JP4775769B2 - 定流量弁 - Google Patents
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Description
このような従来の定流量弁としては、例えば、特許文献1に記載されているように、円筒状に延びる定流量弁本体内に固定された固定弁体に対し、複数の可動弁体が直列に配置され、各可動弁体の開閉については、各可動弁体に取り付けられたばね定数が異なるコイルばねの弾性力によって調整されるようになっているものが知られている。
しかしながら、特許文献1に記載されている従来の定流量弁においては、複数の可動弁体が定流量弁本体内の長手方向に沿って直列に配置されているため、作動スペースを要し、狭く限られたスペースで使用することが難しく、定流量弁の小型化を妨げる要因となっている。したがって、定流量弁の小型化が従来から課題となっている。
また、特許文献2に記載されているように、円すいコイルばねを用い、このばねの非線形ばね特性を利用した定流量弁も知られているが、この定流量弁に用いられている円すいコイルばねは、製造上、高い寸法精度と形状精度が要求されるため、歩留りが悪く、製造コストが高くなってしまう。したがって、低コストで簡易な構造を有する定流量弁が従来から要請されている。
このように構成された本発明の定流量弁においては、外側弁部材が定流量弁本体の内側に上記定流量弁本体に対して摺動可能に配置され、この摺動により、外周部と上記定流量弁本体の内周部との間に形成される第1流路の断面積が変化し、上記外側弁部材の内側に上記外側弁部材に対して摺動可能に配置され、この摺動により、外周部と上記外側弁部材の内周部との間に形成される第2流路の断面積が変化し、外側コイルばねが定流量弁本体と外側弁部材との間に配置され、内側コイルばねが外側弁部材と内側弁部材との間に配置されているため、供給される水の圧力の変動によらず流出させる水の流量を所定量に調整する小型でかつ簡易な構造を備えた定流量弁を実現することができる。また、外側弁部材が、この外側弁部材を横断するように延びるアーチ部と、このアーチ部に形成され内側弁部材を軸方向に摺動可能に支持する支持突起と、を備え、内側弁部材には、支持突起を摺動可能に受け入れる凹部が形成されているため、内側弁部材が外側弁部材に対して正確に軸方向に摺動することができる。
図1は、本発明の第1実施形態による定流量弁を示す分解斜視図であり、図2は、本発明の第1実施形態による定流量弁を示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の定流量弁1は、ほぼ円筒状の定流量弁本体を形成するケーシング2、このケーシング2内に収容された外側圧縮コイルばね4、外側弁部材6、内側圧縮コイルばね8、内側弁部材10、ケーシング2の上流側端部に取り付けられた蓋12によって構成されている。
ケーシング2の上流側端部に取り付けられた蓋12には、定流量弁1の流入口12aが形成され、ケーシング2の下流側端部には、定流量弁1の流出口2aが形成され、この流出口2aの周囲には、ケーシング2の製造上におけるヒケ防止のための肉盗み部2bが形成されている。
図1〜図4に示すように、外側弁部材6は、ケーシング2内に軸方向に摺動可能に配置されており、内側弁部材10は、外側弁部材6の内側に軸方向に摺動可能に配置されている。
外側弁部材6は、流入口12aからケーシング2内に流入した水の圧力を外側弁部材6の上流側端部の受圧部6aと内側弁部材10の上流側端部の受圧部10cで受圧し、この受圧部6aで受圧した水圧に応じて軸方向下流側に摺動するようになっている。
また、図1に示すように、外側弁部材6の主要部である弁体部6bは、上流側から下流側に向かって相対的に絞られた形状に形成されている。
さらに、図4に示すように、弁体部6bの外周部とケーシング2の流出口2aとの間には、第1流路として外側可変流路14が形成されており、外側弁部材6が軸方向に摺動することにより、弁体部6bが外側可変流路14の開度又は流路断面積を可変に調整するようになっている。なお、図3及び図4では、初動低水圧時において、定流量弁1の流入口12aからケーシング2内に水が流入するものの、外側弁部材6が軸方向に摺動せずに、外側可変流路14が最大に開放されている状態を示している。
この外側圧縮コイルばね4は、ばね荷重とばねの縮みが比例する線形ばね特性を有し、外側弁部材6が作動しない状態では、ケーシング2の内周部2cと外側弁部材6の外周部6cとの間に、外側弁部材6を軸方向に付勢するように収容されている。定流量弁1の流入口12aからケーシング2内に水が流入すると、この水の圧力によって外側弁部材6の上流側端部の受圧部6aと内側弁部材10の上流側端部の受圧部10cとが下流側軸方向に押圧されるようになっている。さらに、この外側弁部材6の押圧と内側弁部材10の押圧が内側圧縮コイルばね8を介して外側弁部材6を押圧することにより、外側圧縮コイルばね4の上流側端部4aが下流側軸方向に押圧されるようになっている。
また、外側弁部材6の弁体部6bの下流側端部は、外側弁部材6を横断するように延びるアーチ部18を備えている。外側弁部材6の受圧部6aと内側弁部材10の上流側端部の受圧部10cとが受圧する水圧の上昇に応じて、外側弁部材6が下流側へ移動し、外側弁部材6から外側圧縮コイルばね4の上流側端部4aに加わるばね荷重が増すにつれて、外側弁部材6の弁体部6bの外周部に形成された段部6dがケーシング2の流出口2aに近づき、最終的には当接して外側可変流路14が完全に閉鎖されるようになっている。
また、弁体部6bにおいて、アーチ部18から90度円周方向に離れた位置には薄板状態の外側弁体脚部6fが形成されている。この外側弁体脚部6fは、ケーシング2の流出口2の内周に当接することにより、外側弁部材6の移動におけるガイドとして機構すると共に、外側可変流路14から噴出する水を整流する役目も果たす。
また、外側弁部材6の内周部6eと内側弁部材10の弁体部10aとの間には、第2流路として内側可変流路16が形成されており、内側弁部材10が外側弁部材6に対して軸方向に摺動することにより、弁体部10aが内側可変流路16の開度又は流路断面積を可変に調整するようになっている。なお、図3及び図4では、定流量弁1の流入口12aからケーシング2内に水が流入するものの、内側弁部材10が外側弁部材6に対して軸方向に摺動せずに、内側可変流路16が最大に開放されている状態を示している。
この内側圧縮コイルばね8は、外側圧縮コイルばね4のコイル平均径よりも小さい平均径を有し、外側圧縮コイルばね4に対して同軸かつ入れ子状に配置されている。さらに、内側圧縮コイルばね8は、外側圧縮コイルばね4と同様に線形ばね特性を有しているが、外側圧縮コイルばね4のばね定数よりも大きいばね定数を有している。すなわち、本実施形態の定流量弁1は、コイル平均径とばね定数の異なる2つの線形圧縮コイルばね4,8を同軸かつ入れ子状に配置することにより、組み合わせて使用するように構成されている。
さらに、外側弁部材6が外側可変流路14を完全に閉鎖した後に内側弁部材10の受圧部10cが受圧する水圧の上昇に応じて、内側弁部材10が下流側へ移動し、内側弁部材10から内側圧縮コイルばね8に加わるばね荷重が増すにつれて、内側弁部材10の外周部10bに形成された段部10dが外側弁部材6の内周部6eに当接し、内側可変流路16が所定の開度または流路断面積まで閉鎖されるようになっている。
これらのばね仕様の一例として、外側圧縮コイルばね4については、ばね定数が1.573[N/mm]、コイル平均径が20.7mm、自由高さが14mmである。また、内側圧縮コイルばね8については、ばね定数が3.557[N/mm]、コイル平均径が11.4mm、自由高さが13.35mmである。
一方、内側弁部材10には、外側弁部材6の支持突起22を摺動可能に受け入れる凹部20が形成されている。外側弁部材6の支持突起22が内側弁部材10の凹部20に受け入れられている状態では、この支持突起22が、内側弁部材10を外側弁部材6に対して軸方向に正確に摺動させて横方向への振動を防止し、水の流動による内側弁部材10の急激な移動を防止するダンパー機能を果たすようになっている。
また、外側弁部材6のアーチ部18は、翼状に形成された翼部24を備えており、この翼部24が外側弁部材6の下流側を整流することにより、水流の乱れによる外側弁部材6の横方向の振動を防止するようになっている。
なお、内側弁体部10の弁体部10aには、外側弁部材6の内周部6eと当接するように一対の内側弁体脚部10fが形成されており、この内側弁体脚部10fの下流側先端には径方向に突出した突部であるフック部10gが形成されている。この内側弁体脚部10fは、外側弁部材6の内周部6eと当接することにより、内側弁部材10の移動におけるガイドとして機構すると共に、内側可変流路16から噴出する水を整流する役目も果たす。また、フック部10gが内側可変流路16の下流端側の外側弁部材6に係止されることによって内側弁部材10の上流側への移動を規制することができ、外側弁部材6を保持するための蓋体12に対応する内側便部材10を保持するための蓋体を省略することができる。
図5は、本実施形態の定流量弁1における水圧と流量との関係、及び、水圧と全流路断面積との関係をそれぞれ定性的に示した特性線図である。ここで、図5において、横軸に流入口12aと流出口2aにおける水圧の差(差圧)P、左側縦軸に流量Q、右側縦軸に定流量弁1の流出口2aにおける全流路断面積Sをそれぞれ示し、流量線図については実線で示し、全流路断面積の特性線図については破線で示している。
また、図5の線図では、作動中の定流量弁の各作動状態について、定流量弁に流入する水の圧力の小さい順にO、A、B、C、Dで表している。
さらに、図6〜図9は、図5の作動状態A〜Dにおける各定流量弁を示す断面図である。また、図10は、本発明の第1実施形態による定流量弁1において、図2のIII−III断面による作動状態Dを示す断面図である。さらに、図11は、本発明の第1実施形態による定流量弁1において、図2のII−II断面による作動状態Dを示す断面図である。
ここで、これら外側可変流路14と内側可変流路16が最大に開放された作動状態Oにおいて、流路断面積S0は140mm2であり、流量Qは差圧Pがほとんど生じていないなめ、ほぼ0となる。
さらに、定流量弁1の外側弁部材6と内側弁部材10は、流入する水の差圧Pが上昇するにつれて、作動状態Oから、作動状態A(図5及び図6参照)、作動状態B(図5及び図7参照)、作動状態C(図5及び図8参照)、作動状態D(図5及び図9〜図11参照)の順で作動する。
ここで、作動状態Bにおいて、差圧PBは0.15MPa、流路断面積SBは30mm2であり、流量QBは20L/minとなる。
また、作動状態AからBへの途中の状態において、流量Qは水圧の上昇と共に増加して下限目標の流量値Q0を超えて一旦最大となるが、その後作動状態Bでは、流量Qは減少して目標の流量値Q0に近づいて目標定流領域に収まる。一方、全流路断面積Sについては、作動状態AからBにかけて水圧の上昇と共に減少する。
また、作動状態BからCへの途中の状態において、流量Qは水圧の上昇と共に作動状態Bの流量よりもわずかに増加して一旦最大となるが、その後作動状態Cでは、流量は最小目標の流量値Q0に向かって減少傾向となる。一方、全流路断面積Sについては、作動状態BからCにかけて水圧の上昇と共にさらに減少する。
さらに、内側弁部材10も下流側軸方向へこれ以上摺動することなく、内側可変流路16は作動状態Cの開放状態よりもわずかに閉鎖されて最小限の開度または流路断面積まで閉鎖された状態となる。すなわち、外側弁部材6と内側弁部材10がケーシング2に対して最も下流側に位置し、外側可変流路14が閉鎖されたままの状態で、かつ内側可変流路16のみが最小限度に開放されて通水状態が維持された状態となる(図11参照)。
ここで、作動状態Dにおいて、差圧PDは1.0MPa、流路断面積SDは10mm2であり、流量QDは20L/minとなる。
また、作動状態CからDへの途中の状態において、流量Qは水圧の上昇と共に減少して作動状態Dで下限目標流量値Q0に近づく。一方、全流路断面積Sについては、作動状態CからDにかけて水圧の上昇と共にさらに減少し、Dにおいて全流路面積は最小となる。その後作動状態Dよりも水圧が上昇しても、断面積Sは変わらずにほぼ一定となり、さらに水圧が上昇するとともに流量は増加する。
図12に示すように、本発明の第2実施形態による定流量弁30は、上述した第1実施形態による定流量弁1の内側圧縮コイルばね8の両端部8a,8bの部分を異なる構成にしたものである。
また、内側圧縮コイルばね8は、この座巻部のコイルのばね素線32同士が接触する、いわゆる、クローズトエンドタイプの座巻形状を有するものである。本実施形態では、内側圧縮コイルばね8の伸縮時に、内側圧縮コイルばね8の座巻部の隣り合うコイルのばね素線32同士が強く接触することによって生じる騒音を防止するため、座巻部のコイルばね素線32は、騒音防止手段であるゴム管34で覆われている。
さらに、外側弁部材6において、内側圧縮コイルばね8の下流側端部8bが接触する接触部には、内側圧縮コイルばね8の下流側端部8bを保持する溝36が形成されている。この溝36と内側圧縮コイルばね8の下流側端部8bとの間には、弾性部材である防振ゴムで作られた平リング38が配置されている。
また、本実施形態の定流量弁30によれば、流入口12aから流入される水の給水圧が高く、内側圧縮コイルばね8が縮んだ状態で、内側圧縮コイルばね8に繰り返し荷重が加わると、この内側圧縮コイルばね8の振動数が固有振動数に近づいて内側圧縮コイルばね8が激しく振動する、いわゆる「サージング」と呼ばれる一種の共振現象が生じた場合でも、内側圧縮コイルばね8の下流側端部8bと外側弁部材6の溝36との間には平リング38が配置されているため、内側圧縮コイルばね8の下流側端部8bと外側弁部材6の溝36との衝突によって生ずる衝突音を抑えることができる。
また、本実施形態の定流量弁30では、内側圧縮コイルばね8の下流側端部8bと外側弁部材6の溝36との間に平リング38を配置した形態について説明したが、このような形態に限定されず、内側圧縮コイルばね8の上流側端部8aや外側圧縮コイルばね4の両端部4a,4bについても平リングを配置した形態にしてもよい。
図13は、本発明の第2実施形態の第1変形例による定流量弁に使用される内側圧縮コイルばねを示す斜視図である。第2実施形態の定流量弁の第1変形例として、クローズトエンドタイプの座巻形状を有する内側圧縮コイルばね8を用いる代わりに、図13に示すような、座巻部の隣り合うコイルのばね素線同士が接触しない、いわゆる、オープンエンドタイプの座巻形状を有する内側圧縮コイルばね40を使用してもよい。これにより、内側圧縮コイルばね40の振動にかかわらず、ばねの座巻部42の隣り合うコイル42a,42bのばね素線同士、またはばねの座巻部44のコイル44a,44bのばね素線同士が全く接触しないため、コイルばねの素線間の不快な接触音を排除することができる。
さらに、この内側圧縮コイルばね45の両端部(座巻部)におけるコイルばね素線46の始端部分(又は終端部分)46aとその部分からほぼ一巻き目に相当する隣接部分46bには、両部分46a,46bを連結するように、ばね素線連結弾性部材47が取り付けられている。このばね素線連結弾性部材47は、硬質ゴム等で形成されており、その内部には、円弧状に湾曲して形成され且つその内径がコイルばね素線46の直径に一致してコイルばね素線46を挿通可能とする2つの長孔47a,47bを備えている。
なお、このばね素線連結弾性部材47については、コイルばね素線46の両部分46a,46bを弾性接着剤を用いて接着して固化した弾性接着剤の部分によって構成されていてもよい。
また、図14に示す内側圧縮コイルばね45においてはその両端部にばね素線連結弾性部材47が取り付けられた形態を示しているが、このような形態に限定ざれず、内側圧縮コイルばね45の少なくとも一方の端部(座巻部)にばね素線連結弾性部材47が取り付けられていればよい。
また、ばね素線連結弾性部材47により、内側圧縮コイルばね45の固有振動数を変えることができる。したがって、ばね素線連結弾性部材47が取り付けられていない場合に実用水圧帯域範囲(0.5MPa〜0.8MPa)内の水圧においてサージングが発生するような内側圧縮コイルばね45の使用状態でも、ばね素線連結弾性部材47が取り付けたことにより、サージングが発生するとされていると水圧を実用水圧帯域範囲(0.5MPa〜0.8MPa)外に設定することができ、実用上の水圧域においるサージングを回避することができる。
さらに、ばね素線連結弾性部材47は、硬質ゴム又は弾性接着剤を用いて接着して固化した弾性部分等によってばね素線連結弾性部材47の始端部分(又は終端部分)46aと隣接部分46b同士を一体的に形成しており、内側圧縮コイルばね45の両端部(座巻部)にダンパーが装着されたことと同様の効果を生じるため、サージングが発生したとしてもその直後にすぐにその振動を吸収して抑制することができる。
なお、上述した本発明の第2実施形態の第2変形例による定流量弁では、内側圧縮コイルばね45の端部(座巻部)のコイルばね素線46の始端部分(又は終端部分)46aとその部分からほぼ一巻き目に相当する隣接部分46bにばね素線連結弾性部材47が取り付けられた形態について説明したが、このような形態に限定されず、外側圧縮コイルばね4の両端部又は一端部についても、内側圧縮コイルばね45と同様に、コイルばね素線の始端部分(又は終端部分)とその隣接部分にばね素線連結弾性部材47を取り付けてもよい。
図15に示すように、本発明の第3実施形態による定流量弁50は、上述した第1実施形態の定流量弁1の内側弁部材10の凹部20とこの凹部20に挿入される外側弁部材6の支持突起22の上流側端部との間のスペースに、粘性体であるオイル52が封入された構成となっている点で第1実施形態とは異なった構成となっている。
また、外側弁部材6の支持突起22の上流側は、小径部53とピストン部54とから構成されており、このピストン部54の周面には複数のスリット溝54aが形成されている。外側弁部材6の支持突起22が内側弁部材10の凹部20内で軸方向に移動する際には、このスリット溝54aを通じて、オイル52が小径部53の周囲の空間部53aへ向けて移動可能に構成されている。
さらに、外側弁部材6の支持突起22が軸方向に摺動する内側弁部材10の凹部20の途中にはOリング56が設けられており、外側弁部材6の支持突起22が内側弁部材10の凹部20内で軸方向に激しく摺動しても凹部20内のオイル52が外部へ漏れないようになっている。
上述した本実施形態の定流量弁50によれば、内側弁部材10がサージング等によって激しく振動して外側弁部材6の支持突起22が内側弁部材10の凹部20内で軸方向に激しく振動しようとする場合でも、凹部20内に封入されたオイル52の粘性により、これらの振動が抑制されるため、サージングの発生を防止することができる。
図16〜図18に示すように、本発明の第4実施形態による定流量弁60は、第1実施形態の定流量弁1の構成要素と同様に、流入口62aと流出口62bが形成された定流量弁本体であるケーシング62、このケーシング62内に収容された外側圧縮コイルばね4、外側弁部材66、内側圧縮コイルばね8、内側弁部材70によって構成されているが、これらの構成に含まれる外側可変流路74及び内側可変流路74の構成が第1実施形態の外側可変流路14及び内側可変流路16の構成と異なっている。
また、定流量弁60のケーシング62内における外側圧縮コイルばね4、外側弁部材66、内側圧縮コイルばね8、内側弁部材70の各配置は、第1実施形態の定流量弁1のケーシング2内における各構成要素の配置と同様に、外側弁部材66がケーシング62内に軸方向に摺動可能に配置されており、内側弁部材70が外側弁部材66の内側に軸方向に摺動可能に配置されている。
さらに、ケーシング62の内周部62cと外側弁部材66の外周部66aとの間には、外側圧縮コイルばね4が外側弁部材66とほぼ同軸に配置されており、外側弁部材66の内周部66bと内側弁部材70の外周部70bとの間には、内側圧縮コイルばね8が内側弁部材70とほぼ同軸に配置されている。
外側弁部材66の外周部66aと流出口62bとの間には、第1実施形態の定流量弁1の外側可変流路14と同様に、第1流路として外側可変流路74が形成されている。この外側可変流路74は、外側弁部材66がケーシング62に対して軸方向に摺動することによって開度または流路断面積が可変するようになっている。
なお、図16〜図18に示す定流量弁60では、外側弁部材66がケーシング62に対して最も下流側の位置まで摺動した状態となっているため、この外側可変流路74は、外側弁部材66により最小限の開度または流路断面積まで閉鎖された状態、すなわち、外側可変流路74の流路断面積が最も減少しても通水状態に維持された状態となっている(図17及び図18参照)。
なお、図16〜図18に示す定流量弁60では、内側弁部材70がケーシング62または外側弁部材66に対して最も下流側の位置まで摺動した状態となっており、このときの内側可変流路76は、外側弁部材66の下流側内周部66cと内側弁部材70の外周突起70bが当接して完全に閉鎖された状態となっている。
本実施形態の定流量弁60によれば、ケーシング62内の水圧が高く、内側弁部材70が内側可変流路76を完全に閉鎖した状態でも、外側可変流路74が最小限の開度または流路断面積で開放されているため、この外側可変流路74により、定流量弁60の下流側へ流出される噴流を効果的に分散させることができる。
また、外側可変流路74を最小限の開度または流路断面積で開放することにより、流出口62bからの噴流を広範囲に分散させることができため、噴流によるキャビテーションの発生を効果的に防止することができる。
図19及び図20に示すように、本発明の第5実施形態による定流量弁80は、第1実施形態の定流量弁1の構成要素と同様に、流入口82aと流出口82bが形成された定流量弁本体であるケーシング82、このケーシング82内に収容された外側圧縮コイルばね4、外側弁部材86、内側圧縮コイルばね8、内側弁部材90によって構成されている。しかしながら、定流量弁80の内側弁部材90の軸心下流側端部90cが、上流側から下流側にかけて先細りとなるノズル形状となっており、このノズル形状の軸心を中心に第3流路である複数の定流路92が形成された構成となっている点が第1実施形態の構成と異なっている。
また、定流量弁80のケーシング82内における外側圧縮コイルばね4、外側弁部材86、内側圧縮コイルばね8、内側弁部材90の各配置は、第1実施形態の定流量弁1のケーシング2内における各構成要素の配置と同様に、外側弁部材86がケーシング82内に軸方向に摺動可能に配置されており、内側弁部材90が外側弁部材86の内側に軸方向に摺動可能に配置されている。
さらに、ケーシング82の内周部82cと外側弁部材86の外周部86aとの間には、外側圧縮コイルばね4が外側弁部材86とほぼ同軸に配置されており、外側弁部材86の内周部86bと内側弁部材90の外周部90bとの間には、内側圧縮コイルばね8が内側弁部材90とほぼ同軸に配置されている。
また、外側弁部材86の外周部86aと流出口82bとの間には、第1実施形態の定流量弁1の外側可変流路14と同様に、第1流路として外側可変流路84が形成されている。この外側可変流路84は、外側弁部材86がケーシング82に対して軸方向に摺動することによって開度または流路断面積が可変するようになっている。
なお、図19及び図20に示す定流量弁80では、外側弁部材86がケーシング82に対して最も下流側の位置まで摺動した状態となっており、このときの外側可変流路84は、外側弁部材86の外周部86aと流出口82bが当接して完全に閉鎖された状態となっている。
なお、図19及び図20に示す定流量弁80では、内側弁部材90がケーシング82または外側弁部材86に対して最も下流側の位置まで摺動した状態となっており、このときの内側可変流路88は、外側弁部材86の下流側内周部86cと内側弁部材90の外周突起90bが当接して完全に閉鎖された状態となっている。
また、定流路92は、図19及び図20に示すように、外側弁部材86と内側弁部材90のそれぞれが、ケーシング82に対して最も下流側の位置まで摺動して外側可変流路84と内側可変流路88が完全に閉鎖されている状態であっても、常に一定の流路断面積で開放されている。また、本実施形態の定流量弁80では、定流路92を通過した噴流は分散されるようになっており、噴流によるキャビテーションの発生を低減するようになっている。
また、上述した第1〜第4実施形態の定流量弁では、ケーシング内の水圧が所定以上の高圧域になっても、外側可変流路または内側可変流路のいずれかの流路が最小限の開度または流路断面積で開放されるように構成されているが、本実施形態の定流量弁80は、内側弁部材90の軸心下流側端部90cに形成された定流路92が常に一定の流路断面積で開放された簡易な構造であるため、特に、高圧域の水圧では、第1〜第4実施形態の定流量弁に比べて流量をより精度よく管理することができる。
例えば、定流量弁80の下流側へ流出される噴流を分散させてキャビテーションの発生を効果的に低減する他の手段として、内側弁部材90の下流側端部に形成された流出口に突起状のかく乱素子を設けてもよいし、その流出口の周縁に沿って間隔を置いて切欠きを設けてもよい。あるいは、内側弁部材90の下流側端部に形成された流出口を扁平形状等の非円形形状にしてもよい。
2,62,82 ケーシング
4 外側圧縮コイルばね
6,66,86 外側弁部材
8,40,45 内側圧縮コイルばね
10,70,90 内側弁部材
12 蓋
14,74,84 外側可変流路
16,76,88 内側可変流路
18 アーチ部
20 凹部
22 支持突起
24 翼部
26 噴流分散部
32,46 コイルばね素線
34 ゴム管
36 溝
38 平リング
42,44 ばねの座巻部
47 ばね素線連結弾性部材
47a,47b 長孔
52 オイル
54 溝
56 Oリング
79 内側弁部材の前方開口部
92 定流路
Claims (12)
- 供給される水の圧力の変動によらず流出させる水の流量を所定量に調整する定流量弁であって、
流入口と流出口が形成された定流量弁本体と、
この流量弁本体の内側に上記定流量弁本体に対して摺動可能に配置され、この摺動により、外周部と上記定流量弁本体の内周部との間に形成される第1流路の断面積を変化させる外側弁部材と、
上記外側弁部材の内側に上記外側弁部材に対して摺動可能に配置され、この摺動により、外周部と上記外側弁部材の内周部との間に形成される第2流路の断面積を変化させる内側弁部材と、
上記定流量弁本体と上記外側弁部材との間に配置され、上記外側弁部材を軸方向に付勢し、上記外側弁部材に水圧が作用すると上記外側弁部材を摺動させ、上記第1流路の断面積を減少させるように縮む外側コイルばねと、
上記外側弁部材と上記内側弁部材との間に配置され、上記内側弁部材を軸方向に付勢し、上記内側弁部材に水圧が作用すると上記内側弁部材を摺動させ、上記第2流路の断面積を減少させるように縮む内側コイルばねと、
を有し、上記外側弁部材は、上記外側弁部材を横断するように延びるアーチ部と、このアーチ部に形成され上記内側弁部材を軸方向に摺動可能に支持する支持突起と、を備え、上記内側弁部材には、上記支持突起を摺動可能に受け入れる凹部が形成されていることを特徴とする定流量弁。 - 上記内側コイルばねのばね定数は、上記外側コイルばねのばね定数よりも大きい請求項1記載の定流量弁。
- 上記アーチ部は、上記外側弁部材の下流側を整流するように翼状に形成されている請求項1記載の定流量弁。
- 上記第1流路又は上記第2流路は、それらの流路断面積が最も減少した場合においても通水状態に維持される請求項1又は2に記載の定流量弁。
- 上記外側弁部材の支持突起の下流側端部は、上流側から下流側に向かって広がり形状に形成され、上記第2流路からの噴流を分散させる噴流分散部を備えている請求項1、3又は4の何れか1項に記載の定流量弁。
- 上記内側弁部材の下流側端部には、常に一定の流路断面積を有する第3流路が形成され、この第3流路は噴流を分散させるように構成されている請求項1又は2に記載の定流量弁。
- 上記内側コイルばね又は上記外側コイルばねの座巻部のコイルばね素線には、振動による騒音を防止する騒音防止手段が設けられている請求項1乃至6の何れか1項に記載の定流量弁。
- 上記騒音防止手段は、上記内側コイルばね又は上記外側コイルばねの座巻部のコイルばね素線とその隣り合うコイルばね素線とを連結するように両コイルばね素線に一体的に取り付けられているばね素線連結弾性部材によって構成されている請求項7記載の定流量弁。
- 上記外側弁部材の支持突起と上記内側弁部材の凹部には、上記内側弁部材の軸方向の共振を抑制する共振抑制手段が設けられている請求項1、3乃至5の何れか1項に記載の定流量弁。
- 上記内側コイルばね又は上記外側コイルばねの端部には、弾性部材が配置されている請求項1乃至7の何れか1項に記載の定流量弁。
- 上記外側弁部材又は上記内側弁部材の下流側部分には、円周方向に突出する板状の複数の弁体脚部が形成され、これらの弁体脚部は、上記定流量弁本体に対する上記外側弁部材の摺動又は上記外側弁部材に対する上記内側弁部材の摺動を案内するように構成されている請求項1又は2に記載の定流量弁。
- 上記外側弁部材又は上記内側弁部材の弁体脚部には、径方向に突出する突部が形成され、この突部は、上記外側弁部材を上記定流量弁本体に係止又は上記内側弁部材を上記外側弁部材に係止するように構成されている請求項11に記載の定流量弁。
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