JP4778373B2 - Icカード用コネクタ - Google Patents
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Description
図8に示したものは、幅と長さが略同じ第1のICカード11と第2のICカード12の2種類と、幅が狭く長さの長いカード1種類(図示せず)と、幅と長さの長い1種類(図示せず)との4種類に対応可能なものを示している。
本発明の解決しようとする問題点は、肉厚の薄いカードを挿入したときにコンタクトと電極が正常な撓み量で接触するように構成すると、肉厚の厚いカードを挿入したときには、カードの挿入圧が大きすぎ、コンタクトと電極が異常に大きな撓み量で接触してコンタクトが変形したり破壊したりする恐れがある。逆に、肉厚の厚いカードを挿入したときにコンタクトと電極が正常な撓み量で接触するように構成すると、肉厚の薄いカードを挿入したときには、カードの挿入圧が小さすぎ、コンタクトと電極が接触不良を起こす恐れがある、ということである。
また、ハウジングの内部の天部側に、カバーの一部を下向きに切り起し、この切り起し片を横向きへ字形に折曲したガイド部を設け、先端部側に細幅部を有する第2のICカードの正常挿入時の案内と、裏返し挿入時の誤挿入防止用として機能せしめたので、厚さが薄く、先端部に細幅部を有する第2のICカードであっても、裏返しの挿入が防止され、ハウジング内部の破損が防止される。
さらに、両側のガイド板部の外側に、挿入された第2のICカードの狭幅の側縁部の幅方向の位置を規制するとともに、この第2のICカードの広幅の側縁部が乗り越えるように位置修正部を一体に切り起し形成し、ハウジングの内部の天部側に、広幅の側縁部を下向きに付勢するガイド部を一体に切り起し形成したので、厚さが薄く、先端部に細幅部を有する第2のICカードの幅方向のずれがなく、かつ、厚さの厚い第1のICをカードのしっかりと保持できる。
このようなICカード用コネクタにおいて、前記ハウジングの底部側に移動自在にスペーサを設け、厚さの厚い前記第1のICカードの挿入時に、前記スペーサを第1のICカードの先端部で押し込んで第1カード用コンタクトと第2カード用コンタクトとの間で第1のICカードを挟持接触し、厚さの薄い第2のICカードの挿入時に、この第2のICカードの先端部を前記スペーサの上に乗り上げ、スペーサと第2カード用コンタクトとの間で第2のICカードを挟持接触せしめるようにしたものである。
図4(a−1)(a−2)に示される第2のICカード12と、図4(b−1)(b−2)(b−3)(b−4)に示される第1のICカード11とは、長さは同じで、幅は第1のICカード11の狭幅の側縁部18と第2のICカード12の外側縁とが略同じで、厚さは第1のICカード11が厚く、第2のICカード12が薄く、また、第1のICカード11の電極16と第2のICカード12の電極20は数、形状に違いがある。
さらに詳しくは、前記第1のICカード11は、長方形をなし、両側に広幅の側縁部17と狭幅の側縁部18が段差を持って形成され、前記広幅の側縁部17の面側に電極16が形成され、一方の側縁には2個の切り欠き24が形成され、他方の側縁には1個の切り欠き24が形成され、先端部19の両面はテーパーを有してやや尖っている。
前記第2のICカード12は、長方形をなし、一方の面に電極20が形成され、一方の側縁の先端部22側から途中まで細幅部21となっており、かつ、1個の切り欠き24が形成され、先端部22の片面にテーパーを有してやや尖っている。
前記第1のICカード11は、長さが15.0mm、幅が広幅の側縁部17で12.5mm、狭幅の側縁部18で11.0mm、厚さが1.2mmである。また、前記第2のICカード12は、長さが15.0mm、幅が11.0mm、厚さが0.7mmである。これらの数値は、一例であってこれに限定されるものではない。
前記ハウジング25の右側板部47のスライダ嵌合溝48には、図3(a)に示す前記ロック用スライダ30が摺動自在に嵌合されるとともに、圧縮ばね32が両端のばね嵌合突部74、74間に嵌め込まれてロック用スライダ30を常時付勢している。前記ロック用スライダ30は、ハートカム69と係止突片部70からなり、ハートカム69には、公知のハート形の摺動溝65、ピン係止凹部66,スタート点67が設けられ、ロックピン31の一端部が右側板部47のロックピン挿入孔49に差し込まれ、他端部が摺動溝65に摺動自在に差し込まれている。
前記係止突片部70には、前記天板部42のスライダ係合突部50と係合する係合凹部68と、この係合凹部68に隣接して上部に第2のICカード12の係止部71、下部に第1のICカード11の係止部72が形成され、さらに側方にコンタクト受け部73が形成されている。
(1−1)第2のICカード12の正常(電極20が上向き)状態での挿入
第2のICカード12を正常(電極20が上向きで、細幅部21が挿入方向左側)状態でICカード用コネクタのカード挿入口36へ挿入すると、第2のICカード12は、図5(a−1)及び図7(a)のように、ガイド板部57に案内されつつ両側の位置修正部58の間を通り、細幅部21側の先端部22がガイド部60に案内されつつ挿入され、先端部22が第1カード用コンタクト26と第2カード用コンタクト27の間に位置する。このとき、第2のICカード12は、薄いのでICカード用コネクタの内部で必要以上のクリアランスが生じる。
この挿入状態では、カード挿入孔36の付近で第2のICカード12の基端部がガイド板部57で下方に適正圧力で付勢されている。
このとき、図6(a)に示すように、第2のICカード12の細幅部21を過ぎた外側縁で開閉端子33の接触可動片83が押し出されて開閉端子34の接触部86に接触して第2のICカード12を挿入した信号が出力される。
第2のICカード12を異常(電極20が下向きで、細幅部21が挿入方向右側)状態でICカード用コネクタのカード挿入口36へ挿入すると、第2のICカード12は、最初、ガイド板部57に案内されつつ両側の位置修正部58の間を通り抜けるが、図7(a)の異常時のように、細幅部21側が位置修正部58を通り、外側縁が位置修正部58に達し、細幅部21と反対側の先端部22がガイド部60に当接して第2のICカード12はそれ以上挿入することができない。
第1のICカード11を正常(電極16が下向きで、狭幅の側縁部18が上向き)状態でICカード用コネクタのカード挿入口36へ挿入すると、第1のICカード11は、図5(b−1)及び図7(b)のように、誤挿入防止段部37に嵌合し、狭幅の側縁部18がガイド板部57に案内されつつ両側の位置修正部58の間を通り、また、広幅の側縁部17が位置修正部58の下を通り、図1のように、広幅の側縁部17の先端部22の右端が係止突片部70の係止部72に係合する。このとき、第1のICカード11は、厚いので内部は適正なクリアランスで移動する。
この挿入状態では、カード挿入孔36の付近で第1のICカード11の基端部がガイド板部57で下方に適正圧力で付勢されている。
このとき、図6(b)に示すように、第1のICカード11の広幅の側縁部17が開閉端子33の接触可動片82を広げつつ第1のICカード11の正確な位置決めをしながらさらに挿入されると、広幅の側縁部17が開閉端子34の接触部87に係合して可動片85を外側に逃げさせる。この状態で第1のICカード11の狭幅の側縁部18が開閉端子33の接触可動片83に接して接触可動片83が外側にやや移動するが、接触可動片83が押し出される前に接触部86がそれ以上に逃げており、接触可動片83が開閉端子34の接触部86に接触することはなく、第1のICカード11を挿入しても信号が出力されない。
第1のICカード11をスペーサ28とともに移動することで、電極16は第1カード用コンタクト26に適正な接触圧で接続される。第1のICカード11が挿入できる位置まで達すると、ロックピン31の一端部が摺動溝65の端部に達するので、押し込み力を抜くと、圧縮ばね32によりロック用スライダ30が戻されてロックピン31の一端部がピン係止凹部66に係止して第1のICカード11の挿入状態が保持される。
同時に、スペーサ28がスペーサ用ばね29によりもとの位置に戻される。
第1のICカード11を異常(電極16が上向き)状態でICカード用コネクタのカード挿入口36へ挿入しようとすると、第1のICカード11の広幅の側縁部17と狭幅の側縁部18が逆のため、誤挿入防止段部37のあるカード挿入口36へ挿入することはできない。
Claims (2)
- 薄い箱型をなし、厚さの異なる少なくとも2種類の第1及び第2のICカードを挿抜可能なハウジングと、このハウジング内に各部品を収納した後に上に被せるカバーと、前記ハウジング内の底部側に設けられ、前記第1のICカードの電極に接離する第1カード用コンタクトと、前記ハウジング内の天部側に設けられ、前記第2のICカードの電極に接離する第2カード用コンタクトとを具備したICカード用コネクタにおいて、前記ハウジングの底部側に移動自在にスペーサを設け、厚さの厚い前記第1のICカードの挿入時に、前記スペーサを第1のICカードの先端部で押し込んで第1カード用コンタクトと第2カード用コンタクトとの間で第1のICカードを挟持接触し、厚さの薄い第2のICカードの挿入時に、この第2のICカードの先端部を前記スペーサの上に乗り上げ、スペーサと第2カード用コンタクトとの間で第2のICカードを挟持接触せしめ、ハウジングの内部の天部側に、カバーの一部を下向きに切り起し、この切り起し片を横向きへ字形に折曲したガイド部を設け、先端部側に細幅部を有する第2のICカードの正常挿入時の案内と、裏返し挿入時の誤挿入防止用として機能せしめ、両側のガイド板部の外側に、挿入された第1のICカードの狭幅の側縁部の幅方向の位置を規制するとともに、この第1のICカードの広幅の側縁部が乗り越えるように位置修正部を一体に切り起し形成し、ハウジングの内部の天部側に、前記広幅の側縁部を下向きに付勢するガイド部を一体に切り起し形成したことを特徴とするICカード用コネクタ。
- ハウジングの内部に、第1のICカード又は第2のICカードの挿入時にロックし、再押圧時にロックを解除するロック用スライダを具備してなることを特徴とする請求項1記載のICカード用コネクタ。
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