JP4774952B2 - スローアウェイ式旋削工具 - Google Patents

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Description

本発明はスローアウェイ式旋削工具に関し、主に難削材の旋削加工における切刃寿命を向上させる。
従来、難削材の旋削加工において、切刃寿命を向上させる技術に関して、図11に示す切削挿入具が開示されている。この図に示す切削挿入具は、角が丸味を帯びた多角形状の輪郭を有し且つ側面によって下面に結合された上面を備えた切削挿入具であり、切断縁が、直線切断縁として形成されており、また上面と側面との間に鋭い角で形成されており、また側面と面取りの交線で鋭い角をなす曲線切断縁によって互いに結合されており、上記面取りは丸味を帯びた多角形の輪郭の曲線部分の長さの少なくとも一部分にわたって上面及び側面と交差することを特徴とするものである(例えば、特許文献1参照)。
特開昭56−134105号公報
しかしながら、上述した切削挿入具の曲線切断縁においては、丸味を帯びた多角形の輪郭の曲線部分の長さの少なくとも一部分にわたって側面と交差する面取りが形成されているので、この面取りが形成された部分では、切削抵抗が増大するおそれがあった。特に、インコネル等の耐熱合金を工作物として切削した場合には、一般の機械構造用炭素鋼や合金鋼等の切削にくらべ切削抵抗が大きくなることから切削中にびびりが生じたり、工作物の加工面の表層付近に残留応力が生じ機械的性質を悪化させたりするおそれがあった。また、切刃を備えたスローアウェイチップを、旋削工具の工具本体に着脱自在に装着するスローアウェイ式旋削工具においては、装着されたスローアウェイチップが切削抵抗で動くのを阻止するためのクランプ力を作用するクランプ手段が必要である。
本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであり、その目的は、長い切刃寿命を確保したうえで、切刃への負荷を低減するとともに、スローアウェイチップの動きを防止するクランプ手段を備えたスローアウェイ式旋削工具を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は、工具本体が工具先端側に設けられた頭部と、この頭部から工具基端側に連なるシャンク部とからなり、前記頭部の先端部上面に設けられた切欠き段部からなるチップ座には、切刃を備えたスローアウェイチップが前記工具本体に付設したクランプ手段によって着脱自在に取付けられてなるスローアウェイ式旋削工具において、前記切刃は、切込み角が5°〜25°の範囲にある横切刃と、前記横切刃に対して鈍角をなすとともに、該スローアウェイ式旋削工具の外周旋削時の送り方向後方側且つ工具基端側に向かって延びる前切刃と、これら横切刃と前切刃との間に介在し工具先端側に突出する先端コーナ部と、前記横切刃の前記先端コーナ部につながる端部の反対側の端部につながり前記送り方向前方側に突出する側方コーナ部と、この側方コーナ部を介して前記横切刃に連なり前記送り方向後方側且つ工具基端側に向かって延びる側刃と、からなることを特徴とするものである。上記の外周旋削時の送り方向とは、軸心まわりに回転する工作物の前記軸心に平行な方向である。スローアウェイ式旋削工具が工作物に対して前記送り方向に送りを与えられることによって、前記横切刃が主に工作物の外周面の切削を担う。一方、端面旋削時には、スローアウェイ式旋削工具が工作物に対して該工作物の軸心に直交する方向に送りを与えられることによって、前記横切刃が主に工作物の端面の切削を担う。
上記の構成を有する本発明によれば、横切刃の切込み角が5°〜25°の範囲にあるため、工作物の外周旋削において、工作物の軸心方向でみた1回転当たり送りに対して、横切刃に直角な方向でみた1回転当たり送り(以下、「実質切取り厚み」という。)がきわめて小さくなることから、横切刃の各位置における刃先への負荷が小さくなり横切刃の寿命が長くなるとともに、びびりを抑制する効果が得られる。さらに、切削抵抗の反作用として工作物の加工面に作用する負荷が小さくなることから加工面の表層付近に残留応力が抑えられて工作物の機械的性質の悪化を防止する。また、刃先への負荷が小さくなることから従来工具にくらべ高送り加工が可能となる。さらに、先端コーナ部を挟んで一対をなす横切刃と前切刃とのなす角度が鈍角をなすことから、先端コーナ部の強度が高められ該先端コーナ部及びその周辺部のチッピングや欠損が防止される。前記切込み角が5°未満になると、横切刃と工作物との接触長さが大きくなって切削抵抗が大きくなるとともに、切込みが大きくとれなくなり実用性に支障をきたすおそれがある。前記切込み角が25°を超えると、刃先への負荷を小さくする作用が小さくなり、難削材の切削において切刃寿命の延長効果が得られなくなるおそれがある。
本発明において、前記スローアウェイチップは、ISO規格(ISO1832)に規定されたC形もしくはW形のスローアウェイチップとされ、その鈍角コーナ部が前記先端コーナ部となり且つ前記鈍角コーナ部に隣接する一方の鋭角コーナ部が前記側方コーナ部となるように前記工具本体に配設されていることが好ましい。これは、通常、C形もしくはW形のスローアウェイチップは、鋭角コーナ部を使用した後、廃却されることになるが、本発明の旋削工具では、未使用の鈍角コーナ部を先端コーナ部として使用することによって、これらC形もしくはW形のスローアウェイチップが有効利用されることから、工具コストを削減することができる。なお、W形のスローアウェイチップとした場合には、横切刃の切込み角が20°を超えると、前切刃が先端側に突出するように傾斜し仕上げ面粗さを悪化させるおそれがあるため、前記切込み角は5°〜20°の範囲に限定される。
さらに、前記スローアウェイチップが前記クランプ手段により前記チップ座の底面及び壁面に向けて押圧され前記チップ座にクランプされていることが好ましい。これは、工具本体のチップ座に装着したスローアウェイチップが切削抵抗によって動くのを阻止することに配慮したものである。このスローアウェイチップの動きを阻止する効果は、特に、切削抵抗が高くなる傾向の難削材の切削加工や切削抵抗の変動が大きい断続加工において有効である。
さらに、前記先端コーナ部には、曲率半径3mm以上10mm以下の円弧状もしくは前記送り方向とのなす角度が−1.5°〜+1.5°の範囲にある直線状の副切刃が設けられていることが好ましい。これは、外周切削において加工面を形成する先端コーナ部の副切刃を鋭く突出させず強度を確保することに配慮するとともに、前記先端コーナ部によって仕上げられる工作物の加工面の面粗さを向上させることに配慮したものである。前記曲率半径を上記の範囲に限定した理由は、前記曲率半径が3mm未満では、高送り加工において加工面の面粗さが悪化するとともに、副切刃の強度が不足してチッピングや欠損を生じるおそれがあり、前記曲率半径が10mmを超えると、工作物と副切刃との接触長さが大きくなり切削抵抗が大きくなるおそれがあるからである。
さらに、前記側方コーナ部には、曲率半径が3mm以上10mm以下の円弧状もしくは前記送り方向に直角な方向とのなす角度が−1.5〜+1.5°の範囲にある直線状の副切刃が設けられていることが好ましい。これは、端面切削において加工面を形成する側方コーナ部の副切刃を鋭く突出させず強度を確保するとともに、前記側方コーナ部によって仕上げられる工作物の加工面の面粗さを向上させることに配慮したものである。前記曲率半径を上記の範囲に限定した理由は、前記曲率半径が3mm未満では、高送り加工において加工面の面粗さが悪化するとともに、副切刃の強度が不足してチッピングや欠損を生じるおそれがあり、前記曲率半径が10mmを超えると、工作物と副切刃との接触長さが大きくなり切削抵抗が大きくなるおそれがあるからである。
次に、本発明を適用した第1の実施形態について図を参照しながら説明する。図1は第1の実施形態である旋削工具の平面図である。図2は図1に示す旋削工具の正面図である。図3は図1に示す旋削工具の切刃拡大平面図である。図4は図1に示す旋削工具による加工状態を示す図であり、(a)は外周旋削加工、(b)は端面旋削加工の状態をそれぞれ示す図である。図1において、スローアウェイチップ10は、略6角形板状をなし、上面の6角形面の隣り合う2つのコーナ部が160°コーナ部と80°コーナ部とされた、ISO規格(ISO1832)に規定されたW形のスローアウェイチップに相当するものである。さらに、上面の6角形面がすくい面11とされ、このすくい面11の周縁部が切刃とされ、下面が着座面12とされ、前記切刃から下面まで延在する側面が逃げ面13とされ、この側面は上面に対して鋭角をなすように傾斜した、ポジ形式のスローアウェイチップであり、該スローアウェイチップ10の軸心まわりに回転することにより片面で3コーナ使用可能である。少なくとも切刃は、超硬合金、サーメット、セラミックス等の硬質焼結合金、もしくはダイヤモンド粒子及びcBN粒子の少なくとも一方を含有する超高圧焼結体からなる。そして、スローアウェイチップ10の上面中央部には、厚さ方向に延びて上下面を貫通する取付け穴16が形成されている。
以下の説明において、図4の(a)に示すように工作物40の外周旋削する際における該工作物40の軸心に平行な方向に作用する旋削工具の送りをF1、図4の(b)に示すように端面旋削する際における該工作物40の軸心に直角な方向に作用する旋削工具の送りをF2とする。工具本体1は略角棒状をなし、先端側の頭部1Aと、この頭部1Aに連なって工具基端側に延びるシャンク部1Bとから構成されている。頭部1Aの先端部上面には、スローアウェイチップ10を装着するための切欠き段部からなるチップ座2が設けられている。スローアウェイチップ10は、160°コーナ部が工具本体1の先端面から突出する先端コーナ部14Aになるとともに、前記160°コーナ部に隣接し送りF1方向前方側に位置する80°コーナ部を工具本体1の側面から突出する側方コーナ部14Bになるように配設されている。前記先端コーナ部14Aと前記側方コーナ部14Bとの間には直線状をなす横切刃15aが形成され、その切込み角αは5°〜20°の範囲に設定されている。この横切刃15aと前記先端コーナ部14Aを介してつながり、送りF1方向後方側且つ工具基端側に向かって延びる切刃が前切刃15bとなり、前記横切刃15aと前記側方コーナ部14Bを介してつながり、送りF1方向後方側且つ工具基端側に向かって延びる切刃が側刃15cとなる。前記前切刃15b及び前記側刃15cは、平面視で直線状にそれぞれ形成されている。
図3の(a)において、先端コーナ部14Aは、平面視で曲率半径r1が3mm〜10mmの範囲にある円弧からなる副切刃14aで構成され、送りF1方向で測定した長さL1が、本旋削工具の外周旋削時における1回転当たり送りF1の1倍以上5倍以下の範囲に設定されている。
また、側方コーナ部14Bは、平面視で曲率半径r2が3mm〜10mmの範囲にある円弧からなる副切刃14bで構成され、送りF2方向で測定した長さL2が、本旋削工具の端面旋削時の1回転当たり送りF2の1倍以上5倍以下の範囲に設定されている。
スローアウェイチップ10は、チップ座の底面2aに着座面12を着座し、且つチップ座の底面2aから立ち上がる少なくとも2つの壁面2b、2cに、これら壁面2b、2cに対応する側面を衝合した状態となるように、クランプ手段を用いてクランプされる。すなわち、クランプ手段は、押え金20とクランプねじ30とからなり、図1において、スローアウェイチップ10の取付け穴16に挿通されたクランプねじ30は、その頭部の外周面が略逆円錐台形状に形成され、この頭部に対応した略逆円錐台形状をなす取付け穴16の内壁面を押圧する。ここで、チップ座の底面2aに設けられた雌ねじ穴の中心が若干チップ座の壁面2b、2c寄りとなるように設けられているため、この雌ねじ穴にねじ込まれたクランプねじ30は、取付け穴16内周面の前記壁面2b、2c寄りの部分を強く押圧し、スローアウェイチップ10をチップ座の底面2a及び壁面2b、2cに向かって強く押圧する。さらに、頭部1Aのチップ座2よりも基端側の上面には雌ねじ穴が設けられ、この雌ねじ穴にねじ込まれたねじ部材20bによって上昇及び下降自在とされた押え駒20aは、その先端部下面をスローアウェイチップ10の上面に当接するとともに、その基端部下面を前記上面に当接するように配設されている。これら押え駒20aとねじ部材20bからなる押え金20は、ねじ部材20bをねじ込み押え駒20aを下降させることによってスローアウェイチップ10の上面をチップ座の底面2a側に向かって押圧する。
上記の構成を有する第1の実施形態の作用効果について以下に説明する。第1の実施形態に係る旋削工具によれば、横切刃15aの切込み角αが5°〜20°の範囲にあるため、外周旋削時における旋削工具の送りF1にくらべ、横切刃15aに直角な方向の送り(いわゆる切取り厚さ)が小さくなり切屑の厚みが薄くなる。そのため、横切刃15aの各位置における負荷が小さくなり、工作物40の外周旋削加工における横切刃15aの損傷の進行が遅延することから切刃寿命が向上する。そのほか、切屑から受ける横切刃15aの負荷が小さくなるため、従来よりも送りの大きい高送り加工が可能であり、切削抵抗の変動が大きい断続加工においてチッピングや欠損を生じ難いといった効果が得られる。さらに、切削抵抗の反作用として工作物40の加工面に作用する負荷が小さくなることから加工面の表層付近に残留応力が抑えられて工作物40の機械的性質の悪化を防止する。切込み角αを上記の範囲に限定した理由は、切込み角αが5°未満になると、横切刃15aと工作物40との接触長さが大きくなって切削抵抗が大きくなるとともに、切込みが大きくとれなくなり実用性に支障をきたすおそれがあるからであり、切込み角αが20°を超えると、前切刃15bが先端側に突出するように傾斜し仕上げ面粗さを悪化させるおそれがあるからである。
さらに、切削抵抗の合力の方向が旋削工具の軸心CL方向に近づき、旋削工具は、主に剛性の高い前記軸心CL方向に切削抵抗を受けることになるため、びびりの発生が大幅に抑えられ加工面の加工精度が高くなるとともに、切刃の損傷を小さくすることができる。
しかも、先端コーナ部14Aを挟んで一対をなす横切刃15aと前切刃15bとのなす角度βが鈍角をなすことから、先端コーナ部14Aの強度が高められ該先端コーナ部14A及びその周辺部のチッピングや欠損が防止される。
そのうえ、当該旋削工具では、スローアウェイチップ10がクランプ手段によりチップ座の底面2a及び壁面2b、2cに向けて押圧されてしっかりとクランプされているので、スローアウェイチップ10が切削抵抗によって動くことがない。この作用は、一般的な炭素鋼や合金鋼にくらべ切削抵抗が大きくなる傾向にある耐熱合金等の難削材の切削加工で特に有効であるほか、工作物40の材質にかかわらず切削抵抗の変動が大きい断続加工においても非常に有効であり、スローアウェイチップ10が動くことによって切刃にチッピングや欠損が生じるのを防ぎ、加工面の精度を向上させるという効果を奏する。
さらに、図3の(a)において、先端コーナ部14A及び側方コーナ部14Bに設けられたそれぞれの副切刃14a、14bは、曲率半径r1、r2の各々が3mm〜10mmの範囲にある円弧からなり、該先端コーナ部14A及び該側方コーナ部14Bが鋭く突出することがないため、チッピングや欠損の発生が抑えられる。また、それぞれの副切刃14a、14bは、送りF1方向及び送りF2方向で測定した長さL1、L2の各々が、送りF1、F2の1倍以上5倍以下の範囲にそれぞれ設定されていることから、これら副切刃14a、14bによって仕上げられる工作物40の外周加工面及び端面加工面のそれぞれの面粗さが向上する。副切刃の曲率半径r1、r2をそれぞれ3mm〜10mmの範囲に限定した理由は、曲率半径が3mm未満では、副切刃14a、14bの強度が確保できずチッピングや欠損を生じるおそれがあり、前記曲率半径r1、r2が10mmを超えると、工作物40と副切刃14a、14bとの接触長さが大きくなり切削抵抗が大きくなるおそれがあるからである。
図3の(b)に示すように、それぞれの副切刃14a、14bが直線状に延在し、それぞれの延在する方向が送りF1方向及び送りF2方向とのなす角度γ1、γ2の各々が−1.5°〜+1.5°の範囲にあり、送りF1方向及び送りF2方向で測定した長さL1、L2の各々が、送りF1、F2の1倍以上5倍以下の範囲にそれぞれ設定されてもよい。このようにした場合にも、それぞれの副切刃14a、14bのチッピングや欠損を防止する効果、ならびに工作物40の外周加工面41及び端面加工面42のそれぞれの面粗さを向上させる効果が得られる。それぞれの副切刃14a、14bの延在する方向と、送りF1方向及び送りF2方向とのなす角度γ1、γ2の各々が±1.5°よりも大きくなると、外周加工面41及び端面加工面42の面粗さがそれぞれ悪化するおそれがあるほか、副切刃が加工面側に突出してしまうので強度が低くなりチッピングや欠損を生じるおそれがある。また、送りF1方向及び送りF2方向で測定した各副切刃の長さL1、L2が、送りF1、F2の1倍未満になっても外周加工面及び端面加工面の面粗さがそれぞれ悪化するおそれがあり、5倍を超えると副切刃14a、14bと工作物40との接触長さが大きくなりすぎて切削抵抗の増大によるびびりを生じるおそれがある。
側刃15cは、送りF1方向後方側且つ工具基端側、言い換えれば、端面旋削時の送りF2方向に対して後退する方向に延在していて、端面旋削時に側刃15cが工作物40に接触することがない。そのため、切削抵抗の増大が回避されるうえに、この切削抵抗の作用する方向が外周旋削するときの切削抵抗の作用方向とほとんど変わらないので、旋削工具のびびりを生じにくく高送り加工が可能となる。
横切刃15a、前切刃15b、側刃15cは直線状に限らず、円弧状に形成してもよい。その場合、横切刃15aの両端を結んだ直線と工作物40の軸線とのなす角度を切込み角αとして5°〜20°の範囲に設定することによって所期の効果が得られる。
次に、第2の実施形態について図を参照しながら説明する。図5は第2の実施形態である旋削工具の平面図である。図6及び図7はそれぞれ図5に示す旋削工具の正面図及び左側面図である。図8は図5におけるS1−S1線断面図である。図9は図5に示す旋削工具において切削時間と切刃損傷量の関係を示したグラフである。図5〜図7において、スローアウェイチップ10は略菱形板状をなし、上面の菱形面の対角線上の一対が100°コーナ部とされ、他の一対が80°コーナ部とされた、ISO規格(ISO1832)に規定されたC形スローアウェイチップに相当するものである。前記菱形面はすくい面11とされ、すくい面11の周縁部が切刃とされ、この切刃から下面に向かって延びる側面が逃げ面13とされ、下面が着座面12とされる。少なくとも切刃は、超硬合金、サーメット、セラミックス等の硬質焼結合金、もしくはダイヤモンド粒子及びcBN粒子の少なくとも一方を含有する超高圧焼結体からなる。そして、スローアウェイチップ10の上面中央部には、厚さ方向に延びて上下面を貫通する略円筒状の取付け穴16が形成されている。
工具本体1は略角棒状をなし、先端側の頭部1Aと、この頭部1Aに連なって基端側に延びるシャンク部1Bとから構成されている。頭部1Aの先端部上面には、スローアウェイチップ10を装着するための切欠き段部からなるチップ座2が設けられている。スローアウェイチップ10は、100°コーナ部が工具本体1の先端面から突出する先端コーナ部14Aになるとともに、前記100°コーナ部に隣接し送りF1方向前方側に位置する80°コーナ部を工具本体1の側面から突出する側方コーナ部14Bになるように配設されている。前記先端コーナ部14Aと前記側方コーナ部14Bとの間には、直線状をなす横切刃15aが形成され、その切込み角αは5°〜25°の範囲に設定されている。本旋削工具において、横切刃15aの切込み角αは20°に設定されている。この横切刃15aと前記先端コーナ部14Aを介してつながり、送りF1方向後方側且つ工具基端側に向かって延びる切刃が前切刃15bとされ、前記横切刃15aと前記側方コーナ部14Bを介してつながり、送りF1方向後方側且つ工具基端側に向かって延びる切刃が側刃15cとされる。前記前切刃15b及び前記側刃15cは、平面視で直線状に形成されている。
先端コーナ部14Aは、平面視で曲率半径が3mm〜10mmの範囲にある円弧からなる副切刃14aで構成され、送りF1方向で測定した長さが、送りF1の1倍以上5倍以下の範囲に設定されている。
また、側方コーナ部14Bは、平面視で曲率半径が3mm〜10mmの範囲にある円弧からなる副切刃14bで構成され、送りF2方向で測定した長さが、送りF2の1倍以上5倍以下の範囲に設定されている。
スローアウェイチップ10は、チップ座の底面2aに着座面12を着座し、且つチップ座の底面2aから立ち上がる少なくとも2つの壁面2b、2cに、これら壁面2b、2cに対応する側面を衝合した状態となるように、クランプ手段を用いてクランプされる。すなわち、図8において、この旋削工具では、クランプ手段におけるクランプねじ22を旋回させて沈み込ませることにより押え駒21が下方に向かって押され、この押え駒21の下面によってスリーブ24の上端面が押され、このスリーブ24の下端側部に形成された切欠き溝に挿入したL字状を呈するレバーピン23の一端が押されることにより、レバーピン23の他端がL字のコーナ部を支点とした回転運動を起こし、スローアウェイチップ10の取付け穴16の内壁面をチップ座の壁面2b、2cに向かって押圧する。また、同時に、前記クランプねじ22は押え駒21の先端部にも沈み込む力を与えて、スローアウェイチップ10の上面からチップ座の底面2aに向かって押えつけてスローアウェイチップ10をチップ座2内に固定する。
上記の構成を有する第2の実施形態においても、先に説明した第1の実施形態と同様に、横切刃15aの切込み角αが20°にあるため、送りF1にくらべ、横切刃15aに直角な方向の送り(いわゆる切取り厚み)が小さくなり切屑の厚みが薄くなる。そのため、横切刃15aの各位置における負荷が小さくなり、耐熱鋼等の難削材の旋削加工における横切刃15aの損傷の進行が遅延することから切刃寿命が向上する。その効果の一例を図9に示す。この図は第2の実施形態の旋削工具(本発明品)を用いてインコネル718を外周旋削したときの切削時間と横切刃15aとの関係を示すグラフである。従来品は、図10に示すように横切刃15aの切込み角αが45°の旋削工具である。両旋削工具において、装着するスローアウェイチップの材質及び切削条件は同一とした。このグラフからわかるように、従来品は早期に横切刃15aの損傷が進行して寿命に至るのに対し、本発明品は、横切刃15aの損傷の進行が遅くなるため、従来品の2倍以上の寿命が得られた。なお、本実施形態は、第1の実施形態のように幾何学的に横切刃15aの切込み角αが20°以下に限定されないが、前記切込み角αが25°を超えると、刃先への負荷を小さくする作用が小さくなり、上述した従来工具との比較試験において切刃寿命の延長効果が得られなくなることから、切込み角αは25°以下の範囲に限定される。
さらに、第2の実施形態の旋削工具においては、通常80°コーナ部を使用した後に廃却されるC形スローアウェイチップの100°コーナ部を使用するか、もしくは、該旋削工具で100°コーナ部を使用した後、他の旋削工具において、80°コーナ部を使用することによって、4つのコーナ部すべてを使用することができスローアウェイチップの有効利用が可能となり工具コストを低減することができる。
以上に説明した実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。スローアウェイチップは、特許請求の範囲に記載された構成を満たすものであればISO規格に規定されないものでよく、クランプ手段についても実施形態に説明したものに原点されず、
第1の実施形態である旋削工具の平面図である。 図1に示す旋削工具の正面図である。 図1に示す旋削工具の切刃拡大平面図である。 図1に示す旋削工具による加工状態を示す図であり、(a)は外周旋削、(b)は端面旋削をそれぞれ示す図である。 第2の実施形態である旋削工具の平面図である。 図4に示す旋削工具の正面図である。 図4に示す旋削工具の左側面図である。 図4におけるS1−S1線断面図である。 図4に示す旋削工具において切削時間と横切刃の損傷量の関係を示したグラフである。 従来の旋削工具の平面図である。 従来の切削挿入具の斜視図である。
符号の説明
1 工具本体
1A 頭部
2 チップ座
10 スローアウェイチップ
11 すくい面
12 着座面
13 逃げ面
14A 先端コーナ部
14B 側方コーナ部
14a、14b 副切刃
15a 横切刃
15b 前切刃
15c 側刃
20 押え金
30 クランプねじ
40 工作物
α 切込み角

Claims (6)

  1. 工具本体が工具先端側に設けられた頭部と、この頭部から工具基端側に連なるシャンク部とからなり、前記頭部の先端部上面に設けられた切欠き段部からなるチップ座には、切刃を備えたスローアウェイチップが前記工具本体に付設したクランプ手段によって着脱自在に取付けられてなるスローアウェイ式旋削工具において、
    前記切刃は、切込み角が5°〜25°の範囲にある横切刃と、
    前記横切刃に対して鈍角をなすとともに、該スローアウェイ式旋削工具の外周旋削時の送り方向後方側且つ工具基端側に向かって延びる前切刃と、
    これら横切刃と前切刃との間に介在し工具先端側に突出する先端コーナ部と、
    前記横切刃の前記先端コーナ部につながる端部の反対側の端部につながり前記送り方向前方側に突出する側方コーナ部と、
    この側方コーナ部を介して前記横切刃に連なり前記送り方向後方側且つ工具基端側に向かって延びる側刃と、
    からなることを特徴とするスローアウェイ式旋削工具。
  2. 前記スローアウェイチップは、ISO規格に規定されたC形のスローアウェイチップとされ、その鈍角コーナ部が前記先端コーナ部となり且つ前記鈍角コーナ部に隣接する一方の鋭角コーナ部が前記側方コーナ部となるように前記工具本体に配設されていることを特徴とする請求項1記載のスローアウェイ式旋削工具。
  3. 前記スローアウェイチップは、ISO規格に規定されたW形のスローアウェイチップとされ、その鈍角コーナ部が前記先端コーナ部となり且つ前記鈍角コーナ部に隣接する一方の鋭角コーナ部が前記側方コーナ部となるように前記工具本体に配設され、さらに、前記横切刃の切込み角が5°〜20°の範囲にあることを特徴とする請求項1記載のスローアウェイ式旋削工具。
  4. 前記スローアウェイチップが前記クランプ手段により前記チップ座の底面及び壁面に向けて押圧され前記チップ座にクランプされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のスローアウェイ式旋削工具。
  5. 前記先端コーナ部には、曲率半径3mm以上10mm以下の円弧状もしくは前記送り方向とのなす角度が−1.5°〜+1.5°の範囲にある直線状の副切刃が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のスローアウェイ式旋削工具。
  6. 前記側方コーナ部には、曲率半径が3mm以上10mm以下の円弧状もしくは前記送り方向に直角な方向とのなす角度が−1.5〜+1.5°の範囲にある直線状の副切刃が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のスローアウェイ式旋削工具。



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