JP4798838B2 - 有機顔料の調整法 - Google Patents
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Description
本発明は、1つまたはそれ以上のアクリル重合体分散剤を用いて調整された有機顔料を製造する方法に関する。
【0002】
有機顔料は、化学合成後に組成物として得られ、一般にコーティング処方物における顔料として使用するのに不適当である。結果として、顔料の粒子寸法、粒子形、表面特性、及び/または結晶構造を、良好な顔料品質の顔料を与えるように改変する1つまたはそれ以上の仕上げ工程に粗有機顔料を供する。例えば本明細書に参考文献として引用される顔料ハンドブック、[ニューヨーク:ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons)社、1973年]、第III巻、29−35ページのW.カート(Cart)、「顔料の物理性の改変」;W.ハーブスト(Herbst)及びK.ハンガー(Hunger)、工業有機顔料[ニューヨーク:VCH出版、1993年]、205−207ページ;R.B.マッケイ(MacKey)、レブ・プログ・カラレーション(Rev.Prog.Coloration)、10、25−32(1979)の「物理的形態及びその使用中の挙動を参考にした有機顔料の開発」;及びR.B.マッケイ、JOCCA、89−93(1989)の「古典的有機顔料の適用性の制禦」を参照。いくつかの仕上げ法において、1つまたはそれ以上の仕上げ工程では強鉱酸または苛性アルカリが使用され、次いで顔料の沈殿及び/または粗顔料の粉砕(milling)が行われる。強酸または苛性を回避する顔料調整(conditioning)法は、そのような工程の苛性化学品の排除と関連して、環境及び健康への害をかなり減じ、顔料調整工程と関連する費用を低下させるから望ましい。顔料調整工程を経た粗有機顔料は調整された有機顔料と呼ばれ、典型的には商業的に販売される。
【0003】
粉砕法は有機顔料の種々の性質を改良することが知られている。例えば米国特許第5614014号及び第5704556号。しかしながら本発明で特定するようなアクリル重合体の存在下における粉砕は今まで記述されていない。
【0004】
アクリル共重合体は調整された有機顔料を、コーティング及び他の材料中に分散させ、その分散状態を維持するために使用されてきた。本明細書に参考文献として引用される米国特許第5859113号及び第5219945号、並びに米国特許第4293475号、第459794号、第4734137号、第5530043号、及び第5629367号を参照。これらの分散液は、他の成分(例えば樹脂及び他の添加剤)と一緒になって、塗料及び他のコーティング、そして他の材料の製造に使用される。調整された有機顔料を液体分散液に分散させるために分散剤が使用されてきたけれども、共重合体分散剤を、乾燥粉末として分離する以前の有機顔料の調整工程に使用することはほとんど知られていない。米国特許第3806464号は顔料をアクリル重合体でカプセル化する方法を記述し、米国特許第4734137号は苛性アルカリ及びアクリル樹脂を含む溶媒中に溶解した顔料を再沈殿させる方法を記述している。しかしながらいずれの特許も、分散しうる重合体を比較的穏やかな条件下に容易に提供する本発明の決定的な特徴の粉砕法を記述していない。
【0005】
本発明は少くとも1つのアクリル共重合体分散剤を用いる調整された有機顔料の製造法に関する。ある具体例では、この方法は普通の方法の2以下のpHを有する強酸の使用を必要としない。本発明の方法で製造される調整された有機顔料は、一部コーティング組成物、塗料及び印刷インキのような顔料混入の処方物に使用することができる。本方法は、
(a)(1)1つまたはそれ以上の粗有機顔料、
(2)1つまたはそれ以上の(好ましくは芳香族官能基を吸着セグメントに有する少くとも1つの重合された単量体を含む)アクリル重合体分散剤の有機顔料に対しての少くとも約0.1重量%、及び
(3)有機顔料が実質的に不溶の粉砕液体の有機顔料に対して0−約100重量部、
を含んでなる混合物を粉砕し、そして
(b)粉砕された有機顔料を分離する、
ことを含んでなる。
【0006】
本粉砕混合物は、1つまたはそれ以上の次のもの、
(4)1つまたはそれ以上の粉砕添加剤、及び/または
(5)1つまたはそれ以上の表面処理添加剤、
を含んでいてもよい。
【0007】
粉砕の完了した時には、分離前に粉砕された顔料を沈殿させるために、1つまたはそれ以上の次のもの、
(6)1つまたはそれ以上の酸、
(7)1つまたはそれ以上の2価の金属塩、及び/または
(8)1つまたはそれ以上の第4級アンモニウム塩、
を添加してもよい。
【0008】
本発明の方法で製造されるすべての顔料は非常に分散性であり、湿式及び/または乾式コーティング系において高められた色を提供する。
【0009】
本明細書で使用されるような「粗有機顔料」とは、本発明の方法を用いて処理されてない有機顔料に関するものである。そのような粗有機顔料は、化学合成後に改変されていてもいなくてもよく、コーティング系において所望の色の性質を有しても有さなくてもよい。
【0010】
本明細書で使用されるような「調整された有機顔料」とは、化学合成後に本発明の方法で改変された有機顔料を意味する。
【0011】
本発明の方法は、粗有機顔料の粉砕或いは仕上げられた有機顔料の、1つまたはそれ以上のアクリル重合体分散剤、随意の粉砕液体、及び随意の1つまたは粉砕添加剤での再処理、続く分離を含む。粉砕混合物の成分は、好ましくは(必ずしもそうでなくてもよいが)粉砕状態においてすべてが存在するような順序で添加され、または一緒にすることができる。適当な粉砕法は、乾式粉砕法例えばジェットミル、ボールミルなど、及び湿式粉砕法例えば粉砕液体中での塩ニーディング、サンドミルなどによる。得られる有機顔料は、容易に分散できる個々の粒子またはゆるく結合した凝集物を含む。
【0012】
粗有機顔料
本発明の実施において使用される粗有機顔料は、ペリレン、キナクリドン、フタロシアニン、イソインドリン、ジオキサジン(すなわちトリフェンジオキサジン)、1、4−ジケトピロロピロール、アンスラピリミジン、アンタンスロン、フラバンスロン、インダンスロン、ペリノン、ピランスロン、チオインジゴ、4、4′−ジアミノ−1、1′−ジアンスラキノニル、及びアゾ化合物、並びにこれらの置換誘導体を含む。好適な有機顔料は、ペリレン、キナクリドン、フタロシアニン、イソインドリン、及びジオキサジン顔料である。固溶液を含む混合物も製造できる。
【0013】
本発明の実施において使用されるペリレン顔料は未置換でも置換されていてもよい。置換ペリレンは例えばアミド窒素原子が置換されていてもよく、置換基は炭素数1−10のアルキル基、炭素数1−10のアルコキシ基及びハロゲン(例えば塩素)またはこれらの組合わせを含む。置換ペリレンはいずれか1つの置換基を1つ以上含んでいてもよい。ペリレン−3、4、9、10−テトラカルボン酸のジイミド及びジ無水物は好適である。粗ペリレンは技術的に公知の方法で製造できる。ここに本明細書に参考文献として引用されるW.ハーブスト(Herbst)及びK.ハンガー(Hunger)、「工業有機顔料」(ニューヨーク、VCH出版、1993年)、9ページ及び467−475ページ、H.ゾリンガー(Zollinger)、「色化学」(VCH出版、1991年)、227−228ページ及び297−298ページ、及びH.A.ルブス(Lubs)編「合成染料と顔料」[フロリダ、マラバー(Malabar)、R.E.クリガー(Krieger)出版社、1995年]、481−482ページのM.A.パーキンス(Perkins)、「ピリジンとピリドン」を参照のこと。
【0014】
フタロシアニン顔料、特に金属フタロシアニンは、本発明の実施に使用できる。銅フタロシアニンが好適であるけれども、他の金属フタロシアニン顔料、例えば亜鉛、コバルト、鉄、ニッケル及び他の同様な金属を含むものも使用できる。無金属フタロシアニンも適当であるが、一般には好適でない。フタロシアニン顔料は未置換でも、部分的に例えば1つまたはそれ以上のアルキル(炭素数1−10)、アルコキシ(炭素数1−10)、ハロゲン例えば塩素、或いはフタロシアニン顔料に典型的な他の置換基で置換されていてもよい。粗フタロシアニンは技術的に公知の方法で製造できる。それらは好ましくは無水フタル酸、フタロニトリル、またはそれらの誘導体を、金属供与体、窒素供与体(例えば尿素またはフタロニトリル自体)、及び随意の触媒と、好ましくは有機溶媒中で反応させることによって製造される。例えば本明細書に参考文献として引用されるW.ハーブスト (Herbst)及びK.ハンガー(Hunger)、「工業有機顔料」(ニューヨーク、VCH出版、1993年)、418−427ページ、H.ゾリンガー(Zollinger)、「色化学」(VCH出版、1991年)、101−104ページ、及びH.A.ルブス(Lubs)編「合成染料と顔料」[フロリダ、マラバー(Malabar)、R.E.クリガー(Krieger)出版社、1995年]、548−587ページのN.M.ビゲロウ(Bigelow)及びM.A.パーキンス(Perkins)、「フタロシアニン顔料」、更に米国特許第4158572号、第4257951号、及び第5175282号、並びに英国特許第1502884号を参照のこと。
【0015】
本発明で使用されるようなキナクリドン顔料は、未置換のまたは(例えば1つまたはそれ以上のアルキル、アルコキシ、ハロゲン例えば塩素、或いはキナクリドンに典型的な他の置換基で)置換のキナクリドンを含み、本発明の実施に対して適当である。キナクリドン顔料は技術的に公知のいくつかの方法で製造できるが、好ましくは種々の2、5−ジアニリノテレフタル酸前駆体をポリリン酸の存在下に熱的に閉環させることによって製造できる。例えばS.S.ラバナ(Labana)及びL.L.ラバナ、「キナクリドン」、ケム・レブ(Chem.Rev.)、67、1−18(1967)、及び米国特許第3157659号、第3256285号、第3257405号、及び第3317539号を参照のこと。
【0016】
随時対称的にまたは非対称的に置換されていてよいイソインドリン顔料も、本発明の実施に適当であり、技術的に公知の方法で製造できる。例えばW.ハーブスト(Herbst)及びK.ハンガー(Hunger)、「工業有機顔料」 (ニューヨーク、VCH出版、1993年)、398−415ページを参照。特に好適なイソインドリン顔料のピグメント・イエロー139は、イミノイソインドリン及びバルビツル酸前駆体の対称的付加物である。
【0017】
ジオキサジン顔料(即ちトリフェンジオキサジン)も、適当な有機顔料であり、技術的に公知の方法で製造できる。例えばW.ハーブスト(Herbst)及びK.ハンガー(Hunger)、「工業有機顔料」(ニューヨーク、VCH出版、1993年)、534−537ページを参照。カルバゾール・バイオレット23は特に好適なジオキサジン顔料である。
【0018】
適当な出発顔料は、良好な分散性または色の性質を示さない大きい粒径の有機顔料を含む。そのような大粒径の顔料は、調整剤(アクリル共重合体(1)を含む)を用いて製造し、続いて回収し、常法で単に粉砕したとしても、有意に改良された性質を示さない。しかしながら、均一に予備処理された大粒径の顔料の分散性は、本発明に従いアクリル共重合体の存在下に粉砕することによって改善される。
【0019】
適当な出発顔料は、粒子が小さいけれども凝集している、即ち最適な分散性や色の性質を示さない有機顔料も含む。例えば粒径を減じる多くの方法、例えば乾式粉砕(例えばジェットミル、ボールミルなど)は、貧弱な分散性や色の性質を示す凝集体を生成する。本発明の方法はそのように凝集した顔料を容易に分散しうる形に転化するために使用できる。
【0020】
本発明の方法は、良好な色の性質または物理性を提供すると予想されるよりも小さい粒径を有する顔料の製造を可能にする。今回本発明の方法で製造される非常に細かい粒径の顔料は、優秀な色の性質及び分散性とレオロジー性の有利な組合わせを示す。
【0021】
共重合体分散剤
本発明の方法によれば、粗有機顔料及びアクリル共重合体分散剤を含む混合物を粉砕することによって、調整された有機顔料が製造される。アクリル共重合体分散剤の濃度は粗有機顔料に対して少くとも約0.1重量%(好ましくは0.1−100重量%、最も好ましくは2−20重量%)である。好適に使用されるアクリル共重合体分散剤は、少くとも1つの吸着セグメント及び少くとも1つの安定化セグメントを含む。特別な理論によって束縛されたくはないが、吸着セグメントは一部共重合体の有機顔料への付着に機能し、一方安定化セグメントは一部顔料の液体中における分散安定性を維持するものと考えられる。
【0022】
吸着セグメントは、好ましくは芳香族官能基、より好ましくはベンジル官能基を有する少くとも1つの重合された単量体を含む。本発明のアクリル重合体分散剤を製造するために使用される芳香族官能基を含む単量体は、一部その、芳香族顔料に結合する理論的な能力に基づいて選択される。そのような重合された単量体は、芳香族アクリレート(例えばアクリル酸ベンジル、アクリル酸ナフチル、アクリル酸フェノキシ)、芳香族メタクリレート(例えばメタクリル酸ベンジル、メタクリル酸ナフチル、メタクリル酸フェノキシ)、或いは芳香族アクリレートを含む単量体の組合わせ物から製造される。吸着セグメントは、芳香族官能基を含む重合された単量体の他に、他の重合された単量体を含んでいてよく、単量体、例えば(メタ)アクリル酸アルキル、アルキルの炭素数が1−4のメタクリル酸アルキルアミノアルキル単量体(例えばメタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジプロルアミノエチル、メタクリル酸ジブチルアミノエチル、これらのアクリレートエステル)、或いはこれらの組合わせ物から製造される。
【0023】
安定化セグメントは、単量体、例えば(メタ)アクリル酸アルキル、メタクリル酸、アクリル酸、シランでブロックされた、但し続いてアルコールまたは水との反応でブロック基を除いたヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、或いはこれらの組合わせ物から製造される重合された単量体を含む。これらのヒドロキシ官能性の単量体は、共重合体分散剤をコーティング系に架橋させ、順次その分散剤を網目構造の一部にならしめ、コーティングの接着性を改善せしめることを可能にする点を付与するために導入することができる。
【0024】
本発明の実施において使用できる適当な(メタ)アクリル酸アルキルは、アルキル基の炭素数が1−12のもの、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロル、アクリル酸イソプロル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロル、メタクリル酸イソプロル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸ラウリル、など及びこれらの混合物を含む。
【0025】
本発明のアクリル重合体分散剤は、約4000−約25000(好ましくは約5000−約15000)の数平均分子量を有する。吸着セグメントは、約2000−約11000(好ましくは約4000−約7000)の数平均分子量を有する。安定化セグメントは、約2000−約15000(好ましくは約4000−約7000)の数平均分子量を有する。
【0026】
有機顔料における吸着セグメント及び安定化セグメントの位置は、アクリル共重合体分散剤の構造に依存して変えることができる。本発明のアクリル重合体分散剤は、ランダム、ブロック、またはグラフト共重合体、好ましくはブロック共重合体であってよい。本発明のブロック共重合体は例えばAB、ABA、またはABC構造を有することができる。このブロックA、BまたはCの少くとも1つは安定化セグメントでなければならない。本発明のブロック共重合体は、更なる第3のセグメントを含むことができる。
【0027】
本発明のグラフト共重合体分散剤は、主鎖(backbone)セグメントと側鎖セグメントを有する。主鎖セグメントと側鎖セグメントのいずれかは安定化セグメントでなければならない。好ましくは主鎖セグメントは吸着セグメントであり、側鎖セグメントは安定化セグメントである。
【0028】
本発明のランダム共重合体分散剤は、吸着セグメントと安定化セグメントが重合体分散剤鎖中にランダムに位置している。
【0029】
本発明のアクリル共重合体分散剤は、ウェブスター(Webster)、J.アム・ケム・ソク(Am.Chem.Soc.)、105、5706(1983)に報告されている基転移重合(Group Transfer Polymerization、GTP)法;モートン(Morton)、アニオン重合:理論と実際[ニューヨーク、アカデミック・プレス(Academic Press)、1983年]に報告されているアニオン重合;K.J.アイビン(Ivin)及びT.三枝編、開環重合[ニューヨーク、エルセビア・アプライド・サイエンス出版(Elsevier Applied Science Publisher)、1984年]、第1巻、461ページの開環重合に報告されている開環重合法、或いは米国特許第5231131号に報告されている特殊連鎖移動(Special Chain Transfer、SCT)法を用いて製造できる。
【0030】
粉砕液体
本発明の方法は、1つまたはそれ以上の粗有機顔料、1つまたはそれ以上のアクリル共重合体分散剤、及び随意の粉砕液体を含んでなる粉砕混合物を含む。この粉砕液体の量は、有機顔料に対して約0−約100重量部(好ましくは1−15重量部)である。適当な粉砕液体は、使用するならば、水、脂肪族アルコール(例えばメタノール)、ケトン及びケトアルコール(例えばアセトン、メチルエチルケトン、及びジアセトンアルコール)、アミド(例えばジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミド)、エーテル(例えばテトラヒドロフラン及びジオキサン)、アルキレングリコール及びトリール(例えばエチレングリコール及びグリセロール)、及び技術的に公知の他の有機液体、並びにこれらの混合物を含む。他の液体も使用できるが、一般により好適でない。
【0031】
粉砕添加剤
粉砕添加剤も、通常の量(例えば顔料に対して0.1ー50重量%)で粉砕混合物に添加しうる。適当な粉砕添加剤の例は、無機化合物(例えば金属塩)、表面活性剤、分散剤(例えば有機顔料、特にペリレン、フタロシアニン、またはキナクリドンのスルホンアミド、カルボキサミド、またはアミノアルキル誘導体)、湿潤剤、消泡剤、粉砕助剤、ラテックス、またはこれらの混合物を含む。ある場合には、特にアクリル共重合体分散剤が酸性の官能基を含むならば、1つまたはそれ以上の無機及び/または有機塩基も添加できる。
【0032】
表面処理添加剤
粉砕前、中、または後に、顔料は表面処理添加剤で処理することができ、これは粉砕混合物に直接添加できる。適当な表面処理添加剤は、アクリル共重合体、脂肪酸(例えばステアリン酸またはベヘン酸)、対応するアミド、エステル、またはその塩(例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、またはベヘン酸マグネシウム)、ロジン酸(例えばアビエチン酸、ロジン石鹸、水素化または二量化ロジン)、C12−C18パラフィン−ジスルホン酸、スルホン化ジカルボン酸、対応するエステルまたはアミド(例えばスルホサクシネート、スルホサクシナメート、及びこれらの誘導体)、アルキルホスフェート及びホスホネート、長鎖脂肪族アミン(例えばラウリルアミンまたはステアリルアミン)、ポリアミン(例えばポリエチレンイミン)、第4級アンモニウム化合物(例えばトリ[(C1 −C4 アルキル)ベンジル]アンモニウム塩)、アルキルフェノ−ル、アルコール及びジオール(例えばステアリルアルコール及びドデカン−1、2−ジオール)、アルコキシル化脂肪酸及びアミド、アルコキシル化アルコール、アルコキシル化アルキルフェノール、及びグリコールエステル、ワックス(例えばポリエチレンワックス)、可塑剤(例えばエポキシ化大豆油)、またはこれらの組合わせを含む。そのような添加剤は、本発明による表面活性剤の量に基づいて約0.1−20重量%(好ましくは0.1−5重量%)の範囲の量で混入できる。
【0033】
粉砕工程に先立って、粗有機顔料(または有機顔料の混合物)、アクリル共重合体分散剤(またはその混合物)、粉砕液体(またはその混合物)、及び必要ならば1つまたはそれ以上の粉砕添加剤及び/または1つまたはそれ以上の表面処理添加剤は、いずれかの順序で一緒にすることができる。好ましくは、すべてのそのような成分は、粉砕混合物中の全固体含量が0−100重量%(好ましくは15−50重量%)であるように粉砕前に一緒にすることができる。
【0034】
粉砕は公知の乾式粉砕法、例えばジェットミル、ボールミルなど、或いは公知の湿式粉砕法、例えば塩ニ−ディング、サンドミル、ビーズミルなどで行える。特別な粉砕装置を一般に言及はしないが、適当な粉砕は種々の粉砕媒体を含む水平ミル[例えばアイガー(Eiger)ミル、ネッツ(Netsch)ミル、及びスパ−(Super)ミル]、垂直ミル、ボールミル、アトリター(attritor)、振動ミルなどで行われる。適当な粉砕媒体は、塩、砂、ガラスビーズ(例えばバリウムチタネート、石灰、またはボロシリケートビーズ)、セラミックビーズ(例えばジルコニア、ケイ酸ジルコニウム、及びアルミナビーズ)、或いは金属ビーズ(例えばステンレススチール、カーボンスチール、及び炭化タングステンビーズ)を含む。適当な粉砕機及び粉砕法は、例えば米国特許第5704556号及び顔料ハンドブック[ニューヨーク、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons)、1973年)、第III巻、396ページに議論されている。使用する特別な粉砕法とは無関係に、粗有機顔料、アクリル共重合体分散剤、及び随意の成分の混合物は、所望の粒径と粒径分布が達成されるまで粉砕される。用いる特別な粉砕装置に依存して、粉砕は一般に0−60℃(好ましくは15−40℃)の温度で行われる。粉砕時間は一般に粉砕する量及び粉砕機の容量に依存する。例えば300−500mlの空の粉砕室容量を有する粉砕機を使用する時、固体含量20−25%で顔料約300gを含むスラリ−は、一般に約3−約8時間(典型的には約5時間)粉砕される。
【0035】
粉砕工程が完結した後、顔料または粉砕混合物を随意に溶媒処理することができる。適当な溶媒は、水、無機酸(例えば硫酸またはリン酸)、有機酸(例えばギ酸または酢酸)、アルコール(例えばメタノール、エタノール、またはエチレングリコ−ル)、環式または開鎖エーテル(例えばジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノアルキルまたはジアルキルエーテル、及びオリゴ及びポリグリコールエーテル)、ケトン(例えばアセトンまたはメチルエチルケトン)、芳香族(例えばトルエン、キシレン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、またはクロロナフタレン)、エステル(例えば安息香酸メチル、フタル酸ジメチル、琥珀酸ジメチル、またはサリチル酸メチル)、アミド(例えばホルムアミド、ジメチルホルムアミド、Nーメチルピロリドン)、及びこれらの混合物を含む。溶媒処理は一般に約10−約200℃の温度(好ましくは60−145℃の昇温度)で行われる。
【0036】
粉砕後、酸を粉砕混合物に添加して、沈殿を促進し(且つこれによって分離を容易にし)、並びにアクリル重合体の顔料表面への結合を改善してもよい。特に酸基を有するアクリル重合体はその場合である。適当なそのような酸は、希鉱酸(例えば塩酸、硫酸、リン酸、またはこれらの混合物)、及び有機酸(例えば酢酸、ギ酸またはこれらの混合物)を含む。無機塩(主に2価の金属塩)、有機塩(主に第4級アンモニウム塩)、またはこれらの混合物も、粉砕された顔料を沈殿させて、分離の補助をするために添加できる。
【0037】
粉砕後、調整された顔料は、粉砕混合物から、技術的に公知の1つまたはそれ以上の分離法によって分離することができる。濾過、続く洗浄による残存塩及び溶媒の除去は、好適な分離法である。技術的に公知の他の捕集法、例えば棚乾燥、噴霧乾燥、スピンフラッシュ乾燥、リオフィライゼ−ション(lyophilization)、遠心分離、または単純な傾斜も適当な分離法である。そのような方法は、個々にまたは組合わせて使用できる。
【0038】
本発明によって調整された顔料は、特にその例外的な分散性、その光安定性、及びその移動性に関して、多くの顔料の用途に適当である。例えば調整された顔料は、乾燥し、コ−ティング系における成分として使用することができる。本発明の方法によって製造した調整された顔料は、例えば水性コーティング系に容易に分散しうる。また調整された顔料は、他の材料、例えば顔料処方物(無機白色顔料、例えば二酸化チタン(ルタイル)、セメント、無機顔料、有機液体またはペーストを含むフラッシュされたペースト、水、分散剤、及び適当ならば保存剤を有する顔料分散液を含む)、コーティング組成物(塗料、好ましくは自動車塗料、電子コーティング塗料、物理的にまたは酸化的に乾燥させるラッカー、ストービング・エナメル、反応性塗料、2成分塗料、溶媒または水に基づく塗料、耐候性コーティング及び水性塗料用の乳化塗料、インキジェットインキを含む印刷インキ、または着色紙を含む)と混合してもよい。
【0039】
本発明の調整された顔料は、高分子材料、特に合成高分子材料と共に使用するのに適当である。その例はプラスチック材料、例えばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、及びポリプロピオン酸ビニル、ポリオレフィン、例えばポリエチレン及びポリプロピレン、高分子量のポリアミド、アクリレート、メタクリレート、アクリロニトリル、アクリルアミド、ブタジエン、またはスチレンの重合体及び共重合体、ポリウレタン、及びポリカーボネートを含む。他の適当な高分子物質は、天然起源のもの、例えばゴム、化学的改変で得られたもの、例えばアセチルセルロース、セルロースブチレート、またはビスコース、或いは合成されたもの、例えば重合体、重付加生成物、及び重縮合物を含む。本発明の調整された顔料を含む材料は、成形品、フィルム、及び繊維を含めて所望の形態または形をしていてよい。
【0040】
次の実施例は、本発明を更に説明するが、本発明の精神または範囲を限定するものではない。同業者は、容易に他の変化のあることを理解するであろう。断らない限り、すべての温度は摂氏、すべてのパーセント及び部はそれぞれ重量%及び重量部である。
【0041】
実施例
本発明の調整された顔料の製造法は、粗有機顔料、アクリル共重合体分散剤、及び粉砕液体を含んでなる粉砕混合物の粉砕を含む。本発明において使用される重合体分散剤の例は下記の通りである。ここに言及するすべての分子量は、ポリスチレン標準物質を用いるゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で決定した。
【0042】
重合体分散剤1
重合分散剤1は、重合体分散剤の吸着セグメントにベンジル官能基及びアミン官能基を有する単量体を含むABブロック共重合体であり、GTP法を用いて製造される。
【0043】
撹拌機、凝縮器、加熱マントル、窒素導入口、熱電対、及び添加口を備えた5リットルのフラスコに、テトラヒドロフラン1600g及びp−キシレン3.8g、次いでアセトニトリル中触媒テトラブチルアンモニウムm−クロロベンゾエ−トの1.0M溶液0.6mLを添加した。更にフラスコには、開始剤1、1−ビス(トリメチルシロキシ)−2−メチルプロパンの0.140M溶液32.5gを200分間にわたって注入した。メタクリル酸トリメチルシリル265.0g(1.67モル)、メタクリル酸ブチル298.0(2.10モル)、メタクリル酸メチル140.0(1.40モル)、及びメタクリル酸トリメチルシロキシエチル141.0g(0.70モル)からなる供給物IIを45分間にわたって添加した。供給物IIの添加から100分後に、単量体の90%以上が反応した。そしてメタクリル酸ベンジル616.0(3.46モル)及びメタクリル酸ジメチルアミノエチル154.0g(0.98モル)からなる供給物IIIを30分間にわたって添加した。400分後、得られた混合物にメタノール150gを添加して、反応を停止し、ヒドロキシ基の脱ブロックをし、酸単量体及び溶媒の蒸留を開始した。蒸留の第1段階中、溶媒400.0gを除去した。メタノール100gを添加し、更に溶媒200.0gを留去した。得られた重合体溶液は50%の固体含量を有し、また重合体は次の組成を有した:メタクリル酸ベンジル(BZMA)/メタクリル酸ジメチルアミノエチル(DMAEMA)//メタクリル酸ブチル(BMA)/メタクリル酸メチル(MMA)/メタクリル酸ヒドロキシエチル(HEMA)/メタクリル酸(MAA)、モル比25/7//15/10/5/12。この重合体は10300の重量平均分子量、9400の数平均分子量、及び1.1の多分散性を有した。重合体溶液を、使用前に脱イオン水及びイソプロピルアルコ−ル1:1のアルコール混合物で固体含量27%まで希釈した。
【0044】
重合体分散剤2
重合体分散剤2は、主鎖にベンジル官能基を含む重合された単量体を含むグラフト重合体であり、SCT法で製造した。重合体分散剤2は2段階で製造した。第1段階はマクロモノマー(マクロモノマ−I)の生成からなる。第2段階はこのマクロモノマーを他の成分と反応させて、マクロ分岐共重合体を生成させることからなる。マクロモノマーは、温度計、撹拌機、滴下漏斗、及び還流凝縮器を備えた反応器に、次の成分を窒素流下に仕込むことによって製造した。
【0045】
マクロモノマーI:BMA/MMA/HEMA/MAA(40/28/12/20)
マクロモノマーIは、次の成分を用いて製造した。その量は重量部で示す。
第I部分を加熱して、約20分間還流させた。第II部分を添加し、その組成物を約5分間還流下に保った。第III部分を容器及び第II部分からの供給導管の濯ぎに使用した。第IV及びV部分を同時に添加し、反応を還流下に維持した。第IV部分を330分かけて完了し、第V部分を240分で添加した。第IV部分及び第V部分を添加した後、反応を還流下に更に15分間継続し、次いで室温まで冷却した。
【0046】
得られたマクロモノマー溶液は、アクリル酸ブチル40%、MMA28%、HEMA12%、及びMAA20%を有した。溶媒を真空下に除去し、マクロモノマーを下記のように使用してグラフト共重合体を製造した。マクロモノマーは固体含量47.8%、数平均分子量1888、重量平均分子量3286、及び多分散性1.74を有した。このマクロモノマーを、反応前に2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール[アングス・ケミカル(Angus Chemical)からAMP−95として入手]で中和した。
【0047】
グラフト共重合体は撹拌機、熱電対、及び凝縮器を備えた反応器に、窒素を流しながら次の成分を仕込むことによって製造した。量は重量部で示してある。
第I部分を約20分間還流するまで加熱した。第II部分を2−3分にわたって反応器に仕込んで、マクロモノマーを中和した。反応を10分間還流下に保った。第III部分を2−3分にわたって反応器に仕込み、反応を10分間還流下に保った。第IV部分を2段階で添加し、10分間還流温度に保ち、マクロモノマー上に残されたコバルトと反応させた。第V部分を供給速度6g/分で180分間反応器に仕込んだ。第VI部分(VAZO52開始剤)を供給速度0.5576g/分で240分間添加した。第VII部分(最終量の開始剤)を供給速度8.0g/分で15分間添加した。
【0048】
得られた分岐共重合体溶液は固体含量63%を有し、重合体は次の組成を有した:[60]BA/BZMA/DMAEMA(50/30/20)/[40]BMA/MMA/HEMA/MAA(40/28/12/20)。重合体は6000の重量平均分子量、3500の数平均分子量、及び1.7の多分散性を有した。
【0049】
重合体分散剤3
重合体分散剤3は、重合体分散剤1の数平均分子量が20%高いものであった。この重合体は重合体分散剤1に対して記述したようにGTP法で製造した。その高い分子量は1、1−ビス(トリメチルシロキシ)−2−メチルプロパン開始剤の0.140Mを20%少なく(または32.5gの代わりに26.0g)用いて達成した。この重合体は次の組成を有した:BZMA/DMAEMA/BMA/MMA/HEMA/MAA、モル比31/9/19/13/6/15。重合体は12800の重量平均分子量、11000の数平均分子量、及び1.1の多分散性を有した。この重合体溶液を、使用前に脱イオン水及びイソプロピルアルコールの1:1混合物で固体含量35%まで希釈した。
【0050】
重合体分散剤4
重合体分散剤4は、重合体分散剤1の数平均分子量が20%低いものであった。この重合体は重合体分散剤1に対して記述したようにGTP法で製造した。その低い分子量は1、1−ビス(トリメチルシロキシ)−2−メチルプロパン開始剤の0.140Mを20%多く(または32.5gの代わりに40.6g)用いて達成した。この重合体は次の組成を有した:BZMA/DMAEMA/BMA/MMA/HEMA/MAA、モル比20/6/12/8/4/9。重合体は8240の重量平均分子量、7500の数平均分子量、及び1.1の多分散性を有した。この重合体溶液を、使用前に脱イオン水及びイソプロピルアルコール1:1の混合物で固体含量35%まで希釈した。
【0051】
重合体分散剤5
重合体分散剤5は、重合体分散剤1の酸が20%低いものであった。この重合体は重合体分散剤1に対して記述したようにGTP法で製造した。その20%低い酸は供給物IIにおけるメタクリル酸トリメチルシリル単量体を20%少なく (または265gの代わりに212g)用いて達成した。この重合体分散剤5は次の組成を有した:BZMA/DMAEMA/BMA/MMA/HEMA/MAA、モル比25/7/15/10/5/9。重合体は1000の重量平均分子量、9100の数平均分子量、及び1.1の多分散性を有した。
【0052】
重合体分散剤6
重合体分散剤6は、重合体分散剤1の酸が20%多いものであった。この重合体は重合体分散剤1に対して記述したようにGTP法で製造した。その20%多い酸は供給物IIにおけるメタクリル酸トリメチルシリル単量体を20%多く(または265gの代わりに320g)用いて達成した。重合体分散剤6は次の組成を有した:BZMA/DMAEMA/BMA/MMA/HEMA/MAA、モル比25/7/15/10/5/15。重合体は10600の重量平均分子量、9600の数平均分子量、及び1.1の多分散性を有した。この重合体溶液を、使用前に脱イオン水及びイソプロピルアルコールの1:1混合物で固体含量35%まで希釈した。
【0053】
重合体分散剤7
重合体分散剤7は、重合体分散剤1と同様であったが、ブロックのAセグメントにおけるアミン官能基が欠けていた。この重合体は重合体分散剤1に対して記述したようにGTP法で製造した。アミンの重合体からの排除は、供給物IIにおけるメタクリル酸トリメチルシロキシエチル単量体141.0gを除くことによって達成した。重合体分散剤7は次の組成を有した:BZMA/BMA/MMA/HEMA/MAA、モル比30/15/10/5/15。重合体は10200の重量平均分子量、9300の数平均分子量、及び1.1の多分散性を有した。
【0054】
重合体分散剤8
重合体分散剤8は、重合体分散剤2と同様のグラフト共重合体であり、同一の方法で製造した。顔料の安定化に使用したマクロモノマーは、100%アニオン性でなく、アニオン性と非イオン性の混合であった。アニオン性マクロモノマーはBMA/MMA/HEMA/MAA、モル比40/28/12/20であった。非イオン性マクロモノマーは、分子量2000のポリエチレングリコールメタクリレートであるビソマー(Bisomer)20Wであった。得られた分岐共重合体は水、メチルエチルケトン、及びイソプロパノールの溶液中固体42%であった。この重合体は次の組成を有した:[60]BA/BZMA/DMAEMA(50/30/20)//[40]BMA/MMA/HEMA/MAA(40/28/12/20)/ビソマー20W(50/50)。
【0055】
重合体分散剤9
重合体分散剤9は、重合体分散剤4と同様のABブロック重合体であったが、重合体分散剤2に対して記述したようにSCT法で製造した。得られた重合体溶液は35%の固体含量と次の組成を有した:アクリル酸ベンジル/DMEAMA//BA/アクリル酸メチル/アクリル酸ヒドロキシメチル(HEA)/アクリル酸(AA)(15/4//9/6/3/7)。この重合体は6000の重量平均分子量及び2の多分散性を有した。
【0056】
重合体分散剤10
重合体分散剤10は、SCT法を用いて製造した櫛形分散剤重合体であり、重合体分散剤2と同様であった。得られた分岐共重合体溶液は固体含量60%と次の組成を有した:[60]BA/BZMA/DMEAMA(50/20/20)//[40]BMA/MMA/HEMA/MAA(40/28/12/20)。
【0057】
重合体分散剤11
重合体分散剤11は、重合体分散剤3の製造に記述したようなSCT法を用いて製造した櫛形分散剤重合体であった。得られた分岐共重合体溶液は芳香族官能基を持たず、固体含量60%と次の組成を有した:[69]BA/MA/AA (45.5/445.5/9)//[31]MMA/MAA(71.25/28.75)。
【0058】
重合体分散剤12
重合体分散剤12は、MMA、BA、AA、及びメルカプトエタノール(2−MERE)の、モル比54.9/33.6/9.8/1.7のランダムアクリル重合体であり、8000の重量平均分子量、4000の数平均分子量、及び2の多分散性を有した。この重合体は、本明細書に参考文献として引用される米国特許第4656226号に記述されている標準的なアニオン重合法で製造した。この重合体溶液を、使用前に脱イオン水で固体含量35%まで希釈した。
【0059】
顔料の粉砕
上述した重合体分散剤を用いて、調整された有機顔料を製造し、これに対する色の性質を表に示す。実施例1−13は本発明によるペリレン顔料を含むアクリル重合体分散剤の使用を例示する。対照実施例1は、アクリル重合体分散剤をペリレン顔料と物理的に混合することによる顔料組成物の製造を例示する。
【0060】
実施例14及び15はキナクリドン顔料を含むアクリル重合体分散剤の使用を例示する。対照実施例2及び3はアクリル重合体分散剤をキナクリドン顔料と物理的に混合することによる顔料組成物の製造を例示する。
【0061】
対照実施例1
粗N、N−ジメチルペリレンジイミド50gを、水200ml中において重合体分散剤1の27.7g(顔料に基づいて活性物15%)と1時間撹拌した。この懸濁液を濃塩酸でpH3以下の酸性にし、更に1時間撹拌した。顔料を真空濾過で集め、酸のなくなるまで洗浄し、80℃の炉で乾燥し、ブレンダーで粉砕して調整された組成物顔料約57gを得た。
【0062】
試験結果を表1に示す。
【0063】
実施例1
粗N、N−ジメチルペリレンジイミド顔料(C.I.ピグメント・レッド179)200gを、水900ml中において重合体分散剤1の111g(顔料に基づいて活性物15%)と一緒にした。このスラリーを1時間撹拌して、均一なスラリーとした。このスラリーを、0.3−0.4mmのケイ酸ジルコニウムビーズを仕込んだ水平型粉砕機に添加し、6時間粉砕した。粉砕が完了した後、粉砕物を取出し、水で濯ぎ、一緒にしたスラリーと洗浄水を、顔料が沈殿するまで (濃密度化により観察され、約4以下のpH)濃塩酸で酸性にした。沈殿したスラリーを1時間撹拌し、顔料を真空濾過で集めた。この顔料を、酸のなくなるまで洗浄し、80℃の炉で乾燥し、ブレンダーで粉砕して調整された組成物顔料213gを得た。
【0064】
試験結果を表1に示す。
【0065】
実施例2
粗ペリレン顔料300g及び重合体分散剤1(顔料に基づく活性物15%)を水1200g中で先ずスラリーにする以外、実施例1の方法に従った。スラリーを4時間粉砕した。1時間の粉砕後、消泡剤[BYKヘミー(Chemie)からByk023として入手]を添加した。粉砕後、取り出したスラリーを半分ずつに分けた。その半分を濃HClでpH4.1まで酸性にした。次いで試料を濾過し、洗浄し、60℃で乾燥した。調整された顔料を全部で151g得た。
【0066】
試験結果を表1に示す。
【0067】
実施例3
実施例2の粉砕したスラリーの第2の半分を、水20ml中塩化カルシウム2水和物10gで処理した。試料を濾過し、洗浄し、60℃で乾燥した。調整された顔料を全部で152.7g得た。
【0068】
試験結果を表1に示す。
【0069】
実施例4
粗ペリレン顔料200gをアクリルラテックス(メタクリル酸アリル/メタクリル酸メチル/メタクリル酸/アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸ブチルの重合体の、水性媒体中固体32.7%、顔料に基づいて活性物5%)37g及び重合体分散剤1(顔料に基づいて活性物10%)74gと共にスラリーにした。このスラリーを6時間粉砕した。取り出したスラリーをpH2.2まで酸性にし、濾過し、洗浄し、乾燥した。調整された乾燥顔料を全部で215g得た。
【0070】
試験結果を表1に示す。
【0071】
実施例5
粗ペリレン顔料250gを、水880g中重合体分散剤2(顔料に基づいて活性物15%)59.6gとスラリーにする以外、実施例1の方法に従った。このスラリーを6時間粉砕した。その後スラリーを取り出し、濃HClでpH4まで酸性にし、上述のように分離した。調整された顔料を全部で231g得た。
【0072】
試験結果を表1に示す。
【0073】
実施例6
粗ペリレン顔料250gを、水1000g中重合体分散剤3(顔料に基づいて活性物15%)107gとスラリーにする以外、実施例1の方法に従った。このスラリーを5時間粉砕した。その後スラリーを取り出し、濃HClでpH2.1まで酸性にし、上述のように分離した。調整された顔料を全部で279g得た。
【0074】
試験結果を表1に示す。
【0075】
実施例7
粗ペリレン顔料250gを、水1000g中重合体分散剤4(顔料に基づいて活性物12%)85.7gとスラリーにする以外、実施例1の方法に従った。この試料を全部で6時間粉砕した。粉砕2.5時間後に、スラリーの粘度を減じるために、スラリーが濃密になるにつれて残りの粉砕3.5時間にわたって、更なる分散剤を徐々に添加した。更に分散剤を79g(活性物28g、顔料に基づく更なる活性物11%)を添加し、分散剤の全量を顔料に基づく活性物23%にした。顔料を上述したように分離した。そして調整された顔料を全部で270g得た。
【0076】
試験結果を表1に示す。
【0077】
実施例8
粗ペリレン顔料250gを、水880g中重合体分散剤6(顔料に基づいて活性物15%)107gとスラリーにする以外、実施例1の方法に従った。この試料を6時間粉砕した。その後顔料スラリーを取り出し、濃HClでpH4まで酸性にし、上述のように分離した。調整された顔料を全部で263g得た。
【0078】
試験結果を表1に示す。
【0079】
実施例9
粗ペリレン顔料250gを、水880g中重合体分散剤8(固体42%、顔料に基づく活性物15%)89.3gとスラリーにする以外、実施例1の方法に従った。この試料を6時間粉砕した。その後顔料スラリーを取り出し、濃HClでpH4まで酸性にし、上述のように分離した。調整された顔料を全部で226g得た。
【0080】
試験結果を表1に示す。
【0081】
実施例10
粗ペリレン顔料250gを、水880g中重合体分散剤9(固体35%、顔料に基づく活性物12.3%)87.5gとスラリーにする以外、実施例1の方法に従った。この試料を6時間粉砕した。その後顔料スラリーを取り出し、濃HClでpH4まで酸性にし、上述のように分離した。調整された顔料を全部で229g得た。
【0082】
試験結果を表1に示す。
【0083】
実施例11
粗ペリレン顔料250gを、水880g中重合体分散剤9(固体60%、顔料に基づく活性物15%)62.5gとスラリーにする以外、実施例1の方法に従った。この試料を6時間粉砕した。その後顔料スラリーを取り出し、濃HClでpH4まで酸性にし、上述のように分離した。調整された顔料を全部で239g得た。
【0084】
試験結果を表1に示す。
【0085】
実施例12
粗ペリレン顔料350gを、水700g中重合体分散剤11(固体35.48%、顔料に基づく活性物15%)148gとスラリーにする以外、実施例1の方法に従った。この試料を5時間粉砕し,その後顔料スラリーを取り出し、濃HClでpH4まで酸性にし、上述のように分離した。調整された顔料を全部で347.6g得た。
【0086】
実施例13
粗N、N−ジメチルペリレンジイミド顔料の250gを、水1000ml中において重合体分散剤12の106.7gと一緒にした。このスラリーを1時間撹拌して、均一なスラリーとした。この試料を6時間粉砕し,その後顔料スラリーを取り出し、濃HClでpH2まで酸性にし、上述のように分離した。調整された顔料を全部で250g得た。
【0087】
対照実施例2
メタノールから粗形で単離された粗ジクロロキナクリドン顔料25gを、水100ml中において重合体分散剤1の13.9g(顔料に基づいて活性物15%)と1時間撹拌した。この懸濁液を濃塩酸でpH1.9以下の酸性にし、更に1時間撹拌した。顔料を真空濾過で集め、酸のなくなるまで洗浄し、80℃の炉で乾燥し、ブレンダーで粉砕して調整された組成物顔料約29.1gを得た。
【0088】
試験結果を表2に示す。
【0089】
実施例14
メタノールから粗形で単離された粗ジクロロキナクリドン顔料(C.I.ピグメント・レッド202)200g及び重合体分散剤1の111g(顔料に基づいて活性物15%)を水800ml中においてスラリーとする以外、実施例1の方法に従った。このスラリーに、サーフィノール(Srfynol)104消泡剤1g及びAMP−95の3gを添加した。このスラリーを5時間粉砕した。この間、スラリーはかなり増粘した。次いでスラリー中の全固体が10重量%になるように、重合体分散剤1を更に28.32g(顔料に基づく活性物3.8%、全量で顔料に基づいて18.8%まで負荷)及び水を添加した。粉砕後、取り出したスラリーを濃HClでpH2まで酸性にし、上述のように分離した。調整された顔料を全部で226g得た。
【0090】
試験結果を表2に示す。
【0091】
対照実施例3
水から粗形で単離された粗ジクロロキナクリドン顔料20gを、水100ml中において重合体分散剤1の11.1g(顔料に基づいて活性物15%)及びサーフィノール104消泡剤0.03gと1時間撹拌した。この懸濁液を濃塩酸でpH2.5以下の酸性にし、更に1時間撹拌した。顔料を真空濾過で集め、酸のなくなるまで洗浄し、80℃の炉で乾燥し、ブレンダーで粉砕して調整された組成物顔料約24.7gを得た。
【0092】
試験結果を表3に示す。
【0093】
実施例15
水から粗形で単離された粗ジクロロキナクリドン顔料200g及び重合体分散剤1の111g(顔料に基づいて活性物15%)を水800ml中においてスラリーとする以外、実施例1の方法に従った。このスラリーに、サーフィノール (Srfynol)104消泡剤0.25gを添加した。スラリーを5時間粉砕した。この間、スラリーはかなり増粘した。次いで重合体分散剤1を更に37g(顔料に基づく活性物5%、全量で顔料に基づいて20%まで負荷)を添加した。粉砕後、取り出したスラリーを濃HClでpH2.1まで酸性にし、上述のように分離した。調整された顔料を全部で230g得た。
【0094】
試験結果を表3に示す。
【0095】
塗料試験
上述した有機顔料を用いて、次のように試験塗料を製造した:
水に基づく塗料試験は、水に基づくベースコート/溶媒に基づくクリアコートの塗料系を用いて行った。水性顔料分散液は、アロロン(AROLONR )559−G4−70アクリル樹脂[ライヒホールド・ケミカルズ社(Reichhold Chemicals Inc.)]12.4%、ソルスパース(SOLSPERSER )27000超分散剤[ゼネカ社(Zeneca Inc.)]3.2%、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(アングス・ケミカル)1.6%、及び調整された有機顔料18%の、顔料対結合剤比3:2及び全固体含量30%を与える混合物を用いて、アイガーミルで調製した。次いで顔料対結合剤の比を更なるアロロン559−G4−70アクリル樹脂(全量で26%)と25%サイメル(CYMELR )325メラミン/ホルムアルデヒド樹脂[サイテック・インダストリーズ(Cytec Industries)]で1:4まで減じた。これは全固体含量50%を与えた。マストーン(masstone)及び透明性の測定は、それぞれ湿ったフィルムの厚さ76μm及び38μmで適用し、室温で15分間及び100℃で5分間放置したフィルムを用いて行った。次いでアロプラツ(AROPLAZR )1453−X−50アルキド樹脂(ライヒホールド・ケミカルズ社)80%とサイメル325メラミン/ホルムアルデヒド樹脂20%の混合物を、全固体量57%で含むクリアコートを湿ったフィルムの厚さ76μmでベースコート上に適用し、室温で15分間及び121℃で15分間放置した。
【0096】
アンダートーン(undertone)の淡調(tint)塗料は、更なるアロロン559−G4−70アクリル樹脂、サイメル325メラミン/ホルムアルデヒド樹脂、及び35%ティント(TINT)−AYDR CW−5003ホワイト分散液[ダニエル・プロダクツ社(Daniel Products Co.)]を添加して顔料対結合剤比をで1:4にした上述の減じた水性分散液から調製した。これは顔料対結合剤比1:1.1、全固体含量55%、及びTiO2 対顔料比9:1を与えた。色の測定は、湿ったフィルムの厚さ38μmで適用し、室温で15分間及び100℃で5分間放置したフィルムを用いて行った。次いでクリアコートを適用し、上述したように焼き付けた。
【0097】
金属性塗料は、水に分散しうるアルミニウム顔料[シルバーライン・マヌファクツアリング社(Silberline Manufacturing Co.)からハイドロ・ペースト(HYDRO PASTER )8726として入手]、アロロン559−G4−70アクリル樹脂、及びサイメル325メラミン/ホルムアルデヒド樹脂を、顔料対結合剤比1:2、アルミニウム対顔料比1:4、及び全固体含量43%を与える量で用いることにより、顔料対結合剤比3:2を有する上述した分散液から調製した。色の測定は、湿ったフィルムの厚さ38μmで適用し、上述したように焼き付けたフィルムを用いて行った。次いでクリアコートを適用し、上述したように焼き付けた。
【0098】
調整された有機顔料を含む塗料に対する色(coloristic)値は、データカラー・インターナショナル(Datacolor International)からのCS−5クロマ・センサー(Chroma Sensor)分光計により、D65光源を10度の角度で用いて得た。ΔL、ΔH、ΔC、及び透明性に対するすべての値は、アクリル重合体分散剤で処理してない対応する粗有機顔料に対して測定した。ΔL、ΔH、ΔC、及び透明性に対する正の値は、それぞれより軽い、より黄色の、より着色性の、及びより透明性の試料に相当する。フロップ(flop)の主観的な定性的評価は熟練した観察者が決定した。
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【0101】
上記結果は、本発明の方法で製造した顔料が、水性塗料処方物に使用した時に改善された色及び美観を提供することを示す。そのような改良は、存在する対照物と対比して、高い着色性、透明性、色強度、色合い、及びフロップを含む。
【0102】
最終使用の塗料処方物を製造するために使用される最終使用顔料分散液の粉砕も改善される。特に本発明の顔料の使用は、分散液粉砕時間の約25−50%の短縮をもたらす。顔料製造中のアクリル共重合体分散剤の混入は染色過程での固い顔料の凝集を防止するから、粉砕の容易さが本発明によって促進される。
【0103】
自動車の仕上げ用途に使用されるより複雑な水性ベースコート処方物における上記実施例の改変された顔料の更なる試験は、同様の改善された性能を示す。更に1つまたはそれ以上の芳香族官能基を、重合体の吸着部分に有するアクリル共重合体分散剤は好適であった。
【0104】
なお本発明の特徴及び態様は以下の通りである。
【0105】
1.(a)(1)1つまたはそれ以上の粗有機顔料、
(2)有機顔料に対して少くとも約0.1重量%の1つまたはそれ以上のアクリル共重合体分散剤、及び
(3)有機顔料に対して0−約100重量部の、有機顔料が実質的に不溶の粉砕液体、
を含んでなる混合物を粉砕し、そして
(b)粉砕した有機顔料を分離する、
ことを含んでなる調整された有機顔料の製造法。
【0106】
2.混合物が更に
(4)1つまたはそれ以上の粉砕添加剤、及び/または
(5)1つまたはそれ以上の表面処理添加剤、
を含んでなる、上記1の方法。
【0107】
3.粉砕工程後に、
(6)1つまたはそれ以上の酸、
(7)1つまたはそれ以上の2価の金属塩、及び/または
(8)1つまたはそれ以上の第4級アンモニウム塩、
を更に添加することを含んでなる、上記1の方法。
【0108】
4.有機顔料がペリレン、キナクリドン、フタロシアニン、イソインドリン、またはジオキサジンである、上記1の方法。
【0109】
5.アクリル共重合体分散剤が、芳香族官能基を吸着セグメントに有する少くとも1つの重合された単量体を含む、上記1の方法。
【0110】
6.アクリル共重合体が少くとも1つの顔料吸着セグメント及び少くとも1つの安定化セグメントを有するブロック共重合体であり、但し顔料吸着セグメントが芳香族官能基を有する少くとも1つの重合された単量体を含む、上記1の方法。
【0111】
7.アクリル共重合体を、重合された(メタ)アクリル重合体から製造する、上記6の方法。
【0112】
8.アクリル共重合体を、基移動重合法で製造する、上記6の方法。
【0113】
9.アクリル共重合体が水酸基を安定化セグメントに含む、上記6の方法。
【0114】
10.アクリル共重合体が、マクロモノマー側鎖が重合体主鎖にグラフトされたグラフト共重合体であり、なお主鎖またはマクロモノマーのいずれかが芳香族官能基を有する少くとも1つの重合された単量体を含む、上記1の方法。
【0115】
11.アクリル共重合体を、重合された(メタ)アクリル重合体から製造する、上記10の方法。
【0116】
12.アクリル共重合体を、特別な連鎖移動重合法で製造する、上記10の方法。
【0117】
13.グラフト共重合体が水酸基を主鎖及び/またはマクロモノマーに含む、上記10の方法。
【0118】
14.アクリル共重合体が、吸着及び安定化セグメントがランダムに重合体鎖に位置するランダム共重合体である、上記1の方法。
【0119】
15.上記1の方法で製造した顔料組成物。
【0120】
16.上記1に従って製造した顔料組成物を顔料として含む顔料混入のコーティング組成物。
【0121】
17.上記1の方法で製造した調整された有機顔料を水性液体媒体中に含んでなるコーティング組成物。
【0122】
18.上記17の顔料分散剤及び水性液体媒体を含んでなるコーティング組成物。
Claims (4)
- (a)(1)1つまたはそれ以上の粗有機顔料、
(2)有機顔料に対して少なくとも0.1重量%の1つまたはそれ以上のアクリル共重
合体分散剤、ただし該アクリル共重合体分散剤はランダム、ブロック、グラフトまた
は櫛形共重合体であり、該アクリル分散剤は、また、芳香族官能基を有する少なくと
も1つの重合された単量体を含んでいる、及び
(3)有機顔料に対して100重量部までの、有機顔料が不溶の粉砕液体、ただし該粉
砕液体は水、低級脂肪族アルコール、ケトン、ケトアルコール、アミド、エーテル、
アルキレングリコール、アルキレントリオールおよびこれらの混合物から選ばれる、を含んでなる混合物を湿式粉砕し、ただし該混合物の成分のすべてを粉砕前に一緒にする、そして
(b)粉砕した有機顔料を分離する、
ことを含んでなる調整された有機顔料の製造法。 - 請求項1の方法で製造した顔料組成物。
- 請求項1に従って製造した顔料組成物を顔料として含む顔料で着色したコーティング組成物。
- 請求項1の方法で製造した調整された有機顔料を水性液体媒体中に含んでなるコーティング組成物。
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