JP4803348B2 - 工作機械の軸穴構造 - Google Patents

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Description

この発明は、セミドライ加工を可能とする工作機械の軸穴構造に関するものである。
回転する工具の先端から加工液を供給するスピンドルスルーの工作機械においては、従来は水溶性加工液を高圧で大量に供給していたため、供給不具合はなかったが、最近では、スピンドルスルーの工作機械においてセミドライ加工を行うという要請が生じている。
該工作機械では、軸穴内にオイルミストを噴射することで、主軸が回転する工作機械内へのオイルミストの供給を可能としており、該オイルミストは、工具内の軸穴を通して工具の刃先などから噴出される。
ところで、マシニングセンタなどの工作機械では、工具の脱着に応じて工具長さに対応させるためのアジャストボルトや工具ホルダの固定および固定解除を行うドローバーなどを有している。これらのアジャストボルトやドローバーは、主軸内で軸方向に移動させることで上記機能を果たしており、それぞれ上記オイルミストが移動するための軸穴を有している。このため、各部材の軸穴同士は必ずしも連結されてはおらず、主軸の内部空間などを通して連通している(例えば特許文献1)。
図6は、工具突き当て用のアジャストボルト25を有する工具ホルダ20の一例を示すものである。
工具ホルダの多くはHSKシャンクという2面拘束のホルダを使用しており、図6に示すようにホルダ20は、外面をテーパ状とした主軸との嵌合部21を後端に有しており、その内側には先端に至るまでくり抜かれた内側貫通穴22を有している。そして、工具ホルダ20が取り付けられる主軸側(図示しない)の中心部に、工具30に加工液を供給するための加工液供給パイプ23が取付けられている。
また、工具ホルダ20は、嵌合部21の反対側の先端に、工具クランプ用のテーパコレット24が取り付けられており、専用ナット31で締めることで工具30をクランプすることができる。工具ホルダ20の先端側と前記加工液供給パイプ23との間には、工具突き当て用頭部26を先端に有するアジャストボルト25が配置されて工具ホルダ20の内面に螺合されており、該アジャストボルト25を回転させることで前記工具突き当て用頭部26の位置を変更することができる。これにより長さが異なる工具においても同一の工具ホルダによって保持、固定することができる。また、工具ホルダは、ある範囲内で異なる工具直径に対応できるようになっているため、アジャストボルトの頭部26の径は大きく設計されており、その周囲には大きな空間27が存在する。なお、アジャストボルト25および工具30には、それぞれ軸穴25a、30aが形成されて加工液の移動が可能になっている。
図7は、工具ホルダ20を工作機械主軸1に固定する構造の一例を示すものである。
主軸1内には、ドローバー2が軸方向に移動可能に配置され、該ドローバー2の先端にスリーブ3が螺合・連結されている。ドローバー2は、先端に位置するロックスクリュウ4によってスリーブ3に対する位置が決められてロックされる。スリーブ3の先端側には外周側に突出する膨出部3aを有しており、スリーブ3の外周側にはコレット5が配置されている。コレットの5の後方側には、後方側が固定支持された皿ばね6が配置されており、皿ばね6の前端は、前記ドローバー2に固定された連結部材7に固定されている。これにより、連結部材7を介して皿ばね6による後方への引張力がドローバー2に付与されている。
コレット5は、先端外周側に工具ホルダ20に形成した係止部21aと係合可能な係止部5aを有している。なお、図中10は、クーリング用のエア供給路である。
上記構造では、ドローバー2が前進している状態では、コレット5が内周側に位置して、コレット5の係止部5aと係止部21aとの係止が解かれ、工具ホルダ20は主軸1に対し、係脱自在となっている。一方、ドローバー2が後進すると、スリーブ3によってコレット5が外周側に押されて移動してコレット5の係止部5aが係止部21aと係合し、工具ホルダ20が主軸1に対し固定される。上記のようにドローバー2は、軸方向に移動可能になっており、ドローバー2の前方には、移動するドローバー2と干渉しないように工具ホルダ20の加工液供給パイプ23が位置している。したがって、ドローバー2の先端すなわちロックスクリュウ4と加工液供給パイプ23との間には間隙19を有し、該間隙19の周囲にスリーブ3が位置している。
特開平9−239637号公報
しかし、上記したような工作機械の軸穴構造によれば、軸穴が不連続に位置して、該軸穴間が主軸の空隙などで連通しているため、該軸穴を通してセミドライ加工を行うと、特に高速回転工具の場合はオイルミストが軸穴を移動する際に前記軸穴の不連続部分、例えば空間27や間隙19において遠心力によってオイルミストが主軸などの内壁に張り付いてしまい、前方の軸穴に円滑に供給されず、工具先端からミストが吐出されない不具合が多発してしまう。この不具合も時間が立てばなくなってしまう。すなわち、オイルミストの供給がなされる度に上記空間などにオイルが溜まって十分な油溜まりが生ずるため、それ以上にはオイルが滞留せずに前方の軸穴に移動して、オイルミストが円滑に移動して工具先端から吐出されるようになる。
しかし、上記動作では、初期にはオイルミストの噴射不良が多発するため、加工不良が生じやすいという問題があり、また、時間が十分に立った後にも不意にオイルミストの噴射不良が生じる場合があるという問題がある。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、作業初期から円滑にオイルミストの噴射を行うことが可能である工作機械の軸穴構造を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の工作機械の軸穴構造のうち、請求項1記載の発明は、軸穴を有する複数の軸部材が軸方向に沿って配置され、前記軸穴の連通によってオイルミスト噴射用軸穴が構成される工作機械の軸穴構造であって、前記軸部材の一端に、他の軸部材の軸穴内に該軸穴内周面と間隙を有して内挿される連通筒部を有し、該連通筒部の少なくとも先端部は、工作機械の主軸の回転に伴って遠心力によって弾性変形をして、内挿されている前記他の軸部材の内周面に外周面が密接する弾性筒材が連結されており、該弾性筒材の内周面は、先端側が薄肉になるよう、先端側ほど大径となるテーパ面に形成されていることを特徴とする。
請求項2記載の工作機械の軸穴構造の発明は、請求項1記載の発明において、前記連通筒部を有する軸部材と、連通筒部が内挿されている前記他の軸部材とは、互いに相対的に軸方向に移動可能となっており、前記連通筒部は、前記移動が伴う場合に、前記主軸の回転に際しては弾性筒材が軸穴内に留まる長さを有していることを特徴とする。
請求項3記載の工作機械の軸穴構造の発明は、請求項1または2に記載の発明において、連通筒部を有する軸部材が、工具の取り付け位置を調整するアジャストボルトであることを特徴とする。
請求項4記載の工作機械の軸穴構造の発明は、請求項1または2に記載の発明において、連通筒部を有する軸部材が、工具ホルダの固定および固定解除に用いられるドローバーの先端側に配置されるロックスクリュであることを特徴とする。
請求項5記載の工作機械の軸穴構造の発明は、軸穴を有する複数の軸部材が軸方向に沿って配置され、前記軸穴の連通によってオイルミスト噴射用軸穴が構成される工作機械の軸穴構造であって、前記軸部材の間に、それぞれ端部が隣接する軸部材の軸穴内に該軸穴内周面と間隙を有して内挿される連通筒体を有し、該連通筒体の内挿両端部の少なくとも先端部は、工作機械の主軸の回転に伴って遠心力によって弾性変形をして、内挿されている軸部材の内周面に外周面が密接する弾性筒材が連結されており、該弾性筒材の内周面は、先端側が薄肉になるよう、先端側ほど大径となるテーパ面に形成されていることを特徴とする。
請求項6記載の工作機械の軸穴構造の発明は、請求項5記載の発明において、前記連通筒体が内挿されている軸部材は、互いに相対的に軸方向に移動可能となっており、前記連通筒体は、前記移動を伴う場合に、前記主軸の回転に際しては弾性筒材がそれぞれ軸穴内に留まる長さを有していることを特徴とする。
すなわち、本発明によれば、連通部または連通体によって所望の軸部材間が連通する。しかも、連通部または連通体の少なくとも先端部は、弾性筒材で構成されており、該弾性筒材は工作機械の作動によって内挿している軸部材の内周面に密接するので、工作機械の動作時期に拘わらず、軸部材の軸穴間を通して確実にオイルミストを移動させることができ、ひいては確実に工具先端からオイルミストを噴射することができる。
前記連通筒部または連通筒体は、複数の軸部材のうち、所望の軸部材において具備するものであればよく、全ての軸部材において該構成を具備することは必要としない。したがって、連通部は、一つの軸部材にのみ設けられたものであってもよい。このため、特にオイルミストの油溜まりが生じやすい箇所において上記連通筒部または連通筒体を備えることができる。
上記軸部材は、本発明としては特定のものには限定されず、軸穴を有して軸方向に沿って配置されるものであればよい。特に工具の位置決めを行うアジャストボルトやドローバーの位置決めを行うロックスクリュウでは、上記油溜まりが生じやすく、本発明の効果は多大である。
また、上記アジャストボルトやロックスクリュウのように、軸方向に移動することを前提とする軸部材では、軸穴に内挿される連通筒部や連通筒体の端部が静置時には軸穴内周面と間隙を有して接触しないため、その調整目的などに従って軸方向に容易に移動することができ、本来の機能が制約されることがない。特に弾性筒材は、前記軸部材の移動が伴う場合にも主軸が回転する状態では軸穴内に留まるようにすることで、安定したオイルミスト搬送機能が得られる。
なお、静置時の弾性筒材と軸穴内周面との間隙は、特に限定されるものではないが、組み込み精度などを考慮して間隙が小さくなりすぎないように定めればよい。また、隙間が大きすぎると弾性筒材の弾性変形による密接が困難になるため、これらの事情を勘案して適宜の間隙を定めることができる。例え0.1〜0.2mm程度の間隙を設けることができる。
なお、弾性筒材に用いられる材質は、工作機械の主軸の回転によって弾性変形して上記間隙を埋めて軸穴内周面に密接することが必要であり、ゴムやウレタンなどの適宜の材料を用いることができ、本発明としては特定の材質に限定されるものではない。なお、弾性筒材は、少なくとも軸穴に内挿された部分の少なくとも先端部を構成するものであればよいが、その適用範囲は、前記先端部の他には、連通筒部または連通筒体の特定の部位に限定されるものではない。但し、保形性などの強度を考慮して先端部側に限定するのが望ましい。なお、弾性筒材以外の連通筒部または連通筒体の材質は、本発明としては特に限定されるものではない。
また、上記弾性筒材が弾性変形して軸穴内周面に密接する際の主軸の回転数は、特定のものに限定されるものではないが、軸穴を通してオイルミストが供給される際の回転数において上記密接が達成されることが必要である。
また、本発明は、工作機械全体の軸穴構造を構成要件とするものではなく、前記軸穴構造の一部において本発明の構成を満たすものは本発明の範囲内にある。したがって、例えば、工具ホルダにおいて上記構成を具備する場合、該工具ホルダのみよっても本発明の構成要件を充足するものである。
以上、説明したように、本発明の工作機械の軸穴構造によれば、軸穴を有する複数の軸部材が軸方向に沿って配置され、前記軸穴の連通によってオイルミスト噴射用軸穴が構成される工作機械の軸穴構造であって、前記軸部材の一端に、他の軸部材の軸穴内に該軸穴内周面と間隙を有して内挿される連通筒部を有し、該連通筒部の少なくとも先端部は、工作機械の主軸の回転に伴って遠心力によって弾性変形をして、内挿されている前記他の軸部材の内周面に外周面が密接する弾性筒材が連結されており、該弾性筒材の内周面は、先端側が薄肉になるよう、先端側ほど大径となるテーパ面に形成されているので、軸部材間が確実に連通して軸穴を通したオイルミストの搬送が確実になされ、工作機械の動作中に常に安定してオイルミストが工具先端から吐出される効果がある。
また、他の発明においては、前記軸部材の間に、それぞれ端部が隣接する軸部材の軸穴内に該軸穴内周面と間隙を有して内挿される連通筒体を有し、該連通筒体の内挿両端部の少なくとも先端部は、工作機械の主軸の回転に伴って遠心力によって弾性変形をして、内挿されている軸部材の内周面に外周面が密接する弾性筒材が連結されており、該弾性筒材の内周面は、先端側が薄肉になるよう、先端側ほど大径となるテーパ面に形成されているので、上記と同様の効果が得られる。
(実施形態1)
以下に、本発明の一実施形態を図1、2に基づいて説明する。なお、従来例と同様の構造については同一の符号を付して説明を行うものとする。
工具ホルダ20は、筒状に形成され、後端側に、後方ほど外周面が小径となるテーパ形状によって主軸との嵌合部21が形成されている。また工具ホルダ20の内部中央には後端から先端に貫通する内側貫通穴22を有している。該内側貫通穴22のうち、後方側においては、軸部材として加工液供給管23が配置されている。したがって該加工液供給管23の管穴が軸穴23aを構成している。
該加工液供給管23の前方では、内側貫通穴22の内周面に雌ねじ(図示しない)が形成されており、該雌ねじに、軸部材の一つとしてアジャストボルト250が螺合されている。該アジャストボルト250は、先端に工具突き当て用頭部26を有しており、該工具突き当て用頭部26に形成した係止溝26bにドライバ(図示しない)などを係止して回転することによって前記雌ねじの螺条に従って軸方向に移動することができる。アジャストボルト250および工具突き当て用頭部26には、軸心に軸穴250aおよび軸穴26aが貫通するように形成されており、またアジャストボルト250の後端には、弾性筒材28が連結されている。弾性筒材28は、その先端側(工具ホルダの後方側)ほど薄肉になっており、これにより、内周面は弾性筒材先端側ほど大径となるテーパ面28bに形成されている。このテーパ面28bによって軸穴23aから弾性筒材28の筒穴28aに至る際のオイルミストの移動がより円滑になされる。なお、アジャストボルト250は、従来のものに比べて後方に伸長しており、その後端側は、前記加工液供給管23の軸穴23a内に内挿され、かつ軸穴23aの内周面と間隙29を有している。また、アジャストボルト250の調整範囲内では、最も工具ホルダ先端側に軸方向移動させた場合にも、前記弾性筒材28の先端側約半分が軸穴23a内に留まっている。すなわち、アジャストボルト250の後端側は、本発明の連通筒部を構成している。
なお、工具ホルダ20の先端側には、テーパコレット24が取り付けられており、先端にはナット31の螺合が可能になっている。
上記工具ホルダ20は、所定の長さの工具30を保持するために、該工具の長さに合わせて前記アジャストボルト250を軸方向に移動させる。図1(a)は、工具30が最も短い場合のアジャストボルト250の調整位置を示しており、アジャストボルト250は、工具ホルダ20の前方側に移動して弾性筒材28の先端側の一部のみが軸穴23a内に位置している。また、図1(b)は、工具が最も長い場合のアジャストボルト250の調整位置を示しており、アジャストボルト250の長さ方向約半分と弾性筒材28全体が軸穴23a内に位置している。なお、上記アジャストボルト250の軸方向移動に際しては、図2(a)に示すように、アジャストボルト250の外周面および弾性筒材28の外周面が軸穴23aの内周面との間で間隙29を有していることにより、移動が円滑になされ、アジャストボルト250本来の機能が損なわれることもない。
上記の軸穴構造で、工作機械の主軸1を回転させると、図1(c)および図2(b)に示すように、主軸1とともに工具ホルダ20が回転し、前記加工液供給管23およびアジャストボルト250も同様に回転する。この回転に伴って、弾性筒材28には遠心力が作用し、外周側に拡径するように弾性変形をして、遂にはその外周面が軸穴23aの内周面に密接する。これにより軸穴23aと軸穴250aとが気密に連通する。上記軸穴23aを通るオイルミストは、弾性筒材28および連通筒部を通して確実に軸穴250aへと移動し、加工液供給管23とアジャストボルト250との間の空間に無駄な油溜まりを生じることもない。これにより工具30の先端からは、常に安定してオイルミストが吐出される。
主軸の回転を停止して静止すると、工具ホルダ20も回転を停止し、遠心力によって外周側に膨らんでいた弾性筒材28は、元に戻って軸穴23aとの間に間隙29が確保される。この状態で、長さの違う工具と交換する際には、前記したように容易にアジャストボルト250の軸方向移動による調整を行うことができる。その後、主軸1を回転させる際には、上記と同様にオイルミストを確実に搬送して、工具先端からオイルミストを安定して噴射することができる。
(実施形態2)
次に、他の実施形態を図3、4に基づいて説明する。なお、従来例と同様の構造については同一の符号を付して説明を行うものとする。
工作機械主軸1は、工具ホルダ20を取り付けるための取付穴1aを先端に有し、さらに、工具ホルダ20の脱着を操作するドローバー2を収納する収納穴1cを軸方向に沿って有している。前記取付穴1aおよび収納穴1cは連通している。
ドローバー2は、軸部材の一つとして上記収納穴1cに配置され、中央部に保持穴を有するドローバー保持部材11の前記保持穴に摺動可能に保持されており、ドローバー2の先端には、前記取付穴1aに達するスリーブ3が固定されている。スリーブ3は、その内周雌ネジがドローバー2の外周雄ねじに螺合(図示しない)して固定されており、ドローバー2の先端側には軸部材の一つであるロックスクリュウ40が螺合されてスリーブ3に対するドローバー2の位置決めがなされてロックされている。また、ロックスクリュウ40には、前方側に伸長する連通筒部41が設けられており、また、該連通筒部41の先端には、ゴムやウレタンからなる弾性筒材42が連結されている。
弾性筒材42は、図4に示すように、先端側ほど薄肉になっており、これにより、内周面は先端側ほど大径となるテーパ面42bに形成されている。このテーパ面42bによって弾性筒材42の筒穴42aから軸穴23aに至るオイルミストの移動がより円滑になる。また、ロックスクリュウ40の軸穴40aは、後端側内周面が後方ほど大径となるテーパ面40bで形成されており、後端の軸穴径とドローバー2の軸穴2aの穴径とが略同径となるように構成されている。これにより軸穴2aを移動するオイルミストが円滑にロックスクリュウ40の軸穴40aに移動する。なお、ドローバー2の軸穴2aが小径で前記ロックスクリュウ40の軸穴40aと略同径の場合には、軸穴2aに上記テーパ面を設けることを要しない。
工具ホルダ20を前記取付穴1aに取り付けた際には、工具ホルダ20の中央部に設けた加工液供給管23の後端が、収納穴1c内に達しており、前記連通筒部41および弾性筒材42は、加工液供給管23の管穴である軸穴23a内に内挿されて、該軸穴23aの内周面と間隙を有するように位置する。
また、前記取付穴1aは、工具ホルダ20の後端の嵌合部21のテーパ面と嵌合するように、内周面がテーパ面で形成されており、嵌合部21の内周面には内側に突出する係止部21aが形成されている。
一方、前記スリーブ3は、先端側外周面に外周側に膨出する膨出部3aが形成されており、該スリーブ3の外周側にはコレット5が配置されている。コレット5は、先端側外周面に外周側に突出した係止部5aを有しており、該係止部5aを前方に位置させ、前記係止部21aを後方側に位置させて互いに係合可能になっている。また、コレット5の後端側外周面には、外周側に突出する凸部5bを有しており、収納穴1cの内周面に形成した凹溝1bとの嵌合が可能になっている。なお、前記凹溝1bの先端側の溝面は、内周側が前方に位置するように前方に傾斜したテーパ面で形成されており、コレット5の凸部5bの先端面は後方に傾斜するテーパ面で形成されている。したがって、コレット5は、前記テーパ面を介して凸部5bと凹溝1bとの嵌め合いによって斜め方向にスライドしながら径方向内側または外側への移動が可能になっている。
また、コレット5は、スリーブ3の膨出部3aの後方側に位置してスリーブ3の薄肉部に接した状態では、前記係止部5aは、前記係止部21aの内周側に位置して互いの係止が解かれるように構成されている。また、コレット5の後端側内周面には、内周側に膨出した膨出部5cが形成されており、コレット5の先端が前記膨出部3aの後方に接して位置する際に、前記膨出部5cの先端面がスリーブ3の後端側に接して位置している。
また、コレット5の後方側には、後方側を固定支持した皿ばね6が配置されており、その前端は、前記ドローバー2に固定した連結部材7に固定されている。これにより、連結部材7を介して皿ばね6に後方への引張力がドローバー2に付与されている。また、前記連結部材7の外周側には連結部材7に固定された押圧部材8が配置されており、該押圧部材8の先端面は外周側が前方に突き出すように傾斜したテーパ面で形成されており、該先端面は、外周側が前方に係止したコレット5の後端面に当接している。
上記構造では、工具ホルダ20の脱着を行う際には、皿ばね6の引張力に抗してドローバー2を軸方向前方に移動させる。すると、押圧部材8がコレット5を前方に押して、該コレット5が、押圧部材8と当接する後端面のテーパ形状と、凹溝1bと当接する部5bの先端面のテーパ形状に従って、内周側に寄せられつつ前進する。該前進に際しては、コレット5の膨出部5cの先端がスリーブ3の後端に当接するまでコレット5が前進する。また、この時点でコレット5の先端がスリーブ3の膨出部3aの後方側に位置する。これによりコレット5の係止部5aは工具ホルダ20の係止部21aよりも内周側に位置して互いの係合が解かれる。この結果、工具ホルダ20の嵌合部21を取付穴1aから取り外すことができ、また新たに工具ホルダ20の嵌合部21を前記取り付け穴1aに挿入することができる。このとき、工具ホルダ20を装着すると、ロックスクリュウ40の連通筒部41の大部分および弾性筒材42は、装着した工具ホルダ20の加工液供給管23の軸穴23a内に位置する。また、工具ホルダ20を取り外す場合には、加工液供給管23が、連通筒部41および弾性筒材42の外周側から抜き去られる。
次に、装着した工具ホルダ20を固定する場合には、上記ドローバー2を軸方向に沿って後方側に移動させる。すると、スリーブ3の膨出部3aもドローバー2に連れて後進し、コレット5の内周側に入り込んでコレット5を外周側に押し上げるとともに、スリーブ3の後端外周面がコレット5の膨出部5cの内周側に入り込んで同じくコレット5を外周側に押し上げる。すると、コレット5は凸部5bと凹溝1bの嵌合面のテーパ形状に倣いながら斜め外側方向にスライドしつつ後進し、係止部5aが係止部21aに係止するとともに、凸部5bが凹1bに嵌合する。スリーブ3は、ドローバー2を介して皿ばね6によって引っ張られた状態が維持され、コレット5は、スリーブ3の膨出部3aの外周面とスリーブ3の後端外周面とによって外周側に押圧されて固定されている。この状態では、連通筒部41のうち先端側約半分と弾性筒材42は軸穴23a内に位置している。なお、ドローバー2の軸方向移動に際しては、軸穴23aの内周面と連通筒部41および弾性筒材42の外周面とは間隙を有しているので、ドローバー2の移動が阻害されることはない。
上記のようにして工具ホルダ20を固定した主軸1を回転させると、図4に示すように回転に連れてドローバー2や加工液供給管23が回転して、ロックスクリュウ40に連結した連通筒41の先端側にある弾性筒材42が弾性変形によって外周側に拡径し、その外周面が軸穴23aの内周面に密接する。この状態でドローバー2の軸穴2aを通してオイルミストを供給すると、オイルミストは、ロックスクリュウ40の軸穴40aおよび連通筒部41の筒穴41a、弾性筒材42の筒穴42aを通して確実に工具側へと移送される。したがって、この実施形態においても軸穴間に油溜まりが生じることなく確実にオイルミストが搬送されて工具先端から安定して吐出される。
(実施形態3)
上記各実施形態では、軸部材の一端に連通筒部が設けられて他の軸部材に該連通筒部が内挿されているものについて説明した。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、軸部材と軸部材との間に連通筒体を配置したものであってもよい。
図5は当該実施形態の要部を示す概略図である。
2つの軸部材45、46の間に連通筒体50を配置し、その両端部をそれぞれ軸部材45、46の軸穴45a、46a内に内挿する、この際に連通筒体50の外周面は、軸穴内周面と間隙を有している。また、連通筒体50の両先端部には前記実施形態と同様に弾性筒材51、52が設けられている。これらの弾性筒材51、52は、連通筒体50の回転による遠心力によって拡張可能な材質からなる。すなわち、主軸の回転に連れて前記軸部材45、46および連通筒体50が回転すると、弾性筒材51、52が弾性変形をして軸穴45a、46aの内周面と密接する。この状態では、軸穴45a、46a間を通るオイルミストが連通筒体50の軸穴50aによって確実に他方の軸穴へと移送され、軸穴に沿って確実にオイルミストを搬送することができる。なお、前記軸部材は、静止時には、所望により軸方向への移動を行うことができる。
以上、本発明について上記実施形態に基づいて説明をしたが、本発明は上記実施形態の説明に限定されるものではなく、本発明の範囲内において適宜変更が可能である。
本発明の一実施形態の軸穴構造を有する工具ホルダを示す正面断面図である。 同じく、静止時と回転時の弾性筒材の挙動を示す一部拡大断面図である。 本発明の他の実施形態の軸穴構造を有する工具ホルダおよび主軸を示す正面断面図である。 同じく、静止時と回転時の弾性筒材の挙動を示す一部拡大断面図である。 本発明のさらに他の実施形態の軸穴構造を示す一部拡大断面図である。 従来の軸穴構造を有する工具ホルダを示す正面断面図である。 従来の軸穴構造を有する工具ホルダおよび主軸を示す正面断面図である。
符号の説明
1 工作機械主軸
2 ドローバー
2a 軸穴
3 スリーブ
4 ロックスクリュウ
4a 軸穴
5 コレット
20 工具ホルダ
250 アジャストボルト
250a 軸穴
28 弾性筒材
30 工具
30a 軸穴
40 ロックスクリュウ
40a 軸穴
41 連通筒部
42 弾性筒材
45 軸部材
45a 軸穴
46 軸部材
46a 軸穴
50 連通筒体
51 弾性筒
52 弾性筒

Claims (6)

  1. 軸穴を有する複数の軸部材が軸方向に沿って配置され、前記軸穴の連通によってオイルミスト噴射用軸穴が構成される工作機械の軸穴構造であって、前記軸部材の一端に、他の軸部材の軸穴内に該軸穴内周面と間隙を有して内挿される連通筒部を有し、該連通筒部の少なくとも先端部は、工作機械の主軸の回転に伴って遠心力によって弾性変形をして、内挿されている前記他の軸部材の内周面に外周面が密接する弾性筒材が連結されており、該弾性筒材の内周面は、先端側が薄肉になるよう、先端側ほど大径となるテーパ面に形成されていることを特徴とする工作機械の軸穴構造。
  2. 前記連通筒部を有する軸部材と、連通筒部が内挿されている前記他の軸部材とは、互いに相対的に軸方向に移動可能となっており、前記連通筒部は、前記移動を伴う場合に、前記主軸の回転に際しては弾性筒材が軸穴内に留まる長さを有していることを特徴とする請求項1記載の工作機械の軸穴構造。
  3. 連通筒部を有する軸部材が、工具の取り付け位置を調整するアジャストボルトであることを特徴とする請求項1または2に記載の工作機械の軸穴構造。
  4. 連通筒部を有する軸部材が、工具ホルダの固定および固定解除に用いられるドローバーの先端側に配置されるロックスクリュであることを特徴とする請求項1または2に記載の工作機械の軸穴構造。
  5. 軸穴を有する複数の軸部材が軸方向に沿って配置され、前記軸穴の連通によってオイルミスト噴射用軸穴が構成される工作機械の軸穴構造であって、前記軸部材の間に、それぞれ端部が隣接する軸部材の軸穴内に該軸穴内周面と間隙を有して内挿される連通筒体を有し、該連通筒体の内挿両端部の少なくとも先端部は、工作機械の主軸の回転に伴って遠心力によって弾性変形をして、内挿されている軸部材の内周面に外周面が密接する弾性筒材が連結されており、該弾性筒材の内周面は、先端側が薄肉になるよう、先端側ほど大径となるテーパ面に形成されていることを特徴とする工作機械の軸穴構造。
  6. 前記連通筒体が内挿されている軸部材は、互いに相対的に軸方向に移動可能となっており、前記連通筒体は、前記移動を伴う場合に、前記主軸の回転に際しては弾性筒材がそれぞれ軸穴内に留まる長さを有していることを特徴とする請求項5記載の工作機械の軸穴構造。
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