JP4788963B2 - 化学反応熱量測定装置および測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、化学反応における反応熱量を測定するための装置およびその方法に関し、更に詳しくは、小さな反応熱量であっても、あるいは、反応熱が上昇し過ぎた場合であっても安全かつ確実に測定することができ、広範囲な測定を実現することができる化学反応熱の測定装置および測定方法に関するものである。
周知のとおり、重合反応や縮合反応などの化学反応をともなう実験においては、温度、圧力、濃度およびその他の外部条件によって、化学反応の速度が大きく左右されるため、その化学反応の特性に応じてこれらの諸条件を的確かつ迅速に調節する必要があり、そのためには、まず、化学反応熱を正確に測定しなければならない。
従来、かかる測定を行うにあっては、例えば、本件出願人が嘗て発明した化学反応装置内において用いられていたものとして、熱交換ジャケットをリアクターの周囲に設け、その熱交換ジャケット内を通る熱媒の伝熱面積を増減したり、あるいは、この熱交換ジャケットへの流入口と流出口との熱媒の温度差から化学反応熱を測定するものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、かかる反応熱量の測定装置にあっては、熱交換ジャケット内とリアクターとの間に仕切板が存在しているため、反応熱が小さいときには誤差を受け易く、また、不可避的に熱伝達のタイムラグが生じてしまい、高精度な測定ができないという問題があった。
また、急激な化学反応熱が生じた場合には、反応温度が不規則に上昇してしまうことがあり、化学反応熱量だけを正確に測定することが困難であった。
特開平8−131817号公報(第4−6頁、図1−3)
本発明は、上記欠点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、小さな反応熱量であっても、あるいは、反応熱が上昇し過ぎた場合であっても安全かつ確実に測定することができ、広範囲な測定を実現することができる化学反応熱の測定装置および測定方法を提供することにある。
本発明者が上記課題を解決するために採用した手段を添付図面を参照して説明すれば次のとおりである。
即ち、本発明は、反応さすべき化学薬材Aを収容するリアクター1と;
このリアクター1内に配設され、当該リアクター1内の化学薬材Aを加熱せしめるヒーター21を備え、かつ、このヒーター21の出力を測定してヒーター出力信号Pとして発信する加熱制御器2と;
前記リアクター1内の化学薬材Aの現在温度を測定して反応温度信号Tを発信する反応温度センサー3と;
前記リアクター1の少なくとも化学薬材Aの収容部外周を内包する外装容器であって、熱媒Bを供給する流入口41と、排出する流出口42とを備えた熱交換ジャケット4と;
この熱交換ジャケット4の流入口41と流出口42とを介して熱媒Bが循環可能に連通され、熱媒Bの帯熱温度を昇降調節可能な熱媒温度調節機構5と;
前記熱交換ジャケット4内における熱媒Bの水位を昇降可能な水位調整器6と;
前記熱交換ジャケット4の流入口41および流出口42における熱媒Bの温度をそれぞれ測定して熱媒温度信号T・Tとして発信する熱媒温度センサー7(71・72)と;
前記熱交換ジャケット4の流入口41から流入する熱媒Bの流量を測定して、熱媒流量信号Rとして発信可能な熱媒流量センサー8と;
前記加熱制御器2の発信するヒーター出力信号Pが入力され、先にヒーター出力の単位時間当たりの増減幅を測定した後、このヒーター出力の単位時間当たりの増減幅が所定値未満であったときに、このヒーター出力とシキイ値とを比較する判定手段91を有し、
このヒーター出力の単位時間当たりの増減幅が所定値以上であるとき、および、この所定値未満であって、前記判定手段91により比較し、シキイ値を下回るときは、
前記熱媒温度センサー71の発信する熱媒温度信号Tおよび熱媒温度センサー72の発信する熱媒温度信号Tの双方が入力されることにより熱交換ジャケット4の流入口41および流出口42の両点における熱媒Bの温度差が算出され、かつ、前記熱媒流量センサー8の発信する熱媒流量信号Rが入力されることにより流量が算出され、これらの値が積算されてヒーター21の消費熱量Wを算出可能である一方、
ヒーター出力の単位時間当たりの増減幅が所定値未満であり、かつ、前記判定手段91により、シキイ値以上であるときは、当該ヒーター出力と測定時間とを積算してヒーターの消費熱量W を算出可能であり、
この消費熱量Wおよび/またはWを化学薬材Aの反応熱量として換算することができる演算処理装置9とを具備して構成するという技術的手段を採用することによって、化学反応熱量測定装置を完成させた。
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、熱媒温度調節機構5が、温度加減タンク51内における熱媒Bの帯熱温度を昇降調節可能な加熱ヒーターHと冷却器Cとを備えているようにするという技術的手段を採用することができる。
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、水位調整器6には、熱媒温度調節機構5の温度加減タンク51から送出された熱媒Bを収容する収容タンク61を備え、この収容タンク61を昇降装置62により昇降することによって前記熱交換ジャケット4内における熱媒Bの水位を昇降可能にするという技術的手段を採用することができる。
また、本発明は、リアクター1内に化学薬材Aを収容し、このリアクター1の少なくとも収容部外周を内包する熱交換ジャケット4内における熱媒Bを水位調整器6によって所定の水位にする一方、反応温度センサー3によりリアクター1内の化学薬材Aの現在温度を測定して反応温度信号Tとして演算処理装置9に発信するとともに、加熱制御器2のヒーター21を作動して温度を一定にした後、
リアクター1内における化学薬材Aの化学反応を開始させ、
この化学反応によって生じる反応熱量を補償するために、前記加熱制御器2のヒーター21の出力を強弱変化させ、このヒーター21の出力を測定してヒーター出力信号Pとして演算処理装置9に発信し、先にヒーター出力の単位時間当たりの増減幅を測定した後、
このヒーター出力の単位時間当たりの増減幅が所定値未満であったときには、このヒーター出力とシキイ値とを判定手段91により比較し、
このヒーター出力の単位時間当たりの増減幅が所定値以上であるとき、および、この所定値未満であって、前記判定手段91により比較し、シキイ値を下回るときは、
前記熱交換ジャケット4の流入口41に設置した熱媒温度センサー71の発信する熱媒温度信号Tおよび流出口42に設置した熱媒温度センサー72の発信する熱媒温度信号Tの双方を入力して、これら両点における熱媒Bの温度差を算出して、かつ、熱媒流量センサー8の発信する熱媒流量信号Rを入力して流量を算出し、これらの値を積算してヒーター21の消費熱量Wを演算処理装置9によって算出する一方、
ヒーター出力の単位時間当たりの増減幅が所定値未満であって、このヒーター出力がシキイ値以上のときは、ヒーター出力と測定時間とを積算して消費熱量W を演算処理装置9によって算出し、
この消費熱量Wおよび/またはWを化学薬材Aの反応熱量として換算するという技術的手段を採用することによって、化学反応熱量測定方法を完成させた。
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、熱媒温度調節機構5に備えた加熱ヒーターHと冷却器Cとにより、温度加減タンク51内における熱媒Bの帯熱温度を昇降調節するという技術的手段を採用することができる。
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、水位調整器6において、熱媒温度調節機構5の温度加減タンク51から送出された熱媒Bを収容する収容タンク61を設け、この収容タンク61を昇降装置62により昇降することによって前記熱交換ジャケット4内における熱媒Bの水位を昇降するという技術的手段を採用することができる。
本発明の測定装置を使用することにより、小さな反応熱量であっても、あるいは、反応熱が上昇し過ぎた場合であっても安全かつ確実に測定することができ、広範囲な測定を実現することができる。また、消費電力の変化量を測定するため、反応熱量に応じて熱媒の水位をその都度変化させる必要がないので、迅速かつ正確な測定をすることができることから、産業上における利用価値は頗る高いものがあると云える。
本発明を実施するための最良の形態を具体的に図示した図面に基づいて更に詳細に説明すると、次のとおりである。
本発明の実施形態を図1および図2に基づいて説明する。図中、符号1で指示するものはリアクターであり、このリアクター1には反応さすべき化学薬材Aが収容されており、必要に応じて攪拌機Mを配置して、これを作動することにより当該リアクター1内の化学薬材Aを均一にすることができる。
また、符号2で指示するものは加熱制御器であり、この加熱制御器2は、前記リアクター1内に配設され、当該リアクター1内の化学薬材Aを加熱せしめるヒーター21を備え、かつ、この刻々と変化するヒーター21の出力(発熱速度)を測定してヒーター出力信号Pとして発信可能である。なお、当該発熱速度は、ヒーター21の消費電力から測定することもできる。
更にまた、符号3で指示するものは反応温度センサーであり、この反応温度センサー3は、前記リアクター1内の化学薬材Aの現在温度を測定して反応温度信号Tを発信することができる。
更にまた、符号4で指示するものは熱交換ジャケットであり、この熱交換ジャケット4は、前記リアクター1の少なくとも化学薬材Aの収容部の外周を内包する外装容器であって、化学薬材Aと熱交換する熱媒Bを供給する流入口41と、排出する流出口42とを備えている。
更にまた、符号5で指示するものは熱媒温度調節機構であり、この熱媒温度調節機構5は、前記熱交換ジャケット4の流入口41と流出口42とを介して熱媒Bが循環可能に連通され、熱媒Bの帯熱温度を昇降調節可能である。本実施形態では、熱媒温度調節機構5として、温度加減タンク51内における熱媒Bの帯熱温度を昇降調節可能な加熱ヒーターHと冷却器Cとを備えることができ、当該熱媒Bの帯熱温度を効率的に一定ならしめ、安定した除熱温度に保つことができる。
更にまた、符号6で指示するものは水位調整器であり、この水位調整器6は、前記熱交換ジャケット4内における熱媒Bの水位を昇降可能である。本実施形態では、水位調整器6には、前記熱媒温度調節機構5の温度加減タンク51から送出された熱媒Bを収容する収容タンク61を備え、この収容タンク61を昇降装置62により昇降することによって前記熱交換ジャケット4内における熱媒Bの水位を昇降可能にすることができる。
更にまた、符号7(71・72)で指示するものは熱媒温度センサーであり、この熱媒温度センサー7(71・72)は、前記熱交換ジャケット4の流入口41および流出口42における熱媒Bの温度をそれぞれ測定して熱媒温度信号T・Tとして発信することができる。
更にまた、符号8で指示するものは熱媒流量センサーであり、この熱媒流量センサー8は、前記熱交換ジャケット4の流入口41から流入する熱媒Bの流量を測定して、熱媒流量信号Rとして発信可能である。
更にまた、符号9で指示するものは演算処理装置であり、この演算処理装置9は、前記加熱制御器2の発信するヒーター出力信号Pが入力され、先にヒーター出力の単位時間当たりの増減幅を測定した後、このヒーター出力の単位時間当たりの増減幅が所定値未満であったときに、このヒーター出力とシキイ値とを比較する判定手段91により、シキイ値以上であるときは、当該ヒーター出力と測定時間とを積算してヒーターの消費熱量Wを算出可能である。
一方、シキイ値を下回るとき、および、このヒーター出力の単位時間当たりの増減幅が所定値以上であるときは、
前記熱媒温度センサー71の発信する熱媒温度信号Tおよび熱媒温度センサー72の発信する熱媒温度信号Tの双方が入力されることにより熱交換ジャケット4の流入口41および流出口42の両点における熱媒Bの温度差が算出され、かつ、前記熱媒流量センサー8の発信する熱媒流量信号Rが入力されることにより流量が算出され、これらの値が積算されてヒーター21の消費熱量Wを算出可能であり、
この消費熱量Wおよび/またはWを化学薬材Aの反応熱量として換算することができる。
しかして、本実施形態における装置を用いて、化学反応の熱量を測定する方法を図2のフロー図に沿って、以下に説明する。
まず、リアクター1内に化学薬材Aを収容し、このリアクター1の少なくとも収容部外周を内包する熱交換ジャケット4内における熱媒Bを水位調整器6によって所定の水位にする。
なお、本実施形態では、前記熱媒Bの帯熱温度を昇降調節するために、熱媒温度調節機構5に備えた加熱ヒーターHと冷却器Cとにより、温度加減タンク51内における熱媒Bの帯熱温度を昇降調節することもできる。
また、この際、本実施形態では、水位調整器6において、前記熱媒温度調節機構5の温度加減タンク51から送出された熱媒Bを収容する収容タンク61を設け、この収容タンク61を昇降装置62により昇降することによって前記熱交換ジャケット4内における熱媒Bの水位を昇降することができ、迅速な調節が可能となる。
次いで、反応温度センサー3によりリアクター1内の化学薬材Aの現在温度を測定して反応温度信号Tとして演算処理装置9に発信するとともに、加熱制御器2のヒーター21を適宜作動して温度を一定に保つ。
然る後、リアクター1内における化学薬材Aの化学反応を開始させる。これにより、反応熱量の変化が生じ、温度が上昇または下降する。本実施形態では、化学反応によって発熱するものについて説明する。
そして、この化学反応によって生じる反応熱量を補償するために、前記加熱制御器2のヒーター21の出力を刻々と強弱変化させる。具体的には、加熱反応に対しては、前記ヒーター21の出力を弱めることによって熱量を相殺することであり、この刻々と変化するヒーター21の出力を測定してヒーター出力信号Pとして演算処理装置9に発信し、ヒーター出力の単位時間当たりの増減幅が所定値以上になったときは、急激な発熱反応によりオーバーシュートなどの危険が生じるため、危険回避のために、熱交換ジャケット4内の熱媒Bの液面を上昇させて緊急に冷却する。なお、測定途中で熱媒Bの帯熱温度、熱媒流量や水位を昇降する場合には、反応熱量の測定精度をやや損なうおそれがある点に留意する。そして、ヒーター出力の単位時間当たりの増減幅が所定値未満であった場合には、このヒーター出力とシキイ値とを判定手段91により比較する。
比較した結果、このヒーター出力がシキイ値以上のときは、反応速度が穏やかであるということを意味しているとともに、演算処理装置9によって、ヒーター出力と測定時間とを積算して消費熱量Wを算出することができる。
また、ヒーター出力がシキイ値を下回ったとき、即ち、出力が微小で測定が困難となった場合、および、このヒーター出力の単位時間当たりの増減幅が所定値以上になって、シキイ値判定しなかったとき(急激な反応により危険が生じるような場合)は、演算処理装置9によって、以下のように処理する。
即ち、前記熱交換ジャケット4の流入口41に設置した熱媒温度センサー71の発信する熱媒温度信号Tおよび流出口42に設置した熱媒温度センサー72の発信する熱媒温度信号Tの双方を演算処理装置9に入力して、これら両点における熱媒Bの温度差を算出して、かつ、前記熱媒流量センサー8の発信する熱媒流量信号Rを入力して流量を算出し、これらの値(および適宜熱媒Bの比熱)を積算することにより、熱媒Bが喪失した熱量(除熱量)を算出し、この相当量を消費熱量Wとする。
以上のように、これらの消費熱量Wあるいは消費熱量Wのみか、あるいは、反応挙動によっては、消費熱量WおよびWを化学薬材Aの基準状態から変化した総反応熱量として換算することができるのである。
本発明は概ね上記のように構成されるが、図示の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、本装置は、化学薬材Aの反応は発熱反応のものに限らず、吸熱反応のものにも対応することができる。また、演算処理装置9の判定手段91の結果により、算出方法を自動または手動で切り替えて消費熱量WまたはWを演算することもでき、何れのものも本発明の技術的範囲に属する。
本発明の具体的な実施例を以下に示す。
〔実験条件〕
まず、リアクターは内容積500ccとし、ジャケット部分の水位を20%、熱媒Bの流量を300g/min に調整し、かつ、温度を一定に調節して当該熱媒Bによる除熱速度は略一定に保たれている。また、化学薬材Aは、メタクリル酸メチルのモノマー60g、水 300gで乳化剤濃度1g/リットル−水、水溶性開始剤濃度1.25g/リットル−水を使用し、反応温度50℃で攪拌速度400rpmとして、反応器内を充分脱酸素した後、反応温度が50℃と一定になった所で開始剤水溶液を添加した。
〔考察〕
本実施例では、図3に示すように、初めヒーターの発熱速度が65.5J/sで一定になっており、50分経過まで一定であるが、ここで開始剤水溶液を投入すると反応器内の温度は50.07℃まで上昇し、1分程度で50.00±0.01℃で推移していることがわかる。
次いで、84分付近から発熱速度に若干の上昇が見られるが、これは反応熱が急激に増加しているためである。そして、86分付近からは反応設定温度に比べ反応温度が若干減少しているが、これは発熱速度が急激に減少していることに起因する。然る後、反応熱がなくなれば、発熱速度は最初の基準状態の65.5J/sに戻っている。即ち、反応に伴う反応熱は、基準状態の発熱速度65.5J/sからそれぞれの経過時間の発熱速度を引いた値が反応時点の発熱速度となるのである。
このようにして反応熱に伴う発熱速度を求め、経過時間50分である時点を反応開始時間とし、経過時間に対する発熱速度をプロットしたものを図4に示す。なお、参考までに、用いたモノマーの反応熱量から計算した重合率を実線で示した。
図中、重量法で求めた重合率を(記号□)で表したが、共に一致した。一方、除熱速度に対応する消費熱量Wは55J/sと一定しているが、これは反応器表面等から放出している放熱速度が一定しているためである。
なお、本発明の実施例の熱収支の計算方法等は以下のとおりである。
(1)消費熱量Wは、ヒーター出力(発熱速度)である前記加熱制御器2の電圧値とヒーターの抵抗値から求めることができる。
(2)消費熱量Wは、熱媒による除熱速度により、熱交換ジャケット4の流入口41および流出口42の両点における熱媒Bの温度差と流量、および熱媒比熱との積から計算される。また、放熱速度は反応器表面等からの熱の放出を表す。
本発明の実施形態の装置を表わす概略図である。 本発明の実施形態のフロー図である。 本発明の実施例の実験データを表わすグラフである。 本発明の実施例の実験データを表わすグラフである。
1 リアクター
M 攪拌機
2 加熱制御器
21 ヒーター
P ヒーター出力信号
3 反応温度センサー
反応温度信号
4 熱交換ジャケット
41 流入口
42 流出口
5 熱媒温度調節機構
51 温度加減タンク
H 加熱ヒーター
C 冷却器
6 水位調整器
61 収容タンク
62 昇降装置
7(71・72) 熱媒温度センサー
・T 熱媒温度信号
8 熱媒流量センサー
R 熱媒流量信号
9 演算処理装置
91 判定手段
A 化学薬材
B 熱媒
・W 消費熱量

Claims (6)

  1. 反応さすべき化学薬材Aを収容するリアクター1と;
    このリアクター1内に配設され、当該リアクター1内の化学薬材Aを加熱せしめるヒーター21を備え、かつ、このヒーター21の出力を測定してヒーター出力信号Pとして発信する加熱制御器2と;
    前記リアクター1内の化学薬材Aの現在温度を測定して反応温度信号Tを発信する反応温度センサー3と;
    前記リアクター1の少なくとも化学薬材Aの収容部外周を内包する外装容器であって、熱媒Bを供給する流入口41と、排出する流出口42とを備えた熱交換ジャケット4と;
    この熱交換ジャケット4の流入口41と流出口42とを介して熱媒Bが循環可能に連通され、熱媒Bの帯熱温度を昇降調節可能な熱媒温度調節機構5と;
    前記熱交換ジャケット4内における熱媒Bの水位を昇降可能な水位調整器6と;
    前記熱交換ジャケット4の流入口41および流出口42における熱媒Bの温度をそれぞれ測定して熱媒温度信号T・Tとして発信する熱媒温度センサー7(71・72)と;
    前記熱交換ジャケット4の流入口41から流入する熱媒Bの流量を測定して、熱媒流量信号Rとして発信可能な熱媒流量センサー8と;
    前記加熱制御器2の発信するヒーター出力信号Pが入力され、先にヒーター出力の単位時間当たりの増減幅を測定した後、このヒーター出力の単位時間当たりの増減幅が所定値未満であったときに、このヒーター出力とシキイ値とを比較する判定手段91を有し、
    このヒーター出力の単位時間当たりの増減幅が所定値以上であるとき、および、この所定値未満であって、前記判定手段91により比較し、シキイ値を下回るときは、
    前記熱媒温度センサー71の発信する熱媒温度信号Tおよび熱媒温度センサー72の発信する熱媒温度信号Tの双方が入力されることにより熱交換ジャケット4の流入口41および流出口42の両点における熱媒Bの温度差が算出され、かつ、前記熱媒流量センサー8の発信する熱媒流量信号Rが入力されることにより流量が算出され、これらの値が積算されてヒーター21の消費熱量Wを算出可能である一方、
    ヒーター出力の単位時間当たりの増減幅が所定値未満であり、かつ、前記判定手段91により、シキイ値以上であるときは、当該ヒーター出力と測定時間とを積算してヒーターの消費熱量W を算出可能であり、
    この消費熱量Wおよび/またはWを化学薬材Aの反応熱量として換算することができる演算処理装置9とを具備して構成したことを特徴とする化学反応熱量測定装置。
  2. 熱媒温度調節機構5が、温度加減タンク51内における熱媒Bの帯熱温度を昇降調節可能な加熱ヒーターHと冷却器Cとを備えていることを特徴とする請求項1記載の化学反応熱量測定装置。
  3. 水位調整器6には、熱媒温度調節機構5の温度加減タンク51から送出された熱媒Bを収容する収容タンク61を備え、この収容タンク61を昇降装置62により昇降することによって前記熱交換ジャケット4内における熱媒Bの水位を昇降可能であることを特徴とする請求項1または2記載の化学反応熱量測定装置。
  4. リアクター1内に化学薬材Aを収容し、このリアクター1の少なくとも収容部外周を内包する熱交換ジャケット4内における熱媒Bを水位調整器6によって所定の水位にする一方、反応温度センサー3によりリアクター1内の化学薬材Aの現在温度を測定して反応温度信号Tとして演算処理装置9に発信するとともに、加熱制御器2のヒーター21を作動して温度を一定にした後、
    リアクター1内における化学薬材Aの化学反応を開始させ、
    この化学反応によって生じる反応熱量を補償するために、前記加熱制御器2のヒーター21の出力を強弱変化させ、このヒーター21の出力を測定してヒーター出力信号Pとして演算処理装置9に発信し、先にヒーター出力の単位時間当たりの増減幅を測定した後、
    このヒーター出力の単位時間当たりの増減幅が所定値未満であったときには、このヒーター出力とシキイ値とを判定手段91により比較し、
    このヒーター出力の単位時間当たりの増減幅が所定値以上であるとき、および、この所定値未満であって、前記判定手段91により比較し、シキイ値を下回るときは、
    前記熱交換ジャケット4の流入口41に設置した熱媒温度センサー71の発信する熱媒温度信号Tおよび流出口42に設置した熱媒温度センサー72の発信する熱媒温度信号Tの双方を入力して、これら両点における熱媒Bの温度差を算出して、かつ、熱媒流量センサー8の発信する熱媒流量信号Rを入力して流量を算出し、これらの値を積算してヒーター21の消費熱量Wを演算処理装置9によって算出する一方、
    ヒーター出力の単位時間当たりの増減幅が所定値未満であって、このヒーター出力がシキイ値以上のときは、ヒーター出力と測定時間とを積算して消費熱量W を演算処理装置9によって算出し、
    この消費熱量Wおよび/またはWを化学薬材Aの反応熱量として換算することを特徴とする化学反応熱量測定方法。
  5. 熱媒温度調節機構5に備えた加熱ヒーターHと冷却器Cとにより、温度加減タンク51内における熱媒Bの帯熱温度を昇降調節することを特徴とする請求項4記載の化学反応熱量測定方法。
  6. 水位調整器6において、熱媒温度調節機構5の温度加減タンク51から送出された熱媒Bを収容する収容タンク61を設け、この収容タンク61を昇降装置62により昇降することによって前記熱交換ジャケット4内における熱媒Bの水位を昇降することを特徴とする請求項4または5記載の化学反応熱量測定方法。
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