JP4793985B2 - 腱もしくは靱帯組織再生器具 - Google Patents

腱もしくは靱帯組織再生器具 Download PDF

Info

Publication number
JP4793985B2
JP4793985B2 JP2005517268A JP2005517268A JP4793985B2 JP 4793985 B2 JP4793985 B2 JP 4793985B2 JP 2005517268 A JP2005517268 A JP 2005517268A JP 2005517268 A JP2005517268 A JP 2005517268A JP 4793985 B2 JP4793985 B2 JP 4793985B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molded
tendon
yarn
ligament tissue
collagen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005517268A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2005070340A1 (ja
Inventor
秀明 各務
邦彦 岡田
尚哉 矢崎
伸年 土居
大輔 福田
鉄太郎 菊地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nipro Corp
Original Assignee
Nipro Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nipro Corp filed Critical Nipro Corp
Priority to JP2005517268A priority Critical patent/JP4793985B2/ja
Publication of JPWO2005070340A1 publication Critical patent/JPWO2005070340A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4793985B2 publication Critical patent/JP4793985B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F2/00Filters implantable into blood vessels; Prostheses, i.e. artificial substitutes or replacements for parts of the body; Appliances for connecting them with the body; Devices providing patency to, or preventing collapsing of, tubular structures of the body, e.g. stents
    • A61F2/02Prostheses implantable into the body
    • A61F2/08Muscles; Tendons; Ligaments
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F2210/00Particular material properties of prostheses classified in groups A61F2/00 - A61F2/26 or A61F2/82 or A61F9/00 or A61F11/00 or subgroups thereof
    • A61F2210/0004Particular material properties of prostheses classified in groups A61F2/00 - A61F2/26 or A61F2/82 or A61F9/00 or A61F11/00 or subgroups thereof bioabsorbable

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Orthopedic Medicine & Surgery (AREA)
  • Rehabilitation Therapy (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Cardiology (AREA)
  • Oral & Maxillofacial Surgery (AREA)
  • Transplantation (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Prostheses (AREA)

Description

本発明は、腱もしくは靱帯組織再生器具に関し、さらに詳細には、病変、損傷のために切断したヒト腱もしくは靱帯組織を再生するための器具に関する。
本出願は、参照によりここに援用されるところの、日本特許出願特願2004‐015025号からの優先権を請求する。
靭帯の損傷は、スポーツ関連の外傷としては最も頻度の高い疾患の一つである。靭帯の損傷を放置すれば、痛みや運動障害のみでなく、軟骨や間接半月の損傷などにより大きな障害に発展する可能性がある。腱の損傷としては、アキレス腱の断裂がよく知られている。腱もしくは靱帯の再建が必要な症例に対して現在最も広く行われている治療方法は、自家組織の移植である。自家組織の移植例については、臨床成功例は比較的良好であるが、採取部位の弊害や不足、さらに長さと強度が不十分なことから新たな人工の移植材料が求められている。
人工の移植材料の提案は多数存在する。例えば、組紐状に仕上げた吸収性人工腱(特許文献1)、束状の繊維糸の外周を生分解性吸収性繊維糸で螺旋状に巻回してある人工靭帯(特許文献2)、多層渦巻ロール形態の完全吸収性人工器官(特許文献3)、第1の構成要素は織物で第2の構成要素は細胞の接種および細胞の生長支持が可能な材料からなる移植可能な製品(特許文献4)がある。それらはいずれも生分解性材料で形成された円筒状のものを再生器具として使うものであるが、強度および可撓性において大きな問題が存在した。さらに、これらの再生器具では完全に組織が再生するまでには至っていない。また、人工腱および靭帯の展望を記述する文献も存在する(非特許文献1)。
特開昭51−148289号公報 実開平2−84613号公報 特開平7−250889号公報 特開2003−512896号公報 「人工靱帯」 整形外科MOOK No.58 1989
本発明は、従来の腱もしくは靱帯組織再生器具に代えて、強度および可撓性において優れており、臨床的に完全なる組織再生を可能とする腱もしくは靱帯組織再生器具を提供することにある。
本発明者らは、上記事情を考慮して、種々鋭意検討したところ、腱もしくは靱帯組織再生器具として、生分解性材料で成型された糸状物で形成された長手方向の中空部を有するメッシュ構造の筒状体への改良、さらに筒状体が扁平形状に調製されることへの改良、加えて器具の全体が生分解性材料によって成型された糸状物によって縫製されていることへの改良によって、速やかに腱もしくは靱帯組織の再生が行われ、かつ生体吸収性が良く、生体内に残留異物を残さない腱もしくは靱帯組織再生器具を完成した。
すなわち本発明は、以下よりなる。
コラーゲンで成型された単糸とポリ乳酸で成型された単糸の組み合わせによる複合糸で形成された長手方向の中空部を有するメッシュ構造の筒状体の中空部長手方向に、生分解性材料で成型された糸状物の束が充填され、器具の全体が生分解性材料によって成型された糸状物によって長手方向に対して一定間隔で縫製されている扁平形状の腱もしくは靱帯組織再生器具。
2.コラーゲンで成型された単糸とポリ乳酸で成型された単糸の組み合わせによる複合糸が、合計2〜200本の単糸の組み合わせによる複合糸である前項1に記載の腱もしくは靱帯組織再生器具。
3.前記筒状体において、充填される糸状物の束の占める体積充填率が約50〜90%である前項1または2に記載の腱もしくは靱帯組織再生器具。
.前記糸状物を成型する生分解性材料が、コラーゲン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、グリコール酸と乳酸の共重合体、乳酸とε−アミノカプロン酸の共重合体、ポリヒドロキシ酸、ポリ(ε−カプロラクタム)、及びポリアミノ酸から選ばれることを特徴とする前項1〜のいずれか一に記載の腱もしくは靱帯組織再生器具。
.前記糸状物が、単糸もしくは単糸の組み合わせによる複合糸である前項1〜4のいずれか一に記載の腱もしくは靱帯組織再生器具。
糸状物が、同一の生分解性材料で成型された単糸の組み合わせによる複合糸である前項1〜5のいずれか一に記載の靱帯組織再生器具
7.糸状物が、異なる生分解性材料で成型された単糸の組み合わせによる複合糸である前項1〜5のいずれか一に記載の靱帯組織再生器具。
8.異なる生分解性材料で成型された単糸の組み合わせが、コラーゲンで成型され単糸とコラーゲン以外の生分解性材料で成型され単糸の組み合わせである前項7に記載の腱もしくは靱帯組織再生器具。
9.コラーゲン以外の生分解性材料がポリ乳酸である前項8に記載の腱もしくは靱帯組織再生器具。
10.複合糸が、合計2〜200本の単糸の組み合わせによる複合糸である前項5〜9に記載の腱もしくは靱帯組織再生器具。
11ラーゲンで成型された単糸とポリ乳酸で成型された単糸を合計2〜200本を組み合わせることによって調製された複合糸で形成され、長手方向に中空部を有するメッシュ構造の筒体の中空部に、コラーゲンで成型された単糸とポリ乳酸で成型された単糸を合計2〜200本を組み合わせることによって調製された複合糸の束が充填され、器具の全体がコラーゲンで成型された単糸および/またはポリ乳酸で成型された単糸2〜200本を組み合わせて調製された複合糸によって長手方向に対して一定間隔で縫製されていることを特徴とする扁平形状の腱もしくは靱帯組織再生器具。
12.コラーゲンで成型された単糸とポリ乳酸で成型された単糸の組み合わせによる複合糸を編み込むことにより、長手方向の中空部を有するメッシュ構造の筒状体を得、その中空部長手方向に、生分解性材料で成型された糸状物の束を充填し、さらにこの筒状体全体を生分解性材料で成型された糸状物によって長手方向に対して一定間隔で縫製することにより、筒状体を扁平状に調製する工程を含む、前項1〜11に記載の腱もしくは靱帯組織再生器具の製造方法。
本発明の腱もしくは靱帯組織再生器具は、強度および可撓性において優れており、臨床的に完全なる組織再生を可能とする腱もしくは靱帯組織再生器具である。
本発明の実施形態を示した図である。 本発明の腱もしくは靱帯組織再生器具を用いた靱帯再生の模式図である。 腱もしくは靱帯組織再生器具を縫合した直後の家兎の大腿骨および脛骨の写真である。 腱もしくは靱帯組織再生器具を縫合して5ヶ月後の再生した靱帯の写真である。
符号の説明
11・・・中空筒状体
12・・・糸状物の束
21・・・腱もしくは靱帯組織再生器具
22・・・手術糸
23・・・骨
24・・・ドリルなどであけた穴
本発明における腱もしくは靱帯組織とは、ヒト霊長類、非ヒト霊長類または齧歯類動物の腱もしくは靱帯が例示される。
本発明において、腱もしくは靱帯組織再生器具は、全て生分解性材料で成型された糸状物を使用する。基本構成は、長手方向の中空部を有するメッシュ構造の筒状体であって、その中空部長手方向に、糸状物の束が充填されている構成を含む。このメッシュ構造は、本発明の本質的特徴の一つであり、再生器具の可撓性における優位性を達成する。このメッシュ構造の密度は、後記する形成される糸状物の口径に依存するが、一般的には編み密度が、長手方向に5〜20本/cm、好ましくは8〜15本/cm、円周方向に15〜35本/cm、好ましくは20〜30本/cmである。メッシュ体は市販の編み機で容易に作製することができる。
本発明の別の本質的な特徴は、長手方向の中空部に糸状物の束が充填されたメッシュ構造の筒状体が扁平形状であることである。扁平形状とは、例えば筒状体に糸状物の束が充填された後に、筒状体の横側、つまり長手方向に対して直角に適当な圧力を加え、円形の筒状体を扁平形の筒状体にすることで達成される。この筒状体の扁平化によって、再生器具の強度の優位性を達成する。扁平形の筒状体の形状は、再生する組織つまり腱もしくは靱帯によって適時選択可能であり、例えば腱再生器具の場合、短径は約0.2mm〜約5mm、好ましくは約0.5mm〜約3mm、長径は約0.5mm〜約50mm、好ましくは約1mm〜約30mmが例示され、靱帯再生器具の場合、短径は約0.2mm〜約2mm、好ましくは約0.5mm〜約1.5mm、長径は約2mm〜約15mm、好ましくは約3mm〜約10mmが例示される。
さらに、本発明の別の本質的な特徴は、長手方向の中空部に糸状物の束が充填されたメッシュ構造の筒状体である器具全体が、生分解性材料によって成型された糸状物によって縫製されていることである。特に、扁平形の筒状体について縫製されていることが好ましい。縫製は例えば、長手方向に対して交差させて一定間隔でミシン等の機具で縫うことで達成できる。この縫製によって、再生器具の強度における優位性を達成する。ここで一定間隔とは、例えば、1mm〜10mm、特に好ましくは1.5mm〜8mmが例示され、縫製におけるミシンピッチとしては0.5mm〜2mm、特に好ましくは0.7mm〜1.5mmが例示される。本発明の腱もしくは靱帯組織再生器具は、適当な長さに切断後、端部を生分解性材料によって成型された糸状物によって縫い、最終的な仕上げを行うことができる。製品は、たとえば、中和処理、洗浄、風乾することで完成する。さらに所望によりガンマ線滅菌等を処すことも可能である。
前記筒状体に充填される糸状物の束は、筒状体における体積充填率が約50〜90%、より好ましくは50〜80%である。糸状物の束の数は、糸状物の後記定義する口径に依存するものであるが、一般的には300〜900本、より好ましくは400〜750本程度である。例えば中抜きの四角の枠に糸状物を巻きつけ所望回数回転させたのち、枠から取り出し、端部を切断すれば、巻き回数の2倍の数の糸状物からなる束が調製される。束の充填方法は特に限定されるものではないが、例えば、糸状物の束を調製後、これに予め生分解性材料で成型された糸状物から調製されたメッシュ構造のシーツを巻きつけることによってもよい。あるいは、予め生分解性材料で成型された糸状物から調製された長手方向の中空部を有するメッシュ構造の円形の筒状体を作っておき、この中空部に挿入可能な口径に調整された糸状物の束を挿入していくことでもよい。
前記筒状体の長さは、折りたたんで使用するのであれば長いものでも良いが、各使用目的の例えば人の靭帯もしくは腱の長さから適当な長さに切断されていればよい。例えば、以下から選ばれる外形である腱もしくは靱帯組織再生器具は好適な実施態様である。
1)腱組織再生器具の場合において、長手方向の長さが約10mm〜約1000mm、より好ましくは約20mm〜約800mm、幅が約0.5mm〜約50mm、より好ましくは約1mm〜約32mmである。
2)靱帯組織再生器具の場合において、長手方向の長さが約10mm〜約500mm、より好ましくは約50mm〜約400mm、幅が約2mm〜約15mm、より好ましくは約3mm〜約10mmである。
本発明で使用する糸状物は生分解性材料によって成型されたものである。生分解性材料とは、生体内の分解酵素、酸またはアルカリにより分解する材料であって、体液の浸透を許容することが特徴である。例えば生分解性材料としては公知の材料を広く利用でき、市販の糸状物あるいは公知の方法で調製される糸状物が利用できる。好適な生分解性材料としては、コラーゲン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、グリコール酸と乳酸の共重合体、乳酸とε−アミノカプロン酸の共重合体、ポリヒドロキシ酸、ポリ(ε−カプロラクタム)、およびポリアミノ酸から選ばれる。
本発明に使用されるコラーゲンとしては、その由来は特に限定されないが、一般的には、牛、豚、鳥類、魚類、霊長類、兎、羊、鼠、人などが挙げられる。また、コラーゲンはこれらの皮膚、腱、骨、軟骨、臓器などから公知の各種抽出方法により得られるものであるが、これらの特定の部位に限定されるものではない。さらに、本発明に利用されるコラーゲンのタイプについては、特定の分類可能な型に限定されるものではないが、取扱い上の観点から、I、III、IV型が好適である。
糸状物は、単糸、単糸を組み合わせた複合糸である。
単糸は、十分な強度が得られるのであれば、好適に利用できる。単糸の径は、約5μm〜約100μm、より好ましくは約10μm〜80μmである。
単糸は、市販のものを広く利用可能である。好適な材料の1例として、コラーゲン単糸を用いることができ、該コラーゲン単糸は例えばコラーゲン溶液を押出成形することにより調製できる。コラーゲンを溶解する溶媒は、既知のいかなる物質を用いても良いが、常法に準じて水を使用することが好ましい。コラーゲン溶液濃度は、0.1〜30wt%であり、好ましくは0.5〜10wt%である。コラーゲン繊維を製造するための押出成形法としては、特に制限されないが、通常、凝固浴はエチルアルコールであり、押出速度は約100mm〜500mm/秒である。凝固浴から取り出した繊維の冷却は、コラーゲンの変性が起きる約40℃付近以下であれば良いが、好ましくは4℃〜20℃に保つ。該繊維径は約5μm〜100μm、好ましくは約10μm〜80μmである。
また、生体内での分解性の調整あるいは強度の強化を行うためには単糸を組み合わせた複合糸が、より好適である。複合糸は、合計2〜200本より好ましくは2〜30本の単糸からなり、単糸を単に平行に引き揃えた集合体、単糸を縒り合わせた縒糸、または一部の単糸のみを縒り合わせた縒糸を作成し、残りの単糸を引き揃えた集合体として使用するなど、特に限定されるものではない。
したがって、複合糸は、以下のいずれかである。
1)同種の生分解性材料からなる単糸の、合計2〜200本、より好ましくは2〜30本の組み合わせである。
2)異種の生分解性材料からなる単糸の、合計2〜200本、より好ましくは2〜30本の組み合わせである。
同種の場合、複合糸は、上記のコラーゲン単糸、ポリ乳酸単糸等を単品で合計2〜200本より好ましくは2〜30本を単に引き揃えた集合体、または市販の糸撚り機で縒り合わせた縒糸等として調製される。縒糸は、再生器具の強度あるいは溶解時間の調整の優位性を達成する。異種の場合、複合糸は、異なる単糸を組み合わせて合計2〜200本より好ましくは2〜30本を引き揃えたり、あるいは縒り合わせたりすることで調製され、組み合わせの比率によって、生体内での詳細な分解時間の制御を可能とする。例えば、コラーゲン単糸とポリ乳酸単糸の組み合わせでは、コラーゲン単糸の比率が多いと分解しやすく、一方、ポリ乳酸単糸の比率が多いと分解しにくく、長く体内に残るという性質をもつ。本発明の好適な実施態様は、異種の生分解性材料からなる単糸の組み合わせであって、コラーゲンで成型される単糸とポリ乳酸で成型される単糸の組み合わせである。
また、その他、市販の単糸または縒糸を広く利用できる。例えば、ポリ乳酸の単糸(商品名:ラクトロン、モノフィラメント カネボウ合繊社製)、ポリ乳酸の単糸6本からなる縒糸(商品名:ラクトロン、マルチフィラメント カネボウ合繊社製)等が例示される。
本発明の腱もしくは靱帯組織再生器具の好適な実施態様は、長手方向を有し、扁平状である腱もしくは靱帯組織再生器具において、コラーゲンで成型された単糸とポリ乳酸で成型された単糸を合計2〜200本、より好ましくは2〜30本を組み合わせることによって調製された複合糸で形成され、長手方向に中空部を有するメッシュ構造の扁平筒状体であって、その中空部に、コラーゲンで成型された単糸とポリ乳酸で成型された単糸を合計2〜200本、より好ましくは2〜30本を組み合わせることによって調製された複合糸の束が充填されていることを特徴とする腱もしくは靱帯組織再生器具である。さらに、本発明の好適な実施態様は、腱もしくは靱帯組織再生器からなる器具の全体がコラーゲンで成型された単糸および/またはポリ乳酸で成型された単糸を合計2〜200本、より好ましくは2〜30本を組み合わせることによって調製された複合糸によって縫製されている腱もしくは靱帯組織再生器具である。
本発明は、以上のように定義された腱もしくは靱帯組織再生器具の製造方法も対象とし、より好適な実施態様としては、生分解性材料で成型された糸状物を編み込むことにより、長手方向の中空部を有するメッシュ構造の筒状体を得、その中空部長手方向に、生分解性材料で成型された糸状物の束を充填し、さらにこの筒状体全体を生分解性材料で成型された糸状物によって縫製することにより、筒状体を扁平状に調製する工程を含む腱もしくは靱帯組織再生器具の製造方法である。なお、この各文言の意味は、全て上記説明が援用される。
以下に本発明を、実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例
I型およびIII型コラーゲンの混合物7重量%水溶液150mLを99.5容量%エタノール(和光純薬製、特級)3L凝固浴中に押し出し脱水凝固することで、繊維径50μmのコラーゲン単糸を得た。
コラーゲン単糸3本と、ポリ乳酸単糸6本からなる縒糸(ラクトロン、マルチフィラメント カネボウ合繊社製)3本を引き揃え、編み機(圓井繊維機械株式会社製)を用いて、編み密度が長手方向に約10本/cm、円周方向に約27本/cm、長さ30mm、幅4mmの中空メッシュ体を作成した。
一方で、コラーゲン単糸1本と、上記ポリ乳酸縒糸1本を組み合わせた複合糸を作成した。この複合糸を、1辺が40mmの中抜きの正方形の枠に巻き付けた後、端部をカットすることにより、複合糸の束を得た。
この複合糸の束を、中空メッシュ体の中空部長手方向に挿入した後、扁平状になるように押しつぶし、ポリ乳酸縒糸2本を組み合わせた複合糸で、ミシンを用いて縫製した。端部のメッシュ体からはみ出している複合糸の束をカット後、メッシュ体の端部をポリ乳酸縒糸2本を組み合わせた複合糸で縫製した。
図1に具体例を示した。
実験例1
実施例で得られた靱帯組織再生器具の一点支持引張強度をオートグラフにより測定した。具体的には、靱帯組織再生器具を生理食塩水に約15分浸漬後、端から5mmの位置に4-0プロリン縫合糸を通して輪を作った方を試験片の上部として、4-0プロリンの輪をオートグラフに取り付けたフック状物に掛けた。試験片下端より10mmまでの部分をチャックにより固定して測定した。その結果、靱帯組織再生器具の一点支持引張強度は、約85Nであった。
実験例2
実施例で得られた靱帯組織再生器具を用いて、家兎の内側側副靱帯の再生を行った。具体的には、家兎の内側側副靱帯を切除後、大腿骨および脛骨にドリルを用いて4.5mmの穴をあけた。ナイロン手術糸を実施例で得られた靱帯組織再生器具の端部にかけ、ドリル穴に挿入後、図2に示すように縫合した(写真:図3)。5ヶ月後、靱帯の再生が確認され、さらに、再生した靱帯は骨に接合していた(図4)。ここで、大腿骨および脛骨ごと取り出し、引っ張り試験器を用いて再生後の靱帯の引っ張り強度を測定した。引っ張り速度は、2mm/minとした。その結果、降伏点113M、最大付加加重119Nであった。健常な家兎は、降伏点209M、最大付加加重約200Nであるが、臨床における靱帯再生の程度としては十分な強度であるといえる。
本発明の腱もしくは靱帯組織再生器具は、強度および可撓性において優れており、医療分野において極めて有用な腱もしくは靱帯組織の再生器具を提供するものである。

Claims (12)

  1. コラーゲンで成型された単糸とポリ乳酸で成型された単糸の組み合わせによる複合糸で形成された長手方向の中空部を有するメッシュ構造の筒状体の中空部長手方向に、生分解性材料で成型された糸状物の束が充填され、器具の全体が生分解性材料によって成型された糸状物によって長手方向に対して一定間隔で縫製されている扁平形状の腱もしくは靱帯組織再生器具。
  2. コラーゲンで成型された単糸とポリ乳酸で成型された単糸の組み合わせによる複合糸が、合計2〜200本の単糸の組み合わせによる複合糸である請求項1に記載の腱もしくは靱帯組織再生器具。
  3. 前記筒状体において、充填される糸状物の束の占める体積充填率が約50〜90%である請求項1または2に記載の腱もしくは靱帯組織再生器具。
  4. 前記糸状物を成型する生分解性材料が、コラーゲン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、グリコール酸と乳酸の共重合体、乳酸とε−アミノカプロン酸の共重合体、ポリヒドロキシ酸、ポリ(ε−カプロラクタム)、及びポリアミノ酸から選ばれることを特徴とする請求項1〜のいずれか一に記載の腱もしくは靱帯組織再生器具。
  5. 前記糸状物が、単糸もしくは単糸の組み合わせによる複合糸である請求項1〜4のいずれか一に記載の腱もしくは靱帯組織再生器具。
  6. 糸状物が、同一の生分解性材料で成型された単糸の組み合わせによる複合糸である請求項1〜5のいずれか一に記載の靱帯組織再生器具
  7. 糸状物が、異なる生分解性材料で成型された単糸の組み合わせによる複合糸である請求項1〜5のいずれか一に記載の靱帯組織再生器具。
  8. 異なる生分解性材料で成型された単糸の組み合わせが、コラーゲンで成型され単糸とコラーゲン以外の生分解性材料で成型され単糸の組み合わせである請求項7に記載の腱もしくは靱帯組織再生器具。
  9. コラーゲン以外の生分解性材料がポリ乳酸である請求項8に記載の腱もしくは靱帯組織再生器具。
  10. 複合糸が、合計2〜200本の単糸の組み合わせによる複合糸である請求項5〜9に記載の腱もしくは靱帯組織再生器具。
  11. ラーゲンで成型された単糸とポリ乳酸で成型された単糸を合計2〜200本を組み合わせることによって調製された複合糸で形成され、長手方向に中空部を有するメッシュ構造の筒体の中空部に、コラーゲンで成型された単糸とポリ乳酸で成型された単糸を合計2〜200本を組み合わせることによって調製された複合糸の束が充填され、器具の全体がコラーゲンで成型された単糸および/またはポリ乳酸で成型された単糸2〜200本を組み合わせて調製された複合糸によって長手方向に対して一定間隔で縫製されていることを特徴とする扁平形状の腱もしくは靱帯組織再生器具。
  12. コラーゲンで成型された単糸とポリ乳酸で成型された単糸の組み合わせによる複合糸を編み込むことにより、長手方向の中空部を有するメッシュ構造の筒状体を得、その中空部長手方向に、生分解性材料で成型された糸状物の束を充填し、さらにこの筒状体全体を生分解性材料で成型された糸状物によって長手方向に対して一定間隔で縫製することにより、筒状体を扁平状に調製する工程を含む、請求項1〜11に記載の腱もしくは靱帯組織再生器具の製造方法。
JP2005517268A 2004-01-23 2005-01-21 腱もしくは靱帯組織再生器具 Active JP4793985B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005517268A JP4793985B2 (ja) 2004-01-23 2005-01-21 腱もしくは靱帯組織再生器具

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004015025 2004-01-23
JP2004015025 2004-01-23
JP2005517268A JP4793985B2 (ja) 2004-01-23 2005-01-21 腱もしくは靱帯組織再生器具
PCT/JP2005/000740 WO2005070340A1 (ja) 2004-01-23 2005-01-21 腱もしくは靱帯組織再生器具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2005070340A1 JPWO2005070340A1 (ja) 2007-09-06
JP4793985B2 true JP4793985B2 (ja) 2011-10-12

Family

ID=34805445

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005517268A Active JP4793985B2 (ja) 2004-01-23 2005-01-21 腱もしくは靱帯組織再生器具

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4793985B2 (ja)
WO (1) WO2005070340A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008529749A (ja) * 2005-02-18 2008-08-07 シンタソーム インコーポレーテッド 軟組織修復用合成構造物
WO2008116127A2 (en) 2007-03-20 2008-09-25 Serica Techonologies, Inc. Tendon prosthesis and method of manufacturing the same
JP5320726B2 (ja) * 2007-11-07 2013-10-23 ニプロ株式会社 コラーゲン繊維束の製造方法
KR101275163B1 (ko) * 2011-05-26 2013-06-17 한국생산기술연구원 다공질의 3차원 지지체 및 그의 제조방법

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51148289A (en) * 1975-06-12 1976-12-20 Nippi Inc Method of producing artificial tendon
US4584772A (en) * 1983-05-24 1986-04-29 Black & Decker Overseas Ag Hand-held planing tool with a rotary cutter
JPH0252648A (ja) * 1988-07-01 1990-02-22 Minnesota Mining & Mfg Co <3M> 受傷した生物学的組識を代替する方法および装置
US5116373A (en) * 1989-08-28 1992-05-26 Sulzer Brothers Limited Pull-through appliance
JP2003500162A (ja) * 1999-05-27 2003-01-07 スミス アンド ネフュー ピーエルシー 結合組織再構成用移植片

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51148289A (en) * 1975-06-12 1976-12-20 Nippi Inc Method of producing artificial tendon
US4584772A (en) * 1983-05-24 1986-04-29 Black & Decker Overseas Ag Hand-held planing tool with a rotary cutter
JPH0252648A (ja) * 1988-07-01 1990-02-22 Minnesota Mining & Mfg Co <3M> 受傷した生物学的組識を代替する方法および装置
US5116373A (en) * 1989-08-28 1992-05-26 Sulzer Brothers Limited Pull-through appliance
JP2003500162A (ja) * 1999-05-27 2003-01-07 スミス アンド ネフュー ピーエルシー 結合組織再構成用移植片

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2005070340A1 (ja) 2007-09-06
WO2005070340A1 (ja) 2005-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE602004004729T2 (de) Hochfeste Naht mit absorbierbarem Kern
DE3650418T2 (de) Röhrenförmige Prothese.
JP5615891B2 (ja) 腱の人工装具およびその製造方法
DE60007732T2 (de) Verbessertes chirurgisches multifilament-nähgarn
JP4667853B2 (ja) 吸収性のコアを有する高強度縫合糸と縫合糸アンカーの組合せ体
DE60012324T2 (de) Implantate zum wiederaufbau von bindegewebe
US11098422B2 (en) Method for forming a barbed suture and the barbed suture thus obtained
JPH07505326A (ja) 人工靭帯
JP2016510666A (ja) 吸収性及び非吸収性材料の不規則に均一な三次元組織スカフォールド
JP6411445B2 (ja) 吸収性及び非吸収性材料の不規則に均一な三次元組織スカフォールド
CN107405145A (zh) 具有防拧绳特征的网状缝合线
CN104043151A (zh) 一种复合人工韧带及其制备方法
DE10046119A1 (de) Medizintechnisches bioresorbierbares Implantat, Verfahren zur Herstellung und Verwendung
WO2018121629A1 (zh) 仿生韧带及仿生韧带***
JP4793985B2 (ja) 腱もしくは靱帯組織再生器具
JP2771230B2 (ja) 補綴製品
WO2011085920A1 (de) Kollagenfaserkonstrukte für den kreuzbandersatz
US10835645B2 (en) High tenacity fibers
JP6484117B2 (ja) 人工血管
JP7489599B2 (ja) 編組された外科用インプラント
CN107982572A (zh) 一种部分可吸收运动医学骨科缝合线及其制备方法
JP2006110184A (ja) 縫合用材料
CN114177343A (zh) 一种缝线、制备方法及医用编织物
Ghosh et al. A Critique: Advancement and Applications of Surgical Sutures in Medical Implants

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110114

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110720

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110725

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4793985

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140805

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250