JP4795331B2 - 固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、導電性高分子を電解質に用いた固体電解コンデンサおよびその製造方法に関する。
電解コンデンサは、アルミニウム、タンタル、ニオブ等の弁作用金属からなる陽極箔または、弁作用金属粉体からなる陽極体とを備えており、陽極箔または陽極体の表面には、誘電体となる酸化皮膜が形成されている。この酸化皮膜からの電気的な引き出しは、陽極箔と陰極箔または陽極体と陰極端子との間に介在し、導電性を有する電解質によって行われ、電解コンデンサにおける真の陰極は、この電解質が担っている。この真の陰極として機能する電解質は、電解コンデンサの電気特性に大きな影響を及ぼすため、様々な種類の電解質が採用された電解コンデンサが提案されている。
このような電解コンデンサのうち、固体電解コンデンサは、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)などの導電性高分子を電解質として用いるものであり、液状の電解質を用いた電解コンデンサと比較して高周波領域におけるインピーダンス特性に優れている。
また、近年、各種電子機器のデジタル化が進み、固体電解コンデンサには、大容量化と小形化が求められている。このような要求を満たす固体電解コンデンサとして、巻回型の固体電解コンデンサがある。
巻回型の固体電解コンデンサは、酸化皮膜が形成された陽極箔と陰極箔とが、マニラ紙などの紙繊維、ガラス繊維、樹脂繊維のうちいずれか1種以上からなるセパレータを介して巻回され、セパレータに導電性高分子からなる固体電解質層が保持された構造を有する(たとえば、特許文献1参照)。この構造により、電極面積を広く確保することができる。
このような固体電解コンデンサは、酸化皮膜が形成された陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回して巻回素子または陽極リードを備え、酸化皮膜が形成された陽極体を形成した後、これらの素子に、モノマーや酸化剤からなる重合溶液を含浸させて化学重合を行うことにより製造される。
特開2001−189242号公報
しかしながら、上述した固体電解コンデンサは、高温状況下で使用したり、高電流又は高電圧を印加すると、誘電体である酸化皮膜が化学反応を起こし、酸化皮膜に欠陥が生じる場合がある。その結果、耐電圧が低下するとともに、漏れ電流が増大する。また、酸化皮膜に欠陥が生じることにより、酸化皮膜と固体電解質層との密着性が低下して、ESRが増大する。
また、巻回素子を用いる固体電解コンデンサのESR(等価直列抵抗)を低減させる目的で、紙繊維を含むセパレータを用いた巻回素子を形成した後、巻回素子ごと加熱する熱処理を行う場合がある。この熱処理により、セパレータの紙繊維が炭化されてセパレータの密度が低下するため、ESR(等価直列抵抗)が低減される。
しかし、このような熱処理を行うと、ESRを低減できる一方、セパレータが薄くなるため、巻回素子の巻き緩みが生じて耐電圧が低下し、漏れ電流が増大する場合がある。
そこで、本発明の目的は、ESRおよび漏れ電流が低く、かつ、耐電圧の高い固体電解コンデンサおよびその製造方法を提供することである。
本発明の固体電解コンデンサは、導電性高分子組成物からなる固体電解質層が形成された、固体電解コンデンサであって、前記導電性高分子組成物が、下記化学式1で表される化合物を含有することを特徴とする。
Figure 0004795331
但し、式中、OAは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表し、nは1〜50の数を表し、aおよびbは1〜10の数を表す。
さらに、本発明の固体電解コンデンサは、前記導電性高分子が、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、および、それらの誘導体の何れか1つであることが好ましい。
本発明の固体電解コンデンサの製造方法は、表面に酸化皮膜が形成されたコンデンサ素子に、重合により導電性高分子となるモノマー、ドーパント、酸化剤、および上記化学式1で表される化合物とを含浸させる含浸工程と、重合によって、酸化皮膜の表面に導電性高分子組成物からなる固体電解質層を形成する重合工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の固体電解コンデンサによると、固体電解質層を構成する導電性高分子組成物に含有された化学式1で表される化合物は、主鎖にエーテル結合を有するため、エーテル結合の酸素原子が酸化皮膜と配位結合して、酸化皮膜の表面上に保護皮膜が形成される。
これにより、たとえ固体電解コンデンサを高温状況下で使用したり、高電圧や高電流を印加した場合であっても、酸化皮膜は化学反応を起こしにくくなり、酸化皮膜の欠陥の生成を抑制できる。
そのため、固体電解コンデンサの耐電圧を向上させ、漏れ電流を低減させることができる。また、酸化皮膜に欠陥が生じにくいため、酸化皮膜と固体電解質層との密着性が維持されて、固体電解コンデンサのESRを低く抑えることができる。
本発明の固体電解コンデンサは、前記導電性高分子が、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、および、それらの誘導体の何れか1つであることにより、固体電解質層の導電性および耐熱性が高くなる。
本発明の固体電解コンデンサの製造方法によると、重合工程によって形成された導電性高分子組成物には、化学式1で表される化合物が含有される。化学式1で表される化合物は、主鎖にエーテル結合を有するため、エーテル結合の酸素原子が酸化皮膜と配位結合して、酸化皮膜の表面上に保護皮膜が形成される。
これにより、たとえ固体電解コンデンサを高温状況下で使用したり、固体電解コンデンサに高電圧や高電流を印加した場合であっても、酸化皮膜は化学反応を起こしにくくなり、酸化皮膜の欠陥の生成を抑制できる。
そのため、固体電解コンデンサの耐電圧を向上させ、漏れ電流を低減させることができる。また、酸化皮膜に欠陥が生じにくいため、酸化皮膜と固体電解質層との密着性が維持されて、固体電解コンデンサのESRを低く抑えることができる。
本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の固体電解コンデンサ1は、表面に酸化皮膜2aが形成された陽極箔2と、陰極箔3とがセパレータ4を介して巻回された構造の巻回素子11を有する。
さらに、図2に示すように、陽極箔2と陰極箔3との間には、セパレータ4に保持された導電性高分子組成物からなる固体電解質層5が形成されている。
上記巻回素子11と固体電解質層5とによってコンデンサ素子10が構成される。
陽極箔2は、アルミニウム、タンタル、ニオブ等の弁作用金属で形成されている。図2に示すように、陽極箔2の表面は、エッチング処理により粗面化されるとともに、酸化皮膜2aが形成されている。また、陰極箔3は、陽極箔2と同様にアルミニウム等で形成されており、その表面は粗面化されている。
また、図1に示すように、陽極箔2および陰極箔3にはリードタブ(図示省略)がそれぞれ接続されており、このリードタブを介して陽極箔2および陰極箔3からそれぞれリード線6、7が引き出されている。
セパレータ4としては、マニラ紙、ヘンプ紙、クラフト紙等の紙繊維が用いられるが、ガラス繊維、樹脂繊維を混抄してもよい。
図2に示すように、セパレータ4の両面には、導電性高分子組成物からなる固体電解質層5が保持されている。
固体電解質層5の導電性高分子としては、導電性および耐熱性に優れた、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、および、それらの誘導体の何れかを用いることができる。
また、導電性高分子組成物は、化学式1で表される化合物を含有する。
Figure 0004795331
但し、式中、OAは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表し、nは1〜50の数を表し、aおよびbは1〜10の数を表す。
固体電解コンデンサ1の製造工程において、巻回素子11に、たとえば、重合により上述した導電性高分子となるモノマーと酸化作用を有するドーパント(または、ドーパントと酸化剤)と化学式1で表される化合物との混合溶液を含浸させた後、化学重合させることによって固体電解質層5が形成される。
モノマーとしては、具体的には、チオフェン、アニリン、ピロール、およびそれらの誘導体が用いられる。
チオフェン誘導体としては、チオフェン骨格3位、3位と4位またはS位に、水酸基、アセチル基、カルボキシル基、アルキル基、アルコキシ基のうち少なくとも1種を置換基として有するチオフェン誘導体、または3,4−アルキレンジオキシチオフェンを挙げることができる。
アニリン誘導体としては、アニリン骨格を有しアルキル基、フェニル基、アルコキシ基、エステル基、チオエーテル基のうち少なくとも1種を置換基として有するアニリン誘導体を挙げることができる。
ピロール誘導体としては、ピロール骨格の3位、3位と4位またはN位に、水酸基、アセチル基、カルボキシル基、アルキル基、アルコキシ基のうち少なくとも1種を置換基として有するピロール誘導体を挙げることができる。
ドーパントは、特に限定されないが、良好な特性を持つ固体電解コンデンサ1を得るためにはスルホン酸化合物が好ましい。たとえば、1,5−ナフタレンジスルホン酸、1,6−ナフタレンジスルホン酸、1−オクタンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸等を挙げることができる。
また、酸化剤としては、たとえば、有機スルホン酸系の金属塩を用いることができる。たとえば、メトキシベンゼンスルホン酸鉄の鉄塩、ドデシルベンゼンスルホン酸鉄の鉄塩等を挙げることができる。
また、酸化作用を有するドーパントは、上述したドーパントと鉄(III)とを組み合わせたものを用いることができる。たとえば、p−トルエンスルホン酸鉄(III)、エタンスルホン酸鉄(III)、p−ドデシルベンゼンスルホン酸鉄(III)が挙げられる。
また、モノマーやドーパント等を溶解させる溶媒としては、メタノール、ブタノール、メチレングリコール、水等を用いることができる。
また、化学式1で表される化合物は、その構造中に炭素数2〜4のオキシアルキレン基を有する。炭素数2〜4のオキシアルキレン基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシテトラメチレン基等が挙げられる。化学式1で表される化合物は、これらのオキシアルキレン基を1種類のみ含むものであっても、2種以上を含むものであってもよい。
化学式1で表される化合物は、主鎖にエーテル結合を有しているため、エーテル結合の酸素原子が陽極箔2の酸化皮膜2aと配位結合して、酸化皮膜2aの表面上に保護皮膜が形成される。
これにより、たとえ固体電解コンデンサ1を高温状況下で使用したり、高電圧や高電流を印加した場合であっても、酸化皮膜2aは化学反応を起こしにくくなり、酸化皮膜2aに欠陥が生じるのを抑制できる。
そのため、固体電解コンデンサ1の耐電圧を向上させることができるため、漏れ電流を低減させることができる。また、酸化皮膜2aに欠陥が生じにくいため、酸化皮膜2aと固体電解質層5との密着性が維持されて、固体電解コンデンサ1のESRを低く抑えることができる。
さらに、化学式1で表される化合物は、主鎖にエーテル結合を有するため、メタノール等の溶媒に対する溶解度が高い。そのため、酸化皮膜2aの表面上に均一に、上述した保護皮膜を形成することができる。
化学式1中のnは、オキシアルキレン基の繰り返し数である。nが大き過ぎると、固体電解質の導電性が低下するため、固体電解コンデンサ1のESRが増加する。nを適切に設定することにより、電導度の低下を防ぐことができる。具体的には、nの範囲は1〜50とする。
また、化学式1中のaおよびbはメチレン基の繰り返し数である。aおよびbは同一であっても異なっていてもよい。aまたはbが大き過ぎると、メタノール等の溶媒に対する溶解性が劣る。aおよびbを適切に設定することにより、溶媒への溶解性を高くすることができる。aおよびbの具体的な範囲は1〜10とする。
本実施形態の固体電解コンデンサ1は、コンデンサ素子10が、アルミニウム等で形成された有底筒状の外装ケース(図示省略)に収納され、この外装ケースの開口部が、リード線6、7が引き出された状態で、樹脂やゴム等の封口材(図示省略)によって密閉された構造を有する。
次に、本実施形態に係る固体電解コンデンサ1の製造方法を説明する。
まず、陽極箔2形成用の金属箔および陰極箔3形成用の金属箔の表面に、それぞれエッチング処理を施して粗面化する。次に、陽極箔2形成用の金属箔の表面に、化成(陽極酸化)によって酸化皮膜2aを形成した後、所定の寸法に裁断して、陽極箔2とする。また、陰極箔3形成用の金属箔を所定の寸法に裁断して、陰極箔3とする。
そして、酸化皮膜2aが形成された陽極箔2と陰極箔3に、リードタブ(図示省略)を介してリード線6、7をそれぞれ接続するとともに、陽極箔2と陰極箔3とをセパレータ4を介して巻回し、円筒状の巻回素子11を形成する(巻回工程)。
次に、巻回素子11の状態で陽極箔2に化成を行う(修復化成工程)。これにより、巻回工程の際に破損した酸化皮膜2aを修復するとともに、陽極箔2の裁断面(切り口)に酸化皮膜2aを形成する。
続いて、巻回素子11を加熱してセパレータ4を炭化させる(熱処理工程)。この熱処理は、セパレータ4の密度を低下させてESRを低減させるために行うものである。加熱温度は、たとえば100〜300℃とする。なお、この熱処理は行わなくてもよい。
次に、モノマーと酸化作用を有するドーパント(または、ドーパントと酸化剤)と化学式1で表される化合物との混合溶液を巻回素子11に含浸させた後(含浸工程)、化学重合によって、巻回素子11の陽極箔2と陰極箔3との間に、導電性高分子組成物からなる固体電解質層5を形成する(重合工程)。
この重合工程の際に、化学式1で表される化合物の構造中に存在するエーテル結合の酸素原子が、陽極箔2の酸化皮膜2aと配位結合して、酸化皮膜2a上に保護皮膜が形成される。
以上により形成されたコンデンサ素子10を、外装ケース(図示省略)に収納して、この外装ケースの開口部を封口材(図示省略)で密封した後、エージング処理を行う。これにより、固体電解コンデンサ1が製造される。エージング処理は、固体電解コンデンサ1の使用最高温度(または、それより高い温度)の環境中において、所定の電圧を印加する処理であり、固体電解コンデンサ1の漏れ電流を低減するために行われる。
なお、前記実施形態では、含浸工程において、モノマーと酸化作用を有するドーパント溶液(または、ドーパントと酸化剤との混合溶液)と化学式1で表される化合物との混合溶液を巻回素子11に含浸させているが、以下の(1)〜(4)の方法により含浸処理を行ってもよい。
(1)モノマーと化学式1で表される化合物との混合溶液を巻回素子11に含浸させた後、酸化作用を有するドーパント溶液(または、ドーパントと酸化剤との混合溶液)を巻回素子11に含浸させる。
なお、化学式1で表される化合物は、巻回素子11に最後に含浸させる溶液、すなわち、酸化作用を有するドーパント溶液(または、ドーパントと酸化剤との混合溶液)にのみ添加してもよい。
(2)モノマーとドーパントと化学式1で表される化合物との混合溶液を巻回素子11に含浸させた後、モノマーと酸化剤の混合溶液を巻回素子11に含浸させる。
なお、化学式1で表される化合物は、巻回素子11に最後に含浸させる溶液、すなわち、モノマーと酸化剤との混合溶液にのみ添加してもよい。
(3)酸化作用を有するドーパント(または、ドーパントと酸化剤)と化学式1で表される化合物との混合溶液を巻回素子11に含浸させた後、モノマー溶液を巻回素子11に含浸させる。
なお、化学式1で表される化合物は、巻回素子11に最後に含浸させる溶液、すなわち、モノマー溶液にのみ添加してもよい。
(4)ドーパントと化学式1で表される化合物との混合溶液を巻回素子11に含浸させた後、モノマー溶液を巻回素子11に含浸させて、最後に、酸化剤溶液を巻回素子11に含浸させる。
なお、化学式1で表される化合物は、モノマー溶液にのみ添加しても、酸化剤溶液にのみ添加してもよい。
なお、前記実施形態で述べたように、巻回素子11に1つの溶液を含浸させた後、化学重合により導電性高分子を生成する方法を1液法という。また、上述の(2)〜(3)のように、巻回素子11に2つの溶液を順番に含浸させた後、化学重合により導電性高分子を生成する方法を2液法という。また、また、上述の(4)のように、巻回素子11に3つの溶液を順番に含浸させた後、化学重合により導電性高分子を生成する方法を3液法という。
また、前記実施形態では、化学重合のみで導電性高分子を生成しているが、化学重合に電解重合を組み合わせて導電性高分子を生成してもよい。
次に、本発明の具体的な実施例を比較例と合わせて説明する。
実施例1〜4の固体電解コンデンサを以下の手順で作製した。
まず、陽極箔および陰極箔として、アルミニウム箔を使用した。陽極箔用のアルミニウム箔には、印加電圧47Vの陽極酸化を行って、酸化皮膜を形成した。この陽極箔と陰極箔とを、マニラ紙からなるセパレータを介して巻回して、巻回素子を作製した後、この巻回素子をアジピン酸二アンモニウム水溶液に浸漬し、47Vの電圧を60分間印加して、修復化成を行った。
次に、実施例1、2の巻回素子を、化学式2、3で表される化合物A、Bをそれぞれ含む、表1に示す溶液にそれぞれ浸漬させた後、表1に示す条件で加熱し、化学重合によりポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)を形成した。
Figure 0004795331
Figure 0004795331
Figure 0004795331
また、実施例3、4の巻回素子を、表2に示す第1溶液にそれぞれ浸漬させた後、表2に示す条件で加熱して溶媒を蒸発させた。その後、化学式4、5で表される化合物C、Dをそれぞれ含む、表2に示す第2溶液に、巻回素子を浸漬させた後、表2に示す条件で加熱して、化学重合によりPEDOTを形成した。
Figure 0004795331
Figure 0004795331
Figure 0004795331
以上のようにして作製された実施例のコンデンサ素子を、有底筒状の外装ケースに収納し、開口部をゴムパッキング等により密封して、固体電解コンデンサをそれぞれ作製した。
また、比較例の固体電解コンデンサは以下の手順で作製した。
化学式1の化合物を含まない表1に示す溶液に巻回素子を浸漬させた以外は実施例1と同様に表1に示す条件で加熱して、化学重合によりPEDOTを形成した。
このようにして作製されたコンデンサ素子を用いて、実施例と同様に固体電解コンデンサを作製した。
以上の実施例1〜4および比較例の固体電解コンデンサについて、添加された化合物と、測定した電気特性の結果を表3に示す。電気特性は、静電容量(測定周波数120Hz)、tanδ(測定周波数100kHz)、ESR(測定周波数100kHz)、漏れ電流(定格電圧印加)、およびエージング時のショート発生率を測定した。エージングは、100℃で60分間、定格電圧を印加して行った。なお、それぞれの試験個数はいずれも50個であり、静電容量、tanδ、ESRおよび漏れ電流は、ショート品を除いたものについての平均値を示している。
Figure 0004795331
表3に示すように、実施例1〜4は、比較例と比べて漏れ電流が低減している。また、実施例1〜4は、比較例と比べてショート発生率も低減しているため、耐電圧が向上していることが分かる。
また、比較例は、ESRを低減するための熱処理を行っているが、この比較例よりも、実施例1〜4の方がESRがより低減している。
なお、上記の実施例では、導電性高分子としてPEDOTを用いたが、PEDOT以外の公知の導電性高分子(たとえば、ポリアニリンやポリピロール)を用いた場合にも同様の効果が得られることが確認されている。
また、上記の実施例では、1液法または2液法によって導電性高分子を生成しているが、実施例以外の2液法および3液法を用いた場合にも同様の効果が得られることが確認されている。
さらに、上記の実施例においては、陽極箔の材料としてアルミニウムを用いているが、タンタルやニオブを用いた場合にも同様な効果が得られることが確認されている。
また、上記実施例においては、巻回素子を用いたが、弁作用金属粉体を成形・焼結し、酸化皮膜を形成した陽極体上に、固体電解質を形成する固体電解コンデンサの固体電解質に用いた場合にも同様の効果が得られることが確認されている。
本発明に係る固体電解コンデンサにおけるコンデンサ素子の分解斜視図である。 本発明に係る固体電解コンデンサの構成を示す概念図である。
符号の説明
1 固体電解コンデンサ
2 陽極箔
2a 酸化皮膜
3 陰極箔
4 セパレータ
5 固体電解質層
6、7 リード線
10 コンデンサ素子
11 巻回素子

Claims (3)

  1. 導電性高分子組成物からなる固体電解質層が形成された、固体電解コンデンサであって、
    前記導電性高分子組成物が、下記化学式1で表される化合物を含有することを特徴とする固体電解コンデンサ。
    Figure 0004795331
    但し、式中、OAは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表し、nは1〜50の数を表し、aおよびbは1〜10の数を表す。
  2. 前記導電性高分子が、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、および、それらの誘導体の何れか1つであることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 表面に酸化皮膜が形成されたコンデンサ素子に、重合により導電性高分子となるモノマー、ドーパント、酸化剤および下記化学式1で表される化合物とを含浸させる含浸工程と、
    重合によって、酸化皮膜の表面に、導電性高分子組成物からなる固体電解質層を形成する重合工程と、
    を備えることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
    Figure 0004795331
    但し、式中、OAは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表し、nは1〜50の数を表し、aおよびbは1〜10の数を表す。
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