JP4792031B2 - 簡易化座標穴機構を有する幾何学的道具 - Google Patents
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Description
(1)線の長さの測定及び線の描画を行うための定規
(2)円弧の描画を行うためのコンパス
(3)角度の測定及び角の描画を行うための分度器
これらの道具は、全て従来の方法で作製される共に取り扱われ、幾何学図形の測定作業や描画作業を遂行している。すなわち、現在、幾何学図形の描画は、上記の道具を用いて測定及び描画という2段階の手間のかかる作業を行うことによって実現されている。特に、円弧を描く際には、2種類の道具、つまり、定規とコンパスとを別々に使用しなければならない。これに対し、定規、コンパス、分度器にとって代わる、本発明に係る幾何学的道具の基本モデル(基本モデルS−A、A1、B、B1、B2、B3及びC)は、簡易化座標穴機構が採用されているため、マーキングや描画を一度の作業で行うことができる。座標穴のミス防止機構は、上述のような新しい道具を作製する際に使用される全く新しい機構であり、全世界で実際に使用された例はない。したがって、本発明に完全に対応する先行技術は存在しない。しかし、本発明は、現在使用されている定規、コンパス、分度器等の従来のあらゆる幾何学的道具に取って代わるため、それらの道具が本発明の従来技術として見なされる可能性もある。
本発明によれば、定規や分度器で測定した後に線、円、弧、角等の幾何学図形の作図を行うのではなく、小さな座標穴によって直接作図を行うことができる。これらの座標穴は、適切な大きさ及び形状を有し、道具本体の適切な位置に設けられる。座標穴は、厳密な距離及び角度に設けられ、完全な簡易化機構として機能する。なお、道具には別の簡易化機構を設けてもよい。
本発明の座標穴の簡易化機構を利用して、我々は、定規、コンパス、分度器にとって代わる、いくつかの新しい幾何学的道具を発明した。そして、我々は、新しく発明した幾何学的道具の基本モデルの中から、定規、コンパス及び分度器にとって代わる新たな幾何学的道具である基本モデルA、B、Cグループを選択し、上記の座標穴の簡易化機構と共に特許出願を申請した。これらの道具は全て、線の長さ、円及び円弧の半径や直径等並びに角度等の測定や、線、円、円弧、角等の幾何学図形の作図を非常に単純な作業で行うために発明された。特に、円弧を描画する際、新たに発明されたコンパスを使えば、定規とコンパスという2つの道具を別々に用いてそれぞれ別の作業を行う必要がなくなる。定規を用いて測定という一つの作業を行い、そして、コンパスを用いて別の作業として円または弧を描くといった従来の方法とは異なり、本発明の道具によれば、それら別々の作業を行う必要がない。測定部は本発明の道具の重要な部分であり、この単独型の新しい道具を用いれば、測定及び描画が同時にかつ非常に簡単に行える。
(1)基本モデル−A、A1:座標穴付き定規
(2)基本モデル−B、B1、B2及びB3:センターレッグアセンブリ付きコンパス(傾斜スライド、座標穴及び簡易化機構の有無は場合により異なる)
(3)基本モデル−C:座標穴及び簡易化機構付き分度器
道具のパーツは全て、アルミニウム、金属、プラスチック、または任意の材料で形成される。全ての道具の測定部(取外し可能及び取替え可能な定規の部分)は、薄いスプリングシートで構成することもできる。
本発明の定規用基本モデル−Aは、上述の本発明に係る座標穴の簡易化機構を採用することにより、最大15cmまで使用可能となるように作製される。この道具では、座標穴は完全にミス防止対策として構成される。これにより、非常に簡単かつ非常に素早く150の異なる長さ(1mm〜150mm)のマーキング及びそのような長さの線の描画をすることができる。この定規体には60個の小さな座標穴が1cm間隔に4列に配列される。これにより、1センチ単位でマーキングを行うことができる。定規体が厚い材料で作製されている場合、座標穴は円錐形(先細りの穴)であってもよい。これに対し、定規体が非常に薄いスプリングシートで構成されている場合、リング付きの円柱状の穴を設けることができる。これにより、必要に応じて、ペン、鉛筆、ボールペン、マイクロチップ、金属ピン、スケッチペン等のマーキング道具及び描画道具、またはその他任意のマーキング道具及び描画道具を簡単にかつ失敗することなく用いることができる。さらに10個の小さな座標穴(円錐形)を定規体の一端にミリ単位で設けることで、ミリ単位のマーキングを行うことができる。センチ単位及びミリ単位のマーキングを組み合わせることで、必要な長さの線を正確に引くことができる。この作業は、従来の定規を用いた方法で必要とされた作業に比べて、素早く、簡単に、全く手間なく遂行することができる。また、別個の金属製レッグポインタを用いれば、その定規は円や弧を描画するためのコンパスとして使用することもできる。このために、さらに10個のポインタホール(コンパスの軸足として金属製レッグポインタを設置するための円柱状の穴)が同じ定規体の他端に設けられる。したがって、このモデルには合計80個の座標穴が4列に配列される。
本発明に係る座標穴の簡易化機構を採用することにより、上記の定規(基本モデル−A)を下記に説明するように変更して、15cmまで使用可能なMODEL−A1のコンパスとして使用することができる。このコンパスでは、完全簡易化機構により、非常に簡単にかつできるだけの正確性をもって必要な半径に応じた円及び円弧が描画できる。このコンパスには145個の小さい座標穴が設けられており、このコンパスにより6mm〜150mmの範囲において1ミリ単位で測定及び描画を行うことができる。そして、完全簡易化機構と共に設けられる145個の座標穴の中央にレッグアセンブリが固定される。螺旋状のスプリングを有するレッグアセンブリの中央には金属製レッグポインタ(針)がコンパスの軸足として設けられる。そして、このポインタは、Z軸(上下)に沿ってポインタを垂直方向に移動させる螺旋状のスプリングに挿入される。リング付きの145個の小さな座標穴は、描画を行う際のコンパスの脚として機能する。つまり、この座標穴には、完全簡易化機構が適用され、ペン、鉛筆、ボールペン、マイクロチップ、金属ピン、スケッチペン等のマーキング道具及び描画道具、またはその他任意のマーキング道具及び描画道具が挿入される。これにより、円及び円弧を描画することができる。座標穴の簡易化機構は、5mm〜150mmの半径を有する円を測定及び描画するために設けられる。螺旋状のスプリングを有するレッグアセンブリの代わりに、アセンブリに適切な変更を加えて、平坦状のスプリングまたはその他任意の形状のスプリングを有するレッグアセンブリにしてもよい。なお、レッグアセンブリはスプリングを有さなくてもよい。
我々は、上述の本発明の座標穴の簡易化機構を採用することにより、最大15cmまで使用可能な新しいコンパス(MODEL−B)を発明した。コンパスは、主に、(1)スライド収容部と、(2)傾斜スライドと、(3)レッグアセンブリと、(4)取替え可能な定規体とを備える。定規体には15個のリング付きの座標穴(描画する際にコンパスの脚として機能する)が完全簡易化機構として1cm間隔に設けられ、この座標穴には、鉛筆、ボールペン、マイクロチップ、金属ピン、スケッチペン等のマーキング道具及び描画道具、またはその他任意のマーキング道具及び描画道具が挿入される。これにより、円及び円弧を描画することができる。なお、任意で、同じ定規体に異なる大きさの座標穴を2列または3列に配列してもよい。これにより、同じ定規体でサイズの異なるプロッタ(描画道具)を用いることができる。
このモデルでは、軸足アセンブリをX軸に沿って水平方向(左右)に直接移動させることにより、レッグアセンブリ全体を最大移動距離9mmの範囲内で必要なセンチ単位未満の値で水平移動(左右)させることができる。
このモデルでは、定規体の左端に小さなフォーク状の水平スライドを設けて、最大移動距離9mmの範囲内で、X軸に沿って水平スライドを水平方向(左右)に移動させる。定規体には水平スライドが取り付けられているため、定規体を水平移動させることもできる。これにより、最大移動距離9mmの範囲内で必要なセンチ単位未満の値分まで移動させてから、強固に固定することができる。したがって、このモデルでは、センターレッグアセンブリ全体が全く移動することなく、センターレッグアセンブリは常に一定のセンターポイントで固定される。定規体全体は、最大移動距離9mmの範囲内で必要なセンチ単位未満の値で移動可能である。
このモデルでは、一個のリング付きの小さな座標穴(任意で、2個か3個の異なる大きさの座標穴を設けることも可)と、レッグアセンブリとが定規体に設けられている。道具の定規体自体を横方向(左右)に必要な位置まで動かして調整することにより、必要とするセンチ単位未満の値分の移動が行われる。位置調整の後、定規体は強固に固定される。このモデルでは、定規体が、横方向の長全体の方向に沿ってレッグアセンブリの下を水平方向に摺動する。したがって、このモデルにおいても、センターレッグアセンブリ全体は全く移動せず、センターレッグアセンブリは常に一定のセンターポイントで配置される。定規体のみが最大150cmまで移動可能となる。モデルBグループに属する取外し可能な定規体は全て、スプリングシート、透明プラスチック、アルミニウム、金属、またはその他任意の材料で形成することができる。道具のその他のパーツは、プラスチック、アルミニウム、金属、またはその他任意の材料で形成することができる。
我々は、上述の本発明の座標穴の簡易化機構を利用して、360度まで使用可能な分度器 (MODEL−C)を発明した。この分度器には完全簡易機能を有するマーキングホール(座標穴)が設けられており、この分度器により、非常に簡単に、素早く、効率的に、最大の正確性をもって360度までの角度の測定及びそのような角の描画をすることができる。この360度の分度器には、36個のメイン座標穴が10度の間隔で設けられている。左側には9個のサブ座標穴が右回り方向に1度の間隔で設けられている。右側には9個のサブ座標穴が左回り方向に1度の間隔で設けられている。そして、一個の座標穴(任意の穴)が中央に設けられている。すなわち、0度〜360度まで測定可能なこのモデルには、合計54個または55個のリング付きまたはリングなしの座標穴が、右回り及び左回り方向に設けられている。角度の測定は、10度間隔及び1度間隔で行うことができる。なお、左右のサブ座標穴を適切に増やせば、1度単位未満の値の測定及びマーキングを行うこともできる。最大の正確性をもって描画作業が遂行できるように、サブ座標穴(7+7)はメイン座標穴の外側の軌道に配置される。反対に、大きな直径を有する分度器を構成する場合は、全てのサブ座標穴(9+9)をメイン座標穴の内側の軌道に配置することもできる。この場合、サブ座標穴の左側及び右側の延長部分を排除して、完全な円形として分度器を構成することができる。
線の長さ、円及び円弧の半径や直径等並びに角度等の測定や、線、円、円弧、角等の幾何学図形の作図を行うために作製される幾何学的道具の上記3種類の基本モデルの作業機構を基に、さらに、新しい幾何学的道具を作製することが可能である。例えば、基本モデル−A1については、任意の材料で構成される定規体の小さなストリップに30個のリング付き座標穴を0.5cm間隔で配置して、最大15cmまで使用可能にすることができる。同様に、基本モデル−Bの定規体についても、0.5cm間隔で座標穴を設けることができる。このような変更を加えることにより、傾斜スライドの全長を15mm短くすることができる。また、傾斜スライドの垂直方向の最大移動距離は12mm(4×3)までのみとなり、レッグアセンブリの水平方向の最大移動距離は5mmまでのみに制限される。モデル−A及びモデル−Bを組み合わせることで、限られた数の座標穴が共通の定規体に設けられる一体型の新しい道具を作製することも可能である。
セット1
1)長さ150mmまでの定規(MODEL−A) 1
2)モデル−A1用のレッグアセンブリ 1
3)長さ150mmまでの定規体(モデル−A1) 1
4)長さ60mmまでの定規体(モデル−A1) 1
5)長さ30mmまでの定規体(モデル−A1) 1
6)中サイズの分度器(モデル−C) 1
セット2
1)150mmまでの定規体(モデル−A1) 1
2)モデル−B用のレッグアセンブリ 1
3)傾斜スライド及びスライド収納部 1
4)長さ150mmまでの定規体(モデル−B) 1
5)長さ60mmまでの定規体(モデル−B) 1
6)長さ30mmまでの定規体(モデル−B) 1
7)大サイズの分度器(モデル−C) 1
(1)本発明の全道具(モデルA及びモデルB群)を用いて描画された円や弧は、当然、明確な中心点を有している。これは、道具に備えられた新規な機構を用いて描画されるからである。中心点の有無について言及するのは、既存の道具において、コンパスを使わずにして小さな直径の円を描ける道具はほとんど存在しないからである(直径の異なる円を4、5種類描くことができる道具もあるが、最大直径は定規の幅よりわずかに小さくなる)。既存の道具で描画する方法においては、道具の本体に円形のくり抜きがあり、円はこのくり抜きに沿って直接的に描画される。しかし、これらの円には当然、中心点がない。したがって、中心点に印を付けたい場合、中心点を見つけるという面倒な作業が必要となる。しかし、本発明の道具では、中心点を見つけるという問題は生じない。なぜなら、座標穴という全く新しい機構を採用することによりこの新しい道具は作製され、この新しい機構により円や弧が描画されるからである。
(2)ペン、鉛筆、ボールペン、マイクロチップ、金属ピン、スケッチペン等の任意のマーキング道具及び描画道具、またはその他任意のマーキング及び描画道具を用いることができる。
(3)1回の設定するだけで、直径の異なる同心円をできるだけ多く描画することができる。
(4)コンパスの脚として特別の切断道具を用いれば、紙、シーツ、包装紙、その他任意の薄い材料等を円形に切断することができる。
(5)産業利用に適するように大きなサイズで道具を作製することができる。
(6)道具の保守及び修理が非常に簡単である。
(7)道具の寿命が長い。
(8)信頼性及び正確性が増している。
(9)大きな半径の円や円弧を描画する際に、付属品を使用する必要性がない。
(10)円弧を描画する際に、2つの道具を扱う必要性がない。
(11)正確性や速度において効率性が向上している。
(12)箱に多くの付属品が収納されているような既存の道具の価格に比べると、本発明の道具は低価格である。
Claims (12)
- 簡易化マーキング穴機構を利用した幾何学的道具であって、
少なくとも1つのマーキング穴を有する定規体、
スライドを有するスライド収容部、
スライド収容部上でスライド可能な傾斜スライド、および
スライド収容部のスライドに沿ってスライド可能なレッグアセンブリ、
を備え、
定規体はスライド収容部に固定可能であり、傾斜スライドは、スライド収容部のスライドに対して傾斜する方向にスライドして、レッグアセンブリをスライド収容部のスライドに沿って動かすものである、前記道具。 - 複数のマーキング穴が、定規体上の少なくとも1つの直線上に等間隔に配置される、請求項1に記載の道具。
- スライド収容部のスライドの長軸が、前記少なくとも1つの直線の延長線上に配置される、請求項2に記載の道具。
- 前記間隔が1cmであり、傾斜スライドがレッグアセンブリを最大距離9mmで動かす、請求項2または3に記載の道具。
- 複数のマーキング穴が異なる大きさを持つ、請求項1〜4のいずれか一項に記載の道具。
- コンパスとして機能する、請求項1〜5に記載の道具
- 定規体が、弾性のある板、プラスチック、または他の素材の細長片で作製され、屈曲可能である、請求項1に記載の道具。
- 定規体に60個の小さなマーキング穴が1センチ単位で4列に配置され、各列の端には、10個のマーキング穴が1ミリ単位で配置される、請求項1に記載の道具。
- 定規体に、リングを有する所定の数の小さなマーキング穴が配置される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の道具。
- レッグアセンブリが、スプリングを有する、請求項1に記載の道具。
- マーキング穴に、金属または非金属のスリーブまたはリングが設けられる、請求項1に記載の道具。
- マーキング穴に設けられるリングに雌ネジまたは雄ネジが設けられる、請求項11に記載の道具。
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