JP4799934B2 - すべり支承の設置方法及びその固定構造 - Google Patents
すべり支承の設置方法及びその固定構造 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4799934B2 JP4799934B2 JP2005197445A JP2005197445A JP4799934B2 JP 4799934 B2 JP4799934 B2 JP 4799934B2 JP 2005197445 A JP2005197445 A JP 2005197445A JP 2005197445 A JP2005197445 A JP 2005197445A JP 4799934 B2 JP4799934 B2 JP 4799934B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sliding
- holder
- sliding plate
- bearing
- sliding bearing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
- Vibration Prevention Devices (AREA)
Description
すべり支承は、4フッ化エチレン樹脂やポリアミド樹脂などの樹脂材料からなるすべり材と、ステンレス板やフッ素樹脂をコーティングした鋼板などからなるすべり板とから摺動機構が構成されている。通常、すべり材は、その摺動面を露出させた状態で建物を支持するホルダーの下部に嵌め込まれて支持されている。
このようなすべり支承の設置方法は、所定の高さに打設されたコンクリート基礎の上面にすべり板を固定し、このすべり板上にすべり材及びホルダーを摺動性能を確保できるように精度良く位置決めしてから、ホルダー上に建物の基礎梁を設置する。
また、設置されたすべり支承は、その摺動性能を発揮させるために、すべり材及びすべり板を常に滑りやすい状態に保つ必要があり、且つ粉塵が滑り面に付着しないように防塵性能を高めているものもある。摺動性能を確保するようにしたすべり支承として、例えば特許文献1及び特許文献2に提案されているものがある。
特許文献1は、低摩擦材(すべり材)を備えたすべり支承体に支持フレームを設け、その支持フレームの下面にすべり支承体の周囲を包囲し且つすべり面(摺動面)上を滑動自在な防塵カバーを設けたものである。この防塵カバーがすべり面と低摩擦材との間に異物の侵入を阻止して常に円滑なすべり動作を行えるようにしたものである。
特許文献2は、すべり材の摺動面に複数の凹部を設け、この凹部にゲル状の潤滑材を封入することで、摺動時の摩擦抵抗を低減させて摺動性能を向上させるものである。
すべり支承の性能を規格どおりに発揮させるためには、設置位置、設置面の傾斜角、すべり材とすべり板との相対位置を所定の精度内とする必要があった。ところが、すべり支承におけるすべり板とすべり材とは非接合状態でしかもすべり易い構造であることから、すべり支承の設置時において、高い精度で位置決めする作業が難しいという欠点があり、さらに、このような作業状態においては施工精度を低下させてしまうという問題があった。
さらに、すべり支承の設置する際の運搬などによって、すべり材がホルダーから脱落したり、それによって紛失するという問題があった。
また、本発明の他の目的は、すべり材がホルダーから脱落することを防止するようにしたすべり支承の設置方法及びその固定構造を提供することである。
本発明では、すべり支承の設置時に、予めすべり材とすべり板とを所定の相対位置で固定させておき不動な状態にしておくことができる。そして、この状態を保ったまますべり支承を所定の設置位置に位置合わせすることができる。このため、施工精度を確保することができると共に、容易に位置決め作業を行うことができる。
本発明では、従来の設置方法のように、すべり支承の高さや傾斜などの位置決め作業時に打設し終った基礎を調整する必要がなく、施工を効率的に行うことができる。
本発明では、防塵シートによって摺動領域内を防塵することができる。したがって、摺動領域内のすべり材やすべり板に粉塵が付着することがなく、摺動性能における耐久性を確保することができる。さらにすべり支承が水平方向に移動した際には、この防塵シートがすべり板の粉塵を掃って清掃する機能を奏する。
本発明では、すべり支承の設置時に、固定部材を使用してすべり板とホルダーとを固定して一体化しておくことができる。これにより、すべり板とすべり材との相対位置が不動となった状態のまま設置作業ができることから位置決め作業が容易となる。そして、すべり支承を所定設置に位置決めし終わった時点で、少なくとも固定部材をすべり板から取り外すことですべり支承の摺動機能を有することができる。
また、一体化したすべり支承では、すべり材がすべり板とホルダーとの間に挟持されていることになる。このため、本発明では、例えばホルダーに嵌め込まれているすべり材が施工時や運搬時に脱落して紛失することを防止できる。
図1は本発明の第一の実施の形態によるすべり支承の設置状態を示す側面図、図2は図1に示すすべり支承のA−A線断面図、図3は一体化したすべり支承の位置決め状態を示す図、図4は本第一の実施の形態によるすべり支承の設置完了時の状態を示す図である。
なお、図1に示すように、基礎2は、すべり支承1が設置されない範囲をなす第一基礎21と、すべり支承1が設置される範囲で例えば基礎2の強度を確保するといった理由により第一基礎21より厚く打設された第二基礎22とからなる。
また、固定部材10の他端面10bは、図1に示すように、第三ボルト11とナット12によりすべり板3に形成された孔部3bですべり板3に接合されている(図3参照)。
このように固定部材10がすべり支承1に取り付けられたことで、すべり板3とすべり材4とは所定の相対位置で不動な状態となっている。
先ず、図3に示すように、予めすべり材4とすべり板3とホルダー5とを固定部材10によって一体化させておく。なお、以下必要に応じて一体化されたすべり支承1を、一体すべり支承1Aと称して説明する。
そして、一体すべり支承1Aのすべり板3を第二ナット14aと第三ナット14bの間に挟んだ状態で、すべり板3の円孔3cに高さ調整ボルト13を挿通させる。そして、この高さ調整ボルト13ですべり板3の四隅の各角部3dを高さ調整することで摺動面3aの傾斜や高さを調整する。
続いて、図4に示すように、ホルダー5の上部5aに基礎梁6を設置する。このとき、ホルダー5は固定部材10(図3参照)により所定位置で不動となっていることから、基礎梁6を容易に設置することができる。
最後に、すべり支承1の摺動を機能させるために、第二ボルト9と第三ボルト11を取り外して固定部材10を取り除く(図3、図4参照)。
また、本第一の実施の形態によるすべり支承の設置方法及びその固定構造では、すべり支承1が一体化されているとき、すべり材4がホルダー5とすべり板3とに挟持されて動かない状態となっているため、従来のように施工時の運搬や作業時にすべり材4がホルダー5から外れて脱落して、さらに紛失してしまうことを防止できる。
図5は本発明の第二の実施の形態によるすべり支承の設置状態を示す図であって、(a)はその概要図、(b)はその平面図である。
第二の実施の形態は、図5(b)に示すように第一の実施の形態の固定部材10、10に加えて、これらが固定していない側のホルダー5の一対の側面5e、5eに断面L字型の第二固定部材15、15を設けている。第二固定部材15は、固定部材10と同様にホルダー5とすべり板3にボルトでネジ止めされている。
このような構成により、すべり板3とすべり材4とホルダー5と固定部材10、15とによって囲まれた摺動領域Mは、防塵シート16によって閉塞されていて外部から粉塵や水などの浸入を防止させることができる。
また、図5(a)に示すように、防塵シート16の接触面16bが摺動面3aに接していることから、地震等ですべり支承1が水平移動したときには、防塵シート16によって周囲の粉塵などを掃う機能を有している。
このように、上述した第二の実施の形態では、第一の実施の形態と同様の効果に加え、防塵効果を得ることができる。
例えば、第一及び第二の実施の形態では固定部材10、15を断面L字型の長尺部材としているが、これに限定されることはない。例えば、部分的に固定箇所に複数のL字型の冶具を設けてもよく、また形状も例えばコの字型の部材であってもかまわない。要は、ホルダー5とすべり板3との位置がずれることなく固定されていればよいのである。
また、第一の実施の形態ではすべり支承1の設置後に固定部材10を取り除いているが、第二の実施の形態と同様に第三ボルト11のみを取り外し、すべり材4とすべり板3との摺動機能を有効にしておけば、固定部材10をホルダー5に取り付けた状態であってもよい。
さらに、第一及び第二の実施の形態では固定部材10、15とすべり板3との固定を第三ボルト11とナット12を使用しているが、これに限定されず他の方法でもよい。例えば、第三ボルト11が挿通されるすべり板3の孔部3bにネジを切っておくことでナットを使用しない固定方法であってもかまわない。
2 基礎
3 すべり板
3a 摺動面
4 すべり材
5 ホルダー
6 基礎梁
9 第二ボルト
10、15 固定部材
11 第三ボルト
13 高さ調整ボルト
16 防塵シート
M 摺動領域
Claims (4)
- すべり板と、該すべり板を摺動可能に設けたすべり材と、該すべり材を下部で支持するホルダーと、を備えたすべり支承を、基礎と建物の基礎梁との間に設置するすべり支承の設置方法であって、
前記ホルダーには、対向する一対の側面にボルト孔が形成され、
前記すべり材と前記すべり板とを所定の相対位置とし、
一端面が前記ホルダーのボルト孔に螺合され、他端面が前記すべり板に接合された断面視L字型をなす固定部材を、前記ホルダーを側面側から挟み込むようにして配置させ、該固定部材と前記すべり支承とを予め一体化させておき、
前記一体化したすべり支承を所定位置に設置した後、前記固定部材を前記すべり板から取り外すようにしたことを特徴とするすべり支承の設置方法。 - 前記一体化したすべり支承を前記所定位置に位置決めしてから、前記基礎を打設して、その後に前記建物の基礎梁を設置するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のすべり支承の設置方法。
- 前記固定部材の外方で、一端を前記ホルダーに固定させ、他端を前記すべり板に接触するようにして、前記すべり材と前記すべり板と前記ホルダーとに囲まれた摺動領域を覆うように防塵シートを設けるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のすべり支承の設置方法。
- すべり板と、該すべり板を摺動可能に設けたすべり材と、該すべり材を下部で支持するホルダーと、を備えたすべり支承を、基礎と建物の基礎梁との間に設置し、
前記ホルダーには、対向する一対の側面にボルト孔が形成され、
前記すべり板と前記すべり材を支持する前記ホルダーとを取り外し可能に連結する断面視L字型をなす固定部材を備え、
該固定部材は、一端面が前記ホルダーのボルト孔に螺合され、他端面が前記すべり板に接合され、前記ホルダーを側面側から挟み込むようにして配置されていることを特徴とするすべり支承の固定構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005197445A JP4799934B2 (ja) | 2005-07-06 | 2005-07-06 | すべり支承の設置方法及びその固定構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005197445A JP4799934B2 (ja) | 2005-07-06 | 2005-07-06 | すべり支承の設置方法及びその固定構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007016433A JP2007016433A (ja) | 2007-01-25 |
JP4799934B2 true JP4799934B2 (ja) | 2011-10-26 |
Family
ID=37753829
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005197445A Expired - Fee Related JP4799934B2 (ja) | 2005-07-06 | 2005-07-06 | すべり支承の設置方法及びその固定構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4799934B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7421886B2 (ja) * | 2019-08-28 | 2024-01-25 | 大成建設株式会社 | 免震建物の構築方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09195577A (ja) * | 1996-01-18 | 1997-07-29 | Taisei Corp | 免震構造 |
JP2003041801A (ja) * | 2001-07-31 | 2003-02-13 | Safety Techno:Kk | 免震装置 |
JP2003147991A (ja) * | 2001-11-09 | 2003-05-21 | Showa Electric Wire & Cable Co Ltd | すべり支承 |
-
2005
- 2005-07-06 JP JP2005197445A patent/JP4799934B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007016433A (ja) | 2007-01-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10584480B2 (en) | Stair expansion joint system with freedom of movement between landings | |
US9758981B2 (en) | Stair expansion joint system with freedom of movement between landings | |
JP4799934B2 (ja) | すべり支承の設置方法及びその固定構造 | |
JP2009107760A (ja) | マンコンベアトラス支持装置 | |
JP3209229U (ja) | 太陽電池パネル支持金具および支持構造 | |
KR100722220B1 (ko) | 교량 포트받침용 내진 보강장치 | |
JP6526497B2 (ja) | エキスパンションジョイント装置 | |
JP5081794B2 (ja) | エキスパンション・ジョイント | |
JP4546290B2 (ja) | 構造物の免震基礎構造及び構築方法 | |
JP2009108487A (ja) | 免震フリーアクセスフロア用スライドパネル及びその設置構造 | |
CN211395899U (zh) | 一种市政检查井结构 | |
JP2008095932A (ja) | すべり支承免震装置 | |
JP2003193601A (ja) | 建築構造物のガラス支持装置 | |
CN106764393B (zh) | 一段式橡胶膜密封气柜活塞支撑的可调节柱顶装置 | |
JP4840324B2 (ja) | 上揚力止め装置 | |
KR101734444B1 (ko) | 트러스 수평 조절 장치 | |
JP3960380B2 (ja) | 建物の外装及びそのパネル取付治具 | |
JP6252116B2 (ja) | 支承体の据付方法 | |
JP6438202B2 (ja) | 免震建築物のせり出し部の施工方法 | |
JP2562945Y2 (ja) | 可動支承 | |
JP2010059739A (ja) | すべりゴム支承 | |
JP3390982B2 (ja) | ゴム支承体の移動制限装置 | |
JP3282801B2 (ja) | 免震用滑り支承 | |
JP4139715B2 (ja) | 免震建物における浮き上がり防止方法、および浮き上がり防止構造、並びに浮き上がり防止構造を備える構造物 | |
JP2015145598A (ja) | エキスパンションジョイント |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080618 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20101213 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110301 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110421 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110705 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110803 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140812 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 4799934 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140812 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140812 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |