JP4796282B2 - 低密度印刷用紙 - Google Patents

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Description

本発明は、低密度(嵩高)でながら、不透明度や印刷後不透明性に優れた低密度印刷用紙に関するものである。
近年の活字離れを反映して、書籍は重厚なものから内容的に軽いコミック本やペーパーバックが急激に普及してきている。一般に、これらの書籍は持ちやすく、軽い本であることが求められる。そのため、出版社等の用紙ユーザーが求める印刷用紙品質として、紙の軽量化がある。ここで、紙の軽量化とは、紙の厚さは維持した上での低密度化、すなわち嵩高化のことを指す。
一方、紙ごみ発生に伴う環境汚染や、製紙用パルプ製造に用いられる森林資源の伐採問題など、紙を主体にした地球環境保護問題が注目されている。この地球環境保護気運の高まりに伴い、森林資源から得られる製紙用パルプを有効に活用することは、製紙業界にとって避けて通れない問題である。近年、この問題解決の手段として、製紙用パルプを有効に活用する方法が種々提案されているが、その一手法として、同一重量のパルプで広い面積の紙を得る嵩高化技術が注目されている。
紙を嵩高にする従来の技術としては、パルプと疎水性繊維の混合物に架橋剤を反応させて得られる嵩高性パルプ組成物を使用する方法がある(特許文献1参照)。また、セルロースパルプ、特定形態のポリエステル複合繊維、および熱融着性バインダーとを混抄し、嵩高パルプシートを製造する方法がある(特許文献2参照)。しかし、架橋パルプや合成繊維等の使用は紙のリサイクルを不可能にしてしまうという問題がある。また特定樹種のパルプを用いて嵩高な書籍用紙を製造する方法についても提案されているが(特許文献3参照)、森林伐採に対する保護活動が活発に行われている現在、単一樹種よりパルプを製造することは難しい。
一方、内添填料を利用した嵩高紙の製造方法についても多く検討されている。まず中空球状バテライト型炭酸カルシウムを充填して嵩高中性紙を製造する技術がある(特許文献4参照)が、特殊な填料であり、生産性を考慮した場合、実現は難しい。また、嵩比重0.3g/cm3以下の無定形シリカまたはシリケートを用いることで、嵩高な印刷用紙の製造方法について記載されている(特許文献5参照)。しかし、ホワイトカーボンのような比重の低い物質を填料として用いると、その用紙は嵩高となるが、紙の剛度およびサイズ度を低下させてしまう上、炭酸カルシウムなどと比較して不透明度発現性が低く、低密度印刷用紙に用いる場合、良好な印刷適性を得にくい。
また、オフセット印刷用紙として用いる場合、紙中へ水の浸透を押さえる特性(サイズ性)を用紙に付与することは印刷適性の観点から必要不可欠なことであるが、ホワイトカーボンを用いた紙は、サイズ性が激減し、印刷適性を維持することが難しい。一般にBET比表面積の高い填料は、サイズ剤の効果を低下させやすい傾向が知られている。ホワイトカーボンは一次粒子が凝集した形態をとるため、他填料と比較して嵩高で吸油量も高いが、他填料より比表面積が著しく高くなる。これがホワイトカーボンを内添填料に用いた場合、サイズ剤効果を低減させ、紙のサイズ性が低くなる原因の一つと考えられる。
以上のように、紙の種類や、その製造に用いられるパルプ種類を問わず、嵩高かつ不透明度等の印刷適性が良好な印刷用紙が望まれており、これを可能にする高機能の填料の開発が望まれていた。
特許第2903256号明細書 特許第2591685号明細書 特許第2591685号明細書 特許第1755152号明細書 特許第3306860号明細書
本発明が解決しようとする課題は、嵩高でありながら、不透明性や印刷後不透明性などの印刷適性に優れた低密度印刷用紙を提供することにある。
軽質炭酸カルシウムとケイ酸アルカリとの混合液のpHを7〜9まで中和して製造された、軽質炭酸カルシウム粒子の表面をシリカで被覆した軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物を、紙中填料率として1〜25固形分重量%含有させることにより、低密度印刷用紙を得る。
本発明の低密度印刷用紙は、嵩高でありながら、不透明性や印刷後不透明性に優れ、更にサイズ性にも優れるという効果を有する。
本発明の低密度印刷用紙に使用するパルプ原料の種類と配合は、上質紙、中質紙、下級紙などの紙のグレードにより決められ、特に限定はない。例えば、クラフトパルプ(KP)等の化学パルプ、ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、リファイナーメカニカルパルプ(RMP)等の機械パルプ(MP)、更に、脱墨パルプ(DIP)等の古紙パルプから1種あるいは2種以上を適宜選択し、配合して使用することができる。
本発明の低密度印刷用紙では、後述する方法で製造される、軽質炭酸カルシウム粒子の表面をシリカで被覆した軽質炭酸カルシウム−シリカ複合粒子を、填料の全量または一部に使用する。この軽質炭酸カルシウム−シリカ複合粒子は、紙を低密度化する効果に優れ、吸油量が大きく、不透明度を向上させる効果に優れるという特性を有する粒子である。本発明の低密度印刷用紙においては、該軽質炭酸カルシウム−シリカ複合粒子を、紙中填料率として1〜25固形分重量%の割合で含有していることが好ましく、3〜25固形分重量%がより好ましく、5〜25固形分重量%が更に好ましい。紙中填料率が1固形分重量%未満では、印刷用紙の密度低下と不透明度の向上が不十分である。
軽質炭酸カルシウム−シリカ複合粒子は内部に軽質炭酸カルシウムを含んでいるため、紙を酸性抄紙で抄造する場合には、その酸性によって粒子内部の軽質炭酸カルシウムが分解または溶解する可能性がある。従って、中性抄紙〜アルカリ性抄紙で紙を抄造することが好ましい。
また、本発明の低密度印刷用紙では、填料として軽質炭酸カルシウム−シリカ複合粒子の他に、本発明の効果である嵩高性、高不透明性、高サイズ性が損なわれない範囲内で、他の無機、有機填料を併用することも可能である。その種類については、中性抄紙やアルカリ性抄紙で通常使用されている填料であれば何ら制限はなく使用することができる。一例を挙げると炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、クレー、焼成カオリン、デラミカオリン、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ等の無機填料や、尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子等から選ばれる1種類以上を併用することができる。軽質炭酸カルシウム−シリカ複合粒子と他の填料を併用する場合の紙中填料率は1.0固形分重量%を超え40固形分重量%以下が好ましく、3固形分重量%を超え40固形分重量%以下がより好ましく、5固形分重量%を超え40固形分重量以下が更に好ましい。40固形分重量%を超えると、紙力低下による断紙が多く操業が困難となり、また印刷時には紙粉の発生量が多くなる。
以上のパルプ原料と填料を混合した後、必要ならば紙力向上剤、歩留向上剤、湿潤紙力増強剤、染料、蛍光増白剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤などの製紙用補助薬品を加えても良い。さらにオフセット印刷適性向上のため、サイズ性付与剤も用いられる。中性抄紙〜アルカリ性抄紙の印刷用紙では、公知の内添中性サイズ剤である、アルキルケテンダイマー(AKD)系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸(ASA)系サイズ剤、中性ロジン系サイズ剤等が挙げられるが、中性ロジンサイズ剤よりは、AKD、ASAが紙を低密度化しやすく、低密度印刷用紙を製造する場合には好適であると考えられる。これらのサイズ剤の添加量はパルプ絶乾重量に対して0.05〜5重量%が好ましく、0.1〜1重量%がより好ましい。
本発明の低密度印刷用紙の抄造に用いる抄紙機は公知の装置であれば良く、長網抄紙機、オントップツインワイヤー抄紙機、ギャップフォーマーなどが用いられる。
抄紙後、表面強度向上や耐水性付与、その他インク着肉性改良などを目的として、表面塗工を行っても良い。塗工装置については限定はない。表面処理剤の種類についても特に制限は無いが、一例を挙げると生澱粉や、酸化澱粉、エステル化澱粉、カチオン化澱粉、酵素変性澱粉、アルデヒド化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉などの変性澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコールなどの変性アルコール、スチレンブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミドなどを単独または併用できる。また、表面処理剤には前記の薬剤の他に、スチレンアクリル酸、スチレンマレイン酸、オレフィン系化合物、カチオン性サイズ剤などの表面サイズ剤を併用塗布することができる。
キャレンダーは通常の操業範囲内の線圧で用いられるが、低密度の紙を製造する観点からは、紙の平滑性を維持できる範囲でなるべく低線圧またはバイパスが好ましく、また、通常のキャレンダーよりもソフトキャレンダーが好ましい。
以下に、本発明で填料として使用する軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物の製造方法を説明する。
[軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物の製造方法]
まず軽質炭酸カルシウムを水中に分散させる。この軽質炭酸カルシウムの結晶形態はカルサイト、アラゴナイトのいずれでも良く、また形状についても針状、柱状、紡錘状、球状、立方体状、ロゼッタ型のいずれでも良い。この中でも特にロゼッタ型のカルサイト系の軽質炭酸カルシウムを用いた場合に、特に優れた嵩高、不透明度改善効果が高い軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物が得られる。なお、ロゼッタ型とは、紡錘状の軽質炭酸カルシウム一次粒子がいがくり状に凝集した形状を指し、他の軽質炭酸カルシウムより高い比表面積と吸油性を示す特徴がある。また、軽質炭酸カルシウムは粉砕処理を施して使用しても良い。
この軽質炭酸カルシウムの反応原液中濃度は、後述の軽質炭酸カルシウムとケイ酸の配合比率が重要であるため、ケイ酸濃度の影響も加味しなくてはならないが、1〜20固形分重量%が好ましい。1%未満の低濃度であると1バッチ当たりの生産量が少なく、生産性に問題がある。また、20%を超える高濃度とすると分散性が悪く、また軽質炭酸カルシウム量と比例して、反応に用いるケイ酸アルカリの濃度が高くなるため、反応時の粘度が上昇し、操業性に問題がある。
ついで、この軽質炭酸カルシウムのスラリーに、ナトリウム、カリウムのようなアルカリ溶液中に溶解した形のケイ酸を加える。一般的に工業用に用いられるものは、ケイ酸ソーダ(ナトリウム)もしくはケイ酸カリウムであるが、本発明である複合物を形成するためには、ケイ酸とアルカリのモル比はいずれでも良い。3号ケイ酸はSiO2:Na2O=3〜3.4:1程度のモル比のものであるが、一般に入手しやすく、好適に使用される。軽質炭酸カルシウムとケイ酸アルカリとの仕込重量比は、生成する軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物中の炭酸カルシウムとシリカの重量比が目標とする範囲に入るように仕込む。軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物の炭酸カルシウムとシリカの重量比は、CaCO3/SiO2=30/70〜70/30である。
このスラリーをアジテータ、ホモミキサー、ミキサー等で攪拌、分散させるが、これは軽質炭酸カルシウムが水に十分に分散し、軽質炭酸カルシウムの粒子が極端に凝集してなければ問題なく、特に時間やアジテーションの強さ等の制限はない。
次に、酸を用いた中和反応を行う。この場合、酸は鉱酸ならいずれでも良く、さらには鉱酸中に硫酸バンドや硫酸マグネシウムのような酸性金属塩を含む酸でも使用できる。工業的には硫酸、塩酸等の比較的安価に購入できる酸が好ましい。高濃度の酸を用いた場合、酸による中和時の攪拌が不十分であると、高濃度の酸の添加により部分的にpHの低い部分ができ、軽質炭酸カルシウムが分解するため、酸添加口でホモミキサー等を用いた強攪拌を行う必要がある。一方、あまりに希薄な酸を用いると、酸添加により全体的な容量が極端に増えてしまうので好ましくない。この面からも、0.05N以上の濃度の酸を用いることが適当である。鉱酸または酸性金属塩水溶液の添加は、アルカリ性であるケイ酸金属塩水溶液と軽質炭酸カルシウムとの混合物の沸点以下の温度で行う。この中和処理によりケイ酸分を析出させ、非晶質ケイ酸を形成し、これが軽質炭酸カルシウム粒子の表面を被覆する。
さらに、この酸添加は数回に分けて行っても良い。酸添加後、熟成を行っても良い。なお、熟成とは酸添加を一時中止し、攪拌のみを施し放置しておくことを指す。この熟成中に強攪拌や粉砕を行い、粒子の形態をコントロールすることも可能である。
次に、上記酸添加によるスラリーの中和はpH=7〜9を目標に行う。析出してきたケイ酸分により軽質炭酸カルシウムが被覆されていくが、酸性側(pH7未満)にすると、軽質炭酸カルシウムが分解してしまう。一方、pHが高い(9.0超)状態で中和を終了すると、ケイ酸分の析出が十分に行われず、スラリー中に未反応のケイ酸分が残り、ケイ酸分のロスが多くなり、工業的に好ましくない。そのため、目標pHは7〜9で中和を終了させる。
このようにして、製造された軽質炭酸カルシウム−ケイ酸の複合物は、軽質炭酸カルシウム粒子表面をシリカが被覆した懸濁液の状態となる。この懸濁液のまま抄紙工程等に使用しても良いが、生産規模が小規模の場合にはろ紙やメンブランフィルタ等のろ過設備、中規模以上の場合にはベルトフィルタやドラムフィルタ等を用いたろ過、または遠心分離機を用いた遠心分離を行うことによって固液分離を行い、中和反応で生成した余分な副生成物である塩を極力取り除いたほうが好ましい。これは、余分な塩が残存していると、抄紙工程においてこの塩が難溶性の金属塩(例えば、硫酸カルシウム)に変化し、これを原因としたスケーリングの問題を発生するおそれがあるためである。さらにこの固液分離を行った固形分濃度10〜50%のケーキ状複合物を、水またはエタノールにより再分散後、再び固液分離を行い、さらに余分なケイ酸や副生成物である塩を取り除いても良い。
得られた軽質炭酸カルシウム−ケイ酸の複合物は、目的粒子径より大きい粗粒物を取り除くため、振動篩やスクリーンを用いて、100μm以上の粒子を除去する。
軽質炭酸カルシウム−ケイ酸の複合物の平均粒子径の調整は、前述のように、熟成中に強攪拌や粉砕を行うことにより粒子の形態をコントロールすることも可能であるが、中和反応終了後または反応終了後の固液分離したものを、湿式粉砕機を用いて、目的の平均粒子径に調整しても良い。また、この組み合わせにより平均粒子径を調整しても良い。
粗大粒子を除去した後、あるいは粗大粒子除去後さらに強撹拌や粉砕処理を施した軽質炭酸カルシウム−ケイ酸の複合物の平均粒子径は、その用途が紙用の填料である場合には、30μm以下が良く、20μm以下が好ましく、10μm以下が更に好ましい。
以上のように軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物を填料として用いることで、嵩高で不透明性に優れた低密度印刷用紙を得ることができる。またこの印刷用紙については、オフセット印刷用紙の他にも、凸版印刷用紙、感熱記録紙、感圧記録紙等や、インクジェット用の原紙などに使用することも可能である。
以下、実施例にて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれ等の実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中の%、部は各々重量%、重量部を表す。
本発明における軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物の各特性値と、これを填料として配合した紙の紙質の測定方法を下記に示した。
(1)吸油量:JIS K5101の方法による。
(2)粒度分布測定:軽質炭酸カルシウム−ケイ酸の複合物のスラリーを分散剤ヘキサメタリン酸ソーダ0.2重量%を添加した純水中に滴下混合して均一分散体とし、レーザー法粒度測定機(使用機器:マルバーン社製マスターサイザーS型)を使用して粒度測定し、平均粒子径を求めた。
(3)紙の不透明度、嵩高率、裂断長の測定:熊谷理機工業株式会社製の配向性抄紙機により、抄紙原料としてLBKP(ろ水度CSF370ml)スラリーを用い、軽質炭酸カルシウム−ケイ酸複合物のスラリーを填料として、その添加率を対パルプ5、10、15%として坪量60g/m2になるように抄造して、プレスにより脱水後、送風乾燥機にて乾燥し、各添加率のシートサンプルを作製した。このシートサンプルをJIS P8148、JIS P8149に準じ、色差計(村上色彩研究所製)を用い、白色度、不透明度を測定した。引張強度測定機(Lorentzen&Wettre社製、SE062/064)を用い、裂断長を測定した。
また嵩高率は、このシートサンプルの紙厚を測定し、下記の式に従い算出した。各シートサンプルを525℃にて焼成し灰分量を測定し、紙中填料率と白色度、紙中填料率と不透明度、紙中填料率と裂断長、紙中填料率と嵩高率の関係図を描いた。この図から、紙中填料率7%時の白色度、不透明度、裂断長および嵩高率を求めた。

嵩高率=(1−サンプル密度/填料無添加品の密度)×100
(1)(軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物)A
反応容器(12L)中に市販ロゼッタ型軽質炭酸カルシウム(商品名:アルバカー5970、Speciaty Minerals Inc.社製)262gを水に分散し、ここにSiO2濃度18.0wt/wt%、Na2O濃度6.1wt/wt%のケイ酸ソーダ溶液を3,400g加えた後、水を加え、全量を12Lとした。この混合スラリーをラボ用アジテータで十分に攪拌しながら加熱し、85℃とした。このスラリーに、10%硫酸溶液をロータリーポンプにより加えるが、この硫酸添加口付近が十分攪拌されるように、ホモミキサーの攪拌羽根直下とした。このように添加された硫酸が十分に分散される条件のもと、温度一定で、硫酸添加後の最終pHは8.0、全硫酸添加時間は240分間となるように、一定速度で硫酸を添加した。このスラリーは100メッシュ篩で粗粒分を分離した後、No.2のろ紙を用いて吸引ろ過し、さらに約10%に再分散し、平均粒子径、吸油量、手抄き分析用サンプルとした。平均粒子径、吸油量測定用サンプルは吸引ろ過後のサンプルをエタノール中に約10%となるよう再分散した後、ろ過、105℃の乾燥機にて乾燥をおこない、粉体サンプルとした。この軽質炭酸カルシウム/シリカ=30/70の複合物の平均粒子径は7.3μm、吸油量は180ml/100gであった。なお、核に用いた市販ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの平均粒子径は3.0μm、吸油量121ml/100gである。
(2)(軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物)B
上記(1)において、反応に使用した市販ロゼッタ型軽質炭酸カルシウム612gをとした以外は、同様にして製造した。この軽質炭酸カルシウム/シリカ=50/50の複合物の平均粒子径は4.4μm、吸油量は160ml/100gであった。
(2)(軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物)C
上記(1)において、反応に使用した市販ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムを1,436gとした以外は、同様にして製造した。この軽質炭酸カルシウム/シリカ=70/30の複合物の平均粒子径は3.6μm、吸油量は140ml/100gであった。
[実施例1]
填料として、(軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物)Aを使用し、上記の方法で紙を作成し、紙中填料7%時の白色度、不透明度、裂断長および嵩高率を表1に示した。
[実施例2]
填料として、(軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物)Bを使用し、上記の方法で紙を作成し、紙中填料7%時の白色度、不透明度、裂断長および嵩高率を表1に示した。
[実施例3]
填料として、(軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物)Cを使用し、上記の方法で紙を作成し、紙中填料7%時の白色度、不透明度、裂断長および嵩高率を表1に示した。
[比較例1]
填料として、市販ロゼッタ型軽質炭酸カルシウム(商品名:アルバカー5970、Speciaty Minerals Inc.社製)を複合化せずそのまま用いた以外は、実施例1と同様にして紙を作成し、紙中填料7%時の白色度、不透明度、裂断長および嵩高率を表1に示した。
[比較例2]
填料として、市販紡錘状軽質炭酸カルシウム(商品名:TP121、奥多摩工業株式会社社製)を複合化せずそのまま用いた以外は、実施例1と同様にして紙を作成し、紙中填料7%時の白色度、不透明度、裂断長および嵩高率を表1に示した。なお、TP121は紡錘状の一次粒子からなる軽質炭酸カルシウムであり、一次粒子が凝集して二次粒子を形成したものではない。
[比較例3]
填料として、市販ホワイトカーボン(商品名:TIXOLEX17、Rhdia Silica Korea社製)を複合化せずそのまま用いた以外は、実施例1と同様にして紙を作成し、紙中填料7%時の白色度、不透明度、裂断長および嵩高率を表1に示した。
[比較例4]
填料として、市販ホワイトカーボン(商品名:TIXOLEX17、Rhdia Silica Korea社製)と市販ロゼッタ型軽質炭酸カルシウム(商品名:アルバカー5970、Speciaty Minerals Inc.社製)を50:50で混合したものを複合化せずそのまま用いた以外は、実施例1と同様にして紙を作成し、紙中填料7%時の白色度、不透明度、裂断長および嵩高率を表1に示した。なお、TIXOLEX17/アルバカー5970=50/50の混合填料の平均粒子径は3.8μm、吸油量は137ml/100gであった。
[比較例5]
填料を用いない以外は、実施例1と同様にして紙を作成し、、紙中填料7%時の白色度、不透明度、裂断長および嵩高率を表1に示した。
Figure 0004796282
表1の結果から、実施例1、2、3で示した軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物を填料として用いた場合は、いずれも比較例1で示した軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物の核として用いた軽質炭酸カルシウムを用いた場合より、同一紙中填料率でより高い嵩高効果が得られていることが分かる。次に紡錘状の一次粒子からなる軽質炭酸カルシウムを填料として用いた比較例2では、実施例1、2、3より不透明度、嵩高効果いずれの面でも劣る結果となった。また、填料自身が嵩高であるホワイトカーボンを填料として用いた比較例3との比較では、ホワイトカーボン系填料は紙を嵩高にする効果は高かったものの、不透明度向上効果が低いことが分かり、実施例のように嵩高性と不透明性を同時に達成することは出来なかった。一方、軽質炭酸カルシウムとシリカを混合して用いた比較例4では、嵩高効果が得られない。また填料無添加である比較例5は、嵩高性、不透明度の点で全ての実施例より劣る。このように軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物を填料として使用することで、嵩高でありながら、不透明性や印刷後不透明性に優れた低密度印刷用紙を得ることができる。

Claims (1)

  1. 紡錘状の一次粒子が凝集して二次粒子を形成しているロゼッタ型カルサイト系軽質炭酸カルシウム粒子の表面をシリカで被覆した軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物を、紙中填料率として1〜25固形分重量%含有し、該軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物が、固形分重量比で、軽質炭酸カルシウム/シリカ=30/70〜70/30 で、
    かつ、該軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物は、平均粒子径が10μm以下であり、
    サイズ剤の添加量パルプは絶乾重量に対して0.05〜5重量%であり
    下記の式によって求められる紙の嵩高率が7.3〜8.0%であること
    を特徴とする低密度印刷用紙。

    嵩高率=(1−サンプル密度/填料無添加品の密度)×100
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