JP4766068B2 - 冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、通信機器等の発熱体が収容された筐体の内部を冷却する冷却装置に関するものである。
このような冷却装置は、発熱体が収容された筐体の内部に配される高温側熱交換器と、筐体の外部で高温側熱交換器より高い位置に配される低温側熱交換器と、高温側熱交換器で沸騰気化した気相冷媒を低温側熱交換器へ導入する気相冷媒用配管と、低温側熱交換器で凝縮した液相冷媒を高温側熱交換器へ導入する液相冷媒用配管とを備えている。
これらのうち、気相冷媒用配管、液相冷媒用配管は、ゴム製のOリングを介して、低温側熱交換器、高温側熱交換器に接続されているが、時間の経過と共にOリング自体を冷媒が透過するため、冷却装置に封入された冷媒が低減して、冷却装置の冷却性能が低下してしまう。
そこで、特許文献1に記載の技術では、低温側熱交換器と高温側熱交換器との中間領域に、液相冷媒用配管の一部を略水平方向に延長させることによって冷媒貯蔵部を設けている。これによれば、一定期間においてOリングから冷媒が漏れたとしても、液相冷媒用配管で構成された冷媒貯蔵部に蓄えられる予備冷媒量が無くなるまでは、所定の冷却性能を維持できるようになっている。
特許第3876504号公報
しかし、上記のように、冷媒用配管によって冷媒貯蔵部を構成する場合では、冷媒貯蔵部を構成する配管を長くするにつれて、冷媒の貯蔵量を多くでき、所定の冷却性能を維持できる期間を長くすることができるが、通常、冷媒用配管は径が小さいため、配管を長くするにつれて、内部を流れる冷媒の圧力損失が大きくなり、冷却性能が低下してしまう。

また、例えば、20年間等の長期間にわたり、所定の冷却性能を維持できるようにすると、冷媒貯蔵部を構成する配管がかなり長くなってしまうため、この長い配管を配置するスペースを確保する必要が生じ、冷却装置自体が大型化してしまう。
本発明は上記点に鑑みて、冷媒の漏れが発生したとしても、長期間にわたり所定の冷却性能を維持できるようにするとともに、冷媒用配管によって冷媒貯蔵部を構成する場合と比較して冷却性能を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、低温側熱交換器(4)の第2ヘッダタンク(28、29)は、液相冷媒用配管(6)よりも流路断面積が大きく、かつ、低温側熱交換器(4)の第1ヘッダタンク(27)および高温側熱交換器(3)の第1、第2ヘッダタンク(23、24)よりも容積が大きくなっており、低温側熱交換器(4)の第2ヘッダタンク(28、29)に所定量の液相の予備冷媒を蓄えるようにしたことを特徴としている。
これによれば、低温側熱交換器(4)の第2ヘッダタンク(28、29)の容積を他のヘッダタンクよりも大きくして、この低温側熱交換器(4)の第2ヘッダタンク(28、29)に所定量の液相の予備冷媒を蓄えるようにしたので、この予備冷媒が無くなるまでは、所定の冷却性能を維持することができる。
さらに、低温側熱交換器(4)の第2ヘッダタンク(28、29)は、液相冷媒用配管(6)よりも流路断面積が大きいので、配管に予備冷媒を蓄える構成の上記した従来の冷却装置と比較して、冷媒流れによる圧力損失を低減でき、冷却性能を向上させることができる。
具体的には、請求項2に記載のように、低温側熱交換器(4)の第2ヘッダタンクは、複数本のチューブ(21)の下端に連通する下部ヘッダタンク(28)と、下部ヘッダタンク(28)の内部と連通可能な状態で下部ヘッダタンク(28)に取り付けられ、下部ヘッダタンク(28)に平行に配置された筒状である液相冷媒を貯蔵するための冷媒貯蔵用タンク(29)とを有する構成とする。
さらに、請求項3に記載のように、例えば、下部ヘッダタンク(28)と冷媒貯蔵用タンク(29)との接合面(30、40)に、下部ヘッダタンク(28)の内部と冷媒貯蔵用タンク(29)の内部とを連通させる複数の穴(31、41)が下部ヘッダタンク(28)および冷媒貯蔵用タンク(29)の長手方向に並んで設けることが好ましい。
これによれば、下部ヘッダタンク(28)と冷媒貯蔵用タンク(29)との接合面(30、40)のうち隣り合う穴(31、41)同士の間の部分(32、42)によって、下部ヘッダタンクと冷媒貯蔵タンクの接合部の外周方向に沿った方向での強度を確保することができる。
また、本発明者の調査によれば、気相冷媒用配管(5)および液相冷媒用配管(6)を、ゴム製のOリングを介して、低温側熱交換器(4)および高温側熱交換器(3)と連結した構成では、20年間のOリングからの冷媒の漏れ量は350gであった。このため、本発明の冷却装置を10年連続稼動させる場合での冷媒の漏れ量は175gである。
したがって、請求項4に記載のように、下部ヘッダタンク(28)と冷媒貯蔵用タンク(29)との合計容積を、少なくとも175gの液相冷媒を収容できる容積として、下部ヘッダタンク(28)と冷媒貯蔵用タンク(29)に液相冷媒を貯蔵することで、Oリングから冷媒が漏れたとしても、少なくとも10年間は所定の冷却性能を維持できる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
図1に、本発明の第1実施形態における冷却装置1の全体構成を示す。本実施形態は、本発明を携帯電話通信網基地局の通信機器が収容された筐体内を冷却する通信機器冷却装置に適用した例である。
本実施形態の冷却装置1は、いわゆる沸騰式、すなわち、熱サイフォン式の冷却装置であり、図1に示すように、筐体2の内部に配置される高温側熱交換器としての沸騰器3と、筐体2の外部に配置される低温側熱交換器としての凝縮器4と、沸騰器3と凝縮器4とを連結する気相冷媒用配管5および液相冷媒用配管6と、沸騰器3に送風する室内ファン7と、凝縮器4に送風する室外ファン8とを備えている。
筐体2は、密閉された内部に発熱体である通信機器9を収容している。
沸騰器3は、沸騰器用ケース10に収容された状態で、筐体2の上部に設置されている。沸騰器3は、筐体2の立壁面2aに対して所定角度傾斜した姿勢で取り付けられている。沸騰器用ケース10は、吸気開口部10aと排気開口部10bとを有している。
室内ファン7は、筐体2の内部空気を沸騰器3に送風するものであり、例えば、軸流式ファンが用いられる。室内ファン7は、沸騰器用ケース10に収容された状態で、沸騰器3の隣に取り付けられている。この室内ファン7によって、図1中の矢印のように、筐体2の内部空気が、吸気開口部10aから沸騰器用ケース10の内部に吸入され、排気開口部10bから筐体2の内部へ戻されるようになっている。
凝縮器4は、凝縮器用ケース12に収容された状態で、筐体2の天板2bの上に設置されており、沸騰器3よりも高い位置に設置されている。凝縮器4も、沸騰器3と同様に、筐体2の立壁面2aに対して、所定角度傾斜した姿勢で取り付けられている。凝縮器用ケース12は、吸気開口部12aと排気開口部12bとを有している。
室外ファン8は、筐体2の外部空気を凝縮器4に送風するものであり、例えば、軸流式ファンが用いられる。室外ファン8は、凝縮器用ケース12に収容された状態で、凝縮器4の隣に配置されている。この室外ファン8によって、図1中の矢印のように、筐体2の外部空気が、凝縮器用ケース12の吸気開口部12aから吸入され、凝縮器用ケース12の内部を通過して、排気開口部12bから排出される。
図2に、図1中の冷却装置1のうち沸騰器3および凝縮器4を図1中の矢印A1方向から見た沸騰器3および凝縮器4の正面図を示す。
図2に示すように、沸騰器3は、正面から見たときに鉛直方向に平行に配された複数本のチューブ21と、隣り合う各チューブ21間に介在されたフィン22と、水平方向に平行に配されるとともに各チューブ21の上下両端に接続されて各チューブ21を相互に連通する第1、第2ヘッダタンクとしての上部ヘッダタンク23と下部ヘッダタンク24とを有して構成され、一体ろう付けにより接合されている。ここで、正面から見たときにチューブ21が鉛直方向に平行に配されるとは、チューブ21が水平に配置されているのではなく、チューブ21の一端と他端とがそれぞれ上側と下側とに位置し、沸騰器3を側面側から見たときにチューブ21が鉛直方向に平行になっていない場合も含む意味である。
チューブ21は、例えば、アルミニウムや銅等の伝熱性に優れた金属材により断面形状が偏平な長円形状であって、直線状に伸びるように形成されている。
フィン22は、例えば、アルミニウムの薄板を交互に折り曲げて波状に成形したもので、各折り曲げ部でチューブ21の表面に接合されている。
各ヘッダタンク23、24は、それぞれチューブ21と同じ金属材により両端が閉じた略筒形状に形成され、各ヘッダタンク23、24の長手方向、すなわち、図2の左右方向に一定の間隔をおいて各チューブ21の端部が挿入されている。上部ヘッダタンク23には、長手方向の一端部に気相冷媒用配管5を接続する接続口23aが設けられており、下部ヘッダタンク24には、長手方向の一端部に液相冷媒用配管6を接続する接続口24aが設けられている。
凝縮器4は、凝縮器3と同様に、正面から見たときに鉛直方向に平行に配された複数本のチューブ25と、隣り合う各チューブ25間に介在されたフィン26と、水平方向に平行に配されるとともに各チューブ25の上下両端に接続されて各チューブ21を相互に連通する第1、第2ヘッダタンクとしての上部ヘッダタンク27と下部ヘッダタンク28とを有して構成され、一体ろう付けにより接合されている。
凝縮器4のチューブ25、フィン26および上部ヘッダタンク27は、沸騰器3のチューブ21、フィン22および上部ヘッダタンク23と同様のものである。上部ヘッダタンク27の長手方向の一端部に気相冷媒用配管5を接続する接続口27aが設けられている。
沸騰器3、凝縮器4の寸法例を示すと、上部ヘッダタンク23、27および下部ヘッダタンク24、28の長手方向での長さL1は450mmであり、沸騰器3のチューブ21の長手方向での長さL2は600mmである。
また、凝縮器4の下部ヘッダタンク28には、その底部に液相冷媒を蓄える液相冷媒貯蔵タンク29が一体ろう付けによって接合されており、これらの下部ヘッダタンク28と液相冷媒貯蔵タンク29とによって凝縮器4の第1ヘッダタンク27よりも容積が大きな第2ヘッダタンクが構成されている。なお、この第2ヘッダタンクは、沸騰器3の上部、下部ヘッダタンク23、24よりも容積が大きい。
ここで、図3に、下部ヘッダタンク28および液相冷媒貯蔵タンク29の分解斜視図を示す。
下部ヘッダタンク28は、例えば、長手方向が水平方向に平行な円筒形状であって、その底部に液相冷媒貯蔵タンク29との接合面30が設けられている。接合面30は例えば平面であり、その接合面30に複数の貫通穴31が下部ヘッダタンク28の長手方向に所定間隔で並んで設けられている。接合面30のうち貫通穴31を除く部分が液相冷媒貯蔵タンク29と接合されるようになっている。
一方、液相冷媒貯蔵タンク29は、例えば、長手方向が水平方向に平行な円筒形状であり、下部ヘッダタンク28よりも容積が大きくなっている。液相冷媒貯蔵タンク29の上部には、下部ヘッダタンク28との接合面40が設けられている。接合面40も例えば平面であり、その接合面40に複数の貫通穴41が液相冷媒貯蔵タンク29の長手方向に所定間隔で並んで設けられている。接合面40のうち貫通穴41を除く部分が下部ヘッダタンク28の接合面30と接合されるようになっている。なお、本実施形態では、隣り合う貫通穴41の間の部分42が下部ヘッダタンク28の隣り合う貫通穴31の間の部分32と接合されるようになっている。
下部ヘッダタンク28および液相冷媒貯蔵タンク29は、複数の貫通穴31、41同士によって連通しており、複数の貫通穴31、41を介して、下部ヘッダタンク28と液相冷媒貯蔵タンク29との間を液相冷媒が流通するようになっている。
また、図2に示すように、液相冷媒貯蔵タンク29の長手方向の一端部に液相冷媒用配管6を接続する接続口29aが設けられている。
気相冷媒用配管5は、沸騰器3で液相冷媒が沸騰して気化した気相冷媒を凝縮器4へ導くものであり、液相冷媒用配管6は凝縮器4で気相冷媒が凝縮された液相冷媒を蒸発器3へ導くものである。両配管5、6は、例えば、アルミニウム等の金属製パイプを所定の長さに切断したものであり、それぞれの内径は、例えば、10.3mmである。
気相冷媒用配管5は、一端が沸騰器3の上部ヘッダタンク23に設けられた接続口23aに図示しないジョイント部材としてのOリングを介して着脱可能に連結され、他端が凝縮器4の上部ヘッダタンク27に設けられた接続口27aに図示しないジョイント部材としてのOリングを介して着脱可能に連結されている。
液相冷媒用配管6は、一端が凝縮器4の液相冷媒貯蔵タンク29に設けられた接続口29aに図示しないジョイント部材としてのOリングを介して着脱可能に連結され、他端が沸騰器3の下部ヘッダタンク24に設けられた接続口24aに図示しないジョイント部材としてのOリングを介して着脱可能に連結されている。
そして、沸騰器3、凝縮器4、気相冷媒用配管5および液相冷媒用配管6によって形成される冷媒回路に所定量の冷媒、例えば、HFC134a等のフロン系冷媒が封入されている。
次に、上記した構成の冷却装置1の作用を説明する。
図1に示す通信機器9から発生する熱によって筐体2の内部温度が上昇した場合に、室内ファン7および室外ファン8が通電され、室内ファン7によって高温流体としての筐体2の内部空気が沸騰器3に送風され、室外ファン8によって低温流体としての外部空気が凝縮器4に送風される。これにより、沸騰器3では、図2に示す各チューブ21内に満たされている液相冷媒が内部空気から受熱して沸騰し気相冷媒となる。この気相冷媒は、沸騰器3の各チューブ21内を上昇して上部ヘッダタンク23より気相冷媒用配管5を通って凝縮器4の上部ヘッダタンク27へ流入する。凝縮器4では、上部ヘッダタンク27から各チューブ25へ分配された気相冷媒が各チューブ25を流れる際に室外ファン8の送風を受けて冷却され、潜熱を放出してチューブ25の壁面に凝縮して液相冷媒となる。この液相冷媒は、液滴となって凝縮器4の下部ヘッダタンク28へ滴下する。下部ヘッダタンク28および液相冷媒貯蔵タンク29に溜まった液相冷媒は、液相冷媒用配管6を通って沸騰器3の下部ヘッダタンク24へ流入し、下部ヘッダタンク24から再び沸騰器3の各チューブ21へ供給されて、上記サイクルを繰り返す。
以上のように、冷媒が沸騰と凝縮とを繰り返して沸騰器3と凝縮器4とを自然循環することにより、筐体2の内部空気が冷却され、通信機器9の温度上昇が抑制される。
本実施形態では、図2に示すように、凝縮器4の下部ヘッダタンク28を液相冷媒が満たす位置T1に液相冷媒の液面が位置する程の冷媒量が封入されている。すなわち、図2中の斜線を付した沸騰器3全体と凝縮器4の下部ヘッダタンク28および液相冷媒貯蔵タンク29を満たす量の冷媒が封入されている。これは、沸騰器3のチューブ21およびフィン22によって構成されるコア部が液相冷媒で満たされており、かつ、凝縮器4のチューブ25およびフィン26によって構成されるコア部に液相冷媒の液面が位置していないときに、冷却性能が最も高くなるからである。なお、液面の位置は、沸騰器3および凝縮器4が作用している場合と作用していない場合とでは大きな変動はない。これは、沸騰器3および凝縮器4が作用している場合では、液相冷媒が沸騰することで液相冷媒が減少するが、液相冷媒の沸騰時では液相冷媒中に気相冷媒が存在するからである。
具体的には、本実施形態では、冷媒回路に合計800gの液相冷媒が封入されている。沸騰器3の上部ヘッダタンク23、下部ヘッダタンク24、チューブ21の容積は、それぞれ、70g、70g、310gの液相冷媒を収容できる大きさであり、沸騰器3全体の容積は450gの液相冷媒を収容できる大きさである。また、凝縮器4の下部ヘッダタンク28、液相冷媒貯蔵タンク29の容積は、それぞれ、70g、280gの液相冷媒を収容できる大きさであり、凝縮器4の下部ヘッダタンク28、液相冷媒貯蔵タンク29の合計容積は350gの液相冷媒を収容できる大きさである。
ここで、図4に本実施形態の冷却装置における冷却性能と冷媒量との関係を示す。なお、図4では、比較例1として、本実施形態の冷却装置1に対して液相冷媒貯蔵タンク29の代わりに、上記特許文献1に記載の冷却装置と同様に液相冷媒を貯蔵するための配管部分を設け、この配管部分の容積を液相冷媒貯蔵タンク29と同じ容積とした場合の冷却性能と冷媒量との関係も示している。また、図5(a)に第1実施形態よりも冷媒量を減らした状態を示し、図5(b)に第1実施形態よりも冷媒量を増やした状態を示す。
本実施形態では、上記の通り、沸騰器3全体の容積は液相冷媒450g分であるので、図4に示すように、冷媒回路に封入される冷媒量が450g未満の範囲では冷媒量が減少するにつれて冷却性能が低下し、冷媒量が450g以上800g以下の範囲では高い冷却性能を維持し、冷媒量が800gを超える範囲では冷媒量が増大するにつれて冷却性能が低下する。冷媒量が450g未満の範囲のときに冷却性能が低いのは、図5(a)に示すように、液相冷媒の液面の位置T2が沸騰器3の上部ヘッダタンク23よりも低いためであり、冷媒量が800gを超える範囲のときに冷却性能が低いのは、図5(b)に示すように、液相冷媒の液面の位置T3が凝縮器4の下部ヘッダタンク28よりも高いためである。
したがって、本実施形態によれば、冷媒量が800gから450gまで減少しても高い冷却性能を維持することができる。ここで、本実施形態の冷却装置1においてOリングからの冷媒の漏れ量は20年間で約350gであるが、本実施形態では、凝縮器4の下部ヘッダタンク28、液相冷媒貯蔵タンク29に350gの液相冷媒を貯蔵しているので、貯蔵分の冷媒が無くなるまで、すなわち、20年間は高い冷却性能を維持することができる。
また、比較例1において、内径が10.3mmの配管で350gの冷媒を貯蔵しようとすると、400cmの配管を追加する必要があり、400cmの配管を追加する前と比較して、圧力損失が14%増加し、冷却性能が8%低下してしまう。
これに対して、本実施形態では、長い冷媒配管で液相冷媒を貯蔵せず、冷媒配管よりも太い、すなわち、流路断面積が大きな液相冷媒貯蔵タンク29に液相冷媒を貯蔵しているので、比較例1と比較して、冷媒の圧力損失を低減でき、図4に示すように、同じ沸騰器3および凝縮器4を用いた比較例1よりも、冷却性能を約8%向上させることができる。この8%とは、比較例1の冷却性能を100%としたときの値である。
また、比較例1では、400cmの配管を設置するスペースが必要となるため、冷却装置が大型化してしまうという問題がある。これに対して、本実施形態によれば、400cmの配管を設置するのに必要なスペースよりも小さなスペースで済むので、冷却装置の大型化を抑制できる。
また、本実施形態では、以下の理由により、沸騰器3の各ヘッダタンク23、24、凝縮器4の各ヘッダタンク27、28のうち、凝縮器4の下部ヘッダタンク28に液相冷媒貯蔵タンク29を設けている。
本実施形態と異なり、沸騰器3の下部ヘッダタンク24に液相冷媒貯蔵タンクを設けた場合、液相冷媒貯蔵タンクに液相冷媒を蓄えても、冷媒の漏れが発生した際に、沸騰器3のコア部よりも高い位置に、液相冷媒の液面の位置を保持できず、液相冷媒貯蔵タンクを設けたことによる効果が得られない。
沸騰器3の上部ヘッダタンク23に冷媒貯蔵タンクを設けた場合、沸騰器3の上部ヘッダタンク23は、沸騰器3のコア部で沸騰気化した冷媒が流入するところであるため、冷媒貯蔵タンクにも気相冷媒が流入するが、冷媒貯蔵タンクに貯蔵される液相冷媒が気相冷媒の流れを阻害してしまうという問題が発生する。
また、凝縮器4の上部ヘッダタンク27に冷媒貯蔵タンクを設けた場合、凝縮器4の上部ヘッダタンク27は気相冷媒のみが流入することから、冷媒貯蔵タンクには気相冷媒が貯蔵されることとなり、本実施形態と同じ量の冷媒を貯蔵しようとすると冷媒貯蔵タンクの容積が本実施形態の場合と比較して非常に大きくなってしまう。
これに対して、凝縮器4の下部ヘッダタンク28に液相冷媒貯蔵タンク29を設けることにより、冷媒の漏れが発生した際でも、沸騰器3のコア部よりも高い位置に液相冷媒の液面の位置を保持でき、冷媒の流れを阻害することもなく、気相冷媒を貯蔵する場合よりも容積を小さくできる。
ところで、冷媒を貯蔵するという観点では、冷媒配管5、6の一部を太くして、その太い部分に液相冷媒を貯蔵することが考えられる。しかし、この場合、冷媒配管を用意する際に、通常の太さの部分とその部分よりも太い部分とをトーチろう付け等によって接合する工程が必要となってしまう。これに対して、本実施形態では、凝縮器4の一体ろう付け時に、凝縮器4の下部ヘッダタンク28と液相冷媒貯蔵タンク29とを接合させるので、本実施形態の方が簡単に製造できる。
なお、本実施形態では、凝縮器4の下部ヘッダタンク28と液相冷媒貯蔵タンク29の合計容積を、350gの液相冷媒を収容できる大きさとしていたが、他の大きさに変更しても良い。ただし、通信機器冷却装置は、一般的に10年連続稼動されることが多く、高い冷却性能を少なくとも10年間維持することが必要であるため、これらの合計容積を少なくとも175gの液相冷媒を収容できる容積とすることが好ましい。
(第2実施形態)
第1実施形態では、凝縮器4の下部ヘッダタンク28と、その底部に設けた液相冷媒貯蔵タンク29とによって凝縮器4の第1ヘッダタンク27よりも容積が大きな第2ヘッダタンクを構成していたが、液相冷媒貯蔵タンク29を省略し、下部ヘッダタンク28を大径化して容積を、第1実施形態における下部ヘッダタンク28と液相冷媒貯蔵タンク29の合計容積と同じ大きさとしても良い。
このようにして、凝縮器4の第1ヘッダタンク27および騰器3の上部、下部ヘッダタンク23、24よりも容積が大きな第2ヘッダタンクを構成しても良い。
(他の実施形態)
(1)第1実施形態では、下部ヘッダタンク28および液相冷媒貯蔵タンク29の接合面30、40のそれぞれに複数の貫通穴31、41を設けていたが、これらの複数の貫通穴31、41を下部ヘッダタンク28および液相冷媒貯蔵タンク29の長手方向でつなげた1つの連通穴としても良い。
ただし、この場合、図3中の下部ヘッダタンク28の隣り合う貫通穴31の間の部分32および液相冷媒貯蔵タンク29の隣り合う貫通穴41の間の部分42が省略された構造であるため、第1実施形態と比較して、接合面積が小さく、下部ヘッダタンク28と液相冷媒貯蔵タンク29の接合部の外周方向に沿った方向での強度、すなわち、接合面30、40における両タンクの長手方向に直交する方向での強度が低下し、下部ヘッダタンク28と液相冷媒貯蔵タンク29の破裂に対する強度が低下してしまう。
したがって、この場合よりも、第1実施形態のように、下部ヘッダタンク28および液相冷媒貯蔵タンク29の接合面30、40のそれぞれに複数の貫通穴31、41を設け、複数の貫通穴31、41の間に補強部32、42を設けた構造とすることが好ましい。すなわち、図3中の下部ヘッダタンク28の隣り合う貫通穴31の間の部分32および液相冷媒貯蔵タンク29の隣り合う貫通穴41の間の部分42は、下部ヘッダタンク28と液相冷媒貯蔵タンク29の接合部の外周方向に沿った方向での強度を確保する補強部材として機能する部分であるので、これらを積極的に設けることが好ましい。
(2)第1実施形態では、沸騰器3、凝縮器4、気相冷媒用配管5および液相冷媒用配管6によって形成される冷媒回路が1つであったが、冷媒回路を複数としても良い。この場合、例えば、複数の沸騰器3同士を空気流れに対して直列に配置し、複数の凝縮器4同士を空気流れに対して直列に配置する。
(3)第1実施形態では、室内ファン7を沸騰器用ケース10に収容していたが、沸騰器用ケース10とは別のケースに室内ファン7を収容しても良い。同様に、室外ファン8を凝縮器用ケース12に収容していたが、凝縮器用ケース12とは別のケースに室外ファン8を収容しても良い。
(4)上記した各実施形態では、携帯電話通信網基地局の通信機器が収容された筐体内を冷却する冷却装置を例として説明したが、他の筐体の内部に収容された発熱体を冷却する冷却装置においても本発明は適用可能である。
本発明の第1実施形態における冷却装置1の全体構成を示す図である。 図1中の冷却装置1を図1中の矢印A1方向から見たときの沸騰器3および凝縮器4の正面図である。 図2中の下部ヘッダタンク28および液相冷媒貯蔵タンク29の分解斜視図である。 第1実施形態の冷却装置における冷却性能と冷媒量との関係を示す (a)は図2の状態よりも冷媒量を減らした状態の沸騰器3および凝縮器4の正面図であり、(b)は図2の状態よりも冷媒量を増やした状態の沸騰器3および凝縮器4の正面図である。
符号の説明
1 冷却装置
2 筐体
3 沸騰器
4 凝縮器
23 沸騰器の上部ヘッダタンク
24 沸騰器の下部ヘッダタンク
27 凝縮器の上部ヘッダタンク
28 凝縮器の下部ヘッダタンク
29 液相冷媒貯蔵タンク

Claims (4)

  1. 発熱体(9)が収容された筐体(2)の内部を冷却する冷却装置であって、
    内部を冷媒が流れ、鉛直方向に平行に配された複数本のチューブ(21)と、前記複数本のチューブ(21)の上端に連通するとともに水平方向に平行に配された第1ヘッダタンク(23)と、前記複数本のチューブ(21)の下端に連通するとともに水平方向に平行に配された第2ヘッダタンク(24)とを有し、前記筐体(2)の内部に配され、内部を流れる冷媒と前記筐体(2)の内部の高温流体との熱交換を行う高温側熱交換器(3)と、
    内部を冷媒が流れ、鉛直方向に平行に配された複数本のチューブ(25)と、前記複数本のチューブ(25)の上端に連通するとともに水平方向に平行に配された第1ヘッダタンク(27)と、前記複数本のチューブ(25)の下端に連通するとともに水平方向に平行に配された第2ヘッダタンク(28、29)とを有し、前記筐体(2)の外部で前記高温側熱交換器(3)より高い位置に配され、内部を流れる冷媒と前記筐体(2)の外部の低温流体との熱交換を行う低温側熱交換器(4)と、
    一端が前記高温側熱交換器(3)の上部(23a)に連結され、他端が前記低温側熱交換器(4)の上部(27a)に連結されて、前記高温側熱交換器(3)で沸騰気化した気相冷媒を前記低温側熱交換器(4)へ導入する気相冷媒用配管(5)と、
    一端が前記低温側熱交換器(4)の下部(29a)に連結され、他端が前記高温側熱交換器(3)の下部(24a)に連結されて、前記低温側熱交換器(4)で凝縮した液相冷媒を前記高温側熱交換器(3)へ導入する液相冷媒用配管(6)とを備え、
    前記低温側熱交換器(4)の前記第2ヘッダタンク(28、29)は、前記液相冷媒用配管(6)よりも流路断面積が大きく、かつ、前記低温側熱交換器(4)の前記第1ヘッダタンク(27)および前記高温側熱交換器(3)の前記第1、第2ヘッダタンク(23、24)よりも容積が大きくなっており、
    前記低温側熱交換器(4)の前記第2ヘッダタンク(28、29)に所定量の液相の予備冷媒を蓄えるようにしたことを特徴とする冷却装置。
  2. 前記低温側熱交換器(4)の前記第2ヘッダタンクは、前記複数本のチューブ(21)の下端に連通する下部ヘッダタンク(28)と、前記下部ヘッダタンク(28)の内部と連通可能な状態で前記下部ヘッダタンク(28)に取り付けられ、前記下部ヘッダタンク(28)に平行に配置された筒状である液相冷媒を貯蔵するための冷媒貯蔵用タンク(29)とを有する構成であることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  3. 前記下部ヘッダタンク(28)と前記冷媒貯蔵用タンク(29)とは接合されており、
    前記下部ヘッダタンク(28)と前記冷媒貯蔵用タンク(29)との接合面(30、40)に、前記下部ヘッダタンク(28)の内部と前記冷媒貯蔵用タンク(29)の内部とを連通させる複数の穴(31、41)が前記下部ヘッダタンク(28)および前記冷媒貯蔵用タンク(29)の長手方向に並んで設けられていることを特徴とする請求項2に記載の冷却装置。
  4. 前記気相冷媒用配管(5)および前記液相冷媒用配管(6)は、ゴム製のOリングを介して、前記低温側熱交換器(4)および前記高温側熱交換器(3)と連結されており、
    前記下部ヘッダタンク(28)と前記冷媒貯蔵用タンク(29)との合計容積は、少なくとも175gの液相冷媒を収容できる容積であることを特徴とする請求項2または3に記載の冷却装置。
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