JP4766372B2 - ダンパ付きプーリおよびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、エンジンのクランクシャフトに装着され、クランクシャフトのトルクを無端ベルトを介して各種の補機へ伝達するダンパ付きプーリの技術に関する。
エンジンのクランクシャフトの回転を各種の補機に伝達するためのプーリには、主としてアイドリング回転時のようにエンジン低回転時におけるエンジンのトルク変動によって発生するクランクシャフトの速度変動を遮断するとともに、クランクシャフトの捩り振動を低減する機能を有するダンパ付きプーリがある。このダンパ付きプーリは、アイソレーション・ダンパプーリとも言われ、特許文献1に記載されるように、クランクシャフトに装着されるダンパ組立体と、このダンパ組立体に組み付けられ無端ベルトが掛け渡されるプーリ組立体とを有している。
国際公開第2005/005865号パンフレット(図1)
従来のダンパ組立体は、クランクシャフトに装着されるハブと、ハブの外周に第1の弾性体を介して固定される環状質量体とを備えており、クランクシャフトの捩り振動を低減する機能を有している。一方、プーリ組立体は外周部にプーリ溝が形成された円筒部と、この円筒部の軸方向一端部から中心方向に延出するカバー部とを有するカバー本体を備え、カバー部には第2の弾性体の一端部が固定され、この弾性体の他端部にはアイソレーションリングが固定されている。アイソレーションリングは第2の弾性体の他端部が固定される径方向部と、プーリ組立体をダンパ組立体に組み付けるときにハブに設けられた円筒部に嵌合する嵌合部を有しており、第2の弾性体はアイソレーションリングを介してダンパ組立体とプーリ本体との間に固定され、エンジン低回転時のクランクシャフトのトルク変動によって発生するクランクシャフトの速度変動を遮断する機能を有している。
このように第2の弾性体をこれに固定されたアイソレーションリングの嵌合部でダンパ組立体の円筒部に嵌合させるようにしたダンパ付きプーリにおいては、カバー本体に第2の弾性体を加硫成形により成形する際に、アイソレーションリングを第2の弾性体を介してカバー本体に加硫接着する必要があるので、第2の弾性体の内周面を形成する金型の一部をアイソレーションリングの嵌合部の外側に配置する必要があり、第2の弾性体と嵌合部との間には金型用のスペースに対応した隙間が形成されることになり、この隙間が形成される結果、ダンパ付きプーリの径方向寸法が大きくなる。
従来のダンパ付きプーリは、アイソレーションリングを第2の弾性体を介してカバー本体に固定するには、加硫成形時におけるアイソレーションリングと第2の弾性体との密着性を高めるために、アイソレーションリングの表面を粗面化処理した後に、接着剤を塗布しており、粗面化処理および接着剤塗布を行う際には、これらの処理が行われない面をマスキングする必要がある。特に、アイソレーションリングの嵌合部のマスキングは、粗面化処理等によって表面の平坦性が損なわれるのを防止するために、必須の工程である。
また、第2の弾性体が加硫成形されたカバー本体にプレッシャーリングをアイソレーションリングの嵌合部に嵌合させて第2の弾性体を予圧縮するための圧入工程と、プレッシャーリングをカバー本体に嵌合した後に、カバー本体をプレッシャーリングとともにダンパ組立体に嵌合させるための圧入工程とが必要であり、このように2回の圧入工程が必要となっていた。
本発明の目的は、弾性体とプレッシャーリングとの間の隙間を小さくして径方向の寸法が小さい小型のダンパ付きプーリを提供することにある。
本発明の他の目的は、弾性体をダンパ組立体に取り付けるためのアイソレーションリングを不要として組立工数を低減し得るダンパ付きプーリを提供することにある。
本発明のダンパ付きプーリは、エンジンのクランクシャフトに装着されるダンパ付きプーリであって、前記クランクシャフトへの取付孔と、当該取付孔から径方向外方に延びる径方向部と、当該径方向部に設けられた外側円筒部とを有するハブ、および前記外側円筒部に第1の弾性体を介して装着される環状質量体を備えるダンパ組立体と、外周部にプーリ溝が形成され前記環状質量体の外側に配置される円筒部、および当該円筒部の軸方向一端部から中心方向に延出するカバー部を備えるプーリ本体と、一端が前記プーリ本体に固定され、他端に前記径方向部に形成された係合部に係合する噛み合い端部が設けられて前記プーリ本体とによりプーリ組立体を形成する第2の弾性体と、前記ダンパ組立体に設けられた内側円筒部に嵌合される嵌合部を有し、前記噛み合い端部を前記係合部に係合させた状態のもとで、前記プーリ本体を軸方向に押圧して前記第2の弾性体に軸方向の予圧縮を付与する押圧部材とを有し、前記噛み合い端部を前記係合部に係合する複数の突起により形成するとともに、前記第2の弾性体の端部に補強リングを設け、当該補強リングに前記突起を設けたことを特徴とする。
本発明のダンパ付きプーリは、前記係合部を係合孔により形成するとともに、前記突起を前記係合孔に係合する凸部としてもよい。
本発明のダンパ付きプーリは、前記凸部の外側を前記第2の弾性体に連なった弾性材料の被覆層により覆い、当該被覆層が前記係合孔に接触することを特徴とする。
本発明のダンパ付きプーリの製造方法は、エンジンのクランクシャフトに装着されるダンパ付きプーリの製造方法であって、前記クランクシャフトへの取付孔と係合部を備え前記取付孔から径方向外方に延びる径方向部と、当該径方向部に設けられた外側円筒部とを有するハブ、および前記外側円筒部に第1の弾性体を介して装着される環状質量体を備えるダンパ組立体を準備する工程と、外周部にプーリ溝が形成され前記環状質量体の外側に配置される円筒部、および当該円筒部の軸方向一端部から中心方向に延出するカバー部を備えるプーリ本体と、一端が前記プーリ本体に固定された第2の弾性体と、前記第2の弾性体の他端に設けられ前記係合部と係合する突起を備えた補強リングとを備えるプーリ組立体を準備する工程と、前記突起を前記係合部に係合させた状態のもとで、前記カバー部に対向する押圧部と前記ダンパ組立体に設けられた内側円筒部に嵌合される嵌合部とを有する押圧部材を前記内側円筒部に圧入して前記径方向部と前記押圧部材とにより前記第2の弾性体に軸方向の予圧縮を付与するとともに、前記ダンパ組立体の端面と前記プーリ溝との軸方向の離間長が所定値となった位置に前記押圧部材を前記内側円筒部に嵌合する工程とを有することを特徴とする。
本発明のダンパ付きプーリの製造方法は、前記係合部を係合孔により形成するとともに、前記突起を前記係合孔に係合する凸部としてもよい。
本発明によれば、プーリ組立体のプーリ本体に固定された第2の弾性体の端部に、突起を備えた補強リングを設ける一方、ダンパ組立体のハブの径方向部に前記突起が係合する係合部を設けることにより、係合方式によりプーリ組立体とダンパ組立体とを固定するようにしたので、プーリ組立体にアイソレーションリングを取り付ける必要がなくなる。これにより、アイソレーションリングの嵌合部の外周面と第2の弾性体の内周面との間の金型配置用の間隙が不要になり、第2の弾性体を従来よりも軸心寄りに配置することができるため、ダンパ付きプーリの外径を小さくすることが可能となり、ダンパ付きプーリを小型化することができる。
アイソレーションリングが不要となることから、第2の弾性体との密着性を高めるためのアイソレーションリングの表面の粗面化処理と接着剤塗布時における他の部分へのマスキングが不要となり、ダンパ付きプーリを少ない工程で製造することができる。また、第2の弾性体のダンパ組立体側端部とダンパ組立体とを係合方式により一体的に組み付けるようにし、押圧部材により第2の弾性体に予圧縮を付与するようにしたので、プレス機械を用いた圧入工程をアイソレーションリングを用いた場合よりも少なくすることができ、ダンパ付きプーリを少ない工程で製造することができる。これにより、低コストでダンパ付きプーリを製造することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態であるダンパ付きプーリを示す断面図であり、図2は図1に示されたダンパ付きプーリをダンパ組立体とプーリ組立体とに分離した状態を示す断面図であり、図3はダンパ付きプーリの組立工程を示す断面図であり、図4は図1における矢印A方向から見たバンパ付きプーリの正面図である。
本発明のダンパ付きプーリ1は、クランクシャフトに装着されるダンパ組立体2と、このダンパ組立体2に組み付けられるとともに無端ベルトが掛け渡されるプーリ組立体3とを備えている。ダンパ組立体2はハブ10を有しており、ハブ10はクランクシャフト(不図示)が貫通する取付孔11が形成された円筒形状のボス部12と、このボス部12から径方向外方に延出する径方向部13と、この径方向部13の径方向先端から軸方向に延出してボス部12の中心軸Oに同軸状の外側円筒部14とを有している。径方向部13には、外側円筒部14よりも小径であり中心軸Oと同軸状の内側円筒部15が外側円筒部14に平行となって軸方向に延出して設けられており、ハブ10は鋳造や板金の転造加工等によってこれを構成する上記各部が一体に成形されている。
ハブ10の外側円筒部14の外側には、加硫ゴム等の弾性材料により環状に成形されたダンパゴムつまり環状弾性体16が第1の弾性体として配置され、この環状弾性体16の外側には鋳鉄や鋳鋼等の金属製のイナーシャリングつまり環状質量体17が配置されており、環状弾性体16は環状質量体17の内周面と外側円筒部14の外周面との間に圧入されている。このような構造のダンパ組立体2は、ボス部12に設けられたキー溝11aに取り付けられるキーを介してクランクシャフトに装着され、クランクシャフトの捩り振動を低減する機能を有している。
一方、プーリ組立体3はプーリ本体20を有しており、プーリ本体20は外周部にプーリ溝21が形成された円筒部22と、この円筒部22の軸方向一端部から径方向内方に向けて延出するカバー部23とを備えており、プーリ組立体3をダンパ組立体2に組み付けると、円筒部22は環状質量体17の外側に配置されることになる。円筒部22の内周面と環状質量体17の外周面との間には、ジャーナルベアリング24が設けられており、このジャーナルベアリング24は樹脂により円筒形状に成形されている。
プーリ本体20にはそのカバー部23に、加硫ゴム等の弾性材料により環状に成形されたアイソレータゴムつまり環状弾性体25がその一端部で固定されており、第2の弾性体としての環状弾性体25の他端部には複数の突起26が形成され、環状弾性体25の他端部は突起26が設けられた噛み合い端部となっている。一方、それぞれの突起26に対応してダンパ組立体2を構成するハブ10の径方向部13には複数の係合孔27が係合部として形成されている。図4に示すように、係合孔27は径方向部13に円周方向に等間隔を隔てて4つ形成されており、環状弾性体25の他端部にはそれぞれの係合孔27に対応させて突起26が4つ設けられている。
環状弾性体25の他端部には金属製の補強リング28が設けられており、この補強リング28は径方向内側部が径方向外側部よりもカバー部23に接近するように傾斜している。補強リング28にはカバー部23に対して反対側に軸方向に突出する中空の凸部29が一体に設けられており、凸部29は補強リング28をプレス加工する際に塑性加工され、補強リング28はプーリ本体20に環状弾性体25を加硫接着する際に環状弾性体25の端部内に埋め込まれるようになっている。このように、プーリ組立体3はプーリ本体20と、補強リング28が埋め込まれた環状弾性体25とにより構成されている。なお、凸部29としては、補強リング28をプレス加工して補強リング28と一体に凸部29を成形することなく、中実のピンを補強リング28に取り付けることによりピンにより凸部29を形成するようにしても良い。
補強リング28は内周面28aを除いて環状弾性体25のゴム材料により覆われ、ゴム材料は凸部29の内部に埋め込まれとともに凸部29の外面には環状弾性体25に連なるゴム材料の被覆層30により覆われている。このように、突起26は環状弾性体25の他端部内に埋め込まれる補強リング28の凸部29とその外側に覆われる被覆層30とにより形成されるので、係合孔27に係合する突起26の強度が確保されるとともに、係合孔27の内周面にはゴム製の被覆層30が接触することになって振動音の発生が防止される。
また、補強リング28のダンパ組立体2側の面も被覆層30により覆われているため、補強リング28とハブ10との間には被覆層30が介在し、補強リング28とハブ10とが接触することがなく、振動音の発生が防止される。
プーリ組立体3を突起26を係合孔27に係合させてダンパ組立体2に組み付けた状態のもとで、環状弾性体25に圧縮力を加えるために、ハブ10の内側円筒部15の外側には金属製のプレッシャーリング31が押圧部材として配置される。このプレッシャーリング31は中心軸Oと同軸状となって内側円筒部15に嵌合される円筒形状の嵌合部32と、この嵌合部32の端部から径方向に放射状に延出する押圧部33とを備えており、全体的にリング状となっている。このプレッシャーリング31は板材を用いてプレス加工により成形される。押圧部33とカバー部23との間には樹脂製のスラストベアリング34が配置され、押圧部33はスラストベアリング34を介してプーリ組立体3のカバー部23を押圧し、これにより、環状弾性体25に予圧縮が付与される。
このように、ダンパ組立体2とプーリ組立体3とを組み立てる際に、環状弾性体25に軸方向に所定の予圧縮を付与することができるとともに、プレッシャーリング31の嵌合部32とハブ10の内側円筒部15との軸方向の位置を調整することによりダンパ組立体2とプーリ組立体3との軸方向の相対位置を調整することができ、ダンパ組立体2の取付部端面12aと軸方向中央のプーリ溝21との軸方向の離間長Lを調整することができる。したがって、環状弾性体25に加えられる予圧縮を許容範囲内に保持しつつ、プーリ組立体3のダンパ組立体2に対する軸方向位置、つまり離間長Lを所定の公差の範囲内に収めることができるので、プーリ本体20とプレッシャーリング31を高い精度で加工することが不要となる。
次に、図2および図3に基づいて本実施の形態であるダンパ付きプーリ1の製造方法について説明する。
ダンパ組立体2は鋳鉄や鋳鋼等の金属材料を用いて鋳造により成形されたハブ10に研磨加工などの所定の機械加工を施した後に、ハブ10の外側に環状弾性体16を介して環状質量体17を組み付けることにより、図2に示すように、予め準備工程において製造される。
一方、鋳鉄や鋳鋼等の金属材料を用いて鋳造により成形されたプーリ本体20を、プレス加工された補強リング28ととともに、加硫成形用の金型に配置した状態で金型内に流動状態のゴム材料を注入する。これにより、環状弾性体25が成形されるとともに、補強リング28は加硫ゴムにより覆われて環状弾性体25の端部内に埋め込まれ、環状弾性体25はその端部でカバー部23に固定される。このようにしてプーリ組立体3が予め準備工程において製造される。このように、成形金型によりプーリ本体20に環状弾性体25を加硫接着してプーリ組立体3を製造した後に、円筒部22の内部にジャーナルベアリング24が、図2に示すようにプーリ組立体3に組み付けられる。なお、成形時にカバー部23の反対側面の内周部分を加硫ゴムにより被覆層を設けるようにしても良い。
ダンパ組立体2にプーリ組立体3を組み付けるには、図示しない金型にダンパ組立体2を配置した状態のもとでダンパ組立体2にプーリ組立体3を配置することにより、図3に示すように、ダンパ組立体2の係合孔27にプーリ組立体3の環状弾性体25の突起26を係合させる。このときには、突起26と係合孔27との位置を合わせて金型内にプーリ組立体3を配置することにより、油圧アクチュエータを用いることなく、容易にダンパ組立体2とプーリ組立体3とを組み付けることができる。
次に、プーリ組立体3のカバー部23とプレッシャーリング31の押圧部33との間にスラストベアリング34を介在させた状態のもとで、プレッシャーリング31の嵌合部32をハブ10の内側円筒部15に油圧アクチュエータ(不図示)を用いて軸方向に圧入して嵌合部32と内側円筒部15とを嵌合させる。これにより、環状弾性体25に軸方向に所定の予圧縮が付与された状態となってダンパ組立体2とプーリ組立体3との組立が行われる。このようにして組み立てられるダンパ付きプーリ1は、内側円筒部15の半径がR0、環状弾性体25の内周面の半径がRa、プーリ組立体3の半径がRbとなっている。
図5は比較例として示す従来のダンパ付きプーリ1Aを示す断面図であり、図5においては、本発明のダンパ付きプーリ1の構成部材と共通の機能を有する部材には同一の符号が付されている。
図5に示すように、従来のダンパ付きプーリ1Aには、プーリ組立体3のカバー部23に環状弾性体25を介して固定されるアイソレーションリング41が設けられている。このアイソレーションリング41は環状弾性体25に固定される支持部42と、これと一体になりプレッシャーリング31の嵌合部32に嵌合される嵌合部43とを有している。このように、従来のダンパ付きプーリ1Aは、アイソレーションリング41をハブ10の内側円筒部15にプレッシャーリング31の嵌合部32を介して嵌合させることにより、嵌合方式により環状弾性体25をハブ10に固定するようにしているので、環状弾性体25に予圧縮を付与するために、プレス機械を用いてプレッシャーリング31の嵌合部32とアイソレーションリング41の嵌合部43とを圧入させる圧入工程に加えて、プレッシャーリング31が組み付けられたプーリ組立体3をプレス機械を用いてプレッシャーリング31の嵌合部32をハブ10の内側円筒部15に圧入させてハブ10とプーリ組立体3とを組み付けるための圧入工程が必要となる。
これに対して、本発明のダンパ付きプーリ1においては、環状弾性体25をその端部に設けられた突起26を、ダンパ組立体2のハブ10の径方向部13に形成された係合孔27に係合させた状態のもとで、押圧部材としてのプレッシャーリング31を内側円筒部15に嵌合させて環状弾性体25に予圧縮を付与するとともにダンパ組立体2の端面とプーリ組立体3のプーリ溝21との軸方向の離間長Lを設定するようにしたので、1度の圧入工程でダンパ付きプーリ1を組み立てることができる。
また、従来のダンパ付きプーリ1Aにおいては、嵌合方式により環状弾性体25をハブ10に固定するようにしている。そして、アイソレーションリング41の支持部42の表面と環状弾性体25との密着性を高めるために、支持部42の表面を粗面化処理した後に接着剤を塗布する必要があるのに対して嵌合部32は内側円筒部15に嵌合されるので表面を平坦に仕上げる必要があり、支持部42の粗面化処理および接着剤塗布を行う際には、嵌合部32を覆ってマスキングする必要がある。
このため、従来のダンパ付きプーリ1Aを製造するには、圧入工程が多いだけでなく、マスキング工程が必要となるため、ダンパ付きプーリ1Aの製造コストが高くなる。これに対して、本発明のダンパ付きプーリ1は環状弾性体25をその端部の噛み合い端部で直接ハブ10の径方向部13に係合させるようにした係合方式により環状弾性体25をハブ10に取り付けるようにし、アイソレーションリング41を用いないので、アイソレーションリング41のマスキング工程は不要となる。環状弾性体25の端部には補強リング28が埋め込まれているが、この補強リング28は嵌合部を有していないので、マスキングを用いることなく、補強リング28の全体に粗面化処理と接着剤塗布を行うことができる。
さらに、従来のダンパ付きプーリ1Aのように嵌合方式においては、金型を用いて環状弾性体25を成形する際に、プーリ本体20とアイソレーションリング41とを環状弾性体25を介して加硫接着するために、金型のうち環状弾性体25の内周面を成形する部分をアイソレーションリング41の嵌合部43の外側に配置する必要がある。したがって、所望の金型強度を維持するためには、環状弾性体25の内周面と嵌合部43との間に、図5に示すように、所望の厚みのスペース44を設けて、このスペース44内に金型の一部を入り込ませる必要がある。このため、ハブ10の内側円筒部15の外径を図1に示したダンパ付きプーリ1の半径R0と同一の半径R0とした場合には、環状弾性体25の内径を本発明のダンパ付きプーリ1の内径Raよりも大きい内径RAとしなければならず、結果的にダンパ付きプーリ1Aのプーリ外径RBもダンパ付きプーリ1のプーリ外径Rbよりも大きく設定しなければ、同様の捩り振動の低減機能と速度変動の遮断機能とを得ることがでなかった。このため、ダンパ付きプーリ1Aの小型化には限界があったが、本発明によれば、係合方式によりダンパ組立体2とプーリ組立体3とを固定するようにしたので、ダンパ付きプーリ1の外径Rbを従来よりも小さくすることができ、ダンパ付きプーリ1の小型化を達成することができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。たとえば、ハブ10の径方向部13は円板形状ないしディスク形状となっているが、その一部に切り欠きが設けられた複数の棒状部材により径方向部13を形成するようにしても良い。また、環状弾性体25の端部に突起26を設けることにより環状弾性体25の端部を噛み合い端部としているが、環状弾性体25の端部に係合孔を設けて係合孔を有する噛み合い端部とし、係合孔に噛み合う突起をハブ10の径方向部13に形成するようにしても良い。
本発明の一実施の形態であるダンパ付きプーリを示す断面図である。 図1に示されたダンパ付きプーリをダンパ組立体とプーリ組立体とに分離した状態を示す断面図である。 ダンパ付きプーリの組立工程を示す断面図である。 図1における矢印A方向から見たバンパ付きプーリの正面図である。 比較例として示す従来のダンパ付きプーリを示す断面図である。
符号の説明
1 ダンパ付きプーリ
2 ダンパ組立体
3 プーリ組立体
10 ハブ
11 取付孔
12 ボス部
13 径方向部
14 外側円筒部
15 内側円筒部
16 環状弾性体(第1の環状弾性体)
17 環状質量体
20 プーリ本体
21 プーリ溝
22 円筒部
23 カバー部
25 環状弾性体(第2の環状弾性体)
26 突起
27 係合孔
28 補強リング
30 被覆層
31 プレッシャーリング(押圧部材)
32 嵌合部
33 押圧部

Claims (5)

  1. エンジンのクランクシャフトに装着されるダンパ付きプーリであって、
    前記クランクシャフトへの取付孔と、当該取付孔から径方向外方に延びる径方向部と、当該径方向部に設けられた外側円筒部とを有するハブ、および前記外側円筒部に第1の弾性体を介して装着される環状質量体を備えるダンパ組立体と、
    外周部にプーリ溝が形成され前記環状質量体の外側に配置される円筒部、および当該円筒部の軸方向一端部から中心方向に延出するカバー部を備えるプーリ本体と、
    一端が前記プーリ本体に固定され、他端に前記径方向部に形成された係合部に係合する噛み合い端部が設けられて前記プーリ本体とによりプーリ組立体を形成する第2の弾性体と、
    前記ダンパ組立体に設けられた内側円筒部に嵌合される嵌合部を有し、前記噛み合い端部を前記係合部に係合させた状態のもとで、前記プーリ本体を軸方向に押圧して前記第2の弾性体に軸方向の予圧縮を付与する押圧部材とを有し、
    前記噛み合い端部を前記係合部に係合する複数の突起により形成するとともに、前記第2の弾性体の端部に補強リングを設け、当該補強リングに前記突起を設けたことを特徴とするダンパ付きプーリ。
  2. 請求項1記載のダンパ付きプーリにおいて、前記係合部を係合孔により形成するとともに、前記突起を前記係合孔に係合する凸部としたことを特徴とするダンパ付きプーリ。
  3. 請求項記載のダンパ付きプーリにおいて、前記凸部の外側を前記第2の弾性体に連なった弾性材料の被覆層により覆い、当該被覆層が前記係合孔に接触することを特徴とするダンパ付きプーリ。
  4. エンジンのクランクシャフトに装着されるダンパ付きプーリの製造方法であって、
    前記クランクシャフトへの取付孔と係合部を備え前記取付孔から径方向外方に延びる径方向部と、当該径方向部に設けられた外側円筒部とを有するハブ、および前記外側円筒部に第1の弾性体を介して装着される環状質量体を備えるダンパ組立体を準備する工程と、
    外周部にプーリ溝が形成され前記環状質量体の外側に配置される円筒部、および当該円筒部の軸方向一端部から中心方向に延出するカバー部を備えるプーリ本体と、一端が前記プーリ本体に固定された第2の弾性体と、前記第2の弾性体の他端に設けられ前記係合部と係合する突起を備えた補強リングとを備えるプーリ組立体を準備する工程と、
    前記突起を前記係合部に係合させた状態のもとで、前記カバー部に対向する押圧部と前記ダンパ組立体に設けられた内側円筒部に嵌合される嵌合部とを有する押圧部材を前記内側円筒部に圧入して前記径方向部と前記押圧部材とにより前記第2の弾性体に軸方向の予圧縮を付与するとともに、前記ダンパ組立体の端面と前記プーリ溝との軸方向の離間長が所定値となった位置に前記押圧部材を前記内側円筒部に嵌合する工程とを有することを特徴とするダンパ付きプーリの製造方法。
  5. 請求項4記載のダンパ付きプーリの製造方法において、前記係合部を係合孔により形成するとともに、前記突起を前記係合孔に係合する凸部としたことを特徴とするダンパ付きプーリの製造方法。
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