JP4765985B2 - ディーゼル機関 - Google Patents

ディーゼル機関

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Description

本発明は、ディーゼル機関に関する。
特開2004−211699号公報には、開放期間およびリフト量がいずれも固定された第1吸気弁と、それらを可変とする第2吸気弁とを備えた内燃機関が開示されている。より具体的には、この内燃機関では、第2吸気弁の開放期間が、標準開放期間および短縮開放期間のいずれかに切り換えられるようになっており、そのいずれの場合にも第2吸気弁と第1吸気弁とが同じタイミングで閉じるものとされている。そして、第2吸気弁を短縮開放期間とし、ピストンスピードが最大となる時期近傍まで第2吸気弁を開かないようにすることにより、筒内流動を強化することができるとされている。
特開2004−211699号公報 特開2006−188959号公報 特開平11−229913号公報
しかしながら、筒内流動は、強化すべき場合ばかりではなく、運転領域等によっては、逆に筒内流動を弱める必要のある場合もある。
この発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、比較的簡単な構造で、筒内スワールの強さを高い自由度で制御することのできるディーゼル機関を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、ディーゼル機関であって、
第1吸気弁と、
第2吸気弁と、
前記第1吸気弁に通じる第1吸気ポートと、
前記第2吸気弁に通じる第2吸気ポートと、
前記第1吸気弁を固定の作用角で駆動する第1動弁機構と、
前記第1吸気弁の固定作用角より小さい最小作用角と、前記第1吸気弁の固定作用角より大きい最大作用角との間で可変な作用角で第2吸気弁を駆動する第2動弁機構と、
を備え、
前記第1吸気ポート単独でのスワール比が、前記第2吸気ポート単独でのスワール比より大きいことを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
所定の運転領域において、前記第2吸気弁の作用角を前記第1吸気弁の固定作用角より大きくするとともに、前記第1吸気弁が閉じた後、ピストンの上昇に伴って気筒内の空気の一部を前記第2吸気弁を通して前記第2吸気ポートへ逆流させてから前記第2吸気弁が閉じることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記第1吸気弁および前記第2吸気弁の開弁期間の位相を変化させる位相可変機構を更に備えることを特徴とする。
また、第4の発明は、第3の発明において、
前記第1吸気弁および前記第2吸気弁は、共通の吸気カム軸により駆動され、
前記位相可変機構は、前記吸気カム軸の位相を可変とするものであることを特徴とする。
また、第5の発明は、第3または第4の発明において、
前記第2動弁機構は、前記第2吸気弁の開き時期を一定として閉じ時期を変化させることにより作用角を変化させるものであり、
前記第1吸気弁の開き時期と、前記第2吸気弁の開き時期とがほぼ同じであることを特徴とする。
また、第6の発明は、第5の発明において、
中速中負荷領域において、前記第2吸気弁の作用角を前記第1吸気弁の固定作用角より大きくするとともに、前記位相可変機構を基準状態とする制御手段を備えることを特徴とする。
また、第7の発明は、第5の発明において、
高速高負荷領域において、前記第2吸気弁の作用角を前記第1吸気弁の固定作用角より大きくするとともに、前記位相可変機構を進角状態とする制御手段を備えることを特徴とする。
また、第8の発明は、第5の発明において、
軽中負荷領域において、前記第2吸気弁の作用角を前記第1吸気弁の固定作用角より大きくするとともに、前記位相可変機構を進角状態とする制御手段を備えることを特徴とする。
また、第9の発明は、第3または第4の発明において、
前記第2動弁機構は、前記第2吸気弁の閉じ時期を一定として開き時期を変化させることにより作用角を変化させるものであり、
前記第1吸気弁の閉じ時期と、前記第2吸気弁の閉じ時期とがほぼ同じであることを特徴とする。
また、第10の発明は、第9の発明において、低速軽負荷領域において、前記第2吸気弁の作用角を前記第1吸気弁の固定作用角より大きくするとともに、前記位相可変機構を基準状態とする制御手段を備えることを特徴とする。
また、第11の発明は、第9の発明において、高速高負荷領域において、前記第2吸気弁の作用角を前記第1吸気弁の固定作用角より大きくするとともに、前記位相可変機構を基準状態とする制御手段を備えることを特徴とする。
また、第12の発明は、第9の発明において、低速軽負荷領域において、前記第2吸気弁の作用角を前記第1吸気弁の固定作用角より大きくするとともに、前記位相可変機構を進角状態とする制御手段を備えることを特徴とする。
また、第13の発明は、第9の発明において、低速高負荷領域において、前記第2吸気弁の作用角を前記第1吸気弁の固定作用角より大きくするとともに、前記位相可変機構を進角状態とする制御手段を備えることを特徴とする。
第1の発明においては、第2吸気弁の作用角を第1吸気弁の固定作用角より小さくするほど、スワール比の小さい第2吸気ポートを通って筒内に流入する空気量が減少する一方で、スワール比の大きい第1吸気ポートを通って筒内に流入する空気量は増加する。このため、筒内に形成されるスワールの強度を高めることができる。逆に、第2吸気弁の作用角を第1吸気弁の固定作用角より大きくするほど、スワール比の小さい第2吸気ポートを通って筒内に流入する空気量が増加する一方で、スワール比の大きい第1吸気ポートを通って筒内に流入する空気量は減少する。このため、筒内にスワールが形成されるのを抑制することができ、スワールの強度を抑えることができる。すなわち、第1の発明によれば、第2吸気弁の作用角を変化させることにより、スワール比の大きい第1吸気ポートを通って筒内に流入する空気量と、スワール比の小さい第2吸気ポートを通って筒内に流入する空気量との比率を自由に変化させることができる。このため、筒内に形成されるスワールの強度を高い自由度で変化させることができ、運転状態に応じた最適なスワール強度を実現することができる。よって、運転状態に応じた良好な燃焼を行うことができ、エミッション、燃費、トルク変動等を改善することができる。更に、作用角可変機構を第2吸気弁にだけ設ければよく、第1吸気弁には作用角可変機構を設ける必要がない。このため、第1吸気弁と第2吸気弁との両方に作用角可変機構を設ける場合と比べて、コスト低減、重量軽減が図れる。また、小型化が可能となり、車両への搭載性にも優れる。
第2の発明によれば、所定の運転領域において、第2吸気弁の作用角を第1吸気弁の固定作用角より大きくするとともに、第1吸気弁が閉じた後、ピストンの上昇に伴って気筒内の空気の一部を第2吸気弁を通して第2吸気ポートへ逆流させてから第2吸気弁を閉じることができる。このとき、気筒内から第2吸気ポートへ逆流しようとする空気は、吸気行程で筒内に形成されたスワールの旋回方向と逆方向に旋回しながら第2吸気ポートへ流入していくので、筒内のスワールを打ち消すように作用する。このため、スワールを抑制する必要のある運転領域(例えばHCが制約になり易い軽中負荷域など)において、スワールを十分に抑制することができる。
第3の発明によれば、第2吸気弁の作用角可変に加えて、第1吸気弁および第2吸気弁の開弁位相を可変とすることにより、多様な吸気弁開弁特性を実現できるので、運転状態に応じた適切な燃焼状態を実現できる。
第4の発明によれば、第1吸気弁および第2吸気弁は、共通の吸気カム軸により駆動され、上記位相可変機構は、その吸気カム軸の位相を変化させることにより、両吸気弁の開弁位相を変化させることができる。このような第4の発明によれば、第1動弁機構、第2動弁機構、および位相可変機構を簡単に構成することができ、更なる小型化、軽量化、コスト低減が図れる。
第5の発明によれば、ディーゼル機関の運転状態に応じたより適切な燃焼が得られるように、両吸気弁の動作を制御することができる。
第6の発明によれば、中速中負荷領域において、第2吸気弁の閉じ時期を標準よりも遅らせることができるので、実圧縮比を低くすることができる。その結果、圧縮端温度が低くなるので、燃焼温度を低くすることができる。よって、NOx排出量を低減することができる。なお、第2吸気弁の遅閉じにより、筒内空気量が多少減少するが、中負荷なので、スモークの心配はない。
第7の発明によれば、高速高負荷領域において、第1吸気弁および第2吸気弁の開き時期を標準より早くするとともに、第2吸気弁の閉じ時期を標準より遅くすることができる。これにより、排気弁と両吸気弁とが共に開いた状態となる正のバルブオーバーラップが大きく生じるので、高速域においては、掃気効果により既燃ガスの排出および新気の導入が促進され、吸排気効率が高めることができる。また、第2吸気弁の閉じ時期が比較的遅いので、高速域での吸気慣性効果を最大限に生かすことができ、充填効率を向上できる。このようなことから、第7の発明によれば、高速高負荷域における出力性能を向上することができる。
第8の発明によれば、軽中負荷領域において、排気弁と両吸気弁とが共に開いた状態となる正のバルブオーバーラップを大きくすることができる。これにより、内部EGR量が多くなるので、筒内温度を高めることができる。筒内温度が高まると、不完全燃焼が少なくなり、HC排出量を低減することができる。また、第2吸気弁の作用角が第1吸気弁の固定作用角より大きいため、スワールの強度を弱くすることができる。更に、第2吸気弁の閉じ時期が遅いので、筒内から第2吸気ポートへ逆流する流れが生じ、吸気行程で筒内に形成されたスワールを打ち消すことができる。その結果、スワールを十分に抑制することができる。このため、スワールによる燃料の過拡散を確実に防止することができる。よって、筒内温度アップによる効果と相まって、HC排出量を十分に低減することができる。
第9の発明によれば、ディーゼル機関の運転状態に応じたより適切な燃焼が得られるように、両吸気弁の動作を制御することができる。
第10の発明によれば、低速軽負荷領域において、第2吸気弁の開き時期を標準より早くすることができる。このため、排気弁と第2吸気弁とが共に開いた状態となる正のバルブオーバーラップを大きくすることができる。低速軽負荷領域においては、この正のバルブオーバーラップにより、内部EGR量が多くなるので、筒内温度を高めることができる。また、第2吸気弁の作用角が第1吸気弁の固定作用角より大きいため、スワールの強度を抑えることができる。すなわち、第10の発明によれば、低速軽負荷領域において、筒内温度をアップするとともに、スワールを十分に抑制することができる。このため、それらの相乗効果により、HC排出量を十分に低減することができる。
第11の発明によれば、高速高負荷領域において、第2吸気弁の開き時期を標準より早くすることができる。このため、排気弁と第2吸気弁とが共に開いた状態となる正のバルブオーバーラップを大きくすることができる。高速域において、正のバルブオーバーラップを設けると、掃気効果により、既燃ガスの排出および新気の導入を促進することができ、吸排気効率を高めることができる。よって、第11の発明によれば、高速高負荷領域での出力性能を向上することができる。
第12の発明によれば、低速軽負荷領域において、排気弁と第2吸気弁とが共に開いた状態となる正のバルブオーバーラップを大きくすることができる。このため、内部EGR量が更に多くなるので、筒内温度を十分に高めることができる。また、第12の発明によれば、第1吸気弁および第2吸気弁の閉じ時期を早めて、吸気下死点に近づけることができる。吸気慣性効果の少ない低速域においては、吸気下死点付近で両吸気弁を閉じることにより、実圧縮比がアップし、筒内温度を高くすることができる。このようなことから、第12の発明によれば、低速軽負荷領域において、筒内温度を極めて有効にアップすることができる。更に、第2吸気弁の作用角が第1吸気弁の固定作用角より大きいため、スワールの強度を抑えることもできる。よって、筒内温度アップと、スワール抑制との相乗効果により、HC排出量を十分に低減することができる。
第13の発明によれば、低速高負荷領域において、排気弁と第2吸気弁とが共に開いた状態となる正のバルブオーバーラップを大きくすることができる。低速高負荷領域において正のバルブオーバーラップを大きくすると、掃気効果により、既燃ガスの排出および新気の導入を促進することができ、吸排気効率を高めることができる。また、第13の発明によれば、第1吸気弁および第2吸気弁の閉じ時期を早めて、吸気下死点に近づけることができる。その結果、吸気慣性効果の少ない低速域においては最適な吸気弁閉じ時期となり、充填効率が向上する。このように、第13の発明によれば、吸排気効率および充填効率が共に向上するので、その相乗効果により、低速高負荷領域の出力性能を向上することができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
実施の形態1.
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態のシステムは、4サイクルのディーゼル機関10を備えている。ディーゼル機関10は、複数気筒を有しており、図1には、そのうちの1気筒の断面が示されている。
ディーゼル機関10の各気筒には、燃料を筒内に直接噴射するインジェクタ12と、吸気弁14と、排気弁16と、ピストン18とが設置されている。
ディーゼル機関10は、1気筒当たり二つの吸気弁14を備えている。この二つの吸気弁14を区別するため、以下、一方を第1吸気弁14aと呼び、他方を第2吸気弁14bと呼ぶ。
ディーゼル機関10には、第1吸気弁14aを駆動する第1動弁機構20と、第2吸気弁14bを駆動する第2動弁機構22と、第1吸気弁14aおよび第2吸気弁14bの開弁位相を可変とする位相可変機構24とを有している。これらの機構については、後に説明する。また、排気弁16は、その開弁特性を可変とする可変動弁機構で駆動されるものでも、開弁特性が固定の通常の動弁機構で駆動されるものでも、どちらでもよい。
本実施形態のシステムは、更に、ディーゼル機関10のクランク軸26の回転角度を検出するクランク角度センサ28と、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ30と、ECU(Electronic Control Unit)50とを備えている。ECU50には、上述した各種のセンサおよびアクチュエータが接続されている。ECU50は、各センサの出力に基づき、所定のプログラムに従って各アクチュエータを作動させることにより、ディーゼル機関10の運転状態を制御する。
図2は、図1に示すシステムにおけるディーゼル機関10の吸気ポートを説明するための模式的な平面図である。図2に示すように、ディーゼル機関10には、1気筒当たり、第1吸気ポート32aおよび第2吸気ポート32bの二つの吸気ポートを備えている。第1吸気ポート32aは、第1吸気弁14aにより開閉され、第2吸気ポート32bは、第2吸気弁14bにより開閉される。
このようなディーゼル機関10は、第1吸気ポート32a単独でのスワール比が、第2吸気ポート32b単独でのスワール比より大きくなるように構成されている。すなわち、第1吸気ポート32aのみから筒内に空気を流入させた場合のスワール比が、第2吸気ポート32bのみから筒内に空気を流入させた場合のスワール比より大きくなるようにされている。
図3は、第2動弁機構22を示す側面図である。第2動弁機構22は、第2吸気弁14bの作用角およびリフト量(以下単に「作用角」という)を連続的に変化させることのできる作用角可変機構である。ディーゼル機関10には、クランク軸26によりベルトを介して回転駆動される吸気カム軸34が設けられている。第2動弁機構22は、この吸気カム軸34に形成されたカム36と、第2吸気弁14bとの間に設けられている。なお、吸気カム軸34は、図3中で時計回りに回転する。
一方、第1動弁機構20は、同じ吸気カム軸34と、第1吸気弁14aとの間に設けられており、第1吸気弁14aを固定の作用角で駆動する機構である。つまり、第1動弁機構20は、吸気カム軸34に設けられたカムのプロフィールに応じた固定作用角で第1吸気弁14aを駆動する、通常の動弁機構である。よって、第1動弁機構20については、その詳細な図示を省略する。
以下、図3を参照して、第2動弁機構22について詳細に説明する。第2動弁機構22は、吸気カム軸34と平行に配置された制御軸38と、この制御軸38を所定角度範囲内で回転させることのできる制御軸駆動機構(図示せず)とを有している。この制御軸駆動機構の構成は、特に限定されないが、例えば、制御軸38の一端側に固定されたウォームホイールと、このウォームホイールに噛み合うウォームギヤと、このウォームギヤを回転駆動するサーボモータとで構成することができる。この場合、そのサーボモータの回転方向および回転量を制御することにより、制御軸38の回転位置(回転角度)を制御することができる。
更に、第2動弁機構22は、揺動アーム40を有している。揺動アーム40は、制御軸38を中心として揺動可能に設置されている。揺動アーム40には、カム36に対向する側に、スライダー面42が形成されている。
揺動アーム40とカム36との間には、スライダーローラ44が配置されている。スライダーローラ44は、同軸上に配置された大ローラおよび小ローラで構成されており、そのうちの大ローラがカム36の周面と接触し、小ローラがスライダー面42と接触している。
スライダーローラ44は、支持アーム46の先端部に、自由に回転可能に設置されている。支持アーム46は、制御軸38の外周に沿う円弧状をなしている。制御軸38には、図3中で左方向に突出する制御アーム48が固定されている。つまり、制御アーム48は、制御軸38と一体となって回転する。この制御アーム48の先端部と、支持アーム46の基端部とが、ピン52により、回動可能に連結されている。
このような構成により、制御軸38を回転させることで、スライダーローラ44を移動させることができる。すなわち、図3に示す状態から制御軸38を反時計回りに回転させると、スライダーローラ44は、支持アーム46に押されて、揺動アーム40の先端方向へ移動する。その状態から制御軸38を時計回りに回転させると、スライダーローラ44は、制御軸38に近づく。図3は、スライダーローラ44を制御軸38に最も近づけた状態を示している。
スライダー面42は、揺動アーム40の先端側に行くほど、カム36の中心との距離が徐々に大きくなるような曲面(例えば円弧面)をなしている。
揺動アーム40の、スライダー面42と反対側には、揺動カム面54が形成されている。揺動カム面54は、揺動アーム40の揺動中心62、つまり制御軸38の中心からの距離が一定となるように形成された非作用面(基礎円部)54aと、この非作用面54aに続いて設けられ、揺動中心62からの距離が次第に大きくなるように形成された作用面54bとで構成されている。
このような揺動アーム40は、図示しないロストモーションスプリングにより、図3中の反時計回りに付勢されている。この付勢力により、揺動アーム40のスライダー面42はスライダーローラ44に押し当てられており、また、スライダーローラ44はカム36に押し当てられている。
第2動弁機構22は、第2吸気弁14bの弁軸端を押圧するロッカーアーム56を更に備えている。ロッカーアーム56には、揺動カム面54に接触するロッカーローラ58が設置されている。ロッカーローラ58は、ロッカーアーム56の中間部に回転自在に取り付けられている。ロッカーアーム56の一端は、第2吸気弁14bの弁軸端に当接されており、ロッカーアーム56の他端は、油圧式ラッシュアジャスタ60に支持されている。第2吸気弁14bは、図示しないバルブスプリングによって、閉方向、すなわち、ロッカーアーム56を押し上げる方向に付勢されている。ロッカーローラ58は、この付勢力と油圧式ラッシュアジャスタ60とによって、揺動アーム40の揺動カム面54に押し当てられている。
このような第2動弁機構22では、カム36が回転すると、カム36のカムリフトがスライダーローラ44を介して揺動アーム40に伝達することにより、揺動アーム40が揺動する。揺動アーム40が揺動すると、揺動カム面54とロッカーローラ58との接触点は、非作用面54aと作用面54bとの間を行き来する。ロッカーローラ58が非作用面54aに接触しているときには、第2吸気弁14は、リフトせず、閉じている。ロッカーローラ58が作用面54bに接触しているときには、第2吸気弁14は、リフトし、開いている。
第2吸気弁14bの作用角を変化させる場合には、制御軸38を回転させてスライダーローラ44を移動させる。図3に示す状態、つまり、スライダーローラ44が揺動中心62に最も近い位置にある状態では、揺動アーム40の振れ幅が最大となるため、第2吸気弁14bの作用角は、最大となる。
これに対し、制御軸38を図3中の反時計回りに回転させてスライダーローラ44を揺動アーム40の先端側に移動させるほど、揺動アーム40の振れ幅は小さくなる。このことは、第2吸気弁14bの作用角を小さくさせる理由の一つとなる。
また、前述したように、カム36の中心とスライダー面42との距離は、揺動中心62から遠ざかるほど小さくなる。このため、スライダーローラ44を揺動中心62から遠ざけると、揺動アーム40の揺動開始位置は、図3中の時計回り側に移動する。よって、カム36のカム山がスライダーローラ44に接触し始めて揺動アーム40が揺動し始めてから、ロッカーローラ58と揺動カム面54との接触点が非作用面54bに移行するまで、つまり第2吸気弁14bがリフトし始めるまでに要する揺動アーム40の回転量は、スライダーローラ44が揺動中心62から遠ざかるほど、大きくなる。このことも、第2吸気弁14bの作用角を小さくさせる理由の一つとなる。
このようにして、第2動弁機構22では、上記二つの理由により、図3の状態から制御軸38を反時計回りに回転させることによってスライダーローラ44を揺動アーム40の先端側に移動させるほど、第2吸気弁14bの作用角が小さくなる。
ところで、カム36は図3中で時計回りに回転しているので、スライダーローラ44を揺動アーム40の先端側に移動させるほど、カム36のカム山がスライダーローラ44に接触し始めるタイミングは早くなる。つまり、第2吸気弁14bの作用角を小さくするほど、揺動アーム40が揺動し始めるタイミングが早くなる。その一方で、前述したように、第2吸気弁14bの作用角を小さくするほど、揺動アーム40が揺動し始めてから第2吸気弁14bがリフトし始めるまでに要する揺動アーム40の回転量は大きくなる。よって、本実施形態の第2動弁機構22では、第2吸気弁14bの作用角を小さくした場合、揺動アーム40が揺動し始めるタイミングが早くなるものの、揺動アーム40が揺動し始めてから第2吸気弁14bがリフトし始めるまでに要する時間は長くなるので、それらが相殺され、第2吸気弁14bの開き時期は変化しないようになっている。すなわち、本実施形態の第2動弁機構22は、第2吸気弁14bの作用角を変化させた場合に、その開き時期は変化せず、閉じ時期だけが変化するようになっている。
図4は、本実施形態における第1吸気弁14aおよび第2吸気弁14bのリフトカーブを模式的に示す図である。図4に示すように、本実施形態では、第1吸気弁14aの開き時期と、第2吸気弁14bの開き時期とがほぼ同じになるように構成されている。また、第1吸気弁14aの固定作用角は、標準的な大きさとされている。そして、第2吸気弁14bの作用角は、上述した第2動弁機構22により、第1吸気弁14aの固定作用角より小さい最小作用角と、第1吸気弁14aの固定作用角より大きい最大作用角との間で、連続的に変化させることができる。このとき、第2吸気弁14bの開き時期は変化しないので、第1吸気弁14aの開き時期と、第2吸気弁14bの開き時期とは、常にほぼ同じである。
第2吸気弁14bの作用角を第1吸気弁14aの固定作用角より小さくするほど、スワール比の小さい第2吸気ポート32bを通って筒内に流入する空気量が減少する一方で、スワール比の大きい第1吸気ポート32aを通って筒内に流入する空気量は増加する。このため、筒内のスワールを強くすることができる。
これに対し、第2吸気弁14bの作用角を第1吸気弁14aの固定作用角より大きくするほど、スワール比の小さい第2吸気ポート32bを通って筒内に流入する空気量が増加する一方で、スワール比の大きい第1吸気ポート32aを通って筒内に流入する空気量は減少する。このため、筒内のスワールを弱くすることができる。
このようにして、本実施形態のディーゼル機関10では、第2吸気弁14bの作用角を変化させることにより、スワール比の大きい第1吸気ポート32aを通って筒内に流入する空気量と、スワール比の小さい第2吸気ポート32bを通って筒内に流入する空気量との比率を自由に変化させることができる。このため、筒内に形成されるスワールの強度を高い自由度で変化させることができ、運転状態に応じた最適なスワール強度を実現することができる。よって、運転状態に応じた良好な燃焼を行うことができ、エミッション、燃費、トルク変動等を改善することができる。
また、本実施形態のディーゼル機関10では、第2動弁機構22のような作用角可変機構を第2吸気弁14bにだけ設ければよい。つまり、第1吸気弁14aには作用角可変機構を設けることなしに、上記効果を得ることができる。このため、第1吸気弁14aと第2吸気弁14bとの両方に作用角可変機構を設ける場合と比べて、コスト低減、重量軽減が図れる。また、小型化が可能となり、車両への搭載性にも優れる。
次に、位相可変機構24について説明する。位相可変機構24は吸気カム軸34の端部に設けられたプーリ(図示せず)と吸気カム軸34との間に設けられており、このプーリに対して吸気カム軸34を回転させることにより、プーリに対する吸気カム軸34の相対位相を変化させることのできるバルブタイミング可変機構である。このような機構は公知であるので、その詳細についての図示および説明は省略する。
位相可変機構24によれば、第1吸気弁14aおよび第2吸気弁14bの開弁期間の位相を変化(進角あるいは遅角)させることができる。前述したように、吸気カム軸34は、第1吸気弁14aと第2吸気弁14bとに共通である。よって、位相可変機構24によって吸気カム軸34の相対位相を変化させると、第1吸気弁14aの開弁期間の位相と、第2吸気弁14bの開弁期間の位相とが、一体となって(全体的に)変化する。
本実施形態では、第2動弁機構22による第2吸気弁14bの作用角可変と、位相可変機構24による第1吸気弁14aおよび第2吸気弁14bの位相可変とを組み合わせることにより、ディーゼル機関10の運転状態に応じた多様な燃焼制御が可能となる。このため、ディーゼル機関10の運転状態に応じて最適な燃焼状態を実現することができる。以下、その具体例について説明する。
図5は、第2吸気弁14bの作用角を大作用角(第1吸気弁14aの作用角より大きい作用角)とし、位相可変機構24を基準状態とした場合の両吸気弁のリフトカーブを模式的に示す図である。一方、図6は、第2吸気弁14bの作用角を同じく大作用角とし、位相可変機構24を進角状態とした場合の両吸気弁のリフトカーブを模式的に示す図である。
図5に示すように、位相可変機構24が基準状態のとき、第1吸気弁14aおよび第2吸気弁14bの開き時期は、上死点の近傍(上死点前)となる。
本実施形態では、ディーゼル機関10が中速中負荷領域で運転されているとき、図5に示すような吸気弁開弁特性となるように制御することが好ましい。これにより、NOx排出量が低減するという利点がある。その理由は次の通りである。
実質的な圧縮行程は、吸気弁が閉じて筒内が密閉された時点から開始される。図5に示すような吸気弁開弁特性とすると、第2吸気弁14bの閉じ時期が標準的な時期よりも遅れた状態になるので、実質的な圧縮比(以下「実圧縮比」という)が小さくなる。このため、圧縮端温度が低くなるので、着火遅れが拡大し、燃焼期間が膨張行程側に移行する。その結果、燃焼温度が低くなるので、NOx排出量を低減することができる。なお、この場合、第2吸気弁14bの遅閉じにより、一旦筒内に吸入された空気の一部が第2吸気ポート32bに戻るので、筒内空気量が多少減ることになるが、中負荷であり、燃料噴射量がそれほど多くないので、スモークの発生は十分に抑制することができる。
また、本実施形態では、ディーゼル機関10が高速高負荷領域で運転されているとき、図6に示すような吸気弁開弁特性となるように制御することが好ましい。これにより、高速高負荷領域での出力性能が向上するという利点がある。その理由は次の通りである。
図6に示すような吸気弁開弁特性とすると、第1吸気弁14aおよび第2吸気弁14bの開き時期が標準的な時期(上死点付近)より早くなる。これにより、排気弁16と、第1吸気弁14aおよび第2吸気弁14bとが共に開いた状態となる正のバルブオーバーラップが大きく生ずる。高速域において、正のバルブオーバーラップを設けると、掃気効果により、既燃ガスの排出および新気の導入を促進することができ、吸排気効率を高めることができる。また、図6に示すような吸気弁開弁特性では、第2吸気弁14bが大作用角であるので、第2吸気弁14bの閉じ時期は標準的な時期(下死点付近)より遅くなる。このため、高速域においては、吸気慣性効果を十分に生かすことができ、充填効率を向上することができる。このようにして、高速高負荷域において、吸排気効率および充填効率を高めることができるので、出力性能を向上することができる。
また、本実施形態では、ディーゼル機関10の負荷が軽中負荷領域であるとき、図6に示すような吸気弁開弁特性となるように制御することが好ましい。これにより、HC排出量が低減するという利点がある。その理由は次の通りである。
図6に示すような吸気弁開弁特性とすると、上述したように、正のバルブオーバーラップが大きく生ずる。軽中負荷領域においては、この正のバルブオーバーラップにより、内部EGR量が多くなるので、筒内温度を高めることができる。筒内温度が高まると、不完全燃焼が少なくなり、HC排出量が低減する。
ところで、軽中負荷領域においては、スワールが強いと、燃料がスワールによって過拡散するので、混合気が希薄になり過ぎて、不完全燃焼が生じ易くなり、HC排出量が増え易くなる。これに対し、図6に示すような吸気弁開弁特性とすると、第2吸気弁14bの作用角が第1吸気弁14aの固定作用角より大きいため、スワール比の小さい第2吸気ポート32bを通って筒内に流入する空気量の比率が大きく、スワール比の大きい第1吸気ポート32aを通って筒内に流入する空気量の比率が小さい。よって、スワールの強度を抑えることができる。図6に示すような吸気弁開弁特性とした場合には、更に、次のような理由からも、スワールが抑制される。
図6に示すような吸気弁開弁特性では、第2吸気弁14bの閉じ時期が遅くなるので、下死点を過ぎてピストン18が上昇し始めた後も第2吸気弁14bが開いている期間がある。このため、軽中負荷領域においては、第1吸気弁14aが閉じてから第2吸気弁14bが閉じるまでの間に、筒内の空気が第2吸気ポート32bへ逆流するという現象が生ずる。このとき、筒内から第2吸気ポート32bへ逆流しようとする空気は、吸気行程で筒内に形成されたスワールの旋回方向と逆方向に旋回しながら第2吸気ポート32bへ流入していく。このため、吸気行程で筒内に形成されたスワールが打ち消されるので、スワールを十分に抑制することができる。
以上述べたように、軽中負荷領域において図6に示すような吸気弁開弁特性とすると、内部EGRが増加して筒内温度がアップするとともに、スワールを十分に抑制することができるので、これらの相乗効果により、HC排出量を十分に低減することができる。
実施の形態2.
次に、図7乃至図9を参照して、本発明の実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を簡略化または省略する。
本実施形態において、第2動弁機構22は、第2吸気弁14bの作用角を変化させた場合に、その閉じ時期は変化せず、開き時期だけが変化するように構成されているものとする。なお、このような本実施形態の第2動弁機構22は、実施の形態1で説明した第2動弁機構22の各部品の配置やカム形状などを変更することによって実現することができるので、その詳細な図示および説明は省略する。
図7は、本実施形態における第1吸気弁14aおよび第2吸気弁14bのリフトカーブを模式的に示す図である。図7に示すように、本実施形態では、第1吸気弁14aの閉じ時期と、第2吸気弁14bの閉じ時期とがほぼ同じになるように構成されている。また、第1吸気弁14aの固定作用角は、標準的な大きさとされている。そして、第2吸気弁14bの作用角は、第2動弁機構22により、第1吸気弁14aの固定作用角より小さい最小作用角と、第1吸気弁14aの固定作用角より大きい最大作用角との間で、連続的に変化させることができる。このとき、第2吸気弁14bの閉じ時期は変化しないので、第1吸気弁14aの閉じ時期と、第2吸気弁14bの閉じ時期とは、常にほぼ同じである。
このような本実施形態のディーゼル機関10では、第2吸気弁14bの作用角を変化させることにより、実施の形態1と同様に、スワール比の大きい第1吸気ポート32aを通って筒内に流入する空気量と、スワール比の小さい第2吸気ポート32bを通って筒内に流入する空気量との比率を自由に変化させることができる。このため、筒内に形成されるスワールの強度を高い自由度で変化させることができ、運転状態に応じた最適なスワール強度を実現することができる。よって、運転状態に応じた良好な燃焼を行うことができ、エミッション、燃費、トルク変動等を改善することができる。
また、本実施形態のディーゼル機関10では、実施の形態1と同様に、第2動弁機構22のような作用角可変機構を第2吸気弁14bにだけ設ければよい。つまり、第1吸気弁14aには作用角可変機構を設けることなしに、上記効果を得ることができる。このため、第1吸気弁14aと第2吸気弁14bとの両方に作用角可変機構を設ける場合と比べて、コスト低減、重量軽減が図れる。また、小型化が可能となり、車両への搭載性にも優れる。
更に、本実施形態においても、実施の形態1と同様に、第2動弁機構22による第2吸気弁14bの作用角可変と、位相可変機構24による第1吸気弁14aおよび第2吸気弁14bの位相可変とを組み合わせることにより、ディーゼル機関10の運転状態に応じた多様な燃焼制御が可能となる。このため、ディーゼル機関10の運転状態に応じて最適な燃焼状態を実現することができる。以下、その具体例について説明する。
図8は、第2吸気弁14bの作用角を大作用角(第1吸気弁14aの作用角より大きい作用角)とし、位相可変機構24を基準状態とした場合の両吸気弁のリフトカーブを模式的に示す図である。一方、図9は、第2吸気弁14bの作用角を同じく大作用角とし、位相可変機構24を進角状態とした場合の両吸気弁のリフトカーブを模式的に示す図である。
図8に示すように、位相可変機構24が基準状態のとき、第1吸気弁14aの開き時期は、上死点の近傍(上死点前)となる。
本実施形態では、ディーゼル機関10が低速軽負荷領域で運転されているとき、図8に示すような吸気弁開弁特性となるように制御することが好ましい。これにより、HC排出量が低減するという利点がある。その理由は次の通りである。
図8に示すような吸気弁開弁特性とすると、第2吸気弁14bの開き時期が標準的な時期(上死点付近)より早くなる。これにより、排気弁16と、第2吸気弁14bとが共に開いた状態となる正のバルブオーバーラップが大きく生ずる。低速軽負荷領域においては、この正のバルブオーバーラップにより、内部EGR量が多くなるので、筒内温度を高めることができる。また、第2吸気弁14bの作用角が第1吸気弁14aの固定作用角より大きいため、スワール比の小さい第2吸気ポート32bを通って筒内に流入する空気量の比率が大きく、スワール比の大きい第1吸気ポート32aを通って筒内に流入する空気量の比率が小さいので、スワールの強度を抑えることができる。以上のように、低速軽負荷領域において図8に示すような吸気弁開弁特性とすると、内部EGRが増加して筒内温度がアップするとともに、スワールを十分に抑制することができる。このため、それらの相乗効果により、HC排出量を十分に低減することができる。
また、本実施形態では、ディーゼル機関10が高速高負荷領域で運転されているとき、図8に示すような吸気弁開弁特性となるように制御することが好ましい。これにより、高速高負荷領域での出力性能が向上するという利点がある。その理由は次の通りである。
図8に示すような吸気弁開弁特性とすると、前述したように、排気弁16と、第2吸気弁14bとが共に開いた状態となる正のバルブオーバーラップが大きく生ずる。高速域において、正のバルブオーバーラップを設けると、掃気効果により、既燃ガスの排出および新気の導入を促進することができ、吸排気効率を高めることができる。その結果、高速高負荷領域での出力性能を向上することができる。
また、本実施形態では、ディーゼル機関10が低速軽負荷領域で運転されているとき、図9に示すような吸気弁開弁特性となるように制御することが好ましい。これにより、HC排出量が低減するという利点がある。その理由は次の通りである。
図9に示すような吸気弁開弁特性とすると、排気弁16と、第2吸気弁14bとが共に開いた状態となる正のバルブオーバーラップが、図8の場合よりも更に大きく生ずる。このため、内部EGR量が更に多くなるので、筒内温度を更に高めることができる。更に、次のような理由からも、筒内温度がアップする。
図9に示すような吸気弁開弁特性とすると、第1吸気弁14aおよび第2吸気弁14bの閉じ時期を早めて、吸気下死点に近づけることができる。吸気慣性効果の少ない低速域においては、吸気下死点付近で両吸気弁を閉じることにより、実圧縮比がアップし、筒内温度を高くすることができる。
このようなことから、低速軽負荷領域において図9に示すような吸気弁開弁特性とすることにより、筒内温度を極めて有効にアップすることができる。更に、第2吸気弁14bの作用角が第1吸気弁14aの固定作用角より大きいため、スワールの強度を抑えることもできる。よって、筒内温度アップと、スワール抑制との相乗効果により、HC排出量を図8の場合よりも更に低減することができる。
なお、本実施形態では、低速軽負荷領域を、通常軽負荷領域と、それより負荷の小さい極軽負荷領域との二つに分け、通常軽負荷領域では図8に示すような吸気弁開弁特性とし、極軽負荷領域では図9に示すような吸気弁開弁特性とすることがより好ましい。
また、本実施形態では、ディーゼル機関10が低速高負荷領域で運転されているとき、図9に示すような吸気弁開弁特性となるように制御することが好ましい。これにより、低速高負荷領域での出力性能が向上するという利点がある。その理由は次の通りである。
図9に示すような吸気弁開弁特性とすると、前述したように、正のバルブオーバーラップが大きく生ずる。低速高負荷領域において正のバルブオーバーラップを大きくすると、掃気効果により、既燃ガスの排出および新気の導入を促進することができ、吸排気効率を高めることができる。また、前述したように、第1吸気弁14aおよび第2吸気弁14bの閉じ時期が吸気下死点に近づくので、吸気慣性効果の少ない低速域においては最適な吸気弁閉じ時期となり、充填効率が向上する。このように、吸排気効率および充填効率が共に向上するので、その相乗効果により、低速高負荷領域の出力性能を向上することができる。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。 図1に示すシステムにおけるディーゼル機関の吸気ポートを説明するための模式的な平面図である。 第2動弁機構を示す側面図である。 本発明の実施の形態1における第1吸気弁および第2吸気弁のリフトカーブを模式的に示す図である。 本発明の実施の形態1における第1吸気弁および第2吸気弁のリフトカーブを模式的に示す図である。 本発明の実施の形態1における第1吸気弁および第2吸気弁のリフトカーブを模式的に示す図である。 本発明の実施の形態2における第1吸気弁および第2吸気弁のリフトカーブを模式的に示す図である。 本発明の実施の形態2における第1吸気弁および第2吸気弁のリフトカーブを模式的に示す図である。 本発明の実施の形態2における第1吸気弁および第2吸気弁のリフトカーブを模式的に示す図である。
符号の説明
10 ディーゼル機関
12 インジェクタ
14a 第1吸気弁
14b 第2吸気弁
16 排気弁
18 ピストン
20 第1動弁機構
22 第2動弁機構
24 位相可変機構
26 クランク軸
28 クランク角度センサ
30 アクセル開度センサ
32a 第1吸気ポート
32b 第2吸気ポート
34 吸気カム軸
36 カム
38 制御軸
40 揺動アーム
42 スライダー面
44 スライダーローラ
46 支持アーム
48 制御アーム
50 ECU
54 揺動カム面
54a 非作用面
54b 作用面
56 ロッカーアーム
58 ロッカーローラ
62 揺動中心

Claims (6)

  1. 第1吸気弁と、
    第2吸気弁と、
    前記第1吸気弁に通じる第1吸気ポートと、
    前記第2吸気弁に通じる第2吸気ポートと、
    前記第1吸気弁を固定の作用角で駆動する第1動弁機構と、
    前記第1吸気弁の固定作用角より小さい最小作用角と、前記第1吸気弁の固定作用角より大きい最大作用角との間で可変な作用角で第2吸気弁を駆動する第2動弁機構と、
    前記第1吸気弁および前記第2吸気弁の開弁期間の位相を変化させる位相可変機構と、
    を備え、
    前記第1吸気ポート単独でのスワール比が、前記第2吸気ポート単独でのスワール比より大きく、
    前記第2動弁機構は、前記第2吸気弁の開き時期を一定として閉じ時期を変化させることにより作用角を変化させるものであり、
    前記第1吸気弁の開き時期と、前記第2吸気弁の開き時期とがほぼ同じであり、
    中速中負荷領域において、前記第2吸気弁の作用角を前記第1吸気弁の固定作用角より大きくするとともに、前記位相可変機構を基準状態とする制御手段を備えることを特徴とするディーゼル機関。
  2. 第1吸気弁と、
    第2吸気弁と、
    前記第1吸気弁に通じる第1吸気ポートと、
    前記第2吸気弁に通じる第2吸気ポートと、
    前記第1吸気弁を固定の作用角で駆動する第1動弁機構と、
    前記第1吸気弁の固定作用角より小さい最小作用角と、前記第1吸気弁の固定作用角より大きい最大作用角との間で可変な作用角で第2吸気弁を駆動する第2動弁機構と、
    前記第1吸気弁および前記第2吸気弁の開弁期間の位相を変化させる位相可変機構と、
    を備え、
    前記第1吸気ポート単独でのスワール比が、前記第2吸気ポート単独でのスワール比より大きく、
    前記第2動弁機構は、前記第2吸気弁の開き時期を一定として閉じ時期を変化させることにより作用角を変化させるものであり、
    前記第1吸気弁の開き時期と、前記第2吸気弁の開き時期とがほぼ同じであり、
    高速高負荷領域において、前記第2吸気弁の作用角を前記第1吸気弁の固定作用角より大きくするとともに、前記位相可変機構を進角状態とする制御手段を備えることを特徴とするディーゼル機関。
  3. 第1吸気弁と、
    第2吸気弁と、
    前記第1吸気弁に通じる第1吸気ポートと、
    前記第2吸気弁に通じる第2吸気ポートと、
    前記第1吸気弁を固定の作用角で駆動する第1動弁機構と、
    前記第1吸気弁の固定作用角より小さい最小作用角と、前記第1吸気弁の固定作用角より大きい最大作用角との間で可変な作用角で第2吸気弁を駆動する第2動弁機構と、
    前記第1吸気弁および前記第2吸気弁の開弁期間の位相を変化させる位相可変機構と、
    を備え、
    前記第1吸気ポート単独でのスワール比が、前記第2吸気ポート単独でのスワール比より大きく、
    前記第2動弁機構は、前記第2吸気弁の開き時期を一定として閉じ時期を変化させることにより作用角を変化させるものであり、
    前記第1吸気弁の開き時期と、前記第2吸気弁の開き時期とがほぼ同じであり、
    軽中負荷領域において、前記第2吸気弁の作用角を前記第1吸気弁の固定作用角より大きくするとともに、前記位相可変機構を進角状態とする制御手段を備えることを特徴とするディーゼル機関。
  4. 第1吸気弁と、
    第2吸気弁と、
    前記第1吸気弁に通じる第1吸気ポートと、
    前記第2吸気弁に通じる第2吸気ポートと、
    前記第1吸気弁を固定の作用角で駆動する第1動弁機構と、
    前記第1吸気弁の固定作用角より小さい最小作用角と、前記第1吸気弁の固定作用角より大きい最大作用角との間で可変な作用角で第2吸気弁を駆動する第2動弁機構と、
    前記第1吸気弁および前記第2吸気弁の開弁期間の位相を変化させる位相可変機構と、
    を備え、
    前記第1吸気ポート単独でのスワール比が、前記第2吸気ポート単独でのスワール比より大きく、
    前記第2動弁機構は、前記第2吸気弁の閉じ時期を一定として開き時期を変化させることにより作用角を変化させるものであり、
    前記第1吸気弁の閉じ時期と、前記第2吸気弁の閉じ時期とがほぼ同じであり、
    低速軽負荷領域において、前記第2吸気弁の作用角を前記第1吸気弁の固定作用角より大きくするとともに、前記位相可変機構を基準状態とする制御手段を備えることを特徴とするディーゼル機関。
  5. 第1吸気弁と、
    第2吸気弁と、
    前記第1吸気弁に通じる第1吸気ポートと、
    前記第2吸気弁に通じる第2吸気ポートと、
    前記第1吸気弁を固定の作用角で駆動する第1動弁機構と、
    前記第1吸気弁の固定作用角より小さい最小作用角と、前記第1吸気弁の固定作用角より大きい最大作用角との間で可変な作用角で第2吸気弁を駆動する第2動弁機構と、
    前記第1吸気弁および前記第2吸気弁の開弁期間の位相を変化させる位相可変機構と、
    を備え、
    前記第1吸気ポート単独でのスワール比が、前記第2吸気ポート単独でのスワール比より大きく、
    前記第2動弁機構は、前記第2吸気弁の閉じ時期を一定として開き時期を変化させることにより作用角を変化させるものであり、
    前記第1吸気弁の閉じ時期と、前記第2吸気弁の閉じ時期とがほぼ同じであり、
    低速軽負荷領域において、前記第2吸気弁の作用角を前記第1吸気弁の固定作用角より大きくするとともに、前記位相可変機構を進角状態とする制御手段を備えることを特徴とするディーゼル機関。
  6. 第1吸気弁と、
    第2吸気弁と、
    前記第1吸気弁に通じる第1吸気ポートと、
    前記第2吸気弁に通じる第2吸気ポートと、
    前記第1吸気弁を固定の作用角で駆動する第1動弁機構と、
    前記第1吸気弁の固定作用角より小さい最小作用角と、前記第1吸気弁の固定作用角より大きい最大作用角との間で可変な作用角で第2吸気弁を駆動する第2動弁機構と、
    前記第1吸気弁および前記第2吸気弁の開弁期間の位相を変化させる位相可変機構と、
    を備え、
    前記第1吸気ポート単独でのスワール比が、前記第2吸気ポート単独でのスワール比より大きく、
    前記第2動弁機構は、前記第2吸気弁の閉じ時期を一定として開き時期を変化させることにより作用角を変化させるものであり、
    前記第1吸気弁の閉じ時期と、前記第2吸気弁の閉じ時期とがほぼ同じであり、
    低速高負荷領域において、前記第2吸気弁の作用角を前記第1吸気弁の固定作用角より大きくするとともに、前記位相可変機構を進角状態とする制御手段を備えることを特徴とするディーゼル機関。
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