JP4800505B2

JP4800505B2 - 捩じりブラシの製造方法

Info

Publication number: JP4800505B2
Application number: JP2001167715A
Authority: JP
Inventors: 和成篠原
Original assignee: Shinohara Co Ltd
Current assignee: Shinohara Co Ltd
Priority date: 2001-06-04
Filing date: 2001-06-04
Publication date: 2011-10-26
Anticipated expiration: 2021-06-04
Also published as: JP2002355122A

Description

【０００１】
【発明が属する技術分野】
本発明は、例えばマスカラブラシのような、多数のブラシ毛が芯材を中心に一周にわたり半径方向に放射状に突出する捩じりブラシの製造方法に係り、特に、長さの異なる複数のブラシ毛を備える捩じりブラシに適用すると好適なものに関する。
【０００２】
【従来の技術】
図８、図９は従来の捩じりブラシであるマスカラブラシの製造工程の一例を順次示すもので、図８は毛材プレートの中央を芯材で挟んだ状態の正面図、図９は図８における芯材を捩じった状態の正面図である。そして、従来のマスカラブラシ５１の製造方法は、図８、図９に示すように、まず一本の針金材を中央で折り重ねて二本の芯材５２となす一方、ブラシ毛５３を、方向及び長さをそれぞれ揃え平たく並べてなるブラシ毛材５４を設け、このブラシ毛材５４の伸びる方向における中央を前記芯材５２で挟み、この芯材５２の各両端を把持して螺旋状に捩じり絞って、ブラシ毛５３を、二本の芯材５２を中心に半径方向に放射状に突出させる。次に、前記ブラシ毛５３の先端部分をカットして形状を整える整形工程を経て、マスカラブラシ５１となしていた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の方法は、平たく並べたブラシ毛５３の伸びる方向における中央を両芯材５２で挟む作業において、軽く不安定なブラシ毛の方向や位置がずれやすいという問題があった。
【０００４】
また、従来のマスカラブラシ５１には、中心の芯材５２近傍の毛密度を高くしてマスカラ保持能力を向上させるとともに、ブラシ毛５３の外側部分の毛密度を低くして睫毛を梳る機能を向上させるために、長さの異なるブラシ毛を混在させることが要望されてきたが、上記製造方法における最後の整形工程において、ブラシ毛５３に長短をもたせるようにカットすることは極めて困難であるという問題があった。この改善策として、長短のブラシ毛材をそれぞれ平たく並べたものを重ねて両芯材２間に挟み、該両芯材５２を螺旋状に捩じるという方法も考えられるが、この方法では、前述の従来の方法において困難とされてきたところの、両ブラシ毛５３の中央を芯材５２で挟む前記作業がさらに困難なものになるという不都合がある。
【０００５】
本発明は前記問題や不都合を解消することを課題とし、この課題を解決した捩じりブラシの製造方法を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項１に記載した本発明は、接着後に離反可能な接着力の弱い接着剤によって、多数のブラシ毛を、それらの方向を揃え平たく並べた状態で互いに接着させてなる、長さが異なる複数の毛材プレートを作成し、これら毛材プレートの各ブラシ毛が伸びる方向における中央を一致させて重ね合わせたうえ、この中央を複数本の芯材により挟み、この芯材を螺旋状に捩じり絞って、前記長さが異なる複数の毛材プレートのブラシ毛を、離反状態にして芯材の周りで半径方向に放射状に突出させることを特徴とするものである。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明をマスカラブラシに適用した好適な実施形態を添付図面の図１〜図７に基づいて詳細に説明する。ここにおいて、図１は毛材プレートの側面図、図２は同じく斜視図、図３は毛材プレートを所定の長さにカットする状態を示す斜視図、図４は毛材プレートを芯材に挟む工程を示す斜視図である。また、図５〜図７は二種類の長さのブラシ毛を有する捩じりブラシの製造工程を示すもので、図５は二つに折り重ねた芯材の正面図、図６は短尺及び長尺の毛材プレートを芯材で挟んだ状態を示す正面図、図７は芯材を捩じった状態を示す正面図である。
【０００８】
以下に、捩じりブラシであるマスカラブラシ１の製造工程を図１〜図７に基づいて順次説明する。
（工程１）
図１及び図２に示すように、合成樹脂製の多数のブラシ毛２を、それらの方向を揃え平たく並べた状態となし、ここに、接着剤たる布海苔３を吹き付け、所定時間乾燥させることによって固化させ、プレート原材４を作成する。この布海苔３の接着力は、接着後に持ち運んだり所定の面に載置したりする通常の取り扱いではプレート原材４が変形したり粉砕することはなく、プレート原材４が捩じる力や打撃を受けると始めて離反するという性質を有する弱いものである。
【０００９】
（工程２）
図３に示すように、前記プレート原材４をカッター５によって切断し、長さが異なる二種類の長尺毛材プレート４ａと短尺の毛材プレート４ｂを作成する。これら毛材プレート４ａ，４ｂは、それぞれ方向を揃え平たく並べた長尺ブラシ毛２ａあるいは短尺ブラシ毛２ｂが布海苔３でそれぞれ互いに接着している。
【００１０】
（工程３）
図４〜図６に示すように、前記工程２で作成した毛材プレート４ａ，４ｂを加工台６に載置し、それらの各ブラシ毛２ａ，２ｂの伸びる方向における中央を一致させ、この中央を二本の芯材７により挟む。
【００１１】
図４に示すように、前記加工台６は、上面中央に芯材７をガイドする断面半円状のガイド溝８を有し、このガイド溝８を挟んだ両側に渡って設け、前記短尺毛材プレート４ｂの短尺ブラシ毛２ｂの長さと同一の幅に形成した短尺毛用載置面９と、この短尺毛用載置面９を挟んだ両側に渡って設け、該短尺毛用載置面９より若干高い位置（毛材プレート４ｂの厚み程度高い位置）に、前記長尺毛材プレート４ａの長尺ブラシ毛２ａの長さと同一の幅に形成した長尺毛用載置面１０とを設けたものである。そして、この加工台６の短尺毛用載置面９に短尺毛材プレート４ｂを、また長尺用載置面１０に長尺毛材プレート４ａを順次載せた後に、二本の芯材７を若干開いた状態で横方向から前記ガイド溝８に沿って移動し、これらの間に各毛材プレート４ａ，４ｂを挟むのである。
【００１２】
（工程３）
図７に示すように、これら芯材７を、その両端を把持した図示しない捩じり部材によって螺旋状に捩じり絞る。このように芯材７を捩じると、捩じる力を与えられた固化状態の布海苔３が分離して各毛材プレート４ａ，４ｂの接着状態を解除し、芯材７の周りで、長尺ブラシ毛２ａ、短尺ブラシ毛２ｂが離反して半径方向に放射状に突出した状態となる。
【００１３】
前記の芯材７の周りで半径方向に放射状に突出した長尺ブラシ毛２ａ、短尺ブラシ毛２ｂをしごいて、布海苔３の残片を掻き落とし、マスカラブラシ１が完成する。
【００１４】
上記工程３においては、各ブラシ毛２ａ，２ｂが互いに接着して分散しない状態となした毛材プレート４ａ，４ｂを、二本の芯材７で挟むので、各ブラシ毛２ａ，２ｂの並びの乱れがなく、この挟み作業に係る工程を確実に行うことが可能である。また、上記マスカラブラシ１は、中心の芯材７近傍の毛密度が高いことによって、マスカラ保持能力を向上させうえ、長尺ブラシ毛４ａの毛密度が低いことによって睫毛を梳る機能を向上させるのである。
【００１５】
なお、本発明は上記実施形態になんら限定されるものではなく、例えば、適用する捩じりブラシは、マスカラブラシ１ではなく他のブラシであってもよい。また、毛材プレートは長さが異なる二種類ではなく、三種類以上用いてもよいほか、芯材は三本以上用いてもよい。さらに、短尺ブラシ毛２ｂは、上記のような通常の芯の詰まった毛材ではなく、中空糸等のマスカラ保持に係る機能性のある繊維を用いてもよい。この種の繊維、例えば中空糸を短尺ブラシ毛２ｂに用いると、各ブラシ毛２ａ，２ｂ間で形成される隙間だけでなく、前記短尺ブラシ毛２ｂの中空部分でもマスカラが保持されるので、マスカラ保持機能をより一層向上させ得る。またさらに、接着剤は、接着後に離反可能な接着力の弱いものであれば、布海苔３でなくてもよい。
【００１６】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項１に記載の本発明の捩じりブラシの製造方法は、多数のブラシ毛を互いに接着させてなる、長さが異なる複数の毛材プレートを用い、各ブラシ毛の伸びる方向における中央をそれぞれ二本の芯材により挟む作業が確実に行えるので、長さが異なる複数のブラシ毛を備える捩じりブラシの製造が容易であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図１】毛材プレートの側面図。
【図２】同じく斜視図。
【図３】毛材プレートを所定の長さにカットする状態を示す斜視図。
【図４】二種類の長さの毛材プレートを芯材に挟む工程を示す斜視図。
【図５】二つに折り重ねた芯材の正面図。
【図６】短尺及び長尺の毛材プレート芯材で挟んだ状態を示す正面図。
【図７】芯材を捩じった状態を示す正面図。
【図８】従来例における、毛材を芯材で挟んだ状態を示す正面図。
【図９】従来例における、芯材を捩じった状態を示す正面図。
【符号の説明】
１マスカラブラシ
２ブラシ毛
２ａ長尺ブラシ毛
２ｂ短尺ブラシ毛
３布海苔
４プレート原材
４ａ長尺毛材プレート
４ｂ短尺毛材プレート
５カッター
６加工台
７芯材
８ガイド溝
９短尺毛用載置面
１０長尺毛用載置面
５１マスカラブラシ
５２芯材
５３ブラシ毛

Claims

接着後に離反可能な接着力の弱い接着剤によって、多数のブラシ毛を、それらの方向を揃え平たく並べた状態で互いに接着させてなる、長さが異なる複数の毛材プレートを作成し、これら毛材プレートの各ブラシ毛が伸びる方向における中央を一致させて重ね合わせたうえ、この中央を複数本の芯材により挟み、この芯材を螺旋状に捩じり絞って、前記長さが異なる複数の毛材プレートのブラシ毛を、離反状態にして芯材の周りで半径方向に放射状に突出させることを特徴とする捩じりブラシの製造方法。