JP4788324B2 - ブラックマトリックス基板およびこれを用いたカラーフィルタの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、ムラを生じることなく着色層や柱状凸部の形成が可能であり、高品質の画像表示をなす半透過型の液晶ディスプレイの製造を可能とするブラックマトリックス基板を提供することを目的とする。
また、本発明のカラーフィルタの製造方法は、感光性の赤色パターン用樹脂組成物、緑色パターン用樹脂組成物、青色パターン用樹脂組成物を所望の順序で使用して、上述のブラックマトリックス基板上にスピン塗布し、フォトリソグラフィー法でパターニングして、赤色パターン、緑色パターン、青色パターンからなる着色層を形成し、その後、保護層用樹脂組成物をスピン塗布して保護層を形成し、次に、柱状凸部用の感光性樹脂組成物を塗布し、ブラックマトリックス基板を回転して遠心力により不要な感光性樹脂組成物を除去し、フォトリソグラフィー法でパターニングして、柱状凸部を形成する工程を有するような構成とした。
図1は、本発明のブラックマトリックス基板の一実施形態を示す平面図である。また、図2は図1に示されるブラックマトリックス基板の1つの表示部の部分拡大平面図であり、図3は図2に示されるブラックマトリックス基板のA−A線における部分拡大断面図であり、図4は図2に示されるブラックマトリックス基板のB−B線における部分拡大断面図である。図1〜図4において、本発明のブラックマトリックス基板1は、透明基板2と、この透明基板2上に複数の表示部を有する多面付けパターン(図1の例では、斜線を付して示した4個の表示部1A,1B,1C,1Dを有する4面付けパターン)として形成されたブラックマトリックス層3と、多面付けの各表示部1A,1B,1C,1Dに所望のパターンで形成された透明樹脂層4とを備えている。そして、多面付けパターン間の透明基板2上に、すなわち、各表示部1A,1B,1C,1Dの間に、透明樹脂層4と同じ材料でストライプ形状のダミーパターン6(図1で、表示部と逆向きの鎖線を付して示す)が形成されている。
ブラックマトリックス層3の厚さとしては、0.06μm〜2.0μmの範囲であるのが好ましい。0.06μm未満であると、光学的な黒濃度が不足するからであり、一方、2.0μmを超えると塗布時に障害となり易くなり、ブラックマトリックス層3を形成するパターン精度も低下する。
上記のクロム等の金属および/または金属化合物薄膜は、真空蒸着法、スパッタリング法等の真空成膜法により形成される。
上記のブラックマトリックス層3は、通常、線幅は約6〜50μm程度、各格子で区画される画素Pの大きさは、y方向の短辺の長さが約40〜150μm程度(したがって、y方向の画素ピッチは約46〜200μm)、x方向である長辺の長さが約120〜450μm程度(したがって、x方向の画素ピッチは約126〜500μm)である。
ブラックマトリックス基板1を構成するダミーパターン6は、透明樹脂層4と同じ材料で形成されたものであり、上述の透明樹脂層4の形成と同時に形成することができる。したがって、ダミーパターン6の厚みは透明樹脂層4と同じものであってよい。ダミーパターン6は直線であり、多面付けパターン(多面付けの各表示部1A,1B,1C,1D)の各辺との隙間G1は、1000μm以下、好ましくは20〜500μmの範囲とすることができる。隙間G1が1000μmを超えると、ブラックマトリックス基板1に塗布された溶液の均一拡散が困難となり、塗り残しやムラが生じ易くなり好ましくない。
図5は、本発明のブラックマトリックス基板の他の態様を示す図1相当の平面図であり、図5に示されるブラックマトリックス基板1では、ダミーパターン6は破線形状となっている。この場合も、ダミーパターン6と、多面付けパターン(多面付けの各表示部1A,1B,1C,1D)の各辺との隙間G1は、1000μm以下、好ましくは20〜500μmの範囲とすることができる。また、ダミーパターン6の破線の隙間G2は1000μm以下、好ましくは20〜500μmの範囲とすることができる。
[実施例1]
透明基板として、大きさ400mm(x方向)×300mm(y方向)の低膨張ガラス基板を洗浄後、スパッタリング法によりクロムを80nmの厚さに成膜し、クロムを遮光膜とするブランクスを形成した。
次に、上記のクロムブランクスに絵柄が同じ4面付けのブラックマトリックス層のパターンをフォトエッチング法により形成した。各面付けのブラックマトリックス層は、図1、図2に示すy方向のピッチが80μm、x方向のピッチが300μmであり、線幅が10μmある格子形状であった。また、4面付けの各面付け(表示部)の寸法は170mm(x方向)×120mm(y方向)であり、各面付け間の距離は20mmとした。
(透明樹脂層形成用のネガ型感光性樹脂組成物)
・スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体 … 42重量部
・エピコート180S70(三菱油化シェル(株)製) … 18重量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート … 32重量部
・開始剤 … 8重量部
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907)
・溶剤 … 300重量部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
(赤色パターン用樹脂組成物R)
・バインダー樹脂:アクリル系共重合体 … 5.0重量部
・モノマー:ジペンタエリスリトール多官能アクリレート … 4.0重量部
・顔料:赤顔料P.R.254 … 4.8重量部
黄顔料P.Y.138 … 1.2重量部
・分散剤:カプロラクトン共重合体 … 3.0重量部
・光重合開始剤:チバガイギー社製イルガキュア369 … 1.2重量部
ジエチルチオキサントン … 0.4重量部
ビイミダゾール … 0.4重量部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート… 80.0重量部
続いて、下記の緑色パターン用樹脂組成物G、青色パターン用樹脂組成物G、保護層用樹脂組成物OCの順にスピン塗布とフォトリソグラフィを繰り返し、カラーフィルタを作製した。上記の樹脂組成物は、スピン塗布において、いずれも塗り残しや塗布ムラを生じることがなく、均一な塗布膜を形成することができた。
(緑色パターン用樹脂組成物G)
・バインダー樹脂:アクリル系共重合体 … 5.0重量部
・モノマー:ジペンタエリスリトール多官能アクリレート … 4.0重量部
・顔料:緑顔料P.G.36 … 4.2重量部
黄顔料P.Y.150 … 1.8重量部
・分散剤:カプロラクトン共重合体 … 3.0重量部
・光重合開始剤:チバガイギー社製イルガキュア369 … 2.0重量部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート… 60.0重量部
メチルブトキシアセテート … 10.0重量部
3−エトキシプロピオン酸エチル … 10.0重量部
・バインダー樹脂:アクリル系共重合体 … 5.0重量部
・モノマー:ジペンタエリスリトール多官能アクリレート … 4.0重量部
・顔料:青顔料P.B.15:6 … 6.0重量部
・分散剤:カプロラクトン共重合体 … 3.0重量部
・光重合開始剤:チバガイギー社製イルガキュア907 … 1.4重量部
ジエチルチオキサントン … 0.6重量部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート… 60.0重量部
メチルブトキシアセテート … 10.0重量部
3−エトキシプロピオン酸エチル … 10.0重量部
・バインダー樹脂:アクリル系共重合体 … 8.0重量部
エポキシ樹脂 … 4.0重量部
・モノマー:ジペンタエリスリトール多官能アクリレート … 6.0重量部
・光重合開始剤:チバガイギー社製イルガキュア907 … 1.4重量部
ビイミダゾール … 0.6重量部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート… 65.0重量部
メチルブトキシアセテート … 15.0重量部
透明基板として、大きさ400mm(x方向)×300mm(y方向)の低膨張ガラス基板を洗浄後、ネガ型ブラックレジストを1μmの厚さにスピン塗布し、90℃で30分間プリベークした。
次に、上記の塗布基板に、絵柄が同じ4面付けのブラックマトリックス層のパターンをフォトリソグラフィ法により形成した。露光量は50mJ/cm2(露光波長365nm)であり、露光後、水酸化カリウム水溶液(0.05重量%)で現像し、次いで200℃で30分間ポストベークした。各面付けのブラックマトリックス層は、図2に示すy方向のピッチが80μm、x方向のピッチが300μmであり、線幅が10μmある格子形状であった。また、4面付けの各面付け(表示部)の寸法は、170mm(x方向)×120mm(y方向)であり、各面付け間の距離は20mmとした。
以後、緑色パターン用樹脂組成物G、青色パターン用樹脂組成物G、保護層用樹脂組成
物OCの順にスピン塗布とフォトリソグラフィを繰り返し、カラーフィルタを作製した。上記の樹脂組成物は、スピン塗布において、いずれも塗り残しや塗布ムラを生じることがなく、均一な塗布膜を形成することができた。
実施例2と同様にして、大きさ400mm(x方向)×300mm(y方向)の低膨張ガラス基板に、絵柄が同じ4面付けのブラックマトリックス層を形成した。
次に、ブラックマトリックス層を覆うように、実施例1と同じ透明樹脂層形成用のネガ型感光性樹脂組成物をスピンコート法により塗布し、マスクを介して露光した。露光条件、現像、ポストベーク条件は実施例1と同様とした。これにより、図2に示すy方向に、ストライプ形状(幅100μm)の透明樹脂層(厚み3.50μm)を形成した。同時に、4面の面付け間の全面に、透明樹脂層から連続してダミーパターン(図9参照)を形成して、ブラックマトリックス基板を得た。
以後、緑色パターン用樹脂組成物G、青色パターン用樹脂組成物G、保護層用樹脂組成
物OCの順にスピン塗布とフォトリソグラフィを繰り返し、カラーフィルタを作製した。上記の樹脂組成物は、スピン塗布において、いずれも塗り残しや塗布ムラを生じることがなく、均一な塗布膜を形成することができた。
実施例2と同様にして、ブラックマトリックス基板を作製し、このブラックマトリックス基板に、実施例2と同様にして、赤色、緑色、青色の着色パターンを形成してカラーフィルタを作製した。
このカラーフィルタ上に下記組成の柱状凸部用の感光性樹脂組成物をダイコートにより塗布(塗布液量25cc)した。次に、スピンチャックにより基板を回転し、遠心力によって不要な感光性樹脂組成物を除去して、感光性樹脂組成物の塗布膜を形成した。この柱状凸部用の樹脂組成物塗布膜には、放射状のムラは発生しなかった。次いで、柱状凸部用の樹脂組成物塗布膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングし、複数の柱状凸部を形成した。形成された柱状凸部は、3.5μmの均一な高さを有するものであった。
(柱状凸部用の感光性樹脂組成物)
・バインダー樹脂:アクリル系共重合体 … 15.0重量部
エポキシ樹脂 … 9.0重量部
・モノマー:ジペンタエリスリトール多官能アクリレート … 12.0重量部
・光重合開始剤:チバガイギー社製イルガキュア907 … 2.8重量部
ビイミダゾール … 1.2重量部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート… 45.0重量部
メチルブトキシアセテート … 15.0重量部
ダミーパターンを設けない他は、実施例1と同じ絵柄を有する4面付けのブラックマトリックス基板を形成した。この基板に実施例1と同様に、第1色目の赤色パターン用樹脂組成物Rをスピン塗布した。しかし、実施例1と同じ塗布液量22ccでは塗り残しが生じてしまった。
基板を再洗浄し、塗布液量を30ccに増量することにより、はじめて塗り残しや塗布ムラがない塗布膜を得ることができた。
ダミーパターンの幅をx方向、y方向ともに16mmとし、ダミーパターンと各面付けパターン(表示部)との隙間G1を2000μmとした他は、実施例1と同じ絵柄を有する4面付けのブラックマトリックス基板を形成した。この基板に実施例1と同様に、第1色目の赤色パターン用樹脂組成物Rをスピン塗布した。しかし、実施例1と同じ塗布液量22ccでは塗り残しが生じてしまった。
基板を再洗浄し、塗布液量を27ccに増量することにより、はじめて塗り残しや塗布ムラがない塗布膜を得ることができた。
ダミーパターンを設けてない以外は、実施例2と同じ絵柄を有する4面付けのブラックマトリックス基板を形成した。この基板に実施例2と同様に、第1色目の赤色パターン用樹脂組成物Rをスピン塗布した。しかし、実施例1と同じ塗布液量23ccでは塗り残しが生じてしまった。
基板を再洗浄し、塗布液量を30ccに増量することにより、はじめて塗り残しや塗布ムラがない塗布膜を得ることができた。この赤色パターン用樹脂組成物塗布膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングし、第1色目の赤色パターンを形成した。同様にして、緑色、青色の着色パターンも形成してカラーフィルタを作製した。
このカラーフィルタ上に、実施例4と同様にして、柱状凸部用の感光性樹脂組成物の塗布膜を形成した。しかし、形成した樹脂組成物塗布膜には、放射状のムラが発生し、その後、フォトリソグラフィ法によりパターニングして形成した複数の柱状凸部は、高さが3.1〜3.8μmの範囲であり、高さにバラツキが見られた。
2…透明基板
3…ブラックマトリックス層
4…透明樹脂層
6…ダミーパターン
Claims (3)
- 透明基板と、該透明基板上に複数の表示部を有する多面付けパターンとして形成されたブラックマトリックス層と、多面付けの各表示部に所望のパターンで形成された透明樹脂層とを備え、前記多面付けパターン間の前記透明基板上に前記透明樹脂層と同じ材料でダミーパターンが形成されており、該ダミーパターンが前記多面付けパターンの各辺に平行な破線、多重線、ブロック集合のいずれか、もしくはこれらの組合せであり、
破線である前記ダミーパターンと前記多面付けパターンの各辺との隙間は20〜500μmの範囲であり、
多重線である前記ダミーパターンと前記多面付けパターンの各辺との隙間は20〜500μmの範囲であり、多重線の隙間は20〜500μmの範囲であり、
前記ダミーパターンが前記多面付けパターンの各辺に平行に配列された方形のブロック集合であるとき、個々のブロックの1辺は50μm〜1mmであり、ブロック間の隙間、および、前記多面付けパターンの各辺とブロックとの隙間は20〜500μmの範囲であり、
前記ダミーパターンが前記多面付けパターンの各辺に平行に配列された円形のブロック集合であるとき、個々のブロックの直径は50μm〜1mmであり、ブロック間の隙間、および、前記多面付けパターンの各辺とブロックとの隙間は20〜500μmの範囲であることを特徴とするブラックマトリックス基板。 - 前記透明樹脂層は、多面付けの各表示部を構成する複数の画素の各画素に相当する部位の一部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のブラックマトリックス基板。
- 感光性の赤色パターン用樹脂組成物、緑色パターン用樹脂組成物、青色パターン用樹脂組成物を所望の順序で使用して、請求項1または請求項2に記載のブラックマトリックス基板上にスピン塗布し、フォトリソグラフィー法でパターニングして、赤色パターン、緑色パターン、青色パターンからなる着色層を形成し、その後、保護層用樹脂組成物をスピン塗布して保護層を形成し、次に、柱状凸部用の感光性樹脂組成物を塗布し、ブラックマトリックス基板を回転して遠心力により不要な感光性樹脂組成物を除去し、フォトリソグラフィー法でパターニングして、柱状凸部を形成する工程を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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