JP4792634B2 - 光機能素子、有機el素子および有機el表示装置 - Google Patents

光機能素子、有機el素子および有機el表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光機能素子、特に有機エレクトロルミネセンス(EL)素子、および表示装置に好適な、高画質の光機能素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、有機EL素子は透明な基板上に陽極となる透明電極を所定のストライプ状等の形状に形成し、さらにこの上に有機発光層を形成している。そしてこの発光層の表面で、透明電極と直行する方向にMgAg等の金属からなるストライプ状の陰極電極を形成している。前記透明電極と陰極電極間に電圧を印加すると各電極が形成するストライプの交点が発光する。これが画像を形成する画素となる。
【0003】
このような形状を有する表示装置は単純マトリックスと呼ばれ、陰極電極側を走査電極とし順次に選択して行き、一方の透明電極におのおのの走査線で選択された画素のデータを並列に出力する線順次走査法を用いる。この時、走査の速度を1秒当たり60画面程度を形成できるようにすることにより、人間の目の特性より2次元の画像がちらつくことなく表示することが出来る。この時、得られる画像の明るさは、選択された時間に有機EL素子の出力する輝度を走査線数で割った値に相当する。
【0004】
一方、有機EL素子を基板上に形成した回路により駆動するアクティブマトリックス表示装置の場合、各ELの画素には、この画素に対して供給する電流を制御するための薄膜トランジスタ(TFT)の如きTFT(電界効果トランジスタ)が一組ずつ接続されている。すなわち有機EL素子に駆動電流を流すバイアス用のTFTと、そのバイアス用TFTを選択すべきかを示すスイッチ用のTFTが一組ずつ接続されている。
【0005】
従来のアクティブマトリックス型の有機EL表示装置の回路図の一例を図11,12に示す。この有機EL表示装置50は、画面51と、この画面51を駆動するためのX方向信号線X1,X2…、Y方向信号線Y1,Y2…、電源Vdd線Vdd1,Vdd2…、スイッチ用トランジスタ(TFT)Ty11,12、Ty21,22…、電流制御用トランジスタ(TFT)M11,12、M21,22…、有機EL素子EL110,120、EL210,220…、コンデンサC11,12、C21,22…、X方向周辺駆動回路(シフトレジスタX軸)52,Y方向周辺駆動回路(シフトレジスタY軸)53等により構成される。
【0006】
そして、X方向信号線X1,X2、Y方向信号線Y1,Y2により画素が特定され、その画素においてスイッチ用TFTトランジスタTy11,12、Ty21,22がオンにされてその信号保持用コンデンサC11,12、C21,22に画像データが保持される。これにより、電流制御用のトランジスタM11,12、M21,22がオンにされ、電源線Vdd1、Vdd2により有機EL素子EL110,120、EL210,220に画像データに応じたバイアス用の電流が流れ、これが発光される。
【0007】
例えばX方向信号線X1に画像データに応じた信号が出力され、Y方向信号線Y1にY方向走査信号が出力されると、これにより特定された画素のスイッチ用トランジスタTy11がオンになり、画像データに応じた信号により電流制御用TFTトランジスタM11が導通されて有機EL素子EL110に、この画像データに応じた発光電流が流れ、発光制御される。このように、画素毎に、薄膜型のEL素子と、前記EL素子の発光制御用の電流制御用トランジスタと、前記電流制御用トランジスタのゲート電極に接続された信号保持用のコンデンサと、前記キャパシタへのデータ書き込み用のスイッチ用のトランジスタ等を有するアクティブマトリックス型EL画像表示装置において、EL素子の発光強度は、信号保持用のキャパシタに蓄積された電圧によって制御された発光電流制御用の非線形素子であるトランジスタに流れる電流で決定される(A66-in 201pi Electroluminescent Display T.P.Brody、F.C.Luo、et.al、IEEE Trans ElectronI)evices、Vol. ED-22、No. 9、Sep. 1975, P739~P749参照)。
【0008】
このとき使用される信号保持用のコンデンサの容量は、微少な選択時間内で画素スイッチTFTトランジスタが十分に電荷を充電できる容量以下である。また、この画素スイッチTFTトランジスタの非選択時のリーク電流が次の書き込み時間まで失わせる電荷により発生するコンデンサの保持電圧の低下が表示パネルの画像に悪影響を与えない容量以上であることが求められる。この時、有機EL素子は全ての時間において発光を続けているため、この方式の画像表示装置で得られる画像の明るさは、有機EL素子の発光輝度そのものとなる。
【0009】
また、特開2000−299192号公報では、これとは別に絶縁基板上に形成したサイリスタ素子と透明基板上に形成した有機EL素子とを接続して実現した有機EL素子を用いたアクティブマトリックス表示装置が述べられている。
【0010】
ところで、上記の単純マトリックス表示装置では走査線数が増えるに従って選択された時間に有機EL素子が出力する輝度を増やさなければ、得られる画像の明るさが低下してしまう。
【0011】
これは有機EL素子の信頼性を損なうと同時に有機EL素子の最大定格を超える出力を要求する走査線数を持った高精細の表示装置は実現できないことを示す。
【0012】
一方、上記の基板上に形成した駆動回路を用いたアクティブマトリックス表示装置では上記の問題は解決されるがTFTが高価なため表示装置も高くなってしまう。
【0013】
さらに、上記の別に設けたサイリスタ素子と有機EL素子を接続したアクティブマトリックス表示装置では接続の精度から高精細の表示装置の製造が困難である。また同一基板上にサイリスタ素子と有機EL素子を形成してから接続した場合はプロセスが長くなりコストがかかり表示装置も高価になってしまう。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、簡単な構成で光機能素子を用いたアクティブマトリックス表示装置を形成し、安価に高精細で明るい光機能素子、有機EL素子、有機EL表示装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は下記のように構成される。
【0016】
(1) 一画素の画素領域全体に、陽極、発光層、陰極、P型の光導電層、電極配線がこの順に形成され、前記P型の光導電層と前記発光層の間に形成される層は光透過性を有し、前記P型の光導電層と前記発光層とが電気的に接合され、
発光開始後に発光開始電圧以下の第1の電圧を前記陽極と前記電極配線の間に印加することにより発光を維持し、
前記第1の電圧より低い第2の電圧を前記陽極と前記電極配線の間に印加することにより発光を停止する光機能素子。
【0017】
(2) 一画素の画素領域全体に、電極配線、N型の光導電層、陽極、発光層、陰極がこの順に形成され、前記N型の光導電層と前記発光層の間に形成される層は光透過性を有し、前記N型の光導電層と前記発光層とが電気的に接合され、
発光開始後に発光開始電圧以下の第1の電圧を前記電極配線と前記陰極の間に印加することにより発光を維持し、
前記第1の電圧より低い第2の電圧を前記電極配線と前記陰極の間に印加することにより発光を停止する光機能素子。
【0018】
(3) 前記の光導電層が無機非単結晶膜からなる上記(1)または(2)の光機能素子。
【0019】
(4) 前記非単結晶膜はSi−H、Si−Ge−H、Si−O−H、Si−C−HおよびSi−N−Hのいずれかの非晶質または多結晶膜である記(3)の光機能素子。
【0020】
(5) 上記(1)〜(4)のいずれかの光機能素子の発光層が有機材料で形成されている有機EL素子。
【0021】
(6) 上記(5)の有機EL素子を複数有し、アクティブマトリックスとして動作する有機EL表示装置。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の光機能素子は、陰極と陽極の間に少なくとも1層以上の光導電層と発光層を有し、前記光導電層と発光層によりサイリスタ特性を有するものである。
【0024】
このように、発光素子自体がサイリスタ特性を有することにより、発光素子を駆動するためのスイッチング素子、駆動回路等が不要となり、TFT等を用いることなくアクティブマトリクス回路を構成することができる。
【0025】
本発明の光機能素子は、光導電層と発光層によりサイリスタ特性を有する。このサイリスタ特性は、光導電層と発光層との接合面、あるいは光導電層または発光層のいずれかの側に設けられたギャップ層、さらには光導電層と発光層の間に設けられたギャップ層により得ることができる。ここで、サイリスタとは、外部の回路なしにオン状態、オフ状態を保持しうる素子をいう。このようなサイリスタ素子としては、例えばSCR、ショックレイダイオードなどが知られている。
【0026】
本発明の光機能素子の動作原理を図1に沿って説明する。本発明の素子は、図示例のように発光層2、光伝導層3とが、光学的、電気的に接合された構造を有する。
【0027】
このような構造の素子に、外部から電圧を加え、電界を与えると、光導電層3でのエネルギー障壁を電荷が乗り越えるのに十分なエネルギーが与えられた時点で電流が流れ、発光層2で電子と正孔との再結合による発光が生じる。この発光は、外部に取り出される取り出し光4の他、光導電層3に入力する帰還光5を含む。光導電層は光による発電機能を有し、帰還光5により内部で電荷が生じる。そして、発生した電荷が増幅されて帰還電流6となり、発光層2へと供給される。このため、見かけ上光導電層3のエネルギー障壁が低下したのと同様の効果が得られ、それ以降は注入するエネルギー、つまり外部から加える電圧をある程度低くしても発光状態が維持される。
【0028】
また、発光状態を終了させるためには、外部から加えられるエネルギー、すなわち電圧を一定のしきい値以下にする。外部から与えられる電圧が一定のしきい値以下になると、光子により生じた電荷の増幅作用が低下し、増幅を行うだけの帰還率が維持できなくなり、発光状態が維持できなくなって消灯する。
【0029】
このような光電帰還ループ(増幅ループ)を維持するためには、キャリアの増幅機構が必要である。このようなキャリアの増幅機構としては、
(1)アバランシェ効果による増幅。
(2)キャリアの増幅能力を有する光導電層を用いる(例えばMe−PTCを用いる)。
(3)フォトトランジスタを応用する。
(4)キャリアの増幅能力を有する発光層を用いる。
等の方法が考えられるが、本発明では(1)のアバランシェ効果による増幅を用いることが好ましい。
【0030】
(1)のアバランシェ効果による増幅を行う場合、光導電層3で光により生じた電荷は、外部から加えられた電界により加速され、アバランシェ効果を生じ、光電流6を生じて、これが再び発光層へ与えられる。つまり、光導電層3に発生した光子由来の電荷が、外部電界により増幅されることになる。このようなアバランシェ効果による増幅作用は、光導電層の膜厚と外部から加えられる電界の強さで決まるため、制御や調整が容易である。
【0031】
上記アバランシェ効果は、発光層と光導電層との界面や、これらの層の端部、あるいはギャップ層(絶縁層)を形成することで容易に得られる。
【0032】
本発明ではまた、(2)のトンネル注入によるキャリアの増幅能力を有する光導電層を用いてもよい(例えばMe−PTCを用いる)。
【0033】
このような帰還ループを維持するのに必要な増幅率は、好ましくは5以上、6特に以上、さらには10以上である。
【0034】
また、光電帰還ループを維持するために、取り出しにより失われる光、光/電荷変換効率、電荷/光変換効率等を調整して最大の効率を得られるようにすることが望ましい。
【0035】
光導電層は、光−電荷の変換機能を有するものであれば特に限定されるものではなく、種々の無機、有機材料を用いることができる。無機材料としては、PbS、PbSe、PbTe等のPbS系、CdSe、あるいはCu、Cl等の不純物を含有するCdS系、InSb等を用いることも可能であるが、ディスプレー、特に薄膜での用途を考えると、Si、Ge、GaおよびAsの一種または2種以上用いた非晶質の半導体材料が好ましい。特に、Si−H、Si−Ge−H、、Si−O−H、Si−C−HおよびSi−N−Hの1種または2種以上を用いた多結晶、またはアモルファス材料が好ましい。
【0036】
有機材料としては、例えばキャリアの増幅能力を有するMe−PTCや、色素系太陽電池に用いられている酸化チタン、五酸化タングステン、タングステン酸ストロンチウム、五酸化ニオビウム、硫化カドミウム、酸化亜鉛、酸化錫などの公知の半導体の一種または二種以上に、シアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素や金属フリーフタロシアニン系色素等の色素材料を吸着させたものなどを所定の媒体中に分散させたもの、その他色素系レーザーに用いられている有機材料等が挙げられる。
【0037】
光導電層の膜厚は、構成する材料により異なり、上記アバランシェ効果や電源電圧との関係で最適な膜厚に調整すればよい。具体的には、発光層と光導電層との接合部分でエネルギーギャップを形成し、光導電層にSi−H、Si−Ge−H、Si−O−H、Si−C−HおよびSi−N−Hのいずれか1種以上を用いる場合では、100〜1000nm、特に200〜600nmである。
【0038】
光導電層は、P型であっても、N型であってもよく、組み合わせる発光層や素子設計において最適な構造となるようなものとすればよい。
【0039】
発光層は、上記光電流等により発光することが可能で、十分な発光効率が得られるものであれば特に限定されるものではない。
【0040】
例えば、発光ダイオード(LED)や有機EL素子等を用いることができる。
本発明では、薄膜プロセスでの形成が可能な点、面発光源である点から特に有機EL素子を発光層に用いることが好ましい。
【0041】
有機EL素子は、2つの電極の間に、少なくとも発光機能に関与する有機物質を含有する有機層を有するものである。そして、外部から与えられる電子・ホールが、有機層中で再結合することにより発光する。
【0042】
2つの電極、つまり第1の電極、および第2の電極は、Al,Ni,Cr,Ag,Au等の通常の導電材料を用いることが可能であるが、少なくとも有機EL側となる陽極、または陰極をホール注入電極、電子注入電極とするとよい。
【0043】
電子注入電極としては、低仕事関数の物質が好ましく、例えば、K、Li、Na、Mg、La、Ce、Ca、Sr、Ba、Al、Ag、In、Sn、Zn、Zr等の金属元素単体、または安定性を向上させるためにそれらを含む2成分、3成分の合金系を用いることが好ましい。合金系としては、例えばAg・Mg(Ag:0.1〜50at%)、Al・Li(Li:0.01〜14at%)、In・Mg(Mg:50〜80at%)、Al・Ca(Ca:0.01〜20at%)等が挙げられる。なお、電子注入電極は蒸着法やスパッタ法でも形成することが可能である。
【0044】
電子注入電極薄膜の厚さは、電子注入を十分行える一定以上の厚さとすればよく、0.5nm以上、好ましくは1nm以上、より好ましくは3nm以上とすればよい。また、その上限値には特に制限はないが、通常膜厚は3〜500nm程度とすればよい。電子注入電極の上には、さらに補助電極ないし保護電極を設けてもよい。
【0045】
蒸着時の圧力は好ましくは1×10-8〜1×10-5Torrで、蒸発源の加熱温度は、金属材料であれば100〜1400℃、有機材料であれば100〜500℃程度が好ましい。
【0046】
ホール注入電極は、発光した光を取り出すため、透明ないし半透明な電極が好ましい。透明電極としては、ITO(錫ドープ酸化インジウム)、IZO(亜鉛ドープ酸化インジウム)、ZnO、SnO2 、In2 3 等が挙げられるが、好ましくはITO(錫ドープ酸化インジウム)、IZO(亜鉛ドープ酸化インジウム)が好ましい。ITOは、通常In2 3 とSnOとを化学量論組成で含有するが、O量は多少これから偏倚していてもよい。ホール注入電極は、透明性が必要でないときは、不透明の公知の金属材質であってもよい。
【0047】
ホール注入電極の厚さは、ホール注入を十分行える一定以上の厚さを有すればよく、好ましくは50〜500nm、さらには50〜300nmの範囲が好ましい。また、その上限は特に制限はないが、あまり厚いと剥離などの心配が生じる。厚さが薄すぎると、製造時の膜強度やホール輸送能力、抵抗値の点で問題がある。
【0048】
このホール注入電極層は蒸着法等によっても形成できるが、好ましくはスパッタ法、特にパルスDCスパッタ法により形成することが好ましい。
【0049】
有機EL構造体の有機層は、次のような構成とすることができる。
【0050】
発光層は、ホール(正孔)および電子の注入機能、それらの輸送機能、ホールと電子の再結合により励起子を生成させる機能を有する。発光層には、比較的電子的にニュートラルな化合物を用いることが好ましい。
【0051】
ホール注入輸送層は、ホール注入電極からのホールの注入を容易にする機能、ホールを安定に輸送する機能および電子を妨げる機能を有するものであり、電子注入輸送層は、電子注入電極からの電子の注入を容易にする機能、電子を安定に輸送する機能およびホールを妨げる機能を有するものである。これらの層は、発光層に注入されるホールや電子を増大・閉じこめさせ、再結合領域を最適化させ、発光効率を改善する。
【0052】
発光層の厚さ、ホール注入輸送層の厚さおよび電子注入輸送層の厚さは、特に制限されるものではなく、形成方法によっても異なるが、通常5〜500nm程度、特に10〜300nmとすることが好ましい。
【0053】
ホール注入輸送層の厚さおよび電子注入輸送層の厚さは、再結合・発光領域の設計によるが、発光層の厚さと同程度または1/10〜10倍程度とすればよい。ホールまたは電子の各々の注入層と輸送層とを分ける場合は、注入層は1nm以上、輸送層は1nm以上とするのが好ましい。このときの注入層、輸送層の厚さの上限は、通常、注入層で500nm程度、輸送層で500nm程度である。このような膜厚については、注入輸送層を2層設けるときも同じである。
【0054】
有機EL素子の発光層には、発光機能を有する化合物である蛍光性物質を含有させる。このような蛍光性物質としては、例えば、特開昭63−264692号公報に開示されているような化合物、例えばキナクリドン、ルブレン、スチリル系色素等の化合物から選択される少なくとも1種が挙げられる。また、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム等の8−キノリノールまたはその誘導体を配位子とする金属錯体色素などのキノリン誘導体、テトラフェニルブタジエン、アントラセン、ペリレン、コロネン、12−フタロペリノン誘導体等が挙げられる。さらには、特開平8−12600号公報(特願平6−110569号)に記載のフェニルアントラセン誘導体、特開平8−12969号公報(特願平6−114456号)のテトラアリールエテン誘導体等を用いることができる。
【0055】
また、それ自体で発光が可能なホスト物質と組み合わせて使用することが好ましく、ドーパントとしての使用が好ましい。このような場合の発光層におけるドーパントの含有量は0.01〜20体積% 、さらには0.1〜15体積% であることが好ましい。特にルブレン系では、0.01〜20体積%であることが好ましい。ホスト物質と組み合わせて使用することによって、ホスト物質の発光波長特性を変化させることができ、長波長に移行した発光が可能になるとともに、素子の発光効率や安定性が向上する。
【0056】
ホスト物質としては、キノリノラト錯体が好ましく、さらには8−キノリノールまたはその誘導体を配位子とするアルミニウム錯体が好ましい。このようなアルミニウム錯体としては、特開昭63−264692号、特開平3−255190号、特開平5−70773号、特開平5−258859号、特開平6−215874号等に開示されているものを挙げることができる。
【0057】
具体的には、まず、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム、ビス(8−キノリノラト)マグネシウム、ビス(ベンゾ{f}−8−キノリノラト)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウムオキシド、トリス(8−キノリノラト)インジウム、トリス(5−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム、8−キノリノラトリチウム、トリス(5−クロロ−8−キノリノラト)ガリウム、ビス(5−クロロ−8−キノリノラト)カルシウム、5,7−ジクロル−8−キノリノラトアルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム、ポリ[亜鉛(II)−ビス(8−ヒドロキシ−5−キノリニル)メタン]等がある。
【0058】
このほかのホスト物質としては、特開平8−12600号公報(特願平6−110569号)に記載のフェニルアントラセン誘導体や特開平8−12969号公報(特願平6−114456号)に記載のテトラアリールエテン誘導体なども好ましい。
【0059】
発光層は電子注入輸送層を兼ねたものであってもよく、このような場合はトリス(8−キノリノラト)アルミニウム等を使用することが好ましい。これらの蛍光性物質を蒸着すればよい。
【0060】
また、発光層は、必要に応じて、少なくとも1種のホール注入輸送性化合物と少なくとも1種の電子注入輸送性化合物との混合層とすることも好ましく、さらにはこの混合層中にドーパントを含有させることが好ましい。このような混合層におけるドーパントの含有量は、0.01〜20体積% 、さらには0.1〜15体積% とすることが好ましい。
【0061】
混合層では、キャリアのホッピング伝導パスができるため、各キャリアは極性的に有利な物質中を移動し、逆の極性のキャリア注入は起こりにくくなるため、有機化合物がダメージを受けにくくなり、素子寿命がのびるという利点がある。また、前述のドーパントをこのような混合層に含有させることにより、混合層自体のもつ発光波長特性を変化させることができ、発光波長を長波長に移行させることができるとともに、発光強度を高め、素子の安定性を向上させることもできる。
【0062】
混合層に用いられるホール注入輸送性化合物および電子注入輸送性化合物は、各々、後述のホール注入輸送層用の化合物および電子注入輸送層用の化合物の中から選択すればよい。なかでも、ホール注入輸送性の化合物としては、強い蛍光を持ったアミン誘導体、例えばホール輸送材料であるトリフェニルジアミン誘導体、さらにはスチリルアミン誘導体、芳香族縮合環を持つアミン誘導体を用いるのが好ましい。
【0063】
電子注入輸送性の化合物としては、キノリン誘導体、さらには8−キノリノールないしその誘導体を配位子とする金属錯体、特にトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3 )を用いることが好ましい。また、上記のフェニルアントラセン誘導体、テトラアリールエテン誘導体を用いるのも好ましい。
【0064】
混合層の混合比は、それぞれのキャリア移動度とキャリア濃度によるが、一般的には、ホール注入輸送性化合物の化合物/電子注入輸送機能を有する化合物の重量比が、1/99〜99/1、さらに好ましくは10/90〜90/10、特に好ましくは20/80〜80/20程度となるようにすることが好ましい。
【0065】
また、混合層の厚さは、分子層一層に相当する厚み以上で、有機化合物層の膜厚未満とすることが好ましい。具体的には1〜85nmとすることが好ましく、さらには5〜60nm、特には5〜50nmとすることが好ましい。
【0066】
また、混合層の形成方法としては、異なる蒸着源より蒸発させる共蒸着が好ましいが、蒸気圧(蒸発温度)が同程度あるいは非常に近い場合には、予め同じ蒸着ボード内で混合させておき、蒸着することもできる。混合層は化合物同士が均一に混合している方が好ましいが、場合によっては、化合物が島状に存在するものであってもよい。発光層は、一般的には、有機蛍光物質を蒸着するか、あるいは、樹脂バインダー中に分散させてコーティングすることにより、発光層を所定の厚さに形成する。
【0067】
ホール注入輸送層には、例えば、特開昭63−295695号公報、特開平2−191694号公報、特開平3−792号公報、特開平5−234681号公報、特開平5−239455号公報、特開平5−299174号公報、特開平7−126225号公報、特開平7−126226号公報、特開平8−100172号公報、EP0650955A1等に記載されている各種有機化合物を用いることができる。例えば、テトラアリールベンジシン化合物(トリアリールジアミンないしトリフェニルジアミン:TPD)、芳香族三級アミン、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサジアゾール誘導体、ポリチオフェン等である。これらの化合物は、1種のみを用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用するときは、別層にして積層したり、混合したりすればよい。
【0068】
ホール注入輸送層をホール注入層とホール輸送層とに分けて積層する場合は、ホール注入輸送層用の化合物のなかから好ましい組合せを選択して用いることができる。このとき、ホール注入電極(ITO等)側からイオン化ポテンシャルの小さい化合物の順に積層することが好ましい。また、ホール注入電極表面には薄膜性の良好な化合物を用いることが好ましい。このような積層順については、ホール注入輸送層を2層以上設けるときも同様である。このような積層順とすることによって、駆動電圧が低下し、電流リークの発生やダークスポットの発生・成長を防ぐことができる。また、素子化する場合、蒸着を用いているので1〜10nm程度の薄い膜も均一かつピンホールフリーとすることができるため、ホール注入層にイオン化ポテンシャルが小さく、可視部に吸収をもつような化合物を用いても、発光色の色調変化や再吸収による効率の低下を防ぐことができる。ホール注入輸送層は、発光層等と同様に上記の化合物を蒸着することにより形成することができる。
【0069】
電子注入輸送層には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3 )等の8−キノリノールまたはその誘導体を配位子とする有機金属錯体などのキノリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリレン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体等を用いることができる。電子注入輸送層は発光層を兼ねたものであってもよく、このような場合はトリス(8−キノリノラト)アルミニウム等を使用することが好ましい。電子注入輸送層の形成は、発光層と同様に、蒸着等によればよい。
【0070】
電子注入輸送層を電子注入層と電子輸送層とに分けて積層する場合には、電子注入輸送層用の化合物の中から好ましい組み合わせを選択して用いることができる。このとき、電子注入電極側から電子親和力の値の大きい化合物の順に積層することが好ましい。このような積層順については、電子注入輸送層を2層以上設けるときも同様である。
【0071】
ホール注入輸送層、発光層および電子注入輸送層の形成には、均質な薄膜が形成できることから、真空蒸着法を用いることが好ましい。真空蒸着法を用いた場合、アモルファス状態または結晶粒径が0.2μm 以下の均質な薄膜が得られる。結晶粒径が0.2μm を超えていると、不均一な発光となり、素子の駆動電圧を高くしなければならなくなり、電荷の注入効率も著しく低下する。
【0072】
真空蒸着の条件は特に限定されないが、10-4Pa以下の真空度とし、蒸着速度は0.01〜1nm/sec 程度とすることが好ましい。また、真空中で連続して各層を形成することが好ましい。真空中で連続して形成すれば、各層の界面に不純物が吸着することを防げるため、高特性が得られる。また、素子の駆動電圧を低くしたり、ダークスポットの発生・成長を抑制したりすることができる。
【0073】
これら各層の形成に真空蒸着法を用いる場合において、1層に複数の化合物を含有させる場合、化合物を入れた各ボートを個別に温度制御して共蒸着することが好ましい。
【0074】
本発明において、前記電子輸送層に代えて、あるいは、加えて、電子の導通パスを備え、正孔をブロックする機能を有する高抵抗の無機電子注入輸送層を設けることもできる。
【0075】
このように、電子の導通パスを備え、正孔をブロックする機能を有する高抵抗の無機電子注入輸送層を、有機発光層と電子注入電極との間に、設けることによって、有機発光層に電子を効率よく注入することができ、発光効率を向上させることが可能となるとともに、駆動電圧を低下させることが可能になる。さらには、電子の導通パスを備え、正孔をブロックする機能を有する高抵抗の無機電子注入輸送層を設けることによって、素子の厚さを減少させることができる。
【0076】
高抵抗の無機電子注入輸送層は、好ましくは第1成分として仕事関数4eV以下、より好ましくは1〜4eVであって、
好ましくはLi,Na,K,Rb,CsおよびFrから選択される1種以上のアルカリ金属元素、または、
好ましくはMg,CaおよびSrから選択される1種以上のアルカリ土類金属元素、または、
好ましくはLaおよびCeから選択される1種以上のランタノイド系元素のいずれかの酸化物を含有する。これらのなかでも、特に酸化リチウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化セリウムが好ましい。これらを混合して用いる場合の混合比は任意である。また、これらの混合物中には酸化リチウムがLi2O換算で、50 mol%以上含有されていることが好ましい。
【0077】
高抵抗の無機電子注入層は、さらに第2成分としてZn,Sn,V,Ru,SmおよびInから選択される1種以上の元素を含有する。この場合の第2成分の含有量は、好ましくは0.2〜40 mol%、より好ましくは1〜20 mol%である。この含有量が少ないと電子注入機能が低下し、含有量が多くなると正孔ブロック機能が低下してくる。2種以上を併用する場合、合計の含有量は上記の範囲にすることが好ましい。第2成分は金属元素の状態でも、酸化物の状態であってもよい。
【0078】
このように、高抵抗である第1成分中に、第2成分として、Zn、Sn、V、Ru、SmおよびInよりなる群から選ばれる1種以上の元素を、0.2〜40 mol%含有させて、導電パスを形成することにより、電子注入電極から有機発光層に、効率よく、電子を注入することができる。これは、第一成分中に、第二成分を含有させることによって、絶縁物質中に、導電物質が島状に存在することになり、電子注入のためのホッピングパスが形成されるためと考えられる。
【0079】
第1成分中に、第2成分を、0.2〜40 mol%含有させることにより、さらに、有機発光層から電子注入電極への正孔の移動を抑制することが可能になり、有機発光層において、正孔と電子とを効率よく再結合させることができ
る。
【0080】
高抵抗の無機電子注入輸送層を設ける場合には、従来の有機の電子注入輸送層や、有機の電子注入層、有機の電子輸送層を有する有機EL素子に比して、同等か、それ以上の輝度を得ることができ、しかも、耐熱性、耐侯性が高いので、寿命が長く、無機材料である電子注入電極との接続性も良好になり、そのため、リークやダークスポットの発生も少ないという利点がある。さらには、比較的高価な有機物質とは異なり、無機電子注入輸送層を形成するための無機物質は、安価で、入手がしやすく、無機電子注入輸送層の形成も容易であるので、有機EL素子の製造コストを低減させることができる。
【0081】
高抵抗の無機電子注入輸送層の抵抗率は、1〜1×1011Ω・cm、特に1×103 〜1×108 Ω・cmである。無機電子注入輸送層の抵抗率をかかる範囲に設定することによって、高い正孔ブロック性を維持しつつ、電子注入効率を飛躍的に向上させることが可能になる。
【0082】
第1成分の酸化物は、通常、化学量論組成(stoichiometric composition)であるが、これから、多少偏倚して、非化学量論組成(non−stoichiometry)となっていてもよい。第2成分の酸化物も同様である。
【0083】
高抵抗の無機電子注入輸送層は、さらに、不純物として、Hや、スパッタガスとして用いるNe、Ar、Kr、Xeなどを、合計5at%以下含有していてもよい。
【0084】
高低抗の無機電子注入輸送層は、通常、非晶質状態である。
【0085】
高抵抗の無機電子注入輸送層は、0.2〜30nmの膜厚を有していることが好ましく、0.2〜20の膜厚を有していると、とくに好ましい。高抵抗の無機電子注入輸送層の膜厚が、0.2nm未満でも、30nmを超えていても、電子注入の機能が十分に発揮されなくなる。
【0086】
高抵抗の無機電子注入輸送層は、スパッタリング、蒸着など、各種の物理的あるいは化学的な薄膜形成方法によって、形成することができるが、スパッタリング法によって形成することが好ましい。とくに、第1成分と第2成分を、ターゲットとして、別個にスパッタリングする多元スパッタリング法によって、無機電子注入輸送層を形成することが好ましい。多元スパッタリング法によれば、それぞれのターゲットに適した条件で、スパッタリングすることができる。また、第1成分と第2成分の混合ターゲットを用いて、一元スパッタリング法によって、無機電子注入輸送層を形成することもできる。
【0087】
高抵抗の無機電子注入輸送層をスパッタリング法によって形成する場合、スパッタガスの圧力は、0.1〜1パスカルの範囲に設定することが好ましい。スパッタガスとしては、スパッタリング法に、通常、用いられる不活性ガス、たとえば、Ar、Ne、Xe、Krなどを使用することができ、必要に応じて、窒素ガスを用いることもできる。スパッタリング時において、これらのスパッタガスに加えて、1〜99%の酸素ガスを混合するようにしてもよい。
【0088】
スパッタリング法としては、RF電源を用いた高周波スパッタリング法や、DCスパッタリング法を使用することができ、RF電源を用いた高周波スパッタリングの電力は0.1〜10W/平方センチメートルの範囲が好ましく、成膜速度は0.5〜10nm/分、とくに、1〜5nmの範囲が好ましい。
【0089】
成膜時の基板温度は、25〜150℃程度である。
【0090】
さらに、本発明の有機EL素子は、上記高抵抗の無機電子注入輸送層と同様に、高抵抗の無機ホール注入輸送層を有していてもよい。
【0091】
このように、ホールの導通パスを有し、電子をブロックできる高抵抗の無機ホール注入輸送層を有機層とホール注入電極の間に配置することで、発光層へホールを効率よく注入することができ、さらに発光効率が向上するとともに駆動電圧も低下する。このような高抵抗の無機ホール注入輸送層を用いることで、有機EL素子全体の膜厚を薄くすることができ、カラーフィルター層の薄膜化と相俟って、極めて膜厚の薄い薄膜素子を得ることができる。
【0092】
また、好ましくは高抵抗の無機ホール注入輸送層の主成分としてシリコンや、ゲルマニウム等の金属または半金属の酸化物を用い、これに仕事関数4.5eV以上、好ましくは4.5〜6eVの金属や、半金属および/またはこれらの酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化物、硼化物のいずれか1種以上を含有させて導電パスを形成することにより、ホール注入電極から発光層側の有機層へ効率よくホールを注入することができる。しかも、有機層からホール注入電極への電子の移動を抑制することができ、発光層でのホールと電子との再結合を効率よく行わせることができる。また、無機材料の有するメリットと、有機材料の有するメリットとを併せもった有機EL素子とすることができる。また、従来の有機ホール注入層を有する素子と同等かそれ以上の輝度が得られ、しかも、耐熱性、耐候性が高いので従来のものよりも寿命が長く、リークやダークスポットの発生も少ない。また、比較的高価な有機物質ばかりではなく、安価で入手しやすく製造が容易な無機材料も用いることで、製造コストを低減することもできる。
【0093】
高抵抗の無機ホール注入輸送層は、その抵抗率が好ましくは1〜1×1011Ω・cm、特に1×103〜1×108Ω・cmである。高抵抗の無機ホール注入輸送層の抵抗率を上記範囲とすることにより、高い電子ブロック性を維持したままホール注入効率を飛躍的に向上させることができる。高抵抗の無機ホール注入輸送層の抵抗率は、シート抵抗と膜厚からも求めることができる。この場合、シート抵抗は4端子法等により測定することができる。
【0094】
主成分の材料は、シリコン、ゲルマニウムの酸化物であり、好ましくは
(Si1-xGex)Oyにおいて
0≦x≦1、
1.7≦y≦2.2、好ましくは1.7≦y≦1.99
である。高抵抗の無機ホール注入輸送層の主成分は、酸化ケイ素でも酸化ゲルマニウムでもよく、それらの混合薄膜でもよい。yがこれより大きくても小さくてもホール注入機能は低下してくる傾向がある。組成は、例えばラザフォード後方散乱、化学分析等で調べればよい。
【0095】
高抵抗の無機ホール注入輸送層は、さらに主成分に加え、仕事関数4.5eV以上の金属(半金属を含む)の酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化物および硼化物を含有することが好ましい。仕事関数4.5eV以上、好ましくは4.5〜6eVの金属は、好ましくはAu,Cu、Fe、Ni、Ru、Sn,Cr,Ir,Nb,Pt,W,Mo,Ta,PdおよびCoのいずれか1種また2種以上である。これらは一般に金属としてあるいは酸化物の形で存在する。また、これらの炭化物、窒化物、ケイ化物、硼化物であってもよい。これらを混合して用いる場合の混合比は任意である。これらの含有量は好ましくは0.2〜40 mol%、より好ましくは1〜20 mol%である。含有量がこれより少ないとホール注入機能が低下し、含有量がこれを超えると電子ブロック機能が低下してくる。2種以上を併用する場合、合計の含有量は上記の範囲にすることが好ましい。
【0096】
上記金属または金属(半金属を含む)の酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化物および硼化物は、通常、高抵抗の無機ホール注入輸送層中に分散している。分散粒子の粒径としては、通常、1〜5nm程度である。この導体である分散粒子同士との間で高抵抗の主成分を介してホールを搬送するためのホッピングパスが形成されるものと考えられる。
【0097】
高抵抗の無機ホール注入輸送層には、他に、不純物として、Hやスパッタガスに用いるNe、Ar、Kr、Xe等を合計5at%以下含有していてもよい。
【0098】
なお、高抵抗の無機ホール注入輸送層全体の平均値としてこのような組成であれば、均一でなくてもよく、膜厚方向に濃度勾配を有する構造としてもよい。
【0099】
高抵抗の無機ホール注入輸送層は、通常、非晶質状態である。
【0100】
高抵抗の無機ホール注入輸送層の膜厚としては、好ましくは0.3〜100nm、より好ましくは1〜100nm、特に5〜30nm程度が好ましい。高抵抗の無機ホール注入輸送層がこれより薄くても厚くても、ホール注入層としての機能を十分に発揮できなくなくなってくる。
【0101】
上記の高抵抗の無機ホール注入輸送層の製造方法としては、上記高抵抗の無機電子注入輸送層と同様である。
【0102】
本発明において、素子を形成する基板としては、非晶質基板たとえばガラス、石英など、結晶基板たとえば、Si、GaAs、ZnSe、ZnS、GaP、InPなどがあげられ、またこれらの結晶基板に結晶質、非晶質あるいは金属のバッファ層を形成した基板も用いることができる。また金属基板としては、Mo、Al、Pt、Ir、Au、Pdなどを用いることができる。さらに、プラスチック等の樹脂材料、可撓性を有する材料を用いることもできる。基板材料は、好ましくはガラス基板、樹脂材料である。基板は、光取り出し側となる場合、上記電極と同様な光透過性を有することが好ましい。
【0103】
ガラス材として、コストの面からアルカリガラスが好ましいが、この他、ソーダ石灰ガラス、鉛アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、シリカガラス等のガラス組成のものも好ましい。特に、ソーダガラスで、表面処理の無いガラス材が安価に使用できる。
【0104】
さらに、素子の有機層や電極の酸化を防ぐために、素子上を封止板等により封止することが好ましい。封止板は、湿気の侵入を防ぐために、接着性樹脂層を用いて、封止板を接着し密封する。封止ガスは、Ar、He、N2 等の不活性ガス等が好ましい。また、この封止ガスの水分含有量は、100ppm 以下、より好ましくは10ppm 以下、特には1ppm 以下であることが好ましい。この水分含有量に下限値は特にないが、通常0.1ppm 程度である。
【0105】
次に、本発明の素子を用いた画像表示装置の駆動方法を説明する。先ず、本発明の素子を図2に示すようにマトリックス状に配置する。
【0106】
いま、素子D11、D22を点灯、素子D12、D21消灯させた画像を表示しようとした時、走査電極Yl、Y2、データ電極X1、X2には図3に示すタイミングチャートに示す波形を入力する。
【0107】
以下、時系列に沿って説明する。
▲1▼ RESET期間として1μs程度の時間全ての電極にLレベル電圧(例えば0V)を印加する。これによって素子は全てOFF状態にリセットされる。
▲2▼ Y1走査期間として1μs程度の時間、Y1に点灯電圧H1(例えば15V )を、その他の走査電極にはホールド電圧H2(例えば12V )を入力する。また、同時にデータ電極X1にはLレベル電圧(例えば0V )、X2にはHレベル電圧(例えば6V )を印加する。この時素子D11〜D22の各有機EL素子間に加わっている電圧はD11=H1−L(15V)、D12=H1−H(9V)、D21=H2−L(12V)、D22=H2−H(6V)になる。このためD11の有機EL素子のみON状態に移行し点灯を始め、他の有機EL素子はOFF状態を保持する。
▲3▼ Y2走査期間として1μs程度の時間Y2に点灯電圧H1(15V)を、その他の走査電極にはホールド電圧H2(12V)を印加する。また、同時にデータ電極X1にはHレベル電圧(6V)、X2にはLレベル電圧(0V)を印加する。この時素子D11〜D22の各有機EL素子間に加わっている電圧はD11=H2−H(6V)、D12=H2−L(12V)、D21=H1−H(9V)、D22=H1−L(15V)になる。このため素子D22の有機EL素子はON状態に移行し点灯を始める。一方、素子D11の有機EL素子はON状態を保持し点灯を続け、他の有機EL素子はOFF状態を維持する。
▲4▼ HOLD期間として16ms程度の時間、走査電極Y1、Y2にホールド電圧H2(12V)、データ電極X1、X2にLレベル電圧(0V)を入力する。この時素子D11〜D22の各有機EL素子間に加わっている電圧は全てホールド電圧H2−L(12V)となり、素子D11、D22はON状態を保持し点灯を続ける。一方、素子D12、D21はOFF状態を保持する。
▲5▼ 再び▲1▼の動作に戻る。
【0108】
以上の様な手順で駆動した場合、RESET期間、全ての走査線Yの走査期間に比べてHOLD期間が十分に長いため、得られる画像の明るさはHOLD期間の〜100cd/m2 となり、パツシブ表示装置のように短い時間に高い輝度で発光する必要がなくなる。また前述したように本発明の光機能素子の作製は極めて単純であり、コストを抑える事が可能である。また本発明素子は素子そのものがサイリスタ特性を有しているので、別個にサイリスタ素子を形成、接続する工程が不用である。
【0109】
なお、上記駆動条件はほんの一例を示したものであり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形、応用が可能である。特にホールド期間に印加する電圧は、a−Si膜中で光により発生したキャリアを高電界により増幅する必要があるため、a−Siの膜厚に強く依存する。また、そのとき必要とされる増幅率は、a−Siの光の吸収効率、および有機EL素子の効率に依存する。
【0110】
ところで、光導電層に非晶質膜を用いた時、一方に電圧を印加し続けることによりキャリアが非晶質膜中に蓄積され、その特性が変化する現象が現れる場合がある。このような特性の変化は、表示装置の信頼性に影響を与えてしまう。そこで、▲1▼のリセット時間に走査電極であるY側の電極全てに負の電圧を、X側の電極全てに正の電圧を加え有機EL素子を逆バイアス状態にし、蓄積されたキャリアを引き抜いてしまうことで緩和することが可能である。
【0111】
上記手順で駆動した場合は、1秒間に60枚の画像の更新が可能であるので動画表示にも十分対応することができる。
【0112】
【実施例】
以下に本発明の具体的な実施例を示す。
(1)図4に示すように、透明、または半透明なガラス基板101上に、陽極102としてITO膜1000Åをスパッタ法で成膜した。
【0113】
Figure 0004792634
(2)次に、図5に示すように、ITO膜102をフォトリソプロセスを用いてパターンニングし、発光部を限定するためにテーバー角60℃以下のエッジカバー103をレジストで形成した。
(3)次に、図6に示すように、陰極を素子分離する為の、隔壁104を形成した。この隔壁103は、例えばフォトレジストを用い、オーバーエッチすることで図示例のようなオーバハング(逆テーパー)を有する構造物を形成することができる。
(4)次に、隔壁103が形成された基板101にUVオゾン処理をしてから、白色の有機EL素子105を真空蒸着法にて連続に形成した。成膜時の真空度は、1×10-5 (Pa)〜1×10-4 (Pa)で行ない、レートは0.05Å/sec〜1Å/secで行なった。
【0114】
白色有機ELの有機層105は、先ず図7に示すように、ホール注入層のポリチオフェン100Å、それからトリフェニルジアミン(TPD)に3%のルブレンドープした第1の発光層を300Å、次に、第2の発光層としてジフェニルアントラセンにジスチリルアリーレン誘導体(ID102、出光製)を5%ドープした膜を500Å成膜し、次に電子注入輸送層のトリスキノリノアルミニウム(Alq3)を200Å形成した。その後、光透過性を有する陰極としてAgMgを50Å形成した。
【0115】
次に、光導電層106として、P型のa−SiHを膜厚3000Åで形成した。
Figure 0004792634
最後に電極配線107としてAlを3000Å蒸着法にて形成した。
【0116】
このようにして形成したサイリスタ型有機EL素子のI−L特性を図9に、1mm2 のIL−V特性を図10に示す。
【0117】
上記有機EL素子に印加する電圧を0Vから後々に増やしていっても〜14Vまで電流は殆ど流れず、発光もしない。しかし、印加する電圧が〜14Vを越えると急激に電流が流れ始めると同時に発光を開始した。この時点で印加する電圧を徐々に減らしていくと〜5Vになるまで電流は徐々に減少するが流れ続け、発光も持続した。印加する電圧が〜5Vを下回ると急激に電流が減少し殆ど流れなくなると同時に発光も停止した。この後、印加する電圧を再び増加しても〜14Vまで電流は殆ど流れない状態に戻った。
【0118】
これにより、本実施例の有機EL素子は14V以上の印加によりON状態、5V以下によりOFF状態の2安定状態をもつサイリスタ特性を有していることがわかる。これらの特性はN型の光導電膜を透明電極である陽極側に設けた場合、及びP型の光導電膜を陰極側に設けた時に顕著に観測された。
【0119】
次に、上記サイリスタ型有機EL素子を用い、図2に示すような画像表示装置作製した。
【0120】
そして、D11、D22を点灯、D12、D21消灯させた画像を表示させるため、走査電極となるYl、Y2、データ電極となるX1、X2には図3に示すタイミングチャートに示す波形を入力した。
▲1▼ 先ず、RESET期間として1μs程度の時間全ての電極に0Vを印加した。これによって、上記のようにしきい値電圧5V 以下となり、本実施例のサイリスタ型有機EL素子は全てOFF状態にリセットされた。
▲2▼ 次に、Y1走査期間として1μs程度の時間、走査電極Y1に点灯信号H1として15V を、その他の走査電極にはホールド信号H2として12V を入力した。また、同時にデータ電極X1にはLレベル電圧として0V 、X2にはHレベル電圧として6V を印加した。この時、素子D11〜D22の各有機EL素子間に加わっている電圧はD11=15V、D12=9V、D21=12V、D22=6Vであった。このため、素子D11のサイリスタ型有機EL素子のみON状態に移行し点灯を始め、他の有機EL素子はOFF状態を保持した。
▲3▼ 次に、Y2走査期間として1μs程度の時間、走査電極Y2に点灯信号H1として15Vを、その他の走査電極にはホールド信号H2として12Vを印加した。また、同時にデータ電極X1にはHレベル信号6V、X2にはLレベル信号0Vを印加した。この時素子D11〜D22の各有機EL素子間に加わっている電圧はD11=6V、D12=12V、D21=9V、D22=15Vであった。このためD22の有機EL素子はON状態に移行し点灯を始めた。一方、D11の有機EL素子はON状態を保持し点灯を続け、他の有機EL素子はOFF状態を維持した。
▲4▼ HOLD期間として16ms程度の時間、走査電極Y1、Y2にホールド信号12V、データ電極X1、X2にLレベル0Vを入力した。この時素子D11〜D22の各有機EL素子間に加わっている電圧は全てホールド電圧である12Vとなり、D11、D22はON状態を保持し点灯を続けた。一方、D12、D21はOFF状態を保持した。この時、点灯しているD11、D22の有機EL素子の輝度は図9より〜100cd/m2 となっていることがわかる。
▲5▼ 再び▲1▼の動作に戻る。
【0121】
以上のような手順で駆動した場合、RESET期間、全てのYの走査期間に比べてHOLD期間が十分に長いため、得られる画像の明るさはHOLD期間の〜100cd/m2 となり、パツシブ表示装置の様に短い時間に高い輝度で発光する必要がなくなることがわかった。また前述したように本実施例の有機EL素子の作製は極めて単純であり、コストを抑える事が可能である。また本実施例の有機EL素子は素子そのものがサイリスタ特性を有しているので、別個にサイリスタ素子を形成、接続する工程が不用であることがわかる。
【0122】
また、上記手順で駆動した場合は、1秒間に60枚の画像の更新が可能であるので動画表示にも十分対応することができることがわかる。
【0123】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、素子自体がサイリスタ特性を有し、これを用いてアクティブマトリックス表示装置を形成できるので、高精細、高信頼性、高輝度の画像表示装置を提供することができる。また、製造工程も簡単であり、低コストの光機能素子、有機EL素子、有機EL表示装置を提供することができる。
【0124】
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明の光機能素子の基本構成を示す概念図である。
【0126】
【図2】本発明の光機能素子をマトリクス配置した状態を示す配線図である。
【0127】
【図3】図2の表示装置を駆動するためのタイミングチャートである。
【0128】
【図4】本発明の光機能素子の製造工程を示す一部断面図である。
【0129】
【図5】本発明の光機能素子の製造工程を示す一部断面図である。
【0130】
【図6】本発明の光機能素子の製造工程を示す一部断面図である。
【0131】
【図7】本発明の光機能素子の製造工程を示す一部断面図である。
【0132】
【図8】本発明の光機能素子の製造工程を示す一部断面図である。
【0133】
【図9】本発明実施例であるサイリスタ型有機EL素子のI−L特性を示したグラフである。
【0134】
【図10】本発明実施例であるサイリスタ型有機EL素子の1mm2 のIL−V特性を示した図である。
【0135】
【図11】従来のアクティブマトリックス型の有機EL表示装置の回路図の一例を示した概略構成図である。
【0136】
【図12】図11のA部拡大図である。
【0137】
【符号の説明】
2 発光層
3 光導電層
4 取り出し光
5 帰還光
6 帰還電流

Claims (6)

  1. 一画素の画素領域全体に、陽極、発光層、陰極、P型の光導電層、電極配線がこの順に形成され、前記P型の光導電層と前記発光層の間に形成される層は光透過性を有し、前記P型の光導電層と前記発光層とが電気的に接合され、
    発光開始後に発光開始電圧以下の第1の電圧を前記陽極と前記電極配線の間に印加することにより発光を維持し、
    前記第1の電圧より低い第2の電圧を前記陽極と前記電極配線の間に印加することにより発光を停止する光機能素子。
  2. 一画素の画素領域全体に、電極配線、N型の光導電層、陽極、発光層、陰極がこの順に形成され、前記N型の光導電層と前記発光層の間に形成される層は光透過性を有し、前記N型の光導電層と前記発光層とが電気的に接合され、
    発光開始後に発光開始電圧以下の第1の電圧を前記電極配線と前記陰極の間に印加することにより発光を維持し、
    前記第1の電圧より低い第2の電圧を前記電極配線と前記陰極の間に印加することにより発光を停止する光機能素子。
  3. 前記の光導電層が無機非単結晶膜からなる請求項1または2の光機能素子。
  4. 前記非単結晶膜はSi−H、Si−Ge−H、Si−O−H、Si−C−HおよびSi−N−Hのいずれかの非晶質または多結晶膜である請求項3の光機能素子。
  5. 請求項1〜4のいずれかの光機能素子の発光層が有機材料で形成されている有機EL素子。
  6. 請求項5の有機EL素子を複数有し、アクティブマトリックスとして動作する有機EL表示装置。
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