JP4802311B2 - 回転体の静的バランス測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転体の静的バランス測定装置に関し、特に、軸芯に対する偏心量を測定するための回転体の静的バランス測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転を円滑に行うために、回転体の偏心量の測定が必要となる場合がある。特に、自動車用ホイールやタイヤなどの回転体は、偏心量が大きいと種々の不都合が生起するために精度よく測定することが重要である。
【0003】
この種のバランス測定装置として、静的バランスを検出する種々の装置が提案されている(例えば、特開昭53−13309号公報、特開平11−132893号公報、実開昭55−145340号公報、実開昭58−31082号公報参照)。
【0004】
これらのバランス測定装置においては、ワークであるホイールの軸芯に対する偏心量を、ホイールを載置する枠体からユニバーサルジョイントを介して下方に延伸するシャフトに伝達し、このシャフトの変位量または荷重を所定のセンサにより測定している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記のように、従来技術においては、ホイールの軸芯に対する偏心量をユニバーサルジョイントを介してシャフトに伝達するようにしているので、その測定に際しては、ユニバーサルジョイント内部で発生する摩擦力の影響を受けるに至る。
【0006】
つまり、ホイールの偏心量が微少であるときは、その偏心量による力はユニバーサルジョイント内の静摩擦力より小さくなり、シャフトは変位しない。この結果、ホイールは偏心していないと判断される可能性がある。
【0007】
一方、偏心量がある程度大きいときでも、ユニバーサルジョイントの静摩擦領域と動摩擦領域を交互に遷移しながら動作することがあり、シャフトの動作が断続的となり測定の精度が低下する。
【0008】
さらに、ユニバーサルジョイントは、所定の径方向に対して力の伝達の程度が異なるので、このことからも偏心量を精度よく算出することが難しく、しかも軽点(偏心の位置を示す点)の特定が困難である。
【0009】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、摩擦力の影響を受けずに、回転体の軸芯に対する偏心を精度よく測定し、且つ、軽点の位置を容易に特定することを可能にする回転体の静的バランス測定装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る回転体の静的バランス測定装置は、装置本体と、振り子体と、前記振り子体の変位量または荷重を検出するセンサとからなり、前記振り子体は、前記装置本体に接続する弾性体と、中心軸が鉛直方向となるように載置する回転体を保持する保持部と、一方向に延在するシャフトとを含み、前記シャフトは前記センサと連結され、前記回転体の偏心量に起因する力により前記弾性体が変形することによって、前記振り子体は傾斜可能であることを特徴とする。
【0011】
そして、前記弾性体は、丸棒材であってもよい。
【0012】
また、前記装置本体と前記振り子体との間に、前記振り子体の振動を抑制するためのダンパを備えていてもよい。
【0013】
さらに、前記回転体を非保持の状態で、前記シャフトに設けられたウエイトの位置を調整することにより、前記シャフトを予め垂直方向に非平衡にしておいてもよい。
【0014】
このようにすることにより、振り子体と装置本体は弾性体により接続されることとなり、摺動部がないことから摩擦力の影響を受けることがない。結果として、回転体の軸芯に対する偏心を精度よく測定し、且つ、軽点の位置を容易に特定することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る回転体の静的バランス測定装置の実施の好適な形態を挙げ、添付の図1〜図7を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
本実施の形態における回転体の静的バランス測定装置は、基本的には、上端部に被測定体としてのホイールを保持した振り子体を、弾性体を介してベースに接続した装置である。前記の構成によれば、ホイールの偏心量により弾性体が変形し振り子体が傾斜する。振り子体が傾斜することにより下側部を構成するシャフトが変位するので、この変位量または荷重をセンサにより測定することができる。
【0017】
図1に示すように、回転体の静的バランス測定装置10は、装置本体である箱形のベース12と、中心部に孔14aを有するホイール14を保持するための振り子体16と、前記ホイール14の保持作業を行うときに該ホイール14を載置する円環状の載置台18と、載置台18を昇降させる昇降装置20と、振り子体16に加わる荷重を検出するロードセル82aおよび82b(図3参照)とから構成されている。
【0018】
ベース12は、床板24と、四方を囲む4枚の壁板26a、26b、26cおよび26d(図3参照)と、天板28とから構成され、箱形形状をなしている。
壁板26cおよび26dは開閉可能な構造であり、ベース12の内部をメンテナンスすることが可能である。
【0019】
天板28の中央部には、前記弾性体22の上端部を固定する固定部30が設けられ、前記固定部30の四方には、振り子体16の一部が貫通するための4つの孔32が形成されている。さらに、天板28の上面には、前記振り子体16の上部を覆う円筒状のカバー34が設置されている。前記天板28には複数のガイドロッド29が立設され、これらのガイドロッド29は載置台18に係合する。
【0020】
昇降装置20は、シリンダピストン機構で構成されている。すなわち、通路71および72に選択的に圧縮空気が送られることにより、ピストン70が圧力を受け、この圧力によりピストンロッド69が上昇および下降を行う。
【0021】
載置台18の下面はピストンロッド69の上端部に接続されており、ピストンロッド69の昇降にともなって載置台18も昇降する。このとき、載置台18は複数のガイドロッド29に案内されながらスムーズに昇降可能である。この場合、ピストンロッド69が最も上昇した上死点は、ホイール14を載置台18に載置したとき、ホイール14の孔14aが、後述するチャック36a〜36dの突起部37と同じ高さになるように位置が調整されている。
【0022】
床板24の上面には屈曲形状の固定腕80が設けられ、この固定腕80の水平方向の先端部は把持部81を介して振り子体16の一部であるシャフト48の一端部近傍に係合離脱自在である。後述するように、バランス測定を行わないときは、この固定腕80の把持部81はシャフト48に係合してシャフト48の振動惹起を阻止する。
【0023】
図2に示すように、前記振り子体16は、その中央部に弾性体22を含み、該弾性体22は、ゴムまたはばね鋼などの弾性部材により形成されている。従って、振り子体16は、この弾性体22にモーメントが加わることにより装置本体12に対して傾斜可能である。
【0024】
振り子体16は、さらにピストンロッド40と、上部筐体42と、上部筐体42から下方に延在し上部筐体42とブラケット44とを連結する4本(図1中ではこのうち2本を示す。)の連結部材46と、ブラケット44から鉛直方向下方に延在するシャフト48とを有する。
【0025】
上部筐体42は、ホイール14を保持する保持部である4つのチャック36a、36b、36cおよび36d(36c、36dは図示せず)と、チャック36a〜36dを摺動自在に収納する保持部材47と、ピストンロッド40の下端部のピストン54を昇降可能に収納するシリンダチューブ55を有する。
【0026】
ピストンロッド40には、ホイール14の孔14aよりやや小径である円柱状のガイドロッド52が上端部に一体的に設けられるとともに、チャック36a〜36dを径方向に動作させるテーパ部38が中央部に設けられている。さらにピストンロッド40の下端部にはピストン54が設けられている。
【0027】
前記ピストン54は、上部筐体42の中央部に設けられたシリンダチューブ55の内部を上下方向に昇降可能である。つまり、ピストン54は、シリンダチューブ55内の空間のうち、ピストン54より下側のシリンダ室56または上側のシリンダ室58から圧縮空気の圧力を受けることにより上方または下方へ移動する力を受けて昇降する。
【0028】
そこで、シリンダ室56およびシリンダ室58に圧縮空気を送るために、それぞれ通路60および62が設けられている。圧縮空気は図示しないコンプレッサを介して切換弁(図示せず)によって切り換えられて通路60または62に送られる。
【0029】
チャック36a〜36dは、前記保持部材47の内部に摺動自在に設けられており、それぞれの上部には突起部37が設けられるとともに、図2において水平方向に延在したガイド孔39が形成されている。このガイド孔39の一端部には、図において上下方向に延在する貫通孔41が設けられている。なお、図2中、参照符号49はチャック36a〜36dの突起部37が臨む孔部を示す。
【0030】
チャック36a〜36dは、比較的弱いばね力のばね64によって振り子体16の内径方向に向かって押圧され、該チャック36a〜36dの内面側のピストンロッド40と当接する面は、テーパ部38のテーパ面と同じ傾斜面に設定されている。従って、ピストンロッド40が上方へ移動すると、当接する面同士が摺動しながらチャック36a〜36dが外径方向へ移動するように押圧力を受ける。
【0031】
このピストンロッド40の上昇によって得られる押圧力は、ばね64の力より大きいのでチャック36a〜36dを外径方向へ押し出す。このとき、径方向に設けられたチャック36a〜36dのガイド孔39がガイドピン68と嵌合状態にあるので、チャック36a〜36dはガイドピン68に案内されながら外径方向へ移動する。この場合、ガイド孔39内部の空気は貫通孔41を通じて外部に対して通気可能なので、空気を圧縮または膨張させることがなく、チャック36aから36dはスムーズに移動可能である。
【0032】
チャック36a〜36dの移動にともない、上端の突起部37が孔14aを形成する周壁を内側から外側へ押圧してホイール14を保持する。
【0033】
一方、前記4本の連結部材46は、孔32の断面形状よりその直径が小さく設定されており、それぞれ孔32を貫通した状態で、上部筐体42とブラケット44を連結している。ブラケット44の下部にはシャフト48が下方に延在している。
【0034】
前記ブラケット44の上部には、弾性体22の下端部を固定する固定部50が設けられている。実際、前記固定部50はねじを含み、このねじは前記弾性体22の一端部に挿入する。従って、この固定部50により弾性体22とブラケット44が接続されるので、ベース12と振り子体16は弾性体22を介して接続されていることとなる。
【0035】
一方、一端部がブラケット44に連結されているシャフト48の中央部には外径方向に延びる腕部73が固定具75により固定されており、腕部73の先端部近傍にはウエイト74が装着されている。
【0036】
シャフト48に対する腕部73の向きと高さ、および前記腕部73におけるウエイト74の横方向位置は調整可能な機構になっており、後述するロードセル82a、82b(図3参照)に対してバイアス荷重を与えるように調整されている。
【0037】
シャフト48の他端部には金属製または合成樹脂製の偏平な羽根76が設けられており、この羽根76はオイルダンパ78(図1参照)の中に浸漬されている。
【0038】
前記羽根76、オイルダンパ78およびウエイト74は、所謂、マス−ダンパ系を構成しており、シャフト48の振動を抑制する働きをもつ。
【0039】
図3に示すように、ベース12を平面からみたとき、横方向(以下、X方向という。)の壁板26aには引張荷重を検出するロードセル(センサ)82aが設けられており、ロードセル82aの荷重検出端子は引張強さの大きいワイヤ84(または軽量の棒状部材)によってシャフト48に係合するワイヤ固定部85と接続されている。壁板26bにも前記ロードセル82aと同仕様のロードセル82bが設けられており、同様の構造によりシャフト48と接続されている。この場合、ロードセル82aおよび82bは必ずしも直交している必要はなく、非並行の適当な角度に設定することが可能である。また、2つのロードセル82aおよび82bを設けることなく、複数方向の荷重を同時に検出可能なセンサを用いれば、該センサをシャフト48に直接接続することにより1台のセンサで代替可能である。
【0040】
ロードセル82aおよび82bの出力信号は図示しない処理装置に伝えられている。
【0041】
腕部73およびウエイト74は、X方向およびY方向からそれぞれ45°の角度に設定しておく。このように配置することにより、シャフト48は、X方向のロードセル82aおよびY方向のロードセル82bのいずれからも離間する方向のバイアス荷重を受けるので、シャフトを予め垂直方向に非平衡にしておくことになり、ワイヤ84が弛むことがない。
【0042】
なお、ロードセル82a、82bは引張荷重だけを測定できればよいので、圧縮荷重を測定することができない仕様のものであっても適用可能である。さらに、引張荷重領域と圧縮荷重領域とを移行することがないので、0点領域に特有のヒステリシスを排除することができる。
【0043】
バイアス荷重は、例えば、ロードセル82aおよび82bが0〜100[N]の荷重を測定する仕様のものであるときには、その中間値である50[N]の荷重が加わるようにしておくとよい。このようにすると、プラス側とマイナス側の測定範囲を同じレンジに設定することができる。これにより、例えばホイール14の偏心量が±40[N]の荷重として測定される場合に、中間値50[N]を中心として、10〜90[N]の範囲の荷重として測定可能である。
【0044】
次に、このように構成される回転体の静的バランス測定装置10を用いて、ホイール14の偏心量を測定する手順について、図4〜図7を参照しながら説明する。
【0045】
先ず、図4のステップS1において、回転体の静的バランス測定装置10を初期状態に設定する。すなわち、通路62に圧縮空気を送り込み、通路60を大気開放にしてピストンロッド40を下死点まで下降させる(図1参照)。この間、通路72に圧縮空気を送り込み、ピストンロッド69および載置台18を上死点まで上昇させる。
【0046】
次に、ステップS2において、ワークであるホイール14を載置台18上に載置する。ホイール14の載置は人手による場合、あるいはロボットによることもあり得る。このとき、ホイール14の中心部にある孔14aにガイドロッド52を挿通し、ホイール14はこのガイドロッド52に沿って下降していくので、該ホイール14は振り子体16に対してほぼ同芯状に移動する。この結果、チャック36a〜36dの突起部37が孔14aの内側に位置するようになる。
【0047】
次に、ステップS3において、チャック36a〜36dによりホイール14を保持する。つまり、通路62を大気開放とし、通路60に圧縮空気を送り込み、ピストンロッド40を上昇させる。このピストンロッド40の上昇にともない、4つのチャック36a〜36dはばね64の弾発力に抗しながらそれぞれテーパ部38により外径方向に押し出され、該チャック36a〜36dの突起部37はホイール14の孔14aを形成する周壁を内側から外側へ押圧してこれを保持する(図5参照)。この場合、4つのチャック36a〜36dは全て同形状であり、しかもテーパ部38から同じ押圧力を受けて孔14aに当接するので振り子体16とホイール14とは同芯状に保持される。
【0048】
次に、ステップS4において、通路72を大気開放とし、通路71に圧縮空気を送り込み、ピストンロッド69を下降させ、これによって載置台18を下降させる(図6参照)。載置台18はホイール14から離間するので、ホイール14は振り子体16の上面部を構成する保持部材47によって保持される。結局ホイール14と振り子体16とが一体となる。
【0049】
次に、ステップS5において、固定腕80の把持部81をシャフト48から外す。この状態では、振り子体16は弾性体22によりベース12に傾斜可能に保持されており、ホイール14の偏心量がロードセル82aおよび82bに伝わる。もし、ホイール14が偏心しているとき、弾性体22はその偏心量に応じて振動するに至る。
【0050】
次に、ステップS6において、振り子体16の振動が減衰するのを待つ。つまり、固定腕80の把持部81を外したときから所定時間は振動により正確な測定を行うことができないのでこの間は待機する。
【0051】
ただし、ウエイト74、羽根76およびオイルダンパ78の作用によって振動は短い時間で収束することとなり、待機時間も短い時間に設定することができる。
【0052】
次に、ステップS7において、ロードセル82aおよび82bにより荷重を検出する。検出した荷重は処理装置に伝えてホイール14の偏心量および軽点の位置を計算により求める。図7に模式的に示すように、ホイール14の重心Gが中心軸CからX方向に距離rだけずれているときには、ホイール14の偏心量は大きさがG×rのモーメントMとして表される。このモーメントMは弾性体22を曲げ、振り子体16を傾斜させるように作用する。ロードセル82aおよび82bとシャフト48はワイヤ84により接続されているのでこの傾斜は極めて微少量である。
【0053】
さらに、モーメントMにより弾性体22を介してシャフト48に接続されているロードセル82aにも荷重Wが伝えられる。この荷重Wは主にモーメントM、弾性体22の曲げ方向のばね定数kおよび弾性体22とロードセル82aとの距離hにより決まる。ばね定数kおよび距離hは既知の値であることから、荷重Wを測定することによりモーメントMを求めることができる。なお、ロードセル82aにはバイアス力50[N]が予め加わっていることから、荷重Wはロードセル82aが出力する値から50[N]を差し引いた値として求められる。
【0054】
この場合、ロードセル82aの代わりに変位計を設け、シャフト48の変位xを測定して偏心量を求めるようにしてもよい。この場合、変位計は非接触型であってもよい。
【0055】
図7では重心GがX方向にずれている状態を例に示しているが、X方向以外にずれているときには、互いに直交する荷重を検出するロードセル82aとロードセル82bの出力によりベクトル演算を用いて偏心量と軽点位置を求めることができる。
【0056】
次に、ステップS8において、求めた偏心量および軽点を記録する。この記録は処理装置内で電磁的な手段により記録を行ってもよいし、ホイール14に直接記録してもよい。
【0057】
最後に、ステップS9においてホイール14を回転体の静的バランス測定装置10から取り外す。すなわち、昇降装置20を構成するピストンロッド69を付勢することにより載置台18を上昇させ、ホイール14を載置台18上に支持し、次いで、ピストン54を図1において下方へと偏位させて、ピストンロッド40を下降させる。これにより、チャック36a〜36dは、ばね38の弾発力を受けてホイール14の孔部14aを形成する周壁から離脱する。その後、ホイール14を上方へ引き抜く。
【0058】
このように、本実施の形態に係る回転体の静的バランス測定装置10によれば、振り子体16とベース12を弾性体22で接続しているので、摺動および摩擦動作を行う箇所がない。従って、摩擦抵抗等の影響を受けることなく精度よくホイール14の偏心量および軽点を求めることができる。
【0059】
すなわち、弾性体22は、振り子体16およびホイール14の重量により引張力を受けるとともに、ホイール14の偏心量により曲げ力を受けて変形する。この変形による荷重Wを計測することにより偏心量および軽点を求めることができる。
【0060】
なお、弾性体22は、ベース12の天板28の上面側に設けて振り子体16との間で圧縮方向に設置してもよい。また、ロードセル82a、82bの代わりに変位計を採用すれば、変形量は比較的大きくなる。この場合も変形量に応じたシャフト48の変位xから偏心量および軽点を求めることができる。さらに、弾性体22は、丸棒材なので全ての方向に同じばね定数kをもち、軽点の位置により偏心量の測定値が異なってしまうことがない。
【0061】
また、本実施の形態に係る回転体の静的バランス測定装置10によれば、シャフト48は、振動を抑制するためのオイルダンパ78およびウエイト74を備えているので、振り子体16の振動が短時間で収束し、測定待機の時間を短く設定することができる。
【0062】
さらに、ロードセル82aおよび82bは、互いに直交するように配置しているので、ロードセル82aおよび82bの出力信号をベクトル演算することにより、偏心量の大きさと軽点の位置を正確に求めることができる。
【0063】
さらにまた、ホイール14を載置する載置台18を設けているのでホイール14を振り子体16に保持するときに安定して保持作業を行うことができる。
【0064】
しかも、保持部としてのチャック36a〜36dは、テーパ部38のテーパ面から力を受け径方向に移動可能としているので、簡便な構造で確実にホイール14を保持することができる。
【0065】
なお、上述の説明では、ワークとしてホイール14を測定する例について説明したが、ホイールに限らずタイヤ等であってもよく、ホイールとタイヤが結合した状態であってもよい。さらに、本願発明は一般の円筒形状のワークについて適用可能であり、チャック36a〜36dの保持形態を変更すれば中実円柱形状のワークにも適用可能である。
【0066】
この発明に係る回転体の静的バランス測定装置は、上述の実施の形態例に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る回転体の静的バランス測定装置によれば、摩擦力の影響を受けずに、回転体の偏心量および軽点を精度よく測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】回転体の静的バランス測定装置を示す一部切欠正面図である。
【図2】振り子体を示す一部切欠正面図である。
【図3】ロードセルとウエイトの位置関係を示す概略平面図である。
【図4】回転体の静的バランス測定装置により測定を行う手順を示すフローチャートである。
【図5】チャックによりホイールを保持した状態を示す一部切欠正面図である。
【図6】載置台を下降させた状態を示す一部切欠正面図である。
【図7】偏心量によりロードセルに荷重が加わる様子を示す模式図である。
【符号の説明】
10…回転体の静的バランス測定装置 12…ベース
14…ホイール 16…振り子体
18…載置台 20…昇降装置
22…弾性体 36a〜36d…チャック
38…テーパ部 40…ピストンロッド
44…ブラケット 46…連結部材
48…シャフト 74…ウエイト
78…オイルダンパ 82a、82b…ロードセル
C…中心軸 G…重心
h…距離 k…ばね定数
M…モーメント r…距離
W…荷重

Claims (3)

  1. 装置本体と、
    振り子体と、
    前記振り子体の変位量または荷重を検出するセンサとからなり、
    前記振り子体は、前記装置本体に接続する弾性体と、
    中心軸が鉛直方向となるように載置する回転体を保持する保持部と、
    一方向に延在するシャフトとを含み、
    前記シャフトは前記センサと連結され、
    前記回転体の偏心量に起因する力により前記弾性体が変形することによって、前記振り子体は傾斜可能であり、
    前記回転体を非保持の状態で、前記シャフトに設けられたウエイトの位置を調整することにより、前記シャフトを予め垂直方向に非平衡にしておくことを特徴とする回転体の静的バランス測定装置。
  2. 請求項1記載の回転体の静的バランス測定装置において、
    前記弾性体は、丸棒材であることを特徴とする回転体の静的バランス測定装置。
  3. 請求項1または2記載の回転体の静的バランス測定装置において、
    前記装置本体と前記振り子体との間に、前記振り子体の振動を抑制するためのダンパを備えていることを特徴とする回転体の静的バランス測定装置。
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