JP4763450B2 - 耐湿熱性導電性複合繊維 - Google Patents

耐湿熱性導電性複合繊維

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Description

本発明は、ポリエステル系樹脂の導電性成分と非導電性成分とからなる導電性複合繊維であって、湿熱処理後の電気抵抗値の低下や強度の低下が少なく、制電作業着、ユニフォームなどの衣料用途や、カーテンなどのインテリア用途及び産業資材用途として好適に用いることができる耐湿熱性導電性複合繊維に関するものである。
ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン等の疎水性ポリマーからなる繊維は、機械特性、耐薬品性、耐候性等の多くの長所を有しており、衣料のみならず産業資材用途にも広く用いられている。しかしこれらの繊維は摩擦等による静電気の発生が著しいため、空気中の粉塵を吸引して美観を低下させたり、人体への電撃を与えて不快感を与えたり、さらにはスパークによる電子機器への障害や、引火性物質への引火爆発等の問題を引き起こす場合があり、これらの問題を解決するために導電性を付与するための多くの研究がなされてきた。
特許文献1には、導電性カーボンブラックや金属粉等の導電性粒子を含有する導電性成分を非導電性ポリマーで包み込んだ芯鞘型の複合繊維が記載されている。このような芯鞘型の複合繊維であれば、導電性粒子は繊維の内部のみに存在するので、操業時のトラブルは生じにくく、操業性よく得ることが可能であった。しかしながら、導電性粒子が繊維内部のみに存在するため、導電性能は不十分であった。
一方、特許文献2には、導電性粒子を含有する導電性成分を鞘部に配した芯鞘型の導電性複合繊維が記載されている。このような導電性複合繊維は、特許文献1に記載の繊維と比較すると、操業時のトラブルは生じやすいものであったが、導電性能はかなり満足できるものであった。
また、近年、導電性繊維は、クリーンルームでの作業用ユニフォームや医療用のユニフォーム等に用いられている。このような用途においては、オートクレーブにより滅菌処理が繰り返し施される。上記したような鞘部に導電性成分を配したような導電性複合繊維であると、滅菌処理を繰り返し行うことで導電性成分にクラックが生じ、さらには導電性成分の欠落が生じるという問題があり、滅菌処理後の導電性能の低下、繊維の劣化による強度の低下が生じていた。
以上のように、オートクレーブによる湿熱処理を施す用途において、繊維表面のクラックや導電性成分の欠落が生じにくく、導電性能の低下、繊維の劣化による強度低下が少なく、長期間使用しても十分な導電性能を有している導電性繊維は未だ開発されていない。
特開平09−143821号公報 WO2002/075030号公報
本発明は、上記のような問題点を解決するもので、十分な導電性能を有しており、滅菌処理等の湿熱処理後も導電性能及び強度の低下が少なく、クリーンルーム用や医療用の作業用ユニフォーム等の衣料用途や、カーテンなどのインテリア用途及び資材用途に好適に用いることができる耐湿熱性導電性複合繊維を提供することを技術的な課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、イソフタル酸、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジカルボン酸のうち少なくとも一成分を5〜20モル%共重合したポリエチレンテレフタレートからなる非導電性成分と、イソフタル酸、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジカルボン酸のうち少なくとも一成分を5〜40モル%共重合したポリブチレンテレフタレートからなり、かつ、導電性粒子を含有する導電性成分とで構成され、導電性成分の少なくとも一部が繊維表面に露出している形状を呈している導電性複合繊維であって、導電性複合繊維中にアンチモン化合物及びリン化合物が下記式(1)〜(2)を同時に満足する量含有されており、かつ、電気抵抗値が1×10Ω〜1×10Ω/cm、湿熱処理(121℃で25時間処理)後の導電性能低下率が20以下、湿熱処理(121℃で25時間処理)後の強度保持率が70%以上であることを特徴とする耐湿熱性導電性複合繊維。
(1)0.5×10-4≦〔Sb〕≦3.0×10-4
(2)0.1×10-4≦〔P〕≦20.0×10-4
なお、〔Sb〕はアンチモン化合物の含有量、〔P〕はリン化合物の含有量を表し、
単位は「モル/酸成分モル」である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の導電性複合繊維(以下、耐湿熱性導電性複合繊維を略称する)は、ポリエステル系樹脂からなる非導電性成分と、導電性粒子を含有するポリエステル系樹脂からなる導電性成分とで構成されるものである。本発明の導電性複合繊維の複合形態について図面を用いて説明する。図1〜3は、本発明の導電性複合繊維の繊維の長手方向に対して垂直に切断した横断面形状を示す模式図である。
本発明の導電性複合繊維は、導電性成分の少なくとも一部が繊維表面に露出しているものである。
図1に示すように、導電性成分が繊維表面の全体を覆っているもの、つまり、鞘部が導電性成分、芯部が非導電性成分の芯鞘形状のものや、図2に示すような、導電性成分の一部が繊維表面に露出している形状のものが挙げられる。繰り返し湿熱処理を施した場合に、導電性複合繊維にクラックの発生や脱落が生じにくい形状としては、繊維表面の一部を導電性成分が覆っている図2や図3の形状のものが好ましい。
導電性成分の一部が繊維表面に露出し、繊維表面の一部を導電性成分が覆っている形状のものとしては、図2(a)〜(d)に示すように、略三角形状の導電性成分が非導電性成分中に存在しており、導電性成分の一部(略三角形状の一辺)が繊維表面に露出しているようなものが挙げられる。導電性成分の形状は特に限定されるものではなく、四角形や半円形状のものであってもよい。
図2(a)は、導電性成分の数が1個で繊維表面に露出している箇所が1箇所であるもの、(b)は導電性成分の数が2個で繊維表面に露出している箇所が2箇所、(c)は導電性成分の数が3個で繊維表面に露出している箇所が3箇所、(d)は導電性成分の数が4個で繊維表面に露出している箇所が4箇所であるものの例である。
導電性成分の繊維表面に露出している箇所は2〜20箇所が好ましく、中でも3〜8箇所であることが好ましい。導電性成分の繊維表面に露出している箇所が1箇所であると、繊維表面に露出している部分が湿熱処理後、着用等による負荷を受けた時にクラックが生じたり、破損、欠落すると、導電性能が不十分となり、当初の導電性能を維持できなくなる場合がある。一方、導電性成分の繊維表面に露出している箇所が20箇所を超える場合は、繊維表面への露出部分が多くなり、湿熱処理後のクラックや欠落が生じやすくなる。
このため、導電性成分の繊維表面への露出の割合は、円周の3/4以下、中でも1/2以下とすることが好ましく、より好ましくは1/3〜1/10である。円周の1/10未満となると、導電性能が不十分となりやすく、好ましくない。
さらに、本発明の導電性複合繊維の形状として、導電性成分の繊維表面に露出している部分が2箇所以上あり、かつ導電性成分が繊維中心部付近を連通する形状を呈していることが好ましい。その一例としては、図3(a)〜(c)に示すようなものが挙げられる。
図3(a)は、導電性成分が繊維の中心部付近を通って一直線状に配置されているものであり、繊維表面に露出している部分が2箇所のものである。(b)は、導電性成分が繊維の中心部付近を通って十字形状に配置されており、繊維表面に露出している部分が4箇所のものである。(c)は、導電性成分が繊維の中心部付近を通って三方に分かれた形状に配置されており、繊維表面に露出している部分が3箇所のものである。
このように、導電性成分が繊維中心部付近を連通し、かつ繊維表面に2箇所以上露出していることにより、繊維表面に多数の導電性の接点が存在し、かつそれらの接点間が中心部を介して導通することにより電気の流れが多方向で可能となるので、導電性に優れた繊維とすることができる。このため、中でも導電性成分の繊維表面に露出している部分が3箇所以上とすることが好ましい。ただし、露出している部分の箇所が増えると、繊維表面への露出部分が多くなり、滅菌処理後のクラックや欠落が生じやすくなるため、中でも3〜8箇所とすることが好ましい。
また、導電性成分の繊維表面への露出の割合は、前記と同様の理由で、円周の3/4以下、中でも1/2以下とすることが好ましく、より好ましくは1/3〜1/10である。
また、本発明の複合繊維においては、非導電性成分と導電性成分の複合比率は、非導電性成分が60〜90質量%、導電性成分が40〜10質量%とすることが好ましく、より好ましくは非導電性成分が70〜85質量%、導電性成分が30〜15質量%である。導電性成分の複合比率が10質量%未満では、導電性性能が十分でない場合があり、一方、導電性成分の複合比率が40質量%を超えると、強伸度特性等の糸質性能が劣ったり、操業時のトラブルや滅菌処理後のクラックが生じやすくなる。
そして、本発明の導電性複合繊維は、導電性能として、電気抵抗値が1×10Ω/cm〜1×107Ω/cmであり、中でも1×10Ω/cm〜1×10Ω/cmであることが好ましい。複合繊維の電気抵抗値が1×107Ω/cmを超えると、使用する用途によっては、導電性能が不十分となる。導電性複合繊維の電気抵抗値が1×107Ω/cm以下であると、得られた織編物を通常の環境下で使用した場合に、織編物の帯電をほとんどなくすことが可能となる。一方、1×10Ω/cm未満にしようとすると、導電性粒子をポリマーに多量に含有させることが必要となり、繊維物性に悪影響を及ぼすばかりか、紡糸、延伸時にトラブルが生じやすくなる。
なお、本発明における導電性複合繊維の電気抵抗値は、AATCC76法に準じて以下のようにして測定するものである。導電性複合繊維(マルチフィラメントもしくは単糸のいずれでもよい)を長さ方向に15cm程度にカットして、10サンプルを採取する。このサンプルの両端の表面にケラチンクリームを塗布し、この表面部分を金属端子に接続し、試料測定長10cmにて、50Vの直流電流を印加して電流値を測定し、下記式で電気抵抗値を算出する。算出した10個のサンプルの電気抵抗値の相加平均値とする。
電気抵抗値=E/(I×L)
E:電圧(V) I:測定電流(A) L:測定長(cm)
次に、本発明の導電性複合繊維の湿熱処理(121℃で25時間処理)後の性能について説明する。湿熱処理後の導電性能低下率が20以下であり、強度保持率が70%以上である。上記したような繊維の形状とし、さらには、アンチモン化合物及びリン化合物を特定量含有する導電性複合繊維とすることにより、カルボキシル末端基濃度の低いものとすることができ、滅菌処理等の湿気処理を繰り返し行っても、その前後での導電性能の低下及び強度の低下がほとんどない繊維とすることが可能である。
通常、病院等で使用される手術着や白衣、食品工場のユニフォーム等では高圧の蒸気による滅菌処理が定期的に(繰り返し)施される。その時の蒸気処理、すなわち湿熱処理温度は121℃〜135℃で、処理時間としては15分〜5分程度が滅菌に必要とされる時間として一般的である。
121℃での湿熱処理(1回)に要する時間は通常15分程度であることから、本発明においては、100回分の湿熱処理に相当する25時間処理を行うことで処理前後の導電性能と強度の低下の程度をみる指標とするものである。
まず、本発明の導電性複合繊維における湿熱処理(121℃で25時間処理)後の導電性能低下率は以下のようにして算出するものである。
導電性能低下率=(Y/X)
X:導電性複合繊維の湿熱処理前の電気抵抗値(Ω/cm)
Y:導電性複合繊維の湿熱処理後の電気抵抗値(Ω/cm)
本発明の導電性複合繊維は、導電性能低下率が20以下であり、中でも10以下であることが好ましい。通常、導電性能低下率が100を超えると、滅菌処理等の湿熱処理により電気抵抗値が大きく低下する繊維となり、処理前には導電性能を有していたとしても、処理後には導電性能を有していないものとなり、耐久性に劣り、各用途において十分に導電性能が発揮できないものとなる。20以下であることにより、ほとんど導電性能の低下がなく、非常に耐久性に優れたものとなる。
さらに、本発明の導電性複合繊維における湿滅処理後の強度保持率は、繊維の引張強度をJIS−L1013 引張強さ及び伸び率の標準時試験に従い、定速伸張形の試験機を用い、つかみ間隔20cmで測定する。次に、湿熱処理を121℃、25時間行った後、再度同様の方法で繊維の強度を求める。そして、以下のようにして算出するものである。
強度保持率(%)=(S/M)×100
S:導電性複合繊維の湿熱処理後の引張強度(cN/dtex)
M:導電性複合繊維の湿熱処理前の引張強度(cN/dtex)
強度保持率は70%以上、中でも75%以上であることが好ましい。常法で得られた繊維では、強度保持率は50%以下になってしまう。この場合、滅菌処理を繰り返すうちに、強度の低下が大きくなり、着用による負荷でダメージを受けて、繊維が切断したり、品位が悪くなると同時に導電性能も低下する。強度保持率が70%以上であることで、湿熱処理後もほとんど強度の低下のない優れた性能のものが得られる。
そして、本発明の導電性複合繊維は繊維中にアンチモン化合物及びリン化合物が下記式(1)〜(2)を同時に満足する量含有するものである。これにより、本発明の導電性複合繊維は耐湿熱性を有するものとなり、上記のような湿熱処理後の導電性能低下率や強度保持率を有するものとなり、さらには、色調にも優れたものとなる。
アンチモン化合物としては、三酸化アンチモン、塩化アンチモン、酢酸アンチモン等が挙げられ、中でも重縮合触媒活性、得られるポリエステル繊維の物性及びコストの点から、三酸化アンチモンを用いることが好ましい。
アンチモン化合物の特徴としては十分な重縮合活性を示すが、重縮合反応後期で熱分解促進する作用がある。しかるに、多量に添加すると、ポリエステル中のカルボキシル末端基量が増加し、耐湿熱性能が低下した繊維となる。
アンチモン化合物の添加量は十分な重縮合反応速度が発揮される範囲で少なくする必要があるため、ポリエステル繊維中のアンチモン化合物の含有量は(1)式を満足するものとする。
繊維中のアンチモン化合物の含有量は(1)式で定める範囲のうち、中でも、0.8×10-4≦〔Sb〕≦2.5×10-4とすることが好ましい。(1)式で定める値より少ない場合は、十分な重縮合活性を示さず、重縮合反応時間が長くなるため熱分解反応が進行し、カルボキシル末端基濃度が高くなり、耐湿熱性が劣るものとなる。
一方、繊維中のアンチモン化合物の含有量が(1)式で定める値より多い場合は、ポリエステルの色調を悪化させるばかりではなく、さらに、熱分解反応も促進されるため、
カルボキシル末端基濃度が高くなり、耐湿熱性が劣るものとなる。
本発明のポリエステル繊維は、アンチモン化合物に加えて、リン化合物も含有していることが重要である。繊維中のリン化合物の含有量は(2)式を満足する量とすることが必要であり、中でも0.5×10-4≦〔P〕≦10.0×10-4とすることが好ましい。リン化合物としては、リン酸又はそのエステルから誘導されたリン酸又はそのエステル(モノ−、ジ−及びトリ−エステル)が好ましく、具体的には、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリフェニル及びリン酸トリス−2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。
リン化合物は、アンチモン化合物によるポリエステル繊維の色調の悪化を抑制するばかりでなく、熱分解を抑制する効果がある。繊維中のリン化合物の含有量が(2)式で定める値より少ない場合は、これらの効果が不十分となり、式(1)を満足していたとしても、繊維の色調を十分に良好にし、耐湿熱特性を向上させることが困難となる。一方、繊維中のリン化合物の含有量が(2)式で定める値より多い場合は、重縮合反応時にポリエステル系内が酸性となることにより、副反応物であるエーテル結合が生成するため、耐湿熱性が劣るばかりでなく強度も低下する。
本発明の導電性複合繊維においては、アンチモン化合物、リン化合物の含有量を適切な量(式(1)〜(2)で示す量)としたことによって、耐湿熱性能が向上した繊維を得ることができたものである。
そして、さらに本発明の繊維においては、上記の効果を十分に奏するためには、アンチモン化合物とリン化合物の含有量が式(3)式を同時に満足することが好ましい。
(3)〔P〕/〔Sb〕≧0.2
上記したように、リン化合物は、アンチモン化合物によるポリエステル繊維の色調の悪化、熱分解作用を抑制する効果を奏するものであるため、アンチモン化合物との割合を示す式(3)を満足することが好ましい。
つまり、本発明の導電性複合繊維においては、ポリマーの重縮合反応時にアンチモン化合物、及びリン化合物を添加し、重縮合反応させることが好ましい。そして、本発明においては、これらの化合物の繊維中の含有量が式(1)〜(2)を同時に満足するものとし、さらに好ましくは、式(3)を同時に満足するものとする。
通常、カルボキシル末端基濃度の低い耐湿熱性に優れた繊維を得るためには、ポリエステルの重縮合反応において、溶融重合と固相重合を行う必要があるが、上記のように重縮合反応時にアンチモン化合物及びリン化合物を添加することによって、溶融重合のみでカルボキシル末端基濃度が低い本発明の導電性複合繊維を構成する耐湿熱性に優れたポリエステルを得ることができるものである。
本発明の導電性複合繊維のカルボキシル末端基濃度は、25geq/t以下とすることが好ましく、中でも20geq/t以下、さらには18geq/t以下であることが好ましい。カルボキシル末端基濃度が25geq/tを超えて高くなると、耐湿熱性に劣るものとなり、導電性能低下率や強度保持率を満足しないものとなりやすい。
本発明における導電性複合繊維のカルボキシル末端基濃度は、導電性複合繊維 0.1gをベンジルアルコール10mlに溶解し、この溶液にクロロホルム10mlを加えた後、1/10規定の水酸化カリウムベンジルアルコール溶液で滴定して求めるものである。
また、本発明の導電性複合繊維中には、アンチモン化合物やリン化合物以外の化合物を含有していてもよい。例えば、重縮合触媒として用いられる、チタン化合物やコバルト化合物等が挙げられる。
チタン化合物としては、テトラn-ブチルチタネート、テトラn-プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラエチルチタネート等が用いられるが、重縮合触媒活性、得られる繊維の物性の点から、テトラn-ブチルチタネートが好ましい。
また、コバルト化合物としては、酢酸コバルト、塩化コバルト、安息香酸コバルト等が挙げられるが、得られる繊維の物性の点から、酢酸コハ゛ルトが好ましい。
なお、本発明の導電性複合繊維中のアンチモン化合物、リン化合物の含有量は、導電性複合繊維をアルミ板上で加熱溶融した後、圧縮プレス機で平面を有する成型体に形成し、蛍光X線測定装置(理学電機工業株式会社製3270型)に供して、定量分析するものである。
次に、本発明の導電性複合繊維を構成する各成分について説明する。まず、非導電性成分について説明する。
非導電性成分のポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いることが必要である。
共重合成分としては、イソフタル酸(IPA)、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、シクロヘキサンジカルボン酸(CHDA)のうち少なくとも一成分を共重合したPETであり、その共重合量は5〜20モル%であり、中でも5〜10モル%とすることが好ましい。
非導電性成分を上記共重合成分を共重合したPETとすることにより、導電性成分との相溶性が向上するばかりでなく、重縮合反応時の反応温度を下げることができ、さらには、紡糸時の温度も下げることができる。したがって、重縮合反応時、紡糸時のポリマーの熱分解反応を抑制することができるので、耐湿熱性に優れた導電性複合繊維を得ることが可能となる。
共重合量が5モル%未満では、通常のPETと比較して融点があまり下がらないので、重縮合反応温度、紡糸温度を低下させることができず、耐湿熱性の向上効果が不十分となりやすい。共重合量が20モル%を超えると、繊維中の非晶領域が多くなるため、操業性が悪くなるばかりでなく、加水分解反応を受けやすい構造となるため、耐湿熱性能が低下しやすくなる。
次に、導電性成分について説明する。導電性成分のポリエステル系樹脂としては、PBTを用いることが必要であり、これを単独あるいは共重合したものも用いることができる。
PBTは非常に結晶性の高い樹脂であることから、含有された導電性粒子がより均一に配列されるので、導電性に優れ(電気抵抗値が低く)、長さ方向に均一な導電性を有する繊維とすることができる。
さらには、導電性成分はIPA、CHDM、CHDAのうち少なくとも一成分が共重合されている共重合PBTとすることが必要である。
このような共重合PBTとすることにより、導電性成分と導電性粒子との相溶性(表面濡れ性)を向上させることができ、導電性粒子の含有量を増加させることができるので、優れた導電性能を有するものとすることができる。さらにはポリマーの柔軟性が向上し、紡糸延伸工程をスムーズに行うことができ、導電性粒子の配列状態を向上させることができるので、導電性に優れ(電気抵抗値が低く)、長さ方向に均一な導電性を有する繊維を得ることが可能となる。
共重合成分として、CHDM、CHDA、IPAのいずれか一種を用いる場合、もしくはこれらを複数種併用する場合ともに、共重合量は5〜40モル%とすることが必要であり、中でも10〜30モル%とすることが好ましい。共重合量が5モル%未満では、上記したような導電性粒子との相溶性(表面濡れ性)の向上効果、ポリマーの柔軟性の向上効果、耐久性の向上効果が不十分となる。一方、40モル%を超えると、ポリマー自体が完全に非晶性になるため、導電性粒子のポリマー中への分散が困難となる。
共重合量が5モル%未満では、導電性粒子との相溶性(表面濡れ性)の向上効果が得られ難く、導電性粒子の混入量の増加やポリマーの柔軟性向上効果が少ないものとなる。一方、40モル%を超えると、ポリマー自体が完全に非晶性となるため、導電性粒子をポリマー中に分散させることが困難となりやすい。
また、導電性成分の固有粘度(IV)は、0.5〜0.8とすることが好ましい。IVが0.5未満であると、ポリマーの流動性は上がり、ポリマー中への導電性粒子の分散性は向上するが、その後の造粒性が悪化し、ペレット化することが困難となりやすい。IVが0.8を超えるとポリマーの流動性・結晶性が悪化して、導電性能が劣るものとなりやすく、電気抵抗値が高くなりやすい。
導電性成分に含有される導電性粒子としては、カーボンブラックや金属粉末(銀、ニッケル、銅、鉄、錫あるいはこれらの合金等)、硫化銅、沃化銅、硫化亜鉛、硫化カドミウム等の金属化合物が挙げられる。また、酸化錫に酸化アンチモンを少量添加したり、酸化亜鉛に酸化アルミニウムを少量添加して導電性粒子としたものも挙げられる。
さらには、酸化チタンの表面に酸化錫をコーティングし、酸化アンチモンを混合焼成し、導電性粒子としたものも用いることができる。
中でも好ましいものは、導電性繊維の性能向上として汎用的に使用され、他の金属粒子と比較し、ポリマー流動性を阻害しにくいカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック等)である。
また、導電性粒子の粒径は、特に限定されるものではないが、平均粒径が1μm以下のものとすることが好ましい。1μmを超えると、導電性粒子のポリマー中への分散性が悪くなりやすく、導電性能や強伸度特性の低下した繊維となりやすい。
導電性成分における導電性粒子の含有量については、導電性粒子の種類、導電性能、粒子径、粒子の連鎖形成能及び用いるポリマーの特質によって適宣選択すればよいが、導電性成分中の5〜40質量%とすることが好ましく、さらに好ましくは10〜30質量%である。含有量が5質量%未満では、導電性能が不十分になる場合があり、また、40質量%を超えると、導電性粒子のポリマー中への均一な分散が難しくなるので好ましくない。
さらに、導電性成分及び非導電性成分中には、本発明の効果を損なわない範囲で、他の共重合成分として、1,3−プロパンジオール、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカン二酸、キシリレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール等を含有してもよい。また、目的に応じて、ワックス類、ポリアルキレンオキシド類、各種界面活性剤、有機電解質等の分散剤や酸化防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤、艶消剤、着色剤、顔料、流動性改善剤、その他の添加剤を加えることもできる。
そして、本発明においては、導電性成分と非導電性成分の少なくとも一方を上記のようなアンチモン化合物及びリン化合物を特定量含有するポリマーとすることで、導電性複合繊維中のアンチモン化合物及びリン化合物の含有量が前記(1)〜(2)式さらには(3)式を満足するものとすることが可能である。中でも非導電性成分を上記のようなアンチモン化合物及びリン化合物を特定量含有するポリマーとすることで、繰り返し湿熱処理を施しても導電性成分にクラックが生じにくくなり、導電性粒子の欠落や脱落も生じにくくなり、従来の繊維にはない耐湿熱性能を有する導電性繊維とすることができる。
なお、図1に示すように導電性成分が鞘部となる芯鞘形状のものや、図2に示すような導電性成分の繊維表面への露出が一部のものでも、露出の割合が多いものでは、繊維表面の導電性成分が湿熱処理によりダメージを受けやすいので、導電性成分と非導電成分の両方をアンチモン化合物及びリン化合物を特定量含有するポリエステルとすることが好ましい。
さらに、これらの導電性成分と非導電性成分のポリエステル系樹脂は、カルボキシル末端基濃度が25geq/t以下、中でも20geq/t以下、さらには18geq/t以下であることが好ましい。
導電性成分や非導電性成分のカルボキシル末端基濃度が25geq/tを超えて高くなると、導電性複合繊維のカルボキシル末端基濃度も高くなり、耐湿熱性に劣るものとなりやすい。
なお、導電性成分と非導電性成分のカルボキシル末端基濃度は、導電性成分又は非導電性成分 0.1gをベンジルアルコール10mlに溶解し、この溶液にクロロホルム10mlを加えた後、1/10規定の水酸化カリウムベンジルアルコール溶液で滴定して求めるものである。
このように、導電性成分や非導電性成分のカルボキシル末端基濃度を低くする方法としては、アンチモン化合物及びリン化合物を重縮合反応時に添加する方法に加えて、紡糸時に末端封鎖剤を添加する方法、溶融重合時の重合条件(触媒量、温度等)を調整変更する方法等を採用してもよい。
末端封鎖剤の具体例としては、N,N'-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)カルボジイミドなどのカルボジイミド化合物、フェニルグリシジルエーテルなどのエポキシ化合物などが挙げられる。
つまり、本発明の導電性複合繊維においては、導電性成分と非導電性成分のいずれか一方をアンチモン化合物及びリン化合物を含有することにより、カルボキシル末端基濃度を低くしたポリエステルとし、他方の成分を上記のような末端封鎖剤を添加したり、重合条件を調整することによりカルボキシル末端基濃度を低くしたポリエステルとしてもよい。
本発明の導電性複合繊維は、複数本からなるマルチフィラメントとしても、単糸のみで用いるモノフィラメントとしてもよく、また、長繊維でも短繊維としてもよい。
次に、本発明の導電性複合繊維の製造方法について説明する。
導電性成分、非導電性成分のポリエステルは、通常の重縮合反応を行うことにより得ることができる。そして、導電性成分と非導電性成分の少なくとも一方のポリエステルの重縮合反応時にアンチモン化合物及びリン化合物を含有させ、溶融重合を行い、カルボキシル末端基濃度を低下させたポリエステル成分とする。このようにして得られた導電性成分と非導電性成分とを、乾燥等の処理を行ってチップ化し、通常の二成分系の複合溶融紡糸装置を用いて複合紡糸する。このとき、非導電性成分や導電性成分の形状や配置位置については、紡糸口金形状を種々変更することにより、所望の断面形状の複合繊維とする。そして、得られた糸条を延伸、熱処理することによって、本発明の導電性複合繊維を得ることができる。
なお、導電性成分を得る方法としては、ベースとなるポリマーの重合段階で導電性粒子を添加する方法や、導電性粒子を後加工でポリマーに添加して溶融混練する方法があるが、用いるポリマーによっては重合段階での添加が困難なものもあるので、後加工で溶融混練する方法が好ましい。
本発明の導電性複合繊維は、電気抵抗値が低く、十分な導電性能と強度を有しており、滅菌処理等の湿熱処理後も導電性能及び強度の低下が少ない。このため、湿熱処理を繰り返し行うような各種の用途において好適に使用することが可能となり、制電効果を求められ、かつ滅菌処理等の湿熱処理を繰り返し行う必要のある、クリーンルーム用や医療用の作業用ユニフォーム等の衣料用途や、カーテンなどのインテリア用途及び資材用途に好適に用いることができる。
次に、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、実施例中の各種の値の測定及び評価は以下のように行った。
1.導電性複合繊維の電気抵抗値、導電性能低下率、強度保持率
前記した方法に従って、測定、算出した。なお、得られた導電性複合繊維を用いて筒編地を作成した後に、界面活性剤(日華化学製 サンモールFL)を1g/lの濃度で使用し、80℃、30分間精練処理を行った後に、130℃、30分間熱水で処理を行う。この後、湿熱処理として、該筒編地に高圧蒸気滅菌器(平山製作所製 HV−50)を用いて121℃で25時間連続して処理を行った。筒編地を作成する前の導電性複合繊維の電気抵抗値を湿熱処理前の電気抵抗値とし、湿熱処理後の筒編地を解編して取り出した導電性複合繊維の電気抵抗値を湿熱処理後の電気抵抗値とした。
2.導電性複合繊維中のアンチモン化合物、コバルト化合物、リン化合物の含有量
前記の方法で測定した。
3.カルボキシル末端基濃度
導電性成分、非導電性成分及び導電性複合繊維のカルボキシル末端基濃度は、前記の方法で測定した。
実施例1
導電性成分として、極限粘度(フェノールと四塩化エタンとの等質量混合液を溶媒とし、温度20℃で測定した)0.75、カルボキシル末端基濃度が25geq/tのPBT(実質的にブチレンテレフタレート繰り返し単位が100モル%)に、導電性粒子として、平均粒径0.2 μm のカーボンブラック(導電性成分中の27質量%となる量)を溶融混練したものを用い、常法によりチップ化して導電性成分とした。
また、非導電成分としては、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート及びその低重合体(BHET)の存在するエステル化反応缶に、モル比1/1.6 のテレフタル酸とエチレングリコールとのスラリーを連続的に供給し、温度 250℃、圧力0.05kg/cm2 、滞留時間8時間の条件でエステル化反応を行い、エステル化反応率が95%のBHETを連続的に得た。このBHET50kgを重合槽に移送し、265 ℃に加熱し、触媒として三酸化アンチモンをポリエステルを構成する酸成分1モルに対し1.0×10-4モルと、リン化合物としてリン酸トリエチルをポリエステルを構成する酸成分1モルに対し0.5×10-4モル添加した。その後、徐々に減圧し、265 ℃で最終的に 0.1tollの減圧下で 3.5時間重縮合反応(溶融重合のみ)を行い、極限粘度(フェノールと四塩化エタンとの等質量混合液を溶媒とし、温度20℃で測定した)0.64、カルボキシル末端基濃度が9.0geq/t のPETを得、常法によりチップ化した。これを非導電性成分とした。
次に、単糸の横断面形状が図2(c)となるように設計された紡糸口金を用いて、導電性成分と非導電性成分のチップを供給し、通常の複合紡糸装置より紡糸温度295℃、導電性成分の複合比率20質量%となるように紡糸し、冷却、オイリングしながら3000m/分の速度で巻き取り、43dtex/2fの未延伸糸を得た。そして、この未延伸糸を90℃の熱ローラを介して1.53倍に延伸し、さらに、190℃のヒートプレートで熱処理を行った後に巻き取り、図2(c)の断面形状を呈する28dtex/2の導電性複合繊維を得た。
実施例2
導電性成分として、極限粘度0.65、カルボキシル末端基濃度24geq/tでイソフタル酸を15mol%共重合した共重合ポリブチレンテレフタレート(共重合PBT)に平均粒径0.2μmのカーボンブラックを導電成分中の30質量%となるように、溶融混練したものを用い、常法によりチップ化して導電性成分とした。
また、非導電性成分として、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート及びその低重合体(BHET)の存在するエステル化反応缶に、モル比1/1.6 のテレフタル酸とエチレングリコールとのスラリーを連続的に供給し、温度 250℃、圧力0.05kg/cm2 、滞留時間8時間の条件でエステル化反応を行い、エステル化反応率が95%のBHETを連続的に得た。このBHET50kgを重合槽に移送し、イソフタル酸とエチレングリコールのスラリーをイソフタル酸が8モル%となるように投入した後、265 ℃に加熱し、触媒として三酸化アンチモンをポリエステルを構成する酸成分1モルに対し1.0×10-4モルと、リン化合物としてリン酸トリエチルをポリエステルを構成する酸成分1モルに対し0.5×10-4モル添加した。その後、徐々に減圧し、265 ℃で最終的に 0.1tollの減圧下で 4.0時間重縮合反応(溶融重合のみ)を行い、極限粘度(フェノールと四塩化エタンとの等質量混合液を溶媒とし、温度20℃で測定した)0.64、カルボキシル末端基濃度が11.0geq/t のイソフタル酸8モル%共重合PETを得、常法によりチップ化した。これを非導電性成分とした以外は実施例1と同様に行い、導電性複合繊維を得た。
実施例3〜7
導電性成分、非導電性成分中の共重合成分の種類と共重合量を表1に示すように変更し、併せて表1に示す値のものとした以外は実施例2と同様に行い、導電性複合繊維を得た。
実施例8
単糸の横断面形状が図3(c)となるように設計された紡糸口金を用いた以外は実施例1と同様にして行い、図3(c)の断面形状を呈する28dtex/2の導電性複合繊維を得た。
実施例9〜14
単糸の横断面形状が図3(c)となるように設計された紡糸口金を用いた以外は、それぞれ実施例2〜7と同様にして行い、図3(c)の断面形状を呈する28dtex/2の導電性複合繊維を得た。
比較例1
単糸の横断面形状が図4に示すような芯鞘型となるように設計された紡糸口金を用い、導電性成分を芯部、非導電性成分を鞘部に配した以外は実施例3と同様に行って、導電性複合繊維を得た。
比較例2、3
非導電性成分の化合物添加量を表1の値に変更した以外は、実施例3と同様に行って、導電性複合繊維を得た。
実施例1〜14、比較例1〜3で得られた導電性複合繊維の各種の値の測定結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜14の導電性複合繊維は、湿熱処理前後の電気抵抗値ともに低く、導電性能低下率も低く、導電性能に優れていた。また、湿熱処理前後の強度ともに高く、強度保持率も高く、糸質性能にも優れていた。
一方、比較例1の導電性複合繊維は、芯鞘形状で芯部にのみ導電性成分が配されていたため、導電性能が不十分なものであった。また、比較例2、3の導電性複合繊維は、複合繊維中の化合物添加量が本発明の範囲から外れるため、カルボキシル末端基濃度が高く、耐湿熱性能を有しておらず、湿熱処理後は電気抵抗値が高く、強度が低下し、導電性能低下率が高く、強度保持率も低いものとなった。
本発明の導電性複合繊維の一実施態様を示す、繊維の長手方向に対して垂直に切断した横断面模式図である。 本発明の導電性複合繊維の他の実施態様を示す、繊維の長手方向に対して垂直に切断した横断面模式図である。 本発明の導電性複合繊維の他の実施態様を示す、繊維の長手方向に対して垂直に切断した横断面模式図である。 従来の導電性複合繊維の一実施態様を示す、繊維の長手方向に対して垂直に切断した横断面模式図である。

Claims (3)

  1. イソフタル酸、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジカルボン酸のうち少なくとも一成分を5〜20モル%共重合したポリエチレンテレフタレートからなる非導電性成分と、イソフタル酸、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジカルボン酸のうち少なくとも一成分を5〜40モル%共重合したポリブチレンテレフタレートからなり、かつ、導電性粒子を含有する導電性成分とで構成され、導電性成分の少なくとも一部が繊維表面に露出している形状を呈している導電性複合繊維であって、導電性複合繊維中にアンチモン化合物及びリン化合物が下記式(1)〜(2)を同時に満足する量含有されており、かつ、電気抵抗値が1×10Ω〜1×10Ω/cm、湿熱処理(121℃で25時間処理)後の導電性能低下率が20以下、湿熱処理(121℃で25時間処理)後の強度保持率が70%以上であることを特徴とする耐湿熱性導電性複合繊維。
    (1)0.5×10-4≦〔Sb〕≦3.0×10-4
    (2)0.1×10-4≦〔P〕≦20.0×10-4
    なお、〔Sb〕はアンチモン化合物の含有量、〔P〕はリン化合物の含有量を表し、
    単位は「モル/酸成分モル」である。
  2. 導電性複合繊維のカルボキシル末端基濃度が25geq/t以下である請求項1記載の耐湿熱性導電性複合繊維。
  3. 非導電性成分と導電性成分の少なくとも一方が、カルボキシル末端基濃度が25geq/t以下である請求項1又は2記載の耐湿熱性導電性複合繊維。
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