JP4776384B2 - 指紋画像生成装置 - Google Patents
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Description
図2は、本発明を適用した第1の実施形態である指紋画像生成装置1の機能ブロック図である。図2に示すように、指紋画像生成装置1は、画像入出力部11及び画像生成部12を有する。そして、指紋画像生成装置1は、画像入出力部11から多値指紋画像を受け取る。そして、受け取った指紋画像は画像生成部12に送られる。画像生成部12は、受け取った多値指紋画像に基づいて二値指紋画像を生成する。そして生成された二値指紋画像は、画像入出力部11を通じて、外部の機器又は磁気ディスクなどの記録媒体に出力される。
なお本実施形態では、一例として、多値指紋画像は横200画素×縦240画素の大きさを有する。そして多値指紋画像の各画素は0−255の256階調で表され、指紋の隆線領域は画素値が低く(若しくは黒く)、指紋の谷線領域は画素値が高く(若しくは白く)表現されるものとする。ここでいう画素値とは、画像上の各画素における輝度値に相当し、画素値が低い画素は低輝度、画素値が高い画素は高輝度で表される。
図3(b)に示すように、谷線領域300は、相対的に高い画素値を有する。一方、隆線領域310は、相対的に低い画素値を有する。また汗腺孔領域320は、隆線領域310内に含まれ、隆線領域310の他の部分と比較して高い画素値を有する。そのため、例えば、二値化閾値を指紋画像全体の平均画素値とすると、汗腺孔領域320は、二値化閾値よりも高い画素値を有する場合がある。そのため、この二値化閾値を用いて谷線領域と隆線領域に二値化すると、汗腺孔領域320を誤って谷線領域としてしまう可能性がある。一方、二値化閾値を不用意に高い画素値に設定すると、今度は谷線領域300の一部を隆線領域としてしまう問題が生じる。
画像入出力部11は、指紋画像生成装置1と外部機器とを接続するインターフェースであり、イーサネット(登録商標)、USB、SCSI、RS−232Cなどの規格に準拠した通信ポート、電子回路及びドライバソフトウェアなどで構成される。そして画像入出力部11は、外部機器より送られてきた多値指紋画像Mをデジタルデータとして取得し、画像生成部12に渡す。また、画像生成部12で生成された二値指紋画像Bを外部機器又は磁気記録媒体などに出力する。
以下それぞれの手段について説明する。
図4及び図5を用いて、局所領域LAが隆線候補領域に相当するか否かの判定の原理を説明する。図4(a)は、多値指紋画像Mの汗腺孔領域の画素を着目画素Cとして局所領域LAを設定した場合の様子を示す。また図4(b)は、図4(a)のB−B’における局所領域LAの画素値プロファイルの概略を示す。図4(b)のグラフの横軸は位置座標を表し、縦軸は画素値を表す。同様に、図5(a)は、多値指紋画像Mの谷線領域の画素を着目画素Cとした局所領域LAを設定した場合の様子を示す。また図5(b)は、図5(a)のC−C’における局所領域LAの画素値プロファイルの概略を示す。図5(b)のグラフの横軸は位置座標を表し、縦軸は画素値を表す。
一方、差分値IDが負の場合、すなわち局所領域LA内の平均画素値ILの方が、指紋領域全体の平均画素値IAより高い場合、図5(b)に示すように、局所領域LAは谷線領域300に設定されている可能性が高いと考えられる。そのため、隆線候補領域判定手段15は、局所領域LAを隆線候補領域ではない(谷線候補領域)と判定する。
まず、隆線候補領域判定手段15が局所領域LAが隆線候補領域であると判定した場合、閾値設定手段16は、以下のように二値化閾値ThdBINを設定する。
ThdBIN = IA+ID (1)
(1)式より、差分値IDが正の場合、すなわち、指紋全体領域の平均画素値IAよりも局所領域LAの平均画素値ILの方が低い場合は、図4(b)に示すように、汗腺孔領域320に含まれる画素の画素値よりも高くなるように、二値化閾値ThdBINは指紋全体領域の平均画素値IAよりも高めに設定される。特に、IDが大きいほど、すなわち、局所領域LAの平均画素値ILが低いほど、局所領域LAは隆線領域310に相当する可能性が高いので、二値化閾値ThdBINもより高い値に設定される。
また、閾値設定手段16は、差分値IDが負の場合、すなわち、指紋全体領域の平均画素値IAよりも局所領域LAの平均画素値ILの方が高い場合にも、(1)式にしたがって二値化閾値ThdBINを設定してもよい。この場合ID<0であるため、二値化閾値ThdBINは平均画素値IAよりも低く設定される。したがって、ノイズなどによって着目画素Cの値が理想的な場合よりも低い画素値を有する場合であっても、正しく谷線領域300に区分することができる。
IC≧ThdBINの場合、BC=255
IC<ThdBINの場合、BC=0
ここで、二値指紋画像Bにおいては、画素値‘255’を谷線画素値とし、‘0’を隆線画素値とする。つまり、画素値BCが‘255’であることは、その画素が谷線画素であることを示す。一方、画素値BCが‘0’であることは、その画素が隆線画素であることを示す。
なお、画素値BCは、‘0’と‘255’の組み合わせに限られず、二値指紋画像Bを表現するデータ形式で扱うことが可能な任意の二つの異なる値、例えば‘0’と‘1’を使用することができる。
また、隆線候補領域判定手段15が、局所領域LAが隆線候補領域か否かを判定する手順は上記に限られない。例えば、隆線候補領域判定手段15は、指紋画像の全体領域の平均画素値IAと局所領域LAの平均画素値ILの比IR(=IA/IL)を判定基準として用いてもよい。この場合、隆線候補領域判定手段15は、IR>1であれば局所領域LAを隆線候補領域と判定する。一方、IR≦1であれば、隆線候補領域判定手段15は、局所領域LAを隆線候補領域ではないと判定する。
また、二値化閾値ThdBINは、上記のものに限られない。例えば、(1)式の代わりに、以下の式を使用することができる。
ThdBIN = IA+ID・Cr (2)
ここでCrは定数であり、例えば0.8〜1.5といった値を使用することができる。このように、差分値IDに一定の定数を乗じることにより、谷線領域300に含まれる画素を誤って隆線領域310としてしまう危険性を低下させたり(Cr<1の場合)、逆に汗腺孔領域を誤って谷線領域300としてしまう危険性を低下させることができる(Cr>1の場合)。なお、Crの値は、指紋画像領域中の相対的な位置によって経験的に変化させてもよい。さらに二値化閾値ThdBINは、IDが正の場合、予め定めた所定値CA(ただしCA>0)をIAに加えるようにしてもよい。
さらに、上記では、着目画素C毎に局所領域LAを設定し、隆線候補領域か否か判定した上で二値化閾値ThdBINを算出していたが、一度局所領域LAを設定し、二値化閾値ThdBINを算出すると、局所領域LA内の複数の画素に対してその二値化閾値ThdBINを用いるようにしてもよい。このようにすることで、平均画素値ILの算出回数を減らせるため、二値化指紋画像Bの生成に要する時間を短縮することができる。
図6及び図7は、指紋画像生成装置1の二値指紋画像Bの生成についての動作フローチャートである。そして、指紋画像生成装置1は、画像生成部12内のCPUがプログラムにしたがって制御することにより、以下に説明する動作を実行する。
図8は、本発明を適用した第2の実施形態である指紋認証装置2の機能ブロック図である。図8に示すように、指紋認証装置2は、操作・表示部21、指紋入力部22、記憶部23、処理部24及び出力部32を有する。そして、指紋認証装置2は、操作・表示部21において指紋認証を行う操作者に対する操作ガイダンス及び情報の表示を行い、そのガイダンスにしたがって指紋入力部22に置かれた指から入力指紋を読み取って多値指紋画像Mを生成する。そして、生成した多値指紋画像Mは処理部24に送られる。処理部24は、受け取った多値指紋画像Mに対してムラ補正を行い、そのムラ補正済みの多値指紋画像Mに基づいて二値指紋画像を生成し、さらに二値指紋画像の細線化を行う。なお、二値指紋画像の生成については、上記の指紋画像生成装置1の画像生成部12と同様の処理を行う。
操作・表示部21は、指紋認証装置2の操作者、すなわち被照合者が、識別番号INの入力、行いたい動作の選択(例えば、特定の部屋への入室)などの操作を行うものである。また操作・表示部21は、操作のガイダンスを表示又は音声指示するものであり、タッチパネルディスプレイとスピーカで構成される。また、タッチパネルの代わりに、キーボード又はマウスのような入力デバイスと液晶ディスプレイのような単純な表示デバイスで構成してもよい。なお、ガイダンスの音声指示を行わない場合には、スピーカを省略してもよい。
操作・表示部21で入力された識別番号INなどのデータは、処理部24で呼び出す登録指紋データの特定などに使用される。
制御部25は、記憶部23から読み込まれたプログラム及び操作・表示部21からの入力信号にしたがって、操作・表示部21、指紋入力部22、記憶部23及び出力部32の各部の制御、指紋画像など各種データの受け渡しなどを行う。また、制御部25は、処理部24内の画像補正部26、特徴抽出部30及び照合部31による処理を制御する。
例えば、ムラ補正部27は、多値指紋画像Mを32×32画素程度の部分領域に分割し、各部分領域について平均画素値及び画素値の分散を算出する。そして、ムラ補正部27は、その平均画素値及び画素値の分散が、多値指紋画像M全体の平均画素値及び画素値の分散と略等しくなるように画素値を変換する(画像解析ハンドブックp.478、高木幹雄、東京大学出版を参照)。
なお以下では、説明の便宜上、二値指紋画像B及び細線化二値指紋画像BTにおける隆線画素の値を‘0’、谷線画素の値を‘255’で表す。
図9において、黒く示された部分は細線化された隆線領域を表す。また、図9において、隆線領域の終端となっている部分900及び910が、隆線の端点であり、隆線が1本から2本に分岐している部分920が分岐点である。これらの特徴点の位置、数は、個人毎に異なるため、指紋の照合を行うための非常に有益な情報となる。
なお、抽出する特徴量は、上記のものに限られない。例えば、各特徴点間の位置関係、隣接する特徴点間の間に存在する隆線又は谷線の本数などを特徴量として抽出してもよい。
特徴抽出部30は、上記のように一つの細線化二値指紋画像BTから抽出した特徴点のそれぞれについて、その特徴点の情報を予め定められた形式にしたがってリストとして作成する。
出力部32は、処理部24の照合結果を示す信号などを外部機器に出力する。
図10は、指紋認証装置2における、指紋認証の動作を示すフローチャートである。なお、以下に説明する指紋認証装置2の動作は、処理部24に読み込まれたプログラムにしたがって、処理部24の制御部25により実行される。
以上のように、本発明の範囲内で、実施される形態に合わせて様々な変更を行うことができる。
11 画像入出力部
12 画像生成部
13 基準値設定手段
14 局所領域設定手段
15 隆線候補領域判定手段
16 閾値設定手段
17 二値化手段
2 指紋認証装置
21 操作・表示部
22 指紋入力部
23 記憶部
24 処理部
25 制御部
26 画像補正部
27 ムラ補正部
28 指紋二値化部
29 細線化部
30 特徴抽出部
31 照合部
32 出力部
100 隆線領域
110 谷線領域
120、130 汗腺孔領域
140 隆線領域
150、160 擬似特徴点
300 谷線領域
310 隆線領域
320 汗腺孔領域
900、910 特徴点(端点)
920 特徴点(分岐点)
Claims (7)
- 指紋の凹凸が多値で表された多値指紋画像から隆線領域を表す隆線画素値と谷線領域を表す谷線画素値との二値で表された二値指紋画像を生成する指紋画像生成装置であって、
前記多値指紋画像の全体領域内に局所領域を設定する局所領域設定手段と、
前記局所領域に含まれる画素の値の平均画素値または中央値である局所代表値と前記隆線領域を判別するために前記全体領域に対して設定された基準値とを比較して、前記局所領域が、前記局所代表値が前記基準値よりも前記多値指紋画像における隆線の画素値に近い隆線候補領域であるか否かを判定する隆線候補領域判定手段と、
前記隆線候補領域と判定された局所領域に対する第1の二値化閾値を、前記隆線候補領域でないと判定された局所領域に対する第2の二値化閾値よりも前記多値指紋画像における谷線の画素値に近い値に設定する閾値設定手段と、
前記局所領域に含まれる画素を前記第1又は第2の二値化閾値にて二値化する二値化手段と、
を備えることを特徴とする指紋画像生成装置。 - 前記局所領域設定手段は、前記多値指紋画像の着目画素を含む所定範囲を該着目画素に対する局所領域として設定する、請求項1に記載の指紋画像生成装置。
- 前記基準値は、前記多値指紋画像の全体領域の平均画素値である、請求項1または2に記載の指紋画像生成装置。
- 前記閾値設定手段は、前記第1の二値化閾値を、前記基準値よりも前記多値指紋画像における谷線の画素値に近い値に設定する、請求項1〜3の何れか一項に記載の指紋画像生成装置。
- 前記多値指紋画像は、指紋の凹部を高画素値、凸部を低画素値で表現するものであり、前記閾値設定手段は、前記第1の二値化閾値を前記基準値より高画素値に設定する、請求項4に記載の指紋画像生成装置。
- 前記閾値設定手段は、前記隆線候補領域と判定された局所領域の局所代表値が前記基準値より低いほど、前記第1の二値化閾値を高画素値に設定する、請求項5に記載の指紋画像生成装置。
- 前記閾値設定手段は、前記基準値と前記局所代表値との差分値を求め、該差分値と該基準値とを加算した値を前記第1の二値化閾値に設定する、請求項5に記載の指紋画像生成装置。
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