JP4777190B2 - 炭化水素からの水素製造用触媒、該触媒の製造法、及び該触媒を用いた水素製造法 - Google Patents

炭化水素からの水素製造用触媒、該触媒の製造法、及び該触媒を用いた水素製造法 Download PDF

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Description

本発明は、炭化水素から水素を製造するための触媒、特に燃料電池に使用される水素製造用触媒、および水素製造用触媒の製造方法、さらには水素製造法に関するものである。
従来、炭化水素からの水素製造方法として、Ni又はルテニウム触媒を用い、都市ガスやLPG、ナフサ留分を原料にする方法が多く行われてきた。
しかしながら、家庭用の小型燃料電池発電システムを想定した場合、天然ガス、LPGなどの軽質炭化水素は発熱量あたりのコストが高く、経済的観点から灯油などコストの安い重質炭化水素を原料に用いた水素製造方法が望まれている。
しかし低コストの灯油などは重質炭化水素のため、触媒上に炭素析出しやすい。そのため運転条件の一つであるHO/Cを高くすれば触媒への炭素析出を抑制することができるが、水蒸気原単位(製品単位量あたりの水蒸気使用量)の増加を招くため、できるだけ低くすることが望ましい。
Ni触媒を用い、灯油のような重質炭化水素を原料とした水蒸気改質反応を行った場合、反応温度、HO/Cの条件に関わらず、触媒上に激しい炭素析出が起こり、活性が低下する問題や、触媒床の閉塞により差圧が上昇し、反応が継続できなくなるという問題が発生するので、比較的炭素析出の少ない触媒としてルテニウム系の水蒸気改質触媒も研究されている。
また、水蒸気改質反応条件下に長時間曝されると、触媒強度が低下し、実用的な強度を維持できないことがある。そこで活性とともに強度の優れた触媒として、αアルミナ担体を用いることが知られている。特許文献1(特開2001−276623号公報)には、炭化水素の改質活性を効率的に向上せしめる触媒として、活性成分であるルテニウムを触媒外表面から触媒中心までの1/3までの部分に全ルテニウム担持量の50%以上を担持した、αアルミナ担体を用いる触媒が開示されている。しかしながら、αアルミナは表面積が小さく、灯油などの重質な原料を用いた場合、従来触媒では充分な改質活性が得られないという問題があった。
特開2001−276623号公報
本発明の目的は、灯油などの重質炭化水素を原料とした水素製造反応を行った場合でも、実用的な強度を有しながら、高活性を維持できる炭化水素の水蒸気改質触媒、該触媒の製造方法、及び該触媒を用いた水素製造方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、以下の1〜に挙げた炭化水素からの水蒸気改質による水素製造用触媒、及び該触媒を用いた水素製造方法を提供する。
1.α-アルミナを含有する無機酸化物担体上に、ルテニウムを触媒基準、金属換算で0.5〜10質量%、カリウムを触媒基準、金属換算で0.5〜10質量%含み、かつ、EPMA(エレクトロンプローブマイクロアナライザー)により、触媒断面の中心を通るように触媒外表面から他の外表面まで一方向にルテニウムについて線分析測定したとき、触媒外表面から中心までの長さをrとし、触媒外表面から0.5rまでの距離におけるルテニウムの特性X線強度の和が全ルテニウムの特性X線強度の和の30〜70%の範囲であり、触媒外表面から0.7rまでの距離におけるルテニウムの特性X線強度の和が全ルテニウムの特性X線強度の和の40〜80%の範囲であることを特徴とする炭化水素からの水蒸気改質による水素製造用触媒。
.α-アルミナを含有する無機酸化物担体上に、ルテニウムを含む化合物を含有する溶液を用いて、ルテニウムを触媒基準、金属換算で0.5〜10質量%担持し、アルカリ処理を行い、その後少なくとも1種のカリウムを含む化合物を含有する溶液を用いて、カリウムを触媒基準、金属換算で0.5〜10質量%担持した後、乾燥させることを特徴とする上記1に記載の水蒸気改質による水素製造用触媒の製造方法。
.上記1に記載の触媒の存在下に、沸点が30〜350℃の範囲にある留分が90質量%以上存在する炭化水素と水蒸気とを、反応温度400〜900℃、反応圧力0〜5MPa−G、HO/C(モル比)=2.5〜5.0の条件下で、反応させることを特徴とする水蒸気改質による水素製造方法。
本発明の触媒は、長時間水蒸気改質反応条件下に暴されても強度低下が生じ難く、本発明の触媒を用いた水素製造方法は、炭化水素、特に灯油などの重質炭化水素からの水素製造を行うプロセスにおいて、低HO/C(モル比)=2.5〜5.0という触媒にとって過酷な反応条件下においても高活性を維持しつつ水素を製造することができる。
以下に、本発明の触媒、その製造方法およびそれを用いた水素の製造方法について詳しく説明する。 本発明の水素製造用触媒は、α-アルミナ又はその前駆体を含む原料を、600〜1300℃で焼成してα-アルミナを含有する無機酸化物を調製し、担体として用いる。無機酸化物担体としては、α-アルミナを単独で使用することが好ましいが、チタニア、シリカ、ジルコニア、マグネシアなどの少なくとも一種をα-アルミナと混合して用いる複合酸化物であってもよい。また、水酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム等のように、600〜1300℃での焼成によりα-アルミナを生成するアルミニウム化合物を担体原料として用いる事もできる。
上記担体原料を、酸素雰囲気、例えば空気中で、600〜1300℃加熱焼成することによって、担体を調製することができる。焼成時間は特に限定されないが、通常、1〜20時間である。
担体の形状は、球状、楕円球状、角柱状、円柱状、中空状、リング状、打錠状等の種々の粒状体の他、任意の形状でよく、特に限定されないが、一般の水蒸気改質反応に用いられている円柱状、球状の粒状体が好ましく、球状が特に好ましい。また、担体の大きさは特に限定されないが、円柱、球状の場合、通常その直径が1〜6mm、好ましくは1〜4mmであることが好ましい。この場合、成形された担体原料を用いて焼成し、担体を調製することができる。
本発明の触媒は、前記担体に水素製造活性成分としてルテニウムを触媒基準、金属換算で0.5〜10質量%、好ましくは1〜4質量%含有する。ルテニウム含有量が0.5質量%以上であれば、所望のレベルの活性点数と分散度を兼ね備えることができ、触媒性能を維持できる。また、10質量%以下であれば、経済的に好ましい。 触媒への担持の際には、ルテニウムを含む化合物を含有する溶液を用いる。該化合物としては、塩化ルテニウム水和物、塩化ルテニウム(IV価)、塩化ルテニウム無水物、ルテニウム酸カリウム等のルテニウム酸塩、硝酸ルテニウム等のルテニウム塩等を用いることができる。 また、担持方法としては、沈殿法、イオン交換法、共沈法、混練法、含浸法等の一般的な金属担持法を適用可能であるが、好ましくは含浸法である。
また、本発明の触媒は、アルカリ金属を含有する。アルカリ金属の含有量は、触媒基準、金属換算で0.5〜10質量%、好ましくは2〜4質量%である。上記範囲内にあれば、本発明の触媒に炭素析出抑制能力及び水蒸気活性化能力を付与することができ、本発明の触媒の性能を長期間に渡って安定に保つことができ、又、担体上に活性成分であるルテニウムを高分散させることが可能となる。
アルカリ金属としては、Li、Na、K、Rb、Cs、Frを挙げることができるが、Na、Kが好ましく、特にKが好ましい。これらのアルカリ金属は、いずれか1種を単独で用いてもよく、また2種以上を組み合せて用いてもよい。触媒への担持の際には、アルカリ金属を含む化合物を含有する溶液を用いる。該化合物としては、アルカリ金属の前駆体であれば限定されないが、アルカリ金属塩が好ましく、例えば硝酸塩、炭酸塩又は水酸化物が好ましい。特に、Kの前駆体に関しては水酸化物、重炭酸塩、炭酸塩が好ましく、水酸化物が最も好ましい。
また、アルカリ金属の触媒への担持方法としては、沈殿法、イオン交換法、共沈法、混練法、含浸法等を挙げることができるがこれに限定されるものではない。
さらに、本発明の触媒では、EPMA(エレクトロンプローブマイクロアナライザー)により、触媒断面の中心を通るように触媒外表面から他の外表面までに一方向にルテニウムについて線分析測定したとき、触媒外表面から中心までの長さをrとし、触媒外表面から0.5rまでの距離におけるルテニウムの特性X線強度の和が、全ルテニウムの特性X線強度の和の30〜70%の範囲である。さらに、触媒外表面から0.7rまでの距離におけるルテニウムの特性X線強度の和が全ルテニウムの特性X線強度の和の40〜80%の範囲である。活性成分であるルテニウムを触媒の外表面だけでなく、内部にも担持することにより、有効な活性点数を増やすことができる。
次に本発明の触媒の製造方法について説明する。
本発明では、前記α-アルミナを含有する無機酸化物担体に、まずルテニウムを担持する。ルテニウムの担持には、沈殿法、イオン交換法、共沈法、混練法、含浸法等の通常の担持方法を適用できるが、含浸法が好ましい。ルテニウムを触媒基準、金属換算で0.5〜10質量%、好ましくは1〜4質量%となるようにルテニウム化合物を含有する溶液を調製し、担体を浸透、吸収させる。該化合物としては、塩化ルテニウム水和物、塩化ルテニウム(IV価)、塩化ルテニウム無水物、ルテニウム酸カリウム等のルテニウム酸塩、硝酸ルテニウム等のルテニウム塩等を用いることができる。含有溶液の温度は、ルテニウム化合物の分解を避けるため、50℃未満、特に室温が好ましい。
浸透時間は特に限定されないが、0.1〜1時間が好ましい。0.1時間より短くした場合は、溶液が触媒全体に行き渡らず、不均一となる場合がある。浸透時間がこの範囲にあれば、溶液が触媒全体に均一に行き渡り、内部にまでルテニウムが担持される。 無機酸化物担体にルテニウムを担持後は、120℃以下、好ましくは80℃以下、より好ましくは50℃以下にて乾燥を行うことが好ましい。乾燥はヘリウム、アルゴン等の希ガスあるいは窒素等の不活性ガス気流中で行うことが理にかなうが、120℃以下で操作をすれば、空気中であっても、酸化物の生成量は僅少であり問題にならない。そして120℃以下であれば、酸化ルテニウムが生成することなく、後の還元工程が容易に進む。また、乾燥方法は特に限定されないが、迅速に乾燥できる減圧乾燥が特に好ましい。
続いて、担持させたルテニウム量に対し、モル換算で3倍以上のアルカリ水溶液中にルテニウムを担持した担体を浸し、ルテニウムを水酸化ルテニウムに変換して、ルテニウムを担体上に不溶・固定化させる。このルテニウムの不溶・固定化に用いるアルカリ水溶液としては、アンモニア水、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水溶液を用いることができる。
また、担体上にルテニウムを水酸化ルテニウムとして不溶・固定化したのち、この水酸化ルテニウムの酸化を抑制するために、120℃以下、好ましくは80℃以下で、減圧又は常圧下で、乾燥することが好ましい。乾燥は、ヘリウム、アルゴン等の希ガス、あるいは窒素等の不活性ガス気流中で行うことが理にかなうが、120℃以下で操作すれば、空気中であっても、酸化物の生成量は僅少であり問題にならない。空気中での乾燥では、乾燥温度は低ければ低いほど、酸化物の生成を抑制する点で有利になるが、乾燥温度が低すぎると、乾燥時間が著しく長くなるため、50℃程度以上とすることが好ましい。従って、乾燥時間は、乾燥温度、乾燥対象物の量等の条件に応じて適宜に選定すればよいが、通常は、1〜20時間程度が好ましい。
次いで、上記のルテニウムを担持した担体にアルカリ金属を担持する。アルカリ金属の担持には、沈殿法、イオン交換法、共沈法、混練法、含浸法等の通常の担持方法を適用できるが、含浸法が好ましい。アルカリ金属を触媒基準、金属換算で0.5〜10質量%、好ましくは2〜4質量%となるようにアルカリ金属化合物を含有する溶液を調整し、ルテニウム担持担体に浸透、吸収させる。
浸透時間は特に限定されないが、0.1〜30時間が好ましい。より好ましくは1〜30時間であり、通常、1〜5時間で実施する。0.1時間以上とすることにより、溶液を触媒の所望の部位に行き渡らせ、均一に浸透、吸収させる事ができる。30時間以内とすることで調製時間の短縮が図れる。また、上記範囲内では、浸透時間が長いほど、得られる触媒の活性が高い傾向にある。
その後、担体上に不溶・固定化した水酸化ルテニウムの酸化を抑制するために、乾燥を行う。ここでは120℃以下、好ましくは80℃以下で、減圧又は常圧下にて、乾燥することが好ましい。そうすることで本発明の所望の触媒を得ることができる。
乾燥は、ヘリウム、アルゴン等の希ガス、あるいは窒素等の不活性ガス気流中で行うことが理にかなうが、120℃以下で操作すれば、空気中であっても、酸化物の生成量は僅少であり問題にならない。空気中での乾燥では、乾燥温度は低ければ低いほど、酸化物の生成を抑制する点で有利になるが、乾燥温度が低すぎると、乾燥時間が著しく長くなるため、50℃程度以上とすることが好ましい。従って、乾燥時間は、乾燥温度、乾燥対象物の量等の条件に応じて適宜に選定すればよいが、通常は、1〜20時間程度が好ましい。また、アルカリ金属担持後は、焼成を行わない。
本発明の製造方法によって得られた本発明の水素製造用触媒は、水素製造反応に供す前に、担体に不溶・固定化された水酸化ルテニウムを還元して使用するのが好ましい。
水酸化ルテニウムは、60〜80℃程度の低い温度領域で金属ルテニウムまで還元されるが、極めて微粒子状の活性金属の場合、極一部の活性点が熱による変化を受けることも考えられる。本発明では、長期間安定した触媒性能を保持させるため、水素製造反応に供すまえに、400〜950℃、好ましくは400〜800℃の温度にて触媒を還元する。触媒の還元温度が上記範囲内であれば、ルテニウムの凝集やシンタリングによる金属表面積の減少が少なく、さらに、担体の細孔が閉塞することもなく、所望の触媒活性を維持できる。還元用ガスは、水素ガス、水素・水蒸気混合ガス、一酸化炭素等を用いることができる。中でも、水素ガスや水素・水蒸気混合ガスが好ましく、水素ガスが特に好ましい。還元時間は、還元温度、還元用ガスの通気量等の条件に応じて適宜選択すればよいが、1〜20時間程度が実用的である。
以上詳述した本発明の触媒の存在下で水素を製造する方法においては、原料として、硫黄含有量が0.1質量ppm以下、炭素数1以上、常圧における蒸留範囲が350℃以下の炭化水素が好適に用いられ、沸点範囲が30〜350℃にある留分が90質量%以上存在する炭化水素がより好ましく用いられ、特に灯油留分が好ましく用いることができる。このとき、反応圧力0〜5MPa−G、HO/C=2.5〜5とし、反応温度は特に限定されるものではないが、400〜800℃が適している。反応方式は、特に限定されるものではないが、固定床あるいは移動床反応装置を利用するバッチ式、半連続式、あるいは連続式操作が好ましい。
本発明の水素製造方法では、本発明の触媒を単独で使用してもよいし、本発明の触媒以外の触媒と併用してもよい。
以下の実施例において、生成ガス分析はステンレス(SUS)製管(内径3mm、長さ2m)に、60〜80メッシュの充填剤(Unibeads−C、GLサイエンス社製)を充填し、これを分離カラムとして取り付けた熱伝導型検出器(TCD)付きガスクロマトグラフ(GC−390、GLサイエンス製)にて、H、CO、CO、CHについて行った。
また、生成ガス中のC〜Cの分析は、Al/KClのキャピラリーカラムを分離カラムとして取り付けた水素炎イオン化検出器(FID)付きガスクロマトグラフ(GC−390、GLサイエンス製)にて行った。触媒の金属担持量は、誘導結合プラズマ発光分析(ICP分析)によって確認した。
触媒中心を通るように一方向にルテニウムの線分析測定は、電子プローブマイクロアナライザー(日本電子株式会社製EPMA、JXA―8200)を用いて測定した。測定条件は加速電圧15kV、照射電流1×10−7A、測定点間のインターバル12〜15μm、計数時間30msecで行った。測定触媒の断面は、触媒をMMA(methyl methacrylate)に包埋し、研磨装置を用いて研磨し、カーボン蒸着することにより作製した。
本発明の触媒の活性は、下記数式1から求めた「原料C転化率」によって評価した。原料C転化率が高いほど改質能力が高いことを示すため、触媒活性が高いと言える。
原料C転化率は、下記数式1から求めた。
〔数式1〕: 原料C転化率(%)=〔M/M〕×100
(M:単位時間当りの供給原料炭化水素の炭素モル数、M :単位時間当りの生成ガス中のC化合物(CO、CO、CH)の炭素モル数 )
実施例1
αアルミナ粉末(200メッシュ)を、打錠成型器(FK−1型、システムズエンジニアリング社製)を用いて、成形圧2000MPa(20トン/cm)で、直径3.2mmの球状(球状ペレット)に成形し、マッフル炉にて窒素中、950℃で3時間焼成し、α-アルミナ担体を得た。
塩化ルテニウム・水和物(RuCl・nHO、ルテニウム含量39質量%)1.81gを12.9gの水に溶解し、この水溶液を上記α-アルミナ担体30gに滴下し、室温で1時間静置した。続いて球状ペレットをロータリーエバポレーターにより、約2.7kPa(約20mmHg)程度の真空下、赤外線式ホットプレートで50℃に加熱して、乾燥した。
次いで、球状ペレットを7mol/Lアンモニア水約1L(市販試薬特級の約2倍希釈)中に移し、スターラーで1時間ゆっくり攪拌して、ルテニウムを不溶・固定化した。この球状ペレットを、ブフナー漏斗を用いてアンモニア水から回収した。回収した球状ペレットをイオン交換水で充分洗浄した。洗浄終了は、濾液の一部に硝酸銀水溶液を滴下し、塩化銀の白色沈殿が生じなくなる点とした。洗浄した球状ペレットは乾燥機中80℃で15時間乾燥した。次に水酸化カリウム1.57g(和光純薬製特級、純度85%)をイオン交換水14.1gに溶解し、ルテニウムを担持したアルミナ担体全量に滴下し、担体全体に水酸化カリウム水溶液が均一になるように攪拌後、1時間静置後、80℃にて乾燥し、触媒Aを得た。触媒Aは、ルテニウム1.9質量%(金属換算)、カリウム2.6質量%(金属換算)、残りアルミナからなる。触媒Aの物性を表1に示す。
反応器に触媒Aを2.5ml充填し、0.9MPa−G、450℃、GHSV=400(v/v)h-1で1時間、マスフローコントローラで流量調整した水素で還元した。続いて、この反応器に原料油として、表2記載の脱硫灯油を水蒸気と共に導入し、水蒸気改質反応を、反応温度650℃、0.9MPa−G、HO/C=3.0、LHSV=5(v/v)h-1の条件下で行った。反応結果を表1に示す。
実施例2
実施例1でカリウム浸透時間を3時間にすること以外は同様にして触媒Bを調製した。
実施例3
実施例1でカリウム浸透時間を24時間にすること以外は同様にして触媒Cを調製した。
比較例1
α−アルミナ粉末(200メッシュ)を、打錠成型器(FK−1型、システムズエンジニアリング社製)を用いて、成形圧2000MPa(20トン/cm)で、直径3.2mmの球状(球状ペレット)に成形し、マッフル炉にて空気中、900℃で3時間焼成し、α−アルミナ担体を得た。次に水酸化カリウム3.11gをイオン交換水16.5gに溶解し、30.0gの上記アルミナ担体に滴下し、担体全体に水酸化カリウム水溶液が均一になるように攪拌後、1時間静置後、乾燥した。次いで、マッフル炉にて空気中、950℃で3時間焼成し、α-アルミナ−酸化カリウム複合酸化物を得た。
三塩化ルテニウム・水和物(RuCl・nHO、ルテニウム含量39質量%)3.2gを12.8gの水に溶解し、この水溶液を上記のアルミナ−酸化カリウム複合酸化物30gに滴下し、室温で1時間静置した。続いて球状ペレットをロータリーエバポレーターにより、約2.7kPa(約20mmHg)程度の真空下、赤外線式ホットプレートで50℃に加熱して、乾燥した。
次いで、球状ペレットを7mol/Lアンモニア水約1L(市販試薬特級の約2倍希釈)中に移し、スターラーで1時間ゆっくり攪拌して、ルテニウムを不溶・固定化した。この球状ペレットを、ブフナー漏斗を用いてアンモニア水から回収した。回収した球状ペレットをイオン交換水で充分洗浄した。洗浄終了は、濾液の一部に硝酸銀水溶液を滴下し、塩化銀の白色沈殿が生じなくなる点とした。洗浄した球状ペレットは乾燥機中80℃で15時間乾燥し、触媒Dを得た。触媒Dは、ルテニウム2.0質量%(金属換算)、カリウム0.6質量%(金属換算)、残りアルミナからなる。触媒Dの物性を表1に示す。実施例1と同様に還元し、水蒸気改質反応を行った。反応結果を表1に示す。
Figure 0004777190
Figure 0004777190
実施例1〜3から明らかなように、本発明に係る触媒は、α-アルミナ担体に、ルテニウム、アルカリ金属の順に担持させ、金属担持後は焼成を行わずに製造し、ルテニウム及びアルカリ金属をそれぞれ0.5質量%から10質量%含むことで、ルテニウム金属を触媒内部まで担持している。そして、脱硫灯油など重質炭化水素を原料とした水蒸気改質反応においても、高い原料C転化率を得ることができる。
さらに、実施例1〜3を比較すると、カリウムの浸透時間が長いほど触媒の原料C転化率が高く、高活性な触媒であることが分かる。

Claims (3)

  1. α-アルミナを含有する無機酸化物担体上に、ルテニウムを触媒基準、金属換算で0.5〜10質量%、カリウムを触媒基準、金属換算で0.5〜10質量%含み、かつ、EPMA(エレクトロンプローブマイクロアナライザー)により、触媒断面の中心を通るように触媒外表面から他の外表面まで一方向にルテニウムについて線分析測定したとき、触媒外表面から中心までの長さをrとし、触媒外表面から0.5rまでの距離におけるルテニウムの特性X線強度の和が全ルテニウムの特性X線強度の和の30〜70%の範囲であり、触媒外表面から0.7rまでの距離におけるルテニウムの特性X線強度の和が全ルテニウムの特性X線強度の和の40〜80%の範囲であることを特徴とする、炭化水素からの水蒸気改質による水素製造用触媒。
  2. α-アルミナを含有する無機酸化物担体上に、ルテニウムを含む化合物を含有する溶液を用いて、ルテニウムを触媒基準、金属換算で0.5〜10質量%担持し、アルカリ処理を行い、その後少なくとも1種のカリウムを含む化合物を含有する溶液を用いて、カリウムを触媒基準、金属換算で0.5〜10質量%担持した後、乾燥させることを特徴とする請求項に記載の水蒸気改質による水素製造用触媒の製造方法。
  3. 請求項に記載の触媒の存在下に、沸点が30〜350℃の範囲にある留分が90質量%以上存在する炭化水素と水蒸気とを、反応温度400〜900℃、反応圧力0〜5MPa−G、HO/C(モル比)=2.5〜5.0の条件下で、反応させることを特徴とする水蒸気改質による水素製造方法。
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