JP4776506B2 - パワーユニットの速度センサ取付構造 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の動力軸ともに動力軸からの動力を変速する変速機を収納するクランクケースを備えるパワーユニットにおける速度センサの取付構造に関する。
内燃機関のクランク軸とクランク軸からの動力を変速する変速機とを収納するハウジングを備えるパワーユニットに速度センサを取り付けたものは、知られている(例えば特許文献1参照)。
特許第3802148号公報
同特許文献2に開示されたパワーユニットは、内燃機関のクランク軸の後方に変速機の中間軸(メイン軸)と出力軸(カウンタ軸)が前後に略水平に並んで配置され、中間軸の上方にはバランサ軸が配置されている。
速度センサは、中間軸に軸支された位置固定式ギヤに検出部を近接させて中間軸の回転速度を検出している。
パワーユニットのハウジング上部に取り付けられた速度センサは、ハウジングの上面からバランサ軸と出力軸との間を通って中間軸の位置固定式ギヤの近傍に達しており、相当長尺の形状をして大型化している。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とする処は、パワーユニットに取り付けられる速度センサを短尺で小型のものとすることができるパワーユニットの速度センサ取付構造を供する点にある。
請求項1記載の発明は、内燃機関の動力軸とともに前記動力軸からの動力を変速する変速機を収納するクランクケースを備えるパワーユニットにおいて、左右の駆動輪への動力伝達を行うディファレンシャル装置が前記クランクケースの後部に収納され、前記変速機の出力軸の動力により駆動される中間軸に軸支された中間アイドルギヤが、前記ディファレンシャル装置の差動入力ギヤの上方にあって同差動入力ギヤと噛合され、前記中間アイドルギヤの回転速度を検出する速度センサが同中間アイドルギヤの上方からクランクケースに取り付けられるパワーユニットの速度センサ取付構造とした。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のパワーユニットの速度センサ取付構造において、前記変速機の変速ギヤ群が配設される入力軸と前記出力軸が前後略同じ高さに配置され、前記変速ギヤ群の上方にリバースギヤが配置され、前記変速機の出力軸の後方略同じ高さに前記中間軸が配置され、前記リバースギヤの後方で前記中間アイドルギヤの上方の空間に前記速度センサが位置して前記クランクケースに取り付けられることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載のパワーユニットの速度センサ取付構造において、前記中間軸の動力は、カム式トルクダンパーを介して前記中間アイドルギヤに伝達されることを特徴とする。
請求項1記載のパワーユニットの速度センサ取付構造によれば、ディファレンシャル装置が前記クランクケースの後部に収納され、変速機の出力軸の動力により駆動される中間軸に軸支された中間アイドルギヤが、ディファレンシャル装置の差動入力ギヤの上方にあって同差動入力ギヤと噛合され、中間アイドルギヤの回転速度を検出する速度センサが同中間アイドルギヤの上方からクランクケースに取り付けられるので、中間アイドルギヤの上方を覆うクランクケースに速度センサは取り付けられ、よって速度センサは短尺に構成可能で小型化が図れる。
請求項2記載のパワーユニットの速度センサ取付構造によれば、速度センサはリバースギヤの後方で中間アイドルギヤの上方の空間に位置してクランクケースに取り付けられるので、速度センサの前方にはリバースギヤ、下方にはアイドルギヤが配置されて飛石などの異物から速度センサは容易に保護される。
請求項3記載のパワーユニットの速度センサ取付構造によれば、駆動軸の動力は、カム式トルクダンパを介して中間アイドルギヤに伝達されるので、カム式トルクダンパより下流の駆動輪側の中間アイドルギヤの回転速度を速度センサが検出するため、速度センサは車両の速度を正確に演算可能である。
以下、本発明の実施形態を図1〜図4を参照して説明する。
図1〜図3を参照すると、本発明が適用された車両としての小型4輪車に搭載されるパワーユニットPは、エンジンとしての内燃機関Eと、変速機としての常時噛合い式のギヤ式変速機Mと、該変速機Mに対して内燃機関Eが発生する動力の伝達および遮断を行う湿式の摩擦式クラッチCと、変速機Mからの動力が伝達される終減速装置Rとを備える。変速機MとクラッチCと終減速装置Rとは、内燃機関Eの動力を駆動輪としての後輪に伝達する動力伝達装置を構成する。
クランク軸6の回転中心線L1が車幅方向を指向する横置き配置で車体に搭載される内燃機関Eは、水冷式で単気筒4ストローク内燃機関であり、シリンダ軸線Lcがクランク軸6から前方に向かってほぼ水平で僅かに斜め上方に指向するように前傾したシリンダ1と、シリンダ1の前端部に結合されるシリンダヘッド2と、シリンダ1の後端部に結合されるクランクケース3とから構成される機関本体を備える。
なお、実施形態において、前後、上下および左右は、車両を基準としたときの前後、上下および左右をそれぞれ意味する。
シリンダ1に往復動可能に嵌合するピストン4は、コンロッド5を介してクランク軸6に連結される。
内燃機関Eのクランク軸6が収納されるクランク室7を形成する動力ケースとしてのクランクケース3は、シリンダ軸線Lcを含むと共に回転中心線L1に直交する平面を合わせ面として、軸方向に二分される2つのケース半体3a,3b、ここでは左ケース半体3aと右ケース半体3bとが結合されて構成される。
そして、クランク軸6は、そのジャーナル部6cにおいて、左ケース半体3aおよび右ケース半体3bにそれぞれ保持される1対の主軸受8a,8bを介して、クランクケース3に回転可能に支持される。
シリンダヘッド2には、シリンダ軸線方向でピストン4に対向する燃焼室10と、燃焼室10に開口する吸気ポート11および排気ポート12とが形成され、さらに吸気ポート11および排気ポート12をそれぞれ開閉する吸気弁13および排気弁14と、燃焼室10に臨む点火栓15とが設けられる。
吸気弁13および排気弁14は、シリンダヘッド2に回転可能に支持されるカム軸16aにより駆動されるロッカアーム16bを備える頭上カム軸型の動弁装置16によりクランク軸6の回転に同期して開閉駆動される。
そのために、カム軸16aは、クランク軸6の左延出軸部6aに設けられる駆動スプロケット17aと、カム軸16aの左軸端部に設けられるカムスプロケット17bと、それらスプロケット17a,17bに掛け渡されるタイミングチェーン17cとから構成される動弁用伝動機構17により、クランク軸6の1/2の回転速度で回転駆動される。
スロットル弁18aを有する吸気装置18からの吸入空気に燃料噴射弁19からの燃料が供給されて形成された混合気は、吸気ポート11を通って吸気弁13の開弁時に燃焼室10に流入し、点火栓15により点火されて燃焼する。
燃焼室10内の燃焼ガスの圧力により駆動されて往復運動するピストン4がクランク軸6を回転駆動する。
燃焼ガスは、排気ガスとして排気弁14の開弁時に排気ポート12に流出し、さらに排気装置を通じて外部に排出される。
左ケース半体3aには、その開口部を左方から覆う左カバー20が結合され、左ケース半体3aおよび左カバー20により左収納室22が形成される。
左収納室22内で、クランク室7から左方に突出するクランク軸6の左延出軸部6aには、左軸端部から順次、交流発電機24と、クランクケース3に取り付けられたスタータモータ25の回転をクランク軸6に伝達する始動用減速機構を構成する始動用被動ギヤ9と、駆動スプロケット17aとが設けられる。
右ケース半体3bには、その開口部を右方から覆う右カバー21が結合され、右ケース半体3bおよび右カバー21によりクラッチCおよびトルクコンバータ26が収納される右収納室であるクラッチ室23が形成される。
クラッチ室23内で、クランク室7から右方に突出するクランク軸6の右延出軸部6bには、右軸端部から順次、トルクコンバータ26と、1次減速機構27とが設けられる。そして、クランクケース3、両カバー20,21および後述するギヤカバー77は、パワーユニットPのハウジングを構成する。
クランク軸6の動力は、トルクコンバータ26および1次減速機構27を介してクラッチCに伝達され、さらにクラッチCから変速機Mの入力軸としてのメイン軸51に伝達される。
そして、変速機Mの出力軸であるカウンタ軸52は、変速切換機構55により選択された変速段の変速比で、メイン軸51により回転駆動される。
カウンタ軸52からの動力は、ディファレンシャル装置80を備える終減速装置Rで減速された後、後輪に伝達される。
1次減速機構27は、右延出軸部6bに相対回転可能に支持されると共にトルクコンバータ26の出力部に一体回転可能に結合された駆動ギヤ28と、メイン軸51に回転可能に支持されると共に駆動ギヤ28に噛合する被動ギヤ29とから構成される。
変速機Mが収納されるミッション室57を含むクランク室7からのオイルおよびトルクコンバータ26からのオイルによるオイル雰囲気で充満しているクラッチ室23内に配置されたクラッチCは、ミッション室57からクラッチ室23内に突出したメイン軸51の軸端部に設けられる。
多板式クラッチCは、被動ギヤ29に一体回転可能に結合されたクラッチアウタ31と、交互に積層されて互いに摩擦係合可能な入力側クラッチ板33および出力側クラッチ板34を介して伝達されるクラッチアウタ31からの動力をメイン軸51に伝達するクラッチインナ32と、クラッチ板33およびクラッチ板34を接離させるプレッシャプレート35とを備える。
プレッシャプレート35は、クラッチアーム39aおよびカム機構を備えるリレーズ機構39により操作されて軸方向に移動し、クラッチスプリング35aの弾発力による両クラッチ板33,34の押圧および押圧解除を行って、クラッチCの断続状態を制御する。
図1,図3,図4を参照すると、変速機Mは、左ケース半体3aおよび右ケース半体3bに回転可能に支持されると共に回転中心線L1に平行な回転中心線L2,L3をそれぞれ有するメイン軸51およびカウンタ軸52と、左ケース半体3aおよび右ケース半体3bに両端部で保持されると共に回転中心線L1に平行な中心軸線L4を有するリバース軸53と、変速段を設定する変速ギヤ列G1〜G3,GRと、運転者の所望の走行変速比での変速を実現するために特定の変速段を選択する変速切換機構55とを備える。
したがって、変速機Mにおいて、メイン軸51、カウンタ軸52およびリバース軸53は、クランク軸6に平行に配置されて、ミッションケース56に支持される。
メイン軸51とカウンタ軸52は、前後に略同じ高さ(若干メイン軸51の方が高い)に位置し、リバース軸53はカウンタ軸52の上方にメイン軸51よりさらに高い位置に配置されている。
クランクケース3に一体成形されてその一部であるミッションケース56は、クランクケース3において、シリンダ1が結合される前端部を有すると共にクランク軸6が収納される前部(各ケース半体3a,3bの前部3a1,3b1により構成される。)と後述するギヤケース91を形成する後部(各ケース半体3a,3bの後部3a3,3b3により構成される。)との間に位置する中間部(各ケース半体3a,3bの中間部3a2,3b2により構成される。)により構成される。
図4を参照すると、クランク室7の一部である中間部により構成されるミッション室57に収納される変速要素群としての変速ギヤ群54は、複数の変速段をそれぞれ設定する変速ギヤ列G1〜G3,GRを形成する。
変速ギヤ群54は、メイン軸51に設けられる駆動変速ギヤ群54aを構成する複数である所定数の駆動ギヤ41〜44と、カウンタ軸52に設けられる被動変速ギヤ群54bを構成する前記所定数の被動ギヤ46〜49と、リバース軸53に設けられる減速ギヤとしてのリバースギヤ45とから構成される。
1速ギヤ列G1は、メイン軸51に常時一体回転可能に設けられる駆動ギヤ41と、駆動ギヤ41に噛合すると共にカウンタ軸52に相対回転可能に設けられる被動ギヤ46とからなる。
2速ギヤ列G2は、メイン軸51に常時一体回転可能に設けられる駆動ギヤ42と、駆動ギヤ42に噛合すると共にカウンタ軸52に相対回転可能に設けられる被動ギヤ47とからなる。
3速ギヤ列G3は、メイン軸51に相対回転可能に設けられる駆動ギヤ43と、駆動ギヤ43に噛合すると共にカウンタ軸52に常時一体回転可能に設けられる被動ギヤ48とからなる。
また、後進変速段を設定する後進用ギヤ列GRは、メイン軸51に相対回転可能に設けられる駆動ギヤ44と、カウンタ軸52に常時一体回転可能に設けられる被動ギヤ49と、駆動ギヤ44に噛合すると共にリバース軸53に相対回転可能に設けられる第1リバースアイドルギヤ45aおよび被動ギヤ49に噛合すると共に第1リバースアイドルギヤ45aと一体成形されて一体に回転する第2リバースアイドルギヤ45bとからなる。
図2を併せて参照すると、変速切換機構55は、変速段を選択するために変速ギヤ列G1〜G3,GRをメイン軸51またはカウンタ軸52と一体回転可能な連結状態または相対回転可能な非連結状態にするためにメイン軸51上またはカウンタ軸52上で軸方向に移動可能な複数の、ここでは2つ第1,第2シフタ61,62と、各シフタ61,62を移動させるシフトフォーク63,64と、各シフトフォーク63,64を介して各シフタ61,62を移動させるカム溝65a,65bが外周面に設けられたシフトドラム65と、シフトスピンドル66aの回転に応動するチェンジアーム66bおよびシフトドラム65の複数の送りピン65cに係合してシフトドラム65を回転させるシフタプレート66cを備えてシフトドラム65を間欠的に回転させる間欠送り機構66とを備える。
被動ギヤ48により構成されるシフタ61は、カウンタ軸52上で移動可能であると共に第1シフトフォーク63が係合する1速−2速切換用のシフタであり、駆動ギヤ42により構成されるシフタ62は、メイン軸51上で移動可能であると共に第2シフトフォーク64が係合する3速−後進切換用のシフタである。
シフタ61が、被動ギヤ46に係合すると1速ギヤ列G1(1速変速段)が確立し、被動ギヤ47に係合すると2速ギヤ列G2(2速変速段)が確立する。一方、シフタ62が駆動ギヤ43に係合すると3速ギヤ列G3(3速変速段)が確立し、駆動ギヤ44に係合すると、車両の後進時のギヤ列である後進用ギヤ列GRが確立する。
また、各シフタ61,62が、被動ギヤ46,47または駆動ギヤ43,44と係合しない中立位置を占めるときは、変速機Mが中立状態になる。
図3を参照すると、変速機Mの入力軸であるメイン軸51の回転中心線L2と出力軸であるカウンタ軸52の回転中心線L3とは、前後に略同じ高さで、若干メイン軸51が高い。
また、後進用ギヤ列GRを構成する後進用駆動ギヤである駆動ギヤ44(図4参照)と後進用被動ギヤである被動ギヤ49(図4参照)との間に介在するリバースギヤ45(図4参照)は、両ギヤ44,49より上に配置され、変速切換機構55のシフトドラム65および間欠送り機構66は、両ギヤ44,49より下に配置される。
図1〜図3を参照すると、カウンタ軸52において、ミッション室57から左方に突出する左軸端部には、左ケース半体3aおよび右ケース半体3bに回転可能に軸支された中間軸70を駆動する出力用駆動ギヤ71が設けられる。
駆動ギヤ71は中間軸70の左軸端部に嵌着された出力用被動ギヤ72と噛合する。
駆動ギヤ71および被動ギヤ72は、それらギヤ71,72を左方から覆って左ケース半体3aに結合されるギヤカバー77と左ケース半体3aとにより形成される収納室78に収納される。
中間軸70には、中間アイドルギヤ73が相対回転自在に軸支されるとともに、カム式トルクダンパ95が設けられている。
中間軸70の中間アイドルギヤ73より右側には左右軸方向に摺動自在にスライド部材96がスプライン嵌合されており、同スライド部材96の右方にはリテーナ97が嵌着され、スライド部材96とリテーナ97との間に圧縮スプリング98が介装されてスライド部材96は左方の中間アイドルギヤ73に向けて付勢されている。
中間アイドルギヤ73とスライド部材96との間にカム機構99が構成されている。
以上のように、カム式トルクダンパ95が構成されているので、中間軸70の動力は、このカム式トルクダンパ95を介して中間アイドルギヤ73に伝達される。
中間アイドルギヤ73は、ディファレンシャル装置80の差動入力ギヤ74と噛合して減速ギヤ機構75を構成している。
したがって、変速機Mの出力軸であるカウンタ軸52の動力は、出力用駆動ギヤ71と出力用被動ギヤ72の噛合を介して中間軸70に伝達され、同中間軸70の動力は、カム式トルクダンパ95および減速ギヤ機構75(中間アイドルギヤ73と差動入力ギヤ74の噛合)を介してディファレンシャル装置80に伝達される。
終減速装置Rは、中間軸70に設けられてファイナル駆動ギヤとしての中間アイドルギヤ73およびファイナル被動ギヤとしての差動入力ギヤ74から構成される減速ギヤ機構75と、差動入力ギヤ74により回転駆動されるディファレンシャル装置80とを備える。
減速ギヤ機構75およびディファレンシャル装置80は、ミッション室57の後方にミッション室57から独立して形成されたギヤ室92に収納される。
ギヤ室92は、ミッションケース56の後方で、各ケース半体3a,3bの後部3a3,3b3により構成されるギヤケース91により形成される。
それゆえ、ギヤケース91はクランクケース3に一体成形される。
そして、ミッション室57を含むクランク室7とギヤ室92とは、両ケース半体3a,3bの一部で形成される共通の隔壁3cにより仕切られている。
また、ギヤ室68には、内燃機関Eおよび変速機Mなどの潤滑箇所を潤滑するためにクランク室7に貯留されるオイルとは別に、終減速装置Rの潤滑箇所を潤滑するオイルが貯留される。
そして、ギヤ室92内のオイルは、内燃機関Eの始動により発生する熱により加熱されたクランク室7を形成する壁(前部3a1,3a2および後部3b1,3b2により構成される。)および隔壁3cからの伝熱により暖められる。
ディファレンシャル装置80は、差動入力ギヤ74が一体に設けられたディファレンシャルケース81と、ディファレンシャルケース81に固定されたピニオンシャフト82と、ピニオンシャフト82に回転可能に支持されたディファレンシャルピニオン83と、左右の車軸85にそれぞれ結合されるディファレンシャルサイドギヤ84とを備える。
ディファレンシャルサイドギヤ84および両車軸85は同一の回転中心線L6を有し、該回転中心線L6および中間軸70の回転中心線L5は回転中心線L1に平行である。
以上のディファレンシャル装置80の差動入力ギヤ74の上に中間アイドルギヤ73が噛合しており、同中間アイドルギヤ73は、変速機Mの出力軸であるカウンタ軸52の後方に略同じ高さで位置している。
カウンタ軸52の上方にはリバース軸53が配置されているので、カウンタ軸52の後方の中間軸70に軸支された中間アイドルギヤ73とカウンタ軸52の上方のリバース軸53に軸支されたリバースギヤ45の上方を覆うクランクケース3の上壁は、カウンタ軸52に向けて凹んだ凹部3dが形成されている。
中間アイドルギヤ73を上から覆うクランクケース3の左側後部ケース半体3a3の上壁3uには、取付孔3uhが穿設されて、速度センサ100が上方から中間アイドルギヤ73に向けて取付孔3uhに嵌入し取り付けられ、クランクケース3の上壁の凹部3dに配設される。
速度センサ100は、磁気センサで中間アイドルギヤ73の回転により中間アイドルギヤ73の歯先が通過するときの磁束変化を電気信号に変換して回転速度を検出するもので、中間アイドルギヤ73の回転速度は、駆動輪の平均回転速度に比例しているので、中間アイドルギヤ73の回転速度をもとに車速を演算することができる。
この速度センサ100が取り付けられる左側後部ケース半体3a3の上壁3uは中間アイドルギヤ73に沿って形成されているので、同上壁3uの取付孔3ahに上方から嵌着された速度センサ100は、その検出部100aを中間アイドルギヤ73に近接させても、全体を短尺に構成することができ小型化することができる。
速度センサ100は、動力伝達の流れでカム式トルクダンパ95より下流の駆動輪側の中間アイドルギヤ73の回転速度を検出するので、その回転速度から車両の速度を正確に演算可能である。
速度センサ100は、クランクケース3の上壁の凹部3dに配設され、速度センサ100の前方にはリバースギヤ45が配置され、下方には中間アイドルギヤ73が配置されて、それぞれクランクケース3の壁があるので、飛石などの異物から速度センサ100は容易に保護される。
本発明が適用された車両のパワーユニットの、図3の概ねI−I線断面図である。 図1のパワーユニットにおいて、右カバーを外したときの右側面図である。 図1のパワーユニットにおいて、クランクケースの右ケース半体を外したときの、一部を断面で示す右側面図である。 図3の概ねIV−IV線断面図である。
符号の説明
3…クランクケース、45…リバースギヤ、51…メイン軸、52…カウンタ軸、53…リバース軸、54…変速ギヤ群、55…変速切換機構、70…中間軸、73…中間アイドルギヤ、74…差動入力ギヤ、80…ディファレンシャル装置、81…ディファレンシャルケース、95…カム式トルクダンパ、91…ギヤケース、100…速度センサ、
P…パワーユニット、E…内燃機関、M…変速機、L1〜L3,L5,L6…回転中心線、H0…特定平面、H1…第1平面、G1〜G3,GR…変速ギヤ列。

Claims (3)

  1. 内燃機関の動力軸とともに前記動力軸からの動力を変速する変速機を収納するクランクケースを備えるパワーユニットにおいて、
    左右の駆動輪への動力伝達を行うディファレンシャル装置が前記クランクケースの後部に収納され、
    前記変速機の出力軸の動力により駆動される中間軸に軸支された中間アイドルギヤが、前記ディファレンシャル装置の差動入力ギヤの上方にあって同差動入力ギヤと噛合され、
    前記中間アイドルギヤの回転速度を検出する速度センサが同中間アイドルギヤの上方からクランクケースに取り付けられることを特徴とするパワーユニットの速度センサ取付構造
  2. 前記変速機の変速ギヤ群が配設される入力軸と前記出力軸が前後略同じ高さに配置され、
    前記変速ギヤ群の上方にリバースギヤが配置され、
    前記変速機の出力軸の後方略同じ高さに前記中間軸が配置され、
    前記リバースギヤの後方で前記中間アイドルギヤの上方の空間に前記速度センサが位置して前記クランクケースに取り付けられることを特徴とする請求項1記載のパワーユニットの速度センサ取付構造。
  3. 前記中間軸の動力は、カム式トルクダンパを介して前記中間アイドルギヤに伝達されることを特徴とする請求項1または請求項2記載のパワーユニットの速度センサ取付構造。
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