<全体構成>
まず、図1を用いて、本実施例1に係るスロットマシン100の全体構成について説明する。なお、図1はスロットマシン100の外観斜視図を示したものである。
スロットマシン100は、略箱状の本体101と、この本体101の前面開口部に取り付けられた前面扉102とを有して構成されている。スロットマシン100の本体101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄が所定コマ数だけ配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。本実施例1において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。なお、本実施例1では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
また、図柄表示窓113の外枠には、点滅や点灯などの点灯制御によって、後述する有効ラインや入賞ラインを報知するためのライン表示LED(図示省略)が配置されている。
さらに、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間を、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110〜112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ122は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。告知ランプ123は、内部抽選において、特定の入賞役(例えば、BB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)等のボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ124は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。払出枚数表示器125は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。メダル投入枚数表示ランプ126は、メダルが何枚投入されたかを表示するための表示器である。貯留枚数表示器127は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。リールパネルランプ128は、演出用のランプである。
メダル投入ボタン130、131は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施例1においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入口134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130または131により電子的に投入することもできるし、メダル投入口134から実際のメダルを投入することもできる。精算ボタン132は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダルおよびベットされたメダルを精算し、メダル払出口155よりメダル受皿156に排出するためのボタンである。メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。
スタートレバー135は、遊技の開始操作を行うためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口134に所望する枚数のメダルを投入して、スタートレバー135を操作すると、これを契機としてリール110〜112が回転し、遊技が開始される。
ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112に対する停止操作を行うためのボタンであり、各リール110〜112に対応して設けられている。そして、いずれかのストップボタン137〜139を操作すると対応するいずれかのリール110〜112が停止することになる。
ドアキー140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿156は、メダル払出口155から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿156は、本実施例1では発光可能な受皿を採用しており、以下受皿ランプと呼ぶこともある。
上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、受皿ランプ156は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。
演出装置200は、詳細は後述するが、小役告知などの演出を行うための装置である。
音孔160は、スロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。タイトルパネル162には、スロットマシン100を装飾するための図柄が描かれる。
<制御部>
次に、このスロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部400と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、図2を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。なお、同図は主制御部300の回路ブロック図を示したものである。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバスおよびアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、センサやスイッチの状態を常時監視するためのタイマ割り込み処理の周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
さらに、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400においても同様である。また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算ボタンセンサ324、メダル払い出しセンサ326の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル投入センサ320は、メダル投入口134に投入されたメダルを検出するためのセンサである。スタートレバーセンサ321はスタートレバー135の操作を検出するためのセンサである。ストップボタンセンサ322はストップボタン137〜139のいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検出するためのセンサである。メダル投入ボタンセンサ323はメダル投入ボタン130、131のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検出するためのセンサである。精算ボタンセンサ324は、精算ボタン132に設けられており、精算ボタン132が一回押されると、貯留されているメダルおよびベットされているメダルが精算されて払い出されることになる。メダル払い出しセンサ326は、払い出されるメダルを検出するためのセンサである。
CPU310には、さらに、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リール110〜112に設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにハイレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのモータを制御するリールモータ駆動部330と、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル払出口155から払出すための装置。図示省略。)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ124等)と、7セグメント(SEG)表示器341(払出枚数表示器125、遊技回数表示器126、貯留枚数表示器127等)と、後述する送電部202Bが接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。
乱数発生回路317は、水晶発振器311および水晶発振器316から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。主制御部300と副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は副制御部400へコマンドを送信するが、副制御部400から主制御部300へ何らかのコマンド等を送信することはできない。
<副制御部>
次に、図3を用いて、スロットマシン100の副制御部400について説明する。なお、同図は副制御部400の回路ブロック図を示したものである。
副制御部400は、主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバスおよびアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令およびデータ、ライン表示LEDの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
さらに、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、図柄表示窓113の外枠に配設され、点滅や点灯などの点灯制御によって有効ラインや入賞ラインを報知するためのライン表示LED420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、扉・液晶画面制御部490からの信号を入力するための入力インタフェース471、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472等が接続されている。
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定の情報を遊技店の係員等が確認できるようになっている。さらに、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、リールパネルランプ128、タイトルパネルランプ170、受け皿ランプ156、払出口ストロボ171を制御する。タイトルパネルランプ170は、タイトルパネル162を照明するランプであり、払出口ストロボ171は、払い出し口の内側に設置されたストロボタイプのランプである。なお、CPU410は、扉・液晶画面制御部490への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。扉・液晶画面制御部490は、後述する液晶表示装置206および扉装置204を制御する制御部である。
<入賞役の種類>
次に、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。
スロットマシン100では、遊技状態毎に以下に説明する入賞役が採用されている。なお、各遊技状態における入賞役の種類は、本実施例1で示す入賞役に限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
また、本実施例1における入賞役の内、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)はボーナス遊技に移行する図柄として、また、再遊技(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる図柄として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本発明に係る「入賞役」には、作動役である、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技が含まれる。
さらに、本発明に係る「入賞」には、メダルの配当を伴わない作動役の図柄組合せが、有効化された入賞ライン114上に表示される場合も含まれ、例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技への入賞が含まれる。
<通常遊技>
通常遊技の入賞役には、ビッグボーナス(BB)と、レギュラーボーナス(RB)と、再遊技(リプレイ)と、小役がある。
「ビッグボーナス(BB)」は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。なお、本実施例1ではBBについてフラグ持越しを行う。すなわち、BBに内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM313の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBBに入賞しなかったとしても、入賞するまでフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBBに内部当選中とする。
「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。なお、本実施例1ではRBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。
「再遊技(リプレイ)」は、入賞により、次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行わない。
「小役」は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役である。
<BB一般遊技>
本実施例1におけるBB一般遊技の入賞役には、シフトレギュラーボーナス(SRB)と、小役がある。
「シフトレギュラーボーナス(SRB)」は、入賞により特殊遊技であるシフトレギュラーボーナス遊技(SRB遊技)が開始される入賞役(作動役)である。
「小役」は、通常遊技と同じであるが、そのメダル払出枚数などを通常遊技とは異なるものとしてもよい。
<RB(SRB)遊技>
RB(SRB)遊技における入賞役は「役物」のみであり、RB(SRB)遊技中の各遊技を役物遊技という。役物はRB(SRB)遊技中にのみ入賞する入賞役であって、本実施例1では、入賞時には所定数のメダルの払い出しを行う。
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類について説明する。
スロットマシン100の遊技状態は、通常遊技と、BB遊技と、RB(SRB)遊技と、に大別される。
BB遊技の内容は、複数種類考えられるが、本実施例1では、BB遊技中にSRBに入賞することが可能で、これに入賞するとSRB遊技が開始される。なお、BB遊技は、本実施例1では予め定めたメダル数を獲得した場合(例えば、入賞により獲得したメダル数が465枚に達した場合)に終了する。また、その他の条件を加えてBB遊技の終了条件としてもよく、例えば、SRB遊技を予め定めた遊技回数行った場合(例えば、SRB遊技が3回終了した場合)にBB遊技が終了するようにしてもよい。この場合、SRB遊技が終了するとBB一般遊技に戻るか、或いは、BB遊技が終了する(BB一般遊技の30回目にSRBに入賞してSRBが開始された場合)こととなる。
RB(SRB)遊技の内容は、複数種類考えられるが、本実施例1では、予め定めた回数(本実施例1では12回)の遊技を行うか、あるいは、役物が予め定めた回数(本実施例1では8回)入賞するかのいずれかの条件が成立することを終了条件とする遊技である。
<主制御部メイン処理>
次に、図4を用いて、主制御部300のメイン処理について説明する。なお、同図は、主制御部300のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
遊技の基本的制御は、主制御部300のMainCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、MainCPU310が同図の主制御部メイン処理を繰り返し実行する。
スロットマシン100に電源が投入されると、まず、ステップS101において各種の初期化処理が実行され、その後、主制御部メイン処理のステップS102では、メダル投入に関する処理を行う。ここでは、メダルの投入の有無をチェックし、投入されたメダルの枚数に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合はメダルの投入が不要である。
ステップS103では、遊技のスタート操作に関する処理を行う。ここでは、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定する。また、副制御部400に対してスタートレバー受付コマンドを送信する。副制御部400は、このスタートレバー受付コマンドを受信することによって遊技の開始を把握する。
ステップS104では、有効な入賞ライン114を確定する。
ステップS105では、乱数発生器317で発生させた乱数を取得する。
ステップS106では、ステップS105で取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選テーブルを用いて、入賞役の内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、その入賞役のフラグが内部的にONになる。
ステップS107では、ステップS106の内部抽選結果等に基づき、停止位置データ選択テーブルを参照し、いずれか一つのリール停止制御テーブルを選択する。
ステップS108では、全リール110〜112の回転を開始させる。
ステップS109では、リール停止制御処理により、押されたストップボタン137〜139に対応するリール110〜112の回転を停止させる。この際、各リール110〜112を、ステップS107で選択したリール停止制御テーブルに基づいて停止させる。
ステップS110では、ストップボタン137〜139が押されることによって停止した図柄の入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、内部当選した入賞役またはフラグ持越し中の入賞役に対応する入賞図柄組合せが揃った(表示された)場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン114上に、リプレイに対応する図柄の組合せが揃っていたならばリプレイ入賞と判定する。また、入賞した入賞役に対応するフラグがリセットされる。
また、ステップS110では、副制御部400に対して入賞判定コマンドを送信する。副制御部400は、この入賞判定コマンドを受信することによって遊技の終了を把握する。
ステップS111では、メダル払出処理を行う。このメダル払出処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
ステップS112では、遊技状態制御処理を行う。この遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、BB入賞やSRB入賞の場合に次回からBB遊技またはSRB遊技を開始できるよう準備し、それらの最終遊技では、次回から通常遊技が開始できるよう準備する。
以上により1遊技が終了し、以降、主制御部メイン処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<副制御部割り込み処理>
次に、図5(a)を用いて、副制御部400の割り込み処理について説明する。なお、同図は、副制御部割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS201では、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判断する。そして、コマンドを受信した場合はステップS202に進み、コマンドを受信していない場合はステップS203に進む。
ステップS202では、受信したコマンドをRAM413の所定領域に格納する。
ステップS203では、リセットスイッチ422などの操作手段の操作入力があったか否かを判断する。そして、操作手段の操作入力があった場合はステップS204に進み、そうでない場合は処理を終了する。
ステップS204では、入力データを格納して、処理を終了する。
<副制御部メイン処理>
次に、図5(b)を用いて、副制御部400のメイン処理について説明する。なお、同図は、副制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS301では、主制御部300からのコマンドが有るか無いかを判断する。そして、主制御部300からのコマンドが有る場合はステップS303に進み、コマンドが無い場合はステップS302に進む。
ステップS302では、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判断する。そして、コマンドを受信した場合はステップS303に進み、コマンドを受信していない場合はステップS301に進み、コマンドの受信待ちとなる。
ステップS303では、コマンドの内容や、操作手段による操作入力の解析を行う。
ステップS304では、演出データを取得する。
ステップS305では、デバイスドライバへの出力が必要か否かを判断する。そして、デバイスドライバへの出力が必要であればステップS306に進み、そうでない場合はステップS307に進む。
ステップS306では、各デバイスドライバに対して制御データを出力する。
ステップS307では、扉・液晶画面制御部490へのコマンド送信が必要か否かを判断する。そして、扉・液晶画面制御部490へのコマンド送信が必要であればステップS308に進み、そうでない場合はステップS301に進み、コマンド受信待ちとなる。
なお、副制御部400からコマンドを受信した扉・液晶画面制御部490は、受信コマンドに基づいて、以下に説明する扉装置204や液晶表示装置206などの演出に関する制御を行う。
<演出装置>
次に、図6および図7を用いて、スロットマシン100の演出装置200について詳細に説明する。なお、図6は演出装置200を分解した様子を示す分解斜視図、図7は図6の分解斜視図の一部を拡大して示す部分拡大図である。
この演出装置200は、中央に開口部202Aが形成された横長板状体のベース202と、このベース202に設置される扉装置204(208、210、212、214)と、ベース202の開口部202Aの後方に液晶画面206Aが位置するように配設される液晶表示装置206と、を有して構成されている。
ベース202の前面両側には、非接触で電力を送電可能な送電部202Bが配設されている。この送電部202Bは、本実施例1では主制御部300に接続されており、スロットマシン100の遊技状態に応じて送電部202Bからの送電のON/OFFを制御することが可能となっている。従って、例えば、通常遊技中には送電部202Bからの送電をOFFにして(後述する)受電部208Aへの送電を停止し、BB遊技中は送電部202Bからの送電をONにして受電部208Aへの送電を行うといった制御が可能である。なお、送電部202BのON/OFF制御を、副制御部400や扉・液晶画面制御部490で行うことも可能である。
扉装置204は、2枚の扉208と、この2枚の扉208を液晶表示装置206に対して相対移動可能に保持する上側保持部210および下側保持部212と、各扉208を図6の矢印X方向に駆動する2つの駆動部214によって構成されている。
扉208は、図7に拡大して示されるように、ベース202に配設された送電部202Bから非接触で電力を受電可能な受電部208Aと、この受電部208Aを通じて供給される電力により作動する液晶シャッタ208Bを有して構成されている。
2枚の扉208が密着して閉められた状態(2枚の扉208によってベース202の開口部202Aが覆われ、液晶表示装置206の液晶画面206Aが遊技者から視認不能となる状態)では、扉208の受電部208Aは、送電部202Bからの受電が可能となる位置(例えば、図7の実線で示される位置。本発明に係る「受電可能位置」)に移動する。
扉208の液晶シャッタ208Bは、この「受電可能位置」にある場合に電力の供給を受けて作動が可能となる。従って、例えば、液晶シャッタ208Bを用いて液晶画面206Aの映像を遮蔽したり、液晶シャッタ208B上に立体映像を映し出して演出を行ったりすることができる。
一方、2枚の扉208が離反して開けられた状態(液晶表示装置206の液晶画面206Aの少なくとも一部が遊技者から視認可能となる状態)では、扉208の受電部208Aは、送電部202Bからの受電が不可能となる位置(例えば、図7の2点鎖線で示される位置。本発明に係る「受電不能位置」)に移動する。
液晶シャッタ208Bは、この「受電不能位置」にある場合には電力の供給を受けることができず作動が不可能となり、本実施例1では、液晶画面206Aの映像を透過させる状態となる。
すなわち、扉208の液晶シャッタ208Bは、扉208が「受電可能位置」にある場合と「受電不能位置」にある場合とで、液晶表示装置206(の液晶画面206B)の表示態様を異ならせることができる。
以上説明したように、本実施例1に係るスロットマシン100は、図柄の組み合わせを表示可能な表示手段(本実施例1では、リール110〜112や図柄表示窓113などが該当)を備え、表示手段で表示された図柄組み合わせに基づいて、遊技者への賞態様が決定される遊技台であって、非接触で電力を送電可能な送電部202Bと、送電部202Bから非接触で電力を受電可能な受電部208A、および、受電部208Aを通じて供給される電力により作動する作動部(本実施例では液晶シャッタ208B)を有する第1の対象物(本実施例では扉208)と、第1の対象物の作動部の作動によって遊技者から見た表示態様が変化する第2の対象物(本実施例では液晶表示装置206)と、を備えたため、第1の対象物に電源供給のための配線を施す必要がなく、第1の対象物を様々な場所に配設することができる(例えば、本実施例のように第1の対象物を自由に(配線に制約されること無く)移動することが可能となる)。そのため、従来よりも演出装置の設計の自由度を高め、従来に無い斬新な演出を行うことが可能でありながら、同時に、組み立てが容易で、部品点数の削減や低コスト化を実現することができる。
なお、本発明に係る「送電部」と「受電部」には、非接触で電力の伝送が可能な従来公知の技術を適用することができ、例えば、送電部に送電コイルを、受電部に受電コイルをそれぞれ配設し、送電部の送電コイルに交流電流を入力して交流磁束を発生させ、受電部の受電コイルに誘電起電力を生じさせることで電力の伝送を行う電磁誘導方式を適用することができる。
また、第1の対象物(扉208)を第2の対象物(液晶表示装置206)に対して相対移動可能に保持する保持部(本実施例では上側保持部210と下側保持部212)をさらに備えたため、より複雑な演出が可能で、演出効果をさらに高めることができる。
さらに、第1の対象物(扉208)は、少なくとも、送電部202Bからの受電が可能となる受電可能位置と、送電部202Bからの受電が不可能となる受電不能位置に移動可能に構成され、第1の対象物の作動部(液晶シャッタ208B)は、受電可能位置と受電不能位置で第2の対象物(液晶表示装置206)の表示態様が異なるように変化させるため、作動部の制御を容易に行うことができる。
また、遊技状態に応じて、送電部202Bからの送電のON/OFFを制御する制御部(本実施例では主制御部300)をさらに備えたため、遊技状態を加味した演出が可能であり、演出効果を高めることができる。
なお、本実施例1では、1つの受電部208Aに対して1つの送電部202Bを配設した例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図8に示されるように、1つの受電部208Aに対して、複数(この例では2つ)の送電部202Bを配設してもよい。このように、送電部202Bが、複数個所に配設されていれば、作動部を異なる複数のタイミングで作動させることができ、より複雑な演出を行うことが可能となる。
また、本実施例1では、扉208の動き(位置)と液晶シャッタ208Bの作動を連動させる例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、扉208が受電可能位置にある場合(扉208が同一の位置にある場合)であっても、主制御部300によって送電部202Bからの送電のON/OFFを切り替えて液晶シャッタ208BをON/OFFし、遊技者から見た液晶表示装置206の表示態様を変化させてもよい。
また、本実施例1では、第2の対象物として液晶表示装置を採用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、模型や絵などを適用してもよい。
また、本実施例1では、第1の対象物として扉を適用し、第1の対象物の作動部として液晶シャッタを採用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1の対象物は固定物でもよく、また、第1の対象物の作動部は電力によって機械的に開閉する窓などでもよい。
なお、本発明に係る遊技台は、本実施例1に係るスロットマシンの構造等に限定されるものではない。従って、例えば、本実施例1においては、メダル(コイン)を遊技媒体としたスロットマシンの例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、遊技球(例えば、パチンコ玉)を遊技媒体としたスロットマシン(いわゆるパロット)等にも適用可能である。また、次に説明するようなパチンコ機にも適用可能である。