JP4791196B2 - 逆止弁 - Google Patents
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Description
一方、制御弁等が流体を停止する側に作動して1次側流体の圧力が下がった場合には、弁体を流入路側に付勢している付勢手段の付勢力によって、弁体が流入路側に押圧されるとともに弁体のシール部材が弁座を密封して弁座が閉塞され、流入路から流出路への流体の流通が停止されるとともに、流体が流出路側から流入路側に逆流しないようになっている。(例えば、特許文献1参照。)。
また、高圧の使用条件下では、逆止弁が開閉して1次側流体が突入してくる場合に、1次側流体の衝撃圧によって、シール部材が変形、又は脱落して逆止弁としての機能が失われる場合がある。
請求項1記載の発明は、流体の流入路と流出路とを有し、内周面が円筒形状に形成されるとともに前記流入路に向かうにつれて縮径される弁座が形成された弁室と、前記弁座に接離することで流入路と弁室の間を開閉自在とするOリングと、前記Oリングが設けられ前記弁室内で往復自在とされた弁体と、前記弁体を前記弁座側に付勢する付勢手段とを備えた逆止弁であって、前記弁座は、前記弁室の軸線O1を含む断面において、前記流入路から前記内周面に至る間に、前記弁室側に突出して屈曲し前記Oリングと密着可能な屈曲部が少なくともひとつ形成されるとともに、前記屈曲部を起点として流入路側に延在する第1傾斜部を有し、前記弁体は、前記第1傾斜部と相補的な傾斜部が形成されるとともに前記傾斜部の基端側に、前記軸線を含む断面が前記傾斜部に対して垂直に凹む矩形状のOリング溝が外周面に周回して形成され、前記Oリングは、保持リングで支持されていることを特徴とする。
ていることを特徴とする。
また、この発明に係る構成によれば、Oリングと弁座との間に摺動がないため、Oリングの破損や摩耗が抑制され、Oリングの寿命が延長される。
また、Oリングが、保持リングで支持されているので、Oリングの柔軟性を維持して、弁座を確実に密封する一方、流入路から流入する1次側流体の圧力による変形が抑制され、また、制御弁等の切り換わりにより、流入路から1次側流体が衝撃的に流入する場合であっても、かかる衝撃による変形が抑制されて確実な密封を実現するとともに、かかる切り換わり時の衝撃や通常の作動においてOリングが弁体から外れるのを抑制して、流体の逆流を確実に防止することができる。
前記断面の、前記屈曲部がなす点を屈曲点Pcとし、
前記弁座の、屈曲点Pcから前記流入路側に延在する直線を線分L1とし、
前記弁座の、屈曲点Pcから前記内周面側に延在する直線を線分L2とし、
前記Oリングの軸線O3を含む断面の、Oリングの直径をd1とし、
前記Oリングが、前記L1の延長線と接するように配置されたときの接点をP1とし、
前記延長線上を、前記P1から流入路側に、(1/3)d1離間した位置をP2とし、
前記線分L1の延長線が前記弁室の軸線O1となす角度をθ1とし、
前記線分L2の延長線が前記弁室の軸線O1となす角度をθとしたときに、
前記屈曲点Pcは、前記P1と前記P2の間に配置され、
かつ前記θは、
θ1<θ≦90°
を満足することを特徴とする。
屈曲点Pcの座標位置(Xc、Yc)は、
(R1+(1/2)・d1・(cosθ1−(2/3)・sinθ1))・cotθ1≦Xc≦(R1+(1/2)・d1・cosθ1)・cotθ1
R1+(1/2)・d1・cosθ1−(2/3)・(1/2)・d1・sinθ1≦Yc≦R1+(1/2)・d1・cosθ1
を満足し、
かつ、前記線分L1の延長線が前記弁室の軸線O1となす角度をθ1とし、前記線分L2の延長線が前記弁室の軸線O1となす角度をθとしたときに、
前記θは、
θ1<θ≦90°
を満足することを特徴とする。
屈曲点PcがP2よりも流入路から離間する側に配置されているため、また、Oリングと弁座との接触が、軸線O1を中心とした、屈曲点Pcよりも径方向外方に偏って、Oリングと弁座の接触面積が小さくなるのが防止されるため、低差圧から高差圧まで、幅広い範囲で確実に密封することができる。
また、高い圧力の流体に適用した場合であっても、Oリングが脱落することがないので、逆止弁の寿命が長くなる。
逆止弁1は、逆止弁本体2と、弁体5と、コイルスプリング(付勢手段)6とを備えており、逆止弁本体1は、第1の部材3と第2の部材4とから構成され、略多段円筒状に形成され、弁体5は、Oリング58(シール部材)を備えている。
また、この実施の形態において、逆止弁1は、装置M1(斜線部)に収納可能とされている。
また、第1の部材3には、第1の部材3の外周に周方向に形成された溝36が形成され、Oリング37と、Oリング37の軸線O1方向の前後にバックアップリング38a、38bが嵌挿可能とされている。
また、弁室32の流入路33側の面32aには、流入路33から内周面32aに向かって拡径され、軸線O1を含む断面が、流入路33と内周面32aの間で屈曲して少なくとも2つの円錐形状の傾斜面から構成される弁座35が形成されている。
軸線O1は、逆止弁本体2、第1の部材3、第2の部材4の軸線と同軸に構成されている。
この実施の形態においては、弁座35には、ひとつの屈曲部が形成され、図2に示すように、弁室32の軸線O1を含む断面にて、屈曲部をなす屈曲点Pcを起点として流入路33側に延在する線分L1からなる第1傾斜部35aと、屈曲点Pcを起点として内周面32a側に延在する線分L2からなる第2傾斜部35bとを備えている。
また、かかる前記線分L1の延長線が前記弁室の軸線となす角度をθ1とし、線分L2の延長線が弁室32の軸線O1となす角度をθとしたときに、θは、
θ1<θ≦90°
を満足するようにされている。
Oリング58の中心をなすP3(X3、Y3)のY座標Y3は、Y3=R1で表され、P3とP1を結ぶ線分P1−P3のY軸方向の距離Y43は、Y43=rcosθ1で表される。
これは、図3に示した直角三角形P1P3P4を考えたとき、線分P1−P3はOリング58の半径rと同じ長さであり、線分P1−P3とY軸がなす角は、∠P1P3P4=θ1であるためである。
したがって、P1(X1、Y1)のY座標をY1は、Y1=Y3+Y43であり、
Y1=R1+rcosθ1 ・・・式(1)
で表される。
P2は、線分L1の延長線上を、P1から原点P0方向に(2/3)・r移動して点であり、線分L1とX軸がなす角度は、θ1であるから、図3の直角三角形P1P2P5を考えると、線分P1−P2の長さは、(2/3)・rであり、線分P1−P5は、直角三角形P1P2P5のP2における角、∠P1P2P5=θ1の正弦(sin)であるから、Y15は、Y15=(2/3)・r・sinθ1で表される。
P2のY座標Y2は、Y2=Y1−Y15であるので、
Y2=R1+rcosθ1−(2/3)・r・sinθ1 ・・・式(2)
で表される。
P1のY座標Y1は、前述の通りY1=R1+rcosθ1
であり、P1のX座標X1は、図3に示した直角三角形P1P0P6のP0における角∠P1P0P6=θ1の余接(cot)であるため、
X1=Y1・cotθ1
である。
したがって、X1=(R1+rcosθ1)・cotθ1 ・・・式(3)
である。
したがって、X2=(R1+rcosθ1−(2/3)・r・sinθ1)・cotθ1
・・・式(4)
である。
屈曲点Pcの座標Pc=(Xc、Yc)は、
X2≦Xc≦X1、かつY2≦Yc≦Y1
を満足する座標である。
したがって、座標Pc=(Xc、Yc)は、式(1)、(2)、(3)、(4)より、
(R1+rcosθ1−(2/3)・r・sinθ1)・cotθ1≦Xc≦(R1+rcosθ1)・cotθ1 ・・・式(5)
R1+rcosθ1−(2/3)・r・sinθ1≦Yc≦R1+rcosθ1 ・・・式(6)
である。
r=(1/2)・d1に置き換えると、式(5)、(6)より、
(R1+(1/2)・d1・(cosθ1−(2/3)・sinθ1))・cotθ1≦Xc≦(R1+(1/2)・d1・cosθ1)・cotθ1 ・・・式(7)
R1+(1/2)・d1・cosθ1−(2/3)・(1/2)・d1・sinθ1≦Yc≦R1+(1/2)・d1・cosθ1 ・・・式(8)
となる。
したがって、式(7)、(8)を満足する、屈曲点Pcの座標Pc(Xc、Yc)が、好適な範囲であるといえる。
また、この場合も、θ1<θ≦90°である。
なお、製作時に研磨等により、屈曲点Pcが弁座35に形成されない場合は、屈曲点Pcは、線分L1と、線分L2とが交差する空間上の仮想点とされる。
溝42には、Oリング47とバックアップリング43が嵌挿可能とされている。
また、第2の部材4の他方端には、ネジが形成され、第2の部材4を装置M1から取外す際に接続する治具が接続可能とされている。
装置M1に収納された逆止弁本体2は、固定部材M2によって、軸線O1の後方から流入路33側に向かって固定され、流入路33側の流体圧力に抗して装置M1内に保持されるようになっている。
また、弁体5の一方端には、凹部55が形成され、コイルスプリング6の移動側端が収納されるようになっている。
また、小径部54は、先端側にシール部56が形成されるとともに、基端側に小径部54を周回する溝部54aが形成されている。
Oリング58は、Oリング58を構成する環の軸線O3を弁体の軸線O2と同軸にして、Oリング溝57に嵌挿され、弁座35に接触することで弁座35を密封自在とされている。
また、溝部54aには、保持リング59が嵌挿されるとともに基端部59aがかしめられており、支持部59bが、弁体5の外周から内周側に向かってOリング58を支持するように構成されている。
まず、流体回路において、逆止弁1の上流又は下流に設けられた制御弁等が作動して、逆止弁1の上流から下流に向けて流体が流れる場合には、図5(a)に示されるように、圧力が高くなった1次側流体の圧力によって弁体が押圧され、押圧された弁体5が弁座35から離間して弁体5に設けられたOリング58が弁座35を開放することで、逆止弁1の流入路33側から流出路35側に流体が流通する。
また、高い圧力の流体に適用した場合であっても、Oリング58が脱落することがないので、逆止弁1の寿命を長くすることが可能とされる。
また、かかる構成によれば、シール部材が弁座と摺動することがないため、シール部材の破損や摩耗が抑制され、シール部材の寿命が延長される。
上記実施の形態においては、弁座35に屈曲点Pcが1箇所設けられた場合について説明したが、屈曲点Pcは、ひとつの場合に限定されず、たとえば、図5において示されたように屈曲点Pcから内周面32aに至るまでの間に、さらに形成された屈曲部を、シール部材を押圧させる屈曲部として複数のシール部材を押圧させる屈曲部としてもよい。
5 弁体
6 コイルスプリング(付勢手段)
35 流入路
32 弁室
32a 内周面
34 流出路
35 弁座
59 保持リング
58 Oリング(シール部材)
O1 弁室の軸線(X軸)
O2 弁体の軸線
O3 Oリングの軸線
P0 原点
Pc 屈曲点
Claims (3)
- 流体の流入路と流出路とを有し、内周面が円筒形状に形成されるとともに前記流入路に向かうにつれて縮径される弁座が形成された弁室と、
前記弁座に接離することで流入路と弁室の間を開閉自在とするOリングと、
前記Oリングが設けられ前記弁室内で往復自在とされた弁体と、
前記弁体を前記弁座側に付勢する付勢手段とを備えた逆止弁であって、
前記弁座は、前記弁室の軸線O1を含む断面において、前記流入路から前記内周面に至る間に、前記弁室側に突出して屈曲し前記Oリングと密着可能な屈曲部が少なくともひとつ形成されるとともに、前記屈曲部を起点として流入路側に延在する第1傾斜部を有し、
前記弁体は、前記第1傾斜部と相補的な傾斜部が形成されるとともに前記傾斜部の基端側に、前記軸線を含む断面が前記傾斜部に対して垂直に凹む矩形状のOリング溝が外周面に周回して形成され、
前記Oリングは、保持リングで支持されていることを特徴とする逆止弁。 - 請求項1記載の逆止弁であって、
前記弁体の軸線O2の廻りに、前記弁室の軸線O1と一致して配置されたOリングからなる前記Oリングと、
前記弁座に形成された屈曲部のうちひとつは、前記弁室の軸線O1を含む断面が、前記屈曲部を起点として前記流入路側に延在する直線部と、前記屈曲部から内周面側に延在する直線部とを備え、
前記断面の、前記屈曲部がなす点を屈曲点Pcとし、
前記弁座の、屈曲点Pcから前記流入路側に延在する直線を線分L1とし、
前記弁座の、屈曲点Pcから前記内周面側に延在する直線を線分L2とし、
前記Oリングの軸線O3を含む断面の、Oリングの直径をd1とし、
前記Oリングが、前記L1の延長線と接するように配置されたときの接点をP1とし、
前記延長線上を、前記P1から流入路側に、(1/3)d1離間した位置をP2とし、
前記線分L1の延長線が前記弁室の軸線O1となす角度をθ1とし、
前記線分L2の延長線が前記弁室の軸線O1となす角度をθとしたときに、
前記屈曲点Pcは、前記P1と前記P2の間に配置され、
かつ前記θは、
θ1<θ≦90°
を満足することを特徴とする逆止弁。 - 請求項1記載の逆止弁であって、
前記弁体の軸線O2の廻りに、前記弁室の軸線O1と一致して配置されたOリングからなる前記Oリングと、
前記弁座に形成された屈曲部のうちひとつは、前記弁室の軸線O1を含む断面が、前記屈曲部を起点として前記流入路側に延在する直線部と、前記屈曲部から内周面側に延在する直線部とを備え、
弁室の軸線O1を含む断面における、
前記屈曲部がなす点を屈曲点Pcとし、
前記弁座の屈曲点Pcから前記流入路側に延在する直線を線分L1とし、
前記弁座の屈曲点Pcから前記内周面側に延在する直線を線分L2とし、
前記L1の延長線と前記弁室の軸線O1とが交差する点を原点P0とし、
軸線O1をX軸と仮定し、
前記原点P0において軸線O1と直交する線をY軸と仮定し、
前記Oリングの軸線O3を含む断面の、Oリングの直径をd1とし、
前記弁室の軸線O1から、前記Oリングの軸線O3を含む断面のOリングの中心までの距離をR1としたときに、
屈曲点Pcの座標位置(Xc、Yc)は、
(R1+(1/2)・d1・(cosθ1−(2/3)・sinθ1))・cotθ1≦Xc≦(R1+(1/2)・d1・cosθ1)・cotθ1
R1+(1/2)・d1・cosθ1−(2/3)・(1/2)・d1・sinθ1≦Yc≦R1+(1/2)・d1・cosθ1
を満足し、
かつ、前記線分L1の延長線が前記弁室の軸線O1となす角度をθ1とし、
前記線分L2の延長線が前記弁室の軸線O1となす角度をθとしたときに、
前記θは、
θ1<θ≦90°
を満足することを特徴とする逆止弁。
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