JP4799768B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁性現像剤を収容した現像装置を有する複写機、ファクシミリ、プリンタなどの電子写真方式を用いた画像形成装置に関し、特に現像剤(トナー)残量の検知技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
乾式磁性トナーを現像剤として使用する電子写真方式の画像形成装置においては、トナー収容室内のトナー残量を検知する残量検知センサが設けられ、残量検知センサによってトナーニアエンドやトナーエンドが検知されると、操作表示部にその旨表示し、ユーザやサービスマンにトナーの補給を促すようになっている。
【0003】
例えば、特開平9−281786号公報には、トナーを収納しているトナー収容室と、該トナー収容室内において回転され、該トナー収容室内のトナーを現像器に補給するアジテーターと、前記トナー収容室に取り付けられ、該トナー収容室内におけるトナーのトナー検出位置におけるトナーの厚さを検出するトナーセンサとを有し、該トナーセンサのアナログ出力電圧が、前記トナー収容室内の前記アジテーターの回転によって変動することを利用し、該アナログ出力電圧の変動よりトナーエンドを検知し、以てトナーセンサの出力特性の違いによるトナーエンド検知のばらつきを抑えることができるようにした技術が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、現像剤の残量を検知する従来の残量検知センサは、トナーの磁力量の大小によるアナログ出力電圧値でトナー残量を検知しており、アナログ出力電圧値での特定のスレッシュ電圧によりトナーエンドと判断していた。
【0005】
しかし、この方法だとアジテーターの回転に変動があった場合、あるいはトナー消費量の多いハーフトーン画像やベタ画像を連続して出力された場合に、特にアナログ電圧値のばらつきが大きくなり、一定の残トナー量でトナーニアエンドとし、あるいはトナーエンドとすることが極めて困難であった。
【0006】
本発明は、現像剤(トナー)の残量を正確に検知することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、現像剤を収容したトナーホッパーと、前記トナーホッパー内の現像剤を攪拌し現像スリーブへ補給を行うアジテーターと、前記トナーホッパー内の現像剤の残量を検知するための残量検知センサと、を有する現像手段を備えた画像形成装置において、前記残量検知センサからのアナログ出力値をデジタル値に変換するAD変換器と、前記アジテーター1回転時間中における前記AD変換器のH、Lレベルで示す現像剤有無信号のうちの現像剤無信号の時間を検出する現像剤無時間検出手段と、現像剤無信号を検出すると、前記アジテーターの回転速度を遅くする回転速度変動手段と、前回と今回の現像剤無信号の検出時間を比較する比較手段と、現像剤有信号と現像剤無信号との比率があらかじめ設定された値を超えた時に現像剤ニアエンドを検出し、かつ、前記比較手段による前回と今回の現像剤無信号の検出時間の差分値があらかじめ決められた値を超えたときは、エラーと認識して現像剤ニアエンドとはしない検出手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置に関する。
【0010】
また請求項2記載の発明は、前記検出手段が現像剤ニアエンドを検出した回数を記憶する記憶手段と、前記記憶手段が現像剤ニアエンドを検出した回数が所定回数となった場合に現像剤ニアエンド状態であると決定する決定手段と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置に関する。
【0014】
請求項1記載の発明においては、エラー検出の確率が減り、精度よく現像剤ニアエンドが検知される。また、現像剤無信号が検知された後、アジテーターの回転周期を長くすれば、残量検知センサの検知性能が向上し、延いてはニアエンド検知精度が向上する。
【0015】
請求項2記載の発明においては、ニアエンドを検知した状態を、設定された回数検出して、請求項1記載の発明の検知精度をさらに高める。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は画像形成装置の作像部周りの構成図である。
感光体1の周囲には、電子写真プロセス順に、帯電ローラ2、光書き込み系3、現像スリーブ4、転写ローラ5、クリーニングブレード6が配置されている。
【0018】
現像手段は、現像スリーブ4の他、トナーホッパー7、アジテーター9、攪拌部材10を備えている。トナーホッパー7内には現像剤としてのトナー8が収容されている。またトナーホッパー7の下部には、弾性部材によりトナーホッパー7側に押し付けられた残量検知センサ11が設けてあり、この残量検知センサ11によりトナー8の残量を検知するようになっている。
【0019】
帯電ローラ2によりマイナス帯電された感光体1面上に光書き込み系3によりレーザー光の書き込みを行って静電潜像を形成する。トナーホッパー7内のトナー8はアジテーター9と攪拌部材10により現像スリーブ4へ供給されており、現像スリーブ4表面に所定の厚みを持つトナー層により静電潜像を現像してトナー像を得る。このトナー像は、転写ローラ5により記録紙に転写され、その後、感光体1の表面からクリーニングブレード6により転写残トナーを取り除く。
【0020】
図2は本発明の実施の形態に係る画像形成装置の機能ブロック図である。
本画像形成装置は、残量検知センサ11と、残量検知センサ11からのアナログ出力値をデジタル値に変換するAD変換器12と、アジテーター9の1回転時間(タイマ14により計測される)中におけるAD変換器12のH、Lレベルで示すトナー有無信号の比率によりトナーニアエンドを検出する検出手段13とを備えている。
【0021】
また本画像形成装置は、検出手段13がトナーニアエンドを検出した回数を記憶する記憶手段15と、その回数により初めてトナーニアエンド状態であると決定する決定手段16とを備えている。
【0022】
また本画像形成装置は、アジテーター1回転時間中におけるAD変換器12のH、Lレベルで示すトナー有無信号のうちのトナー無信号(L信号)の時間を検出するL信号時間検出手段17と、前回と今回のL信号の検出時間を比較する比較手段18とを備えている。また、L信号を検出後、L信号の検出時間の差分値によりアジテーター9の回転速度を変動させる回転速度変動手段19を備えている。
【0023】
なおここで、検出手段13は、比較手段18による検出時間の差分値とH、L信号の比率によりトナーニアエンドを検出する機能を持つ場合もある。同様に決定手段16は、当該機能を有する検出手段13の出力に基づいてトナーニアエンド状態であると決定する機能を有する場合もある。
【0024】
図3、図4、図5は第1、第2、第3のセンサ出力波形図である。残量検知センサ11はトナー8のある一定重量(トナーニアエンド状態時でのトナー重量)がもつ磁力量を検出し、その磁力量以下となった時にAD変換器12からL信号を発生させるようになっている。
【0025】
トナーニアエンド状態とは、トナー残量が少なくなった時の第一警告であり、現像方式にもよるが第一警告時からさらに記録紙100枚出力させても画像かすれが発生しない状態をいう。
【0026】
従って、残量検知センサ11付近のトナー量が十分ある時には、L信号は発生せずにアジテーター9の回転周期に関わらずH信号のままとなっている(図3)。
【0027】
トナー8が使用されるにつれてアジテーター9が残量検知センサ11付近を通過し、トナー8をかき取った時に設定磁力量以下となり、アジテーター9の回転周期でL信号が発生する(図4)。
【0028】
つまり、アジテーター9の回転周期=H信号検出時間+L信号検出時間となる。従って、アジテーター9の回転周期におけるL信号の検出時間の割合(H信号の検出時間とL信号の検出時間の比率)があらかじめ設定された値を超えた時に検出手段13によりトナーニアエンドを検出する(図5)。
【0029】
ニアエンドを検出してからも残量検知センサ11と現像スリーブ4間にスペースがあるため即座に画像がかすれるわけではない。スペースが取れない場合には、トナーニアエンドとするアジテーター9の回転周期におけるL信号の検出時間の割合を小さくすることで対応がとれる。
【0030】
図6は本発明の制御例を示すフローチャートである。トナー8が使用されることによりAD変換器12からL信号が検出され(S1)、あらかじめ設定されていたL信号の検出時間以上になった時に(S2でY)、トナーニアエンド検出となる。その検出を1カウントとし、記憶手段(検出カウンタ)5に記憶し(S3)、その検出があらかじめ決められた回数以上となった時に(S4でY)、初めて決定手段16によりトナーニアエンド状態とする。
【0031】
図7は第4のセンサ出力波形図である。アジテーター9の回転周期におけるAD変換器12のL信号の時間をL信号時間検出手段17で検出し、その検出時間を記憶手段15に記憶しておき、新たなL信号時間が前回の値の決められた増加量を含めたL信号時間を超えたと比較手段18で判断された場合、その値はエラー値と認識させて、その値でトナーニアエンドとはしない。また、過去の増加量の平均増加量と比較させて判断させてもよい。
【0032】
図8は第5のセンサ出力波形図である。トナー8が使用されることによりAD変換器12からL信号が検出されるとアジテーター9の回転速度のみを回転速度変動手段19により遅くし、回転周期を長くさせる。
【0033】
回転周期が長くなることでトナー8が減少してきたときには攪拌能力も少なくて済み、かつ残量検知センサ11の検知誤差が少なくなり、ニアエンド検出精度が向上する。
【0036】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、エラー検出の確率が減り、精度よく現像剤ニアエンドを検知することができる。また、現像剤無信号が検知された後、アジテーターの回転周期を長くすれば、残量検知センサの検知性能を向上させ、延いてはニアエンド検知精度を向上させることができる。
【0037】
請求項2記載の発明によれば、ニアエンドを検知した状態を、設定された回数検出して、請求項1記載の発明の検知精度をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の作像部周りの構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の機能ブロック図である。
【図3】第1のセンサ出力波形図である。
【図4】第2のセンサ出力波形図である。
【図5】第3のセンサ出力波形図である。
【図6】本発明の制御例を示すフローチャートである。
【図7】第4のセンサ出力波形図である。
【図8】第5のセンサ出力波形図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 帯電ローラ
3 光書き込み系
4 現像スリーブ
5 転写ローラ
6 クリーニングブレード
7 トナーホッパー
8 トナー
9 アジテーター
10 攪拌部材
11 残量検知センサ
12 AD変換器
13 検出手段
14 タイマ
15 記憶手段
16 決定手段
17 L信号時間検出手段
18 比較手段
19 回転速度変動手段
Claims (2)
- 現像剤を収容したトナーホッパーと、
前記トナーホッパー内の現像剤を攪拌し現像スリーブへ補給を行うアジテーターと、
前記トナーホッパー内の現像剤の残量を検知するための残量検知センサと、を有する現像手段を備えた画像形成装置において、
前記残量検知センサからのアナログ出力値をデジタル値に変換するAD変換器と、
前記アジテーター1回転時間中における前記AD変換器のH、Lレベルで示す現像剤有無信号のうちの現像剤無信号の時間を検出する現像剤無時間検出手段と、
現像剤無信号を検出すると、前記アジテーターの回転速度を遅くする回転速度変動手段と、
前回と今回の現像剤無信号の検出時間を比較する比較手段と、
現像剤有信号と現像剤無信号との比率があらかじめ設定された値を超えた時に現像剤ニアエンドを検出し、かつ、前記比較手段による前回と今回の現像剤無信号の検出時間の差分値があらかじめ決められた値を超えたときは、エラーと認識して現像剤ニアエンドとはしない検出手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記検出手段が現像剤ニアエンドを検出した回数を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段が現像剤ニアエンドを検出した回数が所定回数となった場合に現像剤ニアエンド状態であると決定する決定手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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