン)を加え、混合物を、濃厚なゲルが得られるまで撹拌する(必要な6モルの水を得るための外界温度でのアルコールおよび水の蒸発)。HFを添加すると、固体の形成が惹起され、これを、オートクレーブのライニングの中へ導入する前に、できる限り微細に砕かなければならない。合成は140℃で9.5日間行なう。ゲルの最終組成はつぎの通りである:
0.55TEAOH:0.02Al:1SiO:0.6HF:6H
反応混合物を、テフロンライニング付きオートクレーブに導入し、恒温処理する。存在する水が溶媒の役割を果し、自家生成圧を確保してくれる:オートクレーブ内部の圧力は、合成温度での水の飽和蒸気圧に等しい。合成が終了すると、結晶をフィルター上に回収し、洗浄し、ついで乾燥する。
このベータゼオライトは、Si/Alのモル比25および平均サイズ20μmによって規定される。
ベータゼオライトの結晶を修飾操作、すなわち熱処理およびイオン交換操作に付す。最初の空気下での熱処理は下記を包含する:
・ 外界温度から200℃まで10分間かけての昇温、
・ 1時間の保持、
・ 200℃から550℃への4時間かけての昇温、
・ および550℃で4時間の保持。
・ 外界温度への復帰は、炉の慣性によって行なう。
これらの結晶は、約600m/gの比表面積をもつ。
イオン交換は、ベータゼオライトの懸濁液を、約100℃で、濃度が10Mの硝酸アンモニウム溶液に4時間懸濁させることによって行なう。濾過して結晶を回収し、脱イオン水で洗い、ついで恒温器中100℃で16時間乾燥し、もう2回、イオン交換、濾過、洗浄および乾燥に付す。
つぎに、第二の熱処理を、第一のものと同じ条件下で行なう。
外層はシリカライト−1ゼオライトである。この層の形成は、核の調製、ベータゼオライトからなる芯へのそれらの付着およびそれらの核の成長を包含する。
純粋にシリカ系(シリカライト−1)MFI構造タイプのゼオライトからなるサイズが100nmのナノ結晶により構成された核の水性懸濁液を調製する。懸濁液中のこのゼオライトの質量は4%である。
シリカライト−1のナノ結晶の調製は、つぎのように行なう:TEOS(フルカ社、テトラエトキシシラン)40.00gを20%TPAOH溶液(フルカ社、水酸化テトラプロピルアンモニウムの20質量%水溶液)70.28g中で加水分解する。水10.16gを加え、溶液をついで撹拌して、澄明な溶液を得る。溶液の最終組成はつぎの通りである:
9TPAOH:25SiO:480HO:100EtOH
反応混合物を密閉性のポリプロピレン製フラスコに導入し、恒温処理する。合成は80℃で4日間行なう。合成が終わると、結晶を洗い、分散させ、順次の遠心分離によって回収し、7に近いpHになるようにする。シリカライト−1のナノ結晶のコロイド懸濁液のpHをつぎに0.1%アンモニア水の添加によって9.5に調整する。
ベータ芯ゼオライトの電荷の反転によってシリカライト−1ゼオライトの付着が確保される。ベータゼオライト(BEA構造タイプ)の結晶を下記の処理に付す。
カチオン性重合体(アルドリッチ社から市販されている塩化ポリ(ジアリルジメチルアンモニウム)の0.5質量%水溶液を調製する。この溶液のpHを、0.1%アンモニア溶液の添加によって9.5とする。
ベータゼオライトの結晶とカチオン性重合体溶液とを、質量比(カチオン性重合体溶液)/(結晶)=133で1時間接触させる。デカンテーションによって結晶を回収する。0.1質量%アンモニア水溶液での洗浄を続けて、過剰のカチオン性重合体を除去する。
カチオン性重合体によって処理したベータゼオライトを前記コロイド溶液と、質量比(コロイド溶液)/(結晶)=33で、1時間接触させる。デカンテーションによって結晶を回収する。過剰のMFI構造タイプのゼオライトを、0.1質量%アンモニア水溶液での洗浄を続けて除去する。
カチオン性重合体を除去し、ベータゼオライトからなる芯とシリカライト−1からなる核との間に安定な結合を形成させるために、複合体固体を、上記の熱処理に付す。
ベータゼオライト結晶の表面に付着したシリカライト−1ゼオライトからなる核により構成された複合体固体を、モル組成3TPAOH:25SiO:1500HO:100EtOHによって規定される合成用澄明溶液中に、その溶液の質量が結晶のそれの100倍となるように浸漬することにより、核の成長が始まり、200℃で45分間続ける。
この溶液は、TEOS28.92g、蒸留水136.54gおよびTPAOHの20質量%水溶液16.94gを混合することによって得る。
ベータゼオライト結晶の表面に付着したシリカライト−1ゼオライトの層からなる複合体をデカンテーションにより回収し、蒸留水で洗う。つぎに、この複合体を濾過し、100℃で12時間乾燥する。
付着および成長の操作を、成長時間を60分間として(45分間に代えて)もう一度反復する。
形成されたシリカライト−1の層の平均厚みは1100nm、均一性基準は0.08である。
ベータゼオライト結晶の表面に付着したシリカライト−1ゼオライトの層からなる複合体を、サゾール社から供給されているSB3型アルミナゲルと混練する。つぎに、混練したペーストを直径1.4mmの成形型を通して押出す。かくして得られた押出し成形物を、空気下に500℃で2時間焼成する。シリカライト−1/ベータ複合体の重量含量は50重量%である。

Claims (6)

  1. 触媒の調製方法であって、該触媒は、粒状形態を呈し、各粒が少なくとも一層の外層によって被覆された芯によって形成されており、該芯が0.1ミクロン〜0.4ミリメートルの間の大きさをもち、該芯および該外層がそれぞれゼオライトにより構成され、該外層が、均一性基準Cが0.30未満となる一様な厚みをもつ触媒であり(ただし、該均一性基準Cは、外層の極大厚みEimaxとこの同じ層の極小厚みEiminとの差のこれら2つの厚みEimaxとEiminとの平均に対する比の触媒粒標本の数Nにわたっての平均に等しいとして定義されるものとする)
    a)粒の各々の芯であって、ゼオライトによって構成された該芯を形成するための結晶または結晶集塊を調製する工程、
    b)該芯に少なくとも部分的酸性を付与するために各粒の芯を修飾する工程、
    c)各粒の芯の表面に一様に分配された核であって、外層用に用いる材料を主成分とするナノ結晶から構成されている該核を付着させる工程、および
    d)各粒の芯の表面で該核を成長させる工程
    を包含する該触媒の調製方法。
  2. 粒の芯の表面の少なくとも95%が少なくとも1層の外層によって被覆されている触媒を調製する請求項1に記載の触媒の調製方法。
  3. 芯の化学組成が外層のそれと異なる触媒を調製する請求項1または2に記載の触媒の調製方法。
  4. 粒の芯の大きさが0.2〜100ミクロンの間にある触媒を調製する請求項1〜3のいずれかに記載の触媒の調製方法。
  5. 外層結晶化ミクロ細孔性ゼオライトであり、同ゼオライトが0.1〜2nmの間の直径をもつ細孔を有している触媒を調製する請求項1〜4のいずれかに記載の触媒の調製方法。
  6. 全部の粒についての外層の平均厚みが0.01〜100ミクロンの間にある触媒を調製する請求項1〜5いずれかに記載の触媒の調製方法。
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