JP4793347B2 - 車両用灯具、その被膜有無識別方法、およびそのためのアウターレンズ部品 - Google Patents

車両用灯具、その被膜有無識別方法、およびそのためのアウターレンズ部品 Download PDF

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Description

本発明は、車両に装着される車両用灯具に関するものである。
従来、車両に装着される車両用灯具は、一端開放のハウジングが形成する収容空間に光源が設けられ、このハウジングの開放端に光の透過を許すアウターレンズ部材が設けられて構成されているものがある。
このアウターレンズ部材は、車両の外装の一部を形成するように外部に露出するものであるから、例えば、傷の防止のための被覆材が塗布されたり(以下、ハードコート加工ともいう。)、曇り防止のための被覆材が塗布されたり(以下、防曇加工ともいう。)して、表面または裏面に被膜層が形成されることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平05−159607号公報
しかしながら、上記したハードコート加工および防曇加工では、形成される被膜層が極めて薄いうえに、アウターレンズ部材と同様に無色透明であることから、アウターレンズ部材にハードコート加工または防曇加工が施されているか否か、すなわち被膜層が形成されているか否かの識別が困難であった。
本発明は、上記の問題に鑑みて為されたもので、アウターレンズ部材に被膜層が形成されているか否かを容易にかつ確実に識別することができる車両用灯具、その被膜有無識別方法、およびそのためのアウターレンズ部品を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の車両用灯具は、光源が配置される収容空間を形成するハウジングの開放端にアウターレンズ部材が設けられた車両用灯具であって、前記アウターレンズ部材は、前記収容空間側となる裏面または表面の少なくとも一方の面が微細な波状の凹凸面とされた確認領域を備え、該確認領域では、前記アウターレンズ部材における前記凹凸面が設けられた一方の面に形成された被膜層により前記凹凸面が埋められて前記被膜層に連続する一様な被膜表面が形成され、該被膜表面と他方の面とが平行とされていることを特徴とする。
請求項2に記載の車両用灯具は、請求項1に記載の車両用灯具であって、前記凹凸面は、前記アウターレンズ部材の前記裏面または前記表面に形成される前記被膜層の厚さ寸法よりも小さな高さ寸法の凹凸により形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の車両用灯具は、請求項1または請求項2に記載の車両用灯具であって、前記確認領域では、前記アウターレンズ部材の前記裏面側および前記表面側の双方に前記凹凸面が設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載の車両用灯具は、請求項3に記載の車両用灯具であって、前記裏面側の前記凹凸面と前記表面側の前記凹凸面とは、光の散乱率が異なる設定とされていることを特徴とする。
請求項5に記載の車両用灯具は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用灯具に対する被膜有無識別方法であって、前記確認領域の透過率に基づいて前記アウターレンズ部材に被膜層が形成されたか否かを識別することを特徴とする。
請求項6に記載の被膜有無識別方法は、請求項5に記載の被膜有無識別方法であって、前記確認領域の透過率は、前記アウターレンズ部材の前記裏面または前記表面の一方側からその直交方向に沿うように前記確認領域へ向けて検査光を照射し、当該検査光をその出射方向と正対する位置でかつ前記裏面または前記表面の他方側で受光することにより、取得することを特徴とする。
請求項7に記載のアウターレンズ部材は、車両に装着される車両用灯具を構成すべく光源が配置される収容空間を形成するハウジングの開放端に設けられるアウターレンズ部材であって、前記光源による前記車両の前方の照射のためのレンズ部と、該レンズ部の周囲を取り囲むように設けられかつ前記車両に装着された状態では該車両の車体パネルにより遮蔽されるフランジ部と、を備え、該フランジ部には、前記収容空間側となる裏面または表面の少なくとも一面が微細な波状の凹凸面とされた確認領域が設けられていることを特徴とする。
本発明の車両用灯具では、アウターレンズ部材に波状の凹凸面を有する確認領域が設けられていることから、アウターレンズ部材に被膜層が形成された場合と形成されていない場合とでは確認領域の光の透過率が異なるので、当該透過率を取得するだけでアウターレンズ部材の被膜層の有無を確実に識別することができる。
また、被膜表面に対して直交する方向から確認領域に向けて検査光を照射し、照射側とは反対側で検査光の出射方向と正対するように確認領域を透過した検査光を受光して、確認領域の透過率を取得すると、被膜層が形成されている場合には平滑なアウターレンズ部材の透過率に近い透過率すなわち高い透過率となることに対し、被膜層が形成されていない場合(被膜表面は存在しない)には検査光が凹凸面へと入射する際に拡散されることから当該検査光を殆ど受光することができず低い透過率となる。このため、アウターレンズ部材の被膜層の有無を容易にかつ確実に識別することができる。
上記した構成に加えて、前記凹凸面は、前記アウターレンズ部材の前記裏面または前記表面に形成される前記被膜層の厚さ寸法よりも小さな高さ寸法の凹凸により形成されていることとすると、形成される被膜層により凹凸面を埋めることができ、凹凸面上に平坦な被膜表面を形成することができる。
上記した構成に加えて、前記確認領域では、前記アウターレンズ部材の前記裏面側および前記表面側の双方に前記凹凸面が設けられていることとすると、例えば、アウターレンズ部材の表面に傷の防止のためのハードコート加工を施し、かつ裏面に曇り防止のための防曇加工を施す場合であっても、単一の確認領域の透過率を取得して判断するだけで、表面および裏面の双方に被膜層が形成されているか否かを確実に識別することができる。
上記した構成に加えて、前記裏面側の前記凹凸面と前記表面側の前記凹凸面とは、光の散乱率が異なる設定とされていることとすると、単一の確認領域の透過率を取得して判断するだけで、表面および裏面の双方に被膜層が形成されているものであるのか、表面のみに被膜層が形成されているものであるのか、裏面のみに被膜層が形成されているものであるのか、表面および裏面のいずれにも被膜層が形成されていないものであるのか、の識別をすることができる。
以下、本発明の最良の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る車両用灯具の一例であるヘッドランプ10が採用された車両Cを模式的に示す斜視図であり、図2は、図1に示すI−I線に沿って得られたヘッドランプ10の模式的な断面図である。図3は、ヘッドランプ10のアウターレンズ部材11を示す模式的な正面図であり、図4は、図3に示すII−II線に沿って得られた模式的な部分断面図である。なお、以下の説明では、アウターレンズ部材11において、表面24とは、ヘッドランプ10が車両Cに装着された状態において外部に露出する側の面をいい、裏面25とは、ヘッドランプ10の収容空間13側の面をいう(図2参照)。
ヘッドランプ10は、図1に示すように、前方を照射するために車両Cに装着されている。このヘッドランプ10は、図2に示すように、前面側に設けられたアウターレンズ部材11と、このアウターレンズ部材11の後部に設けられたハウジング12とを備えている。このハウジング12とその開放端12aに取り付けられたアウターレンズ部材11とにより形成された収容空間13に灯具ユニット14が設けられている。灯具ユニット14は、フレーム15と、その前部開口部を覆うインナーレンズ16と、フレーム15の後部開口部を覆うリフレクタ17とを有する。
リフレクタ17は、中心線を含む断面で見て略2次曲線となる曲面で構成されたお椀形状(図2の右側から左側へ向けて径寸法を漸次増大させる形状)を呈し、後端部17a(図2の右端となるお椀形状の底部)に挿通孔17bが設けられ、内側が反射面とされている。このリフレクタ17がフレーム15およびインナーレンズ16と協働して灯室18が形成され、この灯室18内に、光源としての放電灯19が設けられている。本実施例では、放電灯19としては、メタルハライドランプ等の高圧金属蒸気放電灯、または高輝度放電灯(HID)等が用いられている。この放電灯19は、リフレクタ17の挿通孔17bを経て灯室18に装着可能とされており、イグナイタ20が接続されている。
このイグナイタ20は、リフレクタ17の挿通孔17bを経て、灯室18に装着された状態の放電灯19と電気的に接続するように灯具ユニット14に装着可能とされている。また、イグナイタ20は、制御部21に接続され、この制御下で放電灯19を点灯させる。このため、灯具ユニット14は、制御部21の制御に応じて照射可能とされている。
本発明に係る車両用灯具としてのヘッドランプ10では、図2および図3に示すように、アウターレンズ部材11に確認領域30が設けられている。このアウターレンズ部材11は、本実施例では、灯具ユニット14による車両Cの前方の照射のためのレンズ部22と、その周囲を取り囲むように設けられたフランジ部23とを有する。このフランジ部23は、アウターレンズ部材11とハウジング12との固着のために設けられており、アウターレンズ部材11が車両Cに装着された状態では、車体パネルにより遮蔽される構成とされている(図1参照)。本実施例では、このフランジ部23に確認領域30が設けられている。
確認領域30は、アウターレンズ部材11(主にレンズ部22)にハードコート加工あるいは防曇加工等が施される際、それらの加工のための被覆材がレンズ部22と同様に塗布される位置に設定されている。確認領域30では、表面24と裏面25とが全体として平行とされすなわち全体に均一な厚さ寸法とされ、表面24側および裏面25側の少なくとも一方が凹凸面31とされている。この確認領域30では、一方のみが凹凸面31とされる場合、その他方の凹凸面31とされていない側が表面24および裏面25に平行な平坦面32とされて構成される。この確認領域30は、本実施例では、図4に示すように、アウターレンズ部材11の表面24側が凹凸面31とされ、裏面25側が平坦面32とされている。これは、本実施例のヘッドランプ10では、アウターレンズ部材11の表面24のみに傷の防止のためのハードコート加工を施す設定とされていることによる。
この凹凸面31は、波状の凹凸により形成されている。換言すると、凹凸面31の凹凸は、アウターレンズ部材11のフランジ部の表面24または裏面25の延在方向に対して、斜め方向に延在する面を形成するように***または陥没している(図5参照)。また、この凹凸面31の凹凸は、アウターレンズ部材11のレンズ部22に形成される被膜層33(図5参照)の厚さ寸法よりも小さな高さ寸法とされている。この理由については、後述する。この凹凸面31は、アウターレンズ部材11を、その確認領域30に相当する個所の表面および裏面を平坦面として形成し、その平坦面にブラスト加工等を施して形成するものであってもよく、アウターレンズ部材11を形成するための型枠に凹凸加工を施して形成するものであってもよい。
このアウターレンズ部材11の表面24にハードコート加工が施され、当該表面24に被膜層33が形成されると、図5に示すように、確認領域30の凹凸面31にも被膜層33が形成される。この図5は、被膜層33と凹凸面31との様子を説明するための説明図であり、確認領域30の近傍を模式的に示している。
この確認領域30の凹凸面31に形成された被膜層33は、凹凸面31の凹凸を被覆材で埋めつつ、確認領域30の周囲の被膜層33と連続する一様な被膜表面33aを形成する。これは、上述したように、凹凸面31の凹凸の高さ寸法が、アウターレンズ部材11の表面24に形成される被膜層33の厚さ寸法よりも小さく設定されていることによる。この被膜表面33aは、アウターレンズ部材11の表面24において凹凸面31が設けられた個所すなわち確認領域30に相当する個所の表面24と裏面25とが全体として平行とされていることから、アウターレンズ部材11の裏面25すなわち確認領域30の裏面25側の平坦面32と平行となる。このため、確認領域30では、被膜層33とアウターレンズ部材11とが凹凸面31を境界として互いに密接し、その一方の被膜層33が形成している被膜表面33aと、他方のアウターレンズ部材11が形成している平坦面32とが互いに平行となっている。
この本発明に係る車両用灯具のヘッドランプ10では、アウターレンズ部材11に被膜層(33)が形成されているか否かを容易にかつ確実に識別することが可能である。この被膜有無識別方法について、図6ないし図8を用いて以下で説明する。この図6は、被膜有無識別方法の様子を説明するために模式的な斜視図で示す説明図である。また、図7は、確認領域30において検査光Lの透過率に差異が生じる様子を説明するための説明図であり、図8は、確認領域30の凹凸面31において検査光Lが屈折する様子を説明するための説明図である。
本発明に係る被膜有無識別方法では、図6に示すように、出射装置34と受光装置35とを用いる。この出射装置34は、検査光Lとしての光束を出射可能なものであり、本実施例では赤色のレーザー光を出射するものが用いられている。受光装置35は、出射装置34から出射された検査光Lを受光可能なものであり、この受光した検査光Lの光量を検知可能とされている。この出射装置34と受光装置35とを正対させ、その出射装置34から出射された検査光Lと直交するようにアウターレンズ部材11の確認領域30を配置する、すなわち出射装置34からの検査光Lの出射方向Oに対して、確認領域30とされたフランジ部23の表面および裏面25が直交するようにアウターレンズ部材11を配置する。
すると、受光装置35では、アウターレンズ部材11に被膜層33が形成されている場合、すなわち確認領域30が被膜層33とアウターレンズ部材11とが積層されて構成されている場合には、アウターレンズ部材11を透過させた場合に略等しい光量を検知するのに対し、アウターレンズ部材11に被膜層33が形成されていない場合すなわち確認領域30がアウターレンズ部材11のみで構成されている場合には、極めて低い光量を検知することとなる。これは、以下のことによる。
確認領域30では、被膜層33が形成されている場合には、図7に示すように、空気と被膜層33(二点鎖線で示す)とが出射方向Oに直交する平坦な被膜表面33aを境界面として接し、その被膜層33とアウターレンズ部材11とが出射方向Oに傾斜する凹凸により形成された凹凸面31を境界面として接し、そのアウターレンズ部材11と空気とが出射方向Oに直交する平坦な平坦面32を境界面として接していることとなる。
これに対し、被膜層33が形成されていない場合には、空気とアウターレンズ部材11とが凹凸面31を境界面として接し、そのアウターレンズ部材11と空気とが平坦面32を境界面として接していることとなる。
ここで、一般的に、ハードコート加工に用いられる被膜材(被膜層33)は、アウターレンズ部材11と近い屈折率(互いの屈折率の差が極めて小さい)であり、この被膜材(被膜層33)およびアウターレンズ部材11は、空気に対して大きな屈折率である。
確認領域30に被膜層33が形成されている場合、検査光Lは、被膜表面33aは出射方向Oに対して直交していることから、被膜表面33aを通過する際は進行方向が変化することなく、出射方向Oに沿って空気中から被膜層33へと進向する。この出射方向Oに沿って被膜層33内を進向する検査光Lは、凹凸面31に到達する。この凹凸面31は、出射方向Oに対して傾斜し、かつ被膜層33とアウターレンズ部材11との境界面となっていることから、検査光Lは、凹凸面31を通過する際に屈折することとなる。ここで、被膜層33とアウターレンズ部材11とは、上述したように、近い屈折率であることから、検査光Lは、進行方向をそれ程変えることなくアウターレンズ部材11へと侵入し当該アウターレンズ部材11内を進向する(図8の検査光L1参照)。
その後、検査光L1は、出射方向Oに対して直交する平坦面32を通過して空気中へ進向する(出射される)こととなるが、当該検査光L1は、出射方向Oと略平行、すなわち略90度に近い角度で当該平坦面32に到達することとなるので、アウターレンズ部材11から空気中へと当該裏面25を通過する際に進行方向をそれ程変えることはない(検査光L1´参照)。
このため、確認領域30に被膜層33が形成されている場合、検査光Lは、出射方向Oに略沿うように確認領域30を透過して、出射装置34から出射された際の略総ての光束が受光装置35に到達する、すなわち略総ての光束が受光装置35に受光されることとなる。このことから、確認領域30に被膜層33が形成されている場合、受光装置35では、出射装置34から出射された検査光Lを、アウターレンズ部材11を透過させた場合に略等しい光量として受光することとなり、確認領域30が高い透過率となっていることとなる。換言すると、被膜層33が形成された確認領域30は、出射装置34から出射された検査光Lに対しては、光学的に素通しレンズ状態のアウターレンズ部材11に略等しいこととなる。
これに対し、確認領域30に被膜層33が形成されていない場合、検査光Lは、空気中を出射方向Oに沿って進向して凹凸面31に到達する。凹凸面31は、出射方向Oに対して傾斜し、かつ空気中とアウターレンズ部材11との境界面であることから、検査光Lは、凹凸面31を通過する際、空気とアウターレンズ部材11との屈折率の差に応じて屈折することとなる。上述したように、空気の屈折率に対するアウターレンズ部材11の屈折率は大きいことから、検査光Lは、進行方向を変えてアウターレンズ部材11へと侵入し当該アウターレンズ部材11内を進向する(図8の検査光L2参照)。
その後、検査光L2は、出射方向Oに対して直交する平坦面32を通過して空気中へ進行する(出射される)こととなるが、当該検査光L2は、出射方向Oとは傾斜を為す方向に沿って当該平坦面32に到達することとなるので、アウターレンズ部材11から空気中へ向けて当該裏面25を通過する際に、アウターレンズ部材11の屈折率と空気の屈折率との差に応じて進行方向を変えることとなる(検査光L2´参照)。
このため、確認領域30に被膜層33が形成されていない場合、検査光Lは、凹凸面31で散乱されつつ確認領域30を透過し、出射装置34から出射された際の光束の一部のみが受光装置35に到達する、すなわち光束の一部のみが受光装置35に受光されることとなる。このことから、確認領域30に被膜層33が形成されていない場合、受光装置35では、出射装置34から出射された検査光Lを、当該検査光Lに比較して極めて小さな光量として受光することとなり、確認領域30が低い透過率となっていることとなる。
このため、本発明に係る車両用灯具であるヘッドランプ10に対して、本発明に係る被膜有無識別方法を実行すれば、受光装置35での受光した検査光Lの光量に基づいて、被膜層33の有無を容易にかつ確実に識別することができる。
また、ヘッドランプ10では、確認領域30がアウターレンズ部材11において、ヘッドランプ10が車両Cに装着された状態では車体パネルにより遮蔽されるフランジ部23に設けられていることから、確認領域30を設けることに起因して、アウターレンズ部材11ひいてはヘッドランプ10の外観および配光に何らの影響を及ぼすことが防止されている。
さらに、本発明に係る被膜有無識別方法では、確認領域30の透過率の差異に基づいてアウターレンズ部材11に被膜層33が形成されているか否かを判断するものであることから、アウターレンズ部材11の表面24または裏面25に形成される被膜層33の厚さ寸法に拘わらず確実に被膜層33の有無を識別することができる。
したがって、本発明に係る車両用灯具であるヘッドランプ10に対して、本発明に係る被膜有無識別方法を実行すれば、肉眼で識別することが困難な被膜層33の有無を容易にかつ確実に識別することができる。
なお、上記した実施例では、確認領域30では、表面24側に凹凸面31が形成された構成とされていたが、例えば、防曇加工のための被膜層33がアウターレンズ部材11の裏面25に形成されることを鑑みて裏面25側に凹凸面を設ける構成であってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
また、上記した実施例では、確認領域30では、表面24および裏面25のうちの一方のみに凹凸面31が形成されて構成されていたが、図9に示すように、両面に凹凸面31aおよび凹凸面31bを形成することもできる。このような構成とすると、アウターレンズ部材11が、例えば、裏面25にハードコート加工のための被膜層が形成され、かつ裏面25に防曇加工のための被膜層が形成される設定とされている場合、上記した本発明に係る被膜有無識別方法を実行することにより、両被膜層が表面24および裏面25に形成されているか否かを容易にかつ確実に識別することができる。
さらに、図9に示すように、両面に凹凸面31aおよび凹凸面31bを形成して確認領域30´を構成する場合、凹凸面31aの凹凸の傾斜と凹凸面31bの凹凸の傾斜とに差異を設ける等により、凹凸面31aを境界面とする空気中とアウターレンズ部材11とでの散乱率と、凹凸面31bを境界面とする空気中とアウターレンズ部材11とでの散乱率とに差異を設ける構成とすることができる。この場合、確認領域30´の透過率を取得して判断する、すなわち確認領域30´に対して本発明に係る被膜有無識別方法を実行して受光装置35が取得した光量を判断することにより、検査対象であるアウターレンズ部材11が、表面24および裏面25の双方に被膜層が形成されているものであるのか、表面24のみに被膜層が形成されているものであるのか、裏面25のみに被膜層が形成されているものであるのか、表面24および裏面25のいずれにも被膜層が形成されていないものであるのか、の識別をすることができる。
上記した実施例では、凹凸面31の凹凸が被膜層33の厚さ寸法よりも小さな高さ寸法とされていたが、これは、実際に確認領域を設けて試したところ、被膜層の厚さ寸法も大きな高さ寸法の凹凸で凹凸面を構成した場合、確認領域に被膜層が形成されているにも拘わらず当該確認領域の透過率が低くなってしまうことがあったことによる。この原因としては、凹凸面の凹凸の高さ寸法が、被膜層の厚さ寸法も大きい場合、凹凸面に形成される被膜層の被膜表面が平坦とならないことが考えられる。このことから、凹凸面の凹凸の高さ寸法は、凹凸面に形成される被膜層の被膜表面が、平坦な面となるように、被膜材の特性および被膜層の厚さ寸法等を考慮しつつ設定すればよい。
上記した実施例では、確認領域30は、アウターレンズ部材11のフランジ部23にレンズ部22の下方に位置する個所に設けられていたが、アウターレンズ部材11において、灯具ユニット14による車両Cの前方の照射に影響のない位置であり、かつアウターレンズ部材11に被膜加工が施される際に被膜層33が形成される位置に設けられていればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、被膜材(被膜層33)とアウターレンズ部材11とが近い屈折率であるとして説明したが、被膜材(被膜層33)とアウターレンズ部材11とが等しい屈折率であれば、アウターレンズ部材11に被膜層(33)が形成された場合、確認領域30は、素通し状態のアウターレンズ部材11と等しい透過率となり、より確実に被膜層の有無を識別することができる。
上記した実施例では、本発明に係る車両用灯具としてヘッドランプ10について説明したが、光源が配置される収容空間を形成するハウジングの開放端にアウターレンズ部材が設けられた車両用灯具であって、そのアウターレンズ部材の表面または裏面に被膜層が形成されるものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
本発明に係る車両用灯具の一例であるヘッドランプが採用された車両を模式的に示す斜視図である。 図1に示すI−I線に沿って得られたヘッドランプの模式的な断面図である。 ヘッドランプのアウターレンズ部材を示す模式的な正面図である。 図3に示すII−II線に沿って得られた模式的な部分断面図である。 被膜層と凹凸面との様子を説明するための説明図であり、確認領域の近傍を模式的に示している。 被膜有無識別方法の様子を説明するために模式的な斜視図で示す説明図である。 確認領域において検査光Lの透過率に差異が生じる様子を説明するための説明図である。 確認領域の凹凸面において検査光Lが屈折する様子を説明するための説明図である。 確認領域の他の例を示す模式的な断面図である。
符号の説明
10 (車両用灯具としての)ヘッドランプ
11 アウターレンズ部材
12 ハウジング
12a 開放端
13 収容空間
14 (光源としての)灯具ユニット
24 表面
25 裏面
30 確認領域
31 凹凸面
33 被膜層
33a 被膜表面
C 車両
L 検査光

Claims (7)

  1. 光源が配置される収容空間を形成するハウジングの開放端にアウターレンズ部材が設けられた車両用灯具であって、
    前記アウターレンズ部材は、前記収容空間側となる裏面または表面の少なくとも一方の面が微細な波状の凹凸面とされた確認領域を備え、
    該確認領域では、前記アウターレンズ部材における前記凹凸面が設けられた一方の面に形成された被膜層により前記凹凸面が埋められて前記被膜層に連続する一様な被膜表面が形成され、該被膜表面と他方の面とが平行とされていることを特徴とする車両用灯具。
  2. 前記凹凸面は、前記アウターレンズ部材の前記裏面または前記表面に形成される前記被膜層の厚さ寸法よりも小さな高さ寸法の凹凸により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
  3. 前記確認領域では、前記アウターレンズ部材の前記裏面側および前記表面側の双方に前記凹凸面が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用灯具。
  4. 前記裏面側の前記凹凸面と前記表面側の前記凹凸面とは、光の散乱率が異なる設定とされていることを特徴とする請求項3項に記載の車両用灯具。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用灯具に対する被膜有無識別方法であって、
    前記確認領域の透過率に基づいて前記アウターレンズ部材に被膜層が形成されたか否かを識別することを特徴とする被膜有無識別方法。
  6. 前記確認領域の透過率は、前記アウターレンズ部材の前記裏面または前記表面の一方側からその直交方向に沿うように前記確認領域へ向けて検査光を照射し、当該検査光をその出射方向と正対する位置でかつ前記裏面または前記表面の他方側で受光することにより、取得することを特徴とする請求項5に記載の被膜有無識別方法。
  7. 車両に装着される車両用灯具を構成すべく光源が配置される収容空間を形成するハウジングの開放端に設けられるアウターレンズ部材であって、
    前記光源による前記車両の前方の照射のためのレンズ部と、該レンズ部の周囲を取り囲むように設けられかつ前記車両に装着された状態では該車両の車体パネルにより遮蔽されるフランジ部と、を備え、
    該フランジ部には、前記収容空間側となる裏面または表面の少なくとも一面が微細な波状の凹凸面とされた確認領域が設けられていることを特徴とするアウターレンズ部材。
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