JP4771767B2 - Mosトランジスタの制御方法 - Google Patents
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Description
トランスインピーダンスアンプは、受信した光信号を受光素子により光電気変換して得られた入力電流Iinを入力とし、帰還抵抗の値に比例するトランスインピーダンス利得によって、出力電圧Voutに変換して出力するものである。
したがって、従来のトランスインピーダンスアンプは、高感度と広ダイナミックレンジ特性を両立させるために、入力電流Iinが大きくなった場合に帰還抵抗の値を小さくしてトランスインピーダンス利得を下げることで、大電流入力時も歪みの少ない出力電圧Voutを得るようにしている。
これにより、トランジスタ10のオン/オフに応じて、端子TN1,TN2間の合成抵抗すなわち帰還抵抗が変化し、増幅回路の利得が切り替えられる。
しかしながら、このような従来技術では、MOSトランジスタの低容量化が実現されるものの、ゲート電極幅が狭い分だけオン抵抗が大きくなる傾向があり、高周波信号がアナログスイッチで減衰するという問題点があった。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、低容量でオン抵抗が低いMOSトランジスタ、MOSトランジスタの制御方法、およびトランスインピーダンスアンプを提供することを目的としている。
[第1の実施の形態]
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるMOSトランジスタについて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるMOSトランジスタの構成を示す断面図である。図2は、本発明の第1の実施の形態にかかるMOSトランジスタの構成を示す回路図である。
また、図1では、バックゲート端子Bの配線17Bを、ドレイン端子D、ソース端子S、およびゲート端子Gの配線17D,17S,17Gと同様に、トランジスタ10Aの素子表面(絶縁層16上部)に引き出しているが、基板11の裏面へ引き出して電位を与えるようにしてもよい。
次に、図3を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるMOSトランジスタの動作について説明する。図3は、本発明の第1の実施の形態にかかるMOSトランジスタの動作を示す信号波形図である。
これにより、半導体基板11の電位VBは、ドレイン電位VDやソース電位VSより低い第1の電位VB1となり、半導体基板11とドレイン12およびソース13との間に生じる寄生ダイオードの容量すなちわ寄生容量が小さくなるため、オフ状態においてMOSトランジスタ10A自体の低容量化が実現される。
これにより、半導体基板11の電位VBは、ドレイン電位VDやソース電位VSより高い第2の電位VB2となり、MOSトランジスタ10Aのしきい値を等価的に下げることができ、オン状態においてMOSトランジスタ10Aの低オン抵抗化が実現される。
また、MOSトランジスタがオン状態にある際、バックゲート端子により半導体基板の電位をドレイン端子およびソース端子の電位より高い第2の電位とすることができ、オン状態においてMOSトランジスタの低オン抵抗化を実現できる。
次に、図4および図5を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかるMOSトランジスタ10Aの制御方法について説明する。図4は、本発明の第2の形態にかかるMOSトランジスタ10Aを利得切替回路に用いた構成例を示す回路図であり、前述した図17と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。図5は、本発明の第2の形態にかかるMOSトランジスタ10Aの制御方法を示す説明図である。
本実施の形態では、半導体基板電位VBの具体例として、第1の電位VB1として接地電位GNDを用い、第2の電位VB2として電源電位Vccを用いる場合について説明する。
トランジスタQaは、NPNトランジスタからなり、ベース端子は入力端子INに接続され、コレクタ端子は負荷抵抗RLを介して電源電位Vccに接続され、エミッタ端子は抵抗REを介して接地電位GNDに接続されている。トランジスタQaのコレクタ端子から増幅信号Saがエミッタフォロワ回路2Bへ出力される。
トランジスタQbは、NPNトランジスタからなり、ベース端子はエミッタ接地回路2Aからの増幅信号Saに接続され、コレクタ端子は電源電位Vccに接続され、エミッタ端子は出力端子OUTに接続されている。定電流源Ieの入力端子はトランジスタQbのエミッタ端子に接続され、定電流源Ieの出力端子は接地電位GNDに接続されている。
次に、図5を参照して、本発明の第2の実施形態にかかるMOSトランジスタ10Aの動作について説明する。
利得切替信号SELとして接地電位GNDが与えられた場合、MOSトランジスタ10Aはオフ(開放)状態となり、端子TN1,TN2間に帰還抵抗RFaだけが接続されて、利得大が選択される。また、MOSトランジスタ10Aのバックゲート端子Bにゲート端子Gと同じ接地電位GNDが印加される。
したがって、バックゲート端子Bに接地電位GNDが印加された場合、半導体基板11の電位VBは、ドレイン電位やソース電位より低い接地電位GNDからなる第1の電位VB1となり、オフ状態においてMOSトランジスタ10A自体の低容量化が実現される。これにより、MOSトランジスタ10Aがオフ状態となる利得大選択時において、MOSトランジスタ10Aの寄生容量による帰還抵抗の交流成分としての影響を抑制することができ、利得の高周波特性が劣化しない良好な周波数特性が得られる。
次に、図6〜図9を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかるトランスインピーダンスアンプについて説明する。図6は、一般的なPONシステムの構成例である。図7は、一般的なPONシステムの上りデータとして送信されるパケットの構成例である。図8は、一般的なPONシステムの下りデータとして送信されるパケットの構成例である。図9は、本発明の第3の実施の形態にかかるトランスインピーダンスアンプの構成を示すブロック図である。
これら利得切替回路212,222として前述の第1または第2の実施の形態で説明した利得切替回路1Aおよびその制御方法が用いられる。また、増幅回路211,221として、前述の第1または第2の実施の形態で説明した増幅回路2を用いてもよい。
出力バッファ回路240は、中間段バッファ回路230の差動出力端子が差動入力端子に接続されて、この差動入力端子に入力された出力電圧V3,V4を差動増幅し(例えば、利得=1)、出力電圧Voutp(非反転出力)およびVoutn(反転出力)を、トランスインピーダンスアンプ200の出力電圧Voutとして出力するバッファ回路である。
次に、図10〜図13を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかるトランスインピーダンスアンプの動作について説明する。図10は、本発明の第3の実施の形態にかかるトランスインピーダンスアンプの各部における信号波形例である。図11は、本発明の第3の実施の形態にかかるトランスインピーダンスアンプで用いられる利得切替コンパレータのヒステリシス特性例である。図12は、利得切替コンパレータの動作特性例である。図13は、本発明の第3の実施の形態にかかるトランスインピーダンスアンプの動作例を示すタイミングチャート図である。
光ファイバを介して局側装置(OLT)から送信された光信号は、光カプラで分配されて宅側装置(ONU)に到達し、その光受信回路の受光素子100により光電気変換され、入力電流Iinとしてトランスインピーダンスアンプ200へ入力される。
一方、第2のトランスインピーダンスアンプコア回路220は、常時、出力電圧V1の参照電圧として入力電流Iinに応じて変化しない一定の出力電圧V2を出力している。
中間段バッファ回路230の差動出力信号は、出力バッファ回路240に入力され、出力電圧Voutp(非反転出力)およびVoutn(反転出力)からなるトランスインピーダンスアンプ200の出力電圧Voutとして出力される。
中間段バッファ回路230の差動出力信号は、比較入力電圧Vcとして利得切替判断回路250へ供給され、利得切替判断回路250の利得切替コンパレータ251へ入力される。
これにより、利得切り替えが行われる電流I1付近で入力電流Iinが変動しても、利得切替コンパレータ251の比較動作は安定するため、トランスインピーダンスアンプコア回路210,220の利得を安定させることができ、振幅変動の小さい出力信号Voutが得られる。
次に、図14および図15を参照して、本発明の第4の実施の形態にかかるトランスインピーダンスアンプで用いられるトランスインピーダンスアンプコア回路の具体例について説明する。図14は、本発明の第4の実施の形態にかかるトランスインピーダンスアンプで用いられるトランスインピーダンスアンプコア回路の主要部構成例を示す回路図である。図15は、図14のトランスインピーダンスアンプコア回路の利得切替制御を示す説明図である。
また、MOSトランジスタ10Aにおいて、バックゲート端子から半導体基板に対してゲート端子と同じ電位を印加するようにしたので、極めて簡素な回路構成で低容量化および低オン抵抗化を実現できる。
以上で説明した各実施の形態では、NMOSトランジスタを例として説明したが、PMOSトランジスタについても、その制御論理がNMOSトランジスタと反転するものの前述と同様にして各実施の形態を適用でき、同様の作用効果が得られる。
Claims (1)
- ドレイン、ソース、ゲート、およびゲート絶縁膜からなるMOS構造が形成されている半導体基板に対して外部から任意の電位を印加するためのバックゲート端子を備えるN型のMOSトランジスタの制御方法であって、
当該MOSトランジスタがオフ状態にある際、前記MOSトランジスタのゲート端子およびバックゲート端子の両方をドレイン端子およびソース端子の電位より低い第1の電位とし、
当該MOSトランジスタがオン状態にある際、前記MOSトランジスタのゲート端子およびバックゲート端子の両方をドレイン端子およびソース端子の電位より高い第2の電位とすることを特徴とするMOSトランジスタの制御方法。
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