JP4763450B2 - 耐湿熱性導電性複合繊維 - Google Patents
耐湿熱性導電性複合繊維Info
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Description
(1)0.5×10-4≦〔Sb〕≦3.0×10-4
(2)0.1×10-4≦〔P〕≦20.0×10-4
なお、〔Sb〕はアンチモン化合物の含有量、〔P〕はリン化合物の含有量を表し、
単位は「モル/酸成分モル」である。
図1に示すように、導電性成分が繊維表面の全体を覆っているもの、つまり、鞘部が導電性成分、芯部が非導電性成分の芯鞘形状のものや、図2に示すような、導電性成分の一部が繊維表面に露出している形状のものが挙げられる。繰り返し湿熱処理を施した場合に、導電性複合繊維にクラックの発生や脱落が生じにくい形状としては、繊維表面の一部を導電性成分が覆っている図2や図3の形状のものが好ましい。
電気抵抗値=E/(I×L)
E:電圧(V) I:測定電流(A) L:測定長(cm)
導電性能低下率=(Y/X)
X:導電性複合繊維の湿熱処理前の電気抵抗値(Ω/cm)
Y:導電性複合繊維の湿熱処理後の電気抵抗値(Ω/cm)
強度保持率(%)=(S/M)×100
S:導電性複合繊維の湿熱処理後の引張強度(cN/dtex)
M:導電性複合繊維の湿熱処理前の引張強度(cN/dtex)
カルボキシル末端基濃度が高くなり、耐湿熱性が劣るものとなる。
(3)〔P〕/〔Sb〕≧0.2
上記したように、リン化合物は、アンチモン化合物によるポリエステル繊維の色調の悪化、熱分解作用を抑制する効果を奏するものであるため、アンチモン化合物との割合を示す式(3)を満足することが好ましい。
中でも好ましいものは、導電性繊維の性能向上として汎用的に使用され、他の金属粒子と比較し、ポリマー流動性を阻害しにくいカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック等)である。
導電性成分、非導電性成分のポリエステルは、通常の重縮合反応を行うことにより得ることができる。そして、導電性成分と非導電性成分の少なくとも一方のポリエステルの重縮合反応時にアンチモン化合物及びリン化合物を含有させ、溶融重合を行い、カルボキシル末端基濃度を低下させたポリエステル成分とする。このようにして得られた導電性成分と非導電性成分とを、乾燥等の処理を行ってチップ化し、通常の二成分系の複合溶融紡糸装置を用いて複合紡糸する。このとき、非導電性成分や導電性成分の形状や配置位置については、紡糸口金形状を種々変更することにより、所望の断面形状の複合繊維とする。そして、得られた糸条を延伸、熱処理することによって、本発明の導電性複合繊維を得ることができる。
1.導電性複合繊維の電気抵抗値、導電性能低下率、強度保持率
前記した方法に従って、測定、算出した。なお、得られた導電性複合繊維を用いて筒編地を作成した後に、界面活性剤(日華化学製 サンモールFL)を1g/lの濃度で使用し、80℃、30分間精練処理を行った後に、130℃、30分間熱水で処理を行う。この後、湿熱処理として、該筒編地に高圧蒸気滅菌器(平山製作所製 HV−50)を用いて121℃で25時間連続して処理を行った。筒編地を作成する前の導電性複合繊維の電気抵抗値を湿熱処理前の電気抵抗値とし、湿熱処理後の筒編地を解編して取り出した導電性複合繊維の電気抵抗値を湿熱処理後の電気抵抗値とした。
2.導電性複合繊維中のアンチモン化合物、コバルト化合物、リン化合物の含有量
前記の方法で測定した。
3.カルボキシル末端基濃度
導電性成分、非導電性成分及び導電性複合繊維のカルボキシル末端基濃度は、前記の方法で測定した。
導電性成分として、極限粘度(フェノールと四塩化エタンとの等質量混合液を溶媒とし、温度20℃で測定した)0.75、カルボキシル末端基濃度が25geq/tのPBT(実質的にブチレンテレフタレート繰り返し単位が100モル%)に、導電性粒子として、平均粒径0.2 μm のカーボンブラック(導電性成分中の27質量%となる量)を溶融混練したものを用い、常法によりチップ化して導電性成分とした。
また、非導電成分としては、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート及びその低重合体(BHET)の存在するエステル化反応缶に、モル比1/1.6 のテレフタル酸とエチレングリコールとのスラリーを連続的に供給し、温度 250℃、圧力0.05kg/cm2 、滞留時間8時間の条件でエステル化反応を行い、エステル化反応率が95%のBHETを連続的に得た。このBHET50kgを重合槽に移送し、265 ℃に加熱し、触媒として三酸化アンチモンをポリエステルを構成する酸成分1モルに対し1.0×10-4モルと、リン化合物としてリン酸トリエチルをポリエステルを構成する酸成分1モルに対し0.5×10-4モル添加した。その後、徐々に減圧し、265 ℃で最終的に 0.1tollの減圧下で 3.5時間重縮合反応(溶融重合のみ)を行い、極限粘度(フェノールと四塩化エタンとの等質量混合液を溶媒とし、温度20℃で測定した)0.64、カルボキシル末端基濃度が9.0geq/t のPETを得、常法によりチップ化した。これを非導電性成分とした。
次に、単糸の横断面形状が図2(c)となるように設計された紡糸口金を用いて、導電性成分と非導電性成分のチップを供給し、通常の複合紡糸装置より紡糸温度295℃、導電性成分の複合比率20質量%となるように紡糸し、冷却、オイリングしながら3000m/分の速度で巻き取り、43dtex/2fの未延伸糸を得た。そして、この未延伸糸を90℃の熱ローラを介して1.53倍に延伸し、さらに、190℃のヒートプレートで熱処理を行った後に巻き取り、図2(c)の断面形状を呈する28dtex/2の導電性複合繊維を得た。
導電性成分として、極限粘度0.65、カルボキシル末端基濃度24geq/tでイソフタル酸を15mol%共重合した共重合ポリブチレンテレフタレート(共重合PBT)に平均粒径0.2μmのカーボンブラックを導電成分中の30質量%となるように、溶融混練したものを用い、常法によりチップ化して導電性成分とした。
また、非導電性成分として、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート及びその低重合体(BHET)の存在するエステル化反応缶に、モル比1/1.6 のテレフタル酸とエチレングリコールとのスラリーを連続的に供給し、温度 250℃、圧力0.05kg/cm2 、滞留時間8時間の条件でエステル化反応を行い、エステル化反応率が95%のBHETを連続的に得た。このBHET50kgを重合槽に移送し、イソフタル酸とエチレングリコールのスラリーをイソフタル酸が8モル%となるように投入した後、265 ℃に加熱し、触媒として三酸化アンチモンをポリエステルを構成する酸成分1モルに対し1.0×10-4モルと、リン化合物としてリン酸トリエチルをポリエステルを構成する酸成分1モルに対し0.5×10-4モル添加した。その後、徐々に減圧し、265 ℃で最終的に 0.1tollの減圧下で 4.0時間重縮合反応(溶融重合のみ)を行い、極限粘度(フェノールと四塩化エタンとの等質量混合液を溶媒とし、温度20℃で測定した)0.64、カルボキシル末端基濃度が11.0geq/t のイソフタル酸8モル%共重合PETを得、常法によりチップ化した。これを非導電性成分とした以外は実施例1と同様に行い、導電性複合繊維を得た。
導電性成分、非導電性成分中の共重合成分の種類と共重合量を表1に示すように変更し、併せて表1に示す値のものとした以外は実施例2と同様に行い、導電性複合繊維を得た。
単糸の横断面形状が図3(c)となるように設計された紡糸口金を用いた以外は実施例1と同様にして行い、図3(c)の断面形状を呈する28dtex/2の導電性複合繊維を得た。
単糸の横断面形状が図3(c)となるように設計された紡糸口金を用いた以外は、それぞれ実施例2〜7と同様にして行い、図3(c)の断面形状を呈する28dtex/2の導電性複合繊維を得た。
単糸の横断面形状が図4に示すような芯鞘型となるように設計された紡糸口金を用い、導電性成分を芯部、非導電性成分を鞘部に配した以外は実施例3と同様に行って、導電性複合繊維を得た。
非導電性成分の化合物添加量を表1の値に変更した以外は、実施例3と同様に行って、導電性複合繊維を得た。
一方、比較例1の導電性複合繊維は、芯鞘形状で芯部にのみ導電性成分が配されていたため、導電性能が不十分なものであった。また、比較例2、3の導電性複合繊維は、複合繊維中の化合物添加量が本発明の範囲から外れるため、カルボキシル末端基濃度が高く、耐湿熱性能を有しておらず、湿熱処理後は電気抵抗値が高く、強度が低下し、導電性能低下率が高く、強度保持率も低いものとなった。
Claims (3)
- イソフタル酸、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジカルボン酸のうち少なくとも一成分を5〜20モル%共重合したポリエチレンテレフタレートからなる非導電性成分と、イソフタル酸、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジカルボン酸のうち少なくとも一成分を5〜40モル%共重合したポリブチレンテレフタレートからなり、かつ、導電性粒子を含有する導電性成分とで構成され、導電性成分の少なくとも一部が繊維表面に露出している形状を呈している導電性複合繊維であって、導電性複合繊維中にアンチモン化合物及びリン化合物が下記式(1)〜(2)を同時に満足する量含有されており、かつ、電気抵抗値が1×104Ω〜1×107Ω/cm、湿熱処理(121℃で25時間処理)後の導電性能低下率が20以下、湿熱処理(121℃で25時間処理)後の強度保持率が70%以上であることを特徴とする耐湿熱性導電性複合繊維。
(1)0.5×10-4≦〔Sb〕≦3.0×10-4
(2)0.1×10-4≦〔P〕≦20.0×10-4
なお、〔Sb〕はアンチモン化合物の含有量、〔P〕はリン化合物の含有量を表し、
単位は「モル/酸成分モル」である。 - 導電性複合繊維のカルボキシル末端基濃度が25geq/t以下である請求項1記載の耐湿熱性導電性複合繊維。
- 非導電性成分と導電性成分の少なくとも一方が、カルボキシル末端基濃度が25geq/t以下である請求項1又は2記載の耐湿熱性導電性複合繊維。
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