JP4799663B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4799663B2
JP4799663B2 JP2009297203A JP2009297203A JP4799663B2 JP 4799663 B2 JP4799663 B2 JP 4799663B2 JP 2009297203 A JP2009297203 A JP 2009297203A JP 2009297203 A JP2009297203 A JP 2009297203A JP 4799663 B2 JP4799663 B2 JP 4799663B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
internal combustion
combustion engine
intake valve
timing
ignition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009297203A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011137400A (ja
Inventor
正樹 門脇
圭一 榎木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2009297203A priority Critical patent/JP4799663B2/ja
Publication of JP2011137400A publication Critical patent/JP2011137400A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4799663B2 publication Critical patent/JP4799663B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Landscapes

  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)

Description

この発明は、内燃機関、特に高圧縮比内燃機関での始動時における吸気バルブの閉弁タイミングを制御する内燃機関の制御装置に関する。
従来、内燃機関の失火やくすぶり汚損を防止し、燃焼安定性の向上や回転むらの減少を図った内燃機関のための制御装置として、例えば下記の特許文献1〜4があった。
特開2008−38672号公報 特開平8−158999号公報 特開平8−165936号公報 特開平11−30143号公報
ところで、内燃機関において、シリンダ内の混合気が不完全燃焼するときに発生するカーボンが点火プラグの発火部碍子表面に付着すると、点火プラグの中心電極と接地電極との間の絶縁抵抗値が低下して正規のギャップで火花が飛び難くなる。この現象は、一般的に点火プラグの「くすぶり汚損」として知られている。なお、点火プラグの電極間の絶縁抵抗値が低下して点火プラグの電極間に漏洩電流(以下、リーク電流と称す)が発生することを「くすぶり」と呼ぶ。
上記くすぶりは、長時間のアイドル運転や冷機状態での始動を繰り返した場合に発生し易く、くすぶり汚損状態の点火プラグを用いると正規のギャップ以外の場所で火花が飛ぶ(以下、奥飛びと称す)ことにより、混合気への着火性が悪化し、始動するのに必要十分な出力トルクが得られずに、回転速度の上昇の遅延や、更にくすぶりが進行すると失火により始動できなくなる可能性がある。
特に、冷機時に上記のような始動不良が起こりやすい。図9に示す冷機始動時における制御パラメータのタイムチャートによると、冷機時は初爆までの要求電圧(正規のギャップでの放電に必要な電圧)が高く、2nd燃焼以降では要求電圧が小さくなることがこれまでの研究で明らかになっている。また、要求電圧は様々な要因により変化するが、特に影響が大きいのは、点火プラグの正規のギャップの距離と、点火タイミングにおける圧縮圧力と、シリンダ内の混合気の温度であることも周知の事実である。冷機時は、上記要因のうちシリンダ内の混合気の温度が低いため要求電圧が高くなる。初爆が完了すればシリンダ内の温度が上昇するため、要求電圧は小さくなる。
くすぶり汚損時には初爆に必要な要求電圧に達する前にリーク電流が発生してしまい、正規のギャップで火花が飛ばなくなる。また、吸入空気温度や冷却水温が低い時は、吸気バルブの閉弁タイミングを進角制御することにより吸入空気量を増加させるため、ますます始動が難しくなるという問題がある。
しかしながら、前記特許文献1〜3で開示されている内燃機関のための制御装置は、このような問題点を積極的に解消するものとはなっていなかった。また、前記特許文献4の方法では、点火プラグにおけるくすぶり汚損の程度が大きくなるほど、内燃機関に供給される燃料を相対的に少なくしているが、低温始動時において燃料噴射量を減量側へ制御すると、可燃混合気を十分に形成することができないために内燃機関を始動することができなくなる可能性があった。
この発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、くすぶりが発生していても安定した始動が可能な内燃機関の制御装置を提供することを目的としている。
この発明は、点火プラグの正規のギャップで火花が飛び難くなるくすぶりを検出するくすぶり検出手段と、吸気バルブの閉弁タイミングをコントロールする吸気バルブタイミング制御手段と、を備え、始動時に前記くすぶり検出手段によりくすぶりを検出した場合に、前記吸気バルブタイミング制御手段により前記吸気バルブの閉弁タイミングを遅角制御して内燃機関の圧縮圧力を低下させることを特徴とする内燃機関の制御装置にある。
この発明により、内燃機関、特に高圧縮比内燃機関におけるくすぶり発生時の始動不良を回避することができる。
この発明の一実施の形態による内燃機関の制御装置の概略構成を示すブロック図である。 この発明による内燃機関の制御装置におけるリーク電流検出装置の機能を備えた点火コイルの具体的な構成の一例を示す回路図である。 この発明による内燃機関の制御概要を示すフローチャートである。 この発明による内燃機関の制御装置におけるクランク角度(各工程)に対する吸気バルブのバルブリフト量を示す図である。 この発明による内燃機関の制御装置のリーク電流検出装置の出力のタイムチャートである。 この発明による内燃機関の制御装置におけるクランク角度(各工程)に対する吸気バルブのバルブリフト量を示す図である。 くすぶり汚損プラグに対してこの発明による処理を行わなかった場合のタイムチャートである。 くすぶり汚損プラグに対してこの発明による処理を行った場合のタイムチャートである。 始動時における回転速度と要求電圧と圧縮圧力のタイムチャートである。 点火タイミングにおける圧縮圧力と要求電圧の関係を示す図である。 点火タイミングと圧縮圧力の関係を示す図である。
この発明では、点火プラグの正規のギャップで火花が飛び難くなるくすぶりを検出するくすぶり検出手段と、吸気バルブの閉弁タイミングをコントロールする吸気バルブタイミング制御手段と、を備えた内燃機関の制御装置において、始動時にくすぶり検出手段によりくすぶりを検出した場合には、吸気バルブタイミング制御手段により吸気バルブの閉弁タイミングを遅角制御することにより内燃機関の圧縮圧力を低下させる。
具体的には点火プラグの電極間が短絡されるまでくすぶりが進行する前のくすぶり、つまり、奥飛びを検出した場合に、吸気バルブの閉弁タイミングを遅角制御することにより、内燃機関の圧縮圧力を低下させる。図10に示す圧縮圧力と要求電圧の関係によると、圧縮圧力が低下すれば要求電圧が低下する(図中A点→B点)ため、点火プラグの正規のギャップで点火し易くなる。その結果、特に低温時のように要求電圧が高い状況においても、始動時の回転速度の上昇の遅延や失火といった始動不良を回避/抑制/緩和することができる。更に、初爆や完爆までの所要時間の短縮により早期始動を実現できるため、スタータ駆動時間の短縮によるバッテリの電力消費量を低減する効果も得ることができる。
また、各気筒の初爆を検出する初爆検出手段を備え、始動時の各気筒の初爆が完了したあとは、吸気バルブタイミング制御手段により吸気バルブの閉弁タイミングを進角制御することにより、内燃機関の吸入空気量を増加させ、回転速度を上昇させることで、完爆までの所要時間を更に短縮する。
ここで、くすぶり検出手段は、点火プラグの中心電極と接地電極との間に所定電圧を印加し、その際に流れるリーク電流を検出するリーク電流検出装置を含み、リーク電流を基に点火プラグにおけるくすぶりの発生の有無を検出することにより、点火プラグの電極間が短絡されて失火が発生する前段階のくすぶりを検出することができ、くすぶりに対する対策処理を早期に行うことができる。
また、早期点火によるノッキングが起こらない範囲で内燃機関の点火時期を進角制御する点火時期制御手段を備えることにより、内燃機関の圧縮圧力の低い時点で点火を行い、要求電圧を低下させることができる。これは図11に示す筒内圧波形によると、圧縮行程における点火タイミングを進角制御すると、点火タイミングにおける圧縮圧力を低下させることができるため得られる効果である。このような点火時期制御手段を備えていれば、点火プラグの正規のギャップで火花が飛び易くなるため、内燃機関の始動不良を回避/抑制/緩和することができる。
以下、この発明による内燃機関の制御装置を実施の形態に従って図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の一実施の形態による内燃機関の制御装置の概略構成を示すブロック図である。図1において、エンジン(内燃機関)1の吸気系の上流に吸入空気流量を調整するために電子的に制御される電子制御式スロットルバルブ2が設けられている。また、電子制御式スロットルバルブ2の開度を測定するために、スロットル開度センサ3が設けられている。
さらに、電子制御式スロットルバルブ2の上流には吸入空気流量を測定するエアフロセンサ4が設けられており、電子制御式スロットルバルブ2の下流のエンジン1側には、サージタンク5内の圧力を測定するインマニ圧センサ6が設けられている。なお、エアフロセンサ4とインマニ圧センサ6に関しては、両方とも設けてもよいし、いずれか一方のみが設けられていてもよい。さらに、サージタンク5には、電子制御式EGRバルブ7が接続されており、サージタンク5の下流の吸気通路には、燃料を噴射するインジェクタ8が設けられている。なお、インジェクタ8はエンジン1のシリンダに直接噴射できるように設けられてもよい。
サージタンク5の下流の吸気通路の端には吸気バルブ9が設けられており、この吸気バルブ9がシリンダ内に入る混合気を規制する。吸気バルブ9の上端はエンジン1の駆動状態に応じて回転するカムシャフト10のカム面に当接している。このカムシャフト10の回転位置に応じて吸気バルブ9が軸方向位置を変化させてシリンダの通路を開閉する可変吸気バルブタイミング機構11が備えられている。なお、可変吸気バルブタイミング機構11は、カムシャフト10の位置(角度)を検出する図5に図示を省略したカム角センサと、吸気バルブ9の閉弁タイミングを電動もしくは油圧で調整する機能を備えている。
さらに、エンジン1のシリンダ内の混合気に点火するための点火コイル12及び点火プラグ13が設けられている。なお、点火プラグ13はその電極がエンジン1のシリンダ内に臨むようにして配置されており、要求電圧が印加されたときに火花を飛ばして混合気を爆発させる。また、点火コイル12には、点火プラグ13の中心電極と接地電極との間に所定電圧を印加して、その際に流れるリーク電流を検出するリーク電流検出装置14の機能が備えられている。なお、リーク電流検出装置14には混合気の燃焼時に発生するイオン電流を検出する機能も備えられている。また、リーク電流検出装置14は点火コイルに備えられている機能ではなく点火コイルとは別体として構成されていてもよい。このリーク電流検出装置14の機能が備えられた点火コイル12の具体的な構成については後述する。さらに、エンジンの回転速度やクランク角度を検出するために、クランク軸に設けられたプレートのエッジを検出するためのクランク角センサ15がエンジン1に設けられている。
エアフロセンサ4で測定された吸入空気流量S1と、インマニ圧センサ6で測定されたインマニ圧S2と、スロットル開度センサ3で測定された電子制御式スロットルバルブ2の開度S3と、クランク角センサ15より出力されるクランク軸に設けられたプレートのエッジに同期したパルスS4と、点火プラグ13に備えられたリーク電流検出装置14で測定されたリーク電流値S5及びイオン電流値S6は、電子制御ユニット(以下、「ECU」と称す)16に入力される。
なお、ECU16はマイクロコンピュータを主体に構成されるユニットであり、上記各センサ及び検出装置の出力信号に加え、図1に図示しないバッテリの出力電圧、スタータスイッチのオン/オフ信号(S10)、吸気温センサで測定された吸入空気温度(以下、吸気温と称す)や水温センサで測定された冷却水温度(以下、水温と称す)(S12)、可変吸気バルブタイミング機構11で測定されたカムシャフト10の位置(角度)の信号が入力される。ECU16は入力された各種信号より後述する方法を用いて吸気バルブ9の閉弁タイミングの目標値を設定し、吸気バルブ9の閉弁タイミングが目標値となるようにフィードバック制御を行なうための目標閉弁タイミング信号S7を可変吸気バルブタイミング機構11へ出力する。また、ECU16は入力された各種信号に応じて点火コイル12へ通電/遮断信号S8を出力することにより点火時期を制御する。さらに、ECU16は前記以外の各種アクチュエータへの指示信号も出力する。
図2はリーク電流検出装置14の機能を備えた点火コイル12の具体的な構成の一例を示す回路図である。点火コイル12は一次巻線18a及び二次巻線18bにより構成されている。バッテリ17は点火コイル12の一次巻線18aの高圧側に接続され給電を行なう。パワートランジスタ19はコレクタが一次巻線18aの低圧側に接続され、コレクタが接地(グランド)され、べースがECU16に接続され、一次巻線18aに流れる一次電流を通電/遮断する。抵抗器24が高圧電極と接地電極間に並列に接続されて示された点火プラグ13は、一端が点火コイル12の二次巻線18bの高圧側に接続され、他端は接地され、点火用の二次電圧V2が印加されることによりエンジン1のシリンダ内の混合気に着火を行う。ここでは1つの気筒に対する点火部のみを代表的に示しているが、同様の点火部が各気筒毎に設けられている。
リーク電流検出装置14は、点火プラグ13を通して流れるリーク電流値S5及びイオン電流値S6を検出する。二次巻線18bの低圧側にはバイアス電源となるコンデンサ20が接続され、コンデンサ20と並列にツェナーダイオード21が接続される。エンジン1の点火時に、点火コイル12の二次側に誘起される二次電圧V2を蓄積してバイアス電圧Vcとする。ツェナーダイオード21は、一端が二次巻線18bの低圧側に接続され、且つ他端は接地されており、コンデンサ20に充電されるバイアス電圧Vcをクランプする。また、コンデンサ20の他端には、ダイオード22とリーク電流検出用の抵抗器23からなる並列回路が接続される。ダイオード22と抵抗器23の各他端は接地されている。点火プラグ13に並列接続された抵抗器24は点火プラグ13の電極間の抵抗値であり、通常、くすぶり汚損が発生していない点火プラグ13の電極間の抵抗値は無限大と考えられる。
続いて、リーク電流検出装置14の動作について説明する。エンジン1の点火時期において、通電/遮断信号S8に応じてパワートランジスタ19により、一次巻線18aの通電が遮断されると、二次巻線18bの高圧側に負極性の二次電圧V2が生じる。これにより二次巻線18b側に放電電流が流れ、点火プラグ13の電極間に火花放電が起こるので、エンジン1の混合気が着火されると共に、コンデンサ20が充電される。このとき、コンデンサ20の充電電圧Vcは、ツェナーダイオード21により任意に設定される。また混合気の燃焼に伴って、点火プラグ13の周辺の電離作用によりイオンが発生するので、コンデンサ20の正極性のバイアス電圧Vcによる電子の移動により、イオン電流が流れる。このとき抵抗器23で発生する電圧降下を誘起電圧値Viとして検出することにより、混合気の燃焼状態を示すイオン電流値S6を検出することができる。また、点火プラグ13がくすぶり汚損の状態にあり、電極間に抵抗値数MΩの抵抗器24が等価的に存在した場合には、点火コイル12の二次側にバイアス電圧Vcを印加した際に、点火プラグ13の電極間にリーク電流が流れる。このとき抵抗器23で発生する電圧降下を誘起電圧値Viとして検出することにより、くすぶり汚損の状態を示すリーク電流値S5を検出することができる。
図3にはこの発明の実施の形態による内燃機関の制御装置の概略的な動作を示すフローチャートであり、以下、動作について説明する。この動作は基本的に図1のECU16の制御により行われる。図3に示すように、ステップ101では、スタータスイッチ(図示省略)のオン/オフ信号S10を読み取り、エンジンの状態が始動中か否かを判定する。ここで「Yes」と判定されるとステップ102に進む。一方、「No」と判定されるとこの発明の特徴の範囲外の動作になるので、本処理を終了するということにする。
ステップ102では、エンジンの各気筒の初爆が完了していないことを確認する。エンジンの初爆は、リーク電流検出装置14によって測定されるイオン電流値S6の検出レベルが所定値以上を示した場合に初爆が完了したと判定してもよいし、インマニ圧センサ6によって測定されるインマニ圧値S2の急激な減少変化やシリンダ内の圧力を測定する筒内圧センサの出力信号(共に図示省略)の急激な増大変化を、その絶対値又は変化率に基づいて初爆が完了したと判定してもよいし、クランク角センサ15より出力されるクランク軸に設けられたプレートのエッジに同期したパルスS4の周期変化が所定変動量以上減少した場合に初爆が完了したと判定してもよい。ステップ102で「Yes」と判定され初爆が未完であるとステップ104に進み、一方「No」と判定され初爆完了ならステップ103に進む。
ステップ103では、吸気バルブ9の閉弁タイミングを予め設定された始動時の目標値よりも進角制御することにより、エンジンの吸入空気量を増加させて回転速度の上昇を促した後、本処理を終了する。以下、ステップ103の効果を、図4に示すクランク角度(エンジンサイクルの各工程)に対する吸気バルブのバルブリフト量を参照しながら具体的に説明する。予め設定された始動時のバルブリフト201をバルブリフト202にシフトすることにより、閉弁タイミングの目標値A点を、進角側のB点にシフトする。これにより、吸気行程における吸気バルブ9の開期間を期間203から期間204に延長させて、エンジンの吸入空気量を増加させることができる。吸入空気量が増加するとエンジンの負荷が増大するため、出力トルクも増加し、エンジンの回転速度の上昇を促進させることができる。このような手段を取ることにより、始動開始から完爆までの所要時間を短縮する効果を得ることができる。
一方、ステップ104では、リーク電流検出装置14で測定されたリーク電流値S5を基に点火プラグ13にくすぶり汚損が発生しているか否かを判定する。図2の回路図における、始動時すなわちクランキング時の通電/遮断信号S8、二次電圧V2、バイアス電圧Vc、及び、くすぶり汚損無し/有りでのリーク電流検出装置14出力のタイムチャートを図5に示し、くすぶり汚損が発生しているか否かの判定方法を説明する。
まず、通電/遮断信号S8が通電状態となり、パワートランジスタ19がオン状態になると、点火コイル12の一次巻線18aに電流が流れる。次いで、通電/遮断信号S8が遮断状態とされてパワートランジスタ19がオフ状態になることにより、一次電流が遮断されると点火コイル12の二次巻線18bに高電圧が誘起され、放電電流が流れ、その結果、点火プラグ13に火花放電が起こると同時にコンデンサ20が充電される。ここで、放電開始後の一定時間T1にわたってリーク電流値S5及びイオン電流値S6が検出されないのは、コンデンサ20に充填されているバイアス電圧Vcが点火によって生じた二次電圧V2よりも絶対量が小さいためである。その後、二次電圧V2は放電により急速に低下していくので、バイアス電圧Vcが二次電圧V2の絶対値を上回る動作期間T2−T3になったときに、リーク電流、又は、イオン電流が検出できるようになる。バイアス電圧Vcが低下してT3の終了時期にまで達してしまうとリーク電流、及び、イオン電流が検出できなくなる。
バイアス電圧Vcが二次電圧V2の絶対値を上回った後、点火コイル12は残留磁気エネルギを放出しようとし、二次巻線18bのインダクタンスLとコンデンサ20のキャパシタンスCとの間でLC共振が起こり、LC共振電流が流れる。そのLC共振電流はリーク電流検出用の抵抗器23で発生する電圧降下として検出されるため、リーク電流検出装置出力には図5の(イ)に示されるように、急激な変化が現れる。しかしこれは残留磁気ノイズであってイオン電流やリーク電流ではない。上述のLC共振電流(イ)は、燃焼イオンによるものではなく、燃焼の有無に関わらず発生する。
続いて、図5の(イ)のLC共振電流が流れた後に、イオン電流(ロ)や(ハ)が流れる。イオン電流(ロ)は燃焼反応に伴うイオン電流であり、その反応式は下記の通りである。
CH + O → CHO + e
CHO + HO → CO + H
イオン電流(ハ)は既燃ガスの熱電離に伴うイオン電流であり、その反応式は下記の通りである。
NO → NO + e
これらのイオン電流は燃焼が発生したときにのみ検出される。
燃焼によるイオン電流が発生する所定期間T2の後に、リーク電流に相当する電流(ニ)が検出された場合に、点火プラグ13がくすぶり汚損の状態にあるか判定する。このように、非燃焼期間T3において点火コイル12の二次巻線18bにバイアス電圧Vcを印加したときに、抵抗器23を流れる電流を計測することにより、点火プラグ13のくすぶり汚損状態を直接検出することができる。くすぶり汚損が発生しているか否かは、非燃焼期間T3におけるリーク電流値S5が図5に示す判定閾値Aを上回った期間T4が所定期間以上であったときにくすぶり汚損有りと判定してもよいし、非燃焼期間T3におけるリーク電流値S5の積算値が判定閾値Bを上回ったときにくすぶり汚損有りと判定してもよい。
ステップ104で「Yes」と判定されるとステップ106に進み、一方、「No」と判定されるとステップ105に進む。ステップ105では、吸気バルブ9の閉弁タイミングを予め設定された始動時の目標値(くすぶり汚損無し時の目標値)にフィードバック制御し、再びステップ101へ戻り、処理を繰り返す。なお、吸気バルブ9の閉弁タイミングのフィードバック制御は、ECU16から可変吸気バルブタイミング機構11へ送信される目標閉弁タイミング信号S7と、可変吸気バルブタイミング機構11からECU16へ送信されるカムシャフト10の位置(角度)信号S11のやりとりによって行なわれる。
ステップ106では吸気バルブ9の閉弁タイミングを予め設定した目標値(くすぶり汚損有り時の目標値)にまで遅角制御、及び、早期点火によるノッキングが起こらない範囲で点火時期を予め設定した目標進角量(くすぶり汚損有り時の目標値)にまで進角制御する。ステップ106で閉弁タイミングを遅角制御、及び、点火時期を進角制御した後は、再びステップ101へ戻り、処理を繰り返す。
以下、ステップ106における吸気バルブ9の閉弁タイミングを遅角制御することによる効果を、図6に示すクランク角度(エンジンサイクルの各工程)に対する吸気バルブのバルブリフト量を参照しながら具体的に説明する。予め設定された始動時のバルブリフト211をバルブリフト212にシフトすることにより、閉弁タイミングの目標値A点を、遅角側のC点にシフトすることができる。これにより、吸気行程における吸気バルブ9の開期間を期間213から期間214へ短縮させることができ、かつ、排気行程における吸気バルブ9の開期間が期間215となるため、一度シリンダ内に吸入した空気を再びサージタンク側へ押し返す空気量を増やすことができる。このような方法を取ることにより、エンジン1の圧縮圧力が低下し、点火プラグ13の要求電圧が低下するため、点火プラグ13の正規のギャップで点火し易いシリンダ内の環境を作ることができる。また、ステップ106において点火時期を進角制御することの効果は、図11に示すように、点火タイミングにおけるエンジン1の圧縮圧力を低下させることができるため、点火プラグ13の要求電圧が低下し、点火プラグ13の正規のギャップで点火し易いシリンダ内の環境を作ることができる。
ここまでのこの発明の効果を、始動時の制御パラメータのタイムチャートを参照しながら説明する。くすぶり汚損が発生した点火プラグに対し、この発明の実施の形態による処理を行わなかった場合のタイムチャートを図7に示す。クランキング開始から初爆までの時間T1と、クランキング開始から完爆までの時間T2と、スタータ駆動期間T3は、図7に図示する通りであり、くすぶり汚損が発生していない場合と比較してT1、T2、T3のいずれも相対的に長くなる。始動時の点火時期と閉弁タイミングは水温等の運転状態に応じた目標値に固定されており、初爆が完了したあとに進遅角制御が実施される。
上記に対し、くすぶり汚損が発生した点火プラグに対し、この発明の実施の形態による処理を行った場合のタイムチャートを図8に示す。クランキング開始直後の初点火後にリーク電流検出装置14によって検出されるリーク電流値S5から、点火プラグ13がくすぶり汚損の状態にあると判定し、次サイクルの点火時期は進角制御される。また、吸気バルブ9の閉弁タイミングは予め設定された目標値に遅角制御される。上記により、2nd点火以降の要求電圧を低下させることができ、奥飛びが発生する前に正規のギャップで火花が飛び易くなるため、クランキング開始から初爆までの時間T1’をT1と比較して短縮することができる。また、初爆が完了した後に吸気バルブ9の閉弁タイミングを進角制御することにより、ステップ103で前述した効果と同様の効果を得ることができる。このとき、点火時期はエンジン1の回転速度や負荷といった運転状態に応じて進遅角制御する。その結果、クランキング開始から完爆までの時間T2’をT2と比較して短くすることができる。更に、クランキング開始から初爆までの時間短縮によりスタータ駆動期間T3’をT3と比較して短くすることができる。
以上により、初爆に必要な要求電圧に達する前にリーク電流が発生することによる、エンジン1の始動不良を回避することができる。また、吸気温や水温が低い時の始動のように、吸入空気量を増加させるために吸気バルブ9の閉弁タイミングを進角制御している状況においても、この方法を採用することにより、くすぶり汚損が発生していても始動不良を回避することができる。更に、スタータ駆動期間の短縮によりバッテリの電力消費量を低減する効果を得ることができる。
上記実施の形態はこの発明を実施するための例にすぎず、この発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されたこの発明の要旨の範囲内において、他の様々な実施の形態が可能である。上記実施の形態では、吸気バルブの閉弁タイミングを遅角制御する処理と、点火時期を進角制御する処理とを並列で行なっているが、順序を決めて直列で行なうようにしてもよいし、吸気バルブの閉弁タイミングを進遅角制御する処理のみを実施して点火時期は始動時の吸気温や水温に応じて適合された目標値に制御する構成としてもよい。
1 エンジン(内燃機関)、2 電子制御式スロットルバルブ、3 スロットル開度センサ、4 エアフロセンサ、5 サージタンク、6 インマニ圧センサ、7 電子制御式EGRバルブ、8 インジェクタ、9 吸気バルブ、10 カムシャフト、11 可変吸気バルブタイミング機構、12 点火コイル、13 点火プラグ、14 リーク電流検出装置、15 クランク角センサ、16 ECU、17 バッテリ、18a 一次巻線、18b 二次巻線、19 パワートランジスタ、20 コンデンサ、21 ツェナーダイオード、22 ダイオード、23 抵抗器、24 抵抗器。

Claims (4)

  1. 点火プラグの正規のギャップで火花が飛び難くなるくすぶりを検出するくすぶり検出手段と、吸気バルブの閉弁タイミングをコントロールする吸気バルブタイミング制御手段と、を備え、始動時に前記くすぶり検出手段によりくすぶりを検出した場合に、前記吸気バルブタイミング制御手段により前記吸気バルブの閉弁タイミングを遅角制御して内燃機関の圧縮圧力を低下させることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 各気筒の初爆を検出する初爆検出手段を備え、各気筒の初爆が完了した後に、前記吸気バルブタイミング制御手段により前記吸気バルブの閉弁タイミングを進角制御することにより内燃機関の吸入空気量を増加させ回転数を上昇させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記くすぶり検出手段が、前記点火プラグの中心電極と接地電極との間に所定電圧を印加し、その際に流れるリーク電流を検出するリーク電流検出装置を備え、前記リーク電流を基に前記点火プラグにおけるくすぶりの発生の有無を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 早期点火によるノッキングが起こらない範囲で内燃機関の点火時期を進角制御する点火時期制御手段を備えたことを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
JP2009297203A 2009-12-28 2009-12-28 内燃機関の制御装置 Expired - Fee Related JP4799663B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009297203A JP4799663B2 (ja) 2009-12-28 2009-12-28 内燃機関の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009297203A JP4799663B2 (ja) 2009-12-28 2009-12-28 内燃機関の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011137400A JP2011137400A (ja) 2011-07-14
JP4799663B2 true JP4799663B2 (ja) 2011-10-26

Family

ID=44349048

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009297203A Expired - Fee Related JP4799663B2 (ja) 2009-12-28 2009-12-28 内燃機関の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4799663B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013087667A (ja) 2011-10-17 2013-05-13 Mitsubishi Electric Corp 点火制御装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002161841A (ja) * 2000-11-27 2002-06-07 Toyota Motor Corp 点火プラグのくすぶり抑制装置
JP4406884B2 (ja) * 2005-03-28 2010-02-03 株式会社デンソー 点火プラグのくすぶり汚損検出装置
JP2007056778A (ja) * 2005-08-25 2007-03-08 Nissan Motor Co Ltd 点火プラグのくすぶり解消制御装置
JP2008038672A (ja) * 2006-08-02 2008-02-21 Toyota Motor Corp 内燃機関の点火時期制御装置
JP4445020B2 (ja) * 2008-01-09 2010-04-07 三菱電機株式会社 内燃機関の燃焼状態検出装置および燃焼状態検出方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011137400A (ja) 2011-07-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9528490B2 (en) Method and system for pre-ignition control
CN106401776B (zh) 用于点火控制的方法和***
CN110872995A (zh) 用于监测点火***的***和方法
KR20180062043A (ko) 실화에 따른 촉매 손상 방지 방법
JP4735365B2 (ja) 圧縮自己着火エンジンの燃焼制御装置
JP4799663B2 (ja) 内燃機関の制御装置
US10519879B2 (en) Determining in-cylinder pressure by analyzing current of a spark plug
JP6302822B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2010025039A (ja) 燃焼異常状態判別装置
JP2017066903A (ja) 内燃機関の制御装置
JP6257416B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP7123476B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2011149406A (ja) 内燃機関の点火制御装置
JP2009203864A (ja) 燃焼状態検出装置及び点火制御システム
JP6403146B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP6246488B2 (ja) イオン電流を用いた内燃機関の空燃比制御装置
JP4911135B2 (ja) 自着火燃焼検出装置
JP7247364B2 (ja) 内燃機関用制御装置
JP6537317B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP7117137B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP6328293B1 (ja) 内燃機関の制御装置及び制御方法
JP2005307844A (ja) 2サイクル内燃機関用点火制御方法及び点火制御装置
JP2016056684A (ja) エンジン制御装置
JP4803117B2 (ja) 内燃機関の始動制御装置
JP2015132181A (ja) 内燃機関制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110705

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110802

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140812

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4799663

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees