しかしながら、上記の携帯電話機にあっては、携帯電話機が所有者から一定距離以上離れると携帯電話機の通話機能を制限することに関しては述べられているものの、着信報知動作については考慮されていない。通常、携帯電話機等の携帯端末装置では、予め使用者により設定された動作に基づいて着信報知動作を行う。したがって、所有者が携帯端末装置を置き忘れるなど、携帯電話機が所有者から一定距離以上離れた場合でも、着信があると着信音や振動音が鳴り、周囲の人は迷惑するという事情があった。
また、外部から視認可能な画面(サブ画面)に発信者の電話番号や名前の表示が出たり、メール着信では内容の一部が表示されたりする着信報知動作も可能であるが、このような機能は所有者にとって便利な反面、所有者不在のときにはプライベートな情報を他人に見られる恐れがある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、利便性を損なわずに、周囲への影響や個人情報の漏洩を防止可能な携帯端末装置及びその着信報知動作制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、第1に、基地局装置と無線通信を行う無線通信手段と、前記無線通信手段により着信が検出されると、着信報知を行う着信報知手段と、前記着信報知手段の動作を制御する着信報知動作制御手段と、無線通信ユニットと無線通信を行い、当該無線通信ユニットとの認証を行う無線認証手段とを備え、前記着信報知動作制御手段は、前記無線通信ユニットとの認証が成立か不成立かに応じた着信報知方法にて前記着信報知手段の動作を制御する携帯端末装置が提供されるものである。
この構成により、無線通信ユニットとの認証が成立か不成立かに応じて着信報知方法を制御するので、例えば所有者が携帯端末装置のそばにいる状態と、離れている所有者不在状態とにおいて異なる着信報知動作を行うことになり、利便性を損なわずに、周囲への影響や個人情報の漏洩を防止した着信報知動作を行うことができる。
本発明は、第2に、上記第1に記載の携帯端末装置であって、前記着信報知動作制御手段は、前記無線通信ユニットとの認証が不成立のときに検出された着信については、前記着信報知手段による着信報知を行わない。
この構成により、所有者不在状態において、例えば発信者による呼出動作や前記呼出動作に対し一定回数の呼び出し後に留守番伝言受付を行う等のような基地局を介した発信者間との着信動作は行うものの、着信報知動作を行わないことにより、周囲への影響や個人情報の漏洩を防止した着信報知動作を行うことができる。
本発明は、第3に、上記第2に記載の携帯端末装置であって、前記着信報知動作制御手段は、前記無線通信ユニットとの認証が不成立のときに検出され、前記着信報知手段により着信報知が行われない着信に関する情報を未報知着信情報として記憶する記憶手段を有する。
この構成により、着信報知動作を行わなかった着信について記憶しておくことができる。
本発明は、第4に、上記第3に記載の携帯端末装置であって、前記着信報知動作制御手段は、前記無線通信ユニットとの認証が不成立の状態から認証が成立の状態となったとき、前記記憶手段に記憶されている未報知着信情報に基づいて前記着信報知手段による着信報知を行う。
この構成により、所有者不在のために着信報知動作を行わなかった着信の情報を、所有者が携帯端末装置に近付いたときに、いち早く報知することができる。
本発明は、第5に、上記第3又は4に記載の携帯端末装置であって、前記着信報知動作制御手段は、前記無線通信ユニットとの認証が不成立の状態から認証が成立の状態となったとき、前記記憶手段に記憶されている未報知着信情報を、前記無線認証手段を介して前記無線通信ユニットへ送信する。
この構成により、無線通信ユニットが、所有者不在のために着信報知動作を行わなかった着信の情報を所有者が携帯端末装置に近付いたときに取得することが可能となり、例えば、無線通信ユニットがその着信を報知することで、所有者に近い位置でいち早く報知することができる。例えば、音を発しないで振動モータを動かすような通知(マナーモード通知)の場合は、置忘れして不携帯の携帯端末装置が報知するよりも、着衣した無線通信ユニットが報知するほうが、所有者への通知をより確実に行える。
本発明は、第6に、上記第1に記載の携帯端末装置であって、前記着信報知動作制御手段は、前記無線通信ユニットとの認証が不成立のときに検出された着信については、前記着信報知手段にあらかじめ組み込まれた設定(デフォルト設定)の着信報知を行う。
この構成により、例えば所有者が携帯端末装置から離れている状態では、あらかじめ組み込まれた設定(デフォルト設定)の着信音などの着信報知を行うこととなり、個人設定の着信音などで着信報知を行わないことで、個人設定の着信音などの着信報知の好みという個人情報を他人に知られること防止することができる。
本発明は、第7に、基地局装置と無線通信を行う無線通信手段と、前記無線通信手段により着信が検出されると、着信報知を行う着信報知手段と、前記着信報知手段の動作を制御する着信報知動作制御手段と、無線通信ユニットと無線通信を行い、当該無線通信ユニットとの距離が所定距離以内にあるか否かに応じて認証を行う無線認証手段とを備え、前記着信報知動作制御手段は、前記無線通信ユニットとの距離に応じた着信報知方法にて前記着信報知手段の動作を制御する携帯端末装置が提供されるものである。
この構成により、無線通信ユニットからの距離に応じて着信報知方法を制御するので、例えば所有者が携帯端末装置のそばにいる状態と、離れている所有者不在状態とにおいて異なる着信報知動作を行うことにより、利便性を損なわずに、周囲への影響や個人情報の漏洩を防止した着信報知動作を行うことができる。
本発明は、第8に、上記第7に記載の携帯端末装置であって、前記着信報知動作制御手段は、前記無線通信ユニットとの距離が所定距離以上のときに検出された着信については、前記着信報知手段にあらかじめ組み込まれた設定(デフォルト設定)の着信報知を行う。
この構成により、例えば所有者が携帯端末装置から離れている状態では、あらかじめ組み込まれた設定(デフォルト設定)の着信音などの着信報知を行うこととなり、個人設定の着信音などで着信報知を行わないことで、個人設定の着信音などの着信報知の好みという個人情報を他人に知られること防止することができる。
本発明は、第9に、前記無線通信ユニットと無線通信を行い、当該無線通信ユニットとの距離が認証可能距離以内にあるか否かに応じて認証を行うステップと、基地局装置と無線通信を行うステップと、前記基地局装置からの着信が検出されたとき、前記無線通信ユニットとの距離に応じた着信報知方法にて着信報知を行うステップとを有する携帯端末装置の着信報知動作制御方法が提供されるものである。
この方法により、無線通信ユニットからの距離に応じて着信報知方法を制御するので、例えば所有者が携帯端末装置のそばにいる状態と、離れている所有者不在状態とにおいて異なる着信報知動作を行うことにより、利便性を損なわずに、周囲への影響や個人情報の漏洩を防止した着信報知動作を行うことができる。
本発明は、第10に、上記第9に記載の着信報知動作制御方法であって、前記無線通信ユニットとの距離に応じた着信報知方法は、前記無線通信ユニットとの距離が所定の距離以上のときに検出された着信については、あらかじめ組み込まれた設定(デフォルト設定)の着信報知を行う方法である携帯端末装置の着信報知動作制御方法が提供されるものである。
この方法により、例えば所有者が携帯端末装置から離れている状態では、あらかじめ組み込まれた設定(デフォルト設定)の着信音などの着信報知を行い、個人設定の着信音などで着信報知を行わないことで、個人設定の着信音などの着信報知の好みという個人情報を他人に知られること防止することができる。
本発明は、第11に、前記無線通信ユニットと無線通信を行い、当該無線通信ユニットとの距離が所定距離以内にあるか否かに応じて認証を行うステップと、基地局装置と無線通信を行うステップと、前記基地局装置からの着信が検出されたとき、前記無線通信ユニットとの距離に応じた着信報知方法にて着信報知を行うステップとを有する携帯端末装置の着信報知動作制御方法が提供されるものである。
この方法により、無線通信ユニットからの距離に応じて着信報知方法を制御するので、例えば所有者が携帯端末装置のそばにいる状態と、離れている所有者不在状態とにおいて異なる着信報知動作を行うことにより、利便性を損なわずに、周囲への影響や個人情報の漏洩を防止した着信報知動作を行うことができる。
本発明は、第12に、上記第11に記載の着信報知動作制御方法であって、前記無線通信ユニットとの距離に応じた着信報知方法は、前記無線通信ユニットとの距離が所定距離以上のときに検出された着信については、あらかじめ組み込まれた設定(デフォルト設定)の着信報知を行う方法である携帯端末装置の着信報知動作制御方法が提供されるものである。
この方法により、例えば所有者が携帯端末装置から離れている状態では、あらかじめ組み込まれた設定(デフォルト設定)の着信音などの着信報知を行い、個人設定の着信音などで着信報知を行わないことで、個人設定の着信音などの着信報知の好みという個人情報を他人に知られること防止することができる。
本発明によれば、利便性を損なわずに、周囲への影響や個人情報の漏洩を防止可能な携帯端末装置及びその着信報知動作制御方法を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る携帯端末装置の着信報知動作制御方法を示す説明図である。図1に示すように、携帯端末装置1は無線通信ユニット3との間で無線認証を行う。そして、無線通信ユニット3との距離が認証距離以内であれば認証が成立し、認証距離より大きければ認証が不成立(非認証)となるものである。この無線認証のための通信手段には、微弱な無線電波を用いた通信手段または近距離通信手段(通信距離が、例えば、数メートル以内のもの)を用いることができる。
また、無線認証の方法としては様々のものが可能である。例えば、無線通信ユニットが無線通信ユニット3のIDを送信し、それを携帯端末装置1が受信し、受信したIDと携帯端末装置1が記憶している無線通信ユニット3のIDと一致すれば、携帯端末装置1側の認証が成立するようにすることができる。同様に、携帯端末装置1が携帯端末装置1のIDを送信し、それを無線通信ユニット3が受信し、受信したIDと無線通信ユニット3が記憶している携帯端末装置1のIDと一致すれば、無線通信ユニット3側の認証が成立するようにすることができる。この無線認証のための通信手段に、微弱な無線電波を用いた通信手段または近距離通信手段(通信距離が、例えば、数メートル以内のもの)を用いれば、双方が所定距離以上離れ、それぞれが受信する信号の強度が所定以下になると、IDを確認できなくなるから、認証が不成立となる。逆に、所定距離以内であれば、認証が成立となる。
無線認証の方法の他の例としては、例えば、次のようなものでもよい。まず、無線通信ユニット3が無線通信ユニット3のIDを送信し、それを携帯端末装置1が受信する。次に、携帯端末装置1は、受信したIDと携帯端末装置1が記憶している無線通信ユニット3のIDとが一致していたら、乱数を含む信号(チャレンジ信号)を送信し、それを無線通信ユニット3が受信する。次に、無線通信ユニット3は、受信した乱数を共通鍵で暗号化したものを含む信号(レスポンス信号)を送信し、それを携帯端末装置1が受信する。次に、携帯端末装置1は、乱数を共通鍵で暗号化したものを逆に共通鍵で復号し、復号した結果が自己の送信した乱数と一致していたら、携帯端末装置1側の認証が成立するようにすることができる。次に、携帯端末装置1は、携帯端末装置1側の認証が成立していたら、携帯端末装置1が携帯端末装置1のIDを送信し、それを無線通信ユニット3が受信し、受信したIDと無線通信ユニット3が記憶している携帯端末装置1のIDと一致すれば、無線通信ユニット3側の認証が成立するようにすることができる。なお、携帯端末装置1と無線通信ユニット3とは同一の共通鍵を記憶しているものとする。この無線認証のための通信手段に、微弱な無線電波を用いた通信手段または近距離通信手段(通信距離が、例えば、数メートル以内のもの)を用いれば、双方が所定距離以上離れ、それぞれが受信する信号の強度が所定以下になると、認証が不成立となり、逆に、所定距離以内であれば、認証が成立となる。
無線認証の方法のさらに他の例としては、例えば、前述のような双方のID、チャレンジ信号及びレスポンス信号を用い、携帯端末装置1の受信した信号の強度が所定強度以上(又は所定強度より大きい)(すなわち、距離が所定距離以内)で、携帯端末装置1の受信したIDが携帯端末装置1の記憶している無線通信ユニット3のIDとが一致して、かつ、レスポンス信号に含まれる乱数を復号した結果が自己の送信したチャレンジ信号に含まれる乱数と一致していたら、携帯端末装置1側の認証が成立するようにすることができる。同様に、無線通信ユニット3の受信した信号の強度が所定強度以上(又は所定強度より大きい)(すなわち、距離が所定距離以内)で、無線通信ユニット3の受信したIDが無線通信ユニット3の記憶している携帯端末装置1のIDとが一致していたら、無線通信ユニット3側の認証が成立するようにすることができる。この無線認証のための通信手段に、微弱な無線電波を用いた通信手段または近距離通信手段(通信距離が、例えば、数メートル以内のもの)を用いれば、双方が所定距離以上離れ、それぞれが受信する信号の強度が所定以下になると、認証が不成立となり、逆に、所定距離以内であれば、認証が成立となる。
そして、本実施形態の携帯端末装置1は、図1(A)に示すように、認証が成立している状態では、例えば、音や振動により通話やメール等の着信を報知し、図1(B)に示すように、認証が成立していない状態では、着信報知動作を制限する。これにより、所有者が携帯端末装置のそばにいる状態と、離れている所有者不在状態とにおいて異なる着信報知動作を行うので、利便性を損なわずに、周囲への影響や個人情報の漏洩を防止した着信報知動作を行うことができるものである。
図2は、本発明の実施形態に係る携帯端末装置の主要な構成を示すブロック図である。なお、本実施形態において、携帯端末装置1は、基地局2と通信し、移動体通信網に接続可能な移動体通信機能を備えるものを例にとって説明するが、必ずしも移動体通信機能に限ることなく、種々の通信機能を備えた携帯端末装置を適用可能である。
図2に示すように、携帯端末装置1は、移動体無線部11と、データ処理部12と、無線認証部13と、着信動作制御部14と、報知部15と、操作部16とを備える。
移動体無線部11は、無線通信手段の一例として動作するものであり、基地局2との無線通信を行う。データ処理部12は、移動体無線部11において送受信するデータの処理のほか、携帯端末装置1の機能、例えば、電子決済機能やデータ参照機能等のデータ処理を行う。例えば、着信が検出されると、発信元の電話番号やメールアドレス等の情報や、発信者を予め登録された電話帳情報を参照して発信者の名前等の情報を、着信情報として着信動作制御部14へ出力する。無線認証部13は、無線認証手段の一例として動作するものであり、無線通信ユニット3との距離を検出し、無線通信ユニット3との距離が認証距離以内にあるか否かに応じて認証を行う。
着信動作制御部14は、発信者からの呼出に対して所定の呼出期間、操作入力を待ったり、メールの一部又は全部の受信や、サーバーにメールが到着したことの通知を受けるといった、基地局を介して着信を受けたときの着信動作を制御する。さらに、着信動作制御部14は、着信報知動作制御手段の一例として動作するものであり、無線通信ユニット3との距離に応じた着信報知方法にて報知部15の動作を制限することにより、着信報知動作を制御する。報知部15は、着信報知手段の一例として動作するものであり、移動体無線部11により基地局2からの着信を検出すると、着信動作制御部14からの指示に基づいて、着信報知を行う。操作部16は、例えば使用者からの操作入力を受け付け、データ処理部12、着信動作制御部14や報知部15に操作信号を出力する。
無線認証部13は、記憶部131と、無線部132と、判定部133と、データ通信部134とを有する。記憶部131は、無線通信ユニット3との間の無線認証を行う際に用いられる識別コード等の認証用IDを記憶する。なお、この認証用IDは、例えば、携帯端末装置1と無線通信ユニット3との間で予め関連付けされたIDであり、無線通信を介して互いに一対であることを把握することで、常時認証することができるものである。
無線部132は、無線通信ユニット3との間の無線通信を行うものであり、記憶部131に記憶されている認証用IDを無線通信ユニット3に送信すると共に、無線通信ユニット3からの無線信号を受信する。
判定部133は、無線部132にて受信した、無線通信ユニット3からの受信信号を復調してIDを解析すると共に、受信信号の信号レベル又は誤り率等から無線通信ユニット3との距離を検出する。そして、記憶部131を参照して受信したIDが認証用IDと一致し、かつ、無線通信ユニット3との距離が所定の距離(認証距離)以内であれば、認証成立と判定し、それ以外の場合には認証が不成立と判定する。そして、認証結果として、認証フラグ(例えば認証成立時に0、認証不成立時に1)を、着信動作制御部14に出力する。
データ通信部134は、無線部132を介して無線通信ユニット3とのデータ通信を行う。例えば、上記の無線部132における無線認証のためのIDの交換を所定の周期で行い、データ通信部134はその無線認証の合間に、無線通信ユニット3との間で互いに定めた法則の下にデータ通信を行うことで、小容量のデータ通信を行う。
着信動作制御部14は、記憶部141と、着信動作指示部142とを有する。記憶部141は、記憶手段の一例として動作するものであり、着信動作や着信報知動作の設定を記憶する。例えば、無線認証部13により認証成立時の着信報知動作と、認証不成立時の着信報知動作を記憶する。着信動作指示部142は、移動体無線部11を介して着信が検出されると、記憶部141を参照し、無線認証部13の判定部133による認証判定に基づいて着信報知方法にて報知部15の着信報知動作を制御する。
報知部15は、所望の情報(着信時の発信者情報等)を表示可能で、外部から視認可能な位置に設けられたサブ画面等を有する画面表示器151と、着信音等の音声を所望の音量で出力するスピーカ152と、所望の振動パターンで振動する振動モータ153と、LED等のランプを点灯・点滅させるLED表示器154とを有する。そして、着信動作指示部142からの指示に基づいて、画面表示器151、スピーカ152、振動モータ153、LED表示器154のそれぞれが指示に応じた動作を行う。
無線通信ユニット3は、無線認証部33と、報知動作制御部34と、報知部35と、操作部36とを備える。
無線認証部33は、無線認証部13と同様の構成を有し、携帯端末装置1との無線認証を行う。また、記憶部331と、無線部332と、判定部333と、データ通信部334とを有し、これらはそれぞれ、無線認証部13の携帯端末装置1の記憶部131、無線部132、判定部133、データ通信部134に対応する。
報知動作制御部34は、無線認証部33のデータ通信部334からの指示に基づいて、報知部35の動作を制御する。報知部35は、報知部15と同様に、画面表示器351と、スピーカ352と、振動モータ353と、LED表示器354とを有する。操作部36は、使用者からの操作入力を受け付け、データ通信部33及び報知動作制御部34に操作信号を出力する。
以下、本発明の実施形態に係る着信報知動作の例について説明する。なお、この着信動作の設定は、着信動作制御部14の記憶部141に設定情報として記憶されている。
図3は、本発明の実施形態に係る携帯端末装置の動作手順の第1例を示すフローチャートである。図3に示すように、着信動作指示部142は、着信があるかを監視する(ステップS1)。そして、着信が検出されると(ステップS1のYES)、判定部133による無線認証結果を参照する(ステップS2)。そして、認証が成立している場合(ステップS2のYES)、記憶部141の設定情報を参照して、認証成立時の着信報知動作(第1の着信報知動作)を報知部15に指示し、報知部15は、指示に基づいた着信報知動作を行う(ステップS3)。また、認証が不成立の場合(ステップS2のNO)、記憶部141の設定情報を参照して、認証不成立時の着信報知動作(第2の着信報知動作)を報知部15に指示し、報知部15は、指示に基づいた着信報知動作を行う(ステップS4)。着信があった場合には、発信者からの呼出があると着信報知動作を行い、この呼出を所有者に伝える。所有者は着信報知動作をうけた後に通話ボタンを押して通話を開始したり、メールを開封閲覧したりする。このように、所有者不在状態において、例えば発信者による呼出動作や前記呼出動作に対し一定回数の呼び出し後に留守番伝言受付を行う等のような基地局を介した発信者間との着信動作は行うものの、着信報知動作を制御することにより、周囲への影響や個人情報の漏洩を防止した着信報知動作を行うことができる。
このようにして、例えば、上記の第2の着信報知動作として、画面表示器151、スピーカ152、振動モータ153、LED表示器154のいずれも動作させないように設定することで、所有者が不在の状態で電話があったことや、発信者の情報を第三者に知られることを防ぐことができる。また、所有者不在時の着信報知動作を省略することにより、電力の消費を抑制することができる。
また、第2の着信報知動作として、LED表示器154の発光のみを設定すれば、LED表示器154による着信の報知が可能であると共に、スピーカ152や振動モータ153から音を発生することを防ぐことができる。さらに、第2の着信報知動作として、LED表示器154による発光と振動モータ153の振動により着信を通知する、所謂マナーモードを設定すれば、マナーモードによる着信の報知が可能であると共に、スピーカからの音声の発生により周囲に影響を与えることを防止することができる。この第2の着信報知動作中、すなわち、着信動作中でかつ認証不成立の場合は、通話ボタン等による通話開始を制限しても良い。
また、第2の着信報知動作(認証不成立時の着信報知動作)として、前記着信報知手段にあらかじめ組み込まれた設定(デフォルト設定)の着信報知を行うこともできる。これにより、例えば所有者が携帯端末装置から離れている状態では、あらかじめ組み込まれた設定(デフォルト設定)の着信音など(着信音の種類又は着信音量など)の着信報知を行い、個人設定の着信音などで着信報知を行わないことで、個人設定の着信音など(着信音の種類又は着信音量など)の着信報知の好みという個人情報を他人に知られること防止することができる。なお、あらかじめ組み込まれた設定(デフォルト設定)とは、ユーザーが何も操作や設定を行わなかった際に使用される、あらかじめ組み込まれた設定のことで、「初期設定」又は「規定値」などとほぼ同義であり、通常は、工場出荷時の設定(initial factory default)又はユーザーの製品購入時の設定と同じである。
図4は、本発明の実施形態に係る携帯端末装置の動作手順の第2例を示すフローチャートである。同図において、図3と重複する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
着信動作指示部142は、着信が検出され(ステップS1のYES)、認証が不成立の場合(ステップS2のNO)、すなわち所有者不在の場合、着信動作を行わずに、データ処理部12を介して入力された発信者情報や着信時刻等の着信情報を、未報知着信情報として記憶部141に記憶する(ステップS11)。
そして、判定部133による無線認証結果を監視し(ステップS12)、認証成立の判定がなされたら、すなわち、所有者が携帯端末装置1から離れた状態から近付いた状態になったら(ステップS12のYES)、記憶部141に記憶されている未報知着信情報に基づいて報知部15に着信報知を指示し、報知部15は、指示に基づいた着信報知動作を行う(ステップS13)。なお、このときの着信報知動作は、ステップS3のように、認証成立時の第1の着信報知動作でもよいし、記憶部141に予め設定された任意の着信報知動作でもよい。
このようにして、所有者不在のために着信報知動作を行わなかった着信の情報を、所有者が携帯端末装置に近付いたときに、いち早く報知することができる。
図5は、本発明の実施形態に係る携帯端末装置の動作手順の第3例を示すフローチャートである。同図において、図4と重複する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
着信動作指示部142は、着信が検出され(ステップS1のYES)、認証が不成立の場合(ステップS2のNO)、未報知着信情報を記憶部141に記憶する(ステップS11)。そして、判定部133による無線認証結果を監視し(ステップS12)、認証成立の判定がなされたら、すなわち、所有者が携帯端末装置1から離れた状態から近付いた状態になったら(ステップS12のYES)、記憶部141に記憶されている未報知着信情報を、データ通信部134に出力する。データ通信部134は、入力された未報知着信情報を無線部132を介して無線通信ユニット3に送信する(ステップS21)。
無線通信ユニット3において、無線認証部33のデータ通信部334は、無線部332を介して未報知着信情報を受信すると、報知動作制御部34に出力し、報知動作制御部34は、受信した未報知着信情報を受信すると、予め定められた着信報知動作にて報知部35に着信報知を指示し、報知部15は、指示に基づいた着信報知動作を行う。
このようにして、無線通信ユニット3が、所有者不在のために着信報知動作を行わなかった着信の情報を所有者が携帯端末装置1に近付いたときに取得することが可能となり、無線通信ユニット3がその着信を報知するので、所有者に近い位置でいち早く報知することができる。例えば、音を発しないで振動モータを動かすような通知(マナーモード通知)の場合は、置忘れして不携帯の携帯端末装置が報知するよりも、着衣した無線通信ユニットが報知するほうが、所有者への通知をより確実に行うことができる。
以上のように、本発明の実施形態の携帯端末装置及びその着信報知動作制御方法によれば、無線通信ユニット3からの距離に応じて着信報知方法を制御するので、例えば所有者が携帯端末装置のそばにいる状態と、離れている所有者不在状態とにおいて異なる着信報知動作を行うことにより、利便性を損なわずに、周囲への影響や個人情報の漏洩を防止した着信報知動作を行うことができる。
なお、上記の説明では、無線認証の成立/非成立を基準として異なる着信報知動作を行う携帯端末装置について説明した。すなわち、無縁認証の認証距離を用いて、無線通信ユニット3までの距離が認証距離以内の場合と認証距離を超えた場合とで異なる着信報知動作が行われる。しかしながら、着信報知動作を切り換える基準となる距離は認証距離に限らず、認証距離とは異なる距離を用いてもよい。
この場合、無線認証部13の判定部133は、無線部132を介して受信した受信信号に基づいて検出される無線通信ユニット3までの距離情報を、着信動作指示部142に出力する。そして、記憶部141には、設定情報として、予め無線通信ユニット3までの距離と着信報知方法とが対応付けられて記憶されている。そして、着信動作指示部142は、着信が検出されると、入力された距離情報に基づき、記憶部141を参照して着信報知動作の制御処理を行う。これにより、前記無線通信ユニットとの距離に応じた着信報知方法にて着信報知を行うことができる。
また、無線認証の方法は、前述のように種々考えられ、これらの認証の結果、認証が成立か不成立かに応じた着信報知方法にて着信報知を行うこともできる。なお、種々の認証方法があるが、一般に、双方が所定距離以上離れ、それぞれが受信する信号の強度が所定以下になると、認証が不成立となり、逆に、所定距離以内であれば、認証が成立となる。また、このとき、認証距離を複数通り設定できるようにして、例えば、距離を短く設定する場合などには、認証可能距離以内でも設定した距離以上であれば認証しない(認証が不成立となる)ようにすることも考えられる。なお、距離は、受信する信号の強度で判定する。
また、着信報知動作の設定情報は、使用者によって操作部16から任意に変更し、所望の設定を行うことができる。例えば、操作部16を用いて、着信報知動作の切り換えの基準となる無線通信ユニット3までの距離や、報知部15の動作を指定し、着信動作指示部142を介して記憶部141に設定情報として記憶される。
また、無線通信ユニット3の操作部36を用いて携帯端末装置1の着信報知動作等の設定情報を変更してもよい。使用者により操作部36から着信報知動作の設定を指定する操作入力を受けると、データ通信部334は操作入力により指定された設定情報を無線部332を介して携帯端末装置1に送信する。携帯端末装置1は、無線認証部13のデータ通信部134は、無線部132を介して設定情報を受信すると、着信動作指示部142に設定情報を出力する。着信動作指示部142は、記憶部141に着信報知動作の設定情報を記憶すると共に、データ通信部134に対して設定完了通知を出力する。
データ通信部134は、入力された設定完了通知を無線部132を介して無線通信ユニット3に送信する。無線通信ユニット3のデータ通信部334は、無線部332を介して設定完了通知を受信し、報知動作制御部34を介して報知部35にて設定完了を通知する。なお、無線通信ユニット3において、報知動作制御部34は、設定情報を送信してから所定時間以内に設定完了通知を受信しなかった場合を検出し、その旨を報知部35から報知してもよい。
これにより、携帯端末装置1を鞄などの中に入れている場合においても、遠隔操作で携帯端末装置1を鞄などから出さずに設定を変えることができ、直接携帯端末装置1を見なくても携帯端末装置1が動作していることを把握することができる。また、携帯端末装置1の正確な場所を他人に知られることなく、設定することができる。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2005年6月30日出願の日本特許出願(特願2005−192260)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。