JP4787526B2 - 血液ポンプ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、血液などの医療用血液を搬送するための血液ポンプ装置に関する。
人工心臓に使用されるポンプの一つに遠心式血液ポンプがある。そして、遠心式血液ポンプは、血液流入ポートと血液流出ポートを有するハウジングと、ハウジング内で回転し、回転時の遠心力によって血液を送液するインペラを有している。このような血液ポンプが生体に対して正しく機能していることを把握するための重要なパラメータの一つに流量がある。この流量の計測には超音波流量計等の専用のセンサを用いた直接計測も考えられるが、長期にわたる安定した連続モニタリングという点では困難な点がある。また、部品数の増加は装置の大型化につながる。このため、流量計を設けることなく、ポンプのモータの回転数、その電流、血液の粘度と比重などより流量を間接計測する方式が期待されている。
間接計測方式としては、流量を回転数と電流の関数と見なしそれに粘度要因を加えて補正することにより算出可能である。すなわち、直接計測できるモータ回転数、モータ電流から流量を計算する。この場合、流量と回転数および電流の相関関係を求めておき、その相関関係より演算された近似式を用いることが考えられる。近似式は例えば下記数式(1)で表すことができる。
Figure 0004787526

ここで、cklmは最小自乗法にて算出される係数であり、i[A]はモータ電流、v[mPa・s(cP)]は粘度、n[rpm]は回転数,q[L/min]は流量を示す。
しかしながら、上記のような多項式を使用した場合、近似の次数を低くすると、データ点(補間の用語で言うところの標本点)も含め、基本的に全領域での精度が低下する。また、近似の次数を高くすると、多項式補間の欠点である不要な振動が発生して、やはりデータ点以外での精度が低下する。
それを防ぐために、表で大量のデータを持っておき、与えられた回転数と電流に最も近い条件での流量を推定値とする方式も考えられるが、データをストアする領域が増えること、また、それを検索する処理の増加がポンプの制御装置の負荷になり、携帯用の制御装置の場合、リアルタイムでの表示が難しくなる。
また、補間をスプライン補間で行う場合も、精度の問題は解決されるが、計算量は多くなるという問題がある。
本発明の目的は、流量計を用いることなく、血液流量(吐出流量)を容易かつ確実に算出できる流量算出機能を備えた血液ポンプ装置を提供することにある。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 血液流入ポートと血液流出ポートを有するハウジングと、前記ハウジング内で回転し血液を送液するインペラと、該インペラを回転させるためのモータと、血液測定データ入力部と、インペラ回転数測定または算出機能と、モータ電流値計測機能と、血液吐出流量を演算する吐出流量演算部とを備える血液ポンプ装置であって、前記吐出流量演算部は、あらかじめ測定した多数の血液吐出流量における、血液粘度値、モータ電流測定値およびモータ回転数値を入力層データとし、前記各入力層データに関する血液吐出流量を教師データとして、ニューラルネットワークを用いて算出した入力層データと吐出流量との吐出流量関連関係式を記憶する吐出流量関連関係式記憶部と、該吐出流量関連関係式、前記血液測定データ入力部に入力された血液粘度値もしくは入力されたヘマトクリット値より演算された血液粘度値、前記インペラ回転数測定または算出機能より得られるインペラ回転数値、前記モータ電流値計測機能により得られるモータ電流測定値もしくはその補正値とを用いて、前記血液粘度値および前記モータ電流測定値ならびに前記インペラ回転数値における血液吐出流量を演算する吐出流量演算機能と、
あらかじめ測定した多数のポンプ揚程値における、血液粘度値、モータ電流測定値およびモータ回転数値を入力層データとし、前記各入力層データに関するポンプ揚程値を教師データとして、ニューラルネットワークを用いて算出した入力層データとポンプ揚程との関係式を記憶するポンプ揚程関連関係式記憶部と、該ポンプ揚程関連関係式、前記血液測定データ入力部に入力された血液粘度値もしくは入力されたヘマトクリット値より演算された血液粘度値、前記インペラ回転数測定または算出機能より得られるインペラ回転数値、前記モータ電流値計測機能により得られるモータ電流測定値もしくはその補正値とを用いて、前記血液粘度値および前記モータ電流測定値ならびに前記インペラ回転数値におけるポンプ揚程を演算するポンプ揚程演算機能と、
前記吐出流量演算機能により算出される算出吐出流量と、前記ポンプ揚程演算機能により算出される算出ポンプ揚程とを用いて、前記ポンプの流体出力を演算する流体出力演算機能を備える血液ポンプ装置。
(2) 前記血液ポンプ装置は、遠心式血液ポンプ装置であり、前記インペラは、前記ハウジング内で回転し、回転時の遠心力によって血液を送液するものである上記(1)に記載の血液ポンプ装置。
(3) 前記血液ポンプ装置は、血液流入ポートと血液流出ポートを有するハウジングと、内部に磁性体を備え、前記ハウジング内で回転し、回転時の遠心力によって血液を送液するインペラを有する遠心式血液ポンプ部と、前記遠心式血液ポンプ部の前記インペラの磁性体を吸引するための磁石を備えるロータと、該ロータを回転させるモータを備えるインペラ回転トルク発生部と、電磁石を備えるインペラ位置制御部とを備え、前記ハウジングに対して前記インペラが非接触状態にて回転するものである上記(1)または(2)に記載の血液ポンプ装置。
(4) 前記血液測定データ入力部は、血液粘度測定値入力部であり、前記血液粘度値は、血液粘度測定値である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の血液ポンプ装置。
(5) 前記血液測定データ入力部は、ヘマトクリット値入力部であり、前記血液ポンプ装置は、入力されたヘマトクリット値より血液粘度を演算する血液粘度演算機能を備えている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の血液ポンプ装置。
(6) 前記血液測定データ入力部は、ヘマトクリット値入力部であり、前記血液ポンプ装置は 入力されたヘマトクリット値より血液粘度を演算する血液粘度演算機能および比重を演算する比重演算機能を備えている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の血液ポンプ装置。
(7) 前記血液ポンプ装置は、比重入力部もしくは比重演算機能と、前記モータ電流測定値を該比重入力部により入力されたもしくは前記比重演算機能により演算された比重を用いて補正した値をモータ電流測定値とするモータ電流測定値補正機能を備えている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の血液ポンプ装置。
(8) 前記血液ポンプ装置は、モータ特性による補正機能を備えており、前記モータ電流測定値を当該モータ特性補正機能により補正した値をモータ電流測定値とするモータ電流測定値補正機能を備えている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の血液ポンプ装置。
(9) 前記血液ポンプ装置は、前記吐出流量演算機能により算出される算出吐出流量と、前記ポンプ揚程演算機能により算出される算出ポンプ揚程と、前記モータ電流測定値より換算される軸トルクと、前記インペラ回転数とを用いて、前記ポンプのポンプ効率を演算するポンプ効率演算機能を備えている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の血液ポンプ装置。
(10) 前記血液ポンプ装置は、前記吐出流量演算機能により算出される算出吐出流量と、前記ポンプ揚程演算機能により算出される算出ポンプ揚程と、前記モータ電流測定値より換算される軸トルクと、前記インペラ回転数とを用いて、前記ポンプにおける全損失を演算するポンプ全損失演算機能を備えている上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の血液ポンプ装置。
また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 請求項1ないし10のいずれかに記載の血液ポンプ装置の調整方法であって、対象者に血液ポンプ装置を装着した状態において、ポンプの流量を流量センサを用いて測定し、前記流量センサを用いて測定される吐出流量を教師データとし、該吐出流量測定時における血液粘度値もしくはヘマトクリット値、モータ電流測定値およびモータ回転数値を入力データとし、ニューラルネットワークを用いて、記憶する入力層データと吐出流量との関係式を修正、および前記対象者に血液ポンプ装置を装着した状態において、ポンプの流入側および流出側の圧力を測定し、該測定された圧力値から算出されるポンプ揚程を教師データとし、該吐出流量測定時における血液粘度値もしくはヘマトクリット値、モータ電流測定値およびモータ回転数値を入力データとし、ニューラルネットワークを用いて、記憶する入力層データとポンプ揚程との関係式を修正する関係式修正作業を行う血液ポンプ装置の調整方法。
(12) 前記ニューラルネットワークは、入力層、中間層、出力層の3層からなる3層フィードフォワード型ニューラルネットである上記(11)に記載の血液ポンプ装置の調整方法。
また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
(13) 上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の血液ポンプ装置の製造方法であって、該製造方法は、あらかじめ測定した多数の血液吐出流量における、血液粘度値、モータ電流測定値およびモータ回転数値を入力層データとし、前記各入力層データに関する血液吐出流量を教師データとして、ニューラルネットワークを用いて、入力層データと吐出流量との関係式を算出する関係式算出工程と、該関係式算出工程により得られた入力層データと吐出流量との関係式を前記吐出流量演算部に記憶させる記憶工程、およびあらかじめ測定した多数の血液吐出流量における、血液粘度値、モータ電流測定値およびモータ回転数値を入力層データとし、前記各入力層データに関するポンプ揚程を教師データとして、ニューラルネットワークを用いて、入力層データとポンプ揚程との関係式を算出するポンプ揚程関連関係式算出工程と、該ポンプ揚程関連関係式算出工程により得られた入力層データとポンプ揚程との関係式を前記ポンプ揚程演算部に記憶させる記憶工程とを行う血液ポンプ装置の製造方法。
(14) 前記ニューラルネットワークは、入力層、中間層、出力層の3層からなる3層フィードフォワード型ニューラルネットである上記(13)に記載の血液ポンプ装置の製造方法。
この血液ポンプ装置によれば、流量計を用いることなく、血液流量(吐出流量)を容易かつ確実に算出できる。さらに、ニューラルネットワークを用いて算出された回転数、電流、粘度、流量の関係式を持つので、多項回帰式を用いた場合に比べて正確な吐出流量を演算により得ることができる。また、未経験のデータが入力されたときに正確な出力を計算する「汎化能力」があるとともに、正確な流量の予測が可能になる。
本発明の血液ポンプ装置および血液ポンプ装置の製造方法を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の血液ポンプ装置の実施例のブロック図である。図2は、本発明の血液ポンプ装置に使用される血液ポンプ装置本体部の一例の正面図である。図3は、図2に示した血液ポンプ装置本体部の平面図である。図4は、図2に示した実施例の血液ポンプ装置本体部の縦断面図である。図5は、図2のA−A線断面図である。
本発明の血液ポンプ装置1は、血液流入ポート22と血液流出ポート23を有するハウジング20と、ハウジング20内で回転し血液を送液するインペラ21と、インペラ21を回転させるためのモータ34を備える血液ポンプ装置である。
本発明の血液ポンプ装置1は、血液測定データ入力部(言い換えれば、血液粘度関連測定データ入力部)57と、インペラ回転数測定または算出機能と、モータ電流値計測機能と、血液吐出流量を演算する吐出流量演算部58とを備えている。
吐出流量演算部58は、あらかじめ測定した多数の血液吐出流量における、血液粘度値、モータ電流測定値およびモータ回転数値を入力層データとし、各入力層データに関する血液吐出流量を教師データとして、ニューラルネットワークを用いて算出した入力層データと吐出流量との関係式を記憶する吐出流量関連関係式記憶部60と、吐出流量関連関係式記憶部60が記憶する吐出流量関連関係式、血液測定データ入力部57に入力された血液粘度値もしくは入力されたヘマトクリット値より演算された血液粘度値、インペラ回転数測定または算出機能より得られるインペラ回転数値、モータ電流値計測機能により得られるモータ電流測定値もしくはその補正値とを用いて、当該血液粘度値および当該モータ電流測定値ならびに当該インペラ回転数値における血液吐出流量を演算する吐出流量演算機能を備えている。
そして、吐出流量演算部58は、あらかじめ測定した多数の血液吐出流量における、血液粘度値、モータ電流測定値およびモータ回転数値を入力データとし、前記各血液吐出流量を教師データとして、ニューラルネットワークを用いて算出した入力層データと吐出流量との関係式(シグモイド関数を利用する)を記憶する関係式記憶部60と、この関係式、血液測定データ入力部57に入力された血液粘度値もしくは入力されたヘマトクリット値より演算された血液粘度値、前記インペラ回転数測定または算出機能より得られるインペラ回転数値、前記モータ電流値計測機能により得られるモータ電流測定値もしくはその補正値とを用いて、当該血液粘度値および当該モータ電流測定値ならびに当該インペラ回転数値における血液吐出流量を演算する吐出流量演算機能を備えている。
そして、図1ないし図5に示す実施例の血液ポンプ装置は、血液流入ポート22と血液流出ポート23を有するハウジング20と、内部に磁性体25を備え、ハウジング20内で回転し、回転時の遠心力によって血液を送液するインペラ21を有する遠心式血液ポンプ部2と、遠心式血液ポンプ部2のインペラ21の磁性体25を吸引するための磁石33を備えるロータ31と、ロータ31を回転させるモータ34を備えるインペラ回転トルク発生部3と、電磁石41を備えるインペラ位置制御部4とを備え、ハウジング20に対してインペラ21が非接触状態にて回転するものである。
なお、本発明の血液ポンプ装置は、上記のようなインペラが非接触状態にて回転するタイプのものに限定されるものではない。例えば、インペラがモータのシャフトに接合され、モータの回転によりインペラが回転するタイプのものに用いることができる。また、本発明の血液ポンプ装置は、上記のような遠心式血液ポンプ装置に限定されるものではなく、軸流式血液ポンプ装置、斜流式血液ポンプ装置であってもよい。
図2ないし図6に示すように、この実施例の血液ポンプ装置本体部5は、血液流入ポート22と血液流出ポート23を有するハウジング20と、ハウジング20内で回転し血液を送液するインペラ21を有する血液ポンプ部2と、インペラ21のためのインペラ回転トルク発生部(非制御式磁気軸受構成部)3と、インペラ21のためのインペラ位置制御部(制御式磁気軸受構成部)4とを備える。
インペラ21は、図4に示すように、非制御式磁気軸受構成部3および制御式磁気軸受構成部4の作用により、ハウジング20内の所定位置に保持され、ハウジング内面に接触することなく通常は回転する。
ハウジング20は、血液流入ポート22と血液流出ポート23とを備え、非磁性材料により形成されている。ハウジング20内には、血液流入ポート22および血液流出ポート23と連通する血液室24が形成されている。このハウジング20内には、インペラ21が収納されている。血液流入ポート22は、ハウジング20の上面の中央付近よりほぼ垂直に突出するように設けられている。血液流出ポート23は、図3および図5に示すように、ほぼ円筒状に形成されたハウジング20の側面より接線方向に突出するように設けられている。
図5に示すように、ハウジング20内に形成された血液室24内には、中央に貫通口を有する円板状のインペラ21が収納されている。インペラ21は、図4に示すように、下面を形成するドーナツ板状部材(下部シュラウド)27と、上面を形成する中央が開口したドーナツ板状部材(上部シュラウド)28と、両者間に形成された複数(例えば、7つ)のベーン18を有する。そして、下部シュラウドと上部シュラウドの間には、隣り合うベーン18で仕切られた複数(7つ)の血液通路26が形成されている。血液通路26は、図5に示すように、インペラ21の中央開口と連通し、インペラ21の中央開口を始端とし、外周縁まで徐々に幅が広がるように延びている。言い換えれば、隣り合う血液通路26間にベーン18が形成されている。なお、この実施例では、それぞれの血液通路26およびそれぞれのベーン18は、等角度間隔にかつほぼ同じ形状に設けられている。
そして、図4に示すように、インペラ21には、複数(例えば、24個)の第一の磁性体25(永久磁石、従動マグネット)が埋設されている。この実施例では、第一の磁性体25は、下部シュラウド27内に埋設されている。埋設された磁性体25(永久磁石)は、後述するインペラ回転トルク発生部3のロータ31に設けられた永久磁石33によりインペラ21を血液流入ポート22と反対側に吸引され、回転トルクをインペラ回転トルク発生部より伝達するために設けられている。
また、この実施例のようにある程度の個数の磁性体25を埋設することにより、後述するロータ31との磁気的結合も十分に確保できる。磁性体25(永久磁石)の形状としては、円形であることが好ましい。あるいは、リング状のマグネットを多極(例えば、24極)に分極したもの、言い換えれば、複数の小さな磁石を磁極が交互となるように、かつ、リング状に並べたものでもよい。
また、インペラ21は、上部シュラウドそのものもしくは上部シュラウド内に設けられた第2の磁性体28を備える。この実施例では、上部シュラウドの全体が、磁性体28により形成されている。磁性体28は、後述するインペラ位置制御部の電磁石41によりインペラ21を血液流入ポート22側に吸引するために設けられている。磁性体28としては、磁性ステンレス等が使用される。
インペラ位置制御部4およびインペラ回転トルク発生部3により、非接触式磁気軸受が構成され、インペラ21は、相反する方向より引っ張られることにより、ハウジング20内において、ハウジング20の内面と接触しない適宜位置にて安定し、非接触状態にてハウジング20内を回転する。
インペラ回転トルク発生部3は、図4に示すように、ハウジング20内に収納されたロータ31とロータ31を回転させるためのモータ34を備える。ロータ31は、血液ポンプ部2側の面に設けられた複数の永久磁石33を備える。ロータ31の中心は、モータ34の回転軸に固定されている。永久磁石33は、インペラ21の永久磁石25の配置形態(数および配置位置)に対応するように、複数かつ等角度ごとに設けられている。
インペラ回転トルク発生部3としては、上述のロータおよびモータを備えるものに限られず、例えば、インペラ21の永久磁石25を吸引し、かつ回転駆動させるための複数のステーターコイルからなるものでもよい。
インペラ位置制御部4は、図3および図4に示すように、インペラの磁性体28を吸引するための固定された複数の電磁石41と、インペラの磁性体28の位置を検出するための位置センサ42を備えている。具体的には、インペラ位置制御部4は、ハウジング20内に収納された複数の電磁石41と、複数の位置センサ42を有する。インペラ位置制御部の複数(3つ)の電磁石41および複数(3つ)の位置センサ42は、それぞれ等角度間隔にて設けられており、電磁石41と位置センサ42も等角度間隔にて設けられている。電磁石41は、鉄心とコイルからなる。電磁石41は、この実施例では、3個設けられている。電磁石41は、3個以上、例えば、4つでもよい。3個以上設け、これらの吸引力を位置センサ42の検知結果を用いて調整することにより、インペラ21の回転軸(z軸)方向の力を釣り合わせ、かつ回転軸(z軸)に直交するx軸およびy軸まわりのモーメントを制御することができる。
位置センサ42は、電磁石41と磁性体28との隙間の間隔を検知し、この検知出力は、電磁石41のコイルに与えられる電流もしくは電圧を制御する制御機構(言い換えれば、コントローラ)6の制御部51に送られる。また、インペラ21に重力等による半径方向の力が作用しても、インペラ21の永久磁石25とロータ31の永久磁石33との間の磁束の剪断力および電磁石41と磁性体28との間の磁束の剪断力が作用するため、インペラ21はハウジング20の中心に保持される。
制御機構6は、図1に示すように、磁気カップリング用のモータ34のためのパワーアンプ52およびモータ制御回路53、電磁石41のためのパワーアンプ54、センサ42のためのセンサ回路55、センサ出力をモニタリングするためのセンサ出力モニタリング部(図示せず)、制御部51、電源部56、血液測定データ入力部(具体的には、血液粘度値もしくはヘマトクリット値)57、吐出流量演算部58、表示部59を備える。制御部51は、モータ電流モニタリング機能およびインペラ回転数算出機能(モータ回転数算出機能)を備える。
血液測定データ入力部57としては、例えば、血液粘度測定値入力部である。好ましくは、図1に示すように、血液粘度測定値入力部と比重入力部を備えることが好ましい。この場合、血液粘度および比重は使用者より採血した血液より外部機器を用いて測定される。
また、血液測定データ入力部57としては、図1の括弧内に示すように、ヘマトクリット値入力部であってもよい。この場合、血液ポンプ装置は、入力されたヘマトクリット値より粘度を演算する粘度演算機能を備えているものとなる。つまり、吐出流量演算部58は、粘度演算機能を備えるものとなる。粘度演算方法は以下のとおりである。
v=a3Hct3+a2Hct2+a1Hct+a0
v[mPa・s]は粘度、Hct[%]はヘマトクリット値、a0〜a3=係数
さらに、血液ポンプ装置は、入力されたヘマトクリット値より比重を演算する比重演算機能を備えていることが好ましい。つまり、吐出流量演算部58は、比重演算機能を備えるものとなる。比重計算方法は、以下のとおりである。
ρ=b3Hct3+b2Hct2+b1Hct+b0
ρは比重、Hct[%]はヘマトクリット値、b0〜b3=係数
また、血液ポンプ装置1は、インペラ回転数測定機能(モータ回転数測定器)もしくはインペラ回転数算出機能(モータ回転数算出機能)を備えている。具体的には、制御装置6は、モータ回転数モニタリング機能を備えるものとなる。
また、モータ電流値の比重による補正は、下記式により行うことができる。
モータ電流補正値=モータ電流実測値/比重
また、血液ポンプ装置は、温度による補正機能を備えていることが好ましい。温度による補正は、測定されるモータ電流値を温度により補正することにより行うことができる。モータ電流値の温度による補正は、下記式により行うことができる。
Icomp=f(T,Imeas,a1,a2,..,an)
Icomp:温度補正後のモータ電流値
Imeas:測定されるモータ電流値
f:補正用の変換関数
T:コントローラ温度
a1,a2,..an:予め製品コントローラ毎に測定された補正用の係数
また、血液ポンプ装置は、モータ特性による補正機能を備えていることが好ましい。モータ電流値のモータ特性による補正は、下記式により行うことができる。
Is=gmotor(Ip,N,c1,c2,..,cn)
gmotor:モータ電流値の変換に使用する関数
Ip:測定されたモータ電流値
Is:モータ特性による補正後のモータ電流値
N:回転数
c1, c2,..,cn:予め製品コントローラ毎に測定された補正用の係数
この式のIpに測定されたモータ電流値を代入することで、モータ電流値の補正を行うことができる。
また、ポンプ装置としては、図6に示すようなシステム構成のものであってもよい。この実施例の血液ポンプ装置100は、血液ポンプ装置本体部5とこれと電気的に接続された制御機構(言い換えれば、コントローラ)6からなる血液ポンプ装置本体と、吐出流量演算器7とに分離している。そして、コントローラ6と吐出流量演算器7とは、それぞれが備える通信機能8によりデータ通信可能となっている。具体的には、通信機能8は、制御機構側通信インターフェース88(コントローラ側通信インターフェース)と、吐出流量演算器側通信インターフェース89により構成されている。少なくとも、制御機構側通信インターフェース88(コントローラ側通信インターフェース)は、モータ電流値もしくはその関連信号およびモータ回転数値もしくはその関連信号を発信する機能を備えている。吐出流量演算器側通信インターフェース89は、制御機構側通信インターフェース88より発信されたモータ電流値もしくはその関連信号およびモータ回転数値もしくはその関連信号を受信する機能を備えている。なお、両者間の通信は、アナログ通信、デジタル通信のいずれでもよい。通信形式は、公知のものが使用できる。この実施例の血液ポンプ装置100と上述した血液ポンプ装置1との相違は、制御機構より吐出流量演算器が分離された点のみであり、その他の構成については上述した血液ポンプ装置1と同じである。
この実施例の血液ポンプ装置100における制御機構6は、図6に示すように、磁気カップリング用のモータ34のためのパワーアンプ52およびモータ制御回路53、電磁石41のためのパワーアンプ54、センサ42のためのセンサ回路55、センサ出力をモニタリングするためのセンサ出力モニタリング部(図示せず)、制御部51、電源部56、制御機構側通信インターフェース88を備えている。制御部51は、モータ電流モニタリング機能およびインペラ回転数算出機能(モータ回転数算出機能)を備えている。
吐出流量演算器7は、血液測定データ入力部57、吐出流量演算部58、表示部59、電源部62、吐出流量演算器側通信インターフェース89を備える。
血液測定データ入力部57としては、例えば、血液粘度測定値入力部である。好ましくは、図6に示すように、血液粘度測定値入力部と比重入力部を備えることが好ましい。この場合、血液粘度および比重は使用者より採血した血液より外部機器を用いて測定される。
また、血液測定データ入力部57としては、図6の括弧内に示すように、ヘマトクリット値入力部であってもよい。この場合、血液ポンプ装置は、入力されたヘマトクリット値より粘度を演算する粘度演算機能を備えているものとなる。つまり、吐出流量演算部58は、粘度演算機能を備えるものとなる。吐出流量演算部における吐出流量の演算は、上述したいずれの実施例のものであってもよい。
次に、本発明の血液ポンプ装置の製造方法および本発明の血液ポンプ装置の流量演算部に記憶される、ニューラルネットワークを用いて算出された、血液粘度値もしくはヘマトクリット値、モータ電流測定値およびモータ回転数値からなる入力層データと吐出流量との関係式(シグモイド関数を利用する)について説明する。
本発明の血液ポンプ装置の製造方法は、血液流入ポートと血液流出ポートを有するハウジングと、前記ハウジング内で回転し血液を送液するインペラと、該インペラを回転させるためのモータと、血液測定データ入力部と、インペラ回転数測定または算出機能と、モータ電流値計測機能と、前記血液測定データ入力部に入力された血液粘度値もしくは入力されたヘマトクリット値より演算された血液粘度値、前記インペラ回転数測定または算出機能より得られるインペラ回転数値、前記モータ電流値計測機能により得られるモータ電流測定値もしくはその補正値とを用いて血液吐出流量を演算する吐出流量演算部とを備える血液ポンプ装置の製造方法である。
そして、製造方法は、あらかじめ測定した多数の血液吐出流量における、血液粘度値もしくはヘマトクリット値、モータ電流測定値およびモータ回転数値を入力データとし、前記各血液吐出流量を教師データとして、ニューラルネットワークを用いて、入力層データと吐出流量との関係式を算出する吐出流量関連関係式算出工程と、該関係式算出工程により得られた入力層データと吐出流量との吐出流量関連関係式を前記吐出流量演算部に記憶させる記憶工程とを行うものである。
入力層データと吐出流量との関係式の算出は以下のように行うことができる。
ニューラルネットは、生体のニューロンを模擬した複数の人工素子を用いて構成される。ここで、ニューラルネットに使われる人工素子は、生体のニューロンを厳密に模倣したものではなく、その特定の機能を抽出し、単純化した工学モデルである。人工素子としては、決定的アナログモデルを使用する。これは、出力yを0≦y≦1の範囲のアナログ値として、この出力を入力から決定的に決めるモデルである。まず、他の素子、あるいは外部から与えられる信号がモデルへ入力される。これらの値を{x1, x2, x3, … xN}と記す。これに重み{w1, w2, w3, … wN}を掛け、加え合わせて、細胞内電位に相当する量sを得る。重みはシナプス結線重みに該当する。細胞内電位sから出力yを求める際に、シグモイド関数を用いて連続的な出力を得る。シグモイド関数は以下の式により表される。

Figure 0004787526


シグモイド関数のゲインαを大きくすると、シグモイド関数はステップ関数に近づき、出力yは{0,1}の値しかとらなくなる。αは、学習をする前に設定しておくパラメータである。急峻な変化をする関数を近似する場合はαを大きくする。流量予測の場合はαの値は小さくして構わない。
図7に、シグモイド関数がゲインαに依存して変化する様子を示す。決定的アナログモデルはゲインを十分大きくした極限モデルにおいて2値モデルとなる。決定的アナログモデルを図8に示す。このモデルの出力計算手続きは次式により表される。
Figure 0004787526


ここでθは、細胞内電圧の閾値である。
本発明の吐出流量演算部58は、フィードフォワード型ニューラルネットにより構成される。これは、上述した素子を図9に示すように接続し、信号が入力側から出力側に向けて1方向に流れていくように構成したニューラルネットである。
本発明で使用するニューラルネットは、入力層、中間層、出力層の3層からなるフィードフォワード型ニューラルネットである。中間層は1層であることが望ましいが、2層以上でも構わない。入力層は3つの素子からなり、それぞれ、血液粘度値もしくはヘマトクリット値、モータ電流測定値とモータ回転数値が入力される。中間層は複数の素子からなり、入力層および出力層の各素子と結合している。吐出流量の演算精度を高めるためには中間層の素子数を増やす必要があるが、素子数を増やし過ぎると計算が複雑になるため、素子数は3から10個が望ましい。
なお、吐出流量演算に3層フィードフォワード型ニューラルネットを用いることにより、流量計を用いることなく、血液流量(吐出流量)を容易かつ確実に算出でき、さらに、高次演算式を用いる場合に比べて早く演算することができる。
本発明で使用するフィードフォワード型ニューラルネットの一例を図10に示す。中間層のj番目の中間層素子は、入力xiに結線の重みwij (1)をかけてi=0,1,2,…、Nについて総和し、まず、細胞内電位(重み付け総和)

Figure 0004787526

を得る。これを重み付け総和と呼ぶ。次に、sj (1)をシグモイド関数に通して、素子の出力
Figure 0004787526


を得る。中間層素子がj=1,2,…、KのK個あるとき、これらの全てについて上述の手続きにより出力を求める。
こうして中間層素子の出力を求めた後、出力層素子は、中間層素子の出力yj (1)、出力層素子の出力をyj (2)とすると、これはyj (1)(j=0,1,2,…、K)をその入力として受け取り、これに結線の「重み」wij (2)をかけて総和し、まず、重み付け総和

Figure 0004787526

を得る。具体的には、今の場合は、j=1である。
続いて、sj (2)をシグモイド関数に通して、素子の出力

Figure 0004787526


を得る。ここで、yj (2)は吐出流量(血液流量)である。具体的には、今の場合は、j=1である。
次に、吐出流量演算部に実装されている人工ニューラルネットの結線の重みwについて、その値の決定方法について説明する。wの決定には、逐次更新学習法を用いる。本発明では、逐次更新学習法の一つである誤差逆伝搬法を用いて、訓練データが与えられる都度、結線重みを微小調整する。実現したい入出力関係の訓練データが複数の入出力対として与えられる。本発明では、訓練データは、入力として用いるモータ回転数値、モータ電流測定値、血液粘度値(もしくはヘマトクリット値)の3入力と、これらの入力に対応する吐出流量(血液流量)である。
この吐出流量は、学習の教師信号として与えられる。今、訓練データがL個あり、そのm番目は、入力(x1 (m), x2 (m), x2 (m))に対して、出力y(m)を要求するものとする。この方法では、学習を行う前に、モータ回転数、モータ電流、血液粘度(もしくはヘマトクリット値)、吐出流量(血液流量)に関して、予め校正データを取っておく必要がある。
例えば、あらかじめ,1,2,3,4,5[mPa・s]の各粘度における回転数:1200,1400,1600,1800,2000,2200,2400,2600[rpm]の各々について,流量1,2,3,4,5,6,7,8,9[L/min]での、モータ電流値を実験によって求める。このとき、粘度が5通り、回転数が8通り、流量が9通りあるので、校正データ点数は5×8×9=360点である。ここでは、回転数を200rpm間隔、流量を1L/min間隔として校正データを取得しているが、吐出流量の精度を上げることを考慮すれば、測定間隔はできる限り細かくすることが望ましい。しかしながら、校正データ量(測定点数)が多くなると、校正にかなりの時間を要するので、測定の間隔は上記の条件が妥当である。なお、モータ電流測定値は、血液の比重で正規化することが望ましい。なお、学習に用いる校正データは、全て規格化(無次元化)するのが望ましい。例えば、回転数は最大回転数の2600rpmで割っておく。教師信号として用いる流量も最大流量9L/minで割っておく。これにより、全ての校正データは、0〜1の範囲の値をとるものとなる。
図11に、誤差逆搬法の学習手続(学習ルーチン)を示す。図11の内側の繰り返しループは、訓練データに関するループであって、毎度訓練データを選択しては(以下のStep1)、その訓練データに対する誤差評価尺度を小さくするようにパラメータを修正する(以下のStep2,3)。さらに外側のループを全訓練データの誤差評価尺度が十分小さくなるまで繰り返す。
以下、誤差逆伝搬法について詳細に説明する。
<Step1> 訓練データの選択
図11の内側のループの中で、最初の手続きとして、m番目の訓練データを選択し、このデータに対して、以下の2つのステップを実行する。そのm番目の入力を、(x1 (m), x2 (m), x2 (m))と表記するが、2つのステップの実行中は訓練データを固定するため、右肩の添え字(m)は必要ないため省略する。その代わり、変数の右肩の添え字(m)を層の識別に用いる。すなわち、変数右肩の添え字(1)は第1層(中間層)の変数であること、添え字(2)は第2層(出力層)の変数であることを示す。入力層は第0層とする。
<Step2> 出力の計算
図12に、入力層、中間層、出力層の3層からなるフィードフォワード型ニューラルネットを示す。入力層は、黒ドットで示されるノード(信号の中継点)からなる。中間層、出力層は、白丸で示される素子(ニューロンの工学モデル)からなる。誤差逆伝搬法では、素子として決定的アナログモデルを用いる。
ここで、この素子の動作を図14に示す。素子の入力をx0,x,…,xN,出力をy,結合の重みをw0,w,…,w N,重み付け総和(細胞内電圧)をsとすると、素子の動作は以下のように定式化できる。

Figure 0004787526


なお、ネットワーク中の結線の重み全てに、初期値として、乱数などで発生した無作為な値を割り当てておく。ただし、初期値は全て0としてはならない。
入力ノードに入力を与えた後、j番目の中間層素子は、入力xi(=yi (0))に結線の重みwij (1)をかけて、i=1,2,3について総和し、まず、重み付け総和

Figure 0004787526

を得る。続いて、sj (1)をシグモイド関数に通して、素子の出力

Figure 0004787526

を得る。中間層素子がj=1,2,…,Nの N個あるとき、これらの全てについて上述の手続きにより中間層素子の出力を求める。出力層素子の出力y1 (2)は、中間層素子の出力yj (1)(j=1,2,…,N)をその入力として受け取り、結線の「重み」wj1 (2)をかけて、重み付け総和

Figure 0004787526


を得る。続いて、s (2)をシグモイド関数に通して、素子の出力

Figure 0004787526

を得る。これがネットワークの出力b1 (=y (2))となる。式(14)は出力層素子の出力、すなわち血液吐出流量(無次元)である。式(14)はシグモイド関数であるため、出力値は0〜1である。したがって、式(14)の値にスケールファクター(換算係数)をかけたものが実際の血液吐出流量となる。スケールファクターをa[L/min]とすると,ポンプ流量Qは以下の式で表される。

Figure 0004787526
この実施例では、教師信号を最大流量9L/minで割って規格化しているので、スケールファクターはa=9 L/min である。また、この実施例では、出力層素子は非線形素子(シグモイド関数)であるが、線形素子であっても構わない。このとき、式(14)は、

Figure 0004787526

となる。ここで、bは定数である。出力層素子に線形素子を選ぶ場合は、教師信号の規格化とスケールファクターの乗算は必要ない。
ここで、このネットワークの出力を学習の目標出力と比較する。目標出力をtとすると,誤差評価尺度Eは、

Figure 0004787526


と表される。勾配法の原理により、この評価関数を小さくするように、ネットワーク内部の重みを修正する。
<Step3> 結合重みの修正
ここでは、説明を簡単にするために結合の重みwのみを修正する場合について説明するが、wに加えて細胞内電圧の閾値θを修正しても構わない。wとθを修正することにより、より望ましい関数近似結果が得られる場合がある。
結合の重みの修正手続きを次に示す。まず、結線の重みの修正時(誤差逆伝搬モード)のネットワークの流れを、図13に示す。ノード数、素子数、素子間の結線構造、及び結線の重みは、出力計算時(出力計算モード)に用いた図12と同じであるが、素子の機能と信号の流れる向きが異なる。
誤差逆伝搬モードにおける素子機能を図15に示す。素子内部にはメモリがあり、Step2で自分の出力y(=yj (m) 、以下、添え字を省略しyで略記する)を保持しておく。素子の右側から与えられる入力z,z,…,zNに、素子の右側の結線の重みw,w,…,w Nを掛け、重み付け総和


Figure 0004787526


を求めたあと、メモリに保持されているyを用いてα(1-y)yを計算し、これにuを掛け、


Figure 0004787526


を出力する。出力層に関しては、uの値は、

Figure 0004787526


とする。zは左側の層の素子への入力となる。ここで,α(1-y)yは,

Figure 0004787526


なる関係で、シグモイド関数の微分が求まることから出てきたものである。以上のように動作する素子を図13のように接続する。図13の結線構造と結線の重みは図12と全く同様である。図13の右から、Step2で求めたネットワークの出力bと目標出力tとの誤差b−tを加える。この入力に基づき、各層で図15に示した素子機能が働き、素子出力z j (m) が次々と定まる。こうして、誤差逆伝搬モードで各層の素子出力z j (m) を求めた後、これと出力計算モード(Step2)で求めた各層の素子出力yi (m) を用いて、次式により結線の重みを修正する。

Figure 0004787526


wij (m+1)は、第m層の第i素子と第(m+1)層の第j素子を結ぶ結線の重みである。以上の方法により、結線の重みwij (m+1)を修正する。学習は、図11に図示した学習手順の外側のループを全訓練データの誤差評価尺度(式15)が十分小さくなるまで繰り返す。
このようにして、人工ニューラルネットの各素子間の結線の重みwij (m+1)が、上記の学習方法により最終的に決定される。これにより、入力層データと吐出流量との関係式を算出する関係式算出工程が終了する。
そして、上記のように決定された結線の重み項を含む下記式11ならびに吐出流量を最終的に算出するための他の式12〜14−a(または、14−b)からなる関係式が、関係式記憶部60に記憶される。言い換えれば、本発明の血液ポンプ装置1では、関係式記憶部60には、式(11)〜式(14-a)もしくは式(11)〜式(14-b)が記憶されている。
そして、血液ポンプ装置1の演算部48は、実際に与えられる血液測定データ入力部に入力された血液粘度値もしくは入力されたヘマトクリット値より演算された血液粘度値、インペラ回転数測定または算出機能より得られるインペラ回転数値、モータ電流値計測機能により得られるモータ電流測定値もしくはその補正値と、上記の関係式(11)〜(14-a)または(14-b)を用いて、吐出流量を演算する機能を備えている。
具体的には、実際に与えられる血液測定データ入力部に入力された血液粘度値もしくは入力されたヘマトクリット値より演算された血液粘度値、インペラ回転数測定または算出機能より得られるインペラ回転数値、モータ電流値計測機能により得られるモータ電流測定値もしくはその補正値を用いて下記式(11)より、中間層素子の重み付け総和sj (1)を算出する。


Figure 0004787526

続いて、このsj (1)を下記式12のシグモイド関数を用いて、中間層素子の出力yj (1)を求める。


Figure 0004787526


そして、下記式13を用いて、出力層素子の重み付け総和s1 (2)を求める。

Figure 0004787526

そして、出力層素子が非線形の場合には、下記式14−aを用いて、ポンプ流量Qを算出する。

Figure 0004787526


なお、出力層素子が線形素子の場合には、上記式(14−a)ではなく、下記式14−bを用いて、ポンプ流量Qを算出する。

Figure 0004787526


ここで、bは定数である。
よって、この血液ポンプ装置は、血液粘度値もしくはヘマトクリット値と、モータ電流測定値とモータ回転数値を入力とし、3層フィードフォワード型人工ニューラルネットを用いて得た関係式より、吐出流量(血液流量)を算出して出力する機能を備えている。
次に、本発明の血液ポンプ装置の調整方法について説明する。
本発明の血液ポンプ装置の調整方法は、上述した血液ポンプ装置の調整方法であって、対象者に血液ポンプ装置を装着した状態において、ポンプの流量を流量センサを用いて測定し、前記流量センサを用いて測定される吐出流量を教師データとし、吐出流量測定時における血液粘度値もしくはヘマトクリット値、モータ電流測定値およびモータ回転数値を入力データとし、ニューラルネットワークを用いて、記憶する入力層データと吐出流量との関係式を修正する関係式修正作業を行うものである。
これは、患者に血液ポンプを適用した直後に、吐出流量算出精度を上げるために、記憶する入力層データと吐出流量との関係式を修正する関係式をカスタマイズするものである。具体的には、結合重みw(場合によっては、閾値θも合わせて)を変更するものである。
血液ポンプ装置の記憶部60には、いわゆるオフライン学習により得られた人工ニューラルネットにより得られた上述の関係式を記憶している。そして、患者に血液ポンプを適用した直後に、いわゆるオンライン学習を行う。
具体的には、血液ポンプの流出口付近に流量センサを取付け、吐出流量を測定し、これを教師データとする。また、この吐出流量測定時における血液粘度値もしくはヘマトクリット値、モータ電流測定値およびモータ回転数値を入力層データとし、記憶している関係式を用いて、吐出流量演算値を算出する。
そして、上述したものと同様に、上記の教師データと演算値を用いて、誤差逆伝搬法(バックプロパゲーション)を行う。この際、血液ポンプ装置は、ニューラルネットワーク算出プログラムを格納した別のコンピュータに接続されており、上記の教師データである吐出流量値、吐出流量演算値、およびこの吐出流量測定時における血液粘度値もしくはヘマトクリット値、モータ電流測定値およびモータ回転数値は、このコンピュータに入力される。そして、このコンピュータは、接続された血液ポンプ装置に記憶されている入力層データと吐出流量との関係式より、下記結合重みwに関する式21を導く。

Figure 0004787526

そして、上記結合重み式を用い、さらに、測定された吐出流量を教師データとし、この吐出流量測定時における血液粘度値もしくはヘマトクリット値、モータ電流測定値およびモータ回転数値を入力層データとし、誤差逆伝搬法(バックプロパゲーション)を行い、上記の式21を再演算する。誤差逆伝搬法により、算出吐出流量と実流量(教師信号)の誤差が小さくなるように、重みwと閾値θの修正が行われる(正確には、式(15)の誤差評価尺度Eが小さくなるように修正を行っていきく)。このように、算出吐出流量と実流量の誤差が小さくなるように学習を繰り返し、誤差が要求仕様の範囲内(例えば、Δ<0.5L/min)となったところで学習をストップする。そして、再演算された結合重みwij (m+1)を用いて、再度上述した関係式(11)〜(14-a)または(14-b)を算出し、血液ポンプ装置の演算部58の記憶部60に記憶されているものと置き換える。これにより、それぞれの患者に適した精度の高い流量予測が可能となる。
具体的には、手術中の患者に血液ポンプを適用し、血液ポンプ装置が備える算出機能による吐出流量演算値と流量センサの実測値を比較し、両者の誤差が大きいとき(仕様範囲外;例えば誤差Δ>=0.5L/min)、流量演算式のカスタマイズに人工ニューラルネットを用いるものである。
患者の手術中(開胸中)に、血液ポンプ装置は算出する吐出流量演算値と流量センサの実測値を比較する。吐出量演算値と流量センサによる実測値の誤差が小さく、要求仕様の誤差範囲内(例えば、Δ<0.5L/min)である場合は、血液ポンプ装置が記憶する吐出流量関連関係式を修正せずに、患者に適用する。逆に、推定値と実測値の誤差が大きい場合(例えば、誤差Δ>=0.5L/min)、オンラインで吐出流量演算部58に実装されている吐出流量関連関係式のカスタマイズを行う。具体的には、コンソールで回転数の設定を行い、ピンチコック(クランプ)などの流量調節手段により流量を変化させて、複数の動作点に対してオンライン学習を行い、誤差が小さくなるように結合の重みwと閾値θを修正する。人工ニューラルネットの推定値と流量センサの実測値の誤差が、仕様の誤差範囲内に入ればオンライン学習を終了し、流量センサを患者から取り外す。この方法により、より精度の高い流量の間接計測(予測)が可能になる。また、この方法により、患者の個人差、ポンプシステムの個体差など、あらゆる誤差要因の影響を排除した血液ポンプ装置を提供することができる。
また、本発明の血液ポンプ装置の製造方法としては、前記血液測定データ入力部に入力された血液粘度値もしくは入力されたヘマトクリット値より演算された血液粘度値、前記インペラ回転数測定または算出機能より得られるインペラ回転数値、前記モータ電流値計測機能により得られるモータ電流測定値もしくはその補正値とを用いてポンプ揚程を演算するポンプ揚程演算部を備える血液ポンプ装置の製造方法であって、あらかじめ測定した多数の血液吐出流量における、血液粘度値もしくはヘマトクリット値、モータ電流測定値およびモータ回転数値を入力層データとし、前記各入力層データに関するポンプ揚程を教師データとして、ニューラルネットワークを用いて、入力層データとポンプ揚程との関係式を算出するポンプ揚程関連関係式算出工程と、該ポンプ揚程関連関係式算出工程により得られた入力層データとポンプ揚程との関係式を前記ポンプ揚程演算部に記憶させる記憶工程とを行うものであってもよい。
そして、このように得られる血液ポンプ装置は、あらかじめ測定した多数の血液吐出流量における、血液粘度値もしくはヘマトクリット値、モータ電流測定値およびモータ回転数値を入力層データとし、前記各入力層データに関するポンプ揚程を教師データとして、ニューラルネットワークを用いて算出した入力層データとポンプ揚程との関係式を記憶するポンプ揚程関連関係式記憶部と、該ポンプ揚程関連関係式、前記血液測定データ入力部に入力された血液粘度値もしくは入力されたヘマトクリット値より演算された血液粘度値、前記インペラ回転数測定または算出機能より得られるインペラ回転数値、前記モータ電流値計測機能により得られるモータ電流測定値もしくはその補正値とを用いて、前記血液粘度値および前記モータ電流測定値ならびに前記インペラ回転数値におけるポンプ揚程を演算するポンプ揚程演算機能を備えるものとなる。
ポンプ揚程関連関係式算出工程は、独立して行ってもよいが、上述した吐出流量関連関係式算出工程と同時に行うことが好ましい。これは、ニューラルネットの構成を3層3入力1出力から、3層3入力2出力に変更することにより行うことができる。なお、ポンプの揚程とは、ポンプの流入側と流出側との圧力差をいう。
そして、ポンプ揚程関連関係式算出工程に関する、ニューラルネットの学習に必要な訓練データは、入力として用いるモータ回転数値、モータ電流測定値、血液粘度値(もしくはヘマトクリット値)の3入力と,対応する出力であるポンプ揚程である。この場合、ポンプ揚程が教師信号となる。吐出流量演算部58が、吐出流量演算機能に加えて、ポンプ揚程演算機能を備えることで、本発明の血液ポンプ装置は、ポンプの流体出力とポンプ効率を演算、表示する機能を備えたものとすることができる。すなわち、ニューラルネットが出力する算出吐出流量と算出ポンプ揚程を、それぞれQ,Pとするとポンプの流体出力Wは、
W=P×Q (22)
として算出できる。
さらに、モータ出力[W],流量出力[W],全損失[W],ポンプ効率η[%]は,次式により算出可能である。
ポンプ効率 η=(PQ/TN)×100 [%] (23)
流体出力=PQ [W] (24)
モータ出力=TN [W] (25)
ポンプにおける全損失=TN−PQ [W] (26)
ポンプ揚程:P [Pa] {(760/1.013)×10−5(mmHg)}
流量:Q [m/s] {60×10(L/min)}
軸トルク:T [Nm] {(1/9.81)×10(gfcm)}
回転数:N [rad/s] {60/(2π)(rpm)}
ここで、軸トルクTは、モータ電流に比例するため、モータ電流測定値より換算することができる。比例係数は、実験により求めておく必要がある。以上の算出方法により、ポンプ効率、流体出力、モータ出力、ポンプ部における全損失を算出する機能を備えた血液ポンプ装置を提供することができる。定期的にエンジニアがこれらの情報をモニタリングすることで、ポンプに異常がないこと、もし異常があった場合、その状態を知ることができる。
また、吐出流量関連関係式の算出は以下のように行ってもよい。この方法は、患者の手術中(開胸中)に流量センサと組み合わせて学習させるものである。この場合、訓練データは、モータ回転数値、モータ電流測定値、血液粘度値(もしくはヘマトクリット値)の3入力と対応する出力である吐出流量(血液流量)である。吐出流量は、術中の患者に装着した流量センサによる測定値であり、これを教師信号として用いる。学習は、誤差逆伝搬法により行う。学習時間は、開胸手術中の患者にとって負担とならない時間内とし、予測流量が流量センサの出力に十分に追従していることを確認する。学習中は、モータ回転数と流量を仕様の範囲内で変化させる。流量の調節はピンチコック(クランプ)で調節可能である。例えば、本発明の血液ポンプ装置の場合、モータ回転数は1200〜2600rpm(200rpm間隔),回転数は1〜9L/min(1L/min間隔)の範囲で変化させ、学習を実施することが望ましい。この方法を採用した場合、血液ポンプの回転数を学習終了後は、流量センサは患者の体内から外すことができる。
図1は、本発明の血液ポンプ装置の実施例のブロック図である。 図2は、本発明の血液ポンプ装置に使用される血液ポンプ装置本体部の一例の正面図である。 図3は、図2に示した血液ポンプ装置本体部の平面図である。 図4は、図2に示した実施例の血液ポンプ装置本体部の縦断面図である。 図5は、図2のA−A線断面図である。 図6は、本発明の血液ポンプ装置の他の実施例のブロック図である。 図7は、シグモイド関数の説明および細胞内電位とインパルス頻度の関係を説明する説明図である。 図8は、決定的アナログモデルを説明する説明図である。 図9は、フィードフォワード型ニューラルネットを説明する説明図である。 図10は、フィードフォワード型ニューラルネットの一例を説明する説明図である。 図11は、逐次更新学習法の学習手続を説明する説明図である。 図12は、誤差逆伝搬法で学習するフィードフォワード型ニューラルネットを説明する説明図である。 図13は、誤差逆伝搬法モードの信号の流れを説明する説明図である。 図14は、出力計算モードにおける素子の動作を説明する説明図である。 図15は、誤差逆伝搬モードの素子機能を説明する説明図である。
符号の説明
1 血液ポンプ装置
2 血液ポンプ部
3 インペラ回転トルク発生部
4 インペラ位置制御部
5 血液ポンプ装置本体部
6 制御機構
21 インペラ
25 磁性体
31 ロータ
34 モータ
41 電磁石
20 ハウジング
57 血液測定データ入力部
58 吐出流量演算部
59 表示部
60 吐出流量関連関係式記憶部

Claims (14)

  1. 血液流入ポートと血液流出ポートを有するハウジングと、前記ハウジング内で回転し血液を送液するインペラと、該インペラを回転させるためのモータと、血液測定データ入力部と、インペラ回転数測定または算出機能と、モータ電流値計測機能と、血液吐出流量を演算する吐出流量演算部とを備える血液ポンプ装置であって、
    前記吐出流量演算部は、あらかじめ測定した多数の血液吐出流量における、血液粘度値、モータ電流測定値およびモータ回転数値を入力層データとし、前記各入力層データに関する血液吐出流量を教師データとして、ニューラルネットワークを用いて算出した入力層データと吐出流量との吐出流量関連関係式を記憶する吐出流量関連関係式記憶部と、
    該吐出流量関連関係式、前記血液測定データ入力部に入力された血液粘度値もしくは入力されたヘマトクリット値より演算された血液粘度値、前記インペラ回転数測定または算出機能より得られるインペラ回転数値、前記モータ電流値計測機能により得られるモータ電流測定値もしくはその補正値とを用いて、前記血液粘度値および前記モータ電流測定値ならびに前記インペラ回転数値における血液吐出流量を演算する吐出流量演算機能と、
    あらかじめ測定した多数のポンプ揚程値における、血液粘度値、モータ電流測定値およびモータ回転数値を入力層データとし、前記各入力層データに関するポンプ揚程値を教師データとして、ニューラルネットワークを用いて算出した入力層データとポンプ揚程との関係式を記憶するポンプ揚程関連関係式記憶部と、該ポンプ揚程関連関係式、前記血液測定データ入力部に入力された血液粘度値もしくは入力されたヘマトクリット値より演算された血液粘度値、前記インペラ回転数測定または算出機能より得られるインペラ回転数値、前記モータ電流値計測機能により得られるモータ電流測定値もしくはその補正値とを用いて、前記血液粘度値および前記モータ電流測定値ならびに前記インペラ回転数値におけるポンプ揚程を演算するポンプ揚程演算機能と、
    前記吐出流量演算機能により算出される算出吐出流量と、前記ポンプ揚程演算機能により算出される算出ポンプ揚程とを用いて、前記ポンプの流体出力を演算する流体出力演算機能を備えることを特徴とする血液ポンプ装置。
  2. 前記血液ポンプ装置は、遠心式血液ポンプ装置であり、前記インペラは、前記ハウジング内で回転し、回転時の遠心力によって血液を送液するものである請求項1に記載の血液ポンプ装置。
  3. 前記血液ポンプ装置は、血液流入ポートと血液流出ポートを有するハウジングと、内部に磁性体を備え、前記ハウジング内で回転し、回転時の遠心力によって血液を送液するインペラを有する遠心式血液ポンプ部と、前記遠心式血液ポンプ部の前記インペラの磁性体を吸引するための磁石を備えるロータと、該ロータを回転させるモータを備えるインペラ回転トルク発生部と、電磁石を備えるインペラ位置制御部とを備え、前記ハウジングに対して前記インペラが非接触状態にて回転するものである請求項1または2に記載の血液ポンプ装置。
  4. 前記血液測定データ入力部は、血液粘度測定値入力部であり、前記血液粘度値は、血液粘度測定値である請求項1ないし3のいずれかに記載の血液ポンプ装置。
  5. 前記血液測定データ入力部は、ヘマトクリット値入力部であり、前記血液ポンプ装置は、入力されたヘマトクリット値より血液粘度を演算する血液粘度演算機能を備えている請求項1ないし3のいずれかに記載の血液ポンプ装置。
  6. 前記血液測定データ入力部は、ヘマトクリット値入力部であり、前記血液ポンプ装置は 入力されたヘマトクリット値より血液粘度を演算する血液粘度演算機能および比重を演算する比重演算機能を備えている請求項1ないし3のいずれかに記載の血液ポンプ装置。
  7. 前記血液ポンプ装置は、比重入力部もしくは比重演算機能と、前記モータ電流測定値を該比重入力部により入力されたもしくは前記比重演算機能により演算された比重を用いて補正した値をモータ電流測定値とするモータ電流測定値補正機能を備えている請求項1ないし6のいずれかに記載の血液ポンプ装置。
  8. 前記血液ポンプ装置は、モータ特性による補正機能を備えており、前記モータ電流測定値を当該モータ特性補正機能により補正した値をモータ電流測定値とするモータ電流測定値補正機能を備えている請求項1ないし7のいずれかに記載の血液ポンプ装置。
  9. 前記血液ポンプ装置は、前記吐出流量演算機能により算出される算出吐出流量と、前記ポンプ揚程演算機能により算出される算出ポンプ揚程と、前記モータ電流測定値より換算される軸トルクと、前記インペラ回転数とを用いて、前記ポンプのポンプ効率を演算するポンプ効率演算機能を備えている請求項1ないし8のいずれかに記載の血液ポンプ装置。
  10. 前記血液ポンプ装置は、前記吐出流量演算機能により算出される算出吐出流量と、前記ポンプ揚程演算機能により算出される算出ポンプ揚程と、前記モータ電流測定値より換算される軸トルクと、前記インペラ回転数とを用いて、前記ポンプにおける全損失を演算するポンプ全損失演算機能を備えている請求項1ないし9のいずれかに記載の血液ポンプ装置。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の血液ポンプ装置の調整方法であって、対象者に血液ポンプ装置を装着した状態において、ポンプの流量を流量センサを用いて測定し、前記流量センサを用いて測定される吐出流量を教師データとし、該吐出流量測定時における血液粘度値もしくはヘマトクリット値、モータ電流測定値およびモータ回転数値を入力データとし、ニューラルネットワークを用いて、記憶する入力層データと吐出流量との関係式を修正、および前記対象者に血液ポンプ装置を装着した状態において、ポンプの流入側および流出側の圧力を測定し、該測定された圧力値から算出されるポンプ揚程を教師データとし、該吐出流量測定時における血液粘度値もしくはヘマトクリット値、モータ電流測定値およびモータ回転数値を入力データとし、ニューラルネットワークを用いて、記憶する入力層データとポンプ揚程との関係式を修正する関係式修正作業を行うことを特徴とする血液ポンプ装置の調整方法。
  12. 前記ニューラルネットワークは、入力層、中間層、出力層の3層からなる3層フィードフォワード型ニューラルネットである請求項11に記載の血液ポンプ装置の調整方法。
  13. 請求項1ないし10のいずれかに記載の血液ポンプ装置の製造方法であって、
    該製造方法は、あらかじめ測定した多数の血液吐出流量における、血液粘度値、モータ電流測定値およびモータ回転数値を入力層データとし、前記各入力層データに関する血液吐出流量を教師データとして、ニューラルネットワークを用いて、入力層データと吐出流量との関係式を算出する関係式算出工程と、該関係式算出工程により得られた入力層データと吐出流量との関係式を前記吐出流量演算部に記憶させる記憶工程、およびあらかじめ測定した多数の血液吐出流量における、血液粘度値、モータ電流測定値およびモータ回転数値を入力層データとし、前記各入力層データに関するポンプ揚程を教師データとして、ニューラルネットワークを用いて、入力層データとポンプ揚程との関係式を算出するポンプ揚程関連関係式算出工程と、該ポンプ揚程関連関係式算出工程により得られた入力層データとポンプ揚程との関係式を前記ポンプ揚程演算部に記憶させる記憶工程とを行うことを特徴とする血液ポンプ装置の製造方法。
  14. 前記ニューラルネットワークは、入力層、中間層、出力層の3層からなる3層フィードフォワード型ニューラルネットである請求項13に記載の血液ポンプ装置の製造方法。
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