JP4802902B2 - 現像器および画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、トナーとキャリアとを含む現像剤を収容して撹拌し撹拌された該現像剤の中のトナーで、隣接配置された像保持体上の静電潜像を現像する現像器、およびこの現像器を備えた画像形成装置に関する。
近年、プリンタやコピー機を中心とする画像形成装置が広く普及しており、このような画像形成装置を構成する様々な要素に関する技術も広く普及している。画像形成装置の中でも電子写真方式を採用している画像形成装置では、感光体ドラムをはじめとする感光体の上に印刷したいパターンである静電潜像を形成し、現像器を用いて、この静電潜像にトナーを付着させて現像された現像像を形成することが行われている。このようにして形成された感光体上の現像像は、直接、記録媒体上に転写されるか、あるいは、転写ベルトなどを介して、記録媒体上に転写され、転写後、加圧・加熱されて定着像が記録媒体上に定着する。
このような画像形成過程を踏む画像形成装置では、トナーと、磁力によってトナーを付着させてトナーを運搬するキャリアとを含む現像剤を用いた方式で静電潜像の現像が行われることが多い。この現像方式では、現像剤は、現像器内に設けられた現像剤収容室において、オーガとよばれる、スパイラル状の羽根を供えた部材で撹拌されながら搬送され、この撹拌の際の、トナーとキャリアとの間の摩擦によってトナーの帯電が行われる。この現像方式を採用する現像器には、内部が磁石となった現像剤保持体が備えられており、この現像剤保持体の磁力をキャリアが受けることにより、キャリアは帯電トナーを付着させた状態で現像剤収容室から現像剤保持体表面に移行する。そして、これら帯電トナーとキャリアとを含む現像剤は感光体上の静電潜像の近くまで運搬され、静電潜像の近くで静電力により帯電トナーは現像剤保持体から感光体上の静電潜像に移行し、静電潜像が現像される。このとき、静電潜像の現像に使用されずに現像剤保持体に残った帯電トナーと、キャリアとを含む現像剤は、現像剤保持体から剥離されて現像剤収容室に戻される。
また、このような現像方式を採用した画像形成装置では、多くの場合、現像剤収容室内に収容されている現像剤中でトナーが占める割合(トナー濃度)の検出が行われており、トナー濃度が所定値を下回ると、現像剤収容室へのトナー補給が行われるようになっている。新たに補給されるトナーは帯電していないため、この未帯電トナーが攪拌によって充分に帯電するように、トナー補給口は、上記のオーガによる現像剤搬送方向の上流に設けられることが多い。
このように現像剤の搬送方向における上流側にトナー補給口を設けることで、トナーの帯電量はかなり向上する。しかし、撹拌不足によりトナー帯電が不充分となることがしばしば起こり、このため、低帯電トナーを有する現像剤が、静電潜像の現像のために現像剤収容室から取り出されてしまうことがある。こうした低帯電トナーは、静電潜像の現像の際に、静電潜像には付着せずに感光体外部に飛散したり、感光体上の静電潜像以外の箇所に付着して画像に汚れ(カブリ)をもたらすことが多い。そこで、現像剤保持体から現像剤収容室に戻される現像剤を、現像剤収容室に備えられたトナー補給口付近に積極的に送り込み、この現像剤中の高帯電トナーの電荷を、低帯電トナーに転移させてこれらの帯電量を引き上げる現像器が提案されている(例えば、特許文献1〜特許文献3参照)。
特開2002−148921号公報 特開2003−263028号公報 特開2004−219819号公報
しかしながら、これら特許文献1〜特許文献3記載の方法では、現像剤保持体から戻される現像剤をトナー補給口付近に送り込むのに際して、モータなどの動力や磁力を利用する複雑な現像剤運搬機構を必要とするため、現像器や画像形成装置の大型化、コスト高につながりやすい。
本発明は、上記事情に鑑み、簡単な構成で低帯電トナーの発生を抑制する現像器、およびこのような現像器を有し良好な画像形成を行う画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の現像器は、
トナーとキャリアとを含有する現像剤を収容して撹拌し該現像剤で、像保持体上の静電潜像を現像する現像器において、
回転しながら表面に現像剤を保持し該現像剤を上記像保持体に面する現像領域に搬送して該現像剤中の現像剤で該像保持体上の静電潜像を現像する、円筒形状を有し上記現像領域で上向きに移動する方向に回転する現像ロール、
上記現像ロールに隣接して配置され現像剤を収容して該現像剤を該現像ロールに補給すると共に、収容された現像剤を撹拌しながら該現像ロールの回転軸と平行な第1の方向に搬送する第1のオーガを備えた第1の収容室と、該第1の収容室に隣接して配置され、トナーの補給を受けるトナー補給口を有すると共に上記現像ロールの回転軸方向両端部に該第1の収容室との間での現像剤の移動が行われる開口部を有し、収容された現像剤を撹拌しながら上記第1の方向とは逆の第2の方向に搬送する第2のオーガを備えた第2の収容室とを具備し、収容された現像剤を上記第1の収容室および上記第2の収容室との間を撹拌しながら循環移動させる現像剤収容部、および
上記現像領域よりも下流側で上記現像ロールから剥離される現像剤が衝突し、回転軸の回りに回転することにより、その現像剤の一部を上記第2の収容室に搬送する回転搬送部材を備えたことを特徴とする。
本発明の現像器は、回転搬送部材の回転により、現像ロールから剥離される現像剤の一部が第2の収容室に送り込まれる。この結果、送り込まれた現像剤中の高帯電トナーにより、第2の収容室内のトナーの帯電量が引き上げられて、トナーの飛散やカブリの発生が抑制される。この回転搬送部材は、現像ロールから剥離される現像剤がぶつかる勢いによって回転するものであり、モータなどの外部動力源や、現像剤を誘導する磁力の発生源を必要としない。このため、本発明の現像器では、いたって簡単な構成で低帯電トナーが抑制され、現像器の大型化防止、および低コスト化が実現する。
また、本発明の現像器においては、「上記回転搬送部材が、回転搬送部材の回転軸に相当する軸部と、該軸部の回りに立設された板部とからなる部材である」という形態が採用されてもよく、また、「上記回転搬送部材が、回転軸の回りに回転するロール状の部材である」という形態が採用されてもよい。
軸部の回りに立設された板部を有する回転搬送部材には現像剤の搬送効率が高いという利点があり、また、ロール状の回転搬送部材には周面上に現像剤が滞留しにくいという利点がある。
また、本発明の現像器において、「上記回転搬送部材が、上記現像ロールから剥離される現像剤のうちの30%以上80%以下の現像剤を上記第2の収容室に搬送するものである」という形態は好ましい形態である。
30%以上の現像剤が第2の収容室に搬送された場合に、トナーの飛散やカブリの発生が充分に抑制される。
現像ロールから剥離され回転搬送部材を介して第2の収容室に搬送される現像剤量を多くするほど、第2の収容室内のトナーの帯電量が引き上げられてトナーの飛散やカブリの発生が抑制されるが、第2の収容室へ搬送される現像剤量が多すぎると第1の収容室に存在する現像剤量が少なくなり、現像ロールへと搬送される現像剤が不足してしまう。この状態で、例えば連続して特に高画像密度の画像形成を行うと、画像形成に寄与する現像剤中のトナー量が少なくなり連続する画像形成に追従できず、結果としてオーガの羽根の周期に起因する濃度ムラ状の画像欠陥が生じやすくなるため、現像ロールから剥離され回転搬送部材を介して第2の収容室に搬送される現像剤量には上限が必要である。
上記の形態の現像器では、第2の収容室に搬送される現像剤が、剥離される現像剤のうちの30%以上80%以下となっていることで、第1の収容室に収容されている現像剤と、第2の収容室に収容されている現像剤の現像剤量バランスを取ることができ、現像剤中のトナー帯電量の均一化が促進すると共に、オーガの羽根の周期に起因する画質欠陥が生じにくい現像器にもなっている。
また、本発明の現像器において、「上記回転搬送部材は、該回転搬送部材が搬送する現像剤との接触により該現像剤のうちのトナーに電荷を付与する電荷付与剤が表面にコートされたものである」という形態は好ましい形態である。
このような形態によれば、現像剤を搬送する際の、現像剤中のトナーと回転搬送部材表面との接触を通じて、トナーに電荷が付与され、トナーの高帯電化が促進する。なお、こうした電荷付与剤としては、例えば、キャリア表面に塗布されている電荷付与剤を採用することができる。
また、本発明の現像器において、「上記第2のオーガが、上記第1のオーガの回転速度以上の回転速度で回転するものである」という形態は好ましい形態である。
上述したように、現像ロールから剥離され回転搬送部材を介して第2の収容室に搬送される現像剤量が多すぎると、第1の収容室に存在する現像剤量が少なくなり、現像ロールへと搬送される現像剤が不足してしまい、結果としてオーガの羽根の周期に起因する濃度ムラ状の画像欠陥が生じやすくなる。そこで、第2のオーガの回転速度を第1のオーガの回転速度以上とすることで、第1の収容室と比較して第2の収容室に多く存在する現像剤を積極的に第1の収容室へと搬送し、第1の収容室と第2の収容室の現像剤量バランスが均等になるように調整することができる。この結果、上記のオーガの羽根の周期に起因する画質欠陥が回避される。
また、本発明の現像器において、「上記第2のオーガが、上記第2の方向について上記トナー補給口よりも下流側に、回転軸の延在方向に沿って立設された板状のフィンを有するものである」という形態は好ましい形態である。
このような形態によれば、トナー補給位置に補給される低帯電のトナーは、このフィンの回転によって周囲のキャリアと効果的に攪拌混合される。この結果、低帯電のトナーの帯電速度が高速化する。
上記目的を達成するための本発明の画像形成装置は、
像保持体上に静電潜像を形成し該静電潜像を現像して現像像を得、該現像像を記録媒体上に転写および定着することにより該記録媒体上に定着像からなる画像を形成する画像形成装置であって、
トナーとキャリアとを含有する現像剤を収容して撹拌し該現像剤で、像保持体上の静電潜像を現像する現像器を備え、
該現像器が、
回転しながら表面に現像剤を保持し該現像剤を上記像保持体に面する現像領域に搬送して該現像剤で該像保持体上の静電潜像を現像する、円筒形状を有し上記現像領域で上向きに移動する方向に回転する現像ロール、
上記現像ロールに隣接して配置され現像剤を収容して該現像剤を該現像ロールに補給すると共に、収容された現像剤を撹拌しながら該現像ロールの回転軸と平行な第1の方向に搬送する第1のオーガを備えた第1の収容室と、該第1の収容室に隣接して配置され、トナーの補給を受けるトナー補給口を有すると共に上記現像ロールの回転軸方向両端部に該第1の収容室との間での現像剤の移動が行われる開口部を有し、収容された現像剤を撹拌しながら上記第1の方向とは逆の第2の方向に搬送する第2のオーガを備えた第2の収容室とを具備し、収容された現像剤を上記第1の収容室および上記第2の収容室との間を撹拌しながら循環移動させる現像剤収容部、および
上記現像領域よりも下流側で上記現像ロールから剥離される現像剤が衝突し、回転軸の回りに回転することにより、その現像剤の一部を上記第2の収容室に搬送する回転搬送部材を備えたことを特徴とする。
本発明の画像形成装置によれば、上記本発明の現像装置を備えているため、低帯電トナーの発生が抑制され、良好な画像形成が可能となる。
本発明によれば、簡単な構成で低帯電トナーの発生が抑制され、良好な画像形成が可能となる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図である。
この画像形成装置1は、電子写真方式を採用したモノクロの片面出力プリンタである。この画像形成装置1には、電子写真方式用の積層型の感光体であって、図の矢印A方向に回転する感光体10、感光体10を帯電する接触型の帯電器11、感光体10に向けてレーザ光を発し、感光体10上に、周囲より電位の高くなった静電潜像を形成する露光部12、静電潜像にモノクロ(ブラック)のトナーを付着させて現像することで現像像を形成する現像器13、現像像が形成された感光体10に、搬送されてきた用紙を押圧することで現像像の転写を行う転写ロール14、用紙上の転写像に対し熱および圧力を加えることで転写像の用紙への定着を行う定着器15が備えられている。ここで、現像器13が、本発明の現像器の一実施形態に相当する。
以下、この画像形成装置1における画像形成の動作について説明する。
この画像形成装置1には、ブラックのトナーが蓄えられた不図示のトナーカートリッジが備えられており、このトナーカートリッジにより現像器13にトナーの補給が行われる。また、現像像が転写されるために用いられる用紙は、トレイ16の中に蓄えられ、ユーザから画像形成が指示されると、トレイ16から取り出されて図の矢印B方向に搬送され、転写ロール14において現像像の転写が行われた後、定着器15において転写像の定着が行われて図の右方向に排出される。
次に、図1に示す現像器13について説明する。
図2は、図1に示す現像器を表した図である。
図2のパート(a)には、現像器13の斜視図の一部、図2のパート(b)には、この現像器13をその上方から見た図、図2のパート(c)には、図2のパート(b)に示すD−E方向で切ったときの断面図が示されている。
この現像器13では、静電潜像の現像に使用される現像剤として、トナーと、磁力によってトナーを付着させてトナーを運搬するキャリアとを含む現像剤を用いた現像方式が採用されている。
図2のパート(a)に示すように、この現像器13には、現像剤を表面に保持して図の矢印C方向に搬送する現像ロール130、現像剤が収容された容器136、現像ロール130から落ちてくる現像剤の一部を搬送する回転搬送部材134が設けられている。容器136内部は、壁133によって、容器136の両端(図の左側と右側)を除いて第1収容室131および第2収容室132の2つの収容室に分けられており、第1収容室131および第2収容室132には、現像剤を撹拌しながら搬送する、図2のパート(a)では不図示の、第1オーガおよび第2オーガがそれぞれ備えられている。
図2のパート(b)には、これら第1オーガ1311および第2オーガ1321と、第1収容室131および第2収容室132に収容されている現像剤1300が示されている。なお、この図2のパート(b)では、図2のパート(a)に示す回転搬送部材134の図示は省略されている。第1オーガ1311および第2オーガ1321は、いずれも回転軸の周りにスパイラル状の羽根を備えた部材であり、回転する羽根で現像剤1300を撹拌しながら搬送する。第1オーガ1311によって、第1収容室131内の現像剤1300は図の左方向に搬送され、第2オーガ1321によって、第2収容室131内の現像剤1300は図の右方向に搬送される。このような第1オーガおよび第2オーガの搬送動作により、第2収容室132内の現像剤1300は、図の矢印Jに示すように第1収容室131内に流れ込む。以下で説明するように第1収容室131内の現像剤1300が静電潜像の現像のために第1収容室131から取り出されるが、取り出されずに第1収容室131に残った現像剤1300は、図の矢印Kに示すように第2収容室132内に流れ込み、容器136内には、壁133を図の反時計回りに巡回する現像剤1300の流れができる。この搬送の際の現像剤の攪拌によって現像剤中のトナーとキャリアとの間に摩擦が生じ、この摩擦によってトナーがマイナス帯電する。
図2のパート(c)には、静電潜像の現像時における現像剤の流れが模式的に示されている。現像ロール130は、矢印C方向に回転する中空円筒形状の現像スリーブ1301と、この現像スリーブ1301の内部に、現像スリーブ1301とは独立に固定され、現像スリーブ1301の周回方向に複数の磁極が配列されたマグネットロール1302とで構成されている。マグネットロール1302の磁力を、第1収容室131に収容された現像剤中のキャリアが受けることで、第1収容室131に収容された現像剤の多くは、図の点線矢印Lで示すように、現像スリーブ1301周面上の、第1収容室131に最も近い現像剤保持領域130bに付着する。この現像スリーブ1301は、現像剤をその周面に付着させたまま図のC方向に回転し、感光体10と対向する現像領域130aに現像剤を搬送する。現像スリーブ1301は、不図示の現像バイアス印加部により、現像スリーブ1301の電位が静電潜像の電位よりも低く感光体10の電位よりは高い電位となるように、バイアス電圧の印加を受けている。このため、現像スリーブ1301の表面上に付着した現像剤中のトナーは、静電潜像と現像スリーブ1301との間の電位差により、現像スリーブ1301を離れて静電潜像に付着し、感光体10上に現像像が形成される。
トナーの中には、静電潜像に付着せずに現像スリーブ1301上に残留するトナーもある。ここで、図2のパート(c)に示すマグネットロール1302では、現像剤を現像スリーブ1301上に引き付けていた磁場の向きが、図の現像ロール断面右端の現像剤剥離領域130cで反転するように、上述した複数の磁極の配列が工夫されている。このため、現像剤剥離領域130cまで搬送されてきた、残留トナーとキャリアとを含む現像剤は、この現像剤剥離領域130cにおいて磁場の反転を受けて現像スリーブ1301周面上から剥離され、搬送されてきた勢いで現像スリーブ1301から離れて容器136に戻る。
現像像の形成のためにトナーが消費されるにつれて、容器136に収容された現像剤では、現像剤中のトナーが減少していく。現像器13には、トナー濃度(現像剤中でトナーが占める割合)の検出を行う不図示のトナー濃度センサが設けられており、トナー濃度が所定値を下回ると、不図示のトナーカートリッジから新しいトナーが補給されて所定値以上のトナー濃度が維持される。ここで、新しいトナーが補給される場所は、図2のパート(b)においてトナー補給位置135として示されている。新たに補給されるトナーは帯電していないが、このように第2収容室132内の現像剤搬送方向上流にトナー補給位置135を設けることにより、第1収容室131内に流れ込むまでに周りのキャリアと攪拌されてある程度の帯電量に達するようになる。なお、トナーカートリッジから新しいトナーを補給する方式の他に、現像器内に補給用トナーを蓄える収容室を設け、その収容室から新しいトナーをトナー補給位置に送る方式も採用可能である。
現像剤搬送方向上流にトナー補給位置を設けただけでは、撹拌不足により一部のトナーが低帯電となることがあり、こうした低帯電トナーを有する現像剤が、静電潜像の現像のために現像剤収容室から取り出されてしまうことがある。こうした低帯電トナーは、静電潜像の現像の際に、静電潜像には付着せずに感光体外部に飛散したり、感光体上の静電潜像以外の箇所に付着して画像に汚れ(カブリ)をもたらすことが多い。
そこで、図2に示す現像器13では、現像スリーブ1301から戻された現像剤の現像器内の現像剤のうちで比較的帯電量の高い特性を利用して、その現像剤の一部を第2収容室132に振り分けて、その振り分けられた現像剤により第2収容室132内の低帯電トナーの帯電量を引き上げる工夫が凝らされている。
図2のパート(c)に示す回転搬送部材134は、現像スリーブ1301から戻ってきた現像剤の一部を第2収容室132に送り込むための部材であり、軸部134aと、この軸部134aの周りに取り付けられ、四方にそれぞれ延びた4枚の板を有する板部134bとで構成されている。回転搬送部材134では、板部134bは、軸部134aの周りで図のF方向には回転できるが、不図示の逆回転防止機構によりF方向とは逆方向には回転できない構成となっている。現像剤剥離領域130cにおいて現像スリーブ1301から離れた現像剤は、現像スリーブ1301の回転による遠心力により、現像スリーブ1301の回転中心から遠ざかる方向(図2のパート(c)では、右方向)に向かう力を受ける。このため、現像剤は、現像剤剥離領域130cの真下ではなく現像剤剥離領域130cの右下方向に落下する。落下した現像剤の一部は、図で点線矢印Hで示すように回転搬送部材134にぶつかり、回転搬送部材134をF方向に回転させる。回転搬送部材134にぶつかった現像剤の中には跳ね返って第1収容室131内に落下するものもあるが、一部の現像剤は、そのまま回転搬送部材134の上に乗った状態で回転搬送部材134に運ばれ、図で点線矢印Iで示すように第2収容室132内に落下する。第2収容室132内に落下した現像剤中の高帯電トナーにより、第2収容室132内の未帯電トナーや低帯電トナーの帯電量が引き上げられ、トナーの飛散やカブリの発生が抑制される。
このように現像器13は、回転搬送部材134を回転させるために落下してくる現像剤の勢いを利用するものであり、現像剤を第2収容室132に送り込むのに際し、モータなどの外部動力源や、現像剤を誘導する磁力の発生源を必要としない。
モータなどの外部動力源を利用する方式では電力コストが上昇し、磁力を発生させる方式では現像スリーブ周辺の磁界や容器内の磁界が変化し、現像スリーブへの現像剤の付着量や容器内での現像剤の攪拌効果が低下するおそれがある。また、これらの外部動力源を利用する方式や磁力を発生させる方式では、現像剤を第2収容室に送り込むために複雑な現像剤運搬機構が必要となり、現像器の大型化、コスト高を生む。
図2のパート(c)に示す現像器13では、落下してくる現像剤の勢いだけを動力源としているので、いたって簡単な構成で低帯電トナーが抑制され、現像器の大型化防止および低コスト化が実現している。また、このような現像器13が画像形成装置1に組み込まれることで、画像形成装置1においても、大型化防止、および低コスト化が可能となり、上述したトナーの飛散やカブリの発生が回避された良好な画像形成が実現される。
図2のパート(c)の説明を続ける。現像スリーブ1301から戻ってきた現像剤のうち、回転搬送部材134にぶつかるほどの勢いがなかった現像剤や回転搬送部材134にぶつかって跳ね返った現像剤は、第1収容室131内に落下する。
現像スリーブから離れた現像剤の全てが第2収容室内に落下してしまうと、第1の収容室に存在する現像剤量が少なくなり、現像ロールへと搬送される現像剤が不足してしまい、結果としてオーガの羽根の周期に起因する濃度ムラ状の画像欠陥が生じやすくなる。このため、現像スリーブから戻ってきた現像剤のうちのいくらかは、第1収容室内に戻されることが好ましい。
図2のパート(c)に示す現像器13では、現像スリーブ1301から戻ってきた現像剤のうち、30%以上80%以下の現像剤が第2収容室132に戻される。30%以上の現像剤が第2収容室132に戻された場合に、上述したトナーの飛散やカブリの発生が充分に抑制される。このとき、第2収容室132に戻される現像剤を80%以下に抑えることで、第1収容室131に収容されている現像剤と、第2収容室132に収容されている現像剤との間で現像剤量バランスを取ることができる。この結果、現像器13は、オーガの羽根の周期に起因する画質欠陥が生じにくい現像器にもなっている。
現像スリーブ1301から戻ってきた現像剤が、第1収容室131と第2収容室132とにどのくらいの割合で振り分けられるかは、回転搬送部材134の位置(図2のパート(c)の垂直方向および水平方向の位置)や、板部134bの質量、板部134bの4枚の板の広さ、板部134bが回転する際の軸部134aとの回転摩擦などによって決定される。図2のパート(c)に示す現像器13では、現像スリーブ1301から戻ってきた現像剤のうち、30%以上80%以下の現像剤が第2収容室132に戻されるように、回転搬送部材134の位置が調節されている。なお、第2収容室132に戻される現像剤の割合を調節する方法としては、図2のパート(c)に示す現像器13のように回転搬送部材の位置を調節する方法の他に、質量や4枚の板の大きさが異なる回転搬送部材を用いて回転速度を調節する方法や、回転障害物を設けて回転摩擦を調節するといった方法も可能である。
また、図2のパート(c)に示す回転搬送部材134の表面は電荷付与剤で被膜されており、現像剤を搬送する際の、現像剤中のトナーと回転搬送部材表面との接触を通じてトナーに電荷が付与される。なお、電荷付与剤は、現像剤中のキャリア表面にも塗布されており、回転搬送部材134表面に塗布されている電荷付与剤としては、キャリア表面に塗布されている電荷付与剤と同種の電荷付与剤が採用されている。ここでは、このように回転搬送部材134表面の電荷付与剤として、キャリア表面に塗布されている電荷付与剤と同種の電荷付与剤を採用するが、異なる種類の電荷付与剤を採用しても同様のトナーの帯電量向上の効果が得られる。
以上の説明では、トナーの飛散やカブリの発生、さらには、オーガの羽根の周期に起因する画質欠陥を回避する回転搬送部材134の役割について説明してきたが、この現像器13には、回転搬送部材134以外にも、上記の問題発生を防ぐ工夫が凝らされている。
この現像器13では、図2に示すパート(b)に示す第2オーガ1321の回転速度が、第1オーガ1311の回転速度以上に設定されている。一般に、第2収容室の現像剤には無帯電のトナーが新たに補給されるので、第2収容室では、現像剤の攪拌の必要性が第1収容室の現像剤以上にある。上記のように第2オーガ1321の回転速度が、第1オーガ1311の回転速度以上に設定されることで、現像剤の帯電量の早期上昇が促進し、このような工夫によっても、トナー飛散やカブリの発生が回避される。
また、図2に示すパート(b)に示すように、第2オーガ1321には、トナー補給位置135よりもやや現像剤搬送方向下流に、板羽根形状のフィン1321aが備えられており、トナー補給位置135に補給される低帯電のトナーは、このフィン1321aの回転によって周囲のキャリアと効果的に攪拌混合される。このようなフィン1321aの存在により、低帯電のトナーの帯電速度が高速化する。なお、ここでは、第2オーガ1321として、1枚の板羽根形状のフィン1321aを備えたオーガが採用されているが、本発明では、板羽根形状のフィン1321aを複数枚備えたオーガが採用されてもよい。
以上の説明では、現像スリーブ1301から戻ってきた現像剤の一部を第2収容室132に送り込むための部材として、四方にそれぞれ延びた4枚の板を有する部材が採用されたが、落下してくる現像剤の勢いによって回転する部材であれば、同様に現像剤を第2収容室132に送り込むことができ、形状は適宜選択可能である。以下では、他の形状の一例として、ロール状の回転搬送部材が採用されている現像器を紹介する。
図3は、ロール状の回転搬送部材が採用されている現像器を表した図である。
図3のパート(a)には、ロール状の回転搬送部材が採用された現像器23の斜視図の一部、図3のパート(b)には、この現像器23の断面図が示されている。
図3において、図2に示す現像器13との構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素についての重複説明は省略する。
図3のパート(a)に示すように、図3の現像器23には、図2に示す、4枚の板を有する回転搬送部材134の代わりに、ロール状の回転搬送部材234が設けられている。このロール状部材234は、現像スリーブ1301から落下した現像剤がぶつかった勢いで回転中心234aの周りを図のF方向に回転し、ロール周面上に乗った現像剤を第2収容室132に送り込む。回転搬送部材の形状が異なる点を除けば、このロール状部材234の果たす機能は、図2に示す回転搬送部材134と同様である。また、このロール状部材234を備えた現像器23、およびその現像器23を有する画像形成装置は、現像スリーブ1301から戻ってくる現像剤を第2収容室132に送り込む部材がロール状である点を除けば、図2に示す現像器13、および図1に示す画像形成装置1と同様の構成を有する。従って、ここでは、ロール状部材234を備えた現像器23、およびその現像器23を有する画像形成装置の説明は省略する。
以下では、現像スリーブから戻ってきた現像剤の一部を第2収容室に送り込むための部材を備えることで、実際にトナーの飛散、およびオーガの羽根の周期に起因する画質欠陥が回避されることを具体的な実験データで検証する。この実験では、トナー濃度(現像剤中に占めるトナーの割合(重量%))を測定してトナー濃度を一定に保つよう制御しながら、画像濃度5%のモノクロ画像を5000枚出力する。この5000枚出力の間、デジタル粉塵計(日本カノマックス(株)社製、DUSTTRAK MODEL3451)にて現像器周辺でのトナー飛散量を測定する。その後、出力後に画像濃度50%のモノクロ画像を3枚出力し、オーガの羽根の周期の濃淡ムラとして現れた画質欠陥の有無をチェックする。この実験を、下記の画像形成装置によって行う。
(実施例1)
実施例1の画像形成装置は、図1に示す画像形成装置と同様の構成を有する画像形成装置である。この実施例1の画像形成装置が有する現像器では、図2に示すパート(c)に示す回転搬送部材134の位置調節により、現像スリーブ1301から戻ってきた現像剤のうち、60%の現像剤が第2収容室132に戻される構成となっている。また、上述したように、回転搬送部材の表面は電荷付与剤で被膜されている。この実施例1の現像器では、第2オーガの回転速度と第1オーガの回転速度とは同じ回転速度であり、図2に示すパート(b)に示すように、第2オーガには、トナー補給位置よりもやや現像剤搬送方向下流に、板羽根形状のフィンが1枚備えられている。
(実施例2)
実施例2の画像形成装置は、第2オーガに板羽根形状のフィンがない点と、また回転搬送部材の表面が電荷付与剤で被膜されていない点とを除けば、実施例1の画像形成装置と同様の構成を有する画像形成装置である。
(実施例3)
実施例3の画像形成装置は、現像スリーブから戻ってきた現像剤のうち、80%の現像剤が第2収容室に戻されるように図2に示すパート(c)に示す回転搬送部材の位置調節が行われている点と、第2オーガに板羽根形状のフィンがない点と、回転搬送部材の表面が電荷付与剤で被膜されていない点とを除けば、実施例1の画像形成装置と同様の構成を有する画像形成装置である。
(実施例4)
実施例4の画像形成装置は、現像スリーブから戻ってきた現像剤のうち、30%の現像剤が第2収容室に戻されるように図2に示すパート(c)に示す回転搬送部材の位置調節が行われている点と、第2オーガに板羽根形状のフィンがない点と、回転搬送部材の表面が電荷付与剤で被膜されていない点とを除けば、実施例1の画像形成装置と同様の構成を有する画像形成装置である。
(実施例5)
実施例5の画像形成装置は、現像スリーブから戻ってきた現像剤のうち、30%の現像剤が第2収容室に戻されるように図2に示すパート(c)に示す回転搬送部材の位置調節が行われている点と、回転搬送部材の表面が電荷付与剤で被膜されていない点とを除けば、実施例1の画像形成装置と同様の構成を有する画像形成装置である。
(実施例6)
実施例6の画像形成装置は、現像スリーブから戻ってきた現像剤のうち、30%の現像剤が第2収容室に戻されるように図2に示すパート(c)に示す回転搬送部材の位置調節が行われている点と、第2オーガに板羽根形状のフィンがない点とを除けば、実施例1の画像形成装置と同様の構成を有する画像形成装置である。
(実施例7)
実施例7の画像形成装置は、現像スリーブから戻ってきた現像剤のうち、30%の現像剤が第2収容室に戻されるように図2に示すパート(c)に示す回転搬送部材の位置調節が行われている点を除けば、実施例1の画像形成装置と同様の構成を有する画像形成装置である。
(実施例8)
実施例8の画像形成装置は、現像スリーブから戻ってきた現像剤のうち、80%の現像剤が第2収容室に戻されるように図2に示すパート(c)に示す回転搬送部材の位置調節が行われている点と、第2オーガの回転速度が第1オーガの回転速度の1.2倍(120%)である点と、第2オーガに板羽根形状のフィンがない点と、回転搬送部材の表面が電荷付与剤で被膜されていない点とを除けば、実施例1の画像形成装置と同様の構成を有する画像形成装置である。
(実施例9)
実施例9の画像形成装置は、現像スリーブから戻ってきた現像剤のうち、90%の現像剤が第2収容室に戻されるように図2に示すパート(c)に示す回転搬送部材の位置調節が行われている点と、第2オーガに板羽根形状のフィンがない点と、回転搬送部材の表面が電荷付与剤で被膜されていない点とを除けば、実施例1の画像形成装置と同様の構成を有する画像形成装置である。
(実施例10)
実施例10の画像形成装置は、現像スリーブから戻ってきた現像剤のうち、90%の現像剤が第2収容室に戻されるように図2に示すパート(c)に示す回転搬送部材の位置調節が行われている点と、第2オーガの回転速度が第1オーガの回転速度の1.2倍(120%)である点と、第2オーガに板羽根形状のフィンがない点と、回転搬送部材の表面が電荷付与剤で被膜されていない点とを除けば、実施例1の画像形成装置と同様の構成を有する画像形成装置である。
(実施例11)
実施例11の画像形成装置は、現像スリーブから戻ってきた現像剤のうち、20%の現像剤が第2収容室に戻されるように図2に示すパート(c)に示す回転搬送部材の位置調節が行われている点と、第2オーガに板羽根形状のフィンがない点と、回転搬送部材の表面が電荷付与剤で被膜されていない点とを除けば、実施例1の画像形成装置と同様の構成を有する画像形成装置である。
(比較例1)
比較例1の画像形成装置は、回転搬送部材を備えていない点と、第2オーガに板羽根形状のフィンがない点とを除けば、実施例1の画像形成装置と同様の構成を有する画像形成装置である。回転搬送部材を備えていないために、比較例1の画像形成装置では、現像スリーブから戻ってきた現像剤はすべて第1収容室に戻される。
(比較例2)
比較例2の画像形成装置は、回転搬送部材を備えていない点を除けば、実施例1の画像形成装置と同様の構成を有する画像形成装置である。この比較例2の画像形成装置では、比較例1と同様に現像スリーブから戻ってきた現像剤はすべて第1収容室に戻される。また、この比較例2の画像形成装置では、比較例1とは異なり、第2オーガに板羽根形状のフィンが設けられている。
以上の実施例1〜実施例11、比較例1、比較例2のそれぞれ上述した実験を行う。ここで、トナー飛散量については、比較例1のトナー飛散量を基準として、どの程度トナー飛散量が削減されたかを、下記の5段階に分けて評価する。
◎ : 65%以上の削減
○ : 55%から65%未満の削減
○−: 45%から55%未満の削減
△ : 30%から45%未満の削減
× : 削減率30%未満
なお、トナーの帯電不足による、トナーの飛散と画像中のカブリの発生とは連動しているため、トナー飛散量の評価を通じて、同時にカブリの発生量をも評価することができる。そこで、この実験では、直接カブリの発生量の評価は行わず、トナー飛散量の評価だけを行っている。
また、画像中の濃度ムラの発生による画像欠陥については、下記の3段階に分けて評価する。
○ : 濃淡ムラが全く発生せず
△ : トナー濃度が低い時にのみ濃淡ムラが発生
× : トナー濃度に関係なく濃淡ムラが発生
下記表1に、上記の実施例1〜実施例11、比較例1、比較例2についての実験結果を示す。
Figure 0004802902
表1の実施例2と比較例1とを比較すると、第2収容室に戻される現像剤が存在しない比較例1に比べ、60%の現像剤が戻される実施例2では、トナー飛散量は、45%から55%未満の削減(評価○−)となっている。トナーの飛散は、低帯電トナーの存在を表しており、実施例2と比較例1との比較から、回転搬送部材を設けて第2収容室に現像剤を戻すことで、トナーの帯電量が向上されていることがわかる。
また、第2オーガに板羽根形状のフィンが設けられているが第2収容室に戻される現像剤が存在しない比較例2と、第2オーガに板羽根形状のフィンが設けられているとともに60%の現像剤が戻される実施例1とを比較してみると、比較例2では、トナー飛散量は、30%から45%未満の削減(評価△)にとどまったのに対し、実施例1では、65%以上削減(評価◎)と大幅に削減されている。この実施例1と比較例2との比較からも、回転搬送部材を設けて第2収容室に現像剤を戻すことで、トナーの帯電量が向上されるということがわかる。
ここで、第2収容室に20%の現像剤が戻される実施例11と、30%の現像剤が戻される実施例4と、60%の現像剤が戻される実施例2と、80%の現像剤が戻される実施例3と、90%の現像剤が戻される実施例9とを比較し、どの程度の現像剤が戻されるのが好ましいかを検討する。20%の現像剤が戻される実施例11では、トナー飛散量は、30%から45%未満の削減(評価△)となっており、トナーの帯電量が改善されてはいるもの、帯電量がやや低い結果となっている。この実施例11の結果に対し、30%以上の現像剤が戻される、実施例4、実施例2、実施例3、実施例9では、トナー飛散量は、45%以上削減(評価が○−以上)となっており、実施例11に比べ、トナーの帯電量が充分であることがわかる。しかし、これら実施例4、実施例2、実施例3、実施例9のうち、90%の現像剤が戻される実施例9では、トナー濃度に関係なく画像中に濃淡ムラが発生(評価×)という画質欠陥が見られる。こうした画質欠陥は、第1収容室内の現像剤量と、第2収容室内の現像剤量の差が大きく、現像ロールに付与されるべき第1収容室内の現像剤量が不足して現像に寄与する十分なトナー量が確保されない時によく見られる現象であり、上記の実施例9の結果は、高帯電トナーの現像剤を第2収容室に戻し過ぎたためと考えられる。従って、上記の実施例11および実施例9の結果の考察から、トナー飛散を抑えるとともに画質欠陥の発生をも抑えるためには、残りの実施例4、実施例2、実施例3のように、第2収容室に戻される現像剤の割合を30%以上80%以内の範囲に収まるように、回転搬送部材の位置等を調節することが好ましいということがわかる。この結果から、30%と80%の中間の55%に近づくほど、トナー飛散および画質欠陥の発生が抑制されることが予想される。従って、第2収容室に戻される現像剤の割合が40%以上70%であれば、トナー飛散および画質欠陥がより一層抑制され、現像剤の割合が50%以上60%であれば、トナー飛散および画質欠陥が最も効果的に抑制されるものと考えられる。
実際、第2収容室に戻される現像剤の割合だけが異なる実施例1と実施例7とを比較してみると、第2収容室に戻される現像剤の割合が30%の実施例7では、トナー飛散量は55%から65%未満の削減(評価○)であるのに対し、第2収容室に戻される現像剤の割合が60%の実施例1では、65%以上削減(評価◎)とより一層削減されている。また、実施例1と実施例7のいずれも画像中に濃淡ムラは全く発生していない(評価○)。実施例1と実施例7の考察からも、トナー飛散および画質欠陥をより一層抑制するためには、第2収容室に戻される現像剤の割合が55%に近いことが望ましいということが結論される。
続いて、電荷付与剤の効果について検討する。回転搬送部材の表面が電荷付与剤で被膜されている実施例4と、電荷付与剤で被膜されていない実施例6とを比較すると、トナー飛散量については、実施例4の45%から55%未満の削減(評価○−)に対して、実施例6では、55%から65%未満の削減(評価○)と大幅な改善が見られている。この比較から、回転搬送部材の表面が電荷付与剤で被膜されていることで、現像剤中のトナーの帯電量が向上することがわかる。
次に、第2オーガの回転速度を、第1オーガの回転速度より大きくする効果について検討する。第2オーガの回転速度が第1オーガの回転速度の120%である実施例8と、第2オーガの回転速度と第1オーガの回転速度とが等速度(100%)である実施例3とを比較すると、実施例3では、トナー濃度が低い時に画像中に濃淡ムラが発生するという画像欠陥がある(評価△)のに対し、実施例8では、濃淡ムラが全く発生していない。実施例3および実施例8では、第2収容室に戻される現像剤の割合が80%もあり、このような状況では、実施例8のように第2オーガの回転速度を第1オーガの回転速度より大きくすることで、第2収容室に偏りがちな現像剤を第1収容室へ積極的に現像剤を送り込むことにより、第1収容室内の現像剤量と、第2収容室内の現像剤量との差が縮小することができ、結果として現像ロールに付与する現像剤量を十分に確保できるということがわかる。
続いて、第2オーガに板羽根形状のフィンを設ける効果について説明する。第2オーガにおいてトナー補給位置よりもやや現像剤搬送方向下流に板羽根形状のフィンのある実施例5と、このようなフィンのない実施例4とを比較すると、実施例4では、トナー飛散量について45%から55%未満の削減(評価○−)であるのに対して、実施例5では55%から65%未満の削減(評価○)と大幅な改善が見られている。この比較から、板羽根形状のフィンを設けることで、トナー補給位置で補給された低帯電トナーが効果的に攪拌されトナーの帯電量が向上することがわかる。
以上の考察をまとめると、実施例1〜実施例11のように回転部材を設けて帯電量の高いトナーを有する現像剤が第2収容室に送り込むことで、トナー飛散量を効果的に削減することができるということが結論できる。特に、現像スリーブから戻ってきた現像剤のうち30%以上80%以下の現像剤を第2収容室に送り込むと、トナー飛散量を削減するのに高い効果が得られるということがわかり、また、回転搬送部材の表面を電荷付与剤で被膜することで、トナーの帯電量を高めることができるということがわかる。また、第2オーガの回転速度を第1オーガの回転速度以上の回転速度に設定し、第2オーガに板羽根形状のフィンを設けることで、現像器内の現像剤量およびトナーの帯電量の均一化が図れるということが確かめられる。
本発明の画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図である。 図1に示す現像器を表した図である。 ロール状の回転搬送部材が採用されている現像器を表した図である。
符号の説明
1 画像形成装置
10 感光体
11 帯電器
12 露光部
13,23 現像器
14 転写ロール
15 定着器
16 トレイ
130 現像ロール
130a 現像領域
130b 現像剤保持領域
130c 現像剤剥離領域
131 第1収容室
1311 第1オーガ
132 第2収容室
1321 第2オーガ
1321a フィン
133 壁
134,234 回転部材
134a 軸部
134b 板部
234a 回転中心
135 トナー補給口
136 容器

Claims (6)

  1. トナーとキャリアとを含有する現像剤を収容して撹拌し該現像剤で、像保持体上の静電潜像を現像する現像器において、
    回転しながら表面に現像剤を保持し該現像剤を前記像保持体に面する現像領域に搬送して該現像剤中の現像剤で該像保持体上の静電潜像を現像する、円筒形状を有し前記現像領域で上向きに移動する方向に回転する現像ロール、
    前記現像ロールに隣接して配置され現像剤を収容して該現像剤を該現像ロールに補給すると共に、収容された現像剤を撹拌しながら該現像ロールの回転軸と平行な第1の方向に搬送する第1のオーガを備えた第1の収容室と、該第1の収容室に隣接して配置され、トナーの補給を受けるトナー補給口を有すると共に前記現像ロールの回転軸方向両端部に該第1の収容室との間での現像剤の移動が行われる開口部を有し、収容された現像剤を撹拌しながら前記第1の方向とは逆の第2の方向に搬送する第2のオーガを備えた第2の収容室とを具備し、収容された現像剤を前記第1の収容室および前記第2の収容室との間を撹拌しながら循環移動させる現像剤収容部、および
    前記現像領域よりも下流側で前記現像ロールから剥離される現像剤が衝突することにより回転軸の回りに回転し、その回転により、その現像剤の一部を前記第2の収容室に搬送する回転搬送部材を備えたことを特徴とする現像器。
  2. 前記回転搬送部材が、前記現像ロールから剥離される現像剤のうちの30%以上80%以下の現像剤を前記第2の収容室に搬送するものであることを特徴とする請求項1記載の現像器。
  3. 前記回転搬送部材は、該回転搬送部材が搬送する現像剤との接触により該現像剤のうちのトナーに電荷を付与する電荷付与剤が表面にコートされたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の現像器。
  4. 前記第2のオーガが、前記第1のオーガの回転速度以上の回転速度で回転するものであることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項記載の現像器。
  5. 前記第2のオーガが、前記第2の方向について前記トナー補給口よりも下流側に、回転軸の延在方向に沿って立設された板状のフィンを有するものであることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項記載の現像器。
  6. 像保持体上に静電潜像を形成し該静電潜像を現像して現像像を得、該現像像を記録媒体上に転写および定着することにより該記録媒体上に定着像からなる画像を形成する画像形成装置であって、
    トナーとキャリアとを含有する現像剤を収容して撹拌し該現像剤で、像保持体上の静電潜像を現像する現像器を備え、
    該現像器が、
    回転しながら表面に現像剤を保持し該現像剤を前記像保持体に面する現像領域に搬送して該現像剤で該像保持体上の静電潜像を現像する、円筒形状を有し前記現像領域で上向きに移動する方向に回転する現像ロール、
    前記現像ロールに隣接して配置され現像剤を収容して該現像剤を該現像ロールに補給すると共に、収容された現像剤を撹拌しながら該現像ロールの回転軸と平行な第1の方向に搬送する第1のオーガを備えた第1の収容室と、該第1の収容室に隣接して配置され、トナーの補給を受けるトナー補給口を有すると共に前記現像ロールの回転軸方向両端部に該第1の収容室との間での現像剤の移動が行われる開口部を有し、収容された現像剤を撹拌しながら前記第1の方向とは逆の第2の方向に搬送する第2のオーガを備えた第2の収容室とを具備し、収容された現像剤を前記第1の収容室および前記第2の収容室との間を撹拌しながら循環移動させる現像剤収容部、および
    前記現像領域よりも下流側で前記現像ロールから剥離される現像剤が衝突することにより回転軸の回りに回転し、その回転により、その現像剤の一部を前記第2の収容室に搬送する回転搬送部材を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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