JP4784454B2 - 光学素子の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、溶融ガラスを金型で加圧成形してガラス製光学素子を得る光学素子の製造方法、及び、製造装置に関する。
今日、ガラス製の光学素子は、デジタルカメラ用レンズ、DVD等の光ピックアップレンズ、携帯電話用カメラレンズ、光通信用のカップリングレンズ、各種ミラーなどとして広範にわたって利用されている。かかるガラス製の光学素子は、ガラス素材を成形金型で加圧成形するプレス成形法により製造されることが多くなってきた。特に、光学面として非球面を有する光学素子は、研削・研磨加工による面形成が容易でないことから、成形金型によるプレス成形法による製造が一般的になりつつある。その中でも、溶融ガラスを成形金型で直接加圧成形してガラス製の光学素子を得るダイレクトプレス法は、高い生産効率を期待できることから注目されている。
溶融ガラスを成形金型で直接加圧成形してガラス製の光学素子を得る方法として、ノズル先端からの溶融ガラスを支持部材に滞留させたあと、該支持部材をノズル先端から退避させ、得られたガラスゴブを上型と下型とで加圧成形する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
しかし、成形の過程で溶融ガラスが冷却される速度が、溶融ガラスの上面と下面、あるいは中心と端部において異なり、冷却による収縮量が不均一になることから、かかる方法により精度の高い光学面を形成することは困難であった。特に、溶融ガラスが最初に支持部材に接触して急冷される下面側に精度の高い光学面を形成することは非常に困難であった。
また、受け型に供給された溶融ガラスを下型の上に搬送した後、上下金型で加圧成形することによって、溶融ガラスの温度が比較的安定する上面側の光学面のみを上型の成形面の転写によって形成し、下面側の光学面は追加工(研削・研磨加工)によって形成してガラスレンズを製造する方法が提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。
特許文献2には、更に、成形されるレンズの肉厚が全面にわたって均一になるように下型の受け面を形成することで、レンズの径方向の冷却速度の分布が小さくなり、レンズの上面側に高精度な光学面が得られる旨が開示されている。
特開平6−206730号公報 特開平8−208248号公報
しかしながら、光学素子の光学面のうち、成形によって形成しようとする面が凸面の場合には、以下のような問題のため高精度な光学面を得ることはできなかった。
光学素子の光学面のうち、成形によって形成しようとする面が凸面の場合、これに対応する上型の成形面は凹面となる。従って、成形によって得られる成形体の肉厚を全面にわたって均一にしようとすると、下型の受け面を凸面にする必要がある。しかし、受け面が凸面であると、供給された溶融ガラスの位置が不安定になる。そのため、溶融ガラスの冷却速度がばらつき、高精度な光学面を得ることができなかった。
また、例えば外径がφ20mm以上といった比較的大きな光学素子を製造する場合には、下型の受け面に多量の溶融ガラスを溜める必要があることから、溶融ガラスの外径を規制するための外径規制面を有する外径規制部材を備えた成形金型を使用する必要がある。このような場合に、受け面が凸面であると、供給された溶融ガラスはまず外側に流れ、受け面の外側から中心側に向かって溜まっていく。外側に流れた溶融ガラスは外径規制部材の外径規制面と接触し、その接触面から急速に冷却されることとなる。このように、外径規制部材を備えた成形金型を使用する場合には、溶融ガラスの中心部と端部の冷却速度に大きな差が生じることから、成形時における溶融ガラスの収縮量が均一にならず、光学素子の上面側に高精度な光学面を得ることは更に困難となっていた。
本発明は上記のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、上型の成形面が凹面の場合であっても、溶融ガラスの中心と端部の冷却速度を均一化することで、高精度な光学面を有する光学素子を高い生産効率で製造することができる光学素子の製造方法、及び、製造装置を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有するものである。
1. 溶融ガラスを受けるための受け面を有する下型と、光学素子の第1の光学面を形成するための凹面の成形面を有する上型とを備える成形金型を、溶融ガラスの温度よりも低い所定温度に加熱する加熱工程と、前記下型の受け面に前記溶融ガラスを供給する溶融ガラス供給工程と、前記成形金型で前記溶融ガラスを加圧成形し、前記上型の成形面が転写された第1の光学面を有する成形体を形成する成形工程とを有し、前記下型の前記受け面は、中心部が凹面又は平面であり、且つ、前記凹面又は平面よりも外側に、前記凹面又は平面の端部よりも高さが低い領域を有し、前記溶融ガラス供給工程において供給された前記溶融ガラスは、前記受け面の中心部に溜まり、その後前記高さが低い領域に供給されることを特徴とする光学素子の製造方法。
. 前記成形工程の後に、追加工によって前記成形体の第1の光学面の裏面側に第2の光学面を形成する追加工工程を有することを特徴とする前記1に記載の光学素子の製造方法。
. 前記成形金型は、前記溶融ガラスの外径を規制するための外径規制面を有する外径規制部材を備え、前記溶融ガラス供給工程において、前記下型の受け面に供給された前記溶融ガラスが、前記外径規制部材の外径規制面に接触することを特徴とする前記1又は2の何れか1項に記載の光学素子の製造方法。
. 溶融ガラスを受けるための受け面を有する下型と、光学素子の第1の光学面を形成するための凹面の成形面を有する上型とを備える成形金型と、前記成形金型を溶融ガラスの温度よりも低い所定温度に加熱するための加熱手段と、前記下型の受け面に前記溶融ガラスを供給するための溶融ガラス供給手段と、前記成形金型で前記溶融ガラスを加圧成形し、前記上型の成形面が転写された第1の光学面を有する成形体を形成するための加圧手段とを有し、前記下型の前記受け面は、中心部が凹面又は平面であり、且つ、前記凹面又は平面よりも外側に、前記凹面又は平面の端部よりも高さが低い領域を有し、前記溶融ガラス供給手段により供給された前記溶融ガラスは、前記受け面の中心部に溜まり、その後前記高さが低い領域に供給されることを特徴とする光学素子の製造装置。
本発明の光学素子の製造方法によれば、成形金型に供給された溶融ガラスの冷却速度が均一化され、成形時における溶融ガラスの収縮量を均一化することができる。そのため、上型の成形面が凹面の場合であっても、成形によって少なくとも上面側の光学面が高精度に形成された成形体を得ることができ、高精度な光学面を有する光学素子を高い生産効率で製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
(光学素子)
図1は、本実施形態で製造する光学素子の例を示す図である。図1(a)は両凸レンズ120、図1(b)はメニスカスレンズ130である。両凸レンズ120は、成形によって形成される第1の光学面121と追加工によって形成される第2の光学面122を有している。メニスカスレンズ130も同様に、成形によって形成される第1の光学面131と追加工によって形成される第2の光学面132を有している。本発明は、これらのように成形によって形成される第1の光学面が凸面である光学素子を対象としている。
両凸レンズの場合、二つの光学面のうちいずれの面を成形によって形成される第1の光学面とするかについては、特に制限はない。ただし、両凸レンズの二つの光学面のうち、一方の面が、いわゆる非球面等であって追加工による形成が困難な形状であり、他方の面が一般的な球面である場合には、前者を成形によって形成される第1の光学面とし、後者を追加工によって形成する第2の光学面とすることが、生産性の観点から好ましい。尤も、製造する光学素子が、ミラーのように一つの光学面のみを有する物の場合には、その面を第1の光学面として成形によって形成すれば良い。
図2は、成形工程で得られた成形体の例を示す図である。図2(a)は両凸レンズ120を製造するための成形体123、図2(b)はメニスカスレンズ130を製造するための成形体133である。図の波線で示すように、追加工によって第2の光学面122、132を形成し、更に、コバ面124、134を形成することで目的とする光学素子が完成する。このとき、第1の光学面121と131が同じ形状であれば、1種類の成形体を作製し、それを追加工することによって両凸レンズ120を製造することもできるし、メニスカスレンズ130を製造することもできる。
(成形装置)
図3は、本実施形態で用いる成形装置の一例を示す図である。
本実施形態においては、溶融ガラスの温度よりも低い所定温度に加熱された成形金型10の下型11の受け面に、溶融槽2の下部に設けられたノズル5より溶融ガラスを供給する。このとき、溶融槽2とノズル5はヒーター3によってそれぞれ所定の温度に加熱されている。溶融ガラスが供給された下型11は上型12の下方まで移動し、下型11と上型12とで溶融ガラスを加圧成形して、上型12の成形面が転写された第1の光学面を有する成形体を得る。その後、第1の光学面の裏面側に追加工によって第2の光学面を形成することで光学素子が完成する。
(成形金型)
図4は、本実施形態で用いる成形金型10を示す図である。成形金型10は、両凸レンズ120用の成形体123を成形するための成形金型である。この成形金型10は、下型11と上型12とを有し、更に、外径規制部材13を備えている。下型11は溶融ガラスを受けるための受け面17を有し、上型12は光学素子の第1の光学面を形成するための成形面18を有している。外径規制部材13は、溶融ガラスの外径を規制するための外径規制面19を有し、下型11に組み合わされて固定されている。また、下型11、上型12、外径規制部材13は、加熱手段としてのヒーター14a、15a、16a及び温度センサー14b、15b、16bをそれぞれ有している。
外径規制部材13は、本発明の製造方法において必ずしも必須の部材ではないが、例えば外径がφ20以上といった比較的大きな光学素子を製造する場合には、下型11の受け面17に多量の溶融ガラスを溜める必要があることから、溶融ガラスの外径を規制するための外径規制面19を有する外径規制部材13を備えていることが好ましい。外径規制部材13は、図4のように下型11と別部材で構成しても良いし、同一部材に受け面17と外径規制面19とを形成し、下型11と外径規制部材13の両方の機能を兼ね備えた部材を用いても良い。
下型11、上型12、及び外径規制部材13の材質は、炭化タングステンを主成分とする超硬材料、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、カーボンなど、ガラス製光学素子を加圧成形するための成形金型として公知の材料の中から用途に応じて適宜選択して用いることができる。また、これらの材料の表面に各種金属やセラミックス、カーボンなどの保護膜を形成したものを用いることもできる。下型11、上型12、及び外径規制部材13を全て同一の材料で構成しても良いし、それぞれ別の材料で構成しても良い。
上型12の成形面18は、両凸レンズ120の第1の光学面121に対応した形状とする。これに対して、両凸レンズ120の第2の光学面122は成形後の追加工によって形成するため、下型11の受け面17は第2の光学面122に対応した形状とする必要はない。
本実施形態の下型11の受け面17は、中心部が凹面17aであり、且つ、その外側に凹面17aの端部17cよりも高さが低い領域17bを有している。供給された溶融ガラスは、まず凹面17aに溜まり、その後次第に外側の領域17bまで流れて供給が完了する。そのため、供給の初期の段階で溶融ガラスが外側に流れて外径規制部材13の外径規制面19と接触することはなく、供給の最終段階になって初めて溶融ガラスと外径規制面19が接触する。したがって、溶融ガラスが外径規制面19と接触することによって急冷され、溶融ガラスの中心部と端部の冷却速度に大きな差が生じるという問題を最小限に抑えることができる。
受け面の中心部は、凹面ではなく平面であっても良い。受け面の中心部の凹面又は平面は、受け面の一部のみであっても受け面の全体であっても良く、供給の初期の段階で溶融ガラスが外径規制面と接触することを効果的に防止することができるだけの大きさがあることが好ましい。
一方、受け面の中心部の凹面又は平面が大きい場合、成形体の形状によっては得られる成形体の端部の肉厚が中心部の肉厚に比べて薄くなりすぎることにより、成形時における溶融ガラスの中心部と端部の冷却速度の差が大きくなってしまう場合がある。そのため、下型の受け面は、中心部の凹面又は平面よりも外側に、凹面又は平面の端部よりも高さが低い領域を有していることが好ましい。これにより、供給の初期の段階で溶融ガラスが外径規制面と接触することを効果的に防止できるとともに、成形体の端部の肉厚が薄くなりすぎることを防止でき、成形時における溶融ガラスの収縮量を更に均一化することができる。
図5と図6に、本発明で用いることのできる別の下型の例を示す。加熱手段としてのヒーター及び温度センサーは図示していない。
図5(a)に示す下型21は、受け面27の全体が凹面27aとなっている。また、図5(b)に示す下型31の受け面37は、中心部が凹面37aであり、その外側は、凹面37aの端部と同じ高さの平面となっている。
下型21や下型31を用いることで、供給された溶融ガラスは、まず受け面の中心部に溜まり、供給の初期の段階で溶融ガラスが外径規制面と接触することを効果的に防止することができるため、成形時における溶融ガラスの収縮量を均一化でき、高精度な光学面を有する光学素子を得ることができる。
図6(a)に示す下型41の受け面47は、中心部が凹面47aであり、その外側に、凹面47aの端部47cよりも高さが低い領域47bを有している。また、図6(b)に示す下型51の受け面57は、中心部が平面57aであり、その外側に、平面57aの端部57cよりも高さが低い領域57bを有している。
下型41や下型51を用いることで、供給の初期の段階で溶融ガラスが外径規制面と接触することを効果的に防止することができると共に、成形体の端部の肉厚が薄くなりすぎることを防止できるため、成形時における溶融ガラスの収縮量を更に均一化することができ、高精度な光学面を有する光学素子を得ることができる。
(加熱工程)
加熱工程は、成形金型を溶融ガラスの温度よりも低い所定温度に加熱する工程である。図4に示すように、成形金型10は、下型11と上型12とを有し、更に、必要に応じて外径規制部材13を備えていても良い。
下型11、上型12、外径規制部材13は、加熱手段としてのヒーター14a、15a、16a及び温度センサー14b、15b、16bをそれぞれ有している。このように、それぞれの部材を独立して温度調節することができる構成としても良いし、成形金型全体を一つ、あるいは複数のヒーターでまとめて加熱するような構成としても良い。ヒーターは、公知の各種のヒーターの中から適宜選択して用いることができる。例えば、部材の内部に埋め込んで使用するカートリッジヒーターや、部材の外側に接触させて使用するシート状のヒーターなどを用いることができる。また、温度センサーとしては、種々の熱電対の他、白金測温抵抗体、各種サーミスタなど公知の手段を使用することができる。
成形金型10の内、上型12の加熱温度は、溶融ガラスに成形面18の形状を良好に転写できる温度範囲に設定する必要がある。通常、成形するガラスのTg(ガラス転移点)−100℃からTg+100℃程度の温度範囲とすることが好ましい。加熱温度が低すぎると溶融ガラスに成形面18の形状を良好に転写させることが困難になってくる。逆に、必要以上に温度を高くしすぎることは、ガラスと成形金型との融着を防止する観点や、成形金型の寿命の観点から好ましくない。実際には、成形するガラスの材質や、成形体の形状、大きさ、成形金型の材質、保護膜の種類、ヒーターや温度センサーの位置等種々の条件を考慮に入れて適正な温度を決定する。
下型11と外径規制部材13の加熱温度については、上型12とは異なり成形面の転写性を考慮する必要はないが、溶融ガラスの冷却速度に影響することから、上型12と同様に、成形するガラスのTg−100℃からTg+100℃程度の温度範囲とすることが好ましい。
(溶融ガラス供給工程)
溶融ガラス供給工程は、下型11の受け面17に溶融ガラスを供給する工程である。供給された溶融ガラスは、下型11の受け面17に接触して冷却される。成形金型が、溶融ガラスの外径を規制するための外径規制面19を有する外径規制部材13を備えている場合には、外径規制面19にも接触して冷却される。
但し、下型11の受け面17は中心部が凹面17aであるため、供給された溶融ガラスは、まず受け面17の中心部に溜まり、その後次第に外側まで流れて供給が完了する。そのため、供給の初期の段階で溶融ガラスが外側に流れて外径規制部材13の外径規制面19と接触することはなく、供給の最終段階になって初めて溶融ガラスと外径規制面19が接触する。
溶融ガラスを供給する方法について特に制限はなく、公知の手法を適宜選択して用いることができる。例えば、ノズル先端から溶融状態のガラス滴が自重により落下する状態で、下型11をノズル先端に接近させて受け面17に所定量の溶融ガラスを滞留させた後、下型11を下方に引き下げて溶融ガラスを切断する方法(特許文献1を参照。)を用いることも好ましい。また、ノズル先端から溶融ガラスが液線状態で流出する状態で、下型11に所定量の溶融ガラスを滞留させた後、金属ブレードによって溶融ガラスを切断する方法を用いることもできる。
使用できるガラスの種類に特に制限はなく、光学的用途に用いられる公知のガラスを用途に応じて選択して用いることができる。例えば、リン酸系ガラス、ランタン系ガラスなどが挙げられる
(成形工程)
成形工程は、成形金型で溶融ガラスを加圧成形し、上型の成形面が転写された第1の光学面を有する成形体を形成する工程である。
加圧手段に特に制限はなく、エアシリンダ、油圧シリンダ、サーボモータを用いた電動シリンダ等の公知の加圧手段を適宜選択して用いることができる。
加圧の間に溶融ガラスの冷却が更に進む。溶融ガラスが十分固化する温度まで冷却された後、加圧を解除して成形金型から成形体を取り出す。加圧を解除する際の成形体の温度は、ガラスの種類や、成形体の大きさや形状、必要な精度等によるが、通常はガラスのTg近傍の温度まで冷却されていれば良い。必要な加圧時間、荷重も種々の条件によって異なるが、通常は、加圧時間が10秒〜300秒、荷重が500N〜20000Nの範囲の中から適切な値を選択すれば良い。
なお、溶融ガラスと外径規制部材が接触した状態のままで加圧を行っても良いし、成形工程の前に外径規制部材を退避させて溶融ガラスと外径規制部材との接触を解除した後に加圧を行っても良い。後者の場合、溶融ガラスが外部に流れ出さない程度の粘度になるまで冷却された後に外径規制部材を退避させる必要がある。
また、得られた成形体に残存する歪みを除去し、屈折率等の品質を均一化して更に高精度の光学素子とするために、成形体をアニールする工程を設けることもできる。
(追加工工程)
追加工工程とは、成形工程の後に、成形体の第1の光学面の裏面側に第2の光学面を形成する工程である。
一般的には、高速研削機(カーブジェネレータ)等を用いた粗摺工程、ダイヤモンドペレット等を用いた精研削工程、研磨剤で表面を仕上げる研磨工程といった工程によって光学面を形成することができるが、これに限定されることはなく、公知の手法を適宜選択して用いることができる。
また、研削等によって光学素子の外径面を形成する工程を備えていても良い。
(実施例1)
図3に示す成形装置を用いて成形体を作製し、上型の成形面の転写によって形成された第1の光学面の形状精度の評価を行った。成形金型は図4に示す成形金型10を用いて、図2(a)に示す成形体123を作製した。第1の光学面121は、通常、非球面とすることが多いが、ここでは評価を容易にするため曲率半径30mmの球面とした。
成形体123の外径はφ25mm、中心部の肉厚は8mmとした。下型11の受け面17は、中心部が曲率半径30mmの凹面17aであり、その外側に、凹面17aの端部17cよりも高さが低い領域17bを有している。凹面17aは直径φ15mmであり、端部17cと領域17bの高さの差は最大で2mmとした。下型11、上型12、外径規制部材13は、いずれも炭化タングステンを主成分とする超硬材料を用いた。加熱温度は、下型11と外径規制部材13が520℃、上型12が430℃に設定した。
ガラス材料にはリン酸系ガラスを用いた。ノズル先端を1000℃に加熱し、溶融状態のガラス滴が自重により落下する状態で、下型11をノズル先端に接近させて受け面17に溶融ガラスを滞留させた後、下型11を下方に引き下げて溶融ガラスを切断し、成形体と同体積の溶融ガラスを供給した。その後、下型11を上型12に対向する位置まで移動し、1800Nの荷重で70秒の間溶融ガラスを加圧した。
取り出した成形体の光学面121の形状精度を評価した。評価は、テーラーホブソン株式会社製の表面形状測定器PGI840を用いて球面からのずれ量の最大値を求め、球面からのずれ量の最大値が150nm以下であり極めて良好な場合を◎、150nmより大きく300nm以下であり良好な場合を○、300nmより大きく問題となる場合を×とした。
評価結果を表1に示す。光学面121の形状精度は55nmであり、成形によって高精度な光学面を形成することができた。
Figure 0004784454
(実施例2〜5)
実施例2では、下型として図5(a)に示す下型21を用いた。受け面27は曲率半径30mmの凹面からなる。
実施例3では、下型として図5(b)に示す下型31を用いた。受け面37は、中心部が曲率半径30mmの凹面37aである。凹面17aは直径φ15mmとした。凹面37aよりも外側は、凹面37aの端部と同じ高さの平面となっている。
実施例4では、下型として図6(a)に示す下型41を用いた。受け面47は、中心部が曲率半径30mmの凹面47aであり、その外側に、凹面47aの端部47cよりも高さが低い領域47bとを有している。凹面47aは直径φ15mmであり、端部47cと領域47bの高さの差は最大で2mmとした。
実施例5では、下型として図6(b)に示す下型51を用いた。受け面57は、中心部が平面57aと、その外側に、平面57aよりも高さが低い領域57bとを有している。平面57aは直径φ15mmであり、平面57aと領域57bの高さの差は最大で2mmとした。
上記のそれぞれの下型を使用した以外は、実施例1と同じ条件で成形体を作製し、取り出した成形体の光学面の形状精度を評価した。評価は、実施例1と同様の方法で行った。評価結果を表1に併せて示す。何れも成形によって高精度な光学面を形成することができた。
(比較例1)
受け面が、全面にわたって曲率半径30mmの凸面からなる下型を用いた。実施例1と同じ条件で成形体を作製し、取り出した成形体の光学面の形状精度を評価した。評価は、実施例1と同様の方法で行った。
評価結果を表1に併せて示す。実施例1〜5の場合と異なり、光学面の形状精度は300nmよりも大きく、高精度な光学面を形成することはできなかった。
本発明の方法によって製造する光学素子の例を示す断面図 成形工程で得られた成形体の例を示す断面図 本発明の方法で用いる成形装置の一例を示す図 本発明で用いる成形金型の断面図 本発明で用いることのできる別の下型の例を示す断面図 本発明で用いることのできる更に別の下型の例を示す断面図
符号の説明
1 成形装置
10 成形金型
11、21、31、41、51 下型
12 上型
13 外径規制部材
17、27、37、47、57 受け面
17a、27a、37a、47a 凹面
17b、47b、57b 凹面又は平面の端部よりも高さが低い領域
17c、47c、57c 凹面又は平面の端部
18 成形面
19 外径規制面
57a 平面
120、130 光学素子
121、131 第1の光学面
122、132 第2の光学面
123、133 成形体

Claims (4)

  1. 溶融ガラスを受けるための受け面を有する下型と、光学素子の第1の光学面を形成するための凹面の成形面を有する上型とを備える成形金型を、溶融ガラスの温度よりも低い所定温度に加熱する加熱工程と、
    前記下型の受け面に前記溶融ガラスを供給する溶融ガラス供給工程と、
    前記成形金型で前記溶融ガラスを加圧成形し、前記上型の成形面が転写された第1の光学面を有する成形体を形成する成形工程とを有し、
    前記下型の前記受け面は、中心部が凹面又は平面であり、且つ、前記凹面又は平面よりも外側に、前記凹面又は平面の端部よりも高さが低い領域を有し、
    前記溶融ガラス供給工程において供給された前記溶融ガラスは、前記受け面の中心部に溜まり、その後前記高さが低い領域に供給されることを特徴とする光学素子の製造方法。
  2. 前記成形工程の後に、追加工によって前記成形体の第1の光学面の裏面側に第2の光学面を形成する追加工工程を有することを特徴とする請求項1に記載の光学素子の製造方法。
  3. 前記成形金型は、前記溶融ガラスの外径を規制するための外径規制面を有する外径規制部材を備え、
    前記溶融ガラス供給工程において、前記下型の受け面に供給された前記溶融ガラスが、前記外径規制部材の外径規制面に接触することを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載の光学素子の製造方法。
  4. 溶融ガラスを受けるための受け面を有する下型と、光学素子の第1の光学面を形成するための凹面の成形面を有する上型とを備える成形金型と、
    前記成形金型を溶融ガラスの温度よりも低い所定温度に加熱するための加熱手段と、
    前記下型の受け面に前記溶融ガラスを供給するための溶融ガラス供給手段と、
    前記成形金型で前記溶融ガラスを加圧成形し、前記上型の成形面が転写された第1の光学面を有する成形体を形成するための加圧手段とを有し、
    前記下型の前記受け面は、中心部が凹面又は平面であり、且つ、前記凹面又は平面よりも外側に、前記凹面又は平面の端部よりも高さが低い領域を有し、
    前記溶融ガラス供給手段により供給された前記溶融ガラスは、前記受け面の中心部に溜まり、その後前記高さが低い領域に供給されることを特徴とする光学素子の製造装置。
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